JPH08113A - 動物ゲージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 箱状容器の内部に、挟体板ととともにとまり
板を設けることができる動物ゲージの提供を目的とす
る。 【構成】 箱状容器１の挟体板３に水平軸１０Ａを中心
として回転自在なとまり板１１を設けるとともに、この
とまり板１１を、箱状容器１内の後部位置にて側面１Ａ
に設けられた支持部材１２によって水平に支持するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、猫、猿等の実験用動物
を収納するための動物ゲージに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】猫、猿等の実験用動物は、図４に示され
るような専用の動物ゲージに収納されることにより飼育
される。この動物ゲージは、動物が収納される箱状容器
１の前面に格子状の扉２が開閉自在に設けられたもので
あって、該箱状容器１の内部には挟体板３がほぼ垂直な
状態で配置されている。この挟体板３は、その各側部に
棒状の連結部材４が固定されているものであって、これ
ら連結部材４が、箱状容器１の各側面１Ａに設けられた
ガイド５（図４では一方側のみ記載）にそれぞれ案内さ
れることにより、前後方向（矢印（イ）−（ロ）方向）
に沿って移動されるようになっている。

【０００３】なお、前記挟体板３の移動は、連結部材４
の末端に固定されかつ箱状容器１の外部に位置する取手
６を、前側（矢印（イ）方向）に引っ張る、あるいは後
側（矢印（ロ）方向）に押し込むことにより行われる。
すなわち、取手６を引っ張った場合には、取手６に連結
された挟体板３が前側（矢印（イ）方向）に移動し、こ
れにより挟体板３と扉２との間隔が小さくなって、これ
ら挟体板３と扉２との間に動物が挟まれ、この状態で、
当該動物からの採血、当該動物への注射等が簡易かつ安
全に行われる。一方、取手６を押し込んだ場合には、取
手６に連結される挟体板３が後側（矢印（ロ）方向）に
移動し、これにより挟体板３と扉２との間隔が大きくな
って、これら挟体板３と扉２との間に動物を収納可能な
一定容量の空間が形成される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成された動物ゲージは、箱状容器１の内部に挟体板
３が移動自在に設けられた構造であるので、該箱状容器
１の内部に、猫等の動物の休息場所である一定高さをの
とまり板を設けようとした場合に、該とまり板の存在に
よって挟体板３の移動が妨げられるという問題がある。
すなわち、上記のような動物ゲージでは、箱状容器１の
内部に挟体板３が設けられている場合に、とまり板を設
けることはできず、この点において新たな技術の提供が
期待されていた。

【０００５】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、箱状容器の内部に、挟体板ととともにと
まり板を設けることができる動物ゲージの提供を目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、動物が収納
される収納容器内に垂直に配置した挟体板を前後方向に
移動自在に設け、該挟体板が、収納容器の前面に近接し
た位置にて、これら前面と挟体板との間に動物を挟持さ
せるようにした動物ゲージであって、前記挟体板には、
水平軸を中心として回転自在なとまり板が設けられ、前
記収納容器内の側面の後部位置には挟体板が水平となる
ように支持する支持部材が設けられていることを特徴と
する。

【０００７】

【作用】本発明に示す動物ゲージでは、収納容器内の挟
体板に水平軸を中心として回転自在なとまり板を設ける
とともに、このとまり板を、収納容器内の側面の後部位
置に設けられた支持部材によって水平に支持する構成と
し、このような構成によって、挟体板が収納容器の後部
に位置している場合に、とまり板が支持部材によって水
平に支持され、更に、該挟体板を前側に向けて移動させ
た場合に、支持部材によるとまり板の支持が解除され、
水平状態に保持されていたとまり板が水平軸を中心とし
て下側に回動される。そして、とまり板が水平軸を中心
として下側に回動された状態で、挟体板を更に前側に移
動させた場合には、該挟体板と収納容器の前面との間に
動物が挟まれ、これによって動物の動きが拘束され、該
動物に対して採血等の処置を行うことが可能となる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図３に基づ
いて説明する。なお、以下の説明において「従来の技
術」で示される図４と構成を共通とする箇所に同一符号
を付す。

【０００９】図１に示されるように本実施例の動物ゲー
ジは、従来の動物ゲージと同様、動物が収納される箱状
容器１の前面側に格子状の扉２が開閉自在に設けられ、
かつ箱状容器１の内部に前後方向（矢印（イ）−（ロ）
方向）に沿って移動自在な挟体板３が設けられたもので
あって、この挟体板３には、ヒンジ１０の水平軸１０Ａ
を中心として回転自在なとまり板１１が設けられてい
る。このとまり板１１は、図１に示すように支持部材１
２（後述する）に支持されている状態の水平位置と、図
２、図３に示すように、支持部材１２の支持が解除され
ている状態の垂直位置との間で回動されるものであっ
て、図１で示される水平位置となっている場合に、その
上面にて猫、猿等の動物が休息できるようになっている
（後述する）。また、このようなとまり板１１を設ける
理由としては、猫、猿等の動物は高いところが好きであ
り、高い場所に上がることによって、精神的な安定が得
られるからである。

【００１０】箱状容器１の側面１Ａの後部位置には、挟
体板３を水平となるように支持する一対の支持部材１２
がそれぞれ設けられている。これら支持部材１２はそれ
ぞれがコ字状体に形成され、かつ互いが対向するように
水平配置されたものであって、これらの間にとまり板１
１が挟み込まれた場合に、該とまり板１１が水平に保持
されるようになっている。なお、これら支持部材１２は
ヒンジ１０の水平軸１０Ａと同じ高さ位置に配置されて
いる。

【００１１】これら支持部材１２の各前端部には、とま
り板１１を強制的に回動させる円弧状の案内片１３がそ
れぞれ設けられている。これら案内片１３は、図２から
図１に示すように、前部位置にある挟体板３を、後側で
ある矢印（ロ）方向に移動させた場合に、垂直な状態に
あるとまり板１１の表面と摺動することにより、該とま
り板１１を、ヒンジ１０の軸１０Ａを中心として強制的
に回動させ、これによって該とまり板１１を垂直な状態
から水平な状態に円滑に転換させる。

【００１２】なお、とまり板１１は、支持部材１２の前
端部を支点として垂直な状態から水平な状態に支障無く
回動可能であれば、支持部材１２の前端部に位置する案
内片１３は省略しても良い。また、これら案内片１３は
支持部材１２と一体に設けるようにしたが、別の部材と
しても良い。また、これら案内片１３は湾曲状の片によ
り構成したが、これに代えて例えばローラ等の回転体に
よりとまり板１１を支持部材１２のコ字内に案内しても
良い。

【００１３】以上詳細に説明したように本実施例に示す
動物ゲージによれば、箱状容器１の挟体板３に、水平軸
１０を中心として回転自在なとまり板１１を設けるとと
もに、このとまり板１１を、箱状容器１内の後部位置に
て側面１Ａに設けられた支持部材１２によって水平に支
持する構成とし、このような構成によって、図１に示す
ように、箱状容器１の後部に挟体板３が位置している場
合に、とまり板１１が支持部材１２によって水平に支持
され、更に、図１〜図２に示すように、取手６を引っ張
って、挟体板３を前側（矢印（イ）方向）に向けて移動
させた場合に、支持部材１２によるとまり板１１の支持
が解除され、水平状態に保持されていたとまり板１１が
水平軸１０Ａを中心として下側に回動される。そして、
このとき、とまり板１１の上に、猫、猿等の動物がいた
場合には、とまり板１１の回動に伴って、該とまり板１
１から該動物が落下し、箱状容器１の前部側に追い立て
られることになる。

【００１４】そして更に、図２から図３に示すように、
取手６を更に引っ張って、挟体板３を前側（矢印（イ）
方向）に移動させた場合には、該挟体板３と箱状容器１
の前面に位置する扉２との間に動物が挟まれ、これによ
って動物の動きが拘束され、該動物に対して採血等の処
置を行うことが可能となる。

【００１５】また、動物に対して採血等の処置が終了し
た場合には、図３〜図２に示すように取手６を押し込む
ことにより、取手６に連結される挟体板３が後側（矢印
（ロ）方向）に移動し、これにより挟体板３と扉２との
間隔が大きくなって、これら挟体板３と扉２との間に動
物を収納可能な一定容量の空間が形成される。そして更
に、図２に示す状態から、取手６を押し込んで、挟体板
３を更に後側（矢印（ロ）方向）に移動させた場合に
は、図１に示すように案内片１３により、とまり板１１
がヒンジ１０の軸１０Ａを中心として回動させられ、支
持部材１２のコ字内に案内される。これによって、図１
に示すようにとまり板１１は支持部材１２によって水平
な状態に保持され、その上面に猫、猿等の動物が乗って
休息できるようになる。

【００１６】そして、以上説明した動物ゲージでは、箱
状容器１内に、動物の動きを拘束するための挟体板３
と、動物の休息場所であるとまり板１１とを共に設ける
ことができるものであり、このようなとまり板１１によ
って動物の休息箇所を確保することが可能となる。な
お、上記実施例では、箱状容器１の両側面１Ａにそれぞ
れ支持部材１２を設けるようにし、とまり板１１を両側
から支持するようにしたが、これに限定されず、強度的
に問題がなければ、箱状容器１の側面１Ａのいずれか一
方に支持部材１２を設け、片持でとまり板１１を支持し
ても良い。また、上記実施例では、コ字状の支持部材１
２によってとまり板１１を水平に支持するようにした
が、このようなコ字状体に代えてローラによってとまり
板１１を水平に支持しても良い。

【００１７】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に示す
動物ゲージでは、収納容器内の挟体板に水平軸を中心と
して回転自在なとまり板を設けるとともに、このとまり
板を、収納容器内の側面の後部位置に設けられた支持部
材によって水平に支持する構成とし、このような構成に
よって、挟体板が収納容器の後部に位置している場合
に、とまり板が支持部材によって水平に支持され、更
に、該挟体板を前側に向けて移動させた場合に、支持部
材によるとまり板の支持が解除され、水平状態に保持さ
れていたとまり板が水平軸を中心として下側に回動され
る。そして、とまり板が水平軸を中心として下側に回動
された状態で、挟体板を更に前側に移動させた場合に
は、該挟体板と収納容器の前面との間に動物が挟まれ、
これによって動物の動きが拘束され、該動物に対して採
血等の処置を行うことが可能となる。すなわち、本発明
では、動物の動きを拘束するための挟体板が設けられた
動物ゲージにおいて、とまり板を設けることができるも
のであり、このようなとまり板によって動物の休息箇所
を確保することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】挟体板３が箱状容器１の後部位置しているとき
の動物ゲージを示す斜視図。

【図２】支持部材１２によるとまり板１１の支持が解除
されたときの動物ゲージを示す斜視図。

【図３】挟体板３が前面側の扉２に近傍に位置している
ときの動物ゲージを示す斜視図。

【図４】従来の動物ゲージを示す斜視図。

【符号の説明】 １ 箱状容器（収納容器） １Ａ 箱状容器の側面（収納容器の側面） ２ 扉（収納容器の前面） ３ 挟体板 １０ ヒンジ １０Ａ 水平軸 １１ とまり板 １２ 支持部材 １３ 案内片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 動物が収納される収納容器内に垂直に配
   置した挟体板を前後方向に移動自在に設け、該挟体板
   が、収納容器の前面に近接した位置にて、これら前面と
   挟体板との間に動物を挟持させるようにした動物ゲージ
   であって、 前記挟体板には水平軸を中心として回転自在なとまり板
   が設けられ、 前記収納容器内の側面の後部位置には、挟体板が水平と
   なるように支持する支持部材が設けられていることを特
   徴とする動物ゲージ。