JPH08113609A - アルコキシシラン変性重合体及びそれを用いた接着剤組成物 - Google Patents

アルコキシシラン変性重合体及びそれを用いた接着剤組成物

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JPH08113609A
JPH08113609A JP20699195A JP20699195A JPH08113609A JP H08113609 A JPH08113609 A JP H08113609A JP 20699195 A JP20699195 A JP 20699195A JP 20699195 A JP20699195 A JP 20699195A JP H08113609 A JPH08113609 A JP H08113609A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性、耐久性等に優れたアルコキシシラン
変性重合体及びその重合体を用いた接着性、耐久性等に
優れた接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素コポ
リマーをリチウム化合物開始剤を用いて共役ジエンとビ
ニル芳香族炭化水素とを共重合して得て、このブロック
コポリマーに、少なくとも一つのメタクリロキシ基又は
アクリロキシ基と、少なくとも1つのアルコキシ基とを
有するケイ素から構成される、例えば、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランの如きシラン化合物を
反応させてなることを特徴とする。また、かくして得ら
れた重合体を接着剤組成物に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシシラン
変性重合体及びそれを用いた接着剤組成物に関し、詳し
くは接着性に優れた重合体並びこの重合体を用いた接着
剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】重合体のなかでも、スチレン−ブタジエ
ンランダムコポリマー(以下、SBRと称する)、スチ
レン−ブタジエンブロックコポリマー(以下、SBと称
する)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポ
リマー(以下、SBSと称する)、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロックコポリマー(以下、SISと称す
る)等のコポリマーが、その優れた加工性、強度、耐摩
耗性、耐水性の点から、種々の分野に応用されており、
近年、接着剤、粘着剤、アスファルト改質剤等に応用さ
れている。特に、SBSやSIS等はポリマー自体の強
い凝集力、強力、そして、加工に適した熱可塑性を有す
るためにホットメルト等広く接着剤用途に用いられてい
る。このような用途においては、その用途に応じて、こ
れらのコポリマーにタッキファイヤー、オイル、溶剤、
アスファルト、樹脂、フィラー、その他種々の添加剤等
を配合して用いられることが多いが、ベースポリマーで
あるコポリマー自体が有する、様々な基材、無機物、有
機物に対する接着力、粘着力は必ずしも満足できるもの
ではなく、特に、コポリマー自体のガラス、ガラスファ
イバー、石、金属、金属酸化物、無機質充填剤等の無機
物全般に対する粘・接着力を向上させたポリマー及びこ
れらを用いた粘・接着剤の開発が望まれていた。
【0003】一方、ゴム組成物中に充填剤として配合さ
れるシリカとの親和性を改良する目的で、例えば、ポリ
マー末端をシラン化合物で変性した重合体とシリカを含
むゴム組成物(例えば特公昭52−5071号、特開昭
56−104906号、特開昭62−50346号、特
開平2−227908号)、ポリマー末端と窒素含有化
合物で変性した重合体とシリカを含むゴム組成物(例え
ば特開昭64−22940号)等が知られている。これ
らの重合体としては、主としてジエン系重合体が用いら
れており、シリカとの親和性は向上するものの、接着剤
として用いうるような所望の接着性は得難かった。ま
た、ポリマー末端をシラン化合物で変性した重合体の製
法として、重合体末端に特定構造のシリコン化合物を反
応させる方法(特開昭54−94597号)が知られて
いるが、これは弾性重合体又は熱可塑性弾性重合体とし
ての汎用の用途が例示されているにすぎず、粘・接着剤
として最適化された優れた重合体素材の開発が望まれて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、製
造が簡単で、しかも、場合によっては必ずしもタッキフ
ァイヤー等の添加剤を必要としないような、接着性、耐
久性等に優れ、特に、無機物との接着性を本質的に向上
させた接着剤用重合体及びその重合体を用いた接着性、
耐久性等に優れた接着剤組成物の提供を目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアルコキシシラ
ン変性重合体は、リチウム化合物開始剤を用いて共役ジ
エンとビニル芳香族炭化水素とを共重合して得られる共
役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロックコポリマーの
末端部分の少なくとも1つに、下記一般式(I)で表さ
れるアルコキシシラン化合物を反応させて結合している
ことを特徴とする。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子又
は炭素数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭化水
素基から選ばれる基を表し、同じであっても異なってい
てもよい。R4 及びR6 は炭素数1〜20の脂肪族、脂
環族、芳香族の各炭化水素基から選ばれる基を表し、同
じであっても異なっていてもよい。R5 は炭素数1〜2
0の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭化水素基から選ばれ
る基を表し、OR5 基が複数あるとき、OR5 は同じで
あっても異なっていてもよい。xは1〜3の整数、yは
1〜3の整数を表し、且つ、x+yは2〜4の整数を表
す。) 本発明の請求項2記載の重合体は、請求項1記載のアル
コキシ変性重合体であって、前記共役ジエン/ビニル芳
香族炭化水素コポリマーの構造が(A−B)n、(B−
A)n 、(A−B)n A及び(B−A)n Bからなる群
から選ばれることを特徴とする。(式中、Aはビニル芳
香族炭化水素ポリマーブロックを表し、Bは共役ジエン
ポリマーブロックを表し、nは1〜4の整数を表す。) 本発明の請求項3記載の重合体は、請求項1又は2記載
のアルコキシ変性重合体であって、前記共役ジエン/ビ
ニル芳香族炭化水素コポリマーの構造がA1 −B1 、B
1 −A1 及びB1 −A1 −B1 からなる群から選ばれる
ことを特徴とする。(式中、A1 はポリスチレンブロッ
クを表し、及びB1 はポリブタジエンブロック又はポリ
イソプレンブロックを表す。) 本発明の請求項4記載の重合体は、請求項1記載のアル
コキシシラン変性重合体であって、前記アルコキシシラ
ン化合物が、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン又はγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンであることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項5記載の接着剤組成物は、
請求項1記載のアルコキシシラン変性重合体を含有する
ことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項6記載の接着剤組成物は、
請求項5記載の接着剤組成物であって、前記請求項1記
載のアルコキシシラン変性重合体を3重量%以上含有す
ることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項7記載の接着剤組成物は、
前記請求項4記載のアルコキシシラン変性重合体を含有
することを特徴とする。
【0011】本発明の請求項8記載の接着剤組成物は、
請求項7記載の接着剤組成物であって、前記請求項4記
載のアルコキシシラン変性重合体を3重量%以上含有す
ることを特徴とする。
【0012】本発明者は、重合体の構成成分、それらの
物性等に着目し、鋭意検討を重ねた結果、共役ジエン/
ビニル芳香族炭化水素コポリマーの末端部分の少なくと
も1つに、前記一般式(I)で表される化合物、例え
ば、メタクリロキシ基とアルコキシシリル基を有するケ
イ素化合物を反応させることにより得られる重合体並び
にこの重合体を含有する接着剤組成物によって、本発明
の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0013】この効果が発現する作用は明らかではない
が、メタクリロキシ基に起因する極性効果及び重合体末
端のアルコキシシラン官能基と被接着物質との親和性の
大きさに起因するものと考えられる。
【0014】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
アルコキシシラン変性重合体は、例えば、共役ジエン/
ビニル芳香族炭化水素ブロックコポリマーの末端部分の
少なくとも1つにメタクリロキシ基又はメタクリロキシ
残基を有する官能基が結合し、且つこの官能基に少なく
とも1つのアルコキシ基を有するケイ素が結合している
ものを指す。前記重合体の好ましいものとしては、次の
ものが挙げられる。例えば、有機モノリチウム(RL
i)触媒を用いて、ビニル芳香族炭化水素モノマーと共
役ジエンモノマーとのトリブロックコポリマー、所謂S
BSリビングポリマーを得て、このコポリマー末端リチ
ウムとシラン化合物とを反応させて得られる重合体が含
まれる。この反応において、一般式(I)で表されるア
ルコキシシラン化合物にはリビングポリマーと反応しう
る反応サイトとして、C=C二重結合、C=O基及びS
i(OR5 )xの3種を有し、ここで、C=C二重結合
は隣接するC=O基との共役性のため、低重合度に重合
(オリゴメゼーション)する可能性がある。従って、単
純に模式化すると、リビングポリマーとアルコキシシラ
ン化合物との反応生成物は、例えば、アルコキシシラン
化合物として、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン(以下、適宜γ−MSと称する)を用いた場
合、スチームストリップ処理やドラムドライヤー処理等
のフィニッシング処理をした際、下記一般式で表される
アルコキシシラン変性重合体単独及びそれらがより複雑
に複合化した混合物となるものと考えられる。下記の式
は反応生成物の例を示したものである。 〔リビングポリマーがγ−MSの一種の官能基のみと反
応した場合〕
【0015】
【化3】
【0016】〔リビングポリマーが二分子以上のγ−M
Sの二種以上の官能基のみと反応した場合〕
【0017】
【化4】
【0018】一般式(II)、(III )、(IV)、
(V)、(VI)において、R7 は有機モノリチウム(R
Li)の有機基Rを表し、Pは共役ジエン/ビニル芳香
族コポリマーを表し、nは1以上の整数、mは1〜3の
整数を表す。
【0019】さらに、反応生成物としては2分子以上の
リビングポリマーがγ−MSの3種の反応サイトと反応
したカップリング生成物も存在する。
【0020】また、一般式(I)で表されるアルコキシ
シラン化合物による変性末端構造(例えば、一般式(I
I)〜(VI)等の混合物)を同一分子内に複数個有する
重合体も好ましく用いられる。これは、例えば、RLi
触媒の代わりに、R(Li)2、R(Li)3 で表され
る如き有機多価リチウム触媒を用いることにより、上記
と同様にして得られるコポリマー鎖が複数個となる、即
ち、変性末端構造を複数個有するようなアルコキシシラ
ン変性重合体である。
【0021】次に、本発明の重合体について詳しく述べ
る。式中、Pは共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素コポ
リマーを表す。コポリマーを構成する一方のモノマーで
ある共役ジエンモノマーは1分子当たり炭素原子4〜1
2個、好ましくは、4〜8個を含有する共役ジエン炭化
水素である。例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、オクタジエン等が挙げられる。これらは単独
でも2種以上混合して用いても良く、工業化が容易であ
る、即ち、安価に大量に入手が可能であるという観点か
ら、特に1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0022】コポリマーを構成する他方のモノマーであ
るビニル芳香族炭化水素モノマーとしては、エチルベン
ゼンの脱水素反応により得られたスチレンモノマー及び
その誘導体等が挙げられ、具体的には、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチ
レン、p−ブチルスチレン、ビニルナフタリン及びこれ
らの同様物が包含されるが、工業化が容易であるという
観点から、特にスチレンが好ましい。
【0023】前記共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素コ
ポリマーの構造は(A−B)n 、(B−A)n 、(A−
B)n A及び(B−A)n B(式中、Aはビニル芳香族
炭化水素ポリマーブロックを表し、Bは共役ジエンポリ
マーブロックを表し、nは1〜4の整数を表す)からな
る群から選ばれることが好ましい。また、共役ジエン/
ビニル芳香族炭化水素コポリマーの構造はA1 −B1
1 −A1 及びB1 −A1 −B1 (式中、A1 はポリス
チレンブロックを表し、及びB1 はポリブタジエンブロ
ック又はポリイソプレンブロックを表す)からなる群か
ら選ばれることがさらに好ましい。
【0024】共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロッ
クコポリマーとしては、スチレン/ブタジエン(S
B)、SBS、SIS等も用いられる。共役ジエンポリ
マー、例えば、ポリブタジエン中のブタジエン部のミク
ロ構造(シス−1,4、トランス−1,4、ビニル)は
特に制限されず、通常、有機リチウム触媒系で得られる
範囲のミクロ構造を取ることができるが、1,4結合
(シス型、トランス型を含む)対ビニル結合の比率は、
95/5〜5/95、さらに90/10〜30/70で
あることが得られるコポリマーの強度等の諸物性の観点
から好ましい。
【0025】共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素コポリ
マー、例えばブタジエン/スチレンコポリマーの組成は
特に制限されないが、通常、20/80〜95/5の重
量比が用いられ、物性の総合的バランスの観点から、5
0/50〜75/25の重量比であることが好ましい。
また得られた重合体の分子量は、10,000〜1,5
00,000であることが好ましく、接着剤の主材とし
て使用する観点からは、50,000〜200,000
であることがより好ましい。
【0026】本発明のアルコキシシラン変性重合体の開
始端構造について述べる。前記例における開始端構造R
7 は有機モノリチウムの有機基(リチウム残基)を表
し、炭素数1〜10のアルキル基である。未変性重合体
の開始端構造は、リチウム化合物を開始剤として用いる
場合、開始剤のリチウム残基となる。従って、開始端構
造は、リチウム残基、例えば、有機基、アミン基、イミ
ン基、アルキルスズ基等をから選ばれる構造をとりう
る。リチウム開始剤については後記する。
【0027】一般式(I)で表されるアルコキシシラン
化合物中のR1 、R2 は、水素原子又は炭素数1〜20
のアルキル基等が好ましいが、特に、水素原子が好まし
い。一般式(I)中のR3 は水素原子又は炭素数1〜2
0の脂肪族、脂環族及び芳香族の各炭化水素基から選ば
れる基を表し、炭素数1〜6の脂肪族、脂環族の各炭化
水素基から選ばれる基が好ましい。
【0028】脂肪族炭化水素基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル等の基を挙げることができ、好ましいのはメチ
ル基である。この場合、メタクリロキシ基ベースのシラ
ン化合物となる。次に好ましいのR3 が水素原子であ
り、この場合、アクリロキシシラン化合物となる。
【0029】一般式(I)中のR4 は、炭素数1〜20
の脂肪族、脂環族及び芳香族の各炭化水素基を表し、炭
素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、オクチル等の基を挙げることができ、好ましいのは
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
【0030】一般式(I)中のR5 は、炭素数1〜20
の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭化水素基から選ばれる
基を表し、脂肪族炭化水素基及び脂環族炭化水素基は前
記R 3 と同義であり、中でも炭素数1〜3のアルキル基
が好ましい。芳香族炭化水素基としては、例えばフェニ
ル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリ
ルの各基を挙げることがでる。
【0031】一般式(I)中のR6 は、炭素数1〜20
の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭化水素基から選ばれる
基を表し、中でも炭素数1〜3のアルキル基が好まし
い。
【0032】一般式(I)中のxは1〜3の整数、yは
1〜3の整数を表し、且つx+yは2〜4の整数を表
す。x=2、y=2、若しくは、x=3、y=1の組合
せが好ましく、x=3、y=1が特に好ましい。
【0033】次に、重合体の製造方法例で重合体の分子
構造を示す。本発明の重合体の製造方法は、特に制限さ
れないが、その製造方法を以下に例示する。
【0034】少なくともモノマーの存在下で、有機リチ
ウム化合物(例えばRLi)を添加するとリチウム触媒
を開始剤とするモノマーの共重合が進行する。重合後、
リチウム活性末端を有するこのポリマー溶液にメタクリ
ロキシ基又はアクリロキシ基等を有するシラン化合物を
加えると、本発明の重合体が得られる。ここで、モノマ
ーとして、例えば、スチレン(S)を重合し、ポリスチ
レンブロック(PS)を得て、次に、ブタジエン(B)
を重合して得たポリブタジエンブロック(PB)をPS
に結合させ、次いで、メタクリロキシ基を有するシラン
化合物としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン(γ−MS)を各々用いて、本発明の重合体を得
る製造例をAに示す。得られた重合体はA−1、A−
2、A−3及びA−4のいずれか、又はこれらのうち複
数種の混合物になる。
【0035】
【化5】
【0036】式中、●はγ−MS残基1つを、若しく
は、γ−MS複数個がオリゴマー化したものを表す。k
は4以上の整数を表す。
【0037】即ち、本発明のアルコキシシラン変性重合
体のうち、好ましい態様としての一般式(II)〜(VI)
で表されるアルコキシシラン変性重合体は、上記の如
く、例えば、RLi触媒を用いて、ビニル芳香族炭化水
素モノマーと共役ジエンモノマーとのコポリマーを得
て、このコポリマー末端リチウムとシラン化合物とを反
応させて得られるものである.これらシラン化合物の具
体例としては、例えばγ−メタクリロキシメチルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシエチルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジイソプロペンオキシシラ
ン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメトキシシ
ラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジエトキシ
シラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジプロポ
キシシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジブ
トキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジ
フェノキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピ
ル)メチルメトキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシ
プロピル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−メタクリ
ロキシプロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−
メタクリロキシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス
(γ−メタクリロキシプロピル)メチルフェノキシシラ
ン、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシウンデカトリメトキシシ
ラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ
−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシ
ブチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリプ
ロポキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリブトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルトリフェノキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルジエチルエトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルメチルジイソプロペンオ
キシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピル)ジメト
キシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピル)ジエト
キシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピル)ジプロ
ポキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピル)ジブ
トキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピル)ジフ
ェノキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピル)メ
チルメトキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピ
ル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプ
ロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−アクリロ
キシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ−アク
リロキシプロピル)メチルフェノキシシラン、トリス
(γ−アクリロキシプロピル)メトキシシラン等を挙げ
ることができる。これらのうち、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシウンデカトリメトキシシ
ランが好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランが更に好ましい。
【0038】この製造方法において、重合溶媒として用
いられるものには、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキ
サン、n−ブタン等の脂肪族炭化水素溶媒、メチルシク
ロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒及
びこれらの混合物が使用できる。
【0039】この製造法において用いられる重合開始剤
のリチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、se
c−ブチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウ
ム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、1,4−
ジリチオブタン、ブチルリチウムとジビニルベンゼンと
の反応物等のアルキルリチウム、アルキレンジリチウ
ム、フェニルリチウム、スチルベンジリチウム等、又は
トリブチルスズリチウム等の有機金属リチウム、リチウ
ムジエチルアミド、リチウムピロリジド等のリチウムア
ミド(特開昭50−79590号、特開昭52−224
84号等)を挙げることができる。通常の工業的用途に
おいては、リチウム化合物としてn−ブチルリチウム又
はsec−ブチルリチウムが好ましく用いられる。
【0040】これらのリチウム化合物として前記工業用
途に汎用のモノリチウムの他、前記のようなジリチウ
ム、トリリチウム等のリチウムマルチ体をも好適に使用
しうる。
【0041】これらのリチウム開始剤は単独で用いて
も、2種以上混合して用いても良い。これらのリチウム
化合物の使用量は、モノマー100g当たり0.2〜3
0mmolの範囲で用いることができる。
【0042】重合に用いられる共役ジエンモノマー又は
ビニル芳香族炭化水素モノマーは前記した通りである。
本発明で用いるコポリマーがブロックコポリマーである
場合のブロックコポリマーの各ブロックは、例えば、ブ
タジエンのみ、或いは、スチレンのみから構成されるホ
モポリマーのブロックであってもよいが、スチレンとブ
タジエンが一定比率で共重合されているコポリマーのブ
ロックであってもよい。即ち、本発明の共重合体には、
例えば、第1のブロックがスチレン80%、ブタジエン
20%のランダムブロックコポリマーであり、第2のブ
ロックがスチレン40%、ブタジエン60%のランダム
ブロックコポリマーであるブロックコポリマーからな
り、その後、メタクリロキシシラン変性されたようなタ
イプも含まれる。さらに、各ブロックがテーパー構造の
コポリマー(ブタジエンとスチレンの組成分布に傾斜が
ついたもの)になっていてもよい。例えば、A、B、C
の3つのブロック構造からなる(B−C−A)構造、こ
こでBはブタジエンブロックであり、Aはスチレンブロ
ックであり、Cはブタジエンリッチからスチレンリッチ
な構造に徐々に変化するテーパー構造のブロックである
構造、であってもよい。この場合、例えば、Aのスチレ
ンブロックの末端がγ−メタクリロキシシラン変性され
ているようなものも本発明の重合体に包含される。上記
の如く、様々なブロックがどのように組み合わされてブ
ロックコポリマーを構成していてもよく、ブロックの数
も2以上であれば、特に制限されない。但し、実用上、
ブロックの数が2から4の範囲のものが製造の容易さか
ら好ましい。
【0043】この重合において、モノマーの重合を促進
する目的、及び/又は、共役ジエンとビニル芳香族炭化
水素との所望の分子構造の重合体を得たい場合は、ミク
ロ構造調節剤が好ましく用いられる。ここで言うミクロ
構造調節剤とは、共役ジエン重合体のミクロ構造のコン
トロール、例えば、ブタジエン部の1,2結合及びイソ
プレン重合体の3,4結合の増量等の作用や共役ジエン
とビニル芳香族炭化水素の組成分布のコントロール、例
えば、スチレンとブタジエンのランダム化、ブロック化
の制御作用を有する化合物である。本発明のミクロ構造
調節剤は特に制限されないが、一般に用いられているも
の全てを含む。用いられるミクロ構造調節剤の例として
は、次にようなものが挙げられる。 (1)エーテル類 (2)アルカリ金属とケトン又は亜リン酸トリエステル
とのコンプレックス (3)下記一般式で表される化合物 R(OM1)n 、(RO)22 、R(COOM1)n 、RO
COOM1 、RSO31 、ROSO31 (但し、Rは脂肪族、脂環族及び芳香族の各炭化水素基
から選ばれるものであり、M1 はアルカリ金属であり、
特に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又
はセシウムを表し、M2 はアルカリ土類金属であり、具
体的にはカルシウム又はバリウムを表し、かつnは1〜
3の整数である。) (4)第三級アミン 以下ミクロ構造調節剤について、具体的に説明するが、
これらのミクロ構造調節剤は、単独又はこれらの併用で
もよい。
【0044】(1)エーテル類の例としては、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラ
ヒドロフラン、2−メトキシメチルテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ベラトロール、イソホモベラトロール等が
挙げられる。
【0045】(2)アルカリ金属とケトン又は亜リン酸
トリエステルとのコンプレックスには、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジイソプロピルケトン、ベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、ジベンジルケトン、フルオレノ
ン、キサントン、ミヒラーケトン、アセチルアセトンの
ようなケトン類及び、トリエチルホスファイト、トリオ
クチルホスファイト、トリベンジルホスファイト、トリ
ノニルホスファイトのような亜リン酸トリエステルと、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシ
ウムとのコンプレックス等が挙げられる。
【0046】(3)一般式で示したミクロ構造調節剤に
ついて説明する。一般式R(OM1)n 又は(RO)22
で示されるアルコール、フェノールのアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩の具体的な例には、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、te
rt−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、シク
ロヘキシルアルコール、アリルアルコール、2−ブテニ
ルアルコール、ベンジルアルコール、フェノール、カテ
コール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1−ナフチル
アルコール、p−ノニルフェノール、ピロガロール等の
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、カルシウム及びバリウムの各塩が含まれる。
【0047】一般式R(COOM1)n 又はROCOOM
1 により示されるアルカリ金属のカルボン酸及び酸性炭
酸エステル塩の具体例には、イソ吉草酸、ラウリル酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、
安息香酸、ピメリン酸、酸性炭酸n−ドデシル、酸性炭
酸フェニル等のリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム及びセシウム塩等を挙げることができる。
【0048】一般式RSO31 又はROSO31
より表されるアルカリ金属のスルホン酸及び硫酸エステ
ル塩の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、
ジイソプロピルナフタリンスルホン酸、N−メチル−N
−メタンスルホン酸塩ラウリルアミド、ラウリルアルコ
ールの硫酸エステル塩、カプロイルエチレングリコール
硫酸エステル等のリチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム及びセシウム塩が含まれる。
【0049】(4)第三級アミンの例としては、トリエ
チルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等が挙げら
れる。
【0050】この中で、好ましいミクロ構造調節剤とし
ては、前記(1)エーテル類及び前記(3)R(OM1)
n が挙げられる。
【0051】ミクロ構造調節剤の使用量は有機リチウム
化合物1モル当量当たり、0.01〜1000モル当量
の範囲で用いられる。
【0052】重合温度は、通常、−20〜150℃で、
好ましくは0〜100℃である。なお、溶媒中のモノマ
ー濃度は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜3
5重量%である。
【0053】重合反応は、モノマーを液相で触媒に接触
させて実施されるが、その圧力は通常、本質的に液相を
保持するために十分な圧力で操作することが好ましい。
また、反応系に装入される上記の全物質には、触媒作用
を妨害する物質を排除することが好ましい。重合後にメ
タクリロキシ基又はアクリロキシ基を有するシラン化合
物を加えて行う反応は、コポリマーの活性末端リチウム
を失活させない雰囲気、例えば、窒素雰囲気中で実施さ
れる。また、末端のアルコキシシラン基が重合体の接着
力に寄与していると考えられるため、出来るだけカップ
リング反応は抑えた方がよく、アルコキシシラン基を多
く残した方がよい。
【0054】また、前記の如く、本発明で用いる一般式
(I)で表されるアルコキシシラン化合物、例えば、メ
タクリロキシアルコキシシラン類、アクリロキシアルコ
キシシラン類は、一般式(II)で示したように、リビン
グポリマー末端にある程度複数の分子がC=C付加重合
する可能性がある。従って、リビングポリマー1分子に
対して、メタクリロキシアルコキシシラン類、アクリロ
キシアルコキシシラン類を1当量以上用いることによ
り、リビングポリマー1分子に付加するアルコキシシラ
ン基や他の極性基の数を増やすことができる。
【0055】従って、アルコキシシラン変性剤として用
いるシラン化合物の使用量は、リビングポリマーの末端
活性リチウム1モルに対し、0.01〜100モルの範
囲で用いることができ、好ましくは0.3〜10モル当
量である。
【0056】反応終了後、重合体溶液中にスチームを吹
き込んで溶媒を除去するか、又はメタノール等の貧溶媒
を加えて重合体を凝固させた後、熱ロール又は減圧下で
乾燥して重合体を得ることができる。また、重合体溶液
を直接熱ロール又は減圧下で溶媒を除去して重合体を得
ることもできる。
【0057】本発明の重合体を種々の用途に用いる際に
は、固体状態のみならず、ポリマー溶液、或いは、ラテ
ックス化した状態で使用することができる。
【0058】次に本発明の接着剤組成物について説明す
る。本発明の接着剤組成物は、前記本発明の重合体を接
着剤全体に対して3重量%以上用いるものである。本発
明の重合体は、3重量%以上含有されていればよく、場
合によっては、100重量%即ち、本発明の重合体のみ
でも接着剤として使用しうる。接着性の観点から、本発
明の重合体を5〜70重量%含むことが好ましい。本発
明の重合体以外の配合成分は、本発明の効果を損なわな
い限りにおいて公知の接着剤配合成分を任意に使用でき
る。例えば、天然ゴムや本発明の重合体以外の合成ゴム
等のゴム類、シリカ、酸化亜鉛、ステアリン酸、潤滑
剤、油剤、溶剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、タッ
キファイヤー、樹脂等を併用することができる。
【0059】本発明の接着剤組成物の主材として用いら
れる他のゴム類について述べれば、本発明の重合体10
0重量部に対して、他のゴム類は70重量部以下で併用
されることが好ましい。
【0060】また、近年、接着剤の用途において、固形
ポリマーに前記の配合剤を配合する手法のみならず、ポ
リマー溶液(例えば、重合後のポリマー溶液)や溶液重
合後にラテックス化したポリマーに対して必要に応じて
種々の添加剤を配合した所謂溶液タイプ、ラテックスタ
イプの粘着剤、接着剤が使用されており、本発明のアル
コキシシラン変性重合体も、このような用途に溶液状態
やラテックス状態で使用することができる。
【0061】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0062】なお、実施例において、部及び%は特に断
らない限り、重量部及び重量%を意味する。
【0063】各種の測定は下記の方法によった。コポリ
マーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(M
w)の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィ
〔GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー
製GMH−XL(2本直列)〕により行い、示差屈折率
(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポ
リスチレン換算で行った。
【0064】ポリマーのブタジエン部分のミクロ構造
は、赤外法(モレロ法)によって求めた。またブタジエ
ン−スチレンコポリマーの結合スチレン含有量は 1H−
NMRスペクトルの積分比より算出した。
【0065】重合体の剥離接着力はJIS K6854
に従って測定した。 〔実施例1〕乾燥し、窒素置換された500mlのリア
クター中に、シクロヘキサン48g、スチレンモノマー
12g、テトラヒドロフラン(THF)1モル溶液60
mlを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuLi)
1.7モル溶液0.7mlを加えた後、50℃で1時間
反応させた。その後、1,3−ブタジエンモノマー36
g、シクロヘキサン204gを加えて、50℃で3時間
反応させた。引き続きシクロヘキサン48g及びスチレ
ンモノマー12gを加えて、50℃で1時間反応させ
た。
【0066】一方、先の重合溶液に、メタクリロキシ基
を有するシラン化合物として、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(γ−MS)1モル溶液1.2
mlを加え、50℃で30分間変性を行った。これにイ
ソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状
重合体G−1を得た。この重合体はGPCにて、分子量
分布を確認すると、先に述べたベース部分と、ポリマー
2分子以上がカップリングしたと思われるより高分子量
部分との二峰性に変化しており、結果として、トータル
の重量平均分子量は18.45×104 であった。この
重合体の他のデータを表1に示した。これらのデータ等
を併せると、得られた重合体は前記一般式(II)〜(V
I)で表される重合体の混合物であることが確認され
た。この重合体の分子量等のデータを表1に記載した。
【0067】また、この重合体G−1の表1に示すガラ
ス、ステンレス基板(SUS)に対する剥離接着力を評
価した。結果を表1に示した。
【0068】〔実施例2〕実施例2は、THF(1モル
溶液)を2.4mlに換えた以外、実施例1と同様に行
った。ここで、ゴム状重合体G−2を得た。この重合体
はコポリマーの結合スチレン含量、ブタジエン部のビニ
ル含量が異なる以外、G−1と同様の分子構造を有して
いた。この重合体の分子量等のデータを表1に記載し
た。また、この重合体で実施例1におけるのと同様に剥
離接着力を評価し、この結果を表1に示した 〔比較例1〕比較例1は、メタクリロキシ基を有するシ
ラン化合物(γ−MS)を用いなかった以外、実施例1
と同様に行った。ここで、ゴム状重合体G−3を得た。
この重合体は通常のSBSである。
【0069】重合体の特性及び重合体から調整された接
着剤組成物の剥離接着力評価の結果を表1に示した。
【0070】〔比較例2〕比較例2は、メタクリロキシ
基を有するシラン化合物(γ−MS)の代わりに、メタ
クリロキシ基を有しないメチルトリエトキシシラン(M
TEOS)を用いた以外、実施例1と同様に行った。こ
こで、ゴム状重合体G−4を得た。この重合体は、前記
の製造例Aから容易にわかるように、SBSコポリマー
にメチルエトキシシラン基のみが結合し、メタクリロキ
シ基及びメタクリロキシ残基を含む官能基は結合してい
ない重合体であった。
【0071】重合体の特性及び重合体の剥離接着力評価
の結果を表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】表1から明らかなように、本発明の重合体
組成物は、比較例と対比して、ガラス、金属等の無機物
に対する接着性に優れていることが確認された。
【0074】
【発明の効果】本発明の重合体は、上記構成としたの
で、製造が簡単で、しかも、場合によっては、タッキフ
ァイヤー等の添加剤を必要とすることなく、無機物との
接着性を本質的に向上させるという優れた効果を有し、
前記重合体を用いる本発明の接着剤組成物は、耐剥離性
に優れた効果を有する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム化合物開始剤を用いて共役ジエ
    ンとビニル芳香族炭化水素とを共重合して得られる共役
    ジエン/ビニル芳香族炭化水素コポリマーの末端部分の
    少なくとも1つに、下記一般式(I)で表されるアルコ
    キシシラン化合物を反応させて結合してなることを特徴
    とするアルコキシシラン変性重合体。 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子又は炭素数1〜
    20の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭化水素基から選ば
    れる基を表し、同じであっても異なっていてもよい。R
    4 及びR6 は炭素数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族
    の各炭化水素基から選ばれる基を表し、同じであっても
    異なっていてもよい。R5 は炭素数1〜20の脂肪族、
    脂環族、芳香族の各炭化水素基から選ばれる基を表し、
    OR5 基が複数あるとき、OR5 は同じであっても異な
    っていてもよい。xは1〜3の整数、yは1〜3の整数
    を表し、且つ、x+yは2〜4の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素
    コポリマーの構造が(A−B)n 、(B−A)n 、(A
    −B)n A及び(B−A)n Bからなる群から選ばれる
    ことを特徴とする請求項1記載のアルコキシシラン変性
    重合体。(式中、Aはビニル芳香族炭化水素ポリマーブ
    ロックを表し、Bは共役ジエンポリマーブロックを表
    し、nは1〜4の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 前記共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素
    コポリマーの構造がA1 −B1 、B1 −A1 及びB1
    1 −B1 からなる群から選ばれることを特徴とする請
    求項1又は2記載のアルコキシシラン変性重合体。(式
    中、A1 はポリスチレンブロックを表し、及びB1 はポ
    リブタジエンブロック又はポリイソプレンブロックを表
    す。)
  4. 【請求項4】 前記アルコキシシラン化合物が、γ−メ
    タクリロキシプロピルトリメトキシシラン又はγ−アク
    リロキシプロピルトリメトキシシランであることを特徴
    とする請求項1記載のアルコキシシラン変性重合体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアルコキシシラン変性重
    合体を含有することを特徴とする接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のアルコキシシラン変性重
    合体を3重量%以上含有することを特徴とする請求項5
    記載の接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項4記載のアルコキシシラン変性重
    合体を含有することを特徴とする接着剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項4記載のアルコキシシラン変性重
    合体を3重量%以上含有することを特徴とする請求項7
    記載の接着剤組成物。
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