JPH0859739A - アルコキシシラン変性重合体及びそれを用いた接着剤組成物 - Google Patents

アルコキシシラン変性重合体及びそれを用いた接着剤組成物

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JPH0859739A
JPH0859739A JP20071494A JP20071494A JPH0859739A JP H0859739 A JPH0859739 A JP H0859739A JP 20071494 A JP20071494 A JP 20071494A JP 20071494 A JP20071494 A JP 20071494A JP H0859739 A JPH0859739 A JP H0859739A
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JP
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group
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alkoxysilane
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modified polymer
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Application number
JP20071494A
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English (en)
Inventor
Sei Aoki
勢 青木
Hideo Takechi
秀雄 武市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着性、耐久性等に優れた接着剤用アルコキ
シシラン変性重合体及びその重合体を用いた接着性、耐
久性等に優れた接着剤組成物を提供する。 【構成】 共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロック
コポリマーをリチウム化合物開始剤を用いて共役ジエン
とビニル芳香族炭化水素とを共重合して得て、このブロ
ックコポリマーに、少なくとも一つのエポキシシクロヘ
キシル基と、少なくとも1つのアルコキシ基とを有する
ケイ素から構成される、例えば、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシランの如き
シラン化合物を反応させてなることを特徴とする。ま
た、かくして得られた重合体を接着剤組成物に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコキシシラン変性
重合体及びそれを用いた接着剤組成物に関し、詳しくは
接着性に優れた重合体並びこの重合体を用いた接着剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】重合体のなかでも、スチレン−ブタジエ
ンブロックコポリマー(以下、SBと称する)、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(以下、
SBSと称する)、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロックコポリマー(以下、SISと称する)等のブロッ
クコポリマーが、その優れた加工性、強度、耐摩耗性、
耐水性の点から、種々の分野に応用されており、近年、
接着剤、粘着剤、アスファルト改質剤等に応用されてい
る。このような用途においては、その用途に応じて、こ
れらのブロックコポリマーにタッキファイヤー、オイ
ル、溶剤、アスファルト、樹脂、フィラー、その他種々
の添加剤等を配合して用いられることが多いが、ベース
ポリマーであるブロックコポリマー自体が有する、様々
な基材、無機物、有機物に対する接着力、粘着力は必ず
しも満足のゆくものではなく、特に、ブロックコポリマ
ー自体のガラス、ガラスファイバー、石、金属、金属酸
化物、無機質充填剤等の無機物全般に対する粘・接着力
を向上させたブロックコポリマー及びこれらを用いた粘
・接着剤の開発が望まれていた。
【0003】一方、ゴム組成物中に充填剤として配合さ
れるシリカとの親和性を改良する目的で、例えば、ポリ
マー末端をシラン化合物で変性した重合体とシリカを含
むゴム組成物(例えば特公昭52−5071号、特開昭
56−104906号、特開昭62−50346号、特
開平2−227908号)、ポリマー末端と窒素含有化
合物で変性した重合体とシリカを含むゴム組成物(例え
ば特開昭64−22940号)等が知られている。これ
らの重合体としては、主としてジエン系重合体が用いら
れており、シリカとの親和性は向上するものの、接着剤
として用いうるような所望の接着性は得難かった。ま
た、ポリマー末端をシラン化合物で変性した重合体の製
法として、重合体末端に特定構造のシリコン化合物を反
応させる方法(特開昭54−94597号)が知られて
いるが、これは弾性重合体又は熱可塑性弾性重合体とし
ての汎用の用途が例示されているにすぎず、粘・接着剤
として最適化された優れた重合体素材の開発が望まれて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、製
造が簡単で、しかも、場合によっては必ずしもタッキフ
ァイヤー等の添加剤を必要としないような、接着性、耐
久性等に優れ、特に、無機物との接着性を本質的に向上
させた接着剤用重合体及びその重合体を用いた接着性、
耐久性等に優れた接着剤組成物の提供を目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアルコキシシラ
ン変性重合体は、共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブ
ロックコポリマーの末端部分の少なくとも1つに水酸基
を有する官能基が結合し、且つこの官能基に少なくとも
1つのアルコキシ基を有するケイ素が結合していること
を特徴とする。
【0006】本発明の請求項2に記載の重合体は、共役
ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロックコポリマーの末
端部分にアルキル基又は水素原子が結合し、該コポリマ
ーの別の部分に、水酸基を有する官能基が結合し、且つ
この官能基に少なくとも1つのアルコキシ基を有するケ
イ素が結合していることを含む、下記一般式(I)で表
される分子構造の少なくとも1つからなることを特徴と
する。
【0007】
【化6】
【0008】(式中、Pはコポリマーを表し、R1 は水
素原子又は炭素数1〜10のアルキル基から選ばれる基
を表し、R2 は炭素数1〜20の脂肪族、脂環族の各炭
化水素基から選ばれる基を表し、R3 は酸素原子、メチ
レン基又は置換基を有するメチレン基を表し、R4 は炭
素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。R5 及びR 6
は炭素数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭化水
素基から選ばれる基を表し、同じであっても異なってい
てもよく、OR5 基が複数あるとき、R5 は同じであっ
ても異なっていてもよい。xは1〜3の整数、yは1〜
3の整数、zは0又は1〜2の整数、且つx+y+zは
2〜4の整数を表す。nは0又は1を表す。) 本発明の請求項3に記載の重合体は、請求項2記載のア
ルコキシシラン変性重合体であって、下記一般式(II)
で表される分子構造の少なくとも1つからなることを特
徴とする。
【0009】
【化7】
【0010】(式中、P、R1 、R4 ,R5 、OR5
6 x、y、z及びx+y+zは一般式(I)における
のと同義である。) 本発明の請求項4に記載の重合体は、請求項2記載のア
ルコキシシラン変性重合体であって、下記一般式(III
)で表される分子構造の少なくとも1つからなること
を特徴とする。
【0011】
【化8】
【0012】(式中、P、R1 、R4 ,R5 、OR5
6 x、y、z及びx+y+zは一般式(I)における
のと同義である。) 本発明の請求項5に記載の重合体は、請求項1記載のア
ルコキシシラン変性重合体であって、前記共役ジエン/
ビニル芳香族炭化水素ブロックコポリマーがリチウム化
合物開始剤を用いて共役ジエンとビニル芳香族炭化水素
とを共重合して得られるものであり、このブロックコポ
リマーに、少なくとも一つのグリシドキシ基と、前記少
なくとも1つのアルコキシ基とを有するケイ素から構成
される下記一般式(IV)で表されるシラン化合物を反応
させて結合していることを特徴とする。
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R4 、OR5 及びR6 は一般式
(I)におけるのと同義であり、mは1〜3の整数、n
は1〜3の整数であり、m+nの和は2〜4を表す。) 本発明の請求項6に記載の重合体は、請求項1記載のア
ルコキシシラン変性重合体であって、前記共役ジエン/
ビニル芳香族炭化水素ブロックコポリマーがリチウム化
合物開始剤を用いて共役ジエンとビニル芳香族炭化水素
とを共重合して得られるものであり、このブロックコポ
リマーに、少なくとも一つのエポキシシクロヘキシル基
と、前記少なくとも1つのアルコキシ基とを有するケイ
素から構成される下記一般式(V)で表されるシラン化
合物を反応させて結合していることを特徴とする。
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R4 、OR5 及びR6 は一般式
(I)におけるのと同義であり、mは1〜3の整数、n
は1〜3の整数であり、m+nの和は2〜4を表す。) 本発明の請求項7記載の接着剤組成物は、共役ジエン/
ビニル芳香族炭化水素ブロックコポリマーの末端部分の
少なくとも1つに水酸基を有する官能基が結合し、且つ
この官能基に少なくとも1つのアルコキシ基を有するケ
イ素が結合していることを特徴とするアルコキシシラン
変性重合体を接着剤主材として含有することを特徴とす
る。
【0017】本発明の請求項8記載の接着剤組成物は、
請求項7記載の接着剤組成物であって、前記請求項3記
載のアルコキシシラン変性重合体を3重量%以上含有す
ることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項9記載の接着剤組成物は、
請求項7記載の接着剤組成物であって、前記請求項4記
載のアルコキシシラン変性重合体を3重量%以上含有す
ることを特徴とする。
【0019】本発明者は、重合体の構成成分、それらの
物性等に着目し、鋭意検討を重ねた結果、例えば、ブタ
ジエン−スチレンブロックコポリマー/ヒドロキシプロ
ピルアルコキシシランの分子構造を有する重合体並びに
この重合体を含有する接着剤組成物によって、本発明の
目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0020】この効果が発現する作用は明らかではない
が、水酸基を有する官能基及び重合体末端のアルコキシ
シラン官能基と被接着物質との親和性の大きさに起因す
るものと考えられる。
【0021】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
アルコキシシラン変性重合体は、共役ジエン/ビニル芳
香族炭化水素ブロックコポリマーの末端部分の少なくと
も1つに水酸基を有する官能基が結合し、且つこの官能
基に少なくとも1つのアルコキシ基を有するケイ素が結
合しているものを指す。前記重合体の好ましいものとし
ては、次のものが挙げられる。例えば、一般式(I)で
表されるアルコキシシラン変性重合体。これには、例え
ば、有機モノリチウム(RLi)触媒を用いて、ビニル
芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーとのトリ
ブロックコポリマー、所謂SBSを得て、このコポリマ
ー末端リチウムとシラン化合物とを反応させて得られる
重合体が含まれる。この重合体は、シラン化合物とし
て、例えば、一般式(IV)に含まれるグリシドキシアル
キルアルコキシシランを用いて得られるような、一般式
(II)で表されるアルコキシシラン変性重合体や、シラ
ン化合物として、一般式(V)に含まれるエポキシシク
ロヘキシルアルコキシシランを用いて得られるような、
一般式(III )で表されるアルコキシシラン変性重合体
等が包含される。
【0022】また、一般式(I)で表されるアルコキシ
シラン変性重合体の分子構造を同一分子内に複数個有す
る重合体も好ましく用いられる。即ち、例えば、RLi
触媒の代わりに、R(Li)2 、R(Li)3 で表され
る如き有機多価リチウム触媒を用いて、上記と同様にし
て得られるコポリマー鎖を複数個有するようなアルコキ
シシラン変性重合体である。
【0023】次に、本発明の一般式(I)で表される重
合体について詳しく述べる。式中、Pは共役ジエン/ビ
ニル芳香族炭化水素ブロックコポリマーを表す。ブロッ
クコポリマーを構成する一方のポリマーである共役ジエ
ンポリマーは共役ジエンモノマーの重合で得られる共役
ジエン単位から構成されるポリマーである。この共役ジ
エンモノマーは1分子当たり炭素原子4〜12個、好ま
しくは、4〜8個を含有する共役ジエン炭化水素であ
る。例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、オクタジエン等が挙げられる。これらは単独でも2
種以上混合して用いても良く、工業化が容易である、即
ち、安価に大量に入手が可能であるという観点から、特
に1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0024】ブロックコポリマーを構成する他方のポリ
マーであるビニル芳香族炭化水素ポリマーは、ビニル芳
香族炭化水素モノマーの共重合で得られるポリマーであ
る。このビニル芳香族炭化水素モノマーとしては、エチ
ルベンゼンの脱水素反応により得られたスチレンモノマ
ー及びその誘導体等が挙げられ、具体的には、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、p−ブチルスチレン、ビニルナフタリン
及びこれらの同様物が包含されるが、工業化が容易であ
るという観点から、特にスチレンが好ましい。
【0025】共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロッ
クコポリマーとしては、スチレン/ブタジエン(S
B)、SBS、SIS等が好ましい。共役ジエンポリマ
ー、例えば、ポリブタジエン中のブタジエン部のミクロ
構造(シス−1,4、トランス−1,4、ビニル)は特
に制限されず、通常、有機リチウム触媒系で得られる範
囲のミクロ構造を取ることができるが、1,4結合(シ
ス型、トランス型を含む)対ビニル結合の比率は、95
/5〜5/95、さらに90/10〜30/70である
ことが得られるコポリマーの強度等の諸物性の観点から
好ましい。
【0026】共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロッ
クコポリマー例えばブタジエン/スチレンコポリマーの
組成は特に制限されないが、通常、20/80〜95/
5の重量比が用いられ、物性の総合的バランスの観点か
ら、50/50〜75/25の重量比であることが好ま
しい。また得られた重合体の分子量は、10,000〜
1,500,000であることが好ましく、接着剤の主
材として使用する観点からは、50,000〜200,
000であることがより好ましい。
【0027】一般式(I)に示されるように、前記コポ
リマーの末端部分には、式中R1 で表される炭素数1〜
10のアルキル基又は水素原子が結合している。本発明
のアルコキシシラン変性重合体の製造方法として、リチ
ウム化合物を開始剤として用いる場合、R1 はリチウム
残基を表している。なお、本発明の請求項1において
は、特に開始剤を限定していないため、請求項2におけ
る一般式(I)のR1 範囲外のリチウム残基である有機
基、アミン基、イミン基等を有する重合体を本発明の範
囲から排除するものではないことは明らかである。
【0028】一般式(I)中で表されるR2 は炭素数1
〜20の脂肪族、脂環族の各炭化水素基から選ばれる基
を表し、炭素数1〜6の脂肪族、脂環族の各炭化水素基
から選ばれる基が好ましい。
【0029】脂肪族炭化水素基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル等の基を挙げることができ、好ましいのはメチ
ル基、エチル基、プロピル基である。脂環族炭化水素基
としては、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シ
クロヘプチル等の基を挙げることができ、好ましいのは
シクロヘキシル基である。
【0030】一般式(I)中で表されるR3 は、酸素原
子、メチレン基又は置換基を有するメチレン基であり、
置換基としては、例えばメチル、エチル、プロピル等の
基を挙げることができる。R3 で好ましいのは酸素原
子、メチレン基である。
【0031】一般式(I)中で表されるR4 は、炭素数
1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、炭素数1〜10の
脂肪族炭化水素基が好ましく、例えばメチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等の
基を挙げることができ、好ましいのはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基である。
【0032】一般式(I)中で表されるR5 及びR
6 は、炭素数1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭
化水素基から選ばれる基を表し、脂肪族炭化水素基及び
脂環族炭化水素基は前記R2 と同義であり、中でも炭素
数1〜3のアルキル基が好ましい。芳香族炭化水素基と
しては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、アン
トリル、フェナントリルの各基を挙げることができ、中
でもフェニル基が好ましい。
【0033】一般式(I)中で表されるxは1〜3の整
数、yは1〜3の整数、zは0又は1〜2の整数、且つ
x+y+zは2〜4の整数を表す。xが1のときyは1
〜3、xが2のときyは1〜2、xが3のときyは1と
なり、従って、それぞれのケースでzは0〜2が決まっ
てくる。本発明の重合体は製造方法を後述するが、製造
条件によって、x、y、zは上の条件を満足する範囲で
変り得る。x、y、zが固定されて1つの重合体である
場合もあるし、x、y、zが異なる複数の重合体の混合
物である場合もある。通常は後者の混合物である場合が
多い。
【0034】一般式(I)中で表されるnは0又は1を
表す。従って、−R2 −(CH2)n−OHは、−R2
CH2 OH及び−R2 −OHのいずれか、又は両方であ
ることを表す。但し、R2 が脂環族炭化水素基の場合
は、nは0であり、−R2 −OHのみの構造をとる。
【0035】一般式(I)で表される重合体は前記した
分子構造要素を組み合わせたもので、好ましい分子構造
要素の組合せによる重合体が好適であり、例えば、前記
の一般式(II)又は(III )記載の重合体が特に好まし
い。次に、重合体の製造方法例で重合体の分子構造を示
す。
【0036】本発明の重合体の製造方法は、特に制限さ
れないが、その製造方法を以下に例示する。
【0037】少なくともモノマーの存在下で、有機リチ
ウム化合物(例えばRLi)を添加するとリチウム触媒
を開始剤とするモノマーのブロック共重合が進行する。
重合後、リチウム活性末端を有するこのポリマー溶液に
エポキシ基又はグリシドキシ基等を有するシラン化合物
を加えると、本発明の重合体が得られる。ここで、モノ
マーとしてブタジエン(B)とスチレン(S)を(ブロ
ックコポリマーをBSPとする)、エポキシ基を有する
シラン化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン(以下、適宜γ−GSと称する)を各々用い
て、本発明の重合体を得る製造例をAに示す。得られた
重合体はA−1、A−2及び/又はA−3となる。γ−
GSの代わりに、式(III )で表されるβ−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
(以下、適宜S−530と称する)を用いた以外はAと
同様な製造例をBに示す。得られた重合体はB−1、B
−2及び/又はB−3となる。
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】この製造例のA−1、A−2及びA−3に
おける−CH2 −CH(OH)−CH2 −構造は−CH
(CH2 −OH)−CH2 −の構造である場合もあり、
両方の構造をとる場合もある。
【0041】この製造法で用いられるエポキシ基を有す
るシラン化合物としては、下記一般式(IV)又は一般式
(V)で表されるシラン化合物が好ましい。
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】(式(IV)又は(V)中、R4 、OR5
びR6 は一般式(I)におけるのと同義であり、mは1
〜3の整数、nは1〜3の整数であり、m+nの和は2
〜4を表す。) 即ち、本発明のアルコキシシラン変性重合体のうち、好
ましい態様としての一般式(I)で表されるアルコキシ
シラン変性重合体は、上記の如く、例えば、RLi触媒
を用いて、ビニル芳香族炭化水素モノマーと共役ジエン
モノマーとのトリブロックコポリマーを得て、このコポ
リマー末端リチウムとシラン化合物とを反応させて得ら
れるものであるが、このシラン化合物として、例えば、
上記一般式(IV)に含まれるグリシドキシアルキルアル
コキシシランを用いると、一般式(I)で表されるもの
のうちでも好ましい、一般式(II)で表されるアルコキ
シシラン変性重合体が得られ、また、シラン化合物とし
て、一般式(V)に含まれるエポキシシクロヘキシルア
ルコキシシランを用いると、同様に一般式(I)で表さ
れるもののうちでも好ましい、一般式(III )で表され
るアルコキシシラン変性重合体が得られ、いずれも本発
明の好ましい態様である。
【0045】これらシラン化合物の具体例としては、例
えばγ−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブ
チルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロ
ポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペンオ
キシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジメト
キシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジエト
キシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジプロ
ポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジブ
トキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジフ
ェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メ
チルメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピ
ル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプ
ロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−グリシド
キシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ−グリ
シドキシプロピル)メチルフェノキシシラン、トリス
(γ−グリシドキシプロピル)メトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチル−トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチル−トリプロポキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリブト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチル−トリフェノキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)プロピル−トリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチル
ジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチル−エチルジメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジエトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ル−メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチル−メチルジプロポキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチ
ルジブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチル−メチルジフェノキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチル
メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル−ジエチルエトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルエトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
−ジメチルプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチル−ジメチルブトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチ
ルフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチル−ジエチルメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジイソプ
ロペンオキシシラン等を挙げることができる。これらの
うち、一般式(IV) に包含されるγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン及び一般式(V) に包含される
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリ
メトキシシランが特に好ましい。
【0046】この製造方法において、重合溶媒として用
いられるものには、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキ
サン、n−ブタン等の脂肪族炭化水素溶媒、メチルシク
ロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒及
びこれらの混合物が使用できる。
【0047】この製造法において用いられる重合開始剤
のリチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、エチ
ルリチウム、プロピルリチウム、t−ブチルリチウム、
ヘキシルリチウム、1,4−ジリチオブタン、ブチルリ
チウムとジビニルベンゼンとの反応物等のアルキルリチ
ウム、アルキレンジリチウム、フェニルリチウム、スチ
ルベンジリチウム等、又はトリブチルスズリチウム等の
有機金属リチウム、リチウムジエチルアミド、リチウム
ピロリジド等のリチウムアミド(特開昭50−7959
0号、特開昭52−22484号等)を挙げることがで
きる。通常の工業的用途においては、リチウム化合物と
してn−ブチルリチウム又はsec−ブチルリチウムが
好ましく用いられる。
【0048】これらのリチウム化合物として前記工業用
途に汎用のモノリチウムの他、ジリチウム、トリリチウ
ム等のリチウムマルチ体をも好適に使用しうる。特に、
ジリチウム、トリリチウムを重合開始剤として用いる
と、ブロックコポリマー鎖が2か所以上に形成される。
それをシラン化合物で変性させると、各々のブロックコ
ポリマーの末端に水酸基を有する官能基が結合し、且
つ、この官能基に少なくとも一つのアルコキシ基を有す
るケイ素が結合しているアルコキシシラン変性重合体が
得られ、それらはモノリチウム化合物から得られた重合
体より、さらに接着性が向上する。
【0049】これらのリチウム開始剤は単独で用いて
も、2種以上混合して用いても良い。これらのリチウム
化合物の使用量は、モノマー100g当たり0.2〜3
0mmolの範囲で用いることができる。
【0050】重合に用いられる共役ジエンモノマー又は
ビニル芳香族炭化水素モノマーは前記した通りである。
本発明で用いるブロックコポリマーの各ブロックは、例
えば、ブタジエンのみ、或いは、スチレンのみから構成
されるホモポリマーのブロックであってもよいが、スチ
レンとブタジエンが一定比率で共重合されているコポリ
マーのブロックであってもよい。即ち、本発明の共重合
体には、例えば、第1のブロックがスチレン40%、ブ
タジエン10%のランダムブロックコポリマーであり、
第2のブロックがスチレン40%、ブタジエン60%の
ランダムブロックコポリマーであるブロックコポリマー
からなり、その後、グリシドキシシラン変性されたよう
なタイプも含まれる。さらに、各ブロックがテーパー構
造のコポリマー(ブタジエンとスチレンの組成分布に傾
斜がついたもの)になっていてもよい。例えば、A、
B、Cの3つのブロック構造からなり(A−B−C)、
Aがブタジエンブロック、Cがスチレンブロック、Bが
ブタジエンリッチからスチレンリッチな構造に徐々に変
化するテーパー構造のブロックであってもよい。この場
合、例えば、Cのスチレンブロックの末端がγ−グリシ
ドキシシラン変性されているようなものも本発明の重合
体に包含される。上記の如く、様々なブロックがどのよ
うに組み合わされてブロックコポリマーを構成していて
もよく、ブロックの数も2以上であれば、特に制限され
ない。但し、実用上、ブロックの数が2から4の範囲の
ものが製造の容易さから好ましい。
【0051】この重合において、モノマーの重合を促進
する目的、及び/又は、スチレンとブタジエン(又はイ
ソプレン)との所望の分子構造の重合体を得たい場合
は、ミクロ構造調節剤が好ましく用いられる。ここで言
うミクロ構造調節剤とは、共役ジエン重合体のミクロ構
造のコントロール、例えば、ブタジエン部の1,2結合
及びイソプレン重合体の3,4結合の増量等の作用を有
する化合物である。本発明のミクロ構造調節剤は特に制
限されないが、一般に用いられているもの全てを含む。
用いられるミクロ構造調節剤の例としては、次にような
ものが挙げられる。 (1)エーテル類 (2)アルカリ金属とケトン又は亜リン酸トリエステル
とのコンプレックス (3)下記一般式で表される化合物 R(OM1)n 、(RO)22 、R(COOM1)n 、 ROCOOM1 、RSO31 、ROSO31 (但し、Rは脂肪族、脂環族及び芳香族の各炭化水素基
から選ばれるものであり、M1 はアルカリ金属であり、
特に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又
はセシウムを表し、M2 はアルカリ土類金属であり、具
体的にはカルシウム又はバリウムを表し、かつnは1〜
3の整数である。) (4)第三級アミン 以下ミクロ構造調節剤について、具体的に説明するが、
これらのミクロ構造調節剤は、単独又はこれらの併用で
もよい。
【0052】(1)エーテル類の例としては、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラ
ヒドロフラン、2−メトキシメチルテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ベラトロール、イソホモベラトロール等が
挙げられる。
【0053】(2)アルカリ金属とケトン又は亜リン酸
トリエステルとのコンプレックスには、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジイソプロピルケトン、ベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、ジベンジルケトン、フルオレノ
ン、キサントン、ミヒラーケトン、アセチルアセトンの
ようなケトン類及び、トリエチルホスファイト、トリオ
クチルホスファイト、トリベンジルホスファイト、トリ
ノニルホスファイトのような亜リン酸トリエステルと、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシ
ウムとのコンプレックス等が挙げられる。
【0054】(3)一般式で示したミクロ構造調節剤に
ついて説明する。一般式R(OM1)n 又は(RO)22
で示されるアルコール、フェノールのアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩の具体的な例には、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、te
rt−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、シク
ロヘキシルアルコール、アリルアルコール、2−ブテニ
ルアルコール、ベンジルアルコール、フェノール、カテ
コール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1−ナフチル
アルコール、p−ノニルフェノール、ピロガロール等の
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、カルシウム及びバリウムの各塩が含まれる。
【0055】一般式R(COOM1)n 又はROCOOM
1 により示されるアルカリ金属のカルボン酸及び酸性炭
酸エステル塩の具体例には、イソ吉草酸、ラウリル酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、
安息香酸、ピメリン酸、酸性炭酸n−ドデシル、酸性炭
酸フェニル等のリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム及びセシウム塩等を挙げることができる。
【0056】一般式RSO31 又はROSO31
より表されるアルカリ金属のスルホン酸及び硫酸エステ
ル塩の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、
ジイソプロピルナフタリンスルホン酸、N−メチル−N
−メタンスルホン酸塩ラウリルアミド、ラウリルアルコ
ールの硫酸エステル塩、カプロイルエチレングリコール
硫酸エステル等のリチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム及びセシウム塩が含まれる。
【0057】(4)第三級アミンの例としては、トリエ
チルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等が挙げら
れる。
【0058】この中で、好ましいミクロ構造調節剤とし
ては、前記(1)エーテル類及び前記(3)R(OM1)
n が挙げられる。
【0059】ミクロ構造調節剤の使用量は有機リチウム
化合物1モル当量当たり、0.01〜1000モル当量
の範囲で用いられる。
【0060】重合温度は、通常、−20〜150℃で、
好ましくは0〜100℃である。なお、溶媒中のモノマ
ー濃度は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜3
5重量%である。
【0061】重合反応は、モノマーを液相で触媒に接触
させて実施されるが、その圧力は通常、本質的に液相を
保持するために十分な圧力で操作することが好ましい。
また、反応系に装入される上記の全物質には、触媒作用
を妨害する物質を排除することが好ましい。重合後にエ
ポキシ基を有するシラン化合物を加えて行う反応は、ポ
リマー又はコポリマーの活性末端リチウムを失活させな
い雰囲気、例えば、窒素雰囲気中で実施される。また、
末端のアルコキシシラン基が重合体の接着力に寄与して
いると考えられるため、出来るだけカップリング反応は
抑えた方がよく、アルコキシシラン基を多く残した方が
よい。この意味から、アルコキシシラン変性剤として用
いるシラン化合物の使用量は、リビングポリマーの末端
活性リチウム1モルに対し、0.3〜5モル当量程度が
好ましく、0.5〜3モル当量がより好ましく、0.8
〜1.5モル当量がさらに好ましい。
【0062】反応終了後、重合体溶液中にスチームを吹
き込んで溶媒を除去するか、又はメタノール等の貧溶媒
を加えて重合体を凝固させた後、熱ロール又は減圧下で
乾燥して重合体を得ることができる。また、重合体溶液
を直接熱ロール又は減圧下で溶媒を除去して重合体を得
ることもできる。
【0063】本発明の重合体を種々の用途に用いる際に
は、固体状態のみならず、ポリマー溶液、或いは、ラテ
ックス化した状態で使用することができる。
【0064】次に本発明の接着剤組成物について説明す
る。本発明の接着剤組成物は、前記本発明の重合体を接
着剤全体に対して3重量%以上用いるものである。本発
明の重合体は、3重量%以上含有されていればよく、場
合によっては、100重量%即ち、本発明の重合体のみ
でも接着剤として使用しうる。本発明の重合体以外の配
合成分は、本発明の効果を損なわない限りにおいて公知
の接着剤配合成分を任意に使用できる。例えば、天然ゴ
ムや本発明の重合体以外の合成ゴム等のゴム類、シリ
カ、潤滑剤、油剤、溶剤、老化防止剤、タッキファイヤ
ー、樹脂等を併用することができる。
【0065】接着剤組成物の各成分の配合量は、本発明
の重合体を3重量%以上含有する他には、その他の成分
として本発明の重合体以外のゴム類、油剤、溶剤等を併
用することができる。さらに、接着性の観点から、本発
明の重合体を5〜70重量%含むことが好ましい。
【0066】本発明の接着剤組成物の主材として用いら
れるゴム類について述べれば、本発明の重合体100重
量部に対して、他のゴム類は70重量部以下で併用され
ることが好ましく、接着剤主材として本発明の重合体の
みが用いられていてもよい。
【0067】また、近年、接着剤の用途において、固体
ポリマーに前記の配合剤を配合する手法のみならず、ポ
リマー溶液(例えば、重合後のポリマー溶液)や溶液重
合後にラテックス化したポリマーに対して必要に応じて
種々の添加剤を配合した所謂溶液タイプ、ラテックスタ
イプの粘着剤、接着剤が使用されており、本発明のアル
コキシシラン変性重合体も、このような用途に溶液状態
やラテックス状態で使用することができる。
【0068】本発明の接着剤組成物には、前記以外にも
接着剤工業で通常使用されている老化防止剤、酸化亜
鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等の
添加剤を配合することもできる。
【0069】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0070】なお、実施例において、部及び%は特に断
らない限り、重量部及び重量%を意味する。
【0071】各種の測定は下記の方法によった。コポリ
マーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(M
w)の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィ
〔GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー
製GMH−XL(2本直列)〕により行い、示差屈折率
(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポ
リスチレン換算で行った。
【0072】ポリマーのブタジエン部分のミクロ構造
は、赤外法(モレロ法)によって求めた。またブタジエ
ン−スチレンコポリマーの結合スチレン含有量は 1H−
NMRスペクトルの積分比より算出した。
【0073】集合体の剥離接着力はJIS K6854
に従って測定した。 〔実施例1〕乾燥し、窒素置換された500mlのリア
クター中に、シクロヘキサン48g、スチレンモノマー
12g、テトラヒドロフラン(THF)1モル溶液60
mlを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuLi)
1.7モル溶液0.7mlを加えた後、50℃で1時間
反応させた。その後、1,3−ブタジエンモノマー36
g、シクロヘキサン204gを加えて、50℃で3時間
反応させた。引き続きシクロヘキサン48g及びスチレ
ンモノマー12gを加えて、50℃で1時間反応させ
た。
【0074】一方、先の重合溶液に、エポキシ基を有す
るシラン化合物として、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン(γ−GS)1モル溶液1.2mlを加
え、50℃で30分間変性を行った。用いたシラン化合
物の構造式は一般式(IV)において、R3 がCH2 、O
4 がOCH3 、mが1、nが3で示されるものであ
る。これにイソプロピルアルコールを加え、固形物を乾
燥し、ゴム状重合体G−1を得た。この重合体はGPC
にて、分子量分布を確認すると、先に述べたベース部分
と、ポリマー2分子以上がカップリングしたと思われる
より高分子量部分との二峰性に変化しており、結果とし
て、トータルの重量平均分子量は13.57×104
あった。この重合体の他のデータを表1に示した。これ
らのデータ等を併せると、前記の製造例Aで得られた重
合体A−1、A−2及びA−3の分子構造の重合体の混
合物(一般式(I)及び(II)で表される重合体)であ
ることが確認された。この重合体の分子量等のデータを
表1に記載した。
【0075】また、この重合体G−1の表1に示すガラ
ス、ステンレス基板(SUS)に対する剥離接着力を評
価した。結果を表1に示した。
【0076】〔実施例2〕実施例2は、THF(1モル
溶液)を2.4mlに換えた以外、実施例1と同様に行
った。ここで、ゴム状重合体G−2を得た。この重合体
はコポリマーの結合スチレン含量、ブタジエン部のビニ
ル含量が異なる以外、G−1と同様の分子構造を有して
いた。この重合体の分子量等のデータを表1に記載し
た。また、この重合体で実施例1におけるのと同様に剥
離接着力を評価し、この結果を表1に示した 〔実施例3〕実施例3は、変性に用いたシラン化合物を
式(V)で表されるβ−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)−エチル−トリメトキシシランに換えた以外、実
施例1と同様に行った。用いたシラン化合物の構造式は
一般式(V)において、R4がCH2 、OR4 がOCH
3 、mが1、nが3で示されるものである。ここで、ゴ
ム状重合体G−3を得た。この重合体は、前記の製造例
Bで得られた重合体B−1、B−2及びB−3の分子構
造の重合体の混合物(一般式(I)及び(III)で表さ
れる重合体)であることが確認された。この重合体の分
子量等のデータを表1に記載した。また、この重合体で
実施例1におけるのと同様に剥離接着力を評価し、この
結果を表1に示した 〔実施例4〕実施例4は、THF(1モル溶液)を60
mlに換えた以外、実施例3と同様に行った。ここで、
ゴム状重合体G−4を得た。この重合体はコポリマーの
結合スチレン含量、ブタジエン部のビニル含量が異なる
以外、G−1と同様の分子構造を有していた。この重合
体の分子量等のデータを表1に記載した。また、この重
合体で実施例1におけるのと同様に剥離接着力を評価
し、この結果を表1に示した 〔比較例1〕比較例1は、エポキシ基を有するシラン化
合物(γ−GS)を用いなかった以外、実施例1と同様
に行った。ここで、ゴム状重合体G−5を得た。この重
合体は通常のSBSである。
【0077】重合体の特性及び重合体から調整された接
着剤組成物の剥離接着力評価の結果を表1に示した。
【0078】〔比較例2〕比較例2は、エポキシ基を有
するシラン化合物(γ−GS)代わりに、エポキシ基を
有しないメチルトリエトキシシラン(MTEOS)を用
いた以外、実施例1と同様に行った。ここで、ゴム状重
合体G−6を得た。この重合体は、前記の製造例Aから
容易にわかるように、SBSコポリマーにメチルエトキ
シシラン基のみが結合し、水酸基を含む官能基は結合し
ていない重合体であった。
【0079】重合体の特性及び重合体の剥離接着力評価
の結果を表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】表1から明らかなように、本発明の重合体
組成物は、比較例と対比して、ガラス、金属等の無機物
に対する接着性に優れていることが確認された。
【0082】
【発明の効果】本発明の重合体は、上記構成としたの
で、製造が簡単で、しかも、場合によっては、タッキフ
ァイヤー等の添加剤を必要とすることなく、無機物との
接着性を本質的に向上させるという優れた効果を有し、
前記重合体を用いる本発明の接着剤組成物は、耐剥離性
に優れた効果を有する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロ
    ックコポリマーの末端部分の少なくとも1つに水酸基を
    有する官能基が結合し、且つこの官能基に少なくとも1
    つのアルコキシ基を有するケイ素が結合していることを
    特徴とするアルコキシシラン変性重合体。
  2. 【請求項2】 共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロ
    ックコポリマーの末端部分にアルキル基又は水素原子が
    結合し、該コポリマーの別の部分に、水酸基を有する官
    能基が結合し、且つこの官能基に少なくとも1つのアル
    コキシ基を有するケイ素が結合していることを含む、下
    記一般式(I)で表される分子構造の少なくとも1つか
    らなることを特徴とするアルコキシシラン変性重合体。 【化1】 (式中、Pはコポリマーを表し、R1 は水素原子又は炭
    素数1〜10のアルキル基から選ばれる基を表し、R2
    は炭素数1〜20の脂肪族、脂環族の各炭化水素基から
    選ばれる基を表し、R3 は酸素原子、メチレン基又は置
    換基を有するメチレン基を表し、R4 は炭素数1〜20
    の脂肪族炭化水素基を表す。R5 及びR 6 は炭素数1〜
    20の脂肪族、脂環族、芳香族の各炭化水素基から選ば
    れる基を表し、同じであっても異なっていてもよく、O
    5 基が複数あるとき、R5 は同じであっても異なって
    いてもよい。xは1〜3の整数、yは1〜3の整数、z
    は0又は1〜2の整数、且つx+y+zは2〜4の整数
    を表す。nは0又は1を表す。)
  3. 【請求項3】 前記アルコキシシラン変性重合体が、下
    記一般式(II)で表される分子構造の少なくとも1つか
    らなることを特徴とする請求項2記載のアルコキシシラ
    ン変性重合体。 【化2】 (式中、P、R1 、R4 ,R5 、OR5 、R6 x、y、
    z及びx+y+zは一般式(I)におけるのと同義であ
    る。)
  4. 【請求項4】 前記アルコキシシラン変性重合体が、下
    記一般式(III )で表される分子構造の少なくとも1つ
    からなることを特徴とする請求項2記載のアルコキシシ
    ラン変性重合体。 【化3】 (式中、P、R1 、R4 ,R5 、OR5 、R6 x、y、
    z及びx+y+zは一般式(I)におけるのと同義であ
    る。)
  5. 【請求項5】 前記共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素
    ブロックコポリマーがリチウム化合物開始剤を用いて共
    役ジエンとビニル芳香族炭化水素とを共重合して得られ
    るものであり、このブロックコポリマーに、少なくとも
    一つのグリシドキシ基と、前記少なくとも1つのアルコ
    キシ基とを有するケイ素から構成される下記一般式(I
    V)で表されるシラン化合物を反応させて結合している
    ことを特徴とする請求項1記載のアルコキシシラン変性
    重合体。 【化4】 (式中、R4 、OR5 及びR6 は一般式(I)における
    のと同義であり、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数
    であり、m+nの和は2〜4を表す。)
  6. 【請求項6】 前記共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素
    ブロックコポリマーがリチウム化合物開始剤を用いて共
    役ジエンとビニル芳香族炭化水素とを共重合して得られ
    るものであり、このブロックコポリマーに、少なくとも
    一つのエポキシシクロヘキシル基と、前記少なくとも1
    つのアルコキシ基とを有するケイ素から構成される下記
    一般式(V)で表されるシラン化合物を反応させて結合
    していることを特徴とする請求項1記載のアルコキシシ
    ラン変性重合体。 【化5】 (式中、R4 、OR5 及びR6 は一般式(I)における
    のと同義であり、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数
    であり、m+nの和は2〜4を表す。)
  7. 【請求項7】 共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素ブロ
    ックコポリマーの末端部分の少なくとも1つに水酸基を
    有する官能基が結合し、且つこの官能基に少なくとも1
    つのアルコキシ基を有するケイ素が結合していることを
    特徴とするアルコキシシラン変性重合体を接着剤主材と
    して含有することを特徴とする接着剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項5記載のアルコキシシラン変性重
    合体を3重量%以上含有することを特徴とする請求項7
    記載の接着剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のアルコキシシラン変性重
    合体を3重量%以上含有することを特徴とする請求項7
    記載の接着剤組成物。
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