JPH08113511A - セラミド型脂質化合物と脂肪鎖を備えたペプチドとを含む化粧品組成物およびその使用 - Google Patents

セラミド型脂質化合物と脂肪鎖を備えたペプチドとを含む化粧品組成物およびその使用

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JPH08113511A JP7251586A JP25158695A JPH08113511A JP H08113511 A JPH08113511 A JP H08113511A JP 7251586 A JP7251586 A JP 7251586A JP 25158695 A JP25158695 A JP 25158695A JP H08113511 A JPH08113511 A JP H08113511A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 髪の毛の繊維および／またはその内部、ある
いは皮膚および／またはその内部へのセラミドの結合を
改良する。 【解決手段】 化粧品に許容される水性媒体中に、少な
くとも一つのセラミド型脂質化合物と、少なくとも一つ
の脂肪鎖を備えた少なくとも一つのペプチドとを含有す
ることを特徴とする化粧品組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性媒体に、少な
くとも一つのセラミド型脂質化合物および少なくとも一
つの脂肪鎖を含んだ少なくとも一つのペプチドを含んだ
新規の化粧品組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】環境中の成分の作用、または染色、脱色
および／またはパーマネントウェービング等の機械的も
しくは化学的処理の作用により、様々な程度に敏感にさ
れた（すなわちダメージが与えられ、かつ／または弱め
られた）髪は、もつれを解くこと、スタイルを整えるこ
とが困難となることが多く、柔軟性に欠けることはよく
知られている。
【０００３】実際には、これらの有害なファクター（環
境成分、機械的または化学的処理）の作用を通して、髪
は、特にセラミドおよびタンパク質等の構成要素の一部
を失ってしまう。
【０００４】セラミドもしくはその類似体は、種々の薬
剤の有害な影響および上述の処理から皮膚および／また
は髪の繊維を保護および／または修復することが知られ
ている。特に、タンパク質の漏出を制限するバリア効果
を備えており、また、表皮の結合力も強める。
【０００５】セラミドによって与えられる保護および／
またはケアは、髪もしくは皮膚上におけるセラミドの存
在量の増加につれて比例して上昇するという観点から、
本出願人は、髪の繊維および／またはその内部、あるい
は皮膚および／またはその内部へのセラミドの結合を改
良しようと努めた。
【０００６】セラミドまたはその類似体は、水性媒体中
で不溶性を示すため、適切な分散形態で用いる必要があ
る。
【０００７】特に、あるカチオン界面活性剤等の界面活
性剤の存在下でセラミドを乳化することが知られてい
る。しかしながら、これらのエマルションは、安定であ
るとしても、化粧品特性が不適切であるような化粧品と
なってしまう。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、髪の
毛の繊維および／またはその内部、あるいは皮膚および
／またはその内部へのセラミドの結合を改良することで
ある。
【０００９】また本発明の目的は、セラミド型脂質化合
物を主成分とする安定な水性分散物を改良することであ
る。
【００１０】最後に、本発明の目的は、特にヘアスタイ
ルの維持に関して改良された化粧品特性を示す化粧品組
成物を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】実
際に、出願人は、少なくとも一つの脂肪鎖を有するペプ
チドが上記の目的を達成できることを見いだした。
【００１２】しかして、本発明の主題は、化粧品に適し
た水性媒体中に、少なくとも一つのセラミド型脂質化合
物と、少なくとも一つの脂肪鎖を有する少なくとも一つ
のペプチドとを含むことを特徴とする化粧品組成物であ
る。
【００１３】また、本発明の主題は、水性媒体中に、少
なくとも一つのセラミド型脂質化合物と、少なくとも一
つの脂肪鎖を有する少なくとも一つのペプチドを含むこ
とを特徴とする水性分散物である。
【００１４】本発明のさらなる主題は、この水性分散物
を本発明に係る水性組成物の調製に使用することであ
る。
【００１５】また、本発明は、上記化合物を含有する水
性分散物中にセラミド型脂質化合物を分散するための試
薬として、少なくとも一つの脂肪鎖を備えたペプチドを
使用することにも関する。
【００１６】本発明の他の主題は、上記皮膚または繊維
に本発明に係る化粧品組成物を適用することからなるこ
とを特徴とする、皮膚または髪等のケラチン繊維の処理
方法にも関する。
【００１７】以下、本発明の種々の主題を詳細に記載す
る。以下に示す本発明に使用された化合物の意味および
定義は、本発明の全ての主題に共通するものである。
【００１８】セラミド型脂質化合物とは、特にバリア効
果および表皮の結合力を高めるような、セラミドに似た
特性を示す脂質化合物全体を意味するものである。
【００１９】これらの化合物は、天然もしくは合成の非
グリコシル化セラミドに類似した構造を有することがで
きる。
【００２０】本発明に係る好ましいセラミド型脂質化合
物は、以下の一般式（Ｉ）に相当する：
【化２】 ［式中、−Ｒ1は、飽和もしくは不飽和の、直鎖または
側鎖を備えたＣ9−Ｃ30炭化水素基であって、飽和また
は不飽和のＣ16−Ｃ30の脂肪酸で任意にエステル化され
た一つ以上のヒドロキシル基で置換することができる炭
化水素基、あるいはＲ''-ＮＲ-ＣＯ-Ｒ'-基（Ｒは、水
素原子、または好ましくはモノヒドロキシル化された、
モノ-もしくはポリヒドロキシル化されたＣ1−Ｃ10の炭
化水素基であって、Ｒ'およびＲ''は、炭素原子の合計
が９〜３０の間の炭化水素基とされ、Ｒ'は、二価の基
である）を示し、−Ｒ2は、水素原子、もしくは飽和ま
たは不飽和のＣ16−Ｃ27の炭化水素基であって、一つ以
上のＣ1−Ｃ14アルキル基で置換することができる炭化
水素基を示し、またはＣ15−Ｃ26のα-ヒドロキシアル
キル基であって、Ｃ16−Ｃ3 0のα-ヒドロキシ酸で任意
にエステル化されてもよいヒドロキシル基を示し、−Ｒ
3は、水素原子、飽和または不飽和のＣ16−Ｃ27の炭化
水素基または-ＣＨ2-ＣＨＯＨ-ＣＨ2-Ｏ-Ｒ6基（Ｒ6は
Ｃ10−Ｃ26の炭化水素基を示す）を示し、−Ｒ4は、水
素原子、またはモノ-もしくはポリヒドロキシル化され
たＣ1−Ｃ4炭化水素基を示す。］
【００２１】式（Ｉ）の好ましい化合物は、Arch. Derm
atol, Vol. 123, 1381-1384, 1987のＤＯＷＮＩＮＧ
（タイプ１〜６のセラミド）に記載されたセラミド、も
しくは仏国特許出願ＦＲ２６７３１７９号に記載された
セラミドであり、その教示するところを参照としてここ
に取り込む。
【００２２】タイプ１〜６のセラミドは、以下の構造を
有する：
【化３】
【００２３】本発明に係る特に好ましいセラミドは、式
（I）の化合物であって、Ｒ1がＣ16−Ｃ22の脂肪酸に由
来する飽和または不飽和のアルキル基、かつＲ2が飽和
した直鎖状のＣ15の炭化水素基を示すものである。
【００２４】このような化合物としては、例えば、 − Ｎ-リノレオイルジヒドロスフィンゴシン − Ｎ-オレオイルジヒドロスフィンゴシン − Ｎ-パルミトイルジヒドロスフィンゴシン − Ｎ-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン − Ｎ-ベヘノイルジヒドロスフィンゴシン あるいは上記化合物の混合物がある。
【００２５】また、欧州特許公開第０２２７９９４号公
報および国際特許出願ＷＯ９４／０７８４４に記載され
た式（Ｉ）の化合物を使用することもできる。このよう
な化合物としては、例えば、ＱＵＥＳＴ社から市販され
ているＱＵＥＳＴＡＭＩＤＥＨ［ビス（Ｎ-ヒドロキシ
エチル-Ｎ-セチル）マロンアミド］およびセチル酸Ｎ-
（２-ヒドロキシエチル）-Ｎ-（３-セチルオキシ-２-ヒ
ドロキシプロピル）アミドがある。
【００２６】また、国際特許出願ＷＯ９２／０５７６４
に記載されたＮ-ドコサノイル-Ｎ-メチル-Ｄ-グルカミ
ンを用いることもできる。
【００２７】本発明に係る化粧品組成物中におけるセラ
ミド型脂質化合物の濃度は、組成物の全重量に対して
０．０００１〜１０重量％の間、好ましくは０．０００
１〜５重量％の間とされる。
【００２８】また、本発明の主題は、少なくとも一つの
セラミド型脂質化合物と、少なくとも一つの脂肪鎖を有
する少なくとも一つのペプチドとを含むことを特徴とす
る水性分散物である。
【００２９】この水性分散物は、安定であるとともに、
本発明に係る化粧品組成物の調製に直ちに使用すること
ができる。
【００３０】本発明に係る水性分散物は、前記分散物の
全重量に対して０．０００１〜１５重量％の間、好まし
くは０．０００１〜１０重量％の間のセラミド型脂質化
合物の濃度を有する。
【００３１】タンパク質とは、特にタンパク質もしくは
タンパク質の加水分解物等の、少なくとも一つのペプチ
ド結合を有するあらゆる化合物を意味するものと解す
る。
【００３２】本発明において使用できる少なくとも一つ
の脂肪鎖を有するタンパク質は、天然由来のものでも合
成されたものでもよい。少なくとも一つの脂肪鎖を有す
るタンパク質の加水分解物は、加水分解されたタンパク
質から得られた、もしくは加水分解後に与えられた、加
水分解されたタンパク質、脂肪鎖または脂肪鎖類に相当
する。
【００３３】本発明のペプチドの脂肪鎖または脂肪鎖類
は、天然に存在しないものであればグラフティングまた
は第四級化（クオーターナイゼーション）等の化学的修
飾によってもたらされる。
【００３４】本発明に係るペプチドの脂肪鎖もしくは脂
肪鎖類は、８〜４０の炭素原子、好ましくは１０〜２２
の炭素原子を含むことができる。例えば、ココイル、ラ
ウリルまたはステアリル鎖を挙げることができる。
【００３５】本発明に係る少なくとも一つの脂肪鎖を有
するペプチドは、１０００を越える分子量を備えるもの
が都合よい。
【００３６】本発明に係る使用できるタンパク質は、動
物または植物由来のものから誘導することができる。
【００３７】動物に由来するタンパク質として、ケラチ
ン、エラスチン、コラーゲン、ラクトフェリン、カゼイ
ン、ナトリウム、マグネシウムまたはカルシウムカゼイ
ナート、バターミルクプロテイン類、α-ラクトアルブ
ミン、β-ラクトグロブリンおよびイムノグロブリン類
を含むホエープロテイン類のようなミルクから抽出した
タンパク質、および卵白アルブミンを特に挙げることが
できる。
【００３８】植物に由来するタンパク質の例としては、
小麦、麦芽、オートムギ、大麦、トウモロコシ、米、大
豆、ソラマメ、綿の種子、ルピナスの種子、ジャガイモ
類およびアンズの仁を、特に挙げることができる。
【００３９】これらの例では、あるタンパク質は脂肪鎖
を有していないので、一つ有するように化学的に修飾さ
れる必要がある。
【００４０】本発明では、少なくとも一つの脂肪鎖を備
えたタンパク質の加水分解物を使用することが好まし
い。
【００４１】しかして、本発明に特に適切な脂肪鎖を少
なくとも一つ備えたタンパク質の加水分解物として、 − ＳＥＰＰＩＣ社から“ＭＯＮＴＥＩＮＥ ＬＫＡ”
の名称で市販されたもの等のＮ-ヒドロキシプロピル-ジ
メチルココイルアミドプロピルアンモニウム基、ＣＲＯ
ＤＡ社から“ＣＲＯＱＵＡＴ ＷＫＰ”の名称で市販さ
れたもの等のココイルジメチル-Ｎ-ヒドロキシプロピル
アンモニウム基、あるいはセイワカセイ社から“ＰＲＯ
ＭＯＩＳ ＷＫ-ＨＳＡＱ”の名称で市販されたもの等の
ステアリルジメチル-Ｎ-ヒドロキシプロピル-アンモニ
ウム基を有するウールケラチン加水分解物、 − ＣＲＯＤＡ社から“ＣＲＯＱＵＡＴ Ｋ”の名称で
市販されたもの等のラウリルジメチルアンモニウム基を
有するケラチン加水分解物 − ＣＲＯＤＡ社から“ＨＹＤＲＯＬＡＣＴＩＮ Ｑ
Ｌ”の名称で市販されたもの等のラウリルジメチルアン
モニウム基を有するカゼイン加水分解物 − セイワカセイ社から“ＰＲＯＭＯＩＳ ＳＩＬＫ-Ｃ
ＡＱ”の名称で、もしくはＣＲＯＤＡ社から“ＣＲＯＳ
ＩＬＫＱＵＡＴ”の名称で市販されたもの等のココイル
ジメチル-Ｎ-ヒドロキシプロピルアンモニウム基、セイ
ワカセイ社から“ＰＲＯＭＯＩＳ ＳＩＬＫ-ＬＡＱ”の
名称で市販されたもの等のラウリルジメチル-Ｎ-ヒドロ
キシ-プロピルアンモニウム基、またはセイワカセイ社
から“ＰＲＯＭＯＩＳ ＳＩＬＫ-ＳＡＱ”の名称で市販
されたもの等のステアリルジメチル-Ｎ-ヒドロキシ-プ
ロピルアンモニウム基を有するシルクフィブロイン加水
分解物、 − ＳＥＰＰＩＣ社から“ＭＯＮＴＥＩＮＥ ＬＣＱ”
の名称で市販されたもの等のＮ-ヒドロキシプロピル-ジ
メチルラウリルアミドプロピルアンモニウム基、または
ＩＮＯＬＥＸ社から“ＬＥＸＥＩＮ ＱＸ ３０００”の
名称で市販されたもの等のＮ-ヒドロキシプロピルココ
イルジメチルアンモニウム基、もしくはＱＵＩＭＤＩＳ
社から“ＱＵＡＴ-ＣＯＬＬ ＱＳ”の名称で市販された
もの等のステアリルトリメチルアンモニウム基を有する
コラーゲン加水分解物、 − ＣＲＯＤＡ社から“ＨＹＤＲＯＴＩＴＩＣＵＭ Ｑ
Ｓ”の名称で市販されたもの等のステアリルジメチル-
Ｎ-ヒドロキシプロピルアンモニウム基、またはＣＲＯ
ＤＡ社から“ＨＹＤＲＯＴＩＴＩＣＵＭ ＱＬ”の名称
で市販されたもの等のラウリルジメチル-Ｎ-ヒドロキシ
プロピルアンモニウム基、ＣＲＯＤＡ社から“ＨＹＤＲ
ＯＴＩＴＩＣＵＭ ＱＭ”の名称で市販されたもの等の
ココイルジメチル-Ｎ-ヒドロキシプロピルアンモニウム
基を有する小麦タンパク加水分解物、 − セイワカセイ社から“ＰＲＯＭＯＩＳ ＷＳ-ＬＡ
Ｑ”の名称で、もしくはＣＲＯＤＡ社から“ＣＲＯＱＵ
ＡＴ ＳＯＹＡ”の名称で市販されたもの等のラウリル
ジメチル-Ｎ-ヒドロキシプロピルアンモニウム基、また
はセイワカセイ社から“ＰＲＯＭＯＩＳ ＷＳ-ＣＡＱ”
の名称で市販されたもの等のココイルジメチルアンモニ
ウム基を有する大豆タンパク加水分解物 を特に挙げることができる。
【００４２】本発明に係る化粧品組成物中における、少
なくとも一つの脂肪鎖を有するペプチドの濃度は、組成
物の全重量に対して０．０１〜３０重量％の間、好まし
くは０．１〜１０重量％の間とされる。
【００４３】特に本発明に係る化粧品組成物の調製に用
いられる本発明に係る水性分散物は、前記分散物の全重
量に対して、少なくとも一つの脂肪鎖を有するペプチド
の濃度が、０．０１〜４０重量％、好ましくは０．５〜
２０重量％の間とされる。
【００４４】化粧品組成物および水性分散物におけるセ
ラミド型脂質化合物に対するペプチドの重量濃度の割合
は、１．５〜１０、好ましくは２〜６の間とされる。
【００４５】また、本発明に係る組成物は、増粘剤、可
溶性または不溶性、揮発性または不揮発性シリコーン
類、界面活性剤、香料、パールエッセント剤、防腐剤、
サンスクリーン剤、タンパク質、ビタミン類、ポリマー
類、植物、動物、鉱物または合成油および化粧品の分野
で通常使用される他のあらゆる添加剤から選択された少
なくとも一つの添加剤を含むことができる。
【００４６】これらの添加剤は、本発明に係る組成物中
に、組成物の全重量に対して０〜２０重量％の範囲の割
合で存在する。各添加剤の正確な量は、その性質および
役割に基づいて、当業者によって容易に決められる。
【００４７】また、本発明の主題は、皮膚または髪等の
ケラチン繊維を処理する方法であって、皮膚またはケラ
チン繊維に上記化粧品組成物を適用し、ついで任意に水
によるすすぎを行うことからなることを特徴とする。
【００４８】しかして、本発明に係るこの方法は、ヘア
スタイルの維持、およびトリートメント、皮膚、髪もし
くは他のあらゆるケラチン物質のケアまたは洗浄を行う
ことができる。
【００４９】本発明に係る化粧品組成物は、ゲル、ミル
ク、クリーム、多少濃縮されたローションまたはムース
の形態をとり、皮膚または髪に使用することができる。
【００５０】髪用では、特に、シャンプー、またはすす
ぎ用、もしくはシャンプー、染色、脱色、パーマネント
ウェービングもしくはストレート化の前後に適用される
組成物、あるいは染色、脱色、パーマネントウェービン
グまたはストレート化用の組成物である。
【００５１】また、組成物は、ヘアセッティングローシ
ョン、風乾ローション、固定組成物（ラッカー類）およ
びスタイリング組成物でもよい。ローションは、特に噴
霧器またはポンプボトル、もしくは霧状またはムース状
で組成物の適用を効果的にするエアゾールカン等の種々
の形態に収容されてもよい。上記収容形態は、例えば、
髪の固定またはトリートメント用のスプレー、ラッカー
またはムースを得たい場合に示される。
【００５２】本発明に係る組成物が、エアゾールラッカ
ーもしくはムースを得る目的のためにエアゾールの形態
に収容される場合は、ｎ-ブタン、プロパン、イソブタ
ン、ペンタン、塩化および／またはフッ化炭化水素およ
びこれらの混合物等の揮発性炭化水素から選択される少
なくとも一つの推進剤を含有する。また、推進剤とし
て、二酸化炭素、亜酸化窒素、ジメチルエーテル、窒素
または圧縮空気を使用することもできる。
【００５３】以下もしくは上述の全てにおいて、パーセ
ントは、重量％を表している。
【００５４】ここで、本発明を以下の実施例によって完
全に例証するが、本発明は、記載された実施例に限定さ
れるものではない。実施例中、ＡＳは、活性物質を示
す。
【００５５】
【実施例】実施例１ 以下の調合物を含有する組成物１Ａを調製した。 − Ｎ−オレオイルジヒドロスフィンゴシン ０．１ｇ − ３０％のＡＳを含有する水溶液状の、Ｎ−ココイルジメチルアンモニウム クロリドで第四級化されたウールケラチン加水分解物 （ＣＲＯＤＡ社からＣＲＯＱＵＡＴ ＷＫＰの名称で市販されている） ０．５ｇのＡＳ − 水 全体を１００ｇとする量 ｐＨは、５に調整した。
【００５６】以下の調合物を含有する組成物１Ｂ（比較
例）を調製した。 − Ｎ−オレオイルジヒドロスフィンゴシン ０．１ｇ − クオーターニウム-２７（ＲＥＷＯ社のＲＥＷＯＱＵＡＴ Ｗ７５ ＰＧ） ０．５ｇのＡＳ − 水 全体を１００ｇとする量 ｐＨは、５に調製した。
【００５７】手順は、以下の通りである。すなわち、５
ｇの上記組成物を、２．５ｇの髪の束に適用する。組成
物を１０分間放置した後に、２００ｍｌの水に２度通す
ことにより、髪の束を３回すすぐ。次いで、ヘアドライ
ヤーで乾燥させる。
【００５８】髪に結合したセラミド型脂質化合物の量を
比較するために、同じ量の上記組成物１Ｂを、同質の髪
の束に適用した。手順は、同じである。
【００５９】それぞれの束を二つに分け、ジクロロメタ
ンを用いた抽出により抽出した（機械による攪拌で、２
０ｍｌに室温で１時間、２回）。ＴＬＣ（薄層クロマト
グラフィー）により、髪の繊維の脂質類からアミド類を
分離した。１８０℃のオーブンに移した後、セラミドを
３重量％の硫酸を含有する溶液で炭化させて、フォトデ
ンシメトリーで検定した（既知量のセラミドを基準とし
て用いた）。
【００６０】結果を以下の表に整理した。
【表１】
【００６１】髪に結合したセラミドの量は、本発明に係
る組成物を用いた場合に非常に大きくなった。
【００６２】また、２．５ｇの２つの髪の束（それぞれ
組成物１Ａまたは１Ｂで処理されたもの）の元気のよさ
（ライブリネス）を比較した。
【００６３】元気のよさは、くしやブラシを通した後
に、ウェーブのかかった髪が元に戻ることで評価した。
【００６４】５ｇの組成物を、２．５ｇの髪の束に適用
し、組成物を１０分間放置した後に、２００ｍｌの水に
２度通すことにより、髪の束を３回すすぎ、次いで、髪
の束をカーラーに巻きつけ、ヘアドライヤーで乾燥させ
た。
【００６５】１０人の試験官が、どの束がより元気であ
るか判断した。１０人全ての試験官が、本発明に係る組
成物１Ａで処理した束がしかりであることを示した。
【００６６】実施例２ 以下の組成のヘアケアムースを調製した。 ＣＲＯＤＡ社からＣＲＯＴＥＩＮ ＡＤＷの名称で市販され、３４％の活性物 質（ＡＳ）を含有するアルコール性溶液状の、イソステアリル脂肪鎖を有する小 麦タンパク加水分解物 ０．３ｇのＡＳ セラミド、タイプ５ ０．１ｇ 防腐剤、香料 適量 ＨＣｌ ｐＨ８とする量 水 全体を１００ｇとする量
【００６７】加圧方法 上記組成物 ９０ｇ ｎ−ブタン、イソブタンおよびプロパン（２３：５５：２２）の三元混合物で、 ＥＬＦ ＡＱＵＩＴＡＩＮＥ社から“ＡＥＲＯＧＡＺ ３．２Ｎ”の名称で市販さ れているもの。 １０ｇ
【００６８】濡れた髪に適用した場合に、このムースは
髪に急速に溶け込み、濡れた髪のもつれを解きやすくし
た。乾燥した得られた髪は、元気で柔軟なものであっ
た。
【００６９】実施例３ 以下の組成の、すすがれるヘアコンディショナーを調製
した。 ＣＲＯＤＡ社からＣＲＯＱＵＡＴ ＷＫＰの名称で市販され、３０％のＡＳを 含有する水溶液状の、Ｎ−ココイルジメチルアンモニウムクロリドで第四級化さ れたウールケラチン加水分解物 ０．５ｇのＡＳ Ｎ−オレオイルジヒドロスフィンゴシン ０．１ｇ ＩＳＰ社からＣｏｐｏｌｙｍｅｒｅ ８４５の名称で市販され、２０％の水溶 液状のビニルピロリドン／ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマー １ｇのＡＳ 鉱油中に５０％の分散物とされた、アクリルアミド／エチルトリメチルアンモ ニウムクロリドメタクリラート（５２：４８）の架橋したコポリマー ２ｇのＡＳ 防腐剤、香料 適量 ＮａＯＨ ｐＨ４．５とする量 水 全体を１００ｇとする量
【００７０】作用を受けた後の濡れたすすがれた髪に適
用した場合、このケア製品は、濡れた髪のもつれの解き
やすさを改良し、乾燥した髪に滑らかさおよび柔軟性を
与えた。
【００７１】実施例４ 以下の組成のローションを調製した。 セチル酸Ｎ-（２-ヒドロキシエチル）-Ｎ-（３-セチルオキシ-２-ヒドロキシ プロピル）アミド ０．１ｇ ＣＲＯＤＡ社からＣＲＯＱＵＡＴ ＷＫＰの名称で市販され、３０％のＡＳを 含有する水溶液状の、Ｎ−ココイルジメチルアンモニウムクロリドで第四級化さ れたウールケラチン加水分解物 ０．５ｇのＡＳ 防腐剤、香料 適量 水 全体を１００ｇとする量 通常のｐＨ ４．２
【００７２】このローションを、濡れた髪に適用してす
すいだ後は、髪がもつれを解きやすく、しなやかになっ
た。
【００７３】実施例５ 以下の組成のローションを調製した。 Ｑｕｅｓｔａｍｉｄｅ Ｈの名称でＱｕｅｓｔ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ社 から市販されている、ビス（Ｎ-ヒドロキシエチル-Ｎ-セチル）マロンアミド ０．１ｇ ＣＲＯＤＡ社からＣＲＯＱＵＡＴ ＷＫＰの名称で市販され、３０％のＡＳを 含有する水溶液状の、Ｎ−ココイルジメチルアンモニウムクロリドで第四級化さ れたウールケラチン加水分解物 ０．５ｇのＡＳ 防腐剤、香料 適量 水 全体を１００ｇとする量 通常のｐＨ ４．２
【００７４】洗浄された髪に適用した場合は、このロー
ションは、濡れた髪に柔軟性を与え、乾いた髪に滑らか
なコートされた感覚を与えた。
【００７５】実施例６ セラミド、タイプ２ １０ｇ ＣＲＯＤＡ社からＣＲＯＱＵＡＴ ＷＫＰの名称で市販され、３０％のＡＳを 含有する水溶液状の、Ｎ−ココイルジメチルアンモニウムクロリドで第四級化さ れたウールケラチン加水分解物 ２４ｇのＡＳ 防腐剤、香料 適量 水 全体を１００ｇとする量 通常のｐＨ ４
【００７６】この濃厚なクリームは、濡れた髪に適用さ
れ、すすぎ後、良好な化粧品特性（もつれの解きやすさ
および柔軟性）を付与した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０７Ｃ 235/74 9547−4Ｈ

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 化粧品に許容される水性媒体中に、少な
    くとも一つのセラミド型脂質化合物と、少なくとも一つ
    の脂肪鎖を備えた少なくとも一つのペプチドとを含有す
    ることを特徴とする化粧品組成物。
  2. 【請求項２】 セラミド型脂質化合物が、以下の一般式
    （Ｉ） 【化１】 ［式中、 −Ｒ1は、飽和もしくは不飽和の、直鎖または側鎖を有
    するＣ9−Ｃ30の炭化水素基であって、飽和または不飽
    和のＣ16−Ｃ30の脂肪酸で任意にエステル化された一つ
    以上のヒドロキシル基で置換することができる炭化水素
    基、あるいはＲ''-ＮＲ-ＣＯ-Ｒ'-基（Ｒは、水素原
    子、またはモノ-またはポリヒドロキシル化されたＣ1−
    Ｃ10炭化水素基であって、Ｒ'およびＲ''は、炭素原子
    の合計が９〜３０の間の炭化水素基とされ、Ｒ'は、二
    価の基である）を示し、 −Ｒ2は、水素原子、もしくは飽和または不飽和のＣ16
    −Ｃ27の炭化水素基であって、一つ以上のＣ1−Ｃ14ア
    ルキル基で置換することができる炭化水素基を示し、ま
    たはＣ15−Ｃ26のα-ヒドロキシアルキル基であって、
    Ｃ16−Ｃ3 0のα-ヒドロキシ酸で任意にエステル化され
    てもよいヒドロキシル基を示し、 −Ｒ3は、水素原子、飽和または不飽和のＣ16−Ｃ27の
    炭化水素基または-ＣＨ2-ＣＨＯＨ-ＣＨ2-Ｏ-Ｒ6基（Ｒ
    6はＣ10−Ｃ26の炭化水素基を示す）を示し、 −Ｒ4は、水素原子、またはモノ-もしくはポリヒドロキ
    シル化されたＣ1−Ｃ4炭化水素基を示す。］を有するこ
    とを特徴とする請求項１記載の化粧品組成物。
  3. 【請求項３】 化合物が、Ｒ1がＣ16−Ｃ22の脂肪酸か
    ら誘導された飽和または不飽和の基を示し、Ｒ2が飽和
    した直鎖Ｃ15炭化水素基を示す式（Ｉ）に対応すること
    を特徴とする請求項２記載の化粧品組成物。
  4. 【請求項４】 式（Ｉ）の化合物が、Ｎ-リノレオイル
    ジヒドロスフィンゴシン、Ｎ-オレオイルジヒドロスフ
    ィンゴシン、Ｎ-パルミトイルジヒドロスフィンゴシ
    ン、Ｎ-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン、Ｎ-ベヘ
    ノイルジヒドロスフィンゴシンあるいは上記化合物の混
    合物から選択されたことを特徴とする請求項１ないし３
    のいずれか１項に記載の化粧品組成物。
  5. 【請求項５】 式（Ｉ）の化合物が、ビス（Ｎ-ヒドロ
    キシエチル-Ｎ-セチル）マロンアミドおよびセチル酸Ｎ
    -（２-ヒドロキシエチル）-Ｎ-（３-セチルオキシ-２-
    ヒドロキシプロピル）アミドおよびＮ-ドコサノイル-Ｎ
    -メチル-Ｄ-グルカミンからなる群から選択されること
    を特徴とする請求項２記載の化粧品組成物。
  6. 【請求項６】 セラミド型脂質化合物が、化粧品組成物
    の全重量に対して０．０００１〜１０重量％の範囲の濃
    度で存在することを特徴とする請求項１ないし５のいず
    れか１項に記載の化粧品組成物。
  7. 【請求項７】 セラミド型脂質化合物が、化粧品組成物
    の全重量に対して０．０００１〜５重量％の範囲の濃度
    で存在することを特徴とする請求項６に記載の化粧品組
    成物。
  8. 【請求項８】 ペプチドの脂肪鎖が、８〜４０の炭素原
    子を有することを特徴とする請求項１ないし７のいずれ
    か１項に記載の化粧品組成物。
  9. 【請求項９】 ペプチドの脂肪鎖が、１０〜２２の炭素
    原子を有することを特徴とする請求項８に記載の化粧品
    組成物。
  10. 【請求項１０】 脂肪鎖を有するペプチドが、１０００
    を越える分子量であることを特徴とする請求項１ないし
    ９のいずれか１項に記載の化粧品組成物。
  11. 【請求項１１】 ペプチドが、脂肪鎖を有するタンパク
    質もしくはタンパク質の加水分解物であることを特徴と
    する請求項１ないし１０のいずれか１項に記載の化粧品
    組成物。
  12. 【請求項１２】 脂肪鎖を備えたタンパク質の加水分解
    物が用いられたことを特徴とする、請求項１ないし１１
    のいずれか１項に記載の化粧品組成物。
  13. 【請求項１３】 ペプチドの濃度が、化粧品組成物の全
    重量に対して０．０１〜３０重量％の間とされることを
    特徴とする請求項１ないし１２のいずれか１項に記載の
    化粧品組成物。
  14. 【請求項１４】 ペプチドの濃度が、化粧品組成物の全
    重量に対して０．１〜１０重量％の間とされることを特
    徴とする請求項１３に記載の化粧品組成物。
  15. 【請求項１５】 セラミド型脂質化合物に対するペプチ
    ドの重量濃度の割合が、１．５〜１０の間であることを
    特徴とする請求項１ないし１４のいずれか１項に記載の
    化粧品組成物。
  16. 【請求項１６】 セラミド型脂質化合物に対するペプチ
    ドの重量濃度の割合が、２〜６の間であることを特徴と
    する請求項１５に記載の化粧品組成物。
  17. 【請求項１７】 少なくとも一つのセラミド型脂質化合
    物と少なくとも一つの脂肪鎖を有する少なくとも一つの
    ペプチドを含有することを特徴とする水性分散物。
  18. 【請求項１８】 セラミド型脂質化合物が、請求項２な
    いし５のいずれか１項に記載したものであることを特徴
    とする請求項１７に記載の水性分散物。
  19. 【請求項１９】 セラミド型脂質化合物の濃度が、水性
    分散物の全重量に対して０．０００１〜１５重量％であ
    ることを特徴とする請求項１７または１８に記載の水性
    分散物。
  20. 【請求項２０】 セラミド型脂質化合物の濃度が、水性
    分散物の全重量に対して０．０００１〜１０重量％であ
    ることを特徴とする請求項１９に記載の水性分散物。
  21. 【請求項２１】 少なくとも一つの脂肪鎖を有するペプ
    チドが、請求項８ないし１２のいずれか１項に記載した
    ものであることを特徴とする請求項１７ないし２０のい
    ずれか１項に記載の水性分散物。
  22. 【請求項２２】 ペプチドの濃度が、水性分散物の全重
    量に対して０．０１〜４０重量％であることを特徴とす
    る請求項１７ないし２０のいずれか１項に記載の水性分
    散物。
  23. 【請求項２３】 ペプチドの濃度が、水性分散物の全重
    量に対して０．５〜２０重量％であることを特徴とする
    請求項２２に記載の水性分散物。
  24. 【請求項２４】 セラミド型脂質化合物に対するペプチ
    ドの重量濃度の割合が１．５〜１０の間であることを特
    徴とする請求項１７ないし２３のいずれか１項に記載の
    水性分散物。
  25. 【請求項２５】 セラミド型脂質化合物に対するペプチ
    ドの重量濃度の割合が２〜６の間であることを特徴とす
    る請求項２４に記載の水性分散物。
  26. 【請求項２６】 請求項１ないし１６のいずれか１項に
    記載の化粧品組成物の調製における、請求項１７ないし
    ２５のいずれか１項に記載の水性分散物の使用。
  27. 【請求項２７】 化粧品化合物を含有する水性分散物に
    セラミド型脂質化合物を分散させる試薬としての、少な
    くとも一つの脂肪鎖を有するペプチドの使用。
  28. 【請求項２８】 皮膚または髪等のケラチン繊維に、請
    求項１ないし１６のいずれか１項に記載の化粧品組成物
    を適用することからなることを特徴とする、皮膚または
    髪等のケラチン繊維の処理方法。
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