JPH10279435A - 毛髪化粧料 - Google Patents
毛髪化粧料Info
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- JPH10279435A JPH10279435A JP9655097A JP9655097A JPH10279435A JP H10279435 A JPH10279435 A JP H10279435A JP 9655097 A JP9655097 A JP 9655097A JP 9655097 A JP9655097 A JP 9655097A JP H10279435 A JPH10279435 A JP H10279435A
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- Japan
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- hair
- cationized
- protein
- cosmetic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 洗髪や薬剤処理により損傷した毛髪に対して
強化・修復作用を有し、しかも毛髪にしっとり感や、や
わらかい感触をも付与しうる毛髪化粧料を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるグリコール
の少なくとも1種と、カチオン化蛋白誘導体の少なくと
も1種とを含有することを特徴とする毛髪化粧料。 【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子、炭素数1〜10のア
ルキル基)
強化・修復作用を有し、しかも毛髪にしっとり感や、や
わらかい感触をも付与しうる毛髪化粧料を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるグリコール
の少なくとも1種と、カチオン化蛋白誘導体の少なくと
も1種とを含有することを特徴とする毛髪化粧料。 【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子、炭素数1〜10のア
ルキル基)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーマ、ブリー
チ、ヘアカラー等の化学的処理で特に傷んだ毛髪に対し
て裂け毛、切れ毛の発生を抑制する効果に優れ、さらに
毛髪にしっとりしたやわらかい感触を付与する毛髪化粧
料に関するものである。
チ、ヘアカラー等の化学的処理で特に傷んだ毛髪に対し
て裂け毛、切れ毛の発生を抑制する効果に優れ、さらに
毛髪にしっとりしたやわらかい感触を付与する毛髪化粧
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】毛髪は日常のヘアケア・ヘアメイク行動
により多くの損傷を受けている。特に洗髪では主成分で
ある界面活性剤により毛髪の皮脂や毛髪構成蛋白質まで
が溶出され、毛髪がバサバサあるいはゴワゴワしたり、
更には極端にツヤが失われる等の触感的・視覚的にその
損傷を実感する事が知られている。また近年の髪型の流
行によりコールドパーマ・ヘアカラー・ヘアブリーチ等
の使用が日常的になり、薬剤による化学的処理も毛髪の
構成蛋白質の溶出や構造変化を促進し、損傷に拍車をか
けている。また、濡れた毛髪の乾燥手段として用いるハ
ンドドライヤーも毛髪損傷の大きな原因となり、熱によ
る構造変化を招き強度低下や保水能低下を来す。更にブ
ラシングによる物理的刺激は毛髪表面のキューティクル
剥離や裂け毛・切れ毛の発生を促進する結果となる。
により多くの損傷を受けている。特に洗髪では主成分で
ある界面活性剤により毛髪の皮脂や毛髪構成蛋白質まで
が溶出され、毛髪がバサバサあるいはゴワゴワしたり、
更には極端にツヤが失われる等の触感的・視覚的にその
損傷を実感する事が知られている。また近年の髪型の流
行によりコールドパーマ・ヘアカラー・ヘアブリーチ等
の使用が日常的になり、薬剤による化学的処理も毛髪の
構成蛋白質の溶出や構造変化を促進し、損傷に拍車をか
けている。また、濡れた毛髪の乾燥手段として用いるハ
ンドドライヤーも毛髪損傷の大きな原因となり、熱によ
る構造変化を招き強度低下や保水能低下を来す。更にブ
ラシングによる物理的刺激は毛髪表面のキューティクル
剥離や裂け毛・切れ毛の発生を促進する結果となる。
【0003】従来、この様な多くの損傷原因から毛髪を
保護するため手段としては、例えばコラーゲン誘導体や
ケラチン誘導体等の毛髪と類似した成分を毛髪に浸透・
補充する方法が知られている(特開昭57−8810
9、特開平2−53712)。また、毛髪表面のキュー
ティクル剥離の抑制や表面を平滑にさせる手触り感の向
上や熱による水分蒸散を抑制する方法として、例えば皮
膜形成物質や液状油で毛髪表面をコートする方法も提案
されている(特開昭57−88111、特開平5−85
921、特開平6−505973)。しかし、これらの
方法は単に触感的あるいは視覚的に向上を図ったもので
あり、損傷した毛髪を真に強化・修復するものでは、感
触的にハリ・コシのでるようなシャープな感触になるた
め、ケア感を想起させるようなしっとりとしたやわらか
さがたりないという欠点があった。
保護するため手段としては、例えばコラーゲン誘導体や
ケラチン誘導体等の毛髪と類似した成分を毛髪に浸透・
補充する方法が知られている(特開昭57−8810
9、特開平2−53712)。また、毛髪表面のキュー
ティクル剥離の抑制や表面を平滑にさせる手触り感の向
上や熱による水分蒸散を抑制する方法として、例えば皮
膜形成物質や液状油で毛髪表面をコートする方法も提案
されている(特開昭57−88111、特開平5−85
921、特開平6−505973)。しかし、これらの
方法は単に触感的あるいは視覚的に向上を図ったもので
あり、損傷した毛髪を真に強化・修復するものでは、感
触的にハリ・コシのでるようなシャープな感触になるた
め、ケア感を想起させるようなしっとりとしたやわらか
さがたりないという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の化粧料のもつ欠点を克服し、洗髪や薬剤処理によ
り毛髪構造が変化し、損傷した毛髪に対して強化・修復
を行うとともに、生まれたての健康毛のような、しっと
りとしたやわらかい感触をも付与することができる毛髪
化粧料を提供することを目的とする。
従来の化粧料のもつ欠点を克服し、洗髪や薬剤処理によ
り毛髪構造が変化し、損傷した毛髪に対して強化・修復
を行うとともに、生まれたての健康毛のような、しっと
りとしたやわらかい感触をも付与することができる毛髪
化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の好
ましい特性を有する化粧料を開発するために種々研究を
重ねた結果、特定のグリコールと特定の蛋白加水分解物
とを併用することによって、キューティクルの剥離や切
れ毛・裂け毛が起こりにくくなる損傷毛強化効果を維持
しつつ、しかもしっとりとしたやわらかい感触である毛
髪化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させる
に至った。
ましい特性を有する化粧料を開発するために種々研究を
重ねた結果、特定のグリコールと特定の蛋白加水分解物
とを併用することによって、キューティクルの剥離や切
れ毛・裂け毛が起こりにくくなる損傷毛強化効果を維持
しつつ、しかもしっとりとしたやわらかい感触である毛
髪化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させる
に至った。
【0006】すなわち、本発明によれば、下記一般式
(1)で表されるグリコールの少なくとも1種とカチオ
ン化蛋白誘導体の少なくとも1種とを含有することを特
徴とする毛髪化粧料が提供される。
(1)で表されるグリコールの少なくとも1種とカチオ
ン化蛋白誘導体の少なくとも1種とを含有することを特
徴とする毛髪化粧料が提供される。
【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
10のアルキル基であって、互いに同一であっても、又
異なってもよい)
10のアルキル基であって、互いに同一であっても、又
異なってもよい)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の毛髪化粧料の各成
分について詳細に説明する。本発明に用いる上記一般式
(I)で表されるのグリコール成分は、毛髪にしっとり
感や、やわらかさを付与する作用を有する。このような
グリコールとしては、3−メチル−1,3ブタンジオー
ル、2−メチル−2,4ペンタンジオール、3−エチル
−1,3ブタンジオール、2−エチル−2,4ペンタン
ジオール、3−イソプロピル−1,3ブタンジオール、
2−イソプロピル−2,4ペンタンジオール、3−t−
ブチル−1,3ブタンジオール、3−n−ブチル−1,
3ブタンジオール等が挙げられ、中でも特に3−メチル
−1,3ブタンジオール,2−メチル−2,4ペンタン
ジオール、3−エチル−1,3ブタンジオールが好まし
い。これらのグリコールは単独で用いてもよいし、又、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
分について詳細に説明する。本発明に用いる上記一般式
(I)で表されるのグリコール成分は、毛髪にしっとり
感や、やわらかさを付与する作用を有する。このような
グリコールとしては、3−メチル−1,3ブタンジオー
ル、2−メチル−2,4ペンタンジオール、3−エチル
−1,3ブタンジオール、2−エチル−2,4ペンタン
ジオール、3−イソプロピル−1,3ブタンジオール、
2−イソプロピル−2,4ペンタンジオール、3−t−
ブチル−1,3ブタンジオール、3−n−ブチル−1,
3ブタンジオール等が挙げられ、中でも特に3−メチル
−1,3ブタンジオール,2−メチル−2,4ペンタン
ジオール、3−エチル−1,3ブタンジオールが好まし
い。これらのグリコールは単独で用いてもよいし、又、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0008】本発明の毛髪化粧料において、これらのグ
リコールは、毛髪化粧料全量に対し、通常0.1〜40
重量%、好ましくは0.5〜40重量%の範囲で配合す
る。この量が0.1重量%未満では所期の効果が十分に
発揮されなし、40重量%を越えるとベタツキの発現を
免れない。
リコールは、毛髪化粧料全量に対し、通常0.1〜40
重量%、好ましくは0.5〜40重量%の範囲で配合す
る。この量が0.1重量%未満では所期の効果が十分に
発揮されなし、40重量%を越えるとベタツキの発現を
免れない。
【0009】次に、本発明に用いるカチオン化蛋白誘導
体成分は、毛髪に対して損傷防止作用を付与する作用を
有する。このようなカチオン化蛋白誘導体としては、カ
チオン化動物性蛋白誘導体およびカチオン化植物性蛋白
誘導体のいずれかの1種以上、又は両者を組み合わせて
用いることができる。本発明に用いるカチオン化蛋白誘
導体、例えば第4級トリアルキルアンモニウム誘導ポリ
ペプタイドは、動物性蛋白誘導ポリペプタイドまたは植
物性蛋白誘導ポリペプタイドとカチオン化剤(例えばヒ
ドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)
との反応により得ることができ、例えば、第4級トリメ
チルアンモニウム誘導ケラチン加水分解物は、プロモイ
スの名称で既に市販されており、容易に入手可能な成分
である。
体成分は、毛髪に対して損傷防止作用を付与する作用を
有する。このようなカチオン化蛋白誘導体としては、カ
チオン化動物性蛋白誘導体およびカチオン化植物性蛋白
誘導体のいずれかの1種以上、又は両者を組み合わせて
用いることができる。本発明に用いるカチオン化蛋白誘
導体、例えば第4級トリアルキルアンモニウム誘導ポリ
ペプタイドは、動物性蛋白誘導ポリペプタイドまたは植
物性蛋白誘導ポリペプタイドとカチオン化剤(例えばヒ
ドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)
との反応により得ることができ、例えば、第4級トリメ
チルアンモニウム誘導ケラチン加水分解物は、プロモイ
スの名称で既に市販されており、容易に入手可能な成分
である。
【0010】上記動物性蛋白誘導ポリペプタイドは、コ
ラーゲン、ケラチン、絹蛋白、ミルク蛋白及びエラスチ
ン等の動物性蛋白質を、又上記植物性蛋白誘導ポリペプ
タイドは大豆蛋白、小麦蛋白等の植物性蛋白質を、酸、
アルカリ、あるいは蛋白質分解酵素等を用いて加水分解
することによって得ることができ、その製造方法は、例
えば特開昭60−243010に詳細に記述されてい
る。
ラーゲン、ケラチン、絹蛋白、ミルク蛋白及びエラスチ
ン等の動物性蛋白質を、又上記植物性蛋白誘導ポリペプ
タイドは大豆蛋白、小麦蛋白等の植物性蛋白質を、酸、
アルカリ、あるいは蛋白質分解酵素等を用いて加水分解
することによって得ることができ、その製造方法は、例
えば特開昭60−243010に詳細に記述されてい
る。
【0011】本発明の毛髪化粧料において、これらのカ
チオン化蛋白誘導体の含有量は、特に限定はされない
が、組成物全量に対し、0.0005〜10重量%、好
ましくは0.001〜5重量%の範囲で配合する。この
量が0.0005重量%未満では所期の効果が充分に発
揮されない。また10重量%を越えると臭気が強くなる
ので好ましくない。
チオン化蛋白誘導体の含有量は、特に限定はされない
が、組成物全量に対し、0.0005〜10重量%、好
ましくは0.001〜5重量%の範囲で配合する。この
量が0.0005重量%未満では所期の効果が充分に発
揮されない。また10重量%を越えると臭気が強くなる
ので好ましくない。
【0012】本発明の毛髪化粧料は、前記一般式で表さ
れるグリコール成分とカチオン化蛋白誘導体成分とを含
有するものであり、これらの成分を併用することによ
り、グリコール成分の毛髪へのしっとり感、やわらかさ
の付与効果及びカチオン化蛋白誘導体成分の損傷防止効
果のいずれもが、更に向上する。
れるグリコール成分とカチオン化蛋白誘導体成分とを含
有するものであり、これらの成分を併用することによ
り、グリコール成分の毛髪へのしっとり感、やわらかさ
の付与効果及びカチオン化蛋白誘導体成分の損傷防止効
果のいずれもが、更に向上する。
【0013】更に本発明の毛髪化粧料において、前述の
必須成分以外に、液状油分を配合することによって、手
触りの感触をさらに向上させる効果がある。例えば特に
傷んだ髪にしっとり感を与えるためには、液状油分の配
合は必須である。この液状油分としては、ジメチルポリ
シロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性
シリコーン等のシリコーンオイルや、流動イソパラフィ
ン、流動パラフィン、動植物性スクワランなどの炭化水
素が好ましい。これらの液状油分は単独で用いてもよい
し、また、2種以上組み合わせて用いても良い。
必須成分以外に、液状油分を配合することによって、手
触りの感触をさらに向上させる効果がある。例えば特に
傷んだ髪にしっとり感を与えるためには、液状油分の配
合は必須である。この液状油分としては、ジメチルポリ
シロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性
シリコーン等のシリコーンオイルや、流動イソパラフィ
ン、流動パラフィン、動植物性スクワランなどの炭化水
素が好ましい。これらの液状油分は単独で用いてもよい
し、また、2種以上組み合わせて用いても良い。
【0014】本発明の毛髪化粧料には、前述の必須成分
以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、従来の毛髪
化粧料に慣用されている各種添加成分を、所望に応じ、
配合することができる。
以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、従来の毛髪
化粧料に慣用されている各種添加成分を、所望に応じ、
配合することができる。
【0015】このような添加成分としては、例えば陽イ
オン性高分子樹脂、陰イオン性高分子樹脂、非イオン性
高分子樹脂、両性高分子樹脂等のセット用ポリマー、陽
イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、両性界面活性剤、クエン酸やコハク酸等
の有機酸及びその塩、グリシンやアラニン等のアミノ
酸、殺菌剤、紫外線吸収剤、高級アルコール、動植物
油、エステル油、着色剤、香料、溶剤(エタノール、水
等)、脂肪酸等が挙げられる。これらの添加成分は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、又、毛髪化粧料調製の適当な段階で配合してもよ
い。
オン性高分子樹脂、陰イオン性高分子樹脂、非イオン性
高分子樹脂、両性高分子樹脂等のセット用ポリマー、陽
イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、両性界面活性剤、クエン酸やコハク酸等
の有機酸及びその塩、グリシンやアラニン等のアミノ
酸、殺菌剤、紫外線吸収剤、高級アルコール、動植物
油、エステル油、着色剤、香料、溶剤(エタノール、水
等)、脂肪酸等が挙げられる。これらの添加成分は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、又、毛髪化粧料調製の適当な段階で配合してもよ
い。
【0016】本発明の毛髪化粧料は、例えば液状、フォ
ーム状、スプレー状、ジェル状、クリーム状等の多くの
製品形態で幅広く利用できる。
ーム状、スプレー状、ジェル状、クリーム状等の多くの
製品形態で幅広く利用できる。
【0017】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。尚、各成分の量は重量%である。
明する。尚、各成分の量は重量%である。
【0018】実施例1、比較例1〜4 先ず、毛髪化粧料の評価法及び評価基準について説明す
る。 〈損傷防止効果の評価法〉冒頭で述べたように、毛髪は
洗髪やコールドパーマ等の薬剤処理により毛髪構成蛋白
質の溶出や構造変化により、毛髪表面はもちろん内部構
造的にも弱体化している。これが更に乾燥・セットの目
的で行うハンドドライヤーやブロー・ブラッシング等の
熱的及び物理的力によって切れ毛、裂け毛が発生する。
本発明者らは、弱体化した毛髪を強化・修復し、切れ毛
・裂け毛を発生しにくくする効果の評価法を検討した。
実際のヘアメイク行動と類似した熱風下でのブラッシン
グ処理では効果の再現性に乏しく、評価法としては不適
切であった。そこで評価法について鋭利決闘を重ねた結
果、簡便で且つ再現性の高い評価法として毛髪に凍結乾
燥処理という強い物理的力を与え、処理後の状態を走査
型電子顕微鏡で観察する方法を確立した。すなわち、表
1のように、健常毛では凍結乾燥処理を行っても亀裂の
発生は少ないが、市販コールドパーマ剤で処理し、構造
的に弱体化した毛髪では多くの亀裂の発生が確認でき、
本評価法が弱体化した毛髪の強化・修復効果の評価法と
して適切である事が判明した。表1では下式により処理
数に対する亀裂の発生率として算出した値を示した。
る。 〈損傷防止効果の評価法〉冒頭で述べたように、毛髪は
洗髪やコールドパーマ等の薬剤処理により毛髪構成蛋白
質の溶出や構造変化により、毛髪表面はもちろん内部構
造的にも弱体化している。これが更に乾燥・セットの目
的で行うハンドドライヤーやブロー・ブラッシング等の
熱的及び物理的力によって切れ毛、裂け毛が発生する。
本発明者らは、弱体化した毛髪を強化・修復し、切れ毛
・裂け毛を発生しにくくする効果の評価法を検討した。
実際のヘアメイク行動と類似した熱風下でのブラッシン
グ処理では効果の再現性に乏しく、評価法としては不適
切であった。そこで評価法について鋭利決闘を重ねた結
果、簡便で且つ再現性の高い評価法として毛髪に凍結乾
燥処理という強い物理的力を与え、処理後の状態を走査
型電子顕微鏡で観察する方法を確立した。すなわち、表
1のように、健常毛では凍結乾燥処理を行っても亀裂の
発生は少ないが、市販コールドパーマ剤で処理し、構造
的に弱体化した毛髪では多くの亀裂の発生が確認でき、
本評価法が弱体化した毛髪の強化・修復効果の評価法と
して適切である事が判明した。表1では下式により処理
数に対する亀裂の発生率として算出した値を示した。
【0019】
【表1】 *1:28歳女性、コールドパーマ・ブリーチ及びヘア
カラーの経験なし。後頭部の頭皮より15cmの部位で
カットし、10cmの部分を使用。 *2:*1の毛髪を市販コールドパーマ剤で処理(25
℃、10分)。シャンプー後、25℃・65%RHの条
件下で24時間乾燥。
カラーの経験なし。後頭部の頭皮より15cmの部位で
カットし、10cmの部分を使用。 *2:*1の毛髪を市販コールドパーマ剤で処理(25
℃、10分)。シャンプー後、25℃・65%RHの条
件下で24時間乾燥。
【0020】〈しっとり感の評価法及び評価基準〉毛束
(30cm,10g)をシャンプーで洗浄・すすぎを
し、乾いた綿布で水分を取り、試料0.5gを塗布し、
櫛入れを十分に行う。更に25℃・65%RHの恒温・
恒湿室内で3時間風乾後、専門評価員10名により下記
基準に従い、官能にて評価した。 3点:試料未塗布の毛束に比べてかなりしっとりする 2点:試料未塗布の毛束に比べてややしっとりする 1点:試料未塗布の毛束とほとんど同じ 更に各々の試料について、評価点の加重平均を求め、下
記基準に従い表示した。 ◎:平均点が2.5以上 ○:平均点が2.0〜2.5未満 △:平均点が1.5〜2.0未満 ×:平均点が1.5未満
(30cm,10g)をシャンプーで洗浄・すすぎを
し、乾いた綿布で水分を取り、試料0.5gを塗布し、
櫛入れを十分に行う。更に25℃・65%RHの恒温・
恒湿室内で3時間風乾後、専門評価員10名により下記
基準に従い、官能にて評価した。 3点:試料未塗布の毛束に比べてかなりしっとりする 2点:試料未塗布の毛束に比べてややしっとりする 1点:試料未塗布の毛束とほとんど同じ 更に各々の試料について、評価点の加重平均を求め、下
記基準に従い表示した。 ◎:平均点が2.5以上 ○:平均点が2.0〜2.5未満 △:平均点が1.5〜2.0未満 ×:平均点が1.5未満
【0021】〈やわらかさの評価法及び評価基準〉前記
のしっとり感の評価に用いた毛束について、専門評価員
10名により下記基準に従い、官能にて評価した。 3点:試料未塗布の毛束に比べてかなり やわらかい 2点:試料未塗布の毛束に比べてやや やわらかい 1点:試料未塗布の毛束とほとんど同じ 更に各々の試料について、評価点の加重平均を求め、下
記基準に従い表示した。 ◎:平均点が2.5以上 ○:平均点が2.0〜2.5未満 △:平均点が1.5〜2.0未満 ×:平均点が1.5未満
のしっとり感の評価に用いた毛束について、専門評価員
10名により下記基準に従い、官能にて評価した。 3点:試料未塗布の毛束に比べてかなり やわらかい 2点:試料未塗布の毛束に比べてやや やわらかい 1点:試料未塗布の毛束とほとんど同じ 更に各々の試料について、評価点の加重平均を求め、下
記基準に従い表示した。 ◎:平均点が2.5以上 ○:平均点が2.0〜2.5未満 △:平均点が1.5〜2.0未満 ×:平均点が1.5未満
【0022】表2に示す組成の、実施例1及び比較例1
〜4の毛髪化粧料を調製し、損傷防止効果、しっとり感
及びやわらかさについて評価し、その結果を表2に示し
た。
〜4の毛髪化粧料を調製し、損傷防止効果、しっとり感
及びやわらかさについて評価し、その結果を表2に示し
た。
【表2】 *3:第4級トリメチルアンモニウム誘導ケラチン加水分解物(成和化成社, プロモイスWK−Q) *4:コラーゲン加水分解物(成和化成社,プロモイスW−52)
【0023】 実施例2(ヘアスタイリングフォーム) 3−メチル−1,3ブタンジオール 10.% 第4級トリメチルアンモニウム誘導ポリペプタイド*3 0.1% 陽イオン性高分子樹脂*5 0.2% ジメチルポリシロキサン 15.0% 植物性スクワラン 5.0% ポリオキシエチレンステアリルエーテル 0.3% ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.3% N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸 トリエタノールアミン液 0.03% オキシベンゾンスルホン酸 0.1% メチルパラベン 0.1% エタノール 15.0% 香料 0.1% 液化石油ガス 8.0% 精製水 残 部 *5:塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル] ヒドロキシエチルセルロース
【0024】 実施例3(ヘアスタイリングジェル) ポリビニルピロリドン(K−30) 2.0% 両性高分子化合物*6 2.0% 第4級トリメチルアンモニウム誘導ポリペプタイド*7 0.5% 2−メチル−2,4ペンタンジオール 5.0% ポリエーテル変性シリコーン 2.0% カルボキシビニルポリマー 0.5% トリエタノールアミン 0.4% ポリオキシエチレン(20)イソセチルエーテル 0.5% ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油 0.3% 亜硫酸水素ナトリウム 0.2% ジヒドロキシベンゾフェノン 0.1% エデト酸二ナトリウム 0.1% 香料 0.3% エタノール 10% 精製水 残 部 *6:N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α −N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共 重合体 *7:第4級トリメチルアンモニウム誘導コラーゲン加水分解物(成和化成 社、プロモイスW−52Q)
【0025】 実施例4(ヘアケアスプレー) ジメチルポリシロキサン 10.0% 3−メチル−1,3ブタンジオール 3.0% 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.8% 第4級トリメチルアンモニウム誘導ポリペプタイド*7 1.0% ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.3% 香料 0.04% 液化石油ガス 35.0% エタノール 残 部
【0026】
【発明の効果】本発明の毛髪化粧料は、前記一般式
(1)で表されるグリコールの少なくとも1種と、カチ
オン化蛋白誘導体とを含有させたものであるから、洗髪
やパーマ、ブリーチ、ヘアカラー等の化学的処理で傷ん
だ毛髪に対して裂け毛、切れ毛等の損傷を抑制する作用
効果を有し、しかも毛髪にしっとり感や、やわらかい感
触を付与することができる。そして、本発明の毛髪化粧
料は、液状、ファーム状、スプレー状、ジェル状、クリ
ーム状等の多くの製品形態で幅広く利用することができ
る。
(1)で表されるグリコールの少なくとも1種と、カチ
オン化蛋白誘導体とを含有させたものであるから、洗髪
やパーマ、ブリーチ、ヘアカラー等の化学的処理で傷ん
だ毛髪に対して裂け毛、切れ毛等の損傷を抑制する作用
効果を有し、しかも毛髪にしっとり感や、やわらかい感
触を付与することができる。そして、本発明の毛髪化粧
料は、液状、ファーム状、スプレー状、ジェル状、クリ
ーム状等の多くの製品形態で幅広く利用することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるグリコール
の少なくとも1種とカチオン化蛋白誘導体の少なくとも
1種とを含有することを特徴とする毛髪化粧料。 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
10のアルキル基であって、互いに同一であっても、又
異なってもよい)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9655097A JPH10279435A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 毛髪化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9655097A JPH10279435A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 毛髪化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10279435A true JPH10279435A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=14168200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9655097A Pending JPH10279435A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 毛髪化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10279435A (ja) |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP9655097A patent/JPH10279435A/ja active Pending
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