JPH08112971A - 熱可逆記録媒体 - Google Patents
熱可逆記録媒体Info
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- JPH08112971A JPH08112971A JP6232122A JP23212294A JPH08112971A JP H08112971 A JPH08112971 A JP H08112971A JP 6232122 A JP6232122 A JP 6232122A JP 23212294 A JP23212294 A JP 23212294A JP H08112971 A JPH08112971 A JP H08112971A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温下でも画像が消去されることがなく、優
れた画像コントラストを維持することができ、しかも画
像耐熱性、画像形成−消去の繰り返し耐久性が向上され
た熱可逆記録媒体を提供する。 【構成】 樹脂母材、及び樹脂母材中に分散された有機
低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆
的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体において、
該感熱層の軟化開始温度(TA)が、該有機低分子物質
の高温結晶化温度(TB1)と低温結晶化温度(TB2)
の間にあり、TB1が80℃以上、かつTB1−TB2≧
40℃(好ましくは、TB1−TA≧10℃、TA−T
B2≧10℃)であることを特徴とする熱可逆記録媒
体。
れた画像コントラストを維持することができ、しかも画
像耐熱性、画像形成−消去の繰り返し耐久性が向上され
た熱可逆記録媒体を提供する。 【構成】 樹脂母材、及び樹脂母材中に分散された有機
低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆
的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体において、
該感熱層の軟化開始温度(TA)が、該有機低分子物質
の高温結晶化温度(TB1)と低温結晶化温度(TB2)
の間にあり、TB1が80℃以上、かつTB1−TB2≧
40℃(好ましくは、TB1−TA≧10℃、TA−T
B2≧10℃)であることを特徴とする熱可逆記録媒
体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱層(記録層)の温
度による可逆的な透明度変化を利用して、画像の形成及
び消去を何度も繰り返して行なうことのできる熱可逆記
録媒体に関する。
度による可逆的な透明度変化を利用して、画像の形成及
び消去を何度も繰り返して行なうことのできる熱可逆記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像形成(情報の書込
み)が行なえ、不要となった時にはその画像の消去(情
報の消去)ができるようにした可逆性感熱記録媒体が注
目されている。その代表的なものとしては、ガラス転移
温度(Tg)が50〜60℃から80℃未満である低ガ
ラス転移温度の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のよう
な樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分
散した可逆性感熱記録媒体が知られている(特開昭54
−119377号、特開昭55−154198号などの
公報)。これらは有機低分子物質として融点が60℃〜
80℃程度の高級アルコールや高級脂肪酸を用いている
ため、透明になる温度が60〜80℃程度と低く、形成
され画像が高温下に放置されると消えてしまうという欠
点があった。特にこの媒体が車のダッシュボード上に置
かれ、真夏に直射日光があたると画像が消えてしまい、
車関連の用途、例えば高速道路で用いられるプリペイド
カード等に用いられにくいという欠点がある。
み)が行なえ、不要となった時にはその画像の消去(情
報の消去)ができるようにした可逆性感熱記録媒体が注
目されている。その代表的なものとしては、ガラス転移
温度(Tg)が50〜60℃から80℃未満である低ガ
ラス転移温度の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のよう
な樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分
散した可逆性感熱記録媒体が知られている(特開昭54
−119377号、特開昭55−154198号などの
公報)。これらは有機低分子物質として融点が60℃〜
80℃程度の高級アルコールや高級脂肪酸を用いている
ため、透明になる温度が60〜80℃程度と低く、形成
され画像が高温下に放置されると消えてしまうという欠
点があった。特にこの媒体が車のダッシュボード上に置
かれ、真夏に直射日光があたると画像が消えてしまい、
車関連の用途、例えば高速道路で用いられるプリペイド
カード等に用いられにくいという欠点がある。
【0003】この欠点を解消するために高級アルキル基
を有するケトンやセミカルバゾンを有機低分子物質とし
て用いて、画像の耐熱性を向上させる方法が提案されて
いる(特開平3−230993号)。この方法により透
明化温度はシフトし、高温環境下でも画像が完全に消え
ることはなくなったが、まだ白濁度が薄くなりコントラ
ストが低下するという欠点があった。
を有するケトンやセミカルバゾンを有機低分子物質とし
て用いて、画像の耐熱性を向上させる方法が提案されて
いる(特開平3−230993号)。この方法により透
明化温度はシフトし、高温環境下でも画像が完全に消え
ることはなくなったが、まだ白濁度が薄くなりコントラ
ストが低下するという欠点があった。
【0004】また、ガラス転移温度80℃以上の樹脂を
用い、繰り返し耐久性を向上させる方法が提案されてい
る(特開平4−110187号)。この方法により、画
像の形成と消去を繰り返してもコントラストの低下は少
なくなったが未だ充分なものではなかった。
用い、繰り返し耐久性を向上させる方法が提案されてい
る(特開平4−110187号)。この方法により、画
像の形成と消去を繰り返してもコントラストの低下は少
なくなったが未だ充分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な欠点を解消し、温度に依存して透明度が可逆的に変化
する感熱層を有する熱可逆記録媒体において、高温環境
下でも画像が消去されることなく、また優れた画像コン
トラストを維持することができ、更に画像耐熱性に優
れ、しかも繰り返し耐久性が向上した熱可逆記録媒体を
提供することを目的とする。
な欠点を解消し、温度に依存して透明度が可逆的に変化
する感熱層を有する熱可逆記録媒体において、高温環境
下でも画像が消去されることなく、また優れた画像コン
トラストを維持することができ、更に画像耐熱性に優
れ、しかも繰り返し耐久性が向上した熱可逆記録媒体を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、樹脂母
材、及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成
分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱
層を有する熱可逆記録媒体において、該感熱層の軟化開
始温度(TA)が、該有機低分子物質の高温結晶化温度
(TB1)と低温結晶化温度(TB2)の間にあり、TB
1が80℃以上であり、かつTB1とTB2との関係が、
下記式を満足することを特徴とする熱可逆記録媒体が提
供される。 TB1−TB2≧40℃ また、前記TAと前記TB1との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体、 TB1−TA≧10℃ また、前記TAと前記TB1との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体、 TB1−TA≧20℃ また、前記TAと前記TB2との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体、 TA−TB2≧10℃ また、前記TAと前記TB2との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体が提供され
る。 TA−TB2≧20℃ 更に、前記TAが、80℃以上であること、また、前記
TB2が、35℃以上であることを特徴とする前記熱可
逆記録媒体が提供される。更にまた、熱圧力段差量が、
40%以下であること、また、熱圧力段差変化率が、7
0%以下であることを特徴とする前記熱可逆記録媒体が
提供される。更に、前記樹脂母材を構成する樹脂が、架
橋されていることを特徴とする前記熱可逆記録媒体、ま
た、前記樹脂母材を構成する樹脂が、架橋剤を用いて架
橋されたものであること、また、前記樹脂母材を構成す
る樹脂が、電子線又は紫外線により架橋されたものであ
ることを特徴とする前記熱可逆記録媒体が提供される。
材、及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成
分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱
層を有する熱可逆記録媒体において、該感熱層の軟化開
始温度(TA)が、該有機低分子物質の高温結晶化温度
(TB1)と低温結晶化温度(TB2)の間にあり、TB
1が80℃以上であり、かつTB1とTB2との関係が、
下記式を満足することを特徴とする熱可逆記録媒体が提
供される。 TB1−TB2≧40℃ また、前記TAと前記TB1との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体、 TB1−TA≧10℃ また、前記TAと前記TB1との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体、 TB1−TA≧20℃ また、前記TAと前記TB2との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体、 TA−TB2≧10℃ また、前記TAと前記TB2との関係が、下記式を満足
することを特徴とする前記熱可逆記録媒体が提供され
る。 TA−TB2≧20℃ 更に、前記TAが、80℃以上であること、また、前記
TB2が、35℃以上であることを特徴とする前記熱可
逆記録媒体が提供される。更にまた、熱圧力段差量が、
40%以下であること、また、熱圧力段差変化率が、7
0%以下であることを特徴とする前記熱可逆記録媒体が
提供される。更に、前記樹脂母材を構成する樹脂が、架
橋されていることを特徴とする前記熱可逆記録媒体、ま
た、前記樹脂母材を構成する樹脂が、架橋剤を用いて架
橋されたものであること、また、前記樹脂母材を構成す
る樹脂が、電子線又は紫外線により架橋されたものであ
ることを特徴とする前記熱可逆記録媒体が提供される。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明者等は、樹脂母材中に有機低分子物質を分散させた感
熱層の温度と透明度変化の関係を検討した結果、今まで
有機低分子物質の溶融状態との関係のみで説明されてい
たが、有機低分子物質の結晶化温度等の溶融状態と樹脂
の熱物性をも関係することを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
明者等は、樹脂母材中に有機低分子物質を分散させた感
熱層の温度と透明度変化の関係を検討した結果、今まで
有機低分子物質の溶融状態との関係のみで説明されてい
たが、有機低分子物質の結晶化温度等の溶融状態と樹脂
の熱物性をも関係することを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】本発明の熱可逆記録媒体は、前記のごとき
透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用してお
り、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のよう
に推測される。すなわち、(i)透明の場合には、樹脂母
材中に分散された有機低分子物質の粒子と樹脂母材は隙
間なく密着しており、また粒子内部にも空隙はなく、片
側から入射した光は散乱されること無く反対側に透過す
るため透明に見えること、また、(ii)白濁の場合に
は、有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結
晶が集合した多結晶で構成され、結晶の界面若しくは粒
子と樹脂母材の界面に空隙ができ、片側から入射した光
は空隙と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折、反射し、散乱
されるため白く見えること、等に由来している。
透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用してお
り、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のよう
に推測される。すなわち、(i)透明の場合には、樹脂母
材中に分散された有機低分子物質の粒子と樹脂母材は隙
間なく密着しており、また粒子内部にも空隙はなく、片
側から入射した光は散乱されること無く反対側に透過す
るため透明に見えること、また、(ii)白濁の場合に
は、有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結
晶が集合した多結晶で構成され、結晶の界面若しくは粒
子と樹脂母材の界面に空隙ができ、片側から入射した光
は空隙と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折、反射し、散乱
されるため白く見えること、等に由来している。
【0009】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT
0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを加熱し
ていくと温度T1から徐々に透明になり始め、温度T2〜
T3に加熱すると透明となりこの状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T1付近か
ら樹脂が軟化し始め軟化が進むにつれ、樹脂が収縮し樹
脂と有機低分子物質粒子との界面若しくは粒子内の空隙
を減少させるため、徐々に透明度が上がり、温度T2〜
T3では有機低分子物質が半溶融状態となり、残った空
隙を溶融した有機低分子物質が埋めることにより透明と
なり、種結晶が残ったまま冷却されることにより、比較
的高温で結晶化し、その際樹脂がまだ軟化状態のため、
結晶化にともなう粒子の体積変化に樹脂が追随し、空隙
ができず、透明状態が維持されるためと考えられる。こ
の時の結晶化する温度を高温結晶化温度(TB1)とす
る。
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT
0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを加熱し
ていくと温度T1から徐々に透明になり始め、温度T2〜
T3に加熱すると透明となりこの状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T1付近か
ら樹脂が軟化し始め軟化が進むにつれ、樹脂が収縮し樹
脂と有機低分子物質粒子との界面若しくは粒子内の空隙
を減少させるため、徐々に透明度が上がり、温度T2〜
T3では有機低分子物質が半溶融状態となり、残った空
隙を溶融した有機低分子物質が埋めることにより透明と
なり、種結晶が残ったまま冷却されることにより、比較
的高温で結晶化し、その際樹脂がまだ軟化状態のため、
結晶化にともなう粒子の体積変化に樹脂が追随し、空隙
ができず、透明状態が維持されるためと考えられる。こ
の時の結晶化する温度を高温結晶化温度(TB1)とす
る。
【0010】更にT4以上の温度に加熱すると、最大透
明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次
に、この温度を下げて行くと、再び透明状態をとること
なく最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度T4以上
で有機低分子物質が完全に溶融した後、過冷却状態とな
り、T0より少し高い温度で結晶化し、その際、樹脂が
結晶化にともなう体積変化に追随できず、空隙が発生す
るためであると思われる。この時の結晶化する温度を低
温結晶化温度(TB2)とする。ただし図1に示した温
度−透明度変化曲線は代表的な例を示しただけであり、
材料を変えるこをにより各状態の透明度等にその材料に
応じて変化が生じることがある。
明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次
に、この温度を下げて行くと、再び透明状態をとること
なく最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度T4以上
で有機低分子物質が完全に溶融した後、過冷却状態とな
り、T0より少し高い温度で結晶化し、その際、樹脂が
結晶化にともなう体積変化に追随できず、空隙が発生す
るためであると思われる。この時の結晶化する温度を低
温結晶化温度(TB2)とする。ただし図1に示した温
度−透明度変化曲線は代表的な例を示しただけであり、
材料を変えるこをにより各状態の透明度等にその材料に
応じて変化が生じることがある。
【0011】前記したように、本発明の熱可逆記録媒体
は、感熱層の軟化開始温度(TA)を、有機低分子物質
の高温結晶化温度(TB1)と低温結晶化温度(TB2)
の間とし、更にTB1を80℃以上とし、TB1をTB2
より40℃以上高温にすることによって高温環境下での
画像コントラストの劣化を防止することができる。
は、感熱層の軟化開始温度(TA)を、有機低分子物質
の高温結晶化温度(TB1)と低温結晶化温度(TB2)
の間とし、更にTB1を80℃以上とし、TB1をTB2
より40℃以上高温にすることによって高温環境下での
画像コントラストの劣化を防止することができる。
【0012】前記したように、加熱温度の違いによる有
機低分子物質の結晶化温度の違いは本発明の熱可逆記録
媒体のような樹脂の中に有機低分子物質が粒子状に閉じ
込められた状況のみで発生する現象である。本発明の熱
可逆記録媒体の透明−白濁変化は高温結晶化温度(TB
1)と低温結晶化温度(TB2)と樹脂の軟化温度(T
A)のバランスによって決まるため、この高温結晶化温
度(TB1)と低温結晶化温度(TB2)の差が大きい方
がコントラストを向上させることが可能となり、該差
は、40℃以上が好ましく、50℃以上が更に好まし
く、60℃以上が特に好ましい。
機低分子物質の結晶化温度の違いは本発明の熱可逆記録
媒体のような樹脂の中に有機低分子物質が粒子状に閉じ
込められた状況のみで発生する現象である。本発明の熱
可逆記録媒体の透明−白濁変化は高温結晶化温度(TB
1)と低温結晶化温度(TB2)と樹脂の軟化温度(T
A)のバランスによって決まるため、この高温結晶化温
度(TB1)と低温結晶化温度(TB2)の差が大きい方
がコントラストを向上させることが可能となり、該差
は、40℃以上が好ましく、50℃以上が更に好まし
く、60℃以上が特に好ましい。
【0013】また、高温結晶化温度(TB1)は、通常
有機低分子物質の融点直下となり、有機低分子物質の溶
融により白濁が透明へ変化するため、高温結晶化温度
(TB1)が高い程画像耐熱性が向上することとなる。
高温結晶化温度(TB1)は80℃以上が好ましく、9
0℃以上が更に好ましく、100℃以上が特に好まし
い。
有機低分子物質の融点直下となり、有機低分子物質の溶
融により白濁が透明へ変化するため、高温結晶化温度
(TB1)が高い程画像耐熱性が向上することとなる。
高温結晶化温度(TB1)は80℃以上が好ましく、9
0℃以上が更に好ましく、100℃以上が特に好まし
い。
【0014】さらに前述したように本発明の媒体の透明
−白濁変化には有機低分子物質の高温結晶化温度(TB
1)と低温結晶化温度(TB2)の間に感熱層の軟化開始
温度(TA)があることが必要であるが、高温結晶化温
度(TB1)と軟化開始温度(TA)が近すぎると高温
結晶化温度で樹脂の軟化度合が低くなり、結晶化に伴う
有機低分子物質粒子の体積変化に樹脂がやや追随しづら
くなり、透明度が低下しコントラストが落ちるという欠
点がある。そのため、高温結晶化温度(TB1)と軟化
開始温度(TA)の差は10℃以上が好ましく、20℃
以上がさらに好ましい。
−白濁変化には有機低分子物質の高温結晶化温度(TB
1)と低温結晶化温度(TB2)の間に感熱層の軟化開始
温度(TA)があることが必要であるが、高温結晶化温
度(TB1)と軟化開始温度(TA)が近すぎると高温
結晶化温度で樹脂の軟化度合が低くなり、結晶化に伴う
有機低分子物質粒子の体積変化に樹脂がやや追随しづら
くなり、透明度が低下しコントラストが落ちるという欠
点がある。そのため、高温結晶化温度(TB1)と軟化
開始温度(TA)の差は10℃以上が好ましく、20℃
以上がさらに好ましい。
【0015】逆に、軟化開始温度(TA)と低温結晶化
温度(TB2)が近すぎると低温結晶化温度(TB2)で
樹脂がまだやや軟らかい状態であり、結晶化に伴う有機
低分子物質粒子の体積変化の際、樹脂の動きが発生し、
空隙の発生度合が低下し、白濁度が下がり、コントラス
トが落ちるという欠点がある。そのため、軟化開始温度
(TA)と低温結晶化温度(TB2)の差は、10℃以
上が好ましく、20℃以上がさらに好ましい。
温度(TB2)が近すぎると低温結晶化温度(TB2)で
樹脂がまだやや軟らかい状態であり、結晶化に伴う有機
低分子物質粒子の体積変化の際、樹脂の動きが発生し、
空隙の発生度合が低下し、白濁度が下がり、コントラス
トが落ちるという欠点がある。そのため、軟化開始温度
(TA)と低温結晶化温度(TB2)の差は、10℃以
上が好ましく、20℃以上がさらに好ましい。
【0016】感熱層の軟化開始温度(TA)は、前述し
たように白濁状態から透明に変化し始める温度となるた
め、画像耐久性を向上させるには高温であることが好ま
しい。具体的には80℃以上が好ましく、90℃以上が
さらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。
たように白濁状態から透明に変化し始める温度となるた
め、画像耐久性を向上させるには高温であることが好ま
しい。具体的には80℃以上が好ましく、90℃以上が
さらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。
【0017】有機低分子物質の低温結晶化温度(T
B2)が低温、例えばこの媒体を書き換える環境温度以
下となると、有機低分子物質が完全に結晶化せず、加熱
しても白濁状態を透明状態にすることができなくなって
しまう。そのため、低温結晶化温度(TB2)は35℃
以上が好ましく、40℃以上がさらに好ましく、50℃
以上が特に好ましい。
B2)が低温、例えばこの媒体を書き換える環境温度以
下となると、有機低分子物質が完全に結晶化せず、加熱
しても白濁状態を透明状態にすることができなくなって
しまう。そのため、低温結晶化温度(TB2)は35℃
以上が好ましく、40℃以上がさらに好ましく、50℃
以上が特に好ましい。
【0018】次にTA、TB1、TB2の測定方法につい
て説明する。感熱層の軟化開始温度(TA)は、色々な
測定方法、例えば、熱機械分析(TMA)による方法が
ある。これは感熱層を支持体より剥離し、一定荷重をか
けておき、温度を一定速度で昇温していき、長さが伸び
始める温度をTAとするものである。この場合荷重によ
り伸び方が異なってしまうが、単位断面積当りの荷重を
5〜10g/mm2とするのがよい。この方法は、TA
を正確に測定できるが感熱層のみを取り出す(剥離す
る)必要があること等困難なことも多い。
て説明する。感熱層の軟化開始温度(TA)は、色々な
測定方法、例えば、熱機械分析(TMA)による方法が
ある。これは感熱層を支持体より剥離し、一定荷重をか
けておき、温度を一定速度で昇温していき、長さが伸び
始める温度をTAとするものである。この場合荷重によ
り伸び方が異なってしまうが、単位断面積当りの荷重を
5〜10g/mm2とするのがよい。この方法は、TA
を正確に測定できるが感熱層のみを取り出す(剥離す
る)必要があること等困難なことも多い。
【0019】そのため、支持体から剥離せずに測定する
方法として、剛体振り子型粘弾性測定器による方法があ
る。これは塗膜上に円筒型若しくはナイフエッジ型の振
り子をおき、その振り子を振動させその対数減衰率から
塗膜の粘弾性的物性を知ることができるというものであ
る。この方法は感熱層自体の背面に支持体があっても測
定ができ、また感熱層上に別の層が積層されていても感
熱層の粘弾性物性を測定できるという特徴を有する。但
し、感熱層自体の物性を特定するためには、例えば媒体
そのままを測定後、保護層等の感熱層上にある塗膜をけ
ずりとり、感熱層を表面に露出させた後もう一度測定
し、保護層の物性データを特定することが必要となる。
さらに、支持体等の下層の影響を除きたいときには感熱
層も削りとり測定し、支持体等を測定しそのデータとの
比較で感熱層の物性の特定が可能となる。剛体振り子型
粘弾性測定装置の市販品としては(株)オリエンテック
のレオバイブロンDDV−OPA III がある。
方法として、剛体振り子型粘弾性測定器による方法があ
る。これは塗膜上に円筒型若しくはナイフエッジ型の振
り子をおき、その振り子を振動させその対数減衰率から
塗膜の粘弾性的物性を知ることができるというものであ
る。この方法は感熱層自体の背面に支持体があっても測
定ができ、また感熱層上に別の層が積層されていても感
熱層の粘弾性物性を測定できるという特徴を有する。但
し、感熱層自体の物性を特定するためには、例えば媒体
そのままを測定後、保護層等の感熱層上にある塗膜をけ
ずりとり、感熱層を表面に露出させた後もう一度測定
し、保護層の物性データを特定することが必要となる。
さらに、支持体等の下層の影響を除きたいときには感熱
層も削りとり測定し、支持体等を測定しそのデータとの
比較で感熱層の物性の特定が可能となる。剛体振り子型
粘弾性測定装置の市販品としては(株)オリエンテック
のレオバイブロンDDV−OPA III がある。
【0020】この装置での実際の測定モデルを図2
(a)に示す。軟化開始温度(TA)は、この対数減衰
率(ここではyとする)の変化のグラフを温度(t)で
2回微分したとき図2(c)の最初のピークの温度と定
義する。この装置は測定の周期があるためTMAのよう
な周期ゼロの場合と、温度TAが異なることがあるので
補正の必要がある。また、この装置では感熱層上に別の
層が積層されていても粘弾性物性が感熱層と異なれば感
熱層自体の物性を測定することも可能である。
(a)に示す。軟化開始温度(TA)は、この対数減衰
率(ここではyとする)の変化のグラフを温度(t)で
2回微分したとき図2(c)の最初のピークの温度と定
義する。この装置は測定の周期があるためTMAのよう
な周期ゼロの場合と、温度TAが異なることがあるので
補正の必要がある。また、この装置では感熱層上に別の
層が積層されていても粘弾性物性が感熱層と異なれば感
熱層自体の物性を測定することも可能である。
【0021】次に、有機低分子物質の結晶化温度(TB
1)、(TB2)は、媒体から感熱層部分をナイフ等で削
りとり、DSCを用いて測定することができる。この
際、保護層や支持体が一部混入してもほとんど影響はな
い。具体的な測定法は最初有機低分子物質が完全に溶け
る温度まで昇温し、有機低分子物質の溶融する温度範囲
を確認しておき、一度冷却した後、溶融温度範囲近辺に
加熱−冷却を、加熱最高温度を変化させながら繰り返
す。この際、有機低分子物質が単一で純度の高いもので
あると加熱最高温度を0.5℃単位程度で小きざみにか
えて、加熱冷却を繰り返す必要があるが、有機低分子物
質が純度が低いか、融点の異なるものを2種以上混合し
ている場合には、加熱最高温度を変化させる単位をもう
少し大きく変えて測定しても良い。結晶化温度はこのD
SC測定の冷却時に測定することができ、加熱最高温度
をかえていくと少なくとも2ヶ所、多いときには3ヶ
所、4ヶ所の結晶化(発熱)ピークが発生する。このい
くつかのピークのうち一番高温の結晶化ピークのピーク
温度を高温結晶化温度(TB1)とし、一番低温の結晶
化ピークのピーク温度を低温結晶化温度(TB2)とす
る。結晶化ピークがブロードでピーク温度がはきりしな
い場合にはその発熱温度の中心温度をその結晶化温度と
する。
1)、(TB2)は、媒体から感熱層部分をナイフ等で削
りとり、DSCを用いて測定することができる。この
際、保護層や支持体が一部混入してもほとんど影響はな
い。具体的な測定法は最初有機低分子物質が完全に溶け
る温度まで昇温し、有機低分子物質の溶融する温度範囲
を確認しておき、一度冷却した後、溶融温度範囲近辺に
加熱−冷却を、加熱最高温度を変化させながら繰り返
す。この際、有機低分子物質が単一で純度の高いもので
あると加熱最高温度を0.5℃単位程度で小きざみにか
えて、加熱冷却を繰り返す必要があるが、有機低分子物
質が純度が低いか、融点の異なるものを2種以上混合し
ている場合には、加熱最高温度を変化させる単位をもう
少し大きく変えて測定しても良い。結晶化温度はこのD
SC測定の冷却時に測定することができ、加熱最高温度
をかえていくと少なくとも2ヶ所、多いときには3ヶ
所、4ヶ所の結晶化(発熱)ピークが発生する。このい
くつかのピークのうち一番高温の結晶化ピークのピーク
温度を高温結晶化温度(TB1)とし、一番低温の結晶
化ピークのピーク温度を低温結晶化温度(TB2)とす
る。結晶化ピークがブロードでピーク温度がはきりしな
い場合にはその発熱温度の中心温度をその結晶化温度と
する。
【0022】本発明において、可逆性感熱記録媒体にお
ける画像表示部である感熱層の熱圧力段差量及び熱圧力
段差変化率は以下のとおり定義されるものである。熱圧
力段差量とは、加熱時の塗膜の硬さを表す物性であり、
数値が小さいほど塗膜が硬いことを示している。熱圧力
段差量の値が40%以下になると、特にサーマルヘッド
等による繰り返し画像形成消去に対する耐久性の向上が
顕著になる。その理由は、有機低分子物質粒子間の接触
による粒子の凝集拡大を抑制する力が急に大きくなるも
のと考えられ、その結果サーマルヘッド等によって熱と
圧力とをかけても感熱層の変形が少なくなるものと思わ
れる。
ける画像表示部である感熱層の熱圧力段差量及び熱圧力
段差変化率は以下のとおり定義されるものである。熱圧
力段差量とは、加熱時の塗膜の硬さを表す物性であり、
数値が小さいほど塗膜が硬いことを示している。熱圧力
段差量の値が40%以下になると、特にサーマルヘッド
等による繰り返し画像形成消去に対する耐久性の向上が
顕著になる。その理由は、有機低分子物質粒子間の接触
による粒子の凝集拡大を抑制する力が急に大きくなるも
のと考えられ、その結果サーマルヘッド等によって熱と
圧力とをかけても感熱層の変形が少なくなるものと思わ
れる。
【0023】熱圧力段差量は、次の方法により測定され
る。先ず熱圧力印加装置として図3に挙げたユニークマ
シナーリ株式会社製のホットスタンプ型エアー式卓上T
Cフィルム消去装置テスト機を用いる。図3(a)は熱
圧力印加装置を正面から見た概略図であり、また図3
(b)は横から見た概略図である。熱圧力印加装置はこ
の図に表わす様に、圧力調整部である図中103のエア
レギュレータ、時間調整部である図中105の印字タイ
マー、温度調整部である図中112の温調器、及び熱圧
力印加部である図中101の印字ヘッド部、また記録媒
体を支持する図中102のサンプル支持台より構成され
る。また図中101の印字ヘッドは熱圧力段差量測定用
に改良したものを用い、図2に挙げる印字ヘッドを使用
する。印字ヘッド材質としてはAlを使用し、図中突起
部Xの感熱層表面と接触する部分の表面性は図示したご
とく、表面粗さ(Ry)が0.8μm以下(JISB0
031−1982、B0601−1994に準じる。)
であり、また突起部の面積は0.225cm2である。
また図中102のサンプル支持台には熱圧力印加時に圧
力が分散されるのを防ぐために、図5のようにAl板
(102−1)上に厚さ1mmのフッ素ゴム(102−
2)(スプリング硬さHs65)を貼着した支持台の上
に厚さ1mmのステンレス板(102−3)を置いたも
のを用いる。
る。先ず熱圧力印加装置として図3に挙げたユニークマ
シナーリ株式会社製のホットスタンプ型エアー式卓上T
Cフィルム消去装置テスト機を用いる。図3(a)は熱
圧力印加装置を正面から見た概略図であり、また図3
(b)は横から見た概略図である。熱圧力印加装置はこ
の図に表わす様に、圧力調整部である図中103のエア
レギュレータ、時間調整部である図中105の印字タイ
マー、温度調整部である図中112の温調器、及び熱圧
力印加部である図中101の印字ヘッド部、また記録媒
体を支持する図中102のサンプル支持台より構成され
る。また図中101の印字ヘッドは熱圧力段差量測定用
に改良したものを用い、図2に挙げる印字ヘッドを使用
する。印字ヘッド材質としてはAlを使用し、図中突起
部Xの感熱層表面と接触する部分の表面性は図示したご
とく、表面粗さ(Ry)が0.8μm以下(JISB0
031−1982、B0601−1994に準じる。)
であり、また突起部の面積は0.225cm2である。
また図中102のサンプル支持台には熱圧力印加時に圧
力が分散されるのを防ぐために、図5のようにAl板
(102−1)上に厚さ1mmのフッ素ゴム(102−
2)(スプリング硬さHs65)を貼着した支持台の上
に厚さ1mmのステンレス板(102−3)を置いたも
のを用いる。
【0024】次に熱圧力段差量測定のための熱圧力印加
条件としては、前記図3の熱圧力印加装置において、図
中103のエアレギュレーターを調整し、図中104の
エアーゲージ圧力値が2.5kg/cm2になるように
印加圧力を設定し、次に図中105の印字タイマーを調
整し、印加時間が10秒になるように設定し、また次に
図中112の温調器を調整し、印加温度が140℃にな
るように設定する。ここで印加温度については図中10
8のヒータ及び温度センサーにより調節されている値で
あり、印字ヘッド表面の温度にほぼ近似している。
条件としては、前記図3の熱圧力印加装置において、図
中103のエアレギュレーターを調整し、図中104の
エアーゲージ圧力値が2.5kg/cm2になるように
印加圧力を設定し、次に図中105の印字タイマーを調
整し、印加時間が10秒になるように設定し、また次に
図中112の温調器を調整し、印加温度が140℃にな
るように設定する。ここで印加温度については図中10
8のヒータ及び温度センサーにより調節されている値で
あり、印字ヘッド表面の温度にほぼ近似している。
【0025】次に熱圧力印加装置により印加される熱圧
力段差値の測定方法について説明する。測定装置とし
て、(株)小坂研究所社製の二次元粗さ解析装置サーフ
コーダAY−41、記録計RA−60E及びサーフコー
ダSE30Kを用い、まずサーフコーダSE30Kの設
定を縦倍率(V);2000、横倍率(H);20に設
定し、次にサーフコーダAY−41の設定を基準長さ
(L);5mm、送り速さ(Ds);0.1mm/se
cに設定し、測定結果をRA−60Eに記録させ、その
記録されたチャートにより熱圧力印加部の熱圧力段差値
(Dx)を読み取ればよい。またこれらの設定は例を示
したものであり、測定に応じて任意に変更可能である。
なおこの測定は図6に表わすようにの熱圧力印加部(1
01−1)の巾方向について2mm間隔で位置を変更
し、D1〜D5の5点について測定し、その平均値を熱圧
力段差平均値(Dm)とする。
力段差値の測定方法について説明する。測定装置とし
て、(株)小坂研究所社製の二次元粗さ解析装置サーフ
コーダAY−41、記録計RA−60E及びサーフコー
ダSE30Kを用い、まずサーフコーダSE30Kの設
定を縦倍率(V);2000、横倍率(H);20に設
定し、次にサーフコーダAY−41の設定を基準長さ
(L);5mm、送り速さ(Ds);0.1mm/se
cに設定し、測定結果をRA−60Eに記録させ、その
記録されたチャートにより熱圧力印加部の熱圧力段差値
(Dx)を読み取ればよい。またこれらの設定は例を示
したものであり、測定に応じて任意に変更可能である。
なおこの測定は図6に表わすようにの熱圧力印加部(1
01−1)の巾方向について2mm間隔で位置を変更
し、D1〜D5の5点について測定し、その平均値を熱圧
力段差平均値(Dm)とする。
【0026】この熱圧力段差平均値(Dm)と感熱記録
層膜厚(DB)により熱圧力段差量(D)は下記式によ
り求められる。 D:熱圧力段差量(%) Dm:熱圧力段差平均値(μm) DB:感熱記録層膜厚 ここで感熱層膜厚(DB)とは、前記したごとく支持体
上に形成された感熱層の膜厚であり、いずれも前記した
ようにTEM(透過型電子顕微鏡)、SEM(走査型電
子顕微鏡)等の断面観察により調べることができる。
層膜厚(DB)により熱圧力段差量(D)は下記式によ
り求められる。 D:熱圧力段差量(%) Dm:熱圧力段差平均値(μm) DB:感熱記録層膜厚 ここで感熱層膜厚(DB)とは、前記したごとく支持体
上に形成された感熱層の膜厚であり、いずれも前記した
ようにTEM(透過型電子顕微鏡)、SEM(走査型電
子顕微鏡)等の断面観察により調べることができる。
【0027】次に熱圧力段差変化率とは、加熱時の塗膜
の硬さの経時での変化度合を表す物性であり、数値が小
さいほど塗膜が安定であることを示している。熱圧力段
差変化率が70%以下になると、本発明の効果が顕著に
表われ、特に記録媒体の透明化温度の範囲、巾等の特性
の安定性が顕著に表われるのは、この数値を境にして塗
膜の熱的物性の安定性が特に向上するものと考えられ
る。
の硬さの経時での変化度合を表す物性であり、数値が小
さいほど塗膜が安定であることを示している。熱圧力段
差変化率が70%以下になると、本発明の効果が顕著に
表われ、特に記録媒体の透明化温度の範囲、巾等の特性
の安定性が顕著に表われるのは、この数値を境にして塗
膜の熱的物性の安定性が特に向上するものと考えられ
る。
【0028】熱圧力段差変化率は、下記式によって求め
られる。 Dc:熱圧力段差変化率(%) DI:初期熱圧力段差量(%) DD:経時熱圧力段差量(%) ここで初期熱圧力段差量(DI)とは画像表示部が形成
されてからまず1回目の測定した値であり、形成直後の
値でなくてもかまわない。次に経時熱圧力段差量(D
D)とは初期と同時期に画像表示部を形成したサンプル
を50℃環境下に24時間放置してから測定した値であ
る。これらはいずれも前記した熱圧力段差測定方法によ
り測定、算出された値であることはいうまでもない。こ
の熱圧力段差変化率を測定する場合、前記の条件(2.
5kg/cm2、140℃)で段差ができない場合には
圧力、温度を上げることも可能である。この熱圧力段差
量測定は、先述の可逆性感熱記録媒体において、1)記
録層のみのもの、2)保護層を有するもの、の双方に適
用可能である。
られる。 Dc:熱圧力段差変化率(%) DI:初期熱圧力段差量(%) DD:経時熱圧力段差量(%) ここで初期熱圧力段差量(DI)とは画像表示部が形成
されてからまず1回目の測定した値であり、形成直後の
値でなくてもかまわない。次に経時熱圧力段差量(D
D)とは初期と同時期に画像表示部を形成したサンプル
を50℃環境下に24時間放置してから測定した値であ
る。これらはいずれも前記した熱圧力段差測定方法によ
り測定、算出された値であることはいうまでもない。こ
の熱圧力段差変化率を測定する場合、前記の条件(2.
5kg/cm2、140℃)で段差ができない場合には
圧力、温度を上げることも可能である。この熱圧力段差
量測定は、先述の可逆性感熱記録媒体において、1)記
録層のみのもの、2)保護層を有するもの、の双方に適
用可能である。
【0029】また本発明の可逆性感熱記録媒体の層構成
としては、実開平2−3876号に記載されているよう
に支持体上に感熱記録層と磁性材料を主成分とする磁気
記録層を有すると共に、少なくとも感熱記録層直下又は
支持体の感熱記録層対応部分が着色されている層構成が
挙げられる。または、特開平3−130188号に記載
されているように支持体上に磁気記録層、その上に光反
射層、更にその上に感熱層が設けられているような層構
成等が挙げられるが、この場合に磁気記録層は支持体裏
面か、あるいは支持体と感熱層の間に設けているかのど
ちらでも良く、またこれらの他の層構成であっても何ら
さしつかえはない。
としては、実開平2−3876号に記載されているよう
に支持体上に感熱記録層と磁性材料を主成分とする磁気
記録層を有すると共に、少なくとも感熱記録層直下又は
支持体の感熱記録層対応部分が着色されている層構成が
挙げられる。または、特開平3−130188号に記載
されているように支持体上に磁気記録層、その上に光反
射層、更にその上に感熱層が設けられているような層構
成等が挙げられるが、この場合に磁気記録層は支持体裏
面か、あるいは支持体と感熱層の間に設けているかのど
ちらでも良く、またこれらの他の層構成であっても何ら
さしつかえはない。
【0030】前記のような可逆性感熱記録媒体の層構成
であっても熱圧力段差量測定には支障はなく、このよう
な構成においても感熱層の表面に熱圧力印加を行なうこ
とにより熱圧力段差量の測定を行なうことができる。
であっても熱圧力段差量測定には支障はなく、このよう
な構成においても感熱層の表面に熱圧力印加を行なうこ
とにより熱圧力段差量の測定を行なうことができる。
【0031】上記構成において、支持体上に可逆性感熱
層が設けられており、その上に保護層が形成されている
場合に、可逆性感熱層を表面に露出させて測定を行なう
には、次の方法がある。まず前記したTEM、SEM等
の断面観察により可逆性感熱層及び保護層の膜厚を調べ
ておき、次に保護層膜厚分を削り取ればよい。この保護
層を削り取る方法は図7に挙げるように、上記構成の媒
体(301)を保護層を上にして厚さ2mmのステンレ
ス板の支持台(302)に固定し、次に真ちゅうからな
る直径3.5cmの円柱にサンドペーパー(粗さ800
番)を巻きつけた表面切削用部材(303)を前記した
保護層上に置き、円柱が回転しないように支持しながら
一定方向(304)に平行移動させる。この時に法線方
向から加圧する圧力は1.0〜1.5kg/cm2であ
り、移動回数については、まず媒体(301)の表面切
削前の厚みを電子マイクロメータ(膜厚計)で測定して
おき、表面切削すると共に厚みを測定し、保護層膜厚分
を削り取るまで表面切削を繰り返し行なえばよい。ここ
で保護層切削後に表面が粗れることが考えられるが、そ
の場合においても、熱圧力印加部を特定することは可能
であるため表面の粗れには影響を受けず熱圧力段差量測
定はできる。
層が設けられており、その上に保護層が形成されている
場合に、可逆性感熱層を表面に露出させて測定を行なう
には、次の方法がある。まず前記したTEM、SEM等
の断面観察により可逆性感熱層及び保護層の膜厚を調べ
ておき、次に保護層膜厚分を削り取ればよい。この保護
層を削り取る方法は図7に挙げるように、上記構成の媒
体(301)を保護層を上にして厚さ2mmのステンレ
ス板の支持台(302)に固定し、次に真ちゅうからな
る直径3.5cmの円柱にサンドペーパー(粗さ800
番)を巻きつけた表面切削用部材(303)を前記した
保護層上に置き、円柱が回転しないように支持しながら
一定方向(304)に平行移動させる。この時に法線方
向から加圧する圧力は1.0〜1.5kg/cm2であ
り、移動回数については、まず媒体(301)の表面切
削前の厚みを電子マイクロメータ(膜厚計)で測定して
おき、表面切削すると共に厚みを測定し、保護層膜厚分
を削り取るまで表面切削を繰り返し行なえばよい。ここ
で保護層切削後に表面が粗れることが考えられるが、そ
の場合においても、熱圧力印加部を特定することは可能
であるため表面の粗れには影響を受けず熱圧力段差量測
定はできる。
【0032】上記のように記録層上に保護層が積層して
いる構成の他に、保護層と記録層の間に設ける中間層、
または保護層上に設ける印刷層、あるいは記録層上に耐
熱性フィルム等を貼着した層等を設けた構成において
も、前記した方法を用いて記録層表面を露出することは
可能であり、熱圧力段差量測定を行なうことができる。
いる構成の他に、保護層と記録層の間に設ける中間層、
または保護層上に設ける印刷層、あるいは記録層上に耐
熱性フィルム等を貼着した層等を設けた構成において
も、前記した方法を用いて記録層表面を露出することは
可能であり、熱圧力段差量測定を行なうことができる。
【0033】本発明の可逆性感熱記録媒体における感熱
層を形成している樹脂のゲル分率変化率とは、感熱層を
構成する樹脂塗膜の架橋度合の経時での変化度合を表す
物性であり、数値が小さいほど塗膜を架橋度合が安定で
あることを示している。ゲル分率変化率が110%以下
になると、塗膜の硬さ、熱的物性の安定性が特に著しく
向上し、その結果記録媒体の繰り返し耐久性、透明化温
度等の諸特性が安定したものになると考えられる。ゲル
分率変化率は次式により算出される。 Gc:ゲル分率変化率(%) GI :初期ゲル分率値(%) GD :経時ゲル分率値(%) ここで初期ゲル分率値(GI)とは感熱層を架橋してか
ら、まず1回目に測定した値であり、架橋直後の値でな
くてもかまわない。次に経時ゲル分率値(GD)とは初
期ゲル分率値(GI)と同時期に架橋したサンプルを5
0℃環境下に24時間放置してから測定した値である。
層を形成している樹脂のゲル分率変化率とは、感熱層を
構成する樹脂塗膜の架橋度合の経時での変化度合を表す
物性であり、数値が小さいほど塗膜を架橋度合が安定で
あることを示している。ゲル分率変化率が110%以下
になると、塗膜の硬さ、熱的物性の安定性が特に著しく
向上し、その結果記録媒体の繰り返し耐久性、透明化温
度等の諸特性が安定したものになると考えられる。ゲル
分率変化率は次式により算出される。 Gc:ゲル分率変化率(%) GI :初期ゲル分率値(%) GD :経時ゲル分率値(%) ここで初期ゲル分率値(GI)とは感熱層を架橋してか
ら、まず1回目に測定した値であり、架橋直後の値でな
くてもかまわない。次に経時ゲル分率値(GD)とは初
期ゲル分率値(GI)と同時期に架橋したサンプルを5
0℃環境下に24時間放置してから測定した値である。
【0034】本発明の可逆性感熱記録媒体において、感
熱層中樹脂のゲル分率値は画像耐久性向上及び過剰エネ
ルギー印加での耐熱性向上の効果に対して30%以上が
良く、好ましくは50%以上であり、更に好ましくは7
0%以上、特に好ましくは80%以上である。ゲル分率
測定方法としては支持体上に感熱層を任意の膜厚で形成
し、電子線照射を行なった後に、支持体より膜を剥離し
てその膜の初期重量を測定し、その後に膜を400メッ
シュ金網に挾んで、架橋前の樹脂が可溶な溶剤中に24
時間浸してから真空乾燥して、乾燥後の重量を測定し
た。ゲル分率計算は下記式によって行なう。 ゲル分率(%)=[乾燥後重量(g)/初期重量
(g)]×100
熱層中樹脂のゲル分率値は画像耐久性向上及び過剰エネ
ルギー印加での耐熱性向上の効果に対して30%以上が
良く、好ましくは50%以上であり、更に好ましくは7
0%以上、特に好ましくは80%以上である。ゲル分率
測定方法としては支持体上に感熱層を任意の膜厚で形成
し、電子線照射を行なった後に、支持体より膜を剥離し
てその膜の初期重量を測定し、その後に膜を400メッ
シュ金網に挾んで、架橋前の樹脂が可溶な溶剤中に24
時間浸してから真空乾燥して、乾燥後の重量を測定し
た。ゲル分率計算は下記式によって行なう。 ゲル分率(%)=[乾燥後重量(g)/初期重量
(g)]×100
【0035】この計算でゲル分率を算出するときに、感
熱層中の樹脂成分以外の有機低分子物質粒子等の重量を
除く必要があり、この場合にはゲル分率計算は下記式に
よって行なう。 上記において、あらかじめ有機低分子物質重量がわから
ないときには、前記したTEM、SEM等の断面観察に
より、単位面積あたりを占める面積比率と樹脂と有機低
分子物質のそれぞれの比重により重量比率を求めて、有
機低分子物質重量を算出して、ゲル分率値を算出すれば
良い。
熱層中の樹脂成分以外の有機低分子物質粒子等の重量を
除く必要があり、この場合にはゲル分率計算は下記式に
よって行なう。 上記において、あらかじめ有機低分子物質重量がわから
ないときには、前記したTEM、SEM等の断面観察に
より、単位面積あたりを占める面積比率と樹脂と有機低
分子物質のそれぞれの比重により重量比率を求めて、有
機低分子物質重量を算出して、ゲル分率値を算出すれば
良い。
【0036】また、上記測定方法の他に、支持体上に可
逆性感熱層が設けられており、その上に前記した他の層
が積層している場合、または支持体と感熱層の間に前記
した他の層がある場合には、前記したように、まず前記
したTEM、SEM等の断面観察により可逆性感熱層及
びその他の層の膜厚を調べておき、前記した方法を用い
てその他の層の膜厚分の表面を削り、可逆性感熱層表面
を露出させると共に、可逆性感熱層を剥離して前記測定
方法と同様にゲル分率測定を行なえばよい。またこの方
法において感熱層上層に紫外線硬化樹脂等からなる保護
層等がある場合には、この層が混入するのを極力防ぐた
めに、保護層分の膜厚分を削ると共に感熱層表面も少し
削りゲル分率値への影響を防ぐ必要がある。
逆性感熱層が設けられており、その上に前記した他の層
が積層している場合、または支持体と感熱層の間に前記
した他の層がある場合には、前記したように、まず前記
したTEM、SEM等の断面観察により可逆性感熱層及
びその他の層の膜厚を調べておき、前記した方法を用い
てその他の層の膜厚分の表面を削り、可逆性感熱層表面
を露出させると共に、可逆性感熱層を剥離して前記測定
方法と同様にゲル分率測定を行なえばよい。またこの方
法において感熱層上層に紫外線硬化樹脂等からなる保護
層等がある場合には、この層が混入するのを極力防ぐた
めに、保護層分の膜厚分を削ると共に感熱層表面も少し
削りゲル分率値への影響を防ぐ必要がある。
【0037】また、上記とは別に次の様なゲル分率測定
方法がある。第1としてソックスレー抽出器を用いて、
架橋処理なしの樹脂が可溶な溶剤で、硬化皮膜中の未硬
化分を抽出(4時間)し、非抽出残分の重量分率を求め
る方法。第2として表面処理のPET支持体上に上記と
同様に感熱層塗膜を形成し、電子線照射を行なった後
に、溶剤中に浸漬し、浸漬前・後の膜厚比率を求める方
法。第3として第2の方法と同様に形成させた感熱層に
溶剤をスポイトで0.2ccほど滴下し、10秒間放置
した後に溶剤をふきとり、滴下前・後の膜厚比率を求め
る方法である。これら第1の方法では、前記した様に有
機低分子物質重量を除いて算出すれば良い。また、第
2、第3の方法では膜厚測定によるものであるため、有
機低分子物質を囲む樹脂母材が完全に架橋していれば溶
剤浸漬後も膜厚は変わらないと考えられるため、重量分
率での方法の様に有機低分子物質を考慮する必要はな
い。
方法がある。第1としてソックスレー抽出器を用いて、
架橋処理なしの樹脂が可溶な溶剤で、硬化皮膜中の未硬
化分を抽出(4時間)し、非抽出残分の重量分率を求め
る方法。第2として表面処理のPET支持体上に上記と
同様に感熱層塗膜を形成し、電子線照射を行なった後
に、溶剤中に浸漬し、浸漬前・後の膜厚比率を求める方
法。第3として第2の方法と同様に形成させた感熱層に
溶剤をスポイトで0.2ccほど滴下し、10秒間放置
した後に溶剤をふきとり、滴下前・後の膜厚比率を求め
る方法である。これら第1の方法では、前記した様に有
機低分子物質重量を除いて算出すれば良い。また、第
2、第3の方法では膜厚測定によるものであるため、有
機低分子物質を囲む樹脂母材が完全に架橋していれば溶
剤浸漬後も膜厚は変わらないと考えられるため、重量分
率での方法の様に有機低分子物質を考慮する必要はな
い。
【0038】また、この方法で前記したように可逆性感
熱層上に他の層が設けられているものを測定する場合に
は、まず第1の方法では前記した測定方法と同様にすれ
ばよく、また第2、第3の方法では膜厚測定によるもの
であるため可逆性感熱層の上層に積層されている層のみ
を削り測定すればよい。
熱層上に他の層が設けられているものを測定する場合に
は、まず第1の方法では前記した測定方法と同様にすれ
ばよく、また第2、第3の方法では膜厚測定によるもの
であるため可逆性感熱層の上層に積層されている層のみ
を削り測定すればよい。
【0039】本発明者等は、可逆性感熱記録媒体への画
像の形成及び消去の繰り返し使用により発生する画像濃
度やコントラストなどの低下が何故に生じるかについ
て、そのメカニズムを解析、検討した。その結果、サー
マルヘッドや熱破壊方式感熱記録媒体用プリンタ等の発
熱体を該記録媒体表面に押圧して画像形成を行なった場
合には、次の様な現象が認められた。樹脂母材中に有機
低分子物質粒子を分散させた記録層を有する可逆性感熱
記録媒体に於て、発熱体で画像形成及び消去をする際に
エネルギーの印加前又は繰り返し回数が少ないときには
記録層を構成する材料の存在状態が変化するような歪み
がなく、図8(a)に示す様に樹脂母材中に有機低分子
物質粒子が均一に分散された状態になっている。(後記
から理解されるように、本発明の記録層は繰り返しの記
録・消去によっても有機低分子物質粒子の均一分散状態
は維持される)ところが画像形成の際、記録媒体に発熱
体などの画像形成手段を押圧しながら相対的に移動させ
ると、記録層内部に応力がかかる。同方向のエネルギー
印加が繰り返されるうちに、この応力が主たる原因とな
って図8(b)に示す様にエネルギー印加方向への記録
層内部に歪みが発生し、それにより有機低分子物質粒子
が変形した状態となる。そしてさらにエネルギー印加を
同方向に繰り返すうちに歪みが進行し、図8(c)に示
す様に変形した有機低分子物質粒子どうしの凝集が始ま
り、最終的には図8(d)に示す様に凝集粒子どうしが
再凝集をして、有機低分子物質粒子が極大化した状態と
なってしまう。このような状態になると、画像の形成が
ほとんど不可能となり、所謂劣化状態となる。これらの
現象が、可逆性感熱記録媒体への画像の形成及び消去の
繰返し後の画像濃度が低下する原因に関係していると考
えられる。
像の形成及び消去の繰り返し使用により発生する画像濃
度やコントラストなどの低下が何故に生じるかについ
て、そのメカニズムを解析、検討した。その結果、サー
マルヘッドや熱破壊方式感熱記録媒体用プリンタ等の発
熱体を該記録媒体表面に押圧して画像形成を行なった場
合には、次の様な現象が認められた。樹脂母材中に有機
低分子物質粒子を分散させた記録層を有する可逆性感熱
記録媒体に於て、発熱体で画像形成及び消去をする際に
エネルギーの印加前又は繰り返し回数が少ないときには
記録層を構成する材料の存在状態が変化するような歪み
がなく、図8(a)に示す様に樹脂母材中に有機低分子
物質粒子が均一に分散された状態になっている。(後記
から理解されるように、本発明の記録層は繰り返しの記
録・消去によっても有機低分子物質粒子の均一分散状態
は維持される)ところが画像形成の際、記録媒体に発熱
体などの画像形成手段を押圧しながら相対的に移動させ
ると、記録層内部に応力がかかる。同方向のエネルギー
印加が繰り返されるうちに、この応力が主たる原因とな
って図8(b)に示す様にエネルギー印加方向への記録
層内部に歪みが発生し、それにより有機低分子物質粒子
が変形した状態となる。そしてさらにエネルギー印加を
同方向に繰り返すうちに歪みが進行し、図8(c)に示
す様に変形した有機低分子物質粒子どうしの凝集が始ま
り、最終的には図8(d)に示す様に凝集粒子どうしが
再凝集をして、有機低分子物質粒子が極大化した状態と
なってしまう。このような状態になると、画像の形成が
ほとんど不可能となり、所謂劣化状態となる。これらの
現象が、可逆性感熱記録媒体への画像の形成及び消去の
繰返し後の画像濃度が低下する原因に関係していると考
えられる。
【0040】本発明者等は、先述したように、熱可逆記
録媒体の感熱層の熱圧力段差量を40%以下にすること
により本発明の目的が達成することを見い出した。この
場合の好ましい態様は以下のとおりである。可逆性感熱
記録媒体における感熱層の熱圧力段差量を40%以下に
すると、特に前記した繰り返し耐久性の向上に寄与する
傾向がある。これは本発明の記録媒体が従来のものに比
べて感熱層の熱圧力段差量が非常に少なく、すなわち感
熱層の耐熱性、機械的強度が非常に優れるためであると
考えられる。これにより感熱層中に有機低分子物質を含
有させる場合、この物質の粒子どうしの凝集や極大化が
発生しにくく、画像形成及び消去の繰り返し後の劣化が
少なく、高コントラストが維持されるものと推測され
る。このような効果に対して、熱圧力段差量は40%以
下がよく、好ましくは30%以下であり、更に好ましく
は25%以下であり、特に好ましくは20%以下であ
る。
録媒体の感熱層の熱圧力段差量を40%以下にすること
により本発明の目的が達成することを見い出した。この
場合の好ましい態様は以下のとおりである。可逆性感熱
記録媒体における感熱層の熱圧力段差量を40%以下に
すると、特に前記した繰り返し耐久性の向上に寄与する
傾向がある。これは本発明の記録媒体が従来のものに比
べて感熱層の熱圧力段差量が非常に少なく、すなわち感
熱層の耐熱性、機械的強度が非常に優れるためであると
考えられる。これにより感熱層中に有機低分子物質を含
有させる場合、この物質の粒子どうしの凝集や極大化が
発生しにくく、画像形成及び消去の繰り返し後の劣化が
少なく、高コントラストが維持されるものと推測され
る。このような効果に対して、熱圧力段差量は40%以
下がよく、好ましくは30%以下であり、更に好ましく
は25%以下であり、特に好ましくは20%以下であ
る。
【0041】一方、感熱層の熱圧力段差変化率を70%
以下にすると、特に前記した透明化温度巾の縮小の抑制
に寄与する傾向がある。これは、感熱層の熱圧力段差変
化率が非常に小さいことから、すなわち初期と経時での
感熱層の物性が変化していないと考えられ、これにより
透明化温度範囲の変動及び透明化温度巾の縮小もなく、
消去特性が安定したものとなると推測される。このよう
な効果に対して、熱圧力段差変化率は70%以下がよ
く、好ましくは50%以下であり、更に好ましくは45
%以下であり、特に好ましくは40%以下である。
以下にすると、特に前記した透明化温度巾の縮小の抑制
に寄与する傾向がある。これは、感熱層の熱圧力段差変
化率が非常に小さいことから、すなわち初期と経時での
感熱層の物性が変化していないと考えられ、これにより
透明化温度範囲の変動及び透明化温度巾の縮小もなく、
消去特性が安定したものとなると推測される。このよう
な効果に対して、熱圧力段差変化率は70%以下がよ
く、好ましくは50%以下であり、更に好ましくは45
%以下であり、特に好ましくは40%以下である。
【0042】熱圧力段差変化率を70%以下にするため
には可逆性感熱記録層中に用いられる樹脂が重要とな
る。この樹脂が高温に加熱された際にある程度の硬さを
維持していることが必要となる。具体的には、高い軟化
温度を有する樹脂を用いること、主鎖に高軟化温度の樹
脂を用い側鎖に低軟化温度樹脂を用いること、あるいは
樹脂を架橋すること等が挙げられるが、この中でも特に
樹脂を架橋することが好ましい。
には可逆性感熱記録層中に用いられる樹脂が重要とな
る。この樹脂が高温に加熱された際にある程度の硬さを
維持していることが必要となる。具体的には、高い軟化
温度を有する樹脂を用いること、主鎖に高軟化温度の樹
脂を用い側鎖に低軟化温度樹脂を用いること、あるいは
樹脂を架橋すること等が挙げられるが、この中でも特に
樹脂を架橋することが好ましい。
【0043】また、前記したように、本発明において
は、前記可逆性感熱記録媒体の可逆性感熱層中に含まれ
る樹脂を架橋しかつその樹脂のゲル分率変化率を110
%以下にすることにより、本発明の目的が達成される。
この場合、更に好ましくは該樹脂のゲル分率値を30%
以上にすると、また更に好ましくは架橋剤を添加して架
橋させると、また更に好ましくは電子線または紫外線照
射により架橋することにより、これらの効果がさらに向
上する。
は、前記可逆性感熱記録媒体の可逆性感熱層中に含まれ
る樹脂を架橋しかつその樹脂のゲル分率変化率を110
%以下にすることにより、本発明の目的が達成される。
この場合、更に好ましくは該樹脂のゲル分率値を30%
以上にすると、また更に好ましくは架橋剤を添加して架
橋させると、また更に好ましくは電子線または紫外線照
射により架橋することにより、これらの効果がさらに向
上する。
【0044】これは本発明の記録媒体において可逆性感
熱層中に含まれる樹脂が架橋された時の、ゲル分率変化
率が非常に小さいため、すなわち前記した硬化度合の経
時変化が非常に少ないため、これにより前記した消去特
性が安定すると推測される。この効果に対して、ゲル分
率変化率は110%以下がよく、好ましくは90%以下
であり、更に好ましくは70%以下であり、特に好まし
くは50%以下である。また更に本発明の記録媒体にお
いて、前記樹脂が架橋された時のゲル分率値が高いた
め、前記した画像表示部の耐熱性、機械的強度が更に向
上すると考えられ、これにより繰り返し耐久性、画像表
示部の印字跡、耐クラック性が更に向上すると推測され
る。これらの効果に対してゲル分率値は30%以上がよ
く、好ましくは50%以下であり、更に好ましくは70
%以下である。
熱層中に含まれる樹脂が架橋された時の、ゲル分率変化
率が非常に小さいため、すなわち前記した硬化度合の経
時変化が非常に少ないため、これにより前記した消去特
性が安定すると推測される。この効果に対して、ゲル分
率変化率は110%以下がよく、好ましくは90%以下
であり、更に好ましくは70%以下であり、特に好まし
くは50%以下である。また更に本発明の記録媒体にお
いて、前記樹脂が架橋された時のゲル分率値が高いた
め、前記した画像表示部の耐熱性、機械的強度が更に向
上すると考えられ、これにより繰り返し耐久性、画像表
示部の印字跡、耐クラック性が更に向上すると推測され
る。これらの効果に対してゲル分率値は30%以上がよ
く、好ましくは50%以下であり、更に好ましくは70
%以下である。
【0045】前記した可逆性感熱層中に含まれる樹脂を
架橋する方法は加熱することにより又は紫外線照射(U
V照射)、或いは電子線照射(EB照射)により行なう
ことができるが、好ましくは紫外線照射、電子線照射で
あり、更に好ましくは電子線照射である。これらの架橋
方法の中でEB照射が最も優れるのは次のような理由に
よるものである。
架橋する方法は加熱することにより又は紫外線照射(U
V照射)、或いは電子線照射(EB照射)により行なう
ことができるが、好ましくは紫外線照射、電子線照射で
あり、更に好ましくは電子線照射である。これらの架橋
方法の中でEB照射が最も優れるのは次のような理由に
よるものである。
【0046】まず、EBによる樹脂の硬化と、UVのそ
れとの大きな違いは、UV硬化では光重合開始剤、光増
感剤が必要であること、UVではほとんど透明性のある
ものに限られることである。一方EBによる反応では、
ラジカル濃度が高いので急速にラジカル反応が進行し、
瞬間的に重合が完結することや、EBでは、UVに比
べ、大きいエネルギが得られるため硬化膜厚が厚くでき
ることがある。また、前記の様にUV硬化では光重合開
始剤、光増感剤が必要であり、架橋反応後にこれらの添
加物が記録層中に残存するため、記録層の画像形成、消
去及び繰り返し耐久性等に悪影響を及ぼすことが懸念さ
れるという不都合が生じてしまう。
れとの大きな違いは、UV硬化では光重合開始剤、光増
感剤が必要であること、UVではほとんど透明性のある
ものに限られることである。一方EBによる反応では、
ラジカル濃度が高いので急速にラジカル反応が進行し、
瞬間的に重合が完結することや、EBでは、UVに比
べ、大きいエネルギが得られるため硬化膜厚が厚くでき
ることがある。また、前記の様にUV硬化では光重合開
始剤、光増感剤が必要であり、架橋反応後にこれらの添
加物が記録層中に残存するため、記録層の画像形成、消
去及び繰り返し耐久性等に悪影響を及ぼすことが懸念さ
れるという不都合が生じてしまう。
【0047】次にEB硬化と熱硬化との大きな違いで
は、熱硬化では架橋のための触媒及び促進剤が必要であ
り、これらを用いても硬化時間がEB硬化に比べてかな
り遅く、またこれについても架橋反応後に上記添加物が
記録層中に残存するためUV硬化と同様な不都合が生
じ、更にまた架橋反応後も少しずつ架橋反応が起こりう
るため、架橋直後と経時で記録層特性に変化が生じるこ
とがある。これらの理由によりEB照射が架橋方法の中
で最適であると言える。また、これらにより高エネルギ
ー印字での画像濃度劣化も少なくなり高コントラストを
維持することも認められた。本発明はこうした知見に基
づいてなされたものである。
は、熱硬化では架橋のための触媒及び促進剤が必要であ
り、これらを用いても硬化時間がEB硬化に比べてかな
り遅く、またこれについても架橋反応後に上記添加物が
記録層中に残存するためUV硬化と同様な不都合が生
じ、更にまた架橋反応後も少しずつ架橋反応が起こりう
るため、架橋直後と経時で記録層特性に変化が生じるこ
とがある。これらの理由によりEB照射が架橋方法の中
で最適であると言える。また、これらにより高エネルギ
ー印字での画像濃度劣化も少なくなり高コントラストを
維持することも認められた。本発明はこうした知見に基
づいてなされたものである。
【0048】本発明の熱可逆記録媒体の感熱層の厚さは
1〜30μmが好ましく、2〜20μmがさらに好まし
い。記録層が厚すぎると層内での熱の分布が発生し均一
に透明化することが困難となる。また、感熱層が薄すぎ
ると白濁度が低下しコントラストが低くなる。なお、記
録層中の脂肪酸の量を増加させると白濁度を増すことが
できる。
1〜30μmが好ましく、2〜20μmがさらに好まし
い。記録層が厚すぎると層内での熱の分布が発生し均一
に透明化することが困難となる。また、感熱層が薄すぎ
ると白濁度が低下しコントラストが低くなる。なお、記
録層中の脂肪酸の量を増加させると白濁度を増すことが
できる。
【0049】の可逆性感熱記録媒体を作るには例えば
下記の方法により支持体上に感熱層を形成する。場合に
よっては、支持体上を用いることなくシート状として成
形するこのもできる。 1)樹脂母材及び有機低分子物質を溶媒中に溶解し、こ
れを支持体上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮膜あるいはシ
ート状にするとともに架橋するか、又はシート状とした
後、架橋する方法。 2)樹脂母材のみを溶解させる溶媒に樹脂母材を溶解さ
せ、その中に有機低分子物質を種々の方法で粉砕又は分
散し、これを支持体上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮膜あ
るいはシート状にするとともに架橋するか、又はシート
状とした後、架橋する方法。 3)溶媒を用いず、樹脂母材と有機低分子物質を加熱溶
融混合し、これを皮膜あるいはシート状に成形して冷却
した後、架橋するする方法。 感熱層又は感熱記録媒体作成用溶剤としては、樹脂母材
及び有機低分子物質の種類によって種々選択できるが、
例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタ
ノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。なお、分
散液を使用した場合はもちろんであるが、溶液を使用し
た場合も得られる感熱層中では有機低分子物質は微粒子
として析出し、分散状態で存在する。
下記の方法により支持体上に感熱層を形成する。場合に
よっては、支持体上を用いることなくシート状として成
形するこのもできる。 1)樹脂母材及び有機低分子物質を溶媒中に溶解し、こ
れを支持体上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮膜あるいはシ
ート状にするとともに架橋するか、又はシート状とした
後、架橋する方法。 2)樹脂母材のみを溶解させる溶媒に樹脂母材を溶解さ
せ、その中に有機低分子物質を種々の方法で粉砕又は分
散し、これを支持体上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮膜あ
るいはシート状にするとともに架橋するか、又はシート
状とした後、架橋する方法。 3)溶媒を用いず、樹脂母材と有機低分子物質を加熱溶
融混合し、これを皮膜あるいはシート状に成形して冷却
した後、架橋するする方法。 感熱層又は感熱記録媒体作成用溶剤としては、樹脂母材
及び有機低分子物質の種類によって種々選択できるが、
例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタ
ノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。なお、分
散液を使用した場合はもちろんであるが、溶液を使用し
た場合も得られる感熱層中では有機低分子物質は微粒子
として析出し、分散状態で存在する。
【0050】本発明において、可逆性感熱記録媒体の感
熱層の樹脂母材に用いられる樹脂は皮膜またはシートを
形成することができ、透明性が良く、機械的に安定な樹
脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、飽和
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリビニル
ピロリドン、天然ゴム、ポリアクロレイン、ポリカーボ
ネートから選ばれたものを少なくとも一種若しくは2種
以上含むもの、またはこれらを含む共重合体であるもの
が挙げられるが、その他にポリアクリレート、ポリアク
リルアミド、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、
或いはこれらの共重合体も使用できる。
熱層の樹脂母材に用いられる樹脂は皮膜またはシートを
形成することができ、透明性が良く、機械的に安定な樹
脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、飽和
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリビニル
ピロリドン、天然ゴム、ポリアクロレイン、ポリカーボ
ネートから選ばれたものを少なくとも一種若しくは2種
以上含むもの、またはこれらを含む共重合体であるもの
が挙げられるが、その他にポリアクリレート、ポリアク
リルアミド、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、
或いはこれらの共重合体も使用できる。
【0051】更に具体的には、ポリ塩化ビニル:塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合
体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩
化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合
体;ポリメタクリレート、メタクリレート共重合体等が
挙げられる。
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合
体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩
化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合
体;ポリメタクリレート、メタクリレート共重合体等が
挙げられる。
【0052】また更に、樹脂に塩化ビニル共重合体を用
いる場合には、これら重合体の平均重合度がP=300
以上が好ましく、更に好ましくはP=600以上であ
り、また塩化ビニル単位と共重合モノマー単位との重合
比が95/5〜60/40が好ましく、更に好ましくは
92/8〜65/35である。
いる場合には、これら重合体の平均重合度がP=300
以上が好ましく、更に好ましくはP=600以上であ
り、また塩化ビニル単位と共重合モノマー単位との重合
比が95/5〜60/40が好ましく、更に好ましくは
92/8〜65/35である。
【0053】一方、有機低分子物質としては記録層中で
粒子状になれば良く、一般に融点30〜200℃、好ま
しくは50〜150℃程度のものが使用される。このよ
うな有機低分子物質としてはアルカノール;アルカンジ
オール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカン
ジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アル
キン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲン
アルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロア
ルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸又は
これらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和ま
たは不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸またはそれ
らのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンア
リルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそ
れらのエステル、アミンまたはアンモニウム塩;チオア
ルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これら
は単独で又は2種以上混合して使用される。これらの化
合物の炭素数は10〜60、好ましくは10〜38、特
に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール基部
分は飽和していてもよく、飽和していなくてもよく、ま
たハロゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機
低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの
少くとも1種、例えば−OH、−COOH、−CON
H、−COOR、−NH、−NH2、−S−、−S−S
−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが好ま
しい。
粒子状になれば良く、一般に融点30〜200℃、好ま
しくは50〜150℃程度のものが使用される。このよ
うな有機低分子物質としてはアルカノール;アルカンジ
オール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカン
ジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アル
キン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲン
アルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロア
ルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸又は
これらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和ま
たは不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸またはそれ
らのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンア
リルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそ
れらのエステル、アミンまたはアンモニウム塩;チオア
ルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これら
は単独で又は2種以上混合して使用される。これらの化
合物の炭素数は10〜60、好ましくは10〜38、特
に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール基部
分は飽和していてもよく、飽和していなくてもよく、ま
たハロゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機
低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの
少くとも1種、例えば−OH、−COOH、−CON
H、−COOR、−NH、−NH2、−S−、−S−S
−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが好ま
しい。
【0054】本発明において前記有機低分子物質として
は、低融点の有機低分子物質と、高融点の有機低分子物
質とを組み合わせて用いることにより、透明化温度巾を
更に拡大させることができ好ましい。前記低融点有機低
分子物質と高融点有機低分子物質の融点の差は20℃以
上が好ましく、更に好ましくは30℃以上であり、特に
好ましくは40℃以上である。
は、低融点の有機低分子物質と、高融点の有機低分子物
質とを組み合わせて用いることにより、透明化温度巾を
更に拡大させることができ好ましい。前記低融点有機低
分子物質と高融点有機低分子物質の融点の差は20℃以
上が好ましく、更に好ましくは30℃以上であり、特に
好ましくは40℃以上である。
【0055】また次に、本発明で用いられる有機低分子
物質としては、脂肪族飽和ジカルボン酸、高級アルキル
基を有するケトン、該ケトンから誘導されるセミカルバ
ゾン、α−ホスホノ脂肪酸、高級アルキル基で置換され
た多塩基酸誘導体であり、高級アルキル基で置換された
多塩基酸誘導体を構成する多塩基酸としては、例えば、
マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ
酸、クエン酸、アルキルホスホン酸、α−位炭素に水酸
基を有する有機酸などが挙げられ、下記のものが好まし
いが、これらに限定されるものではない。これらは、一
種または二種以上選択して用いられる。
物質としては、脂肪族飽和ジカルボン酸、高級アルキル
基を有するケトン、該ケトンから誘導されるセミカルバ
ゾン、α−ホスホノ脂肪酸、高級アルキル基で置換され
た多塩基酸誘導体であり、高級アルキル基で置換された
多塩基酸誘導体を構成する多塩基酸としては、例えば、
マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ
酸、クエン酸、アルキルホスホン酸、α−位炭素に水酸
基を有する有機酸などが挙げられ、下記のものが好まし
いが、これらに限定されるものではない。これらは、一
種または二種以上選択して用いられる。
【0056】これら有機低分子物質の具体例を以下に示
す。脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、例えば、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ド
デカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘ
キサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二
酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン
二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
す。脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、例えば、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ド
デカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘ
キサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二
酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン
二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
【0057】本発明において用いるケトンは、ケトン基
と高級アルキル基を必須の構成基として含み、その他無
置換または置換基を有する芳香環あるいは被素環を含む
こともできる。前記ケトンの全炭素数は16個以上が好
ましく、更に好ましくは21個以上である。又、本発明
に用いるセミカルバゾンは、上記ケトンから誘導された
ものである。本発明において使用するケトン、セミカル
バゾンとしては、例えば以下に示すようなものを挙げる
ことができる。2−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノ
ン、3−オクタデカノン、2−ノナデカノン、7−アイ
コサノン、2−ヘインエイコサノン、11−ヘンエイコ
サノン、12−トリコサノン、9−ペンタコサノン、9
−ヘキサコサノン、14−ヘプタコサノン、10−ノナ
コサノン、16−ヘントリアコンタノン、18−ペンタ
トリアコンタノン、22−トリテトラコンタノン、デカ
ノフェノン、トリデカノフェノン、テトラデカノフェノ
ン、ヘキサデカノフェノン、オクタデカノフェノン、ド
コサノフェノン、ドコサノナフトフェノン、2−ペンタ
デカノンセミカルバゾン、2−オクタデカノンセミカル
バゾン、3−アイコサノンセミカルバゾン、2−ヘンエ
イコサノンセミカルバゾン、9−ペンタコサノンセミカ
ルバゾン、10−ノナコサノンセミカルバゾン、デカノ
フェノンセミカルバゾン、オクタデカノフェノンセミカ
ルバゾン、ドコサナフトフェノンセミカルバゾン等。
と高級アルキル基を必須の構成基として含み、その他無
置換または置換基を有する芳香環あるいは被素環を含む
こともできる。前記ケトンの全炭素数は16個以上が好
ましく、更に好ましくは21個以上である。又、本発明
に用いるセミカルバゾンは、上記ケトンから誘導された
ものである。本発明において使用するケトン、セミカル
バゾンとしては、例えば以下に示すようなものを挙げる
ことができる。2−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノ
ン、3−オクタデカノン、2−ノナデカノン、7−アイ
コサノン、2−ヘインエイコサノン、11−ヘンエイコ
サノン、12−トリコサノン、9−ペンタコサノン、9
−ヘキサコサノン、14−ヘプタコサノン、10−ノナ
コサノン、16−ヘントリアコンタノン、18−ペンタ
トリアコンタノン、22−トリテトラコンタノン、デカ
ノフェノン、トリデカノフェノン、テトラデカノフェノ
ン、ヘキサデカノフェノン、オクタデカノフェノン、ド
コサノフェノン、ドコサノナフトフェノン、2−ペンタ
デカノンセミカルバゾン、2−オクタデカノンセミカル
バゾン、3−アイコサノンセミカルバゾン、2−ヘンエ
イコサノンセミカルバゾン、9−ペンタコサノンセミカ
ルバゾン、10−ノナコサノンセミカルバゾン、デカノ
フェノンセミカルバゾン、オクタデカノフェノンセミカ
ルバゾン、ドコサナフトフェノンセミカルバゾン等。
【0058】本発明で用いるα−ホスホノ脂肪酸は例え
ばE.V.Kaurer等、J.Ak.Oil Che
kist’s Soc,41,205(1964)の方
法に従って脂肪酸をHell−Volhard−Zel
inskin反応によって臭素化してα−臭素化酸臭化
物とし、次いでエタノールを加えα−プロモ脂肪酸エス
テルを得、さらにトリエチルホスファイトと加熱反応し
てα−ホスホノ脂肪酸エステルとし、濃塩酸による加水
分解を行なって生成物をトルエンから再結晶することに
より得ることができる。本発明で用いるホスホノ脂肪酸
に具体例を以下に示す。 α−ホスホノペラルゴン酸 CH3(CH2)6CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃) α−ホスホノカプリル酸 CH3(CH2)7CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 162-4℃) α−ホスホノラウリル酸 CH3(CH2)9CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 162-3℃) α−ホスホノミリスチル酸 CH3(CH2)11CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 153-6℃) α−ホスホノパルミチン酸 CH3(CH2)13CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 156-65℃) α−ホスホノステアリン酸 CH3(CH2)15CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃,mp 157-65℃) などがあげられる。なお、α−ホスホノベラルゴン酸以
外は2つのmp(融点)をもっている。
ばE.V.Kaurer等、J.Ak.Oil Che
kist’s Soc,41,205(1964)の方
法に従って脂肪酸をHell−Volhard−Zel
inskin反応によって臭素化してα−臭素化酸臭化
物とし、次いでエタノールを加えα−プロモ脂肪酸エス
テルを得、さらにトリエチルホスファイトと加熱反応し
てα−ホスホノ脂肪酸エステルとし、濃塩酸による加水
分解を行なって生成物をトルエンから再結晶することに
より得ることができる。本発明で用いるホスホノ脂肪酸
に具体例を以下に示す。 α−ホスホノペラルゴン酸 CH3(CH2)6CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃) α−ホスホノカプリル酸 CH3(CH2)7CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 162-4℃) α−ホスホノラウリル酸 CH3(CH2)9CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 131-2℃,mp 162-3℃) α−ホスホノミリスチル酸 CH3(CH2)11CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 153-6℃) α−ホスホノパルミチン酸 CH3(CH2)13CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 132-3℃,mp 156-65℃) α−ホスホノステアリン酸 CH3(CH2)15CH〔PO(OH)2〕COOH (mp 130-1℃,mp 157-65℃) などがあげられる。なお、α−ホスホノベラルゴン酸以
外は2つのmp(融点)をもっている。
【0059】高級アルキル基で置換された多塩基酸誘導
体としては下記のものが挙げられる。マロン酸誘導体と
しては、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン
酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸等。マ
レイン酸誘導体としては、オクチルマレイン酸、デシル
マレイン酸等。フマル酸誘導体としては、ヘプチルフマ
ル酸、ヘキサデシルフマル酸、ドコシルフマル酸等。コ
ハク酸誘導体としては、テトラデシルコハク酸、ヘキサ
デシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、エイコシルコ
ハク酸、ドコシルコハク酸等。リンゴ酸誘導体として
は、ドデシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラ
デシルリンゴ酸、テトラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデ
シルリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オクタデシ
ルリンゴ酸、オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルリ
ンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、
ドコシルチオリンゴ酸、ドデシルジチオリンゴ酸、オク
タデシルジチオリンゴ酸、テトラデシロイルリンゴ酸、
オクタデシロイルリンゴ酸等。クエン酸誘導体として
は、オクタノイルクエン酸、デカノイルクエン酸、テト
ラデカノイルクエン酸、ヘキサデカノイルクエン酸、ド
コサノイルクエン酸等。
体としては下記のものが挙げられる。マロン酸誘導体と
しては、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン
酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸等。マ
レイン酸誘導体としては、オクチルマレイン酸、デシル
マレイン酸等。フマル酸誘導体としては、ヘプチルフマ
ル酸、ヘキサデシルフマル酸、ドコシルフマル酸等。コ
ハク酸誘導体としては、テトラデシルコハク酸、ヘキサ
デシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、エイコシルコ
ハク酸、ドコシルコハク酸等。リンゴ酸誘導体として
は、ドデシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラ
デシルリンゴ酸、テトラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデ
シルリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オクタデシ
ルリンゴ酸、オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルリ
ンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、
ドコシルチオリンゴ酸、ドデシルジチオリンゴ酸、オク
タデシルジチオリンゴ酸、テトラデシロイルリンゴ酸、
オクタデシロイルリンゴ酸等。クエン酸誘導体として
は、オクタノイルクエン酸、デカノイルクエン酸、テト
ラデカノイルクエン酸、ヘキサデカノイルクエン酸、ド
コサノイルクエン酸等。
【0060】アルキルホスホン酸は、下記一般式で表わ
されるものである。 R1−PO(OH)2 (但し、R1は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) この具体例としては、例えば、以下のものが挙げられ
る。オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホ
スホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン
酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン
酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テト
ラコシルホスホン酸。
されるものである。 R1−PO(OH)2 (但し、R1は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) この具体例としては、例えば、以下のものが挙げられ
る。オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホ
スホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン
酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン
酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テト
ラコシルホスホン酸。
【0061】α−位炭素に水酸基を有する有機酸は、下
記一般式で表わされるものである。 R2−CH(OH)COOH (但し、R2は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) このα−位炭素に水酸基を有する有機酸の具体例として
は、例えば、以下のものが挙げられる。α−ヒドロキシ
オクタノイック酸、α−ヒドロキシドデカノイック酸、
α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、α−ヒドロキシ
ヘキサデカノイック酸、α−ヒドロキシオクタデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシペンタデカノイック酸、α−ヒ
ドロキシエイコサノイック酸、α−ヒドロキシドコサノ
イック酸等。
記一般式で表わされるものである。 R2−CH(OH)COOH (但し、R2は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) このα−位炭素に水酸基を有する有機酸の具体例として
は、例えば、以下のものが挙げられる。α−ヒドロキシ
オクタノイック酸、α−ヒドロキシドデカノイック酸、
α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、α−ヒドロキシ
ヘキサデカノイック酸、α−ヒドロキシオクタデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシペンタデカノイック酸、α−ヒ
ドロキシエイコサノイック酸、α−ヒドロキシドコサノ
イック酸等。
【0062】前記したように本発明において、透明化で
きる温度の巾を広げるには、この明細書において記載し
た有機低分子物質を適宜組合せるか、または、そうした
有機低分子物質と融点の異なる他の材料とを組合せれば
よい。これらは例えば特開昭63−39378号、特開
昭63−130380号などの公報や、特願昭63−1
4754号、特願平3−2089号などの明細書に開示
されているが、これらに限定されるものではない。
きる温度の巾を広げるには、この明細書において記載し
た有機低分子物質を適宜組合せるか、または、そうした
有機低分子物質と融点の異なる他の材料とを組合せれば
よい。これらは例えば特開昭63−39378号、特開
昭63−130380号などの公報や、特願昭63−1
4754号、特願平3−2089号などの明細書に開示
されているが、これらに限定されるものではない。
【0063】なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂
(架橋構造を有する樹脂)との割合は、重量比で2:1
〜1:16程度が好ましく、1:2〜1:8が更に好ま
しい。樹脂の比率がこれ以下になると、有機低分子物質
を樹脂中に保持した膜に形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
(架橋構造を有する樹脂)との割合は、重量比で2:1
〜1:16程度が好ましく、1:2〜1:8が更に好ま
しい。樹脂の比率がこれ以下になると、有機低分子物質
を樹脂中に保持した膜に形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
【0064】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、可塑剤等の添加
物を添加することができる。これらの添加物の具体例は
次の通りである。可塑剤としては、リン酸エステル、脂
肪酸エステル、フタル酸エステル、二塩基酸エステル、
グリコール、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤
が挙げられ、具体例としては下記のものである。リン酸
トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸
トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸ブチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソ
ノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデ
シル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、
アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セ
バシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チルなど。
形成を容易にするために、界面活性剤、可塑剤等の添加
物を添加することができる。これらの添加物の具体例は
次の通りである。可塑剤としては、リン酸エステル、脂
肪酸エステル、フタル酸エステル、二塩基酸エステル、
グリコール、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤
が挙げられ、具体例としては下記のものである。リン酸
トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸
トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸ブチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソ
ノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデ
シル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、
アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セ
バシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チルなど。
【0065】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;芳香族カルボン
酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫酸モ
ノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアク
リレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメ
タクリレート;長鎖アルキルメタクリレート−アミン含
有モノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合
体;オレフィン−無水マレイン酸共重合体など。
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;芳香族カルボン
酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫酸モ
ノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアク
リレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメ
タクリレート;長鎖アルキルメタクリレート−アミン含
有モノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合
体;オレフィン−無水マレイン酸共重合体など。
【0066】本発明における感熱層中の樹脂を架橋させ
る手段としては、加熱することにより又は紫外線照射、
電子線照射により行なうことができるが、これらの中で
電子線照射するのが最適である。これら架橋させる方法
は具体的には以下のとおりである。(i)樹脂に架橋性
のあるものを用いる方法、(ii)架橋剤の添加による方
法、(iii)紫外線、又は電子線の照射によって架橋さ
せる方法、(iv)架橋剤の存在下で紫外線、又は電子線
の照射によって架橋させる方法、等がある。架橋剤とし
ては非官能性モノマー、官能性モノマーがあり、具体的
には下記のものがあげられる。
る手段としては、加熱することにより又は紫外線照射、
電子線照射により行なうことができるが、これらの中で
電子線照射するのが最適である。これら架橋させる方法
は具体的には以下のとおりである。(i)樹脂に架橋性
のあるものを用いる方法、(ii)架橋剤の添加による方
法、(iii)紫外線、又は電子線の照射によって架橋さ
せる方法、(iv)架橋剤の存在下で紫外線、又は電子線
の照射によって架橋させる方法、等がある。架橋剤とし
ては非官能性モノマー、官能性モノマーがあり、具体的
には下記のものがあげられる。
【0067】非官能性モノマーの例: (1)メタクリル酸メチル(MMA) (2)メタクリル酸エチル(EMA) (3)メタクリル酸n−ブチル(BMA) (4)メタクリル酸i−ブチル(IBMA) (5)メタクリル酸t−ブチル(TBMA) (6)メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA) (7)メタクリル酸ラウリル(LMA) (8)メタクリル酸アルキル(SLMA) (9)メタクリル酸トリデシル(TDMA) (10)メタクリル酸ステアリル(SMA) (11)メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA) (12)メタクリル酸ベンジル(BZMA)
【0068】単官能性モノマーの例: (13)メタクリル酸(MMA) (14)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA) (15)メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル(HPM
A) (16)メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMMA) (17)メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロラ
イド塩(DMCMA) (18)メタクリル酸ジエチルアミノエチル(DEMA) (19)メタクリル酸グリシジル(GMA) (20)メタクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFM
A) (21)メタクリル酸アリル(AMA) (22)ジメタクリル酸エチレングリコール(EDMA) (23)ジメタクリル酸トリエチレングリコール(3ED
MA) (24)ジメタクリル酸テトラエチレングリコール(4E
DMA) (25)ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール(B
DMA) (26)ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール(HX
MA) (27)トリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TM
PMA) (28)メタクリル酸2−エトキシエチル(ETMA) (29)2−エチルヘキシルアクリレート (30)フェノキシエチルアクリレート (31)2−エトキシエチルアクリレート (32)2−エトキシエトキシエチルアクリレート (33)2−ヒドロキシエチルアクリレート (34)2−ヒドロキシプロピルアクリレート (35)ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート (36)N−ビニルピロリドン (37)酢酸ビニル
A) (16)メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMMA) (17)メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロラ
イド塩(DMCMA) (18)メタクリル酸ジエチルアミノエチル(DEMA) (19)メタクリル酸グリシジル(GMA) (20)メタクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFM
A) (21)メタクリル酸アリル(AMA) (22)ジメタクリル酸エチレングリコール(EDMA) (23)ジメタクリル酸トリエチレングリコール(3ED
MA) (24)ジメタクリル酸テトラエチレングリコール(4E
DMA) (25)ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール(B
DMA) (26)ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール(HX
MA) (27)トリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TM
PMA) (28)メタクリル酸2−エトキシエチル(ETMA) (29)2−エチルヘキシルアクリレート (30)フェノキシエチルアクリレート (31)2−エトキシエチルアクリレート (32)2−エトキシエトキシエチルアクリレート (33)2−ヒドロキシエチルアクリレート (34)2−ヒドロキシプロピルアクリレート (35)ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート (36)N−ビニルピロリドン (37)酢酸ビニル
【0069】2官能性モノマーの例: (38)1,4−ブタンジオールアクリレート (39)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート (40)1,9−ノナンジオールジアクリレート (41)ネオペンチルグリコールジアクリレート (42)テトラエチレングリコールジアクリレート (43)トリプロピレングリコールジアクリレート (44)トリプロピレングリコールジアクリレート (45)ポリプロピレングリコールジアクリレート (46)ビスフェノールA.EO付加物ジアクリレート
【化1】 (47)グリセリンメタクリレートアクリレート
【化2】 (48)ネオペンチルグリコールのプロピレンオキサイド
2モル付加のジアクリレート (49)ジエチレングリコールジアクリレート (50)ポリエチレングリコール(400)ジアクリレー
ト (51)ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコール
のエステルのジアクリレート (52)2,2−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフ
ェニル)プロパン (53)ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレ
ート
2モル付加のジアクリレート (49)ジエチレングリコールジアクリレート (50)ポリエチレングリコール(400)ジアクリレー
ト (51)ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコール
のエステルのジアクリレート (52)2,2−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフ
ェニル)プロパン (53)ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレ
ート
【化3】 (54)ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールの
ε−カプロラクトン付加物のジアクリレート
ε−カプロラクトン付加物のジアクリレート
【化4】 (55)ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールの
ε−カプロラクトン付加物のジアクリレート
ε−カプロラクトン付加物のジアクリレート
【化5】 (56)2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチ
ル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジ
オキサンジアクリレート
ル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジ
オキサンジアクリレート
【化6】 (57)トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
【化7】 (58)トリシクロデカンジメチロールジアクリレートの
ε−カプロラクトン付加物
ε−カプロラクトン付加物
【化8】 (59)1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテ
ルのジアクリレート
ルのジアクリレート
【化9】
【0070】多官能性モノマーの例: (60)トリメチロールプロパントリアクリレート (61)ペンタエリスリトールトリアクリレート (62)グリセリンPO付加トリアクリレート (63)トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート (64)ペンタエリスリトールテトラアクリレート (65)トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド
3モル付加物のトリアクリレート (66)グリセリルプロポキシトリアクリレート (67)ジペンタエリスリトール・ポリアクリレート (68)ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物
のポリアクリレート (69)プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアク
リレート (70)ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプ
ロピントリアクリレート (71)プロピオン酸・ジペンタエリスリトールのテトラ
アクリレート (72)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート (73)プロピオン酸ジペンタエリスリトールのペンタア
クリレート (74)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(D
PHA) (75)DPHAのε−カプロラクトン付加物
3モル付加物のトリアクリレート (66)グリセリルプロポキシトリアクリレート (67)ジペンタエリスリトール・ポリアクリレート (68)ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物
のポリアクリレート (69)プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアク
リレート (70)ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプ
ロピントリアクリレート (71)プロピオン酸・ジペンタエリスリトールのテトラ
アクリレート (72)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート (73)プロピオン酸ジペンタエリスリトールのペンタア
クリレート (74)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(D
PHA) (75)DPHAのε−カプロラクトン付加物
【化10】
【0071】オリゴマーの例: (76)ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物
【化11】
【0072】これらの架橋剤は単独で又は2種以上が混
合して使用される。これらの架橋剤の添加量としては、
樹脂1重量部に対して0.001〜1.0重量部が好ま
しく、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。
添加量が0.001重量部以下であると架橋効率が悪く
なり、逆に1.0重量部以上になると白濁度が低下し、
コントラストが低くなる。前記したように、架橋剤の添
加量を少量にして架橋効率を向上させるためには、前記
した架橋剤の中では、非官能性モノマーより官能性モノ
マーが好ましく、更に単官能モノマーよりも多官能モノ
マーが好ましい。
合して使用される。これらの架橋剤の添加量としては、
樹脂1重量部に対して0.001〜1.0重量部が好ま
しく、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。
添加量が0.001重量部以下であると架橋効率が悪く
なり、逆に1.0重量部以上になると白濁度が低下し、
コントラストが低くなる。前記したように、架橋剤の添
加量を少量にして架橋効率を向上させるためには、前記
した架橋剤の中では、非官能性モノマーより官能性モノ
マーが好ましく、更に単官能モノマーよりも多官能モノ
マーが好ましい。
【0073】また次に本発明における感熱層の樹脂を架
橋させる手段として紫外線照射を用いる場合には次のよ
うな架橋剤、光重合開始剤、光重合促進剤を用いてもよ
い。具体的には下記のものが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
橋させる手段として紫外線照射を用いる場合には次のよ
うな架橋剤、光重合開始剤、光重合促進剤を用いてもよ
い。具体的には下記のものが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0074】まず架橋剤としては光重合性プレポリマー
と光重合性モノマーに大別することができ、光重合性モ
ノマーとしては前記した電子線照射で用いる架橋剤とし
て挙げた単官能性モノマー及び多官能性モノマーと同じ
ものを挙げることができる。また次に光重合性プレポリ
マーとしてはポリエステルアクリレート、ポリウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルア
クリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレー
ト、ポリオールアクリレートなどが挙げられる。これら
の架橋剤は単独で又は2種以上が混合して使用される。
これらの架橋剤の添加量としては、樹脂1重量部に対し
て0.001〜1.0重量部が好ましく、更に好ましく
は0.01〜0.5重量部である。添加量が0.001
重量部以下であると架橋効率が悪くなり、逆に1.0重
量部以上になると白濁度が低下し、コントラストが低く
なる。
と光重合性モノマーに大別することができ、光重合性モ
ノマーとしては前記した電子線照射で用いる架橋剤とし
て挙げた単官能性モノマー及び多官能性モノマーと同じ
ものを挙げることができる。また次に光重合性プレポリ
マーとしてはポリエステルアクリレート、ポリウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルア
クリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレー
ト、ポリオールアクリレートなどが挙げられる。これら
の架橋剤は単独で又は2種以上が混合して使用される。
これらの架橋剤の添加量としては、樹脂1重量部に対し
て0.001〜1.0重量部が好ましく、更に好ましく
は0.01〜0.5重量部である。添加量が0.001
重量部以下であると架橋効率が悪くなり、逆に1.0重
量部以上になると白濁度が低下し、コントラストが低く
なる。
【0075】次に光重合開始剤としてはラジカル反応型
とイオン反応型に大別でき、更にラジカル反応型は光開
裂型と水素引抜き型とに分けられる。具体的には下記表
1に示すものが挙げられる。
とイオン反応型に大別でき、更にラジカル反応型は光開
裂型と水素引抜き型とに分けられる。具体的には下記表
1に示すものが挙げられる。
【0076】
【表1−(1)】
【0077】
【表1−(2)】
【0078】これらの光重合開始剤は、単独で又は2種
以上混合して使用される。添加量としては架橋剤1重量
部に対して0.005〜1.0重量部が好ましく、更に
好ましくは0.01〜0.5重量部である。
以上混合して使用される。添加量としては架橋剤1重量
部に対して0.005〜1.0重量部が好ましく、更に
好ましくは0.01〜0.5重量部である。
【0079】次に光重合促進剤としては、ベンゾフェノ
ン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重
合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があり、芳
香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系がある。具体的
には下記のものが挙げられる。
ン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重
合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があり、芳
香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系がある。具体的
には下記のものが挙げられる。
【化12】
【化13】 これら光重合促進剤は単独で又は2種以上混合して使用
される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜
3重量部である。
される。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜
3重量部である。
【0080】また本発明に用いる紫外線照射装置は、光
源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置から構成されてい
る。光源には水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリ
ウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプが
あるが、前記した光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外
線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使
用すればよい。また紫外線照射条件については、樹脂を
架橋するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出
力、搬送速度を決めればよい。
源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置から構成されてい
る。光源には水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリ
ウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプが
あるが、前記した光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外
線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使
用すればよい。また紫外線照射条件については、樹脂を
架橋するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出
力、搬送速度を決めればよい。
【0081】本発明において、可逆性感熱記録媒体の感
熱層の樹脂を架橋するのに特に効果的な電子線照射法は
以下のとおりである。まず、EB照射装置としては、走
査形(スキャンビーム)あるいは非走査形(エリアビー
ム)の2種に大別できるが、照射面積、照射線量等の目
的に応じて決めればよい。次に、EB照射条件について
は、樹脂を架橋するために必要な線量に応じて、電子
流、照射幅、搬送スピードを考慮し下記式から決められ
る。 D=(ΔE/ΔR)・η・I/(W・V) D:必要線量(Mrad) ΔE/ΔR:平均エネルギ損失 η:効率 I:電子流(mA) W:照射幅(cm) V:搬送速度(cm/s) 工業的には、これを簡略化し、 D・V=K・I/W とし、装置定格をMrad・m/minで示す。電子流
定格は、実験器では20〜30mA、パイロット機では
50〜100mA、生産機では100〜500mA程度
が選ばれる。
熱層の樹脂を架橋するのに特に効果的な電子線照射法は
以下のとおりである。まず、EB照射装置としては、走
査形(スキャンビーム)あるいは非走査形(エリアビー
ム)の2種に大別できるが、照射面積、照射線量等の目
的に応じて決めればよい。次に、EB照射条件について
は、樹脂を架橋するために必要な線量に応じて、電子
流、照射幅、搬送スピードを考慮し下記式から決められ
る。 D=(ΔE/ΔR)・η・I/(W・V) D:必要線量(Mrad) ΔE/ΔR:平均エネルギ損失 η:効率 I:電子流(mA) W:照射幅(cm) V:搬送速度(cm/s) 工業的には、これを簡略化し、 D・V=K・I/W とし、装置定格をMrad・m/minで示す。電子流
定格は、実験器では20〜30mA、パイロット機では
50〜100mA、生産機では100〜500mA程度
が選ばれる。
【0082】ここで樹脂を架橋するために必要な線量に
ついては、樹脂の種類および重合度、架橋剤の種類およ
び添加量、可塑剤の種類および添加量等により架橋効率
が変わり、線量に対してのゲル分率が一定でないため、
これらの可逆性感熱記録媒体の感熱層の構成因子水準を
決めて記録層を作成し、ゲル分率目標値を決め、それに
応じての線量を決めればよい。またここで、照射線量
は、樹脂を架橋させるために高エネルギーを必要とする
場合には、支持体または樹脂等が照射により発生する熱
によって変形、熱分解をするのを防ぐため、照射を複数
回に分けて、1回当たりの照射で高熱になるのを防ぐこ
とが好ましい。また、EB照射を行なう前に、記録層に
含有される有機低分子物質の少なくとも一部を溶融する
温度以上で加熱した後、架橋することが好ましく、また
更に有機低分子物質が全て溶融する温度以上に加熱した
後、架橋することが好ましい。感熱層構成因子それぞれ
のゲル分率との関係は前記したとおりである。まず、樹
脂の種類としては前記した樹脂が選択できるが、これら
の重合度は平均重合度(P)が高くなるにつれてゲル分
率が向上する傾向にあり、好ましくはP=300以上で
あり、更に好ましくはP=600以上である。
ついては、樹脂の種類および重合度、架橋剤の種類およ
び添加量、可塑剤の種類および添加量等により架橋効率
が変わり、線量に対してのゲル分率が一定でないため、
これらの可逆性感熱記録媒体の感熱層の構成因子水準を
決めて記録層を作成し、ゲル分率目標値を決め、それに
応じての線量を決めればよい。またここで、照射線量
は、樹脂を架橋させるために高エネルギーを必要とする
場合には、支持体または樹脂等が照射により発生する熱
によって変形、熱分解をするのを防ぐため、照射を複数
回に分けて、1回当たりの照射で高熱になるのを防ぐこ
とが好ましい。また、EB照射を行なう前に、記録層に
含有される有機低分子物質の少なくとも一部を溶融する
温度以上で加熱した後、架橋することが好ましく、また
更に有機低分子物質が全て溶融する温度以上に加熱した
後、架橋することが好ましい。感熱層構成因子それぞれ
のゲル分率との関係は前記したとおりである。まず、樹
脂の種類としては前記した樹脂が選択できるが、これら
の重合度は平均重合度(P)が高くなるにつれてゲル分
率が向上する傾向にあり、好ましくはP=300以上で
あり、更に好ましくはP=600以上である。
【0083】架橋剤の種類および添加量については前記
したとおりであり、また可塑剤の種類としては、前記し
た可塑剤の中で脂肪酸エステル、ポリエステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤等が好ましく、特にエポキシ系可
塑剤が照射変色、架橋効率からみて最適である。可塑剤
の添加量については、その添加量の増加につれてゲル分
率が向上する傾向にあり、樹脂1重量部に対して0.0
1〜1.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.05
〜0.5重量部である。
したとおりであり、また可塑剤の種類としては、前記し
た可塑剤の中で脂肪酸エステル、ポリエステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤等が好ましく、特にエポキシ系可
塑剤が照射変色、架橋効率からみて最適である。可塑剤
の添加量については、その添加量の増加につれてゲル分
率が向上する傾向にあり、樹脂1重量部に対して0.0
1〜1.0重量部が好ましく、更に好ましくは0.05
〜0.5重量部である。
【0084】また、これらの他に、感熱層中の樹脂と有
機低分子物質粒子との界面及び/又は粒子中に樹脂及び
粒子の屈折率と異なる空隙があると、白濁状態での画像
濃度が向上し、コントラストが向上する効果がある。空
隙の大きさが不透明状態を検知するために用いる光の波
長の1/10以上であるとより効果が顕著である。
機低分子物質粒子との界面及び/又は粒子中に樹脂及び
粒子の屈折率と異なる空隙があると、白濁状態での画像
濃度が向上し、コントラストが向上する効果がある。空
隙の大きさが不透明状態を検知するために用いる光の波
長の1/10以上であるとより効果が顕著である。
【0085】このの記録媒体に形成される画像を反射
画像として用いる場合には、感熱層の背面に光を反射す
る層を設けるのが望ましい。また、反射層があると感熱
層の厚みを薄くとてもコントラストを上げることができ
る。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙
げられる(特開昭64−14079号公報に記載)。
画像として用いる場合には、感熱層の背面に光を反射す
る層を設けるのが望ましい。また、反射層があると感熱
層の厚みを薄くとてもコントラストを上げることができ
る。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙
げられる(特開昭64−14079号公報に記載)。
【0086】また、感熱層にはその感熱層を保護するた
めに保護層を設けることができる。保護層(厚さ0.1
〜10μm)の材料としては、シリコーン系ゴム、シリ
コーン樹脂(特開昭63−221087号公報)、ポリ
シロキサングラフトポリマー(特願昭62−15255
0号明細書に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹
脂(特願昭63−310600号明細書に記載)等が挙
げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、
その溶剤は、記録層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶
解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分
子物質を溶解しにくい溶剤としてn−ヘキサン、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面か
ら望ましい。
めに保護層を設けることができる。保護層(厚さ0.1
〜10μm)の材料としては、シリコーン系ゴム、シリ
コーン樹脂(特開昭63−221087号公報)、ポリ
シロキサングラフトポリマー(特願昭62−15255
0号明細書に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹
脂(特願昭63−310600号明細書に記載)等が挙
げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、
その溶剤は、記録層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶
解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分
子物質を溶解しにくい溶剤としてn−ヘキサン、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面か
ら望ましい。
【0087】また、これら保護層は、感熱層の樹脂を架
橋するのと同時に硬化させることも可能である。この場
合には前記した方法により支持体上に感熱層を形成した
後に、保護層を塗布、乾燥し、その後に前記したEB照
射装置及び照射条件あるいはUV照射装置及び照射条件
により電子線又は紫外線照射を行ない、それぞれの層を
硬化させれば良い。
橋するのと同時に硬化させることも可能である。この場
合には前記した方法により支持体上に感熱層を形成した
後に、保護層を塗布、乾燥し、その後に前記したEB照
射装置及び照射条件あるいはUV照射装置及び照射条件
により電子線又は紫外線照射を行ない、それぞれの層を
硬化させれば良い。
【0088】更に、保護層形成液の溶剤やモノマー成分
等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間
に中間層を設けることができる(特開平1−13378
1号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹
脂母材の材料として挙げたものの他に下記のような熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽
和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙
げられる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ま
しい。
等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間
に中間層を設けることができる(特開平1−13378
1号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹
脂母材の材料として挙げたものの他に下記のような熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽
和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙
げられる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ま
しい。
【0089】先に触れたように、本発明では支持体と感
熱層の間に視認性を良くするために着色層を設けること
ができる。着色層は着色剤及び樹脂バインダーを主成分
とする溶液又は分散液を対象面に塗布、乾燥するか、或
いは単に着色シートを貼合せることにより形成される。
ここで着色剤としては上層の記録層の透明及び白濁の変
化を反射画像として認識できればよく、赤、黄、青、
紺、紫、黒、茶、灰、橙、緑などの色を有する染料、顔
料等が使用される。また、樹脂バインダーとしては各種
熱可塑性、熱硬化性又は紫外線硬化性樹脂が使用され
る。
熱層の間に視認性を良くするために着色層を設けること
ができる。着色層は着色剤及び樹脂バインダーを主成分
とする溶液又は分散液を対象面に塗布、乾燥するか、或
いは単に着色シートを貼合せることにより形成される。
ここで着色剤としては上層の記録層の透明及び白濁の変
化を反射画像として認識できればよく、赤、黄、青、
紺、紫、黒、茶、灰、橙、緑などの色を有する染料、顔
料等が使用される。また、樹脂バインダーとしては各種
熱可塑性、熱硬化性又は紫外線硬化性樹脂が使用され
る。
【0090】また、支持体と感熱層との間に、空気を有
する非密着部である空気層を設けることができる。空気
層を設けると、感熱層の主成分として用いられた有機高
分子材料の屈折率が1.4〜1.6程度で、空気の屈折
率1.0との差が大きいため、感熱記録層側フィルムと
非密着部との界面で光が反射し、感熱層が白濁状態のと
き白濁度が増幅され、視認性が向上するので、この非密
着部位を表示部として用いることが望ましい。非密着部
位は非密着部の内部に空気を有するため、その非密着部
が断熱層となり、感熱度が向上する。更に、非密着部位
はクッションの役目もなし、サーマルヘッドで圧力をか
けて押さえつけても実際に感熱部材に加わる圧力は低く
なり、熱を加えても感熱層の変形は少なく、有機低分子
物質粒子の拡大もなく、繰り返し耐久性が向上する。
する非密着部である空気層を設けることができる。空気
層を設けると、感熱層の主成分として用いられた有機高
分子材料の屈折率が1.4〜1.6程度で、空気の屈折
率1.0との差が大きいため、感熱記録層側フィルムと
非密着部との界面で光が反射し、感熱層が白濁状態のと
き白濁度が増幅され、視認性が向上するので、この非密
着部位を表示部として用いることが望ましい。非密着部
位は非密着部の内部に空気を有するため、その非密着部
が断熱層となり、感熱度が向上する。更に、非密着部位
はクッションの役目もなし、サーマルヘッドで圧力をか
けて押さえつけても実際に感熱部材に加わる圧力は低く
なり、熱を加えても感熱層の変形は少なく、有機低分子
物質粒子の拡大もなく、繰り返し耐久性が向上する。
【0091】更に、支持体裏面に接着剤層又は粘着剤層
を設けて、可逆性感熱記録ラベルとして用いることも可
能である。このラベルシートは被貼着体と貼り合わされ
るが、被貼着体としては、例えば、クレジットカード等
の塩ビカード、ICカード、IDカード、紙、フィル
ム、合成紙、ボーディングバス、定期券等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、支持体が
Al蒸着層のような樹脂との接着力に乏しい材質の場合
には、支持体と感熱層との間に接着層を設けても良い
(特開平3−7377号公報)。
を設けて、可逆性感熱記録ラベルとして用いることも可
能である。このラベルシートは被貼着体と貼り合わされ
るが、被貼着体としては、例えば、クレジットカード等
の塩ビカード、ICカード、IDカード、紙、フィル
ム、合成紙、ボーディングバス、定期券等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、支持体が
Al蒸着層のような樹脂との接着力に乏しい材質の場合
には、支持体と感熱層との間に接着層を設けても良い
(特開平3−7377号公報)。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく
説明する。ここでの部及び%はいずれも重量基準であ
る。
説明する。ここでの部及び%はいずれも重量基準であ
る。
【0093】実施例1 約100μm厚の透明PETフィルム(帝人社製HS
L)上に 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10部 (UCC社製 VAGH) MEK 45部 トルエン 45部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
1μm厚の接着層を形成した。さらにその上に エイコサン2酸(岡村製油社製 SL−20−99) 1部 ポリスチレン(Aldrich社製試薬、M.W.280000)6部 THF 30部 トルエン 3部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して、
約15μm厚の感熱層を設けて熱可逆記録媒体を作成し
た。
L)上に 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10部 (UCC社製 VAGH) MEK 45部 トルエン 45部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
1μm厚の接着層を形成した。さらにその上に エイコサン2酸(岡村製油社製 SL−20−99) 1部 ポリスチレン(Aldrich社製試薬、M.W.280000)6部 THF 30部 トルエン 3部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して、
約15μm厚の感熱層を設けて熱可逆記録媒体を作成し
た。
【0094】実施例2 実施例1においてポリスチレンを下記構造式を有するポ
リカーボネートA、Bとする以外は実施例1と同様にし
て熱可逆記録媒体を作成した。 A[mol%]/B[mol%]=96.5/3.5
リカーボネートA、Bとする以外は実施例1と同様にし
て熱可逆記録媒体を作成した。 A[mol%]/B[mol%]=96.5/3.5
【化14】
【化15】
【0095】実施例3 実施例2においてポリカーボネートA/B比を96/4
とする以外は実施例2と同様にして熱可逆記録媒体を作
成した。
とする以外は実施例2と同様にして熱可逆記録媒体を作
成した。
【0096】実施例4 実施例2においてポリカーボネートA/B比を92/8
とする以外は実施例2と同様にして熱可逆記録媒体を作
成した。
とする以外は実施例2と同様にして熱可逆記録媒体を作
成した。
【0097】実施例5 実施例1においてポリスチレンをMW24000[Al
drich社製試薬]のポリスチレンとする以外は実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
drich社製試薬]のポリスチレンとする以外は実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
【0098】実施例6 実施例1においてポリスチレンをMW13000[Al
drich社製試薬]のポリスチレンとする以外は実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
drich社製試薬]のポリスチレンとする以外は実施
例1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
【0099】実施例7 実施例1においてポリスチレンをMW4000[Ald
rich社製試薬]のポリスチレンとする以外は実施例
1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
rich社製試薬]のポリスチレンとする以外は実施例
1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
【0100】実施例8 実施例1においてポリスチレンを塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体(UCC社製VYHH)とする以外は実施例
1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
ル共重合体(UCC社製VYHH)とする以外は実施例
1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
【0101】実施例9 実施例1においてエイコサン2酸をステアリル−チオ−
リンゴ酸とする以外は実施例1と同様にして熱可逆記録
媒体を作成した。
リンゴ酸とする以外は実施例1と同様にして熱可逆記録
媒体を作成した。
【0102】比較例1 実施例1においてエイコサン2酸をベヘン酸(シグマ社
製試薬)とする以外は実施例1と同様にして熱可逆記録
媒体を作成した。
製試薬)とする以外は実施例1と同様にして熱可逆記録
媒体を作成した。
【0103】比較例2 比較例1においてポリスチレンを塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体(UCC社製VYHH)とする以外は比較例
1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
ル共重合体(UCC社製VYHH)とする以外は比較例
1と同様にして熱可逆記録媒体を作成した。
【0104】比較例3、4 比較例1または2においてベヘン酸をセロチン酸(シグ
マ社製試薬)とする以外は比較例1または2と同様にし
て比較例3、4の熱可逆記録媒体を作成した。
マ社製試薬)とする以外は比較例1または2と同様にし
て比較例3、4の熱可逆記録媒体を作成した。
【0105】このようにして作成した熱可逆記録媒体の
感熱層をナイフで削り取りマック・サイエンス社製DS
C3100を用い昇温及び降温過程での有機低分子物質
の吸熱/発熱を調べた。さらに剛体振り子型粘弾性測定
装置(株)オリエンテックのレオバイブロンDDV−O
PA III を用い感熱層の昇温過程における対数減衰率
の変化を調べた。これらの測定から導き出された高温結
晶化温度(TB1)、低温結晶化温度(TB2)、感熱層
軟化開始温度TAを表2に示す。また、適宜加熱温度を
かえたときの最大白濁状態と最大透明状態の反射濃度値
(背面に反射濃度2.0の黒色紙をおいて測定した値)
を表2に示す。さらに白濁画像を形成した媒体を80℃
と90℃の環境下に12時間放置したときの白濁濃度の
変化した値を表2に示す。
感熱層をナイフで削り取りマック・サイエンス社製DS
C3100を用い昇温及び降温過程での有機低分子物質
の吸熱/発熱を調べた。さらに剛体振り子型粘弾性測定
装置(株)オリエンテックのレオバイブロンDDV−O
PA III を用い感熱層の昇温過程における対数減衰率
の変化を調べた。これらの測定から導き出された高温結
晶化温度(TB1)、低温結晶化温度(TB2)、感熱層
軟化開始温度TAを表2に示す。また、適宜加熱温度を
かえたときの最大白濁状態と最大透明状態の反射濃度値
(背面に反射濃度2.0の黒色紙をおいて測定した値)
を表2に示す。さらに白濁画像を形成した媒体を80℃
と90℃の環境下に12時間放置したときの白濁濃度の
変化した値を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】実施例10 実施例1の感熱層の上に ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 10部 IPA 10部 より成る溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、8
0w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚の保
護層の形成された熱可逆記録媒体を作成した。
0w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚の保
護層の形成された熱可逆記録媒体を作成した。
【0108】実施例11 感熱層中に多官能性モノマー(DPCA−30日本化薬
社製)を1部入れ、保護層形成前に電子線照射装置(日
新ハイボルラージ社製エリアビーム型電子線照射装置E
BC−200−AA2)を用い、照射線量が30Mra
dとなるように調整して、電子線照射し、感熱層中の樹
脂を架橋させる以外は実施例10と同様にして熱可逆記
録媒体を作成した。
社製)を1部入れ、保護層形成前に電子線照射装置(日
新ハイボルラージ社製エリアビーム型電子線照射装置E
BC−200−AA2)を用い、照射線量が30Mra
dとなるように調整して、電子線照射し、感熱層中の樹
脂を架橋させる以外は実施例10と同様にして熱可逆記
録媒体を作成した。
【0109】実施例10と11の記録媒体を用いて次の
様に画像形成・消去の繰り返し耐久性試験を行なった。
画像形成装置として、八城電気社製サーマルヘッド印字
試験装置を用い、サーマルヘッドにはリコー社製8ドッ
ト/mmのサーマルヘッドを用い、パルス巾2mse
c、印加電圧20.0Vの条件で白濁画像形成を行な
い、また画像消去はホットスタンプを用い画像消去条件
は消去温度110℃にして、印加圧力1kg/cm2、
印加時間1.0secに設定して画像消去を行なった。
熱可逆記録媒体の白濁画像形成、消去を1回づず行なう
ことを1サイクルと考えて、合計100サイクルとなる
まで同じ条件で繰り返し耐久性試験を行なった。また繰
り返し耐久性試験での白濁画像濃度について、1サイク
ル目と100サイクル目の白濁濃度をマクベス反射濃度
計(RD−914)で測定した。その結果を表3に示
す。また、実施例10と11の熱圧力段差量を測定した
ところ、各々59%と12%であった。
様に画像形成・消去の繰り返し耐久性試験を行なった。
画像形成装置として、八城電気社製サーマルヘッド印字
試験装置を用い、サーマルヘッドにはリコー社製8ドッ
ト/mmのサーマルヘッドを用い、パルス巾2mse
c、印加電圧20.0Vの条件で白濁画像形成を行な
い、また画像消去はホットスタンプを用い画像消去条件
は消去温度110℃にして、印加圧力1kg/cm2、
印加時間1.0secに設定して画像消去を行なった。
熱可逆記録媒体の白濁画像形成、消去を1回づず行なう
ことを1サイクルと考えて、合計100サイクルとなる
まで同じ条件で繰り返し耐久性試験を行なった。また繰
り返し耐久性試験での白濁画像濃度について、1サイク
ル目と100サイクル目の白濁濃度をマクベス反射濃度
計(RD−914)で測定した。その結果を表3に示
す。また、実施例10と11の熱圧力段差量を測定した
ところ、各々59%と12%であった。
【0110】
【表3】
【0111】
【発明の効果】本発明の熱可逆記録媒体は、感熱層の軟
化開始温度(TA)を有機低分子物質の高温結晶化温度
(TB1)と低温結晶化温度(TB2)との間とし、TB
1が80℃以上、かつTB1がTB2より40℃以上高温
にすることにより、高温環境下でも白濁度が低下せず、
画像コントラストが維持できるという効果がある。ま
た、TB1を80℃以上とすることにより、画像耐久性
が向上する。更に、TB1とTAとの差を10℃以上と
することにより透明度及びコントラストの低下が防止で
き、TAとTB2との差を10℃以上とすることによ
り、白濁度及びコントラストの低下を防止することがで
きる。更にまた、熱圧力段差量の値を40%以下にする
ことにより、特に繰り返し画像形成−消去に対する耐久
性を向上でき、熱圧力段差変化率を70%以下とするこ
とにより、透明化温度の範囲、巾等の物性の安定性を向
上することができる。また、樹脂母材を三次元架橋構造
にすることにより画像劣化防止、画像形成−消去の繰り
返し耐久性を向上させることができるという効果があ
る。
化開始温度(TA)を有機低分子物質の高温結晶化温度
(TB1)と低温結晶化温度(TB2)との間とし、TB
1が80℃以上、かつTB1がTB2より40℃以上高温
にすることにより、高温環境下でも白濁度が低下せず、
画像コントラストが維持できるという効果がある。ま
た、TB1を80℃以上とすることにより、画像耐久性
が向上する。更に、TB1とTAとの差を10℃以上と
することにより透明度及びコントラストの低下が防止で
き、TAとTB2との差を10℃以上とすることによ
り、白濁度及びコントラストの低下を防止することがで
きる。更にまた、熱圧力段差量の値を40%以下にする
ことにより、特に繰り返し画像形成−消去に対する耐久
性を向上でき、熱圧力段差変化率を70%以下とするこ
とにより、透明化温度の範囲、巾等の物性の安定性を向
上することができる。また、樹脂母材を三次元架橋構造
にすることにより画像劣化防止、画像形成−消去の繰り
返し耐久性を向上させることができるという効果があ
る。
【図1】本発明に係る感熱層の熱による透明度の変化を
表わした図。
表わした図。
【図2】感熱層の軟化開始温度(TA)を求めるための
グラフ。(a)は、剛体振り子型粘弾性測定装置を用い
て測定した、対数減衰率(y)と温度(t)との関係を
示すグラフ。(b)は、(a)のグラフにおいて対数減
衰率(y)を温度(t)で1回微分した値(y′)と温
度(t)との関係を示すグラフ。(c)は、(b)のグ
ラフにおいて(y′)を更に温度(t)で微分した値
(y″)と温度(t)との関係を示すグラフ。
グラフ。(a)は、剛体振り子型粘弾性測定装置を用い
て測定した、対数減衰率(y)と温度(t)との関係を
示すグラフ。(b)は、(a)のグラフにおいて対数減
衰率(y)を温度(t)で1回微分した値(y′)と温
度(t)との関係を示すグラフ。(c)は、(b)のグ
ラフにおいて(y′)を更に温度(t)で微分した値
(y″)と温度(t)との関係を示すグラフ。
【図3】熱圧力印加装置としてのホットスタンプ型エア
ー式卓上TCフィルム消去装置テスト機(ユニークマシ
ナーリ株式会社製) (a)は、該装置の正面概略図 (b)は、該装置の側面概略図 (c)は、該装置の温度調節部概略図
ー式卓上TCフィルム消去装置テスト機(ユニークマシ
ナーリ株式会社製) (a)は、該装置の正面概略図 (b)は、該装置の側面概略図 (c)は、該装置の温度調節部概略図
【図4】図3に示す装置の印字ヘッド (a)は正面図 (b)は側面図
【図5】図3に示す熱圧力印加装置を用いる場合のサン
プル支持台
プル支持台
【図6】図3に示す熱圧力印加装置により熱圧力印加さ
れた部分の拡大図
れた部分の拡大図
【図7】保護層切削装置
【図8】(a)、(b)、(c)及び(d)は従来の画
像表示における発熱体による熱可逆記録媒体の影響を表
わした図。
像表示における発熱体による熱可逆記録媒体の影響を表
わした図。
101 印字ヘッド、熱ヘッド 101−1 熱圧力印加部 102 サンプル支持台 102−1 Al板 102−2 フッ素ゴム 102−3 ステンレス板 103 エアレギュレータ及びフィルター 104 エアゲージ 105 印字タイマー 106 ONE SHOTスイッチ 107 印字シリンダー 108 ヒーター及び温度センサー 109 コントロールボックス 110 ホットスタンプ用指令スイッチ 111 電源スイッチ 112 温調器 113 温度警報ランプ 301 熱可逆記録媒体 302 支持台 303 表面切削用部材 304 表面切削用部材移動方向
Claims (12)
- 【請求項1】 樹脂母材、及び樹脂母材中に分散された
有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度が
可逆的に変化する感熱層を有する熱可逆記録媒体におい
て、該感熱層の軟化開始温度(TA)が、該有機低分子
物質の高温結晶化温度(TB1)と低温結晶化温度(T
B2)の間にあり、TB1が80℃以上であり、かつTB
1とTB2との関係が、下記式を満足することを特徴とす
る熱可逆記録媒体。 TB1−TB2≧40℃ - 【請求項2】 前記TAと前記TB1との関係が、下記
式を満足することを特徴とする請求項1記載の熱可逆記
録媒体。 TB1−TA≧10℃ - 【請求項3】 前記TAと前記TB1との関係が、下記
式を満足することを特徴とする請求項2記載の熱可逆記
録媒体。 TB1−TA≧20℃ - 【請求項4】 前記TAと前記TB2との関係が、下記
式を満足することを特徴とする請求項1記載の熱可逆記
録媒体。 TA−TB2≧10℃ - 【請求項5】 前記TAと前記TB2との関係が、下記
式を満足することを特徴とする請求項4記載の熱可逆記
録媒体。 TA−TB2≧20℃ - 【請求項6】 前記TAが、80℃以上であることを特
徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載の熱可逆記
録媒体。 - 【請求項7】 前記TB2が、35℃以上であることを
特徴とする請求項1、2、3、4、5、又は6記載の熱
可逆記録媒体。 - 【請求項8】 熱圧力段差量が、40%以下であること
を特徴とする請求項1記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項9】 熱圧力段差変化率が、70%以下である
ことを特徴とする請求項8記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項10】 前記樹脂母材を構成する樹脂が、架橋
されていることを特徴とする請求項8又は9記載の熱可
逆記録媒体。 - 【請求項11】 前記樹脂母材を構成する樹脂が、架橋
剤を用いて架橋されたものであることを特徴とする請求
項10記載の熱可逆記録媒体。 - 【請求項12】 前記樹脂母材を構成する樹脂が、電子
線又は紫外線により架橋されたものであることを特徴と
する請求項10記載の熱可逆記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6232122A JPH08112971A (ja) | 1993-09-03 | 1994-09-01 | 熱可逆記録媒体 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-243879 | 1993-09-03 | ||
JP24387993 | 1993-09-03 | ||
JP6-224273 | 1994-08-25 | ||
JP22427394 | 1994-08-25 | ||
JP6232122A JPH08112971A (ja) | 1993-09-03 | 1994-09-01 | 熱可逆記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08112971A true JPH08112971A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=27330878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6232122A Pending JPH08112971A (ja) | 1993-09-03 | 1994-09-01 | 熱可逆記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08112971A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002248870A (ja) * | 2001-02-27 | 2002-09-03 | Ricoh Co Ltd | 熱可逆記録媒体、カード及びラベルと画像処理方法 |
JP2007292636A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Toppan Printing Co Ltd | 高分子結晶化度測定法 |
-
1994
- 1994-09-01 JP JP6232122A patent/JPH08112971A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002248870A (ja) * | 2001-02-27 | 2002-09-03 | Ricoh Co Ltd | 熱可逆記録媒体、カード及びラベルと画像処理方法 |
JP2007292636A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Toppan Printing Co Ltd | 高分子結晶化度測定法 |
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