JPH08110070A - 加熱式加湿器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトで、蒸発皿の清掃が簡単に行え、
転倒時に熱湯が流出することがない加湿器を得る。 【構成】 蒸発皿２にタンク受け具１０を置き、ここに
カートリッジ式タンク９から給水する。また、蒸発皿２
と発熱体５とを分離し簡単に蒸発皿２の取り外しが行え
るようにした。さらに、熱湯吸収スペース１４を設けた
蒸気ガイド１３を蒸発皿の上に圧着固定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、水を加熱して生じた
蒸気によって室内空間を加湿する加湿器に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は、例えば特開平４−９８０３１号
公報に示された従来の加湿器である。図において、１は
加湿器の本体器枠、２は蒸発皿、３は水槽、４は蒸発皿
２と水槽３を連結する導水管、５は蒸発皿２を加熱する
発熱体、６は蒸発皿２の上端外周部に載置される二重の
吸水材、７はカバー、８は蒸気排気口、９は水タンクで
ある。吸水材６には界面活性剤が含浸されている。

【０００３】上記のように構成した加湿器の作用を説明
する。水タンク９内の水は水槽３、導水管４を介して蒸
発皿２の中に導かれる。このとき、発熱体５に通電する
と蒸発皿２内の水は沸騰蒸発し、蒸気排気口８より室内
に放出される。

【０００４】一般に水道水の中には水溶性不純物（カル
シウム、マグネシウムなど）が含まれており、水道水を
蒸気化させると不純物は蒸発せずスケール分として蒸発
皿２内に析出していく。沸騰により蒸発皿２の水面に生
じた泡は吸水材６まで達し、泡の水分により吸水材６に
含浸されている界面活性剤が溶け出し、泡発生量がさら
に多くなる。

【０００５】ところで泡の一部は吸水材６の内面に絶え
ず接触しており、泡に含まれる析出スケールは吸水材６
の隙間に蓄積されていくので蒸発皿２内の析出スケール
はろ過されることになる。また、泡の一部は吸水材２の
上端面を乗り越え二重の吸水材６の中央の空間にたま
り、そこでスケール分がろ過される。以上に述べた吸水
材の効果により蒸発皿２内にたまるスケールの量を減少
させてスケール堆積による熱伝導の悪化を防止し、メン
テナンスとしては吸水材６を交換するだけで、蒸発皿２
の清掃の手間を省くことを狙っている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成した
従来の加湿器では以下のような問題があった。即ち、蒸
発皿２と水槽３とを導水管４で連結する構造となってい
るため、加湿器のコンパクト化に限界がある。また、吸
水材６と蒸発皿２の間のお湯の循環は泡の上昇を利用し
ているが、その循環量は僅かであるので、析出スケール
を全てろ過することができず、結局、蒸発皿２の中にも
スケールが堆積していく。

【０００７】しかし、蒸発皿２の着脱が可能でないた
め、スケールの清掃には、手間がかかる。また、転倒時
の熱湯流出を防ぐ工夫が全く施されてないので転倒時に
は熱湯が流出する。さらに、温められた蒸発皿２の水が
導水管４を通って水槽３内に入ってきてしまうので水槽
３内の水温も上昇する。

【０００８】この発明は、上記の課題を解決するために
なされたもので、コンパクトで、蒸発皿のスケールの清
掃が簡単に行え、転倒時に熱湯が流出することがなく、
さらに、タンクの水の補給が安全に行える加湿器を得る
ことを目的とする。

【０００９】第１の発明は、コンパクトな構成で使い勝
手の良い加熱式加湿器を得ることを目的とする。

【００１０】第２の発明は、蒸発水溜部材の清掃性を向
上することができる加熱式加湿器を得ることを目的とす
る。

【００１１】第３の発明は、熱効率を向上することがで
きる加熱式加湿器を得ることを目的とする。

【００１２】第４の発明は、加湿器本体の転倒時などの
異常状態で、熱湯の流出を確実に防止できる加熱式加湿
器を得ることを目的とする。

【００１３】第５の発明は、蒸発水溜部材からの熱湯の
逆流を防ぐことができる加熱式加湿器を得ることを目的
とする。

【００１４】第６の発明は、タンク内の水温低下を図る
ことができ、しかも、蒸発水溜部材の熱湯量を少なくし
て、転倒時などの異常状態における熱湯流出防止の助け
とすることができる加熱式加湿器を得ることを目的とす
る。

【００１５】

【課題を解決するための手段】第１の発明では、加熱蒸
発によって加湿を行うための水を収容する蒸発水溜部材
に、カートリッジ式タンクのためのタンク受部を設け、
このカートリッジ式タンクから給水するようにした。

【００１６】第２の発明では、発熱体を蒸発水溜部材か
ら分離可能として、蒸発水溜部材を着脱自在にした。

【００１７】第３の発明では、蒸発水溜部材の装着時
に、この蒸発水溜部材と圧着するパッキン部材を有し、
発熱体を収納する密閉空間を作る仕切部材を設けた。

【００１８】第４の発明では、熱湯吸収スペースを設け
た蒸気ガイドを水密用パッキンを用いて蒸発水溜部材の
上方に圧着固定するようにした。

【００１９】第５の発明では、タンク受部の内部水路に
おいて、その一部が他の部分よりも高い位置となるよう
に高低差をつけるようにした。

【００２０】第６の発明では、タンク受部に中空の断熱
層を設けるようにした。

【００２１】この発明では、具体的に次の手段を採る。
この発明にかかる加湿器は蒸発皿の略中央部に凸部を設
けこの凸部にタンク受け具を置きカートリッジ式タンク
から給水する構造としたものである。

【００２２】また、発熱体を蒸発皿より分離して蒸発皿
を着脱可能とし、さらに、中仕切りと水密用パッキンと
で密閉空間を作り、そこに発熱体を収納したものであ
る。

【００２３】また、熱湯吸収スペースを設けた蒸気ガイ
ドを水密用パッキンを用いて蒸発皿上方に圧着固定した
ものである。

【００２４】また、タンク受け具の内部水路に高低差を
つけ、さらに、タンク受け具に中空の断熱層を設けたも
のである。

【００２５】

【作用】第１の発明においては、蒸発水溜部材に設けら
れたタンク受部のカートリッジ式タンクから給水され
る。

【００２６】第２の発明においては、発熱体が蒸発水溜
部材から分離可能とされ、蒸発水溜部材が着脱自在に構
成される。

【００２７】第３の発明にいおては、仕切部材は、蒸発
水溜部材の装着時に、この蒸発水溜部材と圧着するパッ
キン部材を有し、発熱体を収納する密閉空間を形成す
る。

【００２８】第４の発明においては、熱湯吸収スペース
を設けた蒸気ガイドが水密用パッキンを用いて蒸発水溜
部材の上方に圧着固定される。

【００２９】第５の発明においては、タンク受部の内部
水路は、その一部が他の部分よりも高い位置となるよう
に高低差がつけられる。

【００３０】第６の発明においては、タンク受部に設け
られた中空の断熱層は、タンク内の水温低下を図るとと
もに、蒸発水溜部材の熱湯量を少なくする。

【００３１】この発明においては、次のような具体的な
作用を行う。上記のように構成された加湿器において
は、蒸発皿の略中央部にタンク受け具を置く構造にした
ことによって、コンパクト化を図ることができる。

【００３２】また、蒸発皿の着脱が可能となるので、蒸
発皿の清掃性が向上する。さらに、発熱体が密閉空間に
収納されているので、熱効率が良い。

【００３３】また、熱湯吸収スペースを設けた蒸気ガイ
ドを圧着固定することにより、転倒時には、熱湯はその
スペースに飲み込まれて流出を防ぐことができる。

【００３４】また、タンク受け具の内部水路に高低差を
つけることにより、タンク内の水温の上昇を抑えること
ができる。さらに、タンク受け具に中空の断熱層を設け
ることによっても、タンク内の水温低下は図ることがで
き、その上、蒸発皿の熱湯量を少なくすることもできる
ので転倒時の熱湯流出防止効果の助けにもなる。

【００３５】

【実施例】図１はこの発明の一実施例である加湿器を示
すもので、図において１は加湿器の本体器枠、２は皿状
の蒸発水溜部材（以下、蒸発皿という）、５は蒸発皿２
を加熱する発熱体、７はカバー、８は蒸気排気口、９は
カートリッジ式の水タンクである。ここで、蒸発皿２と
発熱体５は分離しているのが従来例とは異なる。

【００３６】１０は壁１６で作られた中空の断熱層１５
と水しきり１７で内部水路に高低差を設けたタンク受け
具からなるタンク受部、１１は水密用パッキン、１２は
送風ファン、１３は蒸気ガイドでそれを留め具１９によ
り水密に固定されている。１４は熱湯吸収スペース、１
８は発熱体５を密閉空間に収納する中仕切り、２０は弁
である。

【００３７】次に、上記のように構成されたこの発明の
実施例における作用を説明する。水タンク９をタンク受
け具１０上方より挿入すると弁２０が開き、水タンク９
内の水はタンク受け具１０を介して蒸発皿２の中に導か
れる。このとき、発熱体５に通電すると蒸発皿２内の水
は沸騰蒸発し、蒸気排気口８で送風ファン１２より送ら
れてきた空気で冷やされてから室内に放出される。

【００３８】ここで、蒸発皿２の略中央部に凸部を設け
この凸部にタンク受け具１０を置き発熱体５をこの段部
の外縁に配置する構造となっているので、蒸発皿２と水
槽３とが従来のように導水管４で連結されたものと比べ
てコンパクトにすることができる。

【００３９】また、蒸発皿２と発熱体５は分離していて
簡単に蒸発皿２を取り外すことができ、さらに発熱体５
は中仕切り１８と水密用パッキン１１とで作られた密閉
空間に収納されているので熱効率が良い。

【００４０】水密用パッキン１１と留め具１９により蒸
気ガイド１３は水密に固定されているので、転倒時に
は、熱湯は熱湯吸収スペース１４に飲み込まれ本体枠外
部に流出しない。

【００４１】また、タンク受け具１０に中空の断熱層１
５を設けてあるので、蒸発皿２に満たされている熱い水
からの熱伝導を小さくすることができる。また、中空の
断熱層１５には熱湯の量を減らす効果もある。

【００４２】さらに、蒸発皿２からタンク受け具１０の
中に逆流してきた熱い水は、タンク受け具の内部水路
に、その一部が他の部分よりも高い位置になるように高
低差をつけているので、流入を防げる仕組みになってい
る。

【００４３】以上説明したように、この発明の実施例で
は、蒸発皿の略中央部にタンク受け具を置く構造にした
ことによって、コンパクト化を図ることができる。

【００４４】また、蒸発皿の着脱が可能となるので、蒸
発皿の清掃性が向上する。さらに、中仕切りと水密用パ
ッキンとで密閉空間を作り、そこに発熱体を収納したこ
とにより、熱効率が上がる。

【００４５】また、熱湯吸収スペースを設けた蒸気ガイ
ドを圧着固定することにより、転倒時には、熱湯はその
スペースに飲み込まれて流出を防ぐことができる。

【００４６】また、タンク受け具の内部水路に高低差を
つけることにより、タンク内の水温の上昇を抑えること
ができる。さらに、タンク受け具に中空の断熱層を設け
ることによっても、タンクの水温低下は図ることがで
き、その上、蒸発皿の熱湯量を少なくすることもできる
ので転倒時の熱湯流出防止効果の助けにもなる。

【００４７】

【発明の効果】第１の発明によれば、コンパクトな構成
で使い勝手の良い加熱式加湿器を得ることができる。

【００４８】第２の発明によれば、蒸発水溜部材の清掃
性を向上することができる加熱式加湿器を得ることがで
きる。

【００４９】第３の発明によれば、熱効率を向上するこ
とができる加熱式加湿器を得ることができる。

【００５０】第４の発明によれば、加湿器本体の転倒時
などの異常状態で、熱湯の流出を確実に防止できる加熱
式加湿器を得ることができる。

【００５１】第５の発明によれば、蒸発水溜部材からの
熱湯の逆流を防ぐことができる加熱式加湿器を得ること
ができる。

【００５２】第６の発明によれば、タンク内の水温低下
を図ることができ、しかも、蒸発水溜部材の熱湯量を少
なくして、転倒時などの異常状態における熱湯流出防止
の助けとすることができる加熱式加湿器を得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す断面図である。

【図２】この発明の実施例のタンク受け具を示す要部断
面図である。

【図３】従来の加湿器の一例を示す断面図である。

【符号の説明】

３ 水槽 ５ 発熱体 ６ 吸水材 １０ タンク受け具からなるタンク受部 １１ 水密用パッキン １３ 蒸気ガイド １４ 熱湯吸収スペース １５ 断熱層 １７ 水しきり １８ 中仕切り １９ 留め具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤堀 克幸 群馬県新田郡尾島町大字岩松800番地 三 菱電機株式会社群馬製作所内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱による蒸発によって加湿を行うため
   の水を収容する蒸発水溜部材と、この蒸発水溜部材の水
   を加熱する発熱体とを備え、前記蒸発水溜部材に、カー
   トリッジ式タンクのためのタンク受部を設け、このカー
   トリッジ式タンクから給水するようにした加熱式加湿
   器。
2. 【請求項２】 発熱体を蒸発水溜部材から分離可能とし
   て、蒸発水溜部材を着脱自在にした請求項１記載の加熱
   式加湿器。
3. 【請求項３】 蒸発水溜部材の装着時に、この蒸発水溜
   部材と圧着するパッキン部材を有し、発熱体を収納する
   密閉空間を作る仕切部材を設けた請求項２記載の加熱式
   加湿器。
4. 【請求項４】 熱湯吸収スペースを設けた蒸気ガイドを
   水密用パッキンを用いて蒸発水溜部材の上方に圧着固定
   した請求項１記載の加熱式加湿器。
5. 【請求項５】 タンク受部の内部水路において、その一
   部が他の部分よりも高い位置となるように高低差をつけ
   たことを特徴とする請求項１記載の加熱式加湿器。
6. 【請求項６】 タンク受部に中空の断熱層を設けた請求
   項５記載の加熱式加湿器。