JP4872810B2 - 美容器 - Google Patents

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Description

本発明は、美容器に関し、詳しくは例えば使用者の肌にスチームやミストにより温あるいは冷の熱的刺激を与える美容器に関するものである。
従来から、超音波式を利用してミストを発生させ、このミストをスチームに混合して熱くなく充分に水分を含んだもの、或いはミストとスチームとを切り替えてそれぞれを単独に、人体の肌に当てるようにした美容器が知られている(例えば特許文献1)。
ところがスチームやミスト発生のために用いた水を、使用後に本体内部に残ったままで長期放置しておくと、水質の悪化によりカルシウム塩等の不純物が多量に含まれて、流体粘度を増した水になり易く、この場合、流体からのスムーズな気化が進まないために、流体表面及び内部から急峻な沸騰を生じるなど、安定的な気化現象が得られないという問題が生じる。
そこで他の従来例として、超音波振動により発生させたミストに含まれる雑菌の吸引対策として、ヒータにより液体を加熱させてから霧化する方式のミスト発生機構を備えたものが知られている(例えば特許文献2参照)。
ところが、ヒータの運転初期段階では、水の加熱が不十分のままスチームあるいはミストがノズルから噴出するおそれがある。特に最近は、レジオネラ菌、大腸菌O157などによる問題が発生し、病原菌に対する衛生管理上の関心が急速に高まり、人体にスチームやミストを当てる美容機器の分野でも水の管理が重要な課題となっている。
登録実用新案第3054750号公報 特開平11−99189号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、使用後の定期的な排水を快適且つ安全に行なうことができると共に、運転初期から残水ではなく新たな純水を供給でき、不純物が多量に含まれたスチームやミストが噴出するおそれがなく、衛生管理にも十分に対処し得る美容器を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するために本発明は、給水経路24から供給される水を加熱して発生させたスチームを放電により微細化してスチームノズル1から噴出させるスチーム発生機構10と、給水経路24から供給される水とポンプ46から圧送される空気とを混合して得られるミストをミストノズル2から噴出させるミスト発生機構20との少なくとも一方を本体A内に収納した美容器であって、上記本体A内の残水を排水する排水経路80と、上記排水経路80を開閉操作する排水ボタン16と、上記本体Aに回転支点18を支点にして回動自在に取り付けられた排水カバー19とを備え、上記排水カバー19は開いた状態で排水カバー19の裏面19bの一端19aが上記排水経路80に連通する排水口17に臨んで配置されると共に裏面19bの他端19cが上記本体Aの外部に開放される樋形状に形成されており、且つ上記排水カバー19は閉じた状態で上記排水口17と上記排水ボタン16とを内包するような形状となっていることを特徴としている。
このような構成とすることで、排水時に排水カバー19を回転支点18を支点にして開くと、樋形状をした裏面19bが現れ、この裏面19bが排水レールとして機能するので、排水時に指等への熱水が接触するのを防止できるようになる。しかも運転初期から残水ではなく新たな純水を供給できるようになるので、不純物が多量に含まれたスチームやミストが噴出するおそれをなくすことができる。
また、上記排水カバー19は閉じた状態で排水口17と排水ボタン16とを内包する形状となっているので、排水カバー19を開かない限りは排水ボタン16を押せないので不用意に排水されることによる使用性の悪化と排水熱水への接触が防止できるようになる。
また、上記排水カバー19は開いた状態で排水カバー19の一端19aが上記排水口17とオーバーラップする位置まで突出する形状となっているのが好ましく、この場合、排水口17と排水カバー19の一端19aとの間に隙間が生じないので、隙間Sからの排水漏れを防止でき、熱水などのこぼれがなく、より安全性を高めることができる。
本発明は、排水時に排水カバーの樋形状をした裏面を利用して排水が行なわれるので、排水時に指等への熱水が接触するのを防止でき、使用後の定期的な排水を快適且つ安全に行なうことができると共に、運転初期から残水ではなく新たな純水を供給できるようになるので、不純物が多量に含まれたスチームやミストが噴出するおそれがなく、人体にスチームやミストを当てる美容器の衛生管理にも十分に対処し得るものである。また、排水カバーを開かない限りは排水ボタンを押せないので不用意に排水されることによる使用性の悪化と排水熱水への接触が防止できるようになる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図2は本発明の美容器の外観図を示している。美容器の本体Aの天面73にはスチームノズル1とミストノズル2とが取り付けられたノズルカバー12が設けられている。ノズルカバー12は所定角度(例えば、25〜55°)で回動可能とされ、これによりノズルカバー12と一体化されているスチームノズル1及びミストノズル2の向きがそれぞれ回動可能とされる。
ここで、図3はスチームノズル1とミストノズル2の配置の一例を示す。図3の例では施術方向から見てノズルカバー12に設置されるスチームノズル1は左側、ミストノズル2は右側に配置されている。この図3においては、ノズルカバー12に設置されたスチームノズル1から噴出されるスチームの流線S1とミストノズル2から噴出されるミストの流線M1を最適施術距離Pで交差させるようミストノズル2の角度或いはスチームノズル1の角度のいずれか一方の角度を調整可能としている。また、最適施術距離Pを本体A中心上に相対的に移動させ最適施術距離Qとしてスチームの流線S2とミストの流線M2が得られるようにスチームノズル1とミストノズル2の両方の角度を調整可能としている。さらに図4に示すように、1つのノズルカバー12内に2つのノズル1,2を設置せず、それぞれ角度調整可能に独立させたノズルカバー12a,12bにスチームノズル1とミストノズル2とを各々設置してもよいものであり、この場合、スチーム吐出角度とミスト噴出角度を個々に調整可能となるので、使用用途が広がる。
本体Aの天面73の前部には、電源ボタン3と運転制御ボタン4と使用コース選択ボタン5とが並べて配置されている。電源ボタン3は機械的スイッチとし、本体Aの暴走時でも確実に本体動作を停止できるようにする。運転制御ボタン4は本体Aの運転開始と運転停止の機能を有する。使用コース選択ボタン5は後述する任意の使用コースを選択するために用いる。各ボタン3〜5からの入力信号はマイコンで構成される制御回路に送られる。
本体Aの天面73の後部には、上方に開放された凹状のタンクホルダー22を設け、このタンクホルダー22内に給水タンク6が垂直方向に取り外し可能に収納されている。本実施形態の給水タンク6は規定量(例えば、120ml)の水を溜めるものであり、本体蓋7を開いた状態でプッシュ操作で上方にポップアップさせることができ、また取り付ける時はプッシュ操作でフック固定される構造となっており、着脱操作の容易化が図られている。
上記本体Aの天面73は、本体蓋7により開閉自在とされる。本体蓋7は、本体Aに設けたヒンジ部11により回転可能に取付けられており、美容器の使用時には開姿勢、収納時には閉姿勢に保たれる。閉姿勢では上記各ノズル1,2、ノズルカバー12、各種ボタン3〜5、給水タンク6がそれぞれ覆い隠される。本体蓋7のヒンジ部11にはリードスイッチ(図示せず)が内蔵されている。このリードスイッチは、本体蓋7の姿勢を検知するものであり、本体蓋7の開姿勢ではONとなって、運転制御ボタン4と使用コース選択ボタン5の操作が電気的に可能な状態とし、一方、本体蓋7の閉姿勢ではOFFとなり、本体Aの全ての動作を停止する安全スイッチとして機能する。
本体Aの外側には持ち運び用の取手8が取り付けられる。本例では取手8の両端は、ハウジング13の両側壁に設けた取付部により図2(c)の矢印dで示す上下回りに回動可能に取付けられていると共に、本体蓋7を開いた状態では図2(b)のように本体蓋7が邪魔をして取手8を上方に回動させることができない設計としている。これにより、取手8を持って持ち運ぶ時は本体蓋7を閉じた状態としなければ持ち運び可能角度まで取手8を回動させることができないため、持ち運ぶ時は必ず本体動作が前述したヒンジ部11内蔵のリードスイッチによって停止され、安全性が向上する。ここでいう安全性とは、持ち運び時の不用意な人体へのスチームの接触や、本体Aの傾き等による突沸への接触による火傷に対してである。
また、本体Aのベース14の底面には、傾斜検知スイッチ15が設置される。本体Aが定位置から傾いたり浮きあがったりした場合は傾斜検知スイッチ15が飛出してONとなり、このとき本体Aの全ての動作を停止する安全スイッチとして機能する。この傾斜検知スイッチ15は、使用中に本体Aが倒れた場合や、取手8を使用せずに本体蓋7が開いた状態のままで本体Aが持ち運ばれた場合の安全性確保に有効である。
本体Aの底部には電源コード9が配線されている。電源コード9は例えばハウジング13とベース14とで挟み固定され、ベース14はハウジング13とネジ止め固定される。
次に、本体Aに内蔵されるスチーム発生機構10とミスト発生機構20とを順次説明する。
先ず、スチーム発生機構10を説明する。スチーム発生機構10は、図5に示すように、給水タンク6から供給される水を加熱してスチームを発生させるスチームボイラー23と、発生させたスチームを微細化(イオン化)するための放電部74と、微細化したスチームを噴出するスチームノズル1とで主体が構成されている。
本実施形態では、給水タンク6を着脱自在に取付けるためのタンクホルダー22が、ハウジング13にネジ止め固定されており、このタンクホルダー22とスチームボイラー23とが弾性部材(例えば、シリコンゴム)で形成された給水経路24で接続されている。スチームボイラー23には、スチームヒータ25がネジ止め固定されていると共に、スチーム経路26が接続固定されている。スチーム経路26にはジャバラ状の弾性部材27(例えば、シリコンゴム)が接続され、ノズルパッキン28と接続されたノズルホルダー29がジャバラ状の弾性部材27と接続される。ノズルパッキン28にはスチームノズル1が接続固定される。スチームボイラー23のスチームヒータ25との接続部に沸騰室30を設け、その水容積をスチームヒータ25の消費電力に対して最も気化効率の良い最少容積に設計する。スチームボイラー23はハウジング13にネジ止め固定される。
マイコンを搭載した表示回路33には、運転制御ボタン4と使用コース選択ボタン5と本体動作状態をお知らせするLEDとを配設し、前述したリードスイッチと傾斜検知スイッチ15とスチームヒータ25の放熱面にネジ止め固定されたヒータサーミスタ35と後述する水温サーミスタ36とを接続する。電源回路34にはスチームヒータ25と高圧回路32と表示回路33と電源ボタン3と電源コード9とが接続される。ここで、給水経路24の分岐部Gを三股に分岐させ、ミスト発生機構20側と排水口17側へ接続する。
さらに、上記スチーム経路26には放電部74が設けられる。放電部74は、高圧回路32に接続された放電針31,31’をスチーム経路26に面して設置したものであり、放電針31,31’からの高圧放電によってスチームが微細化される。図8は放電針31,31’の配置構造の一例を示している。スチーム経路26には電極ホルダー67が対極位置に接続され、電極ホルダー67は放電針31,31’(例えば、φ0.5AgPd材)と一体で形成される。放電針31,31’は高圧回路32に接続され、放電針31,31’は高圧側、放電針31,31’は対地側とする。
本例では図8に示すように、放電針31,31’の全周に亘って、それぞれ、同軸状に吸水体70として繊維物(例えば、不織布)を設置し、この吸水体70と電極ホルダー67を内包するよう絶縁体71(例えば、シリコンゴム又はテフロン(登録商標))を設置する。ここで吸水体70から放電針31,31’を0.5〜1.0mm突出させ吸水体70に放電針31,31’が全て埋まるのを防止し、且つ、それ以外の放電針31,31’全周を吸水体70で覆うように構成するのが好ましい。また、矢印はスチームの流れを示し、Yはスチームボイラー23側、Zはスチームノズル1側を示す。ここでは、吸水体70が不織布からなり、不織布の外表面に突出している毛羽状の繊維物72により放電針31,31’先端の電界が安定するため放電効率が一層向上する。つまり、繊維物のほつれや毛羽立ちを利用して電界分布の乱れ防止効果を一層高めることができるものである。さらに、放電針31,31’の中間部に放電針31,31’と直角方向に中間電極68(例えば、φ0.7Pt材)を設置し、中間電極68は中間電極保持部材69(例えば、SUS304)で保持される。中間電極保持部材69はスチーム経路26に圧入固定される。放電針31,31’による高圧放電が中間電極保持部材69を介さず、中間電極68のみを経由して行われるように中間電極68の位置を設定する。中間電極68を経由して対地側である放電針31,31’に放電する構造を採用することで、放電に必要な絶縁破壊電圧が低下するので、放電針31に低い電圧を印加しても放電を容易に生成できるようになる。
上記スチーム発生機構10の動作形態は、給水タンク6から給水された水は給水経路24を通ってスチームボイラー23へ供給され、一定の水位Wで安定する。スチームヒータ25がONになると沸騰室30の水が加熱気化され、沸騰室30上部からスチームとなってスチーム経路26を通ってスチームノズル1から噴出される。スチーム経路26を通る時、放電針31,31’によって高圧放電を受けることで、スチームは微細化(イオン化)される。また、沸騰室30を気化効率の良い最少容積に設計することで少量水加熱が行なえ、スチーム発生開始時間が早くなり、人体のスチーム発生待ち時間を短縮できる。スチーム化によって沸騰室30内の水が減少し水位が低下してくると水位Wで安定しようとするため給水タンク6からの給水が開始され、これを繰返しながらスチームを噴出する。給水タンク6内の水がなくなり沸騰室30内の水位が低下し続けるとスチームヒータ25の温度が上昇し、設定温度を超えるとヒータサーミスタ35がこれを検知してスチームヒータ25をOFFする。すなわち空焚き防止を行ない発火発煙等に対する安全性を確保するよう設計してある。また、給水タンク6以外を使用し過剰に給水された場合にはタンクホルダー22のオーバーフロー孔54からオーバーフローさせ排水口17とオーバーフロー孔54とを接続する排水経路80に排水される。オーバーフロー孔54は沸騰室30での突沸がスチームノズル1から飛び出さない位置に設置し、沸騰室30の水位を危険域まで上昇させないように設計する。また、上記スチームボイラー23からスチームノズル1へ向かってスチームが流れるスチーム経路26において、高圧側である放電針31,31’から放電が開始し、中間電極68を経由して対地側である放電針31,31’に放電する。このときイオン発生電界が集中する放電針31,31’先端に結露水が付着すると、イオン発生効率が極めて著しく妨げられる。またこのとき本例では、不織布からなる吸水体70により放電針31,31’へ付着するスチームによる結露を吸水させることで電界分布の乱れが防止できる構造となっている。
次に、ミスト発生機構20を説明する。ミスト発生機構20は、前述した分岐部Gと接続された弾性部材で形成される給水経路24が加熱部37に接続されている。加熱部37にはミストヒータ38がネジ止め固定され、ダンパー39を内包する。ダンパー39は下方に流入口40を備え、上方に流出口41を備え、両者40,41間を板状の格子材42で例えば4層に区切っている。ここで流入口40から流出口41までの経路長が最長となるように格子材42で何層にも区切ることが好ましいが、格子材42間の距離が狭すぎると経路抵抗が増加するためミスト量が減少し好ましくない。また格子材42間距離を最適値に保って層を増加させ過ぎても、ダンパー39の水容積が増大して除菌条件(例えば、80℃/30秒以上)を達成するのに時間がかかってしまう。よって、ミストヒータ38の消費電力に対して効率良く除菌条件を達成できるダンパー39の水容積を設計した後、格子材42間距離を最適値に保って層を形成する。ダンパー39の流入口40には水温サーミスタ36をその測温部がダンパー39内に位置するよう設置する。また、流入口40の面積は水の流入性を損なわない最少面積で形成する。ダンパー39の流出口41は液体供給路43に接続され、液体供給路43は放熱部材44(例えば、アルミフィン)内を通ってノズルホルダー29にフック固定されたミストノズル2に連通している。ノズルホルダー29はスチーム発生機構10で説明したノズルホルダー29と一体で形成したものである。放熱部材44と流出口41の間には気液交換室45が設置される。気液交換室45は円柱形状とし中心軸を水平方向に設置したものが好ましい。ミストノズル2にはポンプ46と接続される空気の送出経路47が接続される。ここで、送風ファン48を取付けたモータ49(送風部)を風上側に設置し、放熱部材44を風下側に設置し、各々を内包した送風供給路50を設置する。また送風供給路50の送風を放出する放出口51はミストノズル2と同軸状に設置する。送風供給路50の吸込口にはフィルター52を取付け、フィルター52はベース14底面に設置する。一方、上記加熱部37の上面(水位Wより上方であることが好ましい)には圧力開放口53を設け、水位Wより上方の位置でタンクホルダー22と接続する。ミストヒータ38とポンプ46とモータ49は電源回路34(図5)に接続する。
上記ミスト発生機構20の動作形態は、給水経路24によって加熱部37に水が供給されると、ダンパー39内にも流入口40から格子材42で区切られた経路を通って流入し、水位Wで安定する。本体運転開始と同時にミストヒータ38がONし、ダンパー39を含めた加熱部37の水を加熱する。ダンパー39内の水温を水温サーミスタ36で検知し、規定温度(例えば、80℃)以上になるとミストヒータ38をOFF、以下になるとONする動作を繰り返す。水温サーミスタ36はダンパー39内の水温が最も低い場所に設置することが好ましく、図6の例では流入口40に設置している。加熱部37の水温が上昇し始めると加熱部37内の水は対流を生じる。しかし、ダンパー39内の水の対流は格子材42により最小限に抑制されるため、ダンパー39内で温めている水はダンパー39から外へ出ず安定した水温上昇を得ることができる。また、ダンパー39外で対流している水や新しく給水経路24から給水された水についてもダンパー39の流入口40の面積を最少としていること、及び、ダンパー39内の水が動きにくいことにより、ダンパー39内へ流入しにくいものとなる。また、規定温度(例えば、80℃)は除菌条件から設定する。例えば、レジオネラ菌等を対象とした場合、本実施形態の加熱部37の構造では安全率を加味して水温80℃が30秒以上継続すると菌の死滅率100%となる。すなわちこれが除菌条件である。規定温度を高く設定すれば加熱必要時間を短くすることができるが加熱部37の水が沸騰してしまい、ミストノズル2から蒸気が噴出したりタンクホルダー22へ加熱部37の熱水が逆流して不安全な現象を生じるため好ましくない。
また本美容器においては、ミストのみの使用コースはなく、必ず運転開始はスチームを数分(例えば、5分)発生させる。この間に除菌条件を達成させミスト運転に移行する。よって、初期スチームの発生時間は除菌条件を達成できる時間に設定することが必要となる。除菌条件を達成したらポンプ46とモータ49の駆動が可能となる。ポンプ46がONするとポンプ46から噴出された空気は送出経路47を通ってミストノズル2から噴出される。ベンチュリー効果が発生するよう設計されたミストノズル2は液体供給路43を介してダンパー39内の温水を吸上げミストとして噴出する。さらに、ダンパー39内の水の加熱によって水中の溶存酸素がダンパー39内に気泡となって発生する。また液体供給路43内壁の段差によってもミストノズル2による水の吸上げ時、気泡が混在してしまう。これらにより発生した気泡が液体供給路43内の水を分断する。吸上げられた気泡は水で満たされた気液交換室45へ入ると上方へ移動し捕獲され水と交換される。よって気液交換室45を通った後の液体供給路43には気泡の混在がないものとなる。気液交換室45の体積は発生する空気以上に設計する。ここで、ポンプ46がON時は数秒間(例えば、1秒間)低速駆動させることが好ましい。これにより気液交換室45へ急激に吸上げ水が流入し気液交換室45内に空気を残したままミスト運転を開始することがなくなる。すなわちゆっくりと吸上げた水を気液交換室45へ流入させることで比重の軽い空気を先に全てミストノズル2から噴出し可能となり、気液交換室45は水で満たされるものとなる。低速駆動後は通常駆動に移行させる。また、モータ49がONすると送風ファン48が回転してフィルター52を通して本体A外部の空気を取り込む。取り込まれた空気は送風供給路50を通って放出口51から放出される。この時、送風供給路50に内包した放熱部材44を空冷し液体供給路43内の温水温度を低下させる。これによりミストノズル2から噴出されるミスト温度が低下し冷却感が向上する。また、放出口51から放出される空気が人体の肌に当たることで肌へ付着したミストによる水分の気化熱を奪い更に冷却感を向上させることができる。また、フィルター52は挨等を送風供給路50へ混入させないよう開効率あるいはメッシュ粗さを設計する。
次に、本美容器の使用開始から終了までの動作過程を説明する。
本体蓋7を開いた状態で、電源コード9を商用コンセントに差込み、美容器に電力を供給する。その後、電源ボタン3を押して、本体Aを動作可能状態とする。つまり、本体蓋7を開くと、ヒンジ部11に内蔵したリードスイッチが本体蓋7の姿勢を検知してONとなり、これにより運転制御ボタン4と使用コース選択ボタン5の操作がそれぞれ可能な状態となる。その後、使用コース選択ボタン5を押して、好みのコースを選択する。使用コース選択ボタン5は押す毎に使用コースが順次切り替るよう設定する。ここで、使用コースとは、スチームによる温とミストによる冷の発生時間と繰返し回数を肌への効果が最適となるよう設定したものであり、例えば、温と冷を同時に肌へ与えず、温度差による肌への刺激を重視するため交互に与えるように設定される。なお他の効果を得るためにスチームとミストを同時に与えることも可能である。任意の使用コースを決定したら、運転制御ボタン4を押すと、本体Aの運転が開始して選択した使用コースを実行する。
例えば、温と冷を交互に行なう使用コースを選択した場合、最初にスチーム発生機構10のみが駆動し、規定時間が経過してからスチームノズル1からスチームが噴出され、人体の肌へ温熱を与える。更に規定時間が経過するとスチームが停止し、ミスト発生機構20のポンプが駆動して、ミストノズル2からミストが噴出され、人体の肌を冷却する。更に規定時間が経過するとミストが停止し再びスチームが発生する。この動作を設定された回数と時間繰返し運転が自動終了する。なお、使用中に運転制御ボタン4又は電源ボタン3を押して運転を終了することも可能となるよう設計されている。
使用後に本体蓋7を閉じると、リードスイッチがOFFとなり、本体Aの全ての動作が不能な状態となる。
ここで、本発明においては上記構成の本体Aの背面に、図7に示すように、排水ボタン16と排水口17とが設けられると共に、回転支点18を支点にしてハウジング13に回動自在に取付けられた排水カバー19が設けられている。排水カバー19は開いた状態では、排水ボタン16と排水口17を内包するような形状に設計されている。
上記排水ボタン16は、図8に示すように、排水ボタンカバー56にスライド可能にフック固定されている。排水ボタンカバー56は排水口17と一体で形成される排水パイプ57にネジ止め固定される。排水パイプ57は分岐部Gで前述した給水経路24と接続される。排水ボタン16の背面に排水レバー58を配置し回転支点59で回転可能として排水パイプ57に固定される。排水パイプ57は弾性部材(例えば、シリコン)で形成された排水パッキン60を内包する。排水パッキン60はスライドバー61に取り付けたEリング66により固定され、スライドバー61に取り付けられたEリング63より下方に排水パッキン60が配置されている。排水パイプ57はタンクホルダー22にネジ止め固定され、これにより両部材57,22で排水パッキン60を挟み込みシール部62をシールする。スライドバー61に取り付けたEリング63の上部にスライドバー61を内周に通してバネ64を設置しEリング63をバネ64のストッパーとする。すなわちバネ64の外形はEリング63の外形より小さく設計する。また、バネ64上部のストッパーはタンクホルダー22とする。排水レバー58はEリング63の下方に配置し下向き回転時は排水パッキン60に接触する前に排水ボタンカバー56に接触するように形状を設計し排水パッキン60の傷つきを防止する。排水ボタン16と排水口17はハウジング13より外方へ突出させて配置する。
次に排水動作を説明する。排水前においては、バネ64がEリング63を下方へ押し下げる。これによりスライドバー61が押し下げられ、Eリング66及び排水パッキン60も押し下げられる。これにより排水パッキン60はシール部62をシールする。よって分岐部Gは水で満たされた経路であるがシール部62がシールされているため排水口17から水が流れ出ない。排水時は、排水カバー19を開いて横向きに倒して、排水ボタン16を押す。このとき排水レバー58が回転可動しEリング63を持ち上げる。これによってスライドバー61が上方ヘスライドし、Eリング66及び排水パッキン60が上方へ移動してシール部62を開口する。ここで、分岐部Gは、給水タンク6、スチーム発生機構10、ミスト発生機構20よりもそれぞれ低い位置に配置されており、排水口17は分岐部Gよりも更に低い位置に配置されているので、排水カバーを開いて排水ボタンを押し操作すると、本体内の残水が、図8(b)の矢印Mで示す方向に向けて、分岐部Gから排水口17へと流れ落ち、さらに排水カバーの樋形状をした裏面19bを伝って本体外部へと流出するようになる。
しかして、本美容器では、排水カバー19の閉じた状態(図1(a)の状態)では排水ボタン16が排水カバー19により内包されているため、排水カバー19を開かない限りは排水ボタン16を押せないので不用意に排水されることによる使用性の悪化と排水熱水への接触が防止できるため、快適且つ安全に使用できる。また、排水カバー19を開いた状態(図1(b)の状態)では、排水カバー19の裏面19bが樋形状となっているため、排水カバー19の裏面19bが排水レールとして機能して排水の流線方向を安定させることができるので、排水時に指等への熱水が接触するのを防止できる。つまり排水カバー19は排水熱水接触防止ガードとして機能するので、安全性が一層向上するものである。しかも、運転初期から残水ではなく新たな純水を供給できるようになるので、不純物が多量に含まれたスチームやミストが噴出するおそれがなくなり、顔面などにスチームやミストを当てる美容器の衛生管理面においても十分に対処し得るものとなる。
また本例では、排水口17と排水カバー19の一端19aとの間に隙間が生じないようにするために、排水カバー19の一端19aが排水口17とのオーバーラップ部21となっており、これにより、排水カバー19の一端19aと排水口17との隙間Sからの排水漏れを防止でき、熱水などのこぼれがなく、より快適且つ安全に使用できる利点がある。
本発明の一実施形態の美容器に用いられる排水カバーを示し、(a)は排水カバーを閉じた状態の断面図、(b)は排水カバーを開いた状態の断面図である。 (a)〜(c)は同上の美容器の本体蓋を開いた状態の斜視図、本体蓋を開いた状態の側面図、蓋を閉じた状態の側面図である。 同上のスチームノズルとミストノズルの配置の一例を示す斜視図である。 他の実施形態であり、同上のスチームノズルとミストノズルとを別体のノズルカバーにそれぞれ配置した例を示す平面図である。 同上のスチーム発生機構を説明する側面断面図である。 同上のミスト発生機構を説明する側面断面図である。 (a)は同上の排水カバーを開いた状態の斜視図、(b)は閉じた状態の斜視図である。 同上の放電部を説明する断面図である。
符号の説明
1 スチームノズル
6 給水タンク
10 スチーム発生機構
16 排水ボタン
17 排水口
19 排水カバー
19a 一端
19b 裏面
19c 他端
20 ミスト発生機構
24 給水経路
26 スチーム経路
46 ポンプ
80 排水経路
A 本体

Claims (2)

  1. 給水経路から供給される水を加熱して発生させたスチームを放電により微細化してスチームノズルから噴出させるスチーム発生機構と、給水経路から供給される水とポンプから圧送される空気とを混合して得られるミストをミストノズルから噴出させるミスト発生機構との少なくとも一方を本体内に収納した美容器であって、上記本体内の残水を排水する排水経路と、上記排水経路を開閉操作する排水ボタンと、上記本体に回転支点を支点にして回動自在に取り付けられた排水カバーとを備え、上記排水カバーは開いた状態で上記排水カバーの裏面の一端が上記排水経路に連通する排水口に臨んで配置されると共に裏面の他端が上記本体の外部に開放される樋形状に形成されており、且つ上記排水カバーは閉じた状態で上記排水口と上記排水ボタンとを内包するような形状となっていることを特徴とする美容器。
  2. 上記排水カバーは開いた状態で上記排水カバーの一端が上記排水口とオーバーラップする位置まで突出する形状となっていることを特徴とする請求項1記載の美容器。
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