JPH08109694A - ラス張り構造壁体を用いた床スラブ構造 - Google Patents

ラス張り構造壁体を用いた床スラブ構造

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JPH08109694A
JPH08109694A JP27565594A JP27565594A JPH08109694A JP H08109694 A JPH08109694 A JP H08109694A JP 27565594 A JP27565594 A JP 27565594A JP 27565594 A JP27565594 A JP 27565594A JP H08109694 A JPH08109694 A JP H08109694A
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lath
foamed resin
resin plate
net
structure wall
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JP27565594A
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Tamotsu Kawai
保 河合
Yukio Fukazawa
幸雄 深沢
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡樹脂板とラス網とを強固に一体化したも
のであって製造容易で且つ引っ張り強度、圧縮強度及び
剛性が高いラス張り構造壁体を提案した上、これを床ス
ラブ構造に利用することにより、上記施工方法における
打設可能なコンクリート厚さ等の適用範囲を拡張する。 【構成】 発泡樹脂板10の少なくとも一側面にラス網
20を熱溶着してなるラス張り構造壁体Bが、ラス網側
を下に向けて配置され、このラス張り構造壁体の上に配
筋6及びコンクリート7の打設が行われる。ラス張り構
造壁体Bとして、ラス網121の一側面に補強部材12
2を固定してなるラス体120と、熱溶融により形成さ
れ且つ上記補強部材が嵌入する凹陥部112を少なくと
も一側面に有する発泡樹脂板110とからなるものを用
いる。他側面にもラス網が熱溶着により又は補強部材の
凹陥部への嵌入により取り付けたものもある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄筋コンクリート造構造
物の床スラブ構造に係り、特に発泡樹脂板を捨て型枠と
して使用する構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄筋コンクリート造構造物におい
て床スラブ構造を施工する方法として、例えば特開平3
−208944号公報には、床下空間内に支保工を組み
立てた後、発泡樹脂板の一側面にプラスチックフィルム
を積層一体化した型枠兼用断熱板を、そのプラスチック
フィルム側を下に向けて支保工上に載置し、この型枠兼
用断熱板上に配筋し、コンクリートを打設する方法が開
示されている。この施工方法によれば、型枠兼用断熱板
は型枠の機能を兼ねると同時に、捨て型枠となるため、
型枠を別途敷設する必要がなく、またコンクリートの硬
化後は撤去する必要がなく、施工生に優れており、この
ため床面に型枠搬出用の開口を設けずに済み、これを塞
ぐ必要もなくなる。そして、施工後においては、型枠兼
用断熱板が床の断熱性に寄与する。しかも、プラスチッ
クフィルムにより、型枠兼用断熱板の引っ張り強度及び
剛性を確保でき、型枠としての自立性を確保することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の床スラブ構
造では、型枠兼用断熱板の強度から、例えば打設可能な
コンクリートの厚さ等に限界が出てくるが、この限界を
可及的に高めて上記施工方法の適用範囲を拡張したいと
いう要請がある。そのためには型枠兼用断熱板の引っ張
り強度及び剛性の向上は勿論のこと、支保工等により支
えられる関係から圧縮強度においても一層の向上を図る
必要がある。その場合、実現可能性の面からは、型枠兼
用断熱板自体の製造が容易であることも求められるとこ
ろである。
【0004】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、発泡樹脂板と
ラス網とを強固に一体化したものであって製造容易で且
つ引っ張り強度、圧縮強度及び剛性が高いラス張り構造
壁体を提案した上、これを床スラブ構造に利用すること
により、上記施工方法における打設可能なコンクリート
厚さ等の適用範囲を拡張することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の床スラブ構造は、鉄筋コンクリート造構
造物の床スラブ構造を対象とし、発泡樹脂板の少なくと
も一側面にラス網を熱溶着してなるラス張り構造壁体
が、ラス網側を下に向けて配置され、このラス張り構造
壁体の上に配筋及びコンクリートの打設が行われている
構成である。
【0006】請求項2は、請求項1の床スラブ構造にお
いて、発泡樹脂板の少なくとも一側面にラス網を熱溶着
してなるラス張り構造壁体に代えて、ラス網の一側面に
補強部材を固定してなるラス体と、熱溶融により形成さ
れ且つ上記補強部材が嵌入する凹陥部を少なくとも一側
面に有する発泡樹脂板とからなるラス張り構造壁体を備
える構成である。
【0007】請求項3は、請求項1又は2の床スラブ構
造において、ラス張り構造壁体の他側面にも、ラス網又
はラス体が、熱溶着により又は補強部材の凹陥部への嵌
入により取り付けられており、この他側面のラス網にコ
ンクリートが付着している構成である。
【0008】
【作用】請求項1では、床スラブ構造の施工時には、ラ
ス張り構造壁体は型枠の機能を兼ねると同時に、捨て型
枠となるため、型枠を別途敷設する必要がなく、またコ
ンクリートの硬化後は撤去する必要がない。その場合、
ラス張り構造壁体において発泡樹脂板とラス網が強固に
一体化されているので、引っ張り強度、圧縮強度及び剛
性が大きくなる。そして、施工後はラス張り構造壁体の
発泡樹脂板により床の断熱性が確保される。また、ラス
張り構造壁体自体は発泡樹脂板に、加熱したラス網を付
着させることにより製造される。さらに発泡樹脂板の表
面にラス網の熱溶着時に溶融して固まった再生層がで
き、この再生層が防水機能を発揮する。
【0009】請求項2の作用も請求項1と同様である。
その場合、ラス張り構造壁体においては、凹陥部が複数
あるときには凹陥部の側壁と補強部材との摩擦力等が相
互に作用する共ぎき作用によって補強部材の保持強度が
更に高くなる。また凹陥部の開口付近が三次発泡により
狭まっているから補強部材が凹陥部に強固に保持される
(ここで発泡樹脂板は例えば予備発泡した粒子を二次発
泡させることにより製造されるが、三次発泡とは上記二
次発泡に続く発泡を指すものである)。
【0010】請求項3では、ラス張り構造壁体の他側面
に取り付けられたラス網にコンクリートが付着するか
ら、ラス張り構造壁体とコンクリートとが強固に一体化
する。
【0011】
【実施例】以下、実施例を説明する。図1及び図2は、
本発明に係る鉄筋コンクリート造構造物の床スラブ構造
の実施例を示す。この実施例は、図3に示すように発泡
樹脂板10の一側面にラス網20を熱溶着してなるラス
張り構造壁体Bを、ラス網側を下に向けて配置し、この
ラス張り構造壁体Bの上に配筋及びコンクリートの打設
を行うことにより施工されている。その施工方法を、図
1及び図2により説明すると、基礎スラブ1上に適当な
間隔でサポート2を立て、その上に大引3を梁設し、更
に大引3上に根太4及び棧木5を敷き、この根太4及び
棧木5上にラス張り構造壁体Bを、ラス網側を下に向け
て敷設した後、スラブ筋6を配筋し、コンクリート7を
打設するという要領で行われる。
【0012】ここで、上記ラス張り構造壁体Bについて
詳述する。図3ないし図5に示すように、上記ラス張り
構造壁体Bにおいては、発泡樹脂板10の一側面にラス
網20が直に配置され、ラス網20の片面が、ほぼ全面
にわたって発泡樹脂板10に熱溶着している。すなわ
ち、ラス網20は厚さ方向において一部が発泡樹脂板1
0に入り込んで熱溶着しており、残りは外部に露出した
ままである。ここで上記発泡樹脂板10は、例えばサブ
ロク(縦1800mm,横900mm)程度の大きさで
50mm程度の厚さのものであるが、これは一例であっ
てそれ以外の寸法であってもよい。また材質は例えば発
泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンなどに代表される
発泡ポリオレフィンのほか、発泡スチロール、発泡ウレ
タン、発泡塩化ビニールなどが使用できるが、発泡樹脂
製の板であれば材質は問わない。一方、ラス網20は例
えば図4及び図5から分かるように薄板に孔が多数あけ
られた公知のもの(例えば薄板に多数のスリットを板面
に対して斜めに入れたあと、板を縦方向及び横方向に引
き延ばす方法により製造されるもの)や、細い鋼線を編
んでなる公知のものが使用できる。また発泡樹脂板10
のラス網側の表面には、ラス網20の熱溶着時に溶融し
て固まった再生層13が形成されている。上記ラス網2
0には防錆処理又は防水処理が施されている。すなわ
ち、このラス網20には、例えばコールタールなどのタ
ール系材料又は接着剤等が塗布され、或いは樹脂材料が
コーティングされている。
【0013】次に、上記ラス張り構造壁体Bの製造方法
を説明する。まず、図6に示すようにラス網20を、鉛
直方向及び水平方向にそれぞれ移動できるように設けら
れた一対の発熱板31,32で挟み、この発熱板31,
32によりラス網20を発泡樹脂板10の溶融温度を超
える温度まで加熱してラス網20の予熱を行う。この予
熱温度は、例えば発泡樹脂板10が発泡ポリスチレンの
場合には摂氏80度以上であればよいが、好ましくは摂
氏100度ないし210度、より好ましくは摂氏120
度ないし200度程度であり、発泡樹脂板10への押し
込み時間や押し込み圧力との関係で適宜選択できる。次
いで一方の発熱板31を退避させ、これに代えて図7に
示すように発泡樹脂板10をキャリア40で保持しつつ
搬入し、そして他方の発熱板32を上昇させてラス網2
0を加熱したままで発泡樹脂板10に押しつけ、ラス網
20の一部を発泡樹脂板10に熱溶着させる。その後に
発熱板32をラス網20から離して退避させ、発泡樹脂
板10及びラス網20に冷風又は冷水を当てるなどして
全体を強制的に冷却し、次にラス網20にタール系材料
又は接着剤等を塗布することにより防錆処理又は防水処
理を施して、製造を完了する。製造方法はこれに限られ
るものではなく、熱風炉中でラス網20を加熱したり、
発泡樹脂板10にラス網20を押圧したり、発泡樹脂板
10を押圧したり種々変更できることは勿論である。上
記製造方法によれば、ラス張り構造壁体Bの生産効率を
高めることができる。
【0014】従って、上記実施例においては、床スラブ
構造の施工時には、ラス張り構造壁体Bは型枠の機能を
兼ねると同時に、捨て型枠となるため、型枠を別途敷設
する必要がなく、またコンクリート7の硬化後は撤去す
る必要がない。このため、床面に型枠搬出用の開口を設
けずに済み、これを塞ぐ必要もなくなって、施工性が非
常に良くなる。このため、コンクリート7の硬化後は引
き続いて上階の施工に移行することができる。そして、
施工後には、ラス張り構造壁体Bの発泡樹脂板10によ
り床の断熱性が確保される。
【0015】また、ラス張り構造壁体Bにおいて発泡樹
脂板10とラス網20が強固に一体化されているので、
引っ張り強度、圧縮強度及び剛性が大きくなる。この引
っ張り強度の向上により、特にサポート2,2間のラス
張り構造壁体B下面(ラス網20の側)に作用する引っ
張り力にも良く耐えることができる。また圧縮強度の向
上により、例えば根太4及び棧木5が当接する部分に作
用する圧縮力にも良く耐えることができる。そのため、
型枠としての自立性が向上するのは勿論のこと、打設コ
ンクリート7の厚さの限界を大幅に高め、床スラブ構造
の適用範囲を飛躍的に拡張することができる。
【0016】また、ラス張り構造壁体B自体は発泡樹脂
板10に、加熱したラス網20を付着させることにより
比較的簡単に製造されるから、量産性に富み、施工コス
トを安く抑えることができる。さらに、発泡樹脂板表面
の再生層13により、防水機能を向上させることができ
る。
【0017】以下、本発明に使用するラス張り構造壁体
Bの変形例を説明する。まず、図8は第1変形例を示
す。この変形例では、ラス網全体が波状に形成されてい
る。すなわち、図9及び図10に示すようにラス網2
0’は薄い鋼板に多数のスリットを入れてスリット間を
斜めに起こしてなる鎧戸状であって、さらに全体として
波状に湾曲形成されている。そして、発泡樹脂板10’
の当該側面にラス網20’が配置され、このラス網2
0’の折れ曲がり部分のみが発泡樹脂板10’に熱溶着
している。この第1変形例のラス張り構造壁体Bの製造
方法は第1実施例の場合と同様である。
【0018】ラス張り構造壁体Bの第2変形例を図11
及び図12に示す。この変形例では、ラス網121の一
側面に補強部材122を複数固定してラス体120と
し、このラス体120の補強部材122がほぼ全面で、
発泡樹脂板110において熱溶融により形成された複数
の凹陥部112にそれぞれ嵌入している構成である。ラ
ス網121は例えば第1実施例で示したもの20でも、
第1変形例で示したもの20’でもよい。また補強部材
122は鋼線よりなり、一端がラス網121に溶接され
且つ他端がL字形に折曲形成されて凹陥部112に嵌入
している。この凹陥部112は、その開口形状が上記補
強部材122の発泡樹脂板110への投影形状にほぼ一
致し且つ深さは補強部材122が途中まで入る程度に形
成されている。この第2変形例のラス張り構造壁体Bの
製造方法も第1実施例の場合と同様であるが、一対の発
熱板31,32で挟む対象がラス網20に代えてラス体
120になる点が異なる。この場合、補強部材122が
発熱板31に、ラス網121が発熱板32にそれぞれ接
触するように置く。そうすると、発泡樹脂板110をキ
ャリア40で保持しつつ搬入し、発熱板32を上昇させ
てラス体120を加熱したままで発泡樹脂板110に押
しつけたときに、熱せられた補強部材122が発泡樹脂
板110を溶かして侵入していき、凹陥部112を形成
すると共に図12に示すように凹陥部112の開口付近
が三次発泡により狭まる。その後に全体を冷却して製造
を完了する。この場合、ラス体120の発泡樹脂板11
0への押しつけは、ラス網121と発泡樹脂板110と
の間に所定の隙間が残る程度で止めるようにする。第2
変形例のラス張り構造壁体Bにおいては、凹陥部112
及び補強部材122がそれぞれ複数あるから、凹陥部1
12の側壁と補強部材122との摩擦力等が相互に作用
し合う共ぎき作用によって補強部材122の保持強度が
更に高くなる。すなわち、ラス体120を発泡樹脂板1
10から剥そうとしても、少なくとも一部の凹陥部11
2の側壁と補強部材122との摩擦力等のために「こじ
た状態」になってラス体120が剥れない。加えて凹陥
部112の開口付近が三次発泡により狭まっているから
補強部材122が凹陥部112に強固に保持される。さ
らに補強部材122を介してラス網121と発泡樹脂板
110との間に隙間が形成されるから、この隙間へモル
タルmが入ってラス網121を抱き込むようにして固ま
り、これによって壁強度が向上し、またモルタルmを厚
く形成できる。なお、上記第2変形例の場合、図13に
示すように凹陥部112に接着剤等113を充填して凹
陥部112を完全に塞ぐようにしてもよく、その場合に
はラス体120及び発泡樹脂板110が更に強く一体化
されるからラス張り構造壁体Bの剛性が向上する。その
場合の製造方法であるが、例えば補強部材122に接着
剤等を塗ってからラス体120を加熱し、このラス体1
20を加熱したままで発泡樹脂板110に押しつければ
よい。
【0019】ラス張り構造壁体Bの第3変形例を図14
に示す。この変形例では、補強部材をトラス構造体22
2とし、ラス網221の一側面にこの補強部材222を
固定してラス体220とし、このラス体220の補強部
材222が、発泡樹脂板210において熱溶融により形
成された凹陥部212に嵌入している構成である。すな
わち、この補強部材222は、図15に示すように鋼線
で組まれた2枚の格子状金網222a,222bを間隔
をおいて配置し、これらを梁状金網材222cにより連
結したものである。上記梁状金網材222cは、各格子
状金網222a,222bの相対向する縦筋を連結する
ものが互いに平行になり、且つ横筋の軸方向に沿っては
隣合うものが互いに交差するように配置されており、こ
の構成によって補強部材全体として強度を高くするよう
にしている。そして、ラス網221が一方の格子状金網
222bに溶接により固定されている。ラス網221は
例えば第1実施例で示したもの20でも、第1変形例で
示したもの20’でもよい。上記凹陥部212は、開口
形状が上記格子状金網222aの発泡樹脂板210への
投影形状にほぼ一致し且つ深さは梁状金網材222cが
途中まで入る程度に形成されている。第3変形例のラス
張り構造壁体Bの製造方法は第2変形例と同様であり、
ラス体220の発泡樹脂板210への押しつけは、ラス
網221と発泡樹脂板210との間に所定の隙間が残る
程度で止めるようにする。第3変形例のラス張り構造壁
体Bによれば、補強部材222がトラス構造体であるか
ら、その剛性によりラス張り構造壁体の剛性が更に向上
する。なお、上記第2変形例と同様に凹陥部212に接
着剤等を充填してもよい。
【0020】先の第2変形例では鋼線で補強部材122
を構成したが、格子状金網を補強部材としてもよい。そ
れを更に変形させたものが図16に示す第4変形例のラ
ス張り構造壁体Bである。すなわち、図17に示すよう
に格子状金網を補強部材322とし、ラス網321の一
側面にこの補強部材322を固定してラス体320と
し、このラス体320の補強部材322が、発泡樹脂板
310において熱溶融により形成された凹陥部312に
嵌入している構成である。ここで、ラス網321は要所
要所に凸部321aが形成され、この凸部321aが補
強部材322に溶接等で固定されている。ラス網321
は例えば第1実施例で示したもの20でも第1変形例で
示したもの20’でもよい。上記凹陥部312は、開口
形状が上記補強部材322の発泡樹脂板310への投影
形状にほぼ一致し且つ深さは補強部材322の厚みと一
致する程度に形成されている。第4変形例のラス張り構
造壁体Bの製造方法は第2変形例と同様であり、ラス体
320の発泡樹脂板310への押しつけは、ラス網32
1と発泡樹脂板310との間に所定の隙間が残る程度で
止めるようにする。第4変形例のラス張り構造壁体Bに
よれば、補強部材322が格子状金網であるから、その
剛性によりラス張り構造壁体の剛性が更に向上する。な
お、上記第2変形例と同様に凹陥部312に接着剤等を
充填してもよい。
【0021】なお、上記第2ないし第4変形例では加熱
したラス体を発泡樹脂板に押し付けてラス張り構造壁体
を製造したが、ラス体の補強部材と同様な形状の治具を
別途に用意し、この治具を加熱して発泡樹脂板に押し付
けて凹陥部を形成し、その後に治具を発泡樹脂板から引
き離し、次いで凹陥部にラス体の補強部材を嵌入してラ
ス張り構造壁体を製造するようにしてもよい。或いは、
発泡樹脂板の成形時に凹陥部を同時成形し、次いで凹陥
部にラス体の補強部材を嵌入してラス張り構造壁体を製
造するようにしてもよい。
【0022】ラス張り構造壁体Bの第5変形例を図18
に示す。この変形例では、図19に示すように、ラス網
421の上に更にラス網422を溶接等で固定し、この
複合ラス網420を発泡樹脂板410に熱溶着してい
る。第5変形例のラス張り構造壁体Bの製造方法は第1
実施例と同様であり、ラス網が2枚固定されているか
ら、その剛性によりラス張り構造壁体Bの剛性が更に向
上する。
【0023】以上の実施例及び各変形例においても、ラ
ス網及び補強部材の材質は鋼である必要はなく、アルミ
合金など他の金属で形成してもよい。さらに、樹脂であ
ってもよい。その場合、ラス網及び補強部材は発泡樹脂
板よりも溶融温度が高い材質である必要がある。また、
各変形例において発泡樹脂板の他側面にもラス網又はラ
ス体を熱溶着すれば、両面にラス網を有したラス張り構
造壁体Bを作ることができる。その一例を第6変形例と
して図20に示す。ここで、510は発泡樹脂板、52
1,522はラス網である。この第6変形例により床ス
ラブ構造を施工すれば、ラス張り構造壁体Bの他側面に
取り付けられたラス網522にコンクリート7が付着す
るから、ラス張り構造壁体Bとコンクリート7とが強固
に一体化し、強度の高い床スラブ構造を実現できる。さ
らに発泡樹脂板510の両面に再生層が形成されるか
ら、防水機能を一層向上させることができる。
【0024】なお、上記実施例ではラス網又はラス体に
防錆処理又は防水処理を施したが、このような処理は必
ずしも必要ない。そしてラス張り構造壁体Bの製造方法
において防錆処理又は防水処理を最後の工程で施した
が、ラス網又はラス体に予め防錆処理又は防水処理を施
しておいてから発泡樹脂板に熱溶着するようにしてもよ
い。さらに製造方法においてラス網又はラス体の予熱工
程はラス網又はラス体の加熱をスムーズに行う上で好ま
しいが、必須の工程ではない。同様に最後に全体を強制
冷却する工程は製造効率を上げる点で好ましいが、これ
も必須の工程ではない。
【0025】さらに上記床スラブ構造の実施例及びラス
張り構造壁体の各変形例では、平面状のラス張り構造壁
体を前提にして説明したが、本発明の床スラブ構造は、
適宜湾曲形成されたラス張り構造壁体を使用しても施工
することができる。
【0026】なお、上記実施例では、ラス網或いはラス
体補強部材の片面が、ほぼ全面にわたって発泡樹脂板に
熱溶着しているラス張り構造壁体を使用したが、必ずし
も全面で発泡樹脂板に熱溶着している必要はなく、例え
ばラス網においてはその要所要所に凸部を多数形成し、
この凸部のみを発泡樹脂板に熱溶着してもよいし、逆に
発泡樹脂板の要所要所に凸部を多数形成し、ラス網を発
泡樹脂板の凸部においてのみ熱溶着してもよい。特に第
6変形例のように両面にラス網を付けたものでは、上側
にくるラス網を、このように取り付ければ、熱溶着して
いる部位の周辺を除いてラス網と発泡樹脂板との間に隙
間が形成されるから、この隙間へコンクリートが入って
ラス網を抱き込むようにして固まり、これによってラス
張り構造壁体とコンクリートの接合強度が向上する。ま
た発泡樹脂板の一側面にラス網又はラス体を直に配置し
たが、直ではなく、発泡樹脂板の側面にコーティングを
施したりシートを張ったりした上からラス網又はラス体
を熱溶着するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の床スラ
ブ構造によれば、床スラブ構造の施工時には、ラス張り
構造壁体が型枠の機能を兼ねると同時に、捨て型枠にな
るため、型枠を別途敷設する必要がなく、またコンクリ
ートの硬化後は撤去する必要がないから、施工性が良
い。その場合、発泡樹脂板とラス網が強固に一体化され
ているので、引っ張り強度、圧縮強度及び剛性が大きく
なり、型枠としての自立性が向上するのは勿論のこと、
打設コンクリートの厚さの限界を大幅に高め、床スラブ
構造の適用範囲を飛躍的に拡張することができる。そし
て、施工後には発泡樹脂板により床の断熱性を確保でき
る。しかも、ラス張り構造壁体自体は簡単に製造できる
から、量産性に富み、施工コストを安く抑えることがで
き、また発泡樹脂板表面の再生層により、防水機能を向
上させることができる。
【0028】請求項2の床スラブ構造によれば、上記同
様の効果が得られるが、その場合、ラス張り構造壁体の
引っ張り強度、圧縮強度及び剛性は、いわゆる共ぎき作
用及び三次発泡による凹陥部開口付近の狭まりによる補
強部材の保持強度により得られる。
【0029】請求項3の床スラブ構造によれば、ラス張
り構造壁体の他側面に取り付けられたラス網にコンクリ
ートが付着するから、ラス張り構造壁体とコンクリート
とが強固に一体化し、強度の高い床スラブ構造を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の床スラブ構造の施工途中を示す斜視
図、
【図2】実施例の床スラブ構造の縦断側面図、
【図3】実施例に用いたラス張り構造壁体の斜視図、
【図4】その拡大平面図、
【図5】図4のV−V線断面における拡大端面図、
【図6】実施例に用いたラス張り構造壁体の第1製造段
階を示す縦断面側面図、
【図7】第2製造段階を示す図6相当図、
【図8】ラス張り構造壁体の第1変形例を示す図5相当
図、
【図9】そのラス網の拡大側面図、
【図10】同じくラス網の拡大平面図、
【図11】ラス張り構造壁体の第2変形例を示す図5相
当図、
【図12】その補強部材を先端側からみた拡大断面図、
【図13】接着剤を使用したときの図12相当図、
【図14】ラス張り構造壁体の第3変形例を示す図5相
当図、
【図15】そのラス網及び補強部材を分離して示す拡大
組立斜視図、
【図16】ラス張り構造壁体の第4変形例を示す図5相
当図、
【図17】そのラス網及び補強部材を分離して示す拡大
組立斜視図、
【図18】ラス張り構造壁体の第5変形例を示す図5相
当図、
【図19】その複合ラス網を分離して示す拡大組立斜視
図、
【図20】ラス張り構造壁体の第6変形例を示す図5相
当図である。
【符号の説明】
B ラス張り構造壁体 1 基礎スラブ 2 サポート 3 大引 4 根太 5 棧木 6 スラブ筋 7 コンクリート 10 発泡樹脂板 20 ラス網 10’ 発泡樹脂板 20’ ラス網 110 発泡樹脂板 112 凹陥部 120 ラス体 121 ラス網 122 補強部材 210 発泡樹脂板 212 凹陥部 220 ラス体 221 ラス網 222 補強部材 310 発泡樹脂板 312 凹陥部 320 ラス体 321 ラス網 322 補強部材 410 発泡樹脂板 420 ラス網 510 発泡樹脂板 521 ラス網 522 ラス網

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄筋コンクリート造構造物の床スラブ構造
    であって、発泡樹脂板の少なくとも一側面にラス網を熱
    溶着してなるラス張り構造壁体が、ラス網側を下に向け
    て配置され、このラス張り構造壁体の上に配筋及びコン
    クリートの打設が行われていることを特徴とするラス張
    り構造壁体を用いた床スラブ構造。
  2. 【請求項2】請求項1記載の床スラブ構造において、発
    泡樹脂板の少なくとも一側面にラス網を熱溶着してなる
    ラス張り構造壁体に代えて、ラス網の一側面に補強部材
    を固定してなるラス体と、熱溶融により形成され且つ上
    記補強部材が嵌入する凹陥部を少なくとも一側面に有す
    る発泡樹脂板とからなるラス張り構造壁体を備えている
    ラス張り構造壁体を用いた床スラブ構造。
  3. 【請求項3】ラス張り構造壁体の他側面にも、ラス網又
    はラス体が、熱溶着により又は補強部材の凹陥部への嵌
    入により取り付けられており、この他側面のラス網にコ
    ンクリートが付着している請求項1又は2記載のラス張
    り構造壁体を用いた床スラブ構造。
JP27565594A 1994-10-13 1994-10-13 ラス張り構造壁体を用いた床スラブ構造 Pending JPH08109694A (ja)

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