JP4477343B2 - 粗面材付きコンクリート部材の製造方法 - Google Patents

粗面材付きコンクリート部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4477343B2
JP4477343B2 JP2003389169A JP2003389169A JP4477343B2 JP 4477343 B2 JP4477343 B2 JP 4477343B2 JP 2003389169 A JP2003389169 A JP 2003389169A JP 2003389169 A JP2003389169 A JP 2003389169A JP 4477343 B2 JP4477343 B2 JP 4477343B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
surface material
rough surface
mold
rough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003389169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005144988A (ja
Inventor
博司 名知
正 小野
秀之 井上
博文 鏡
一夫 福田
晴果 小川
一房 三谷
靖宏 三宅
拓也 吉成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Shimizu Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp, Shimizu Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2003389169A priority Critical patent/JP4477343B2/ja
Publication of JP2005144988A publication Critical patent/JP2005144988A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4477343B2 publication Critical patent/JP4477343B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Description

本発明は、粗面材付きコンクリート部材の製造方法に関する。
構造物の構築工程に左右されることなく外壁仕上げに係る仕様の決定時期に自由度を与える方法として、外壁の表面仕上げ材を後張りする後張り工法が一般に知られている。このような表面仕上げ材の後張り工法を適用する場合には、例えば、特許文献1に示すように、外壁等コンクリート部材として、仕上げ面に耐アルカリまたは耐水性繊維からなる粗面材を一体成形して粗面を形成した粗面材付きコンクリート部材を採用し、該粗面材付きコンクリート部材の粗面に前記表面仕上げ材を後張りすることで、表面仕上げ材の剥落剥落を抑制した安全な外壁を構築する構成が開発されている。
特開2003−231109号公報
これら粗面材付きコンクリート部材は、前記粗面材をコンクリート打込み型枠の仕上げ面形成側の打込み面にあらかじめ配置した上でコンクリートを打設することにより製造されるが、コンクリートの打設時においてコンクリートのずれ剪断の力やバイブレーターの振動等により、粗面材にしわやヨレ及びたわみが生じやすい。このため、コンクリート打込み型枠に合板型枠を採用し、該合板型枠の所定位置に前記粗面材をステープル等で仮固定する、もしくは水溶性樹脂等を用いて貼り付ける等の措置を施して合板型枠に粗面材を定着させた後、コンクリートの打設を行う製造方法が取られていた。
しかし、合板型枠の使用はその転用回数に限界があり、転用不能となった場合には建設廃棄物となることから、建設業界に取って最重要課題の一つとなっている。このため、コンクリート打込み型枠の転用回数を増加でき、また廃棄物の削減にも寄与できる金属製や樹脂製などの代替型枠への移行が望まれている。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、外壁の表面仕上げ材の剥落安全性を確保できるとともに、コンクリート打込み型枠として合板型枠に代わる代替型枠を使用できる、粗面材付きコンクリート部材の製造方法を提供することを目的としている。
請求項1記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法は、コンクリート部材の仕上げ面に粗面材としての、中間部に繊維密度の高い層を形成した不織布を打ち込んでなる粗面材付きコンクリート部材の製造方法であって、前記粗面材付きコンクリート部材を成型するためのコンクリート打込み型枠を組み立てる第1の工程と、前記粗面材を該粗面材のコンクリートの打設時の変形を抑制可能な板材からなる仮固定用面材の表面にステープル、タッカー、釘のいずれかである第1の仮留め部材を用いて仮固定するとともに、該仮固定用面材をその裏面が前記コンクリート打込み型枠の内面に当接する状態で該コンクリート打込み型枠内に配置することにより、前記粗面材を前記仮固定用面材を介して前記コンクリート打込み型枠の内面に装着する第2の工程と、前記コンクリート打込み型枠内にコンクリートを打設することにより、表面に前記粗面材を一体に打ち込んだ粗面材付きコンクリート部材を成型する第3の工程と、前記コンクリート打込み型枠を脱型するとともに、前記粗面材付きコンクリート部材の表面から前記仮固定用面材を取り外す第4の工程よりなることを特徴としている。
請求項2記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法は、コンクリート部材の仕上げ面に粗面材としての、中間部に繊維密度の高い層を形成した不織布を打ち込んでなる粗面材付きコンクリート部材の製造方法であって、前記粗面材付きコンクリート部材を成型するためのコンクリート打込み型枠としての鋼製型枠を組み立てる第1の工程と、加熱後放冷することにより接着力を発揮する熱活性型接着剤を前記粗面材の一方の面に塗布するとともに、該一方の面が前記コンクリート打込み型枠の内面に当接する状態で前記粗面材を前記コンクリート打込み型枠内に配置した後、前記鋼製型枠を加熱して前記熱活性型接着剤により前記粗面材を前記コンクリート打込み型枠の内面に接着する第2の工程と、前記コンクリート打込み型枠内にコンクリートを打設することにより、表面に前記粗面材を一体に打ち込んだ粗面材付きコンクリート部材を成型する第3の工程と、前記コンクリート打込み型枠を前記粗面材付きコンクリート部材の表面から剥離せしめて脱型する第4の工程よりなることを特徴としている。
請求項3記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法は、請求項2記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法であって、第4の工程においてコンクリート打込み型枠を粗面材付きコンクリート部材の表面から剥離せしめて脱型するに際し、前記コンクリート打込み型枠を再加熱して前記熱活性型接着剤を剥落させることにより前記コンクリート打込み型枠と前記粗面材とを分離させることを特徴としている。
請求項1に記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法によれば、粗面材としての不織布の変形を抑制するための変形抑制手段として板材からなる仮固定用面材を用いて、その仮固定用面材に粗面材を仮固定してコンクリート打込み型枠内に配置することによって、粗面材を仮固定用面材を介してコンクリート打込み型枠の内面に装着することから、従来のように粗面材自身をコンクリート打込み型枠に対してステープル等により直接的に固定する必要がないため、コンクリート打込み型枠を痛めることがなく、また粗面材の装着作業やコンクリート打込み型枠の脱型作業を簡略化でき作業性を向上することが可能となる。
また、コンクリート打設時における粗面材のしわやヨレ及びたわみ等の発生を仮固定用面材により抑制できることから、精度良く粗面材をコンクリート部材の仕上げ面に一体成形できるため、高品質な粗面材付きコンクリート部材を製造することが可能となる。
特に、粗面材をコンクリート打込み型枠に対して直接固定しないからコンクリート打込み型枠の脱型が容易であるとともに、粗面材を仮固定用面材に対して仮固定しているだけなので粗面材から仮固定用面材を取り外す作業も容易に可能であることから、作業性を大幅に向上することが可能となる。
また、粗面材のコンクリート打込み型枠に対するステープル等による直接的な固定が不要となることに伴い、コンクリート打込み型枠として合板型枠に代わる鋼製や樹脂製等の代替型枠を使用することが可能となるし、合板型枠を用いる場合においてもその転用回数を増加でき工費を大幅に削減することが可能になるとともに、合板型枠の使用による産業廃棄物の排出を大幅に削減でき環境配慮に大きく寄与することが可能となる。
さらに、コンクリート打込み型枠の打込み面が粗面材及び仮固定面材の両者に保護されることとなるから、コンクリートのノロ等が付着しないため、清掃を簡略化でき省力化に大きく寄与することが可能となる。
請求項2に記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法によれば、粗面材を鋼製型枠に対して取り付けるとともにその変形を抑制するための手段として熱活性型接着剤を用いることから、鋼製型枠を加熱することのみでその内面に粗面材を容易に接着することができるとともにその変形を抑制でき、粗面材付きコンクリート部材の製造に係る作業性を大幅に向上することが可能となる。
さらに、請求項3に記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法によれば、脱型時に鋼製型枠を再加熱することで熱活性型接着剤を容易に剥離させることができ、脱型作業をさらに簡略化できて作業性をさらに向上することが可能となる。
以下、本発明に係る粗面材付きコンクリート部材の製造方法について、図1から図5を参照して詳述する。本発明の粗面材付きコンクリート部材の製造方法は、変形抑制手段としての板材からなる仮固定用面材あるいは熱活性型接着剤を介して、粗面材としての不織布をコンクリート打込み型枠内に外力による変形を抑制可能な状態で取り付けることで、粗面材のコンクリート打込み型枠へのステープル等による直接的な固定を不要とし、コンクリート打込み型枠に合板型枠に代わる金属製や樹脂製などの代替型枠を適用することも可能な構成としたものである。
(第1の実施の形態)
粗面材付きコンクリート部材の製造方法について詳述するに先立ち、粗面材付きコンクリート部材3について簡略に説明する。
図1に示すように、粗面材付きコンクリート部材3は、構造物を構成するコンクリート部材4と、該コンクリート部材4の仕上げ面に備えられている粗面材1により構成されている。該粗面材1は、その裏面をコンクリート部材4の仕上げ面に埋設することによりコンクリート部材4に一体化されて、粗面材付きコンクリート部材3の仕上げ面に粗面を形成するものである。
また、粗面材付きコンクリート部材3は、該粗面材1の表面に外壁タイル等の表面仕上げ材7を後張りする際に用いるモルタル等の接着剤10が十分含浸すると、粗面材付きコンクリート部材3の仕上げ面に、前記接着剤10と粗面材1による仕上げ層8が形成されることとなり、該仕上げ層8を介して表面仕上げ材7が強固に一体化する構成となっている。
なお、前記粗面材1としては、粗面材付きコンクリート部材3の仕上げ面に粗面を形成し、また前記接着剤10を含浸して表面仕上げ材7を強固に一体化できる仕上げ層8を形成することの可能な不織布を用いる。
上述する構成の粗面材付きコンクリート部材3の製造方法を図2及び図3を参照しながら詳述する。
なお、本実施の形態では、粗面材付きコンクリート部材3を構成する粗面材1に、部材厚方向の中間部に表裏面と比較して繊維密度の高い層2aを有するを不織布2を用いた場合を例に取り挙げている。以下に、部材厚方向の中間部に表裏面と比較して繊維密度の高い層2aを有する不織布2を用いた粗面材1について、簡略に説明する。
該粗面材1を構成する不織布2は、短繊維または長繊維を相互に接着またはニードリングして、立体的な繊維層を形成したもので、外壁タイル等の表面仕上げ材7を後張りする際に用いるモルタル等の接着剤10を効率的に含侵しやすく、また仕上げ層8を形成した際に投錨効果を付与できるといった効果を有するものである。
また、該不織布2の部材厚方向の中間部には、表裏面と比較して繊維密度の高い層2aが形成されている。このような繊維密度の高い層2aは、該不織布2より粗面材1を製造する工程から、製造された該粗面材1を前記コンクリート部材4の仕上げ面に一体的に配置し粗面材付きコンクリート部材3を製造する工程に至るまで、粗面材1の良好な寸法安定性を保持することを目的に備えられるものである。
本実施の形態では、繊維密度の高い不織布として一般に知られているスパンボンドを配置しているが、材料は必ずしもこれにこだわるものではない。
さらに、不織布2の部材厚方向の中間部に繊維密度の高い層2aを形成する構成は、上述する目的に留まらず、前記粗面材付きコンクリート部材3を製作するに際し粗面材1の裏面側に含浸するコンクリート部材4を構成するコンクリート5のモルタルを、繊維密度の高い層2aに均一に含浸させることにより、これをあたかも芯材のように見立てて粗面材1自身に高い耐久性能を持たせる機能と、粗面材1の表面側へのコンクリート5のセメントペーストの染み出しを防止する機能の両者を付与することを目的とするものである。
したがって、粗面材1の表裏面を構成する不織布2の繊維密度は、コンクリート5のしみ込みが確認できるとともに、コンクリート部材4との一体化が可能な程度に設定されていればよく、一方、粗面材1の部材厚方向の中間部に位置する繊維密度の高い層2aは、表裏面を構成する不織布2の繊維密度より高く、コンクリート5のモルタルが十分含浸するものの、裏面側から表面側に染み出しを生じさせることのない範囲の繊維密度に設定されていればよい。
なお、本実施の形態ではコンクリート打込み型枠6に鋼製型枠を用いた例を示すが、必ずしもこれにこだわるものではなく樹脂製型枠等の代替型枠を用いても良いし、合板型枠を用いることも勿論可能である。
(第1の工程および第2の工程
図2(a)に示すように、コンクリート打込み型枠6を組み立てた後、面内及び面外方向の外力による変形を抑制する変形抑制手段9を介して粗面材1の変形を抑制した上で、粗面材1をコンクリート打込み型枠6内に装着する。
ここで、前記粗面材1の変形を抑制する前記変形抑制手段9には、図3(a)に示すように、仮固定用面材9a及び第1の仮留め部材9bを用いている。
該仮固定用面材9aは、粗面材1のコンクリートの打設時の変形を抑制可能な板材からなるもので、面精度が高く、また面内方向に作用する引張り等の力、及び面外方向の広範囲に作用する外力、例えば人が乗った場合等に対して変形しにくい剛性を有する板材により構成されるもので、本実施の形態では、発泡ポリスチレンを用いている。
発泡ポリスチレンは、軽量でハンドリング性に優れているものの、硬質で繰り返し転用できる建材として一般に広く用いられている。
一方、第1の仮留め部材9bは、前記粗面材1を仮固定用面材9aに仮留め可能な部材であって、本実施の形態ではステープルを用いているが、ステープル、タッカー、釘のいずれかを用いれば良い
これら変形抑制手段9を用いた前記粗面材1の変形を抑制する方法は、以下に示すとおりである
つまり、しわやヨレ及びたわみが生じない程度の引張力を前記粗面材1に作用させた状態で、これら粗面材1を仮固定面材9aの表面を覆うように配置した後、粗面材1が仮固定面材9aに定着するように所定の離間間隔をもって複数箇所を前記第1の仮留め部材9bで仮固定する。
これにより、粗面材1は面内及び面外方向の外力が作用した際にも仮固定面材9a及び第1の仮留め部材9bにその変形を抑制されることとなる。
次に、図2(b)に示すように、変形抑制手段9により変形を抑制された粗面材1を、仮固定面材9aがコンクリート打込み型枠6を構成する仕上げ面形成側の打込み面に当接するようにして、コンクリート打込み型枠6内に配置する。
このとき、仮固定面材9aは面精度の高い板材であるから、コンクリート打込み型枠6に対して自ずと全面的に密着する状態で装着されてコンクリート打込み型枠6に対して仮固定する必要はない。
第3の工程
図3(b)に示すように、コンクリート打込み型枠6内に前記コンクリート5を打設する。
このとき、必要に応じて前記コンクリート打込み型枠6内にコンクリート部材4を構成する鉄筋4aを配設した上で、該鉄筋4a及び前記粗面材1の裏面を埋設するようにコンクリート5を打設する。
なお、前記コンクリート部材4を構成する鉄筋4aを、例えばスペーサを介して前記仮固定面材9aにより変形を抑制された粗面材1上に配設すると、スペーサに鉄筋4aの荷重が集中し仮固定面材9aに面外方向の局所的な変形が生じて粗面材1にたわみが生じる可能性がある。したがって、配筋の際には鉄筋4aを吊り込む等、仮固定面材9aに対して面外方向に局部的な力を作用させない手段を講じることが望ましい。
(第4の工程)
これら第1〜第3の工程が終了し、また前記コンクリート5が硬化した後、コンクリート打込み型枠6を脱型するとともに、粗面材1に仮固定されている仮固定面材9aを取り外す。
これにより、コンクリート部材4を構成するコンクリート5は、粗面材1の裏面にコンクリート5のモルタルが含浸した状態で硬化しているため、コンクリート部材4と粗面材1の両者が強固に一体化され、図3(c)に示すように、粗面材付きコンクリート部材3が製作される。
なお、第1の仮留め部材9bは図3(c)に示すようにそのまま残置して差し支えないが、第1の仮留め部材9bにステープル等を用いる場合には防食処理の施されたものやステンレス製等を第1の仮留め部材9bに用いることが好ましい。
(第2の実施の形態)
前記粗面材1をその変形を抑制しつつコンクリート打込み型枠に取り付けるための手段としては上記実施の形態における仮固定用面材9aに限るものではない。以下に、そのための手段として熱活性型接着剤9cを用いる場合の粗面材付きコンクリート部材3の製造方法を示す。
本第2の実施の形態では、コンクリート打込み型枠6として鋼製型枠を用い、前記粗面材1の変形を抑制するために用いる変形抑制手段9は、熱活性接着剤9cと第2の仮留め部材9dにより構成されている。
前記熱活性接着剤9cは、加熱後放冷することにより接着力を発揮する接着剤で、耐水性及びポリオレフィン系基材への接着性に優れた特性を有しており、EVA系、合成ゴム系、オレフィン系、ポリアミド系等が使用できるが、本実施の形態では、耐熱性及び金属に対する接着性に優れているポリアミド系を使用するのが好ましい。
一方、第2の仮留め部材9dは、前記コンクリート打込み型枠6と粗面材1の両者に接着可能な接着テープを用いているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、コンクリート打込み型枠6に粗面材1を仮留めできる部材であれば何れを用いても良い。
このような変形抑制手段9を用いた場合の粗面材付きコンクリート部材3の製造方法を以下に示す。
(第1の工程および第2の工程
図4(a)に示すようにコンクリート打込み型枠6を組み立てるとともに、図4(b)に示すように粗面材1の一方の面に熱活性接着剤9cを塗布する。
次に、熱活性接着剤9cを塗布した面がコンクリート打込み型枠6を構成する仕上げ面形成側の打込み面に当接するようにして、図5(a)に示すようにコンクリート打込み型枠6内に粗面材1を配置する。
この後、粗面材1にしわやヨレ及びたわみが生じない程度の引張力を付与した状態で、第2の仮留め部材9dとしての接着テープにより粗面材1をコンクリート打込み型枠6に対して仮留めした後、図示しない高周波誘導加熱装置を用いて該コンクリート打込み型枠6に磁界を与えてこれを加熱する。
これにより、熱活性接着剤9cが鋼製型枠を介して加熱され、加熱後の放冷により粘着力が発揮されて粗面材1がコンクリート打込み型枠6に接着されることから、粗面材1はコンクリート打込み型枠6の内面に対して確実に取り付けられ、面内及び面外方向の外力が作用した際にも熱活性接着剤9cにその変形を抑制されることとなる。
なお、粗面材1がコンクリート打込み型枠6に定着した時点で、前記仮留め部材9dは撤去する。
第3の工程
図5(b)に示すように、コンクリート打込み型枠6内に前記コンクリート5を打設する。
このとき、必要に応じて前記コンクリート打込み型枠6内にコンクリート部材4を構成する鉄筋4aを配設し、該鉄筋4a及び前記粗面材1の裏面を埋設するようにコンクリート打込み型枠6内に前記コンクリート5を打設する。
(第4の工程)
これら第1〜第3の工程が終了し、また前記コンクリート5が硬化した後、図示しない高周波誘導加熱装置を用いて再度該コンクリート打込み型枠6に磁界を与えて熱活性接着剤9cを剥落し、コンクリート打込み型枠6と粗面材1とを分離した上で、コンクリート打込み型枠6を脱型する。
これにより、コンクリート部材4を構成するコンクリート5は、粗面材1の裏面にコンクリート5のモルタルが含浸した状態で硬化しているため、コンクリート部材4と粗面材1の両者が強固に一体化され、図5(c)に示すように、粗面材付きコンクリート部材3が製作される。
上記した構成からなる本発明の粗面材付きコンクリート部材3の製造方法によれば、粗面材1を仮固定用面材9aあるいは熱活性型接着剤9cを介してコンクリート打込み型枠6の内面に取り付けるとともにその変形を抑制するようにしたことから、粗面材1自身をコンクリート打込み型枠6に対してステープル等により直接的に仮固定する必要がないため、脱型作業を簡略化でき作業性を向上することが可能となる。
また、コンクリート5の打設時における粗面材1のしわやヨレ及びたわみ等の発生を抑制できることから、精度良く粗面材1をコンクリート部材4の仕上げ面に一体成形できるため、高品質な粗面材付きコンクリート部材3を製造することが可能となる。
ここで、変形抑制手段9に仮固定用面材9aを用いれば、前記粗面材1とコンクリート打込み型枠6は完全に分離されることとなるため脱型が容易であるとともに、前記粗面材1と仮固定面材9aとの分離も容易に可能であることから、作業性を大幅に向上することが可能となる。
このように、粗面材1のコンクリート打込み型枠6に対するステープル等による直接的な仮固定が不要となることに伴い、コンクリート打込み型枠6として合板型枠に代わる鋼製や樹脂製等の代替型枠を使用することが可能となるし、合板型枠を用いる場合においてもそのコンクリート打込み型枠6の転用回数を増加でき工費を大幅に削減することが可能になるとともに、合板型枠の使用による産業廃棄物の排出を大幅に削減でき環境配慮に大きく寄与することが可能となる。
さらに、コンクリート打込み型枠6の打込み面が粗面材1及び仮固定面材9aの両者に保護されることとなるから、コンクリート5のノロ等が付着しないため清掃を簡略化でき省力化に大きく寄与することが可能となる。
このとき、前記仮固定面材9aに発泡ポリスチレン等の材料を用いることにより、同一形状の粗面材付きコンクリート部材3を大量に製作する場合には仮固定面材9aの繰り返し転用を可能にできるため、使用後に産業廃棄物となることはなく環境配慮に大きく寄与することが可能となる。
一方、変形抑制手段9に熱活性型接着剤9cを用いれば、コンクリート打込み型枠6への粗面材1の脱着が容易で粗面材付きコンクリート部材3の製造に係る作業性を大幅に向上することが可能となる。
本発明に係る粗面材付きコンクリート部材の詳細を示す図である。 本発明に係る粗面材付きコンクリート部材の製造方法(その1)を示す図である。 本発明に係る粗面材付きコンクリート部材の製造方法(その2)を示す図である。 本発明に係る粗面材付きコンクリート部材の製造方法の他の事例(その1)を示す図である。 本発明に係る粗面材付きコンクリート部材の製造方法の他の事例(その2)を示す図である。
符号の説明
1 粗面材
2 不織布
3 粗面材付きコンクリート部材
4 コンクリート部材
5 コンクリート
6 コンクリート打込み型枠
7 表面仕上げ材
8 仕上げ層
9 変形抑制手段
9a 仮固定面材
9b 第1の仮留め部材
9c 熱活性接着剤
9d 第2の仮留め部材
10 接着剤

Claims (3)

  1. コンクリート部材の仕上げ面に粗面材としての、中間部に繊維密度の高い層を形成した不織布を打ち込んでなる粗面材付きコンクリート部材の製造方法であって、
    前記粗面材付きコンクリート部材を成型するためのコンクリート打込み型枠を組み立てる第1の工程と、
    前記粗面材を該粗面材のコンクリートの打設時の変形を抑制可能な板材からなる仮固定用面材の表面にステープル、タッカー、釘のいずれかである第1の仮留め部材を用いて仮固定するとともに、該仮固定用面材をその裏面が前記コンクリート打込み型枠の内面に当接する状態で該コンクリート打込み型枠内に配置することにより、前記粗面材を前記仮固定用面材を介して前記コンクリート打込み型枠の内面に装着する第2の工程と、
    前記コンクリート打込み型枠内にコンクリートを打設することにより、表面に前記粗面材を一体に打ち込んだ粗面材付きコンクリート部材を成型する第3の工程と、
    前記コンクリート打込み型枠を脱型するとともに、前記粗面材付きコンクリート部材の表面から前記仮固定用面材を取り外す第4の工程よりなることを特徴とする粗面材付きコンクリート部材の製造方法。
  2. コンクリート部材の仕上げ面に粗面材としての、中間部に繊維密度の高い層を形成した不織布を打ち込んでなる粗面材付きコンクリート部材の製造方法であって、
    前記粗面材付きコンクリート部材を成型するためのコンクリート打込み型枠としての鋼製型枠を組み立てる第1の工程と、
    加熱後放冷することにより接着力を発揮する熱活性型接着剤を前記粗面材の一方の面に塗布するとともに、該一方の面が前記コンクリート打込み型枠の内面に当接する状態で前記粗面材を前記コンクリート打込み型枠内に配置した後、前記鋼製型枠を加熱して前記熱活性型接着剤により前記粗面材を前記コンクリート打込み型枠の内面に接着する第2の工程と、
    前記コンクリート打込み型枠内にコンクリートを打設することにより、表面に前記粗面材を一体に打ち込んだ粗面材付きコンクリート部材を成型する第3の工程と、
    前記コンクリート打込み型枠を前記粗面材付きコンクリート部材の表面から剥離せしめて脱型する第4の工程よりなることを特徴とする粗面材付きコンクリート部材の製造方法。
  3. 請求項2記載の粗面材付きコンクリート部材の製造方法であって、
    第4の工程においてコンクリート打込み型枠を粗面材付きコンクリート部材の表面から剥離せしめて脱型するに際し、前記コンクリート打込み型枠を再加熱して前記熱活性型接着剤を剥落させることにより前記コンクリート打込み型枠と前記粗面材とを分離させることを特徴とする粗面材付きコンクリート部材の製造方法。
JP2003389169A 2003-11-19 2003-11-19 粗面材付きコンクリート部材の製造方法 Expired - Lifetime JP4477343B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003389169A JP4477343B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 粗面材付きコンクリート部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003389169A JP4477343B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 粗面材付きコンクリート部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005144988A JP2005144988A (ja) 2005-06-09
JP4477343B2 true JP4477343B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=34695998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003389169A Expired - Lifetime JP4477343B2 (ja) 2003-11-19 2003-11-19 粗面材付きコンクリート部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4477343B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014151500A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Shimizu Corp 粗面材付きコンクリート部材の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5729054B2 (ja) * 2011-03-18 2015-06-03 株式会社大林組 セメント系組成体の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014151500A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Shimizu Corp 粗面材付きコンクリート部材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005144988A (ja) 2005-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4477343B2 (ja) 粗面材付きコンクリート部材の製造方法
JP5052925B2 (ja) タイル及びタイルの取り付け構造
WO2008128275A1 (en) Permanent formwork system
JP4033078B2 (ja) Pcカーテンウォール
JP4167163B2 (ja) コンクリート構造物の補修・補強工法における埋設型枠の取付け方法
JPH0833034B2 (ja) 型枠兼用断熱ボードならびに該ボードを用いるコンクリート打込み型枠パネル構造
JPH0359265A (ja) 型枠兼用断熱ボード
KR200423396Y1 (ko) 건축물 벽면 시공용 거푸집 구조
JPH0782808A (ja) 型枠兼用断熱パネル
JPH08109652A (ja) 建築物の基礎における断熱構造及びその施工方法
CN214246209U (zh) 一种增强型金属网岩棉复合外墙保温系统
JP2918124B2 (ja) コンクリート打ち込み用型枠板
JP3151722B2 (ja) コンクリート柱状体の補強方法及び補強材
JP4067682B2 (ja) 構造物の補強構造およびその補強工法
KR101040656B1 (ko) 콘크리트보에 frp가 분사된 합성구조물 및 그 제조방법
KR102266935B1 (ko) 건축용 패널 제조방법
JP2004316320A (ja) 既設コンクリート構造物に対する穿孔周辺部補強工法
JP2018109334A (ja) コンクリート基礎およびその製造方法
JPS6228411Y2 (ja)
JP3862686B2 (ja) 透湿層を有する複合パネル
JPH08199715A (ja) 断熱壁及びその施工方法
KR100668069B1 (ko) 건축용 문양판
KR20120010782A (ko) 단프라 시트와 종이 보드를 이용한 건축용 거푸집 패널과 그 제조방법
JP5034981B2 (ja) 建築物の施工方法及び目地部材付き型枠
JP3214813B2 (ja) タイル貼りプレキャストコンクリート版及びそのタイル貼り方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4477343

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term