JPH08109306A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JPH08109306A
JPH08109306A JP27057894A JP27057894A JPH08109306A JP H08109306 A JPH08109306 A JP H08109306A JP 27057894 A JP27057894 A JP 27057894A JP 27057894 A JP27057894 A JP 27057894A JP H08109306 A JPH08109306 A JP H08109306A
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JP
Japan
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photosensitive resin
resin composition
component
weight
polymer
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Application number
JP27057894A
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English (en)
Inventor
Moritaka Fukunaga
守高 福永
Keizo Kawahara
恵造 河原
Shinichi Tanaka
新一 田中
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光後に優れたゴム弾性を有する感光性樹脂
組成物及び感光性樹脂印刷版を提供する。 【構成】 (A)25℃以上のガラス転移温度を持つ重
合体ブロックと、10℃以下のガラス転移温度を持つ重
合体ブロックとを少なくとも含むエラストマー状ブロッ
ク共重合体、(B)前記(A)共重合体中に含まれるく
り返し単位を少なくとも1種以上有する重合体を含有す
ることを特徴とする感光性樹脂組成物、及びかかる組成
物を含有することを特徴とする感光性樹脂印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光後のゴム弾性を高め
る効果を有する感光性樹脂組成物に関し、特に本発明は
かかる組成物を使用することによりフレキソ印刷用とし
て有用な、感光後のゴム弾性に優れた感光性樹脂印刷版
を提供するものである。また、本発明で得られる感光性
樹脂印刷版は水、または水を主成分とする現像液による
現像が可能であり、人体・環境への安全性が高いもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ゴム弾性を有する樹脂、付加重合性不飽
和化合物および光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物
はその用途によっては、特にフレキソ印刷用感光性樹脂
印刷版に関し、変形後の回復特性が問題となる場合があ
る。一般にはこのような要件を満たすために軟化剤、可
塑剤を添加することが行われているが、感光後の力学的
特性の低下、力学的特性の長期安定性などの欠点から、
用途が限定される問題があった。力学的特性の低下を補
う手段として無機微粒子、ガラス繊維、硬質有機化合物
を配合する手段が提案されている。しかし、これら充填
剤は基材樹脂組成物と屈折率が異なることがほとんどで
あり、感光特性に悪影響を及ぼす。また、特開昭63−
8648号公報では、架橋性の樹脂微粒子を分散させる
ことにより機械的強度を改善する技術を提案している
が、前記屈折率の問題が普遍的に解決されたわけではな
く、また、樹脂微粒子を良好な分散状態に保つのが難し
いため、生産技術面での問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決するために創案されたものであり、感光
後に優れたゴム弾性を有し、より優れた反発特性を有す
る感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。ま
た、本発明はかかる組成物を使用することにより感光後
に優れた反発特性を有し、水系現像液で現像可能な感光
性樹脂印刷版を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意研究、検討を重ねた結果、エラストマ
ー状ブロック共重合体と、それと相溶性の良好な重合体
とを組み合わせることにより、感光後においてそれぞれ
単独時よりも反発特性に優れた感光性樹脂組成物が得ら
れることを見出し、この知見をもとにさらに研究を進め
た結果、遂に本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、(A) 25℃以上のガ
ラス転移温度を持つ重合体ブロックと、10℃以下のガ
ラス転移温度を持つ重合体ブロックとを少なくとも含む
エラストマー状ブロック共重合体、(B) 前記(A)
共重合体中に含まれるくり返し単位を少なくとも1種以
上有する重合体を含有することを特徴とする感光性樹脂
組成物である。
【0006】また、本発明は上記(A)成分及び(B)
成分を含有する感光性樹脂組成物に、さらに(C)親水
性化合物を配合することを特徴とする感光性樹脂組成物
である。
【0007】本発明において、(A)成分であるエラス
トマー状ブロック共重合体中の25℃以上のガラス転移
温度を持つ重合体ブロックの例としては、ポリスチレ
ン、ポリ(α−メチルスチレン)などに代表されるポリ
スチレン類重合体ブロック、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチ
レンテレフタレートなどに代表されるポリエステル類重
合体ブロック、ポリ(ε−カプロラクタム)、アジピン
酸−ヘキサメチレンジアミン交互共重合体に代表される
ポリアミド類重合体ブロック等が挙げられる。これらは
単独で用いても良く、複数組み合わせて用いても良い。
また、ここに挙げた重合体ブロックはほんの一例であっ
て、本発明の趣旨に添って上記以外の25℃以上のガラ
ス転移温度を持つ重合体ブロックを含有するブロック共
重合体を用いることは本発明の範疇に含まれるべきもの
である。
【0008】次に(A)成分であるエラストマー状ブロ
ック共重合体中の10℃以下のガラス転移温度を持つ重
合体ブロックの例としては、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、ポリクロロプレン等の代表される共役ジエン化
合物重合体ブロック、ポリ(ε−カプロラクトン)等の
脂肪族ポリエステル類重合体ブロック、ポリ(ジエチレ
ングリコール)、ポリ(トリエチレングリコール)、ポ
リ(テトラエチレングリコール)等の脂肪族ポリエーテ
ル類重合体ブロック、エチレン−プロピレン共重合ブロ
ック、エチレン−アクリル(メタクリル)酸共重合ブロ
ック等の重合体ブロックが挙げられる。これらは単独で
用いても良く、複数組み合わせて用いても良い。また、
ここに挙げた重合体ブロックはほんの一例であって、本
発明の趣旨に添って上記以外の10℃以下のガラス転移
温度を持つ重合体ブロックを含有するブロック共重合体
を用いることは本発明の範疇に含まれるべきものであ
る。
【0009】これら二つのブロックを含む(A)成分
は、上記二つのブロックを少なくとも一つずつ以上含ん
でいる必要があり、1高分子鎖中のブロック数には特に
上限はない。また、その中に二種類のみの共重合ブロッ
クが含まれる必要は全くなく、必要に応じて3種類以上
の重合体ブロックが含まれていても良い。その他にも、
感光性、相溶性等を付与する目的で反応性のある官能基
を有する繰り返し単位を導入したり、表面特性改善、相
構造制御等の目的で親水基・親油基等を導入した繰り返
し単位を導入することもできる。これらの修飾は本発明
の概念を逸脱しない限り本発明の範疇に含まれるべきも
のである。
【0010】(B)成分の例は(A)成分として用いる
重合体の組成に依存する。なぜならば、(B)成分は
(A)記載の重合体中に含まれるくり返し単位を少なく
とも含む重合体だからである。従って、本発明を詳細に
説明するために以下に二つの(A)成分に対する(B)
成分の例を挙げるが、(B)成分として用いることがで
きる重合体は(A)成分によって規定されるため以下の
例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に添って選
択することは本発明の範疇に含まれるべきものである。
例えば(A)成分としてスチレン−ブタジエン−スチレ
ントリブロック共重合体を用いた時は、(B)成分は少
なくともスチレンまたは、ブタジエンを含む単量体から
成る重合体でなければならない。即ち、ポリスチレン、
ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−アクリル(メタクリル)酸共重合体、スチレン−α−
オレフィン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン3元共重合体、エチレン−スチレン−ブタジエ
ン3元共重合体、エチレン−アクリロニトリル−ブタジ
エン3元共重合体等が例示できる。また、(A)成分と
してスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重
合体を用いた時は、(B)成分は少なくともスチレンま
たは、イソプレンを含む単量体から成る重合体でなけれ
ばならない。即ち、ポリスチレン、ポリイソプレン、ス
チレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−アク
リル(メタクリル)酸共重合体、スチレン−α−オレフ
ィン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン3元共重合体、エチレン−スチレン−ブタジエン3元
共重合体等が例示できる。
【0011】上記のように(A)記載の重合体中に含ま
れるくり返し単位を少なくとも含む必要があるのは、
(A)成分と(B)成分の相溶性に関係がある。もちろ
ん、共通のくり返し単位を持たない場合にも相溶する系
は存在するが、そういった系を見つけることは甚だ困難
を伴う。たとえそのような系を見つけたとしても、その
分率、成形条件に厳しい制約を受け、より良い性能をよ
り安価に提供することはかなり難しい。
【0012】本発明における(A)成分と(B)成分の
重量比は0.01〜10であることが好ましく、より好
ましくは0.05〜4、さらに好ましくは0.1〜2.
5である。この重量比が0.01未満では性能改善の度
合が小さすぎて産業上利用するには不適切であり、重量
比が10より大きくなると印刷版にした場合の現像速度
が小さくなりすぎ好ましくない。
【0013】本発明においては、上記(A)成分と
(B)成分を含有する感光性樹脂組成物にさらに(C)
親水性化合物を配合することができる。かかる(C)親
水性化合物としては、水または、水を25重量%以上含
む現像液に可溶、分散あるいは200%以上膨潤する分
子量が500以上であるポリマー、オリゴマーおよび分
子量が500未満である有機化合物であり、特に、−C
2 M基、−SO3 M基、(Mは水素原子、周期表第
I、II、III 族元素、アミン、アンモニウムを示す)、
−NH2 、−OHなどの親水基を有し、かつ鎖状で架橋
の無いポリマーが好ましい。なぜなら低分子量化合物は
未露光時の形状安定性を悪化させるとともに、ブリード
アウトが懸念され、また、ポリマーの架橋構造は印刷版
の現像性に対して不利に働くので、分岐が少ないか、全
く無い構造のポリマーがより好ましい。
【0014】このような親水性ポリマーの例として、ポ
リビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセル
ロースなどの汎用樹脂の他に(メタ)アクリル酸とジエ
ン化合物を共重合させたジエン系ゴム、無水マレイン酸
で変性した液状ポリブタジエン、また特に効果的な骨格
としては−COOM(以下、Mは水素原子、周期表第
I、II、III 族元素、アミン、アンモニウムを示す)を
0.5〜50000当量/106 g有するポリマーが挙
げられ、前記周期表第I、II、III 族元素としては、ナ
トリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属、カ
ルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ホウ
素、アルミニウムなどが挙げられる。なお本発明におい
て−COOM基が0.5当量/106 g未満では水に対
する親和性が劣り水系現像液で現像することが難しく、
一方50000当量/106 gを越えると耐水系インキ
性が劣るので好ましくない。
【0015】上記親水性ポリマーとしては−COOM基
含有ポリウレタン、−COOM基含有ポリウレアウレタ
ン、−COOM基含有ポリエステル、−COOM基含有
エポキシ化合物、−COOM基含有ポリアミド酸、−C
OOM基含有アクリロニトリル−ブタジエンコポリマ
ー、−COOM基含有スチレン−ブタジエン−コポリマ
ー、−COOM基含有ポリブタジエン、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ル(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CM
C)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチル
セルロース(MC)、ポリエチレンオキサイド、ポリエ
チレンイミン及び該化合物誘導体等が例示できるが、本
発明に使用できる(C)成分は上記に限定されるもので
はない。
【0016】なお前記親水性ポリマーに酸性基が含有さ
れる場合、より中性に近い現像液で現像可能にするため
に、その一部または全てを中和することが推奨される。
その際、使用される化合物としては、水酸化リチウム、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等アルカリ金属の水
酸化物、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
等のアルカリ金属塩、カリウムt−ブトキサイド、ナト
リウムメトキサイド等のアルコキサイド、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の多
価金属の水酸化物、アルミニウムイソプロポキサイドを
始めとする多価金属アルコキサイド、トリエチルアミ
ン、トリn−プロピルアミン等の第3級アミン、ジエチ
ルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2級アミン、
エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1級アミン、
モルホリン等の環状アミン、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)ア
クリレート、炭酸アンモニウム塩、アンモニウム塩等を
挙げることができる。これらは単独あるいは複数組み合
わせて使用してもよい。また前記親水性ポリマーはまた
架橋基として作用できるようにエチレン性不飽和基を含
有していてもよい。
【0017】なお、本発明において(C)親水性化合物
の全組成物中の含有率は特に限定されるものではない
が、印刷版にした場合の水系現像性、耐水系インキ性を
考慮すると、本発明で示される(C)成分の分率は5〜
50重量%が好ましく、さらに7〜20重量%が望まし
い。
【0018】本発明に示される組成物は感光性を有する
ことを必須条件としているが、硬化させるに要するエネ
ルギー線はγ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線など
の電磁波はもちろんのこと、中性子線、β線などの粒子
線をはじめとする各種エネルギー線も含まれる。しか
し、安全面・コスト面から電磁波の利用が好ましく、ま
た、前記理由と長期保存安定性、取り扱いの容易さのバ
ランスを考慮に入れると紫外線の利用がより好ましい。
【0019】本発明の構成要件は(A)、(B)両成分
の好ましい重量比を規定するが、(A)、(B)両成分
の全組成物中の分率は全くの任意である。また(C)成
分は水系現像液による現像を可能にするための必須成分
である。従って、その他の成分は限定されるものではな
く、用途に応じて全く任意に配合することができる。他
の配合成分は特に限定するものではないが、ラジカル重
合能を有する化合物、光開始剤、安定剤、増量剤等が考
えられる。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物によって得られ
る感光性樹脂印刷版を現像する方法は特に限定はしない
が、水または水を25重量%以上含む現像液によって溶
解または膨潤させ、ブラシで除去する方法が推奨され
る。その際用いる現像液は水の他に必要に応じて、アル
カリ、酸、界面活性剤、アルコール、その他の有機溶剤
を75重量%まで混合することができる。その中でも人
体への安全性の面から界面活性剤の使用が最も推奨され
る。使用できる界面活性剤の種類は特に限定されるもの
ではないが、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤など幅広
く用いることができる。その界面活性剤の濃度は0.0
1〜10重量%が好ましい。より具体的にはスルホン酸
塩類、アルキル酸塩類やホスホン酸塩類といった界面活
性剤を主として添加した中性の現像液、脂肪族カルボン
酸塩類や脂肪族アルカノールアミド類といった界面活性
剤を主として添加した弱アルカリ性の現像液、その他p
H5.0〜9.0の範囲にある現像液が現像性と人体へ
の安全面のバランスから特に推奨される。
【0021】前記方法によって得られた感光性樹脂組成
物は(A)成分ないしは(B)成分を単独で用いた場合
よりも、感光後のゴム弾性に優れた性能を持つ。このこ
とは前記組成物を印刷版として使用した場合に印刷機の
精度への依存性を小さくし、印刷における条件幅を拡大
することになり、印刷特性を飛躍的に増大させる。また
(C)成分の存在により、前記方法によって得られた感
光性樹脂印刷版は水または水を25重量%以上含む現像
液によって現像可能である。この点は特に人体・環境の
安全の面から有用である。特にこの性能・性質は水系現
像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂印刷版として有用で
ある。さらに他にエネルギー線硬化するエラストマーを
必要とする用途、例えば接着剤、フィルム、塗料等にも
使用することができる。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。当業者はこれにより、さらに容易に本発明を実施す
ることが可能となろう。しかし、以下の実施例は本発明
をより詳細に説明するために示すのであって、本発明は
下記の実施例に限定されるものではない。
【0023】本発明に示した反発弾性率は以下の方法に
より測定した。 反発弾性率:各実施例・比較例で得られる感光性樹脂組
成物を125μmのポリエステルフィルムで挟み、ヒー
トプレス機を用いて温度100℃、圧力100kg/c
2 で一分間加熱・加圧して1mm厚の成形品を得た
後、高圧水銀灯(ORC社製 polymer printer 300
0:照度80W/m2 )で表裏10分ずつ光を照射し十
分硬化させた。その硬化物をフィルムより剥離し、真空
乾燥機で60℃、24時間乾燥させたものを4枚重ねし
た試験片を調製した。その試験片に直径10mm、重さ
4.16gの鋼鉄球を高さ20cmから落下させ、跳ね
戻る高さ(a)を読み取り、(a/20)×100
(%)を反発弾性率とした。 現像速度:得られた感光性樹脂組成物を125μm厚ポ
リエステルフィルムとポリビニルアルコールを2μm厚
に塗付したマット処理済の100μm厚ポリエステルフ
ィルム(PVA面を感光性樹脂組成物側にする)で挟
み、ヒートプレス機を用いて温度100℃、圧力100
kg/cm2 で一分間加熱・加圧して3mm厚の成形品
を得た後、同成形品を約5cm角に裁断する。この試料
のマット処理済のフィルムのみを剥離し、中央に2.5
cm角の遮光フィルムを置いて露光機(アンダーソン&
ブリーランド社製 A2サイズ)で5分露光する。続い
て現像機(ロボ電子製 CRS600 ナイロンブラ
シ)で15分現像し、その深度を現像速度とした。
【0024】実施例 1 ポリテトラメチレングリコール29.0重量部(保土谷
化学(株)製G−850)、ジメチロールプロピオン酸
(藤井義通商製)62.0重量部、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製)11
9.0重量部、およびラウリル酸−n−ブチルスズ5.
0重量部をテトラヒドロフラン300.0重量部に溶解
した溶液を撹拌機の付いた1リットルフラスコに入れ、
撹拌を続けながらフラスコを65℃に加熱し、3時間反
応を続けた。さらにヒドロキシエチルメタクリレート2
6.0重量部を加え65℃に加熱しながら2時間反応を
続けた。別の容器で末端アミノ酸基含有アクリロニトリ
ル、ブタジエンオリゴマー(Hycar ATBN 1300×1
6 宇部興産)184.0重量部をテトラヒドロフラン
270.0重量部に溶解して調製した溶液を上記の1リ
ットルフラスコ内に室温下で撹拌しながら添加した。得
られたポリマー溶液を減圧乾燥してテトラヒドロフラン
を除去した。得られたポリマーは、還元粘度:η sp
/c(dl/g)=0.22、数平均分子量(Mn)=
6703、重量平均分子量(Mw)=30026、多分
散度(Mw/Mn):4.48、酸価63.9(mg
KOH)を示した。次に該ポリマー100重量部をメチ
ルエチルケトン100重量部に溶解した溶液に、水酸化
リチウム2.4重量部、酢酸マグネシウム5.3重量部
をイオン交換水100重量部に溶解した水溶液を室温下
で撹拌しながら添加し、さらに30分撹拌することによ
って親水性ポリマー〔I〕を得た。
【0025】上記親水性ポリマー〔I〕12重量部、塩
素化ポリエチレン(エラスレン352FA 昭和電工
(株)製)46.0重量部、(A)成分としてスチレン
−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(カリフ
レックスTR−1101S シェルジャパン(株)製)
1.4重量部、(B)成分としてスチレン−ブタジエン
ゴム(SBR1507 日本合成ゴム(株)製)12.
6重量部、ブタジエンオリゴアクリレート(PB−A
共栄社油脂(株)製)27.0重量部、ベンジルジメチ
ルケタノール(イルガキュア651 チバガイギー
(株)製)1.0重量部、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル0.1重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール0.05重量部、トルエン40.0重量部およ
び水10.0重量部をバンバリー翼を装備した加圧ニー
ダーにより、温度70℃、1×106 dyn/cm2
剪断応力をかけて分散混練した後、減圧濃縮を行い感光
性樹脂組成物を得た。この時点での未硬化の感光性樹脂
組成物を用いて、前記方法により反発弾性率を測定し
た。結果を表1に示す。
【0026】得られた感光性樹脂組成物を125μm厚
みのポリエステルフィルムと、ポリビニルアルコールを
片面にコートした125μm厚みのポリエステルフィル
ムで、各々コート面と感光性樹脂組成物とが接するよう
はさみ、ヒートプレス機で温度100℃、圧力100k
g/cm2 で一分間加熱・加圧して、2.84mm厚の
シート状の感光性樹脂印刷原版を得た。最上層のポリエ
ステルフィルムを剥離して感光性樹脂層上にポリビニル
アルコール膜を残し、画像を有するネガフィルムをその
上に密着して水銀灯(大日本スクリーン社製)照度25
W/m2 で、5分間露光した。ネガフィルムを除いた
後、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム2重量%
を含有する中性水を現像液として40℃15分間、ブラ
シによる現像を行い感光性樹脂印刷版を得た。この印刷
版の現像速度は表1に示す値である。
【0027】実施例 2 (A)成分を4.2重量部、(B)成分を9.8重量部
とした以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を
得た。 実施例 3 (A)成分を7.0重量部、(B)成分を7.0重量部
とした以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を
得た。 実施例 4 (A)成分を9.8重量部、(B)成分を4.2重量部
とした以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を
得た。 実施例 5 (A)成分をスチレン−ブタジエン−スチレントリブロ
ック共重合体(カリフレックスKX155P シェルジ
ャパン(株)製)とした以外は実施例3と同様にして感
光性樹脂組成物を得た。 実施例 6 (A)成分をスチレン−ブタジエン−スチレントリブロ
ック共重合体(カリフレックスTR1184 シェルジ
ャパン(株)製)とした以外は実施例3と同様にして感
光性樹脂組成物を得た。 実施例 7 (A)成分をスチレン−イソプレン−スチレントリブロ
ック共重合体(カリフレックスKX400P シェルジ
ャパン(株)製)とした以外は実施例3と同様にして感
光性樹脂組成物を得た。 実施例 8 (A)成分をスチレン−ブタジエン−スチレントリブロ
ック共重合体(カリフレックスKX83P シェルジャ
パン(株)製)とした以外は実施例3と同様にして感光
性樹脂組成物を得た。 実施例 9 (A)成分をスチレン−ブタジエン−スチレントリブロ
ック共重合体(カリフレックスD1117 シェルジャ
パン(株)製)とした以外は実施例3と同様にして感光
性樹脂組成物を得た。 実施例 10 (B)成分をブタジエンゴム(JSR BR02L 日
本合成ゴム(株)製)とした以外は実施例3と同様にし
て感光性樹脂組成物を得た。
【0028】比較例 1 (B)成分を14.0重量部、(A)成分を全く用いな
い他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。 比較例 2 (A)成分を14.0重量部、(B)成分を全く用いな
い他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。 比較例 3 (A)成分を14.0重量部、(B)成分を全く用いな
い他は実施例6と同様にして感光性樹脂組成物を得た。 比較例 4 (A)成分を14.0重量部、(B)成分を全く用いな
い他は実施例7と同様にして感光性樹脂組成物を得た。 比較例 5 (A)成分を14.0重量部、(B)成分を全く用いな
い他は実施例8と同様にして感光性樹脂組成物を得た。 比較例 6 (A)成分を14.0重量部、(B)成分を全く用いな
い他は実施例9と同様にして感光性樹脂組成物を得た。 比較例 7 (A)成分をスチレン−イソプレン−スチレントリブロ
ック共重合体(カリフレックスKX400P シェルジ
ャパン(株)製)7.0重量部、(B)成分をブタジエ
ンゴム(JSR BR02L 日本合成ゴム(株)製)
7.0重量部とした他は実施例1と同様にして感光性樹
脂組成物を得た。
【0029】これら実施例・比較例に示した方法で調製
した感光性樹脂組成物に関し、反発弾性率を前記方法に
より測定した。また、これら各組成物から実施例1と同
様にして得られた印刷版の現像速度も測定した。結果を
表1に示す。実施例1〜4は比較例1、2と、実施例5
は比較例1と、実施例6は比較例1、3と、実施例7は
比較例1、4と、実施例8は比較例1、5と、実施例9
は比較例1、6と、実施例10は比較例2とそれぞれ比
較することにより、(A)成分と(B)成分それぞれ単
独で用いる場合よりも反発弾性率が向上していることが
わかる。また、比較例7は(A)、(B)両成分が共通
の繰り返し単位を持たない系であるが、反発弾性率は比
較例4よりもさらに低くなっている。
【0030】感光性樹脂印刷版の現像速度は高ければ高
い程同じレリーフ深度を得る時間が短くなるので有利で
あるが、実用上0.8mm/15分以上有れば十分であ
る。各実施例の組成物により得られた印刷版はいずれも
この値以上の現像速度を示し、レリーフ深度1.2mm
とした場合に得られた画像パターンはネガフィルムを忠
実に再現した。一方、比較例2、3の組成物により得ら
れた印刷版はいずれも現像速度が極端に小さく印刷に適
した画像パターンが得られなかった。この現像速度は
(A)成分の分率に大きく依存する。その一例を図1に
示す。本発明に示した実施例により得られたレリーフ
は、いずれもインキ受理転移性は良く、鮮明な印刷画像
を示した。なお、親水性ポリマー〔I〕を用いない他は
実施例3と同様にして得た感光性樹脂印刷版は水系現像
液で現像することができなかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上実施例で明らかなように、本発明の
感光性樹脂組成物はブロック性を有する熱可塑性エラス
トマーを一定量導入することにより、光硬化後のゴム弾
性を改善する優れた効果がある。またその方法も単に二
成分を混合することにより得られるため、生産技術上も
安定に生産できる。本発明の感光性樹脂組成物により得
られる印刷版は印刷特性を改善する効果を有する。ま
た、本発明による感光性樹脂印刷版は水を主成分とする
現像液で現像可能であり、人体・環境面での安全性に優
れる。特にこの性能・性質はフレキソ印刷用感光性樹脂
印刷版として有用である。この他に本発明はエネルギー
線硬化するエラストマーを必要とし、かつ、そのゴム弾
性が良好であることが求められる用途、例えば接着剤、
フィルム、塗料等にも使用することができる。また、熱
可塑性エラストマー成分を含むことから、ラバーブー
ツ、ジョイントプッシュ、エンブレム、バンド、ケーブ
ルカバー等の成形品、ガス管内張り等のコート後、光硬
化することが有効な用途にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光性樹脂組成物の(A)/(B)(重量比)
と現像速度の関係を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)25℃以上のガラス転移温度を持
    つ重合体ブロックと、10℃以下のガラス転移温度を持
    つ重合体ブロックとを少なくとも含むエラストマー状ブ
    ロック共重合体、(B)前記(A)共重合体中に含まれ
    るくり返し単位を少なくとも1種以上有する重合体を含
    有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ブロック共重合体と、(B)重合
    体との重量比が0.01〜10である請求項1記載の感
    光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の感光性樹脂組成物に、さ
    らに(C)親水性化合物を配合することを特徴とする感
    光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の感光性樹脂組成物か
    らなることを特徴とする感光性樹脂印刷版。
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