JPH08109140A - 高血圧症予防治療剤 - Google Patents
高血圧症予防治療剤Info
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- JPH08109140A JPH08109140A JP6246160A JP24616094A JPH08109140A JP H08109140 A JPH08109140 A JP H08109140A JP 6246160 A JP6246160 A JP 6246160A JP 24616094 A JP24616094 A JP 24616094A JP H08109140 A JPH08109140 A JP H08109140A
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- JP
- Japan
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- iii
- hypertension
- administration
- preventing
- blood pressure
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ヒト由来アンチトロンビン−III を有効成分
とする高血圧症予防治療剤。 【効果】 ヒト由来アンチトロンビン−III は哺乳動物
に対して血圧低下作用を示し、高血圧症(本態性高血圧
症、腎性高血圧症、肺高血圧症など)、また他の高血圧
症状を伴う循環器系疾患の予防および/または治療に有
用である。
とする高血圧症予防治療剤。 【効果】 ヒト由来アンチトロンビン−III は哺乳動物
に対して血圧低下作用を示し、高血圧症(本態性高血圧
症、腎性高血圧症、肺高血圧症など)、また他の高血圧
症状を伴う循環器系疾患の予防および/または治療に有
用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト由来アンチトロン
ビン−III (以下、単にAT−III という)を有効成分
とする高血圧症予防治療剤に関する。
ビン−III (以下、単にAT−III という)を有効成分
とする高血圧症予防治療剤に関する。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】AT−III
は血漿中に存在するα2 グロブリンに属する糖蛋白質の
一種で、その分子量は65,000〜68,000であ
り、血液凝固系のプロテアーゼ阻害活性を有し、トロン
ビンの凝固活性を強く阻害する。また、トロンビンに対
する阻害作用のみならず、その他の凝固因子、例えば活
性化X因子、活性化IX因子などに対する阻害作用をも有
している。その他、プラスミンやトリプシンに対する阻
害作用があることも報告されている。これらの阻害作用
は、一般にヘパリンの共存下でより速やかに進行するこ
とが知られている。このような薬理作用を有するAT−
III は、凝固異常亢進の補正、具体的には汎発性血管内
凝固症候群(DIC)の治療を目的として用いられてい
る。
は血漿中に存在するα2 グロブリンに属する糖蛋白質の
一種で、その分子量は65,000〜68,000であ
り、血液凝固系のプロテアーゼ阻害活性を有し、トロン
ビンの凝固活性を強く阻害する。また、トロンビンに対
する阻害作用のみならず、その他の凝固因子、例えば活
性化X因子、活性化IX因子などに対する阻害作用をも有
している。その他、プラスミンやトリプシンに対する阻
害作用があることも報告されている。これらの阻害作用
は、一般にヘパリンの共存下でより速やかに進行するこ
とが知られている。このような薬理作用を有するAT−
III は、凝固異常亢進の補正、具体的には汎発性血管内
凝固症候群(DIC)の治療を目的として用いられてい
る。
【0003】本発明は、AT−III の従来知られていな
かった作用を利用した新規な薬剤を提供することを目的
とする。すなわち、AT−III の新規な医薬用途を提供
することを目的とする。
かった作用を利用した新規な薬剤を提供することを目的
とする。すなわち、AT−III の新規な医薬用途を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、AT−III が血圧
低下作用を有し、高血圧症の予防および/または治療に
有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、AT−III が血圧
低下作用を有し、高血圧症の予防および/または治療に
有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明はAT−III を有効成分とす
る高血圧症予防治療剤に関する。
る高血圧症予防治療剤に関する。
【0006】本発明で使用されるAT−III は、ヒト由
来のもので、医薬として使用できる程度に精製されたも
のであれば特に制限されるものではなく、例えばヒトの
全血、血漿、血清または凝固した血液から圧搾された血
清等から精製することができる。使用される血液として
は、特にHBs抗原、抗HIV抗体に陰性であり、GT
Pが正常値の2倍以下であるものが好ましい。
来のもので、医薬として使用できる程度に精製されたも
のであれば特に制限されるものではなく、例えばヒトの
全血、血漿、血清または凝固した血液から圧搾された血
清等から精製することができる。使用される血液として
は、特にHBs抗原、抗HIV抗体に陰性であり、GT
Pが正常値の2倍以下であるものが好ましい。
【0007】AT−III を調製するための出発原料とし
ては、例えば血漿のコーン分画法における画分IV−1、
画分IV、上清Iまたは上清II+III が使用される。AT
−III の精製法としては、例えば特開昭48−3501
7号明細書、特公昭59−7693号明細書に開示の方
法等が例示される。また、AT−III は細胞培養法(例
えば、特表昭57−500768号公報参照)、遺伝子
工学法(例えば、特開昭58−162529号公報参
照)などにより調製されるものであってもよい。また、
市販のAT−III 製剤(例えば商品名:ノイアート/
(株)ミドリ十字等)を用いることもできる。
ては、例えば血漿のコーン分画法における画分IV−1、
画分IV、上清Iまたは上清II+III が使用される。AT
−III の精製法としては、例えば特開昭48−3501
7号明細書、特公昭59−7693号明細書に開示の方
法等が例示される。また、AT−III は細胞培養法(例
えば、特表昭57−500768号公報参照)、遺伝子
工学法(例えば、特開昭58−162529号公報参
照)などにより調製されるものであってもよい。また、
市販のAT−III 製剤(例えば商品名:ノイアート/
(株)ミドリ十字等)を用いることもできる。
【0008】本発明の高血圧症予防治療剤の有効成分で
あるAT−III は、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、マウス、
ラット等の哺乳動物に対して血圧低下作用のような高血
圧症改善効果を示し、高血圧症(本態性高血圧症、腎性
高血圧症、肺高血圧症など)、また他の高血圧症状を伴
う循環器系疾患(例えば、脳梗塞に伴う血圧上昇)の予
防および/または治療に有用である。
あるAT−III は、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、マウス、
ラット等の哺乳動物に対して血圧低下作用のような高血
圧症改善効果を示し、高血圧症(本態性高血圧症、腎性
高血圧症、肺高血圧症など)、また他の高血圧症状を伴
う循環器系疾患(例えば、脳梗塞に伴う血圧上昇)の予
防および/または治療に有用である。
【0009】本発明の高血圧症予防治療剤は、例えばイ
ンドメタシンのようなプロスタサイクリン生成を阻害す
る薬剤と併用しないことが好ましい。又、有効成分とし
てAT−III 単独の態様で使用されることが好ましい。
ンドメタシンのようなプロスタサイクリン生成を阻害す
る薬剤と併用しないことが好ましい。又、有効成分とし
てAT−III 単独の態様で使用されることが好ましい。
【0010】本発明の高血圧症予防治療剤は、本発明の
目的に反しない限り通常医薬品に用いられる薬理的に許
容される添加剤(例えば、担体、賦形剤、希釈剤等)、
安定化剤または製薬上必要な成分を配合していてもよ
い。安定化剤としては、マンニトール、ソルビトール、
サッカロースなどの糖類、クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、アスパラギン酸などの有機酸またはその塩(例えば
ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、グリシン
などのアミノ酸、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルなどの界面活性剤などが挙げられる。
目的に反しない限り通常医薬品に用いられる薬理的に許
容される添加剤(例えば、担体、賦形剤、希釈剤等)、
安定化剤または製薬上必要な成分を配合していてもよ
い。安定化剤としては、マンニトール、ソルビトール、
サッカロースなどの糖類、クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、アスパラギン酸などの有機酸またはその塩(例えば
ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、グリシン
などのアミノ酸、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルなどの界面活性剤などが挙げられる。
【0011】本発明製剤は、AT−III と上記成分とを
適宜混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ
剤、注射剤等の態様に調製されて、経口的または非経口
的に投与される。好ましくは、静脈内投与の態様であ
る。本製剤は、特にAT−III を薬理的に許容される添
加剤とともに凍結乾燥品として調製しておき、用時溶解
して使用する態様の製剤とすることが好ましい。かかる
製剤は、使用時に注射用蒸溜水や滅菌精製水等によって
約1〜300AT−III 単位/ml溶液として、より好
ましくは生理的に等張な塩濃度および生理的に好ましい
pH値(pH6〜8)に調整される。
適宜混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ
剤、注射剤等の態様に調製されて、経口的または非経口
的に投与される。好ましくは、静脈内投与の態様であ
る。本製剤は、特にAT−III を薬理的に許容される添
加剤とともに凍結乾燥品として調製しておき、用時溶解
して使用する態様の製剤とすることが好ましい。かかる
製剤は、使用時に注射用蒸溜水や滅菌精製水等によって
約1〜300AT−III 単位/ml溶液として、より好
ましくは生理的に等張な塩濃度および生理的に好ましい
pH値(pH6〜8)に調整される。
【0012】投与量は症状、体重、性別、動物種等によ
って適宜選択すればよく、一般的にヒトの成人に対して
は、通常1〜1000単位/kg体重/日、好ましくは
10〜500単位/kg体重/日を1日1〜数回に分け
て投与する。AT−III の投与量は投与経路により変わ
りうる。例えば、静脈内投与の場合50〜200単位/
kg体重/日、好ましくは100単位/kg体重/日の
投与量で投与することが、高血圧症に対する有効な予防
および治療効果を得るためにより好ましい。本明細書に
おいて、AT−III の力価は、1単位が正常人血漿1m
l中に含まれるAT−III 量に相当する。
って適宜選択すればよく、一般的にヒトの成人に対して
は、通常1〜1000単位/kg体重/日、好ましくは
10〜500単位/kg体重/日を1日1〜数回に分け
て投与する。AT−III の投与量は投与経路により変わ
りうる。例えば、静脈内投与の場合50〜200単位/
kg体重/日、好ましくは100単位/kg体重/日の
投与量で投与することが、高血圧症に対する有効な予防
および治療効果を得るためにより好ましい。本明細書に
おいて、AT−III の力価は、1単位が正常人血漿1m
l中に含まれるAT−III 量に相当する。
【0013】
【実験例・実施例】以下、本発明を詳細に説明するため
実験例および実施例を挙げるが、本発明はこれらによっ
て何ら限定されるものではない。
実験例および実施例を挙げるが、本発明はこれらによっ
て何ら限定されるものではない。
【0014】実験例1 高血圧自然発症ラット(以下、SHRという)を用いて
AT−III の血圧に対する効果を試験した。ペントバル
ビタール麻酔下にラットの大腿動脈にカニューレを挿入
し、血圧を測定した。各種薬剤は対側の大腿静脈より投
与した。薬剤投与後、30分毎にラットの血圧変化を測
定した。実験は以下の4群(1群4匹)で行った。コ
ントロール(正常Wistarラット、生理食塩水投
与)、SHR、AT−III 50単位/kg体重投与、
SHR、AT−III 250単位/kg体重投与、S
HR、AT−III 500単位/kg体重投与。結果を図
1に示す。SHRの群でAT−III 投与後、徐々に血圧
が低下し、投与2時間後に血圧が最低となった。特に、
AT−III 250単位/kg体重投与群およびAT−II
I 500単位/kg体重投与群で著明な血圧低下が認め
られた。また、正常WistarラットにAT−III を
投与した場合、血圧低下作用はSHRの場合に比べてわ
ずかであった。
AT−III の血圧に対する効果を試験した。ペントバル
ビタール麻酔下にラットの大腿動脈にカニューレを挿入
し、血圧を測定した。各種薬剤は対側の大腿静脈より投
与した。薬剤投与後、30分毎にラットの血圧変化を測
定した。実験は以下の4群(1群4匹)で行った。コ
ントロール(正常Wistarラット、生理食塩水投
与)、SHR、AT−III 50単位/kg体重投与、
SHR、AT−III 250単位/kg体重投与、S
HR、AT−III 500単位/kg体重投与。結果を図
1に示す。SHRの群でAT−III 投与後、徐々に血圧
が低下し、投与2時間後に血圧が最低となった。特に、
AT−III 250単位/kg体重投与群およびAT−II
I 500単位/kg体重投与群で著明な血圧低下が認め
られた。また、正常WistarラットにAT−III を
投与した場合、血圧低下作用はSHRの場合に比べてわ
ずかであった。
【0015】実験例2 AT−III とヘパリンを同時投与して血圧に対する効果
を試験した。実験例1と同様にして薬剤投与後のラット
の血圧変化を測定した。実験は以下の4群(1群4匹)
で行った。コントロール(正常Wistarラット、
生理食塩水投与)、SHR、AT−III 250単位/
kg体重投与、SHR、AT−III 250単位/kg
体重およびヘパリン300単位/kg体重投与、SH
R、ヘパリン300単位/kg体重投与。なお、群に
おいて、AT−III とヘパリンは同時に投与した。結果
を図2に示す。AT−III をヘパリンと同時に投与する
とAT−III の血圧低下作用が消失した。ヘパリン単独
投与では血圧に影響を及ぼさなかった。また、正常Wi
starラットにAT−III を投与すると血中6−ケト
−PGF1 αの上昇が認められ、AT−III は血管内皮
細胞からプロスタサイクリンを放出させると考えられ
る。この血中6−ケト−PGF1 αの上昇はヘパリンの
前投与で消失した。これらの結果から、AT−III の血
圧低下作用は血管内皮細胞からのプロスタサイクリン放
出の促進によることが示唆される。
を試験した。実験例1と同様にして薬剤投与後のラット
の血圧変化を測定した。実験は以下の4群(1群4匹)
で行った。コントロール(正常Wistarラット、
生理食塩水投与)、SHR、AT−III 250単位/
kg体重投与、SHR、AT−III 250単位/kg
体重およびヘパリン300単位/kg体重投与、SH
R、ヘパリン300単位/kg体重投与。なお、群に
おいて、AT−III とヘパリンは同時に投与した。結果
を図2に示す。AT−III をヘパリンと同時に投与する
とAT−III の血圧低下作用が消失した。ヘパリン単独
投与では血圧に影響を及ぼさなかった。また、正常Wi
starラットにAT−III を投与すると血中6−ケト
−PGF1 αの上昇が認められ、AT−III は血管内皮
細胞からプロスタサイクリンを放出させると考えられ
る。この血中6−ケト−PGF1 αの上昇はヘパリンの
前投与で消失した。これらの結果から、AT−III の血
圧低下作用は血管内皮細胞からのプロスタサイクリン放
出の促進によることが示唆される。
【0016】実験例3 AT−III のTrp49を化学修飾し、ヘパリンとの結
合を消失させた化学修飾AT−III (以下、Mod−A
T−III という)の血圧に対する効果を試験した。実験
例1と同様にして薬剤投与後のラットの血圧変化を測定
した。実験は以下の3群(1群4匹)で行った。コン
トロール(正常Wistarラット、生理食塩水投
与)、SHR、AT−III 250単位/kg体重投
与、SHR、Mod−AT−III 250単位/kg体
重投与。結果を図3に示す。Mod−AT−III の投与
では血圧の低下は認められなかった。またMod−AT
−III の投与では血中6−ケト−PGF1 αの上昇は認
められなかった。
合を消失させた化学修飾AT−III (以下、Mod−A
T−III という)の血圧に対する効果を試験した。実験
例1と同様にして薬剤投与後のラットの血圧変化を測定
した。実験は以下の3群(1群4匹)で行った。コン
トロール(正常Wistarラット、生理食塩水投
与)、SHR、AT−III 250単位/kg体重投
与、SHR、Mod−AT−III 250単位/kg体
重投与。結果を図3に示す。Mod−AT−III の投与
では血圧の低下は認められなかった。またMod−AT
−III の投与では血中6−ケト−PGF1 αの上昇は認
められなかった。
【0017】実験例4 プロスタサイクリン生成阻害剤であるインドメタシンで
前処置したラットにおけるAT−III の血圧に対する効
果を試験した。実験例1と同様の方法で薬剤投与後のラ
ットの血圧変化を測定した。実験は以下の3群(1群4
匹)で行った。コントロール(正常Wistarラッ
ト、生理食塩水投与)、SHR、AT−III 250単
位/kg体重投与、SHR、インドメタシン5mg/
kg体重前処置、AT−III 250mg/kg体重投
与。なお、群において、AT−III 投与の30分前に
インドメタシンを対側の大腿静脈から投与した。結果を
図3に示す。インドメタシンで前処置し、プロスタサイ
クリンの生成を阻害すると、AT−III の血圧低下作用
が消失した。
前処置したラットにおけるAT−III の血圧に対する効
果を試験した。実験例1と同様の方法で薬剤投与後のラ
ットの血圧変化を測定した。実験は以下の3群(1群4
匹)で行った。コントロール(正常Wistarラッ
ト、生理食塩水投与)、SHR、AT−III 250単
位/kg体重投与、SHR、インドメタシン5mg/
kg体重前処置、AT−III 250mg/kg体重投
与。なお、群において、AT−III 投与の30分前に
インドメタシンを対側の大腿静脈から投与した。結果を
図3に示す。インドメタシンで前処置し、プロスタサイ
クリンの生成を阻害すると、AT−III の血圧低下作用
が消失した。
【0018】従来、AT−III は血管内皮細胞上のヘパ
ラン硫酸と相互作用し血液凝固反応を制御することが知
られている。上記の実験結果から、AT−III は血管内
皮細胞上のヘパラン硫酸と相互作用し、血管内皮細胞か
らのプロスタサイクリン放出を促進することにより、血
管拡張作用を発現していると考えられる。
ラン硫酸と相互作用し血液凝固反応を制御することが知
られている。上記の実験結果から、AT−III は血管内
皮細胞上のヘパラン硫酸と相互作用し、血管内皮細胞か
らのプロスタサイクリン放出を促進することにより、血
管拡張作用を発現していると考えられる。
【0019】実験例5 急性毒性(LD50)はマウス、ラットの雌雄による差は
なく、静脈内投与、経口投与とも15000単位/kg
体重以上、皮下投与では20000単位/kg体重以上
であった。また、サル(雄)では静脈内投与で6000
単位/kg体重以上であった。
なく、静脈内投与、経口投与とも15000単位/kg
体重以上、皮下投与では20000単位/kg体重以上
であった。また、サル(雄)では静脈内投与で6000
単位/kg体重以上であった。
【0020】実施例1 コーンの冷アルコール分画法で得られた画分IV−1のペ
ースト10kgを生理食塩水100リットルに懸濁し、
硫酸バリウムを5(w/v)%になるように加え、室温
で30分間撹拌し、微量に存在するプロトロンビンを硫
酸バリウムに吸着させて除去した。この上清液をpH
6.5に調整し、ポリエチレングリコール#4000を
13(w/v)%になるように加え、生じた沈澱を遠心
分離して除き、さらにポリエチレングリコール#400
0を30(w/v)%になるように加え、さらに生じた
沈澱を遠心分離して回収した。この沈澱を冷生理食塩水
約20リットルに溶解し、予め生理食塩水で調製された
ヘパリンセファロースを充填したカラムへ注入し、AT
−III をカラムに吸着させた。このカラムを0.4Mの
塩化ナトリウム溶液で洗浄して不純蛋白を除いたのち、
2.0Mの塩化ナトリウム溶液をカラムに流して溶出し
てくる部分を回収した。このAT−III の水溶液にクエ
ン酸ナトリウムを0.6Mの濃度に加え、pH7.8に
調整した後60℃で10時間の加熱処理を施し、続いて
0.9%塩化ナトリウム溶液に対し1夜透析を行いつつ
濃縮してAT−III の1(w/v)%水溶液を得、必要
に応じて濾過または遠心分離を行って透明な液とした。
このAT−III の1(w/v)%水溶液にマンニトール
2(w/v)%とクエン酸ナトリウム0.2(w/v)
%を加え、塩化ナトリウムが0.5%になるように少量
の冷蒸溜水で希釈し、1Nの水酸化ナトリウムでpH
7.6に調整した後、滅菌したミリポアフィルターで除
菌濾過し、500単位づつ分注し、凍結乾燥を行って乾
燥製剤とした。
ースト10kgを生理食塩水100リットルに懸濁し、
硫酸バリウムを5(w/v)%になるように加え、室温
で30分間撹拌し、微量に存在するプロトロンビンを硫
酸バリウムに吸着させて除去した。この上清液をpH
6.5に調整し、ポリエチレングリコール#4000を
13(w/v)%になるように加え、生じた沈澱を遠心
分離して除き、さらにポリエチレングリコール#400
0を30(w/v)%になるように加え、さらに生じた
沈澱を遠心分離して回収した。この沈澱を冷生理食塩水
約20リットルに溶解し、予め生理食塩水で調製された
ヘパリンセファロースを充填したカラムへ注入し、AT
−III をカラムに吸着させた。このカラムを0.4Mの
塩化ナトリウム溶液で洗浄して不純蛋白を除いたのち、
2.0Mの塩化ナトリウム溶液をカラムに流して溶出し
てくる部分を回収した。このAT−III の水溶液にクエ
ン酸ナトリウムを0.6Mの濃度に加え、pH7.8に
調整した後60℃で10時間の加熱処理を施し、続いて
0.9%塩化ナトリウム溶液に対し1夜透析を行いつつ
濃縮してAT−III の1(w/v)%水溶液を得、必要
に応じて濾過または遠心分離を行って透明な液とした。
このAT−III の1(w/v)%水溶液にマンニトール
2(w/v)%とクエン酸ナトリウム0.2(w/v)
%を加え、塩化ナトリウムが0.5%になるように少量
の冷蒸溜水で希釈し、1Nの水酸化ナトリウムでpH
7.6に調整した後、滅菌したミリポアフィルターで除
菌濾過し、500単位づつ分注し、凍結乾燥を行って乾
燥製剤とした。
【0021】実施例2 1バイアル中、 AT−III 500単位 マンニトール 200mg 塩化ナトリウム 50mg クエン酸ナトリウム 52mg よりなる凍結乾燥品を用時20mlの注射用蒸溜水に溶
解して、静注用製剤とした。
解して、静注用製剤とした。
【0022】
【発明の効果】AT−III は哺乳動物に対して血圧低下
作用を示し、高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧
症、肺高血圧症など)、また他の高血圧症状を伴う循環
器系疾患(例えば、脳梗塞に伴う血圧上昇)の予防およ
び/または治療に有用である。
作用を示し、高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧
症、肺高血圧症など)、また他の高血圧症状を伴う循環
器系疾患(例えば、脳梗塞に伴う血圧上昇)の予防およ
び/または治療に有用である。
【図1】実験例1における血圧変化の結果を示すグラフ
である。
である。
【図2】実験例2における血圧変化の結果を示すグラフ
である。
である。
【図3】実験例3における血圧変化の結果を示すグラフ
である。
である。
【図4】実験例4における血圧変化の結果を示すグラフ
である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ヒト由来アンチトロンビン−III を有効
成分とする高血圧症予防治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6246160A JPH08109140A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 高血圧症予防治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6246160A JPH08109140A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 高血圧症予防治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08109140A true JPH08109140A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17144399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6246160A Pending JPH08109140A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 高血圧症予防治療剤 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH08109140A (ja) |
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1994
- 1994-10-12 JP JP6246160A patent/JPH08109140A/ja active Pending
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