JPH08108555A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JPH08108555A
JPH08108555A JP24521994A JP24521994A JPH08108555A JP H08108555 A JPH08108555 A JP H08108555A JP 24521994 A JP24521994 A JP 24521994A JP 24521994 A JP24521994 A JP 24521994A JP H08108555 A JPH08108555 A JP H08108555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal head
common electrode
electrode
heating element
layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP24521994A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Takahashi
昭範 高橋
Noboru Tsushima
登 対馬
Osamu Ogiyama
理 荻山
Toshiya Endo
俊哉 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高印字品質と高信頼性を得ることのできるサ
ーマルヘッドを提供する。 【構成】 基板1の表面に形成されたグレーズ層2と、
このグレーズ層2上に形成された複数の発熱素子3と、
これらの発熱素子3に電力を供給する個別電極4bおよ
び共通電極4aからなる電極と、前記グレーズ層2、発
熱素子3および電極上に積層された保護層5とを有して
なり、前記個別電極4bおよび共通電極4aの少なくと
も一方を、Alを主成分としScを微量添加した合金に
より形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンタに使
用されるサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、サーマルプリンタに使用される
サーマルヘッドは、例えば、絶縁性基板上に複数個の発
熱素子を直線的に整列配置し、記録情報に従って前記各
発熱素子に選択的に通電して通電された発熱素子を加熱
させて、感熱プリンタにおいては感熱記録紙を発色記録
させるか、あるいは、熱転写プリンタにおいてはインク
リボンのインクを部分的に溶融して普通紙に転写・記録
するために用いられる。
【0003】図4は従来の一般的なサーマルヘッドの断
面構造を示すものである。図示したように、アルミナ等
の絶縁性基板1の上面には、保温層として機能する断面
形状が略円弧状のガラスからなるグレーズ層2が形成さ
れており、このグレーズ層2の上面には、Ta2 N、T
a−SiO2 等からなる複数の発熱素子3が直線状に整
列して形成されている。これらの各発熱素子3の両側上
面には、各発熱素子3に電力を供給するための共通電極
4a及び個別電極4bがそれぞれ形成されている。これ
らの各電極4a,4bは、例えば、Al、Cu、Au等
の軟質金属からなっている。そして、前記各発熱素子3
は、前記共通電極4aおよび個別電極4b間に最小印字
単位である1ドット相当分の発熱領域3Aを形成するよ
うに各個独立に形成され、前記各発熱素子3の前記発熱
領域3Aは、前記各電極4a,4b間に電力を供給する
ことにより発熱されるようになされている。
【0004】さらに、前記グレーズ層2、発熱素子3お
よび各電極4a,4bの上面には、これらの各発熱素子
3および各電極4a,4bを保護するためのほぼ7〜1
0μmの膜厚の保護層5が形成されている。この保護層
5は、発熱素子3を酸化による劣化から保護するSiO
2等からなるほぼ2μmの膜厚の耐酸化層6と、この耐
酸化層6上に積層され、インクリボン等との接触による
摩耗から発熱素子3及び各電極4a,4bを保護するT
2 5 等からなるほぼ5〜8μmの膜厚の耐摩耗層7
とにより構成されている。なお、この保護層5は、前記
各電極4a,4bの端子部以外の全てを被覆するように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のサー
マルプリンタにあっては、印字品質を向上させるため
に、個々の発熱素子3の温度制御を良好にして個々の発
熱素子3における解像度を高くするとともに、発熱素子
3の数を増やす傾向にあるばかりでなく、インクリボン
のインク材料を冷時剥離用のワックス系から、熱時剥離
用の樹脂系のインクリボンを使用するように転換されて
いる。このようなインクリボンを使用する場合、発熱素
子3の発熱領域3Aとの圧接により加熱溶融されたイン
クリボンのインクが半溶融状態にあるときに、インクリ
ボンを記録紙から引き剥がす必要があるため、サーマル
ヘッドは、発熱素子3の発熱領域3Aの位置とインクリ
ボンの引き剥がし位置である基板1のエッジ部との距離
をなるべく短く(例えば、100〜150μm)するこ
とが要求されており、そのため、前記共通電極4aの幅
も30〜50μmと狭くなる傾向にある。
【0006】しかし、共通電極4aの幅を短くすること
により、記録時の共通電極4aの電流密度が増大し、結
果として共通電極4a自体の温度がジュール熱により上
昇し、電極材料がAlの場合には、Al原子の移動(マ
イグレーション)が生じ易く、結果的にコモン抵抗値の
増大、断線が発生し、印字濃度ムラ等の印字品質の低下
を生じるとともに、印字寿命が低下するという不具合が
生じている。
【0007】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、高印字品質と高信頼性を得ることのできるサー
マルヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のサーマルヘッドは、基板の表面に形成され
た保温層と、この保温層上に形成された複数の発熱素子
と、これらの発熱素子に電力を供給する個別電極および
共通電極からなる電極と、前記保温層、発熱素子および
電極上に積層された保護層とを有するサーマルヘッドで
あって、前記個別電極および共通電極の少なくとも一方
を、Alを主成分としScを微量添加した合金により形
成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明においては、共通電極をAlに微量のS
cが添加されたAl−Sc合金により形成することによ
り、Alのみを材料にして共通電極を形成した場合より
もAlの原子の移動を抑制することができる。すなわ
ち、Scを微量添加することによりAlの結晶粒界にA
l−Sc化合物(Al3 Sc)が析出し、これにより、
Al原子の移動(マイグレーション)が抑制されると考
えられる。その為、電流密度が増加しても短時間で抵抗
値が増大することを防止することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図1から図3に示す実施例に
より説明する。
【0011】図1は、本発明に係るサーマルヘッドの断
面構造を示したものであり、図2は図1のサーマルヘッ
ドの平面図を示したものである。なお、本実施例におい
ては、その効果がより顕著に現れるリアルエッジタイプ
のサーマルヘッドをもって本発明を説明する。
【0012】まず、アルミナセラミック等からなる所望
の絶縁性基板1の上面でサーマルヘッドの走行方向上流
側端部(図中右側)にガラス等からなる略円弧状のグレ
ーズ層2が形成されており、前記グレーズ層2の上面に
は、Ta2 NまたはTa−SiO2 等からなる所望の発
熱素子3が蒸着、スパッタリングなどの適宜な方法によ
り被着されている。そして、前記発熱素子3上には、グ
レーズ層2の頂部上となる各発熱素子3の発熱領域3A
の両側に各発熱素子3に対して通電するための共通電極
4aおよび個別電極4bがそれぞれ形成されている。
【0013】そして、本実施例における共通電極4aの
形成は、図3のフローチャートに示す工程により、Al
−Scからなるターゲット(組成比 Al:99.9
%、Sc:0.1%)を用いたスパッタリングにより形
成される。以下、この共通電極4aの形成を図3のフロ
ーチャートに従い説明する。
【0014】まず、表面に前記発熱素子3が被着された
絶縁性基板1を所定の位置にセッティングした後、チャ
ンバー内の空気を吸引して真空に引く(STEP
1)。
【0015】次に、ヒータ(図示せず)をON状態にし
(STEP 2)、前記絶縁性基板1の温度が約150
℃、真空度が7×10-4Pa以下になったら(STEP
3)、ヒータをOFFにする(STEP 4)。
【0016】そして、前記絶縁性基板1の温度が100
℃に下がったら(STEP 5)、プリスパッタを数分
間行ない(STEP 6)、その後、所定時間のスパッ
タエッチングを行なう(STEP 7)。
【0017】そして、次に真空度が4×10-4Paとな
ったならば(STEP 8)、メインスパッタリングを
所定時間行なうことにより所定の厚さの電極層を形成す
る(STEP 9)。
【0018】こうして形成された2μmの薄膜に従来例
と同様のエッチングを行ない、共通電極4aおよび個別
電極4bの間に発熱素子3の発熱領域3Aが露出してい
る所望の電極パターンが形成される。
【0019】そして、前記グレーズ層2、発熱素子3、
共通電極4aおよび個別電極4bの表面には、発熱素子
3を酸化による劣化から保護するSiO2 等からなるほ
ぼ2μmの膜厚の耐酸化層6と、この耐酸化層6上に積
層され、インクリボン等との接触による摩耗から発熱素
子3及び各電極4a,4bを保護するTa2 5 等から
なるほぼ5〜8μmの膜厚の耐摩耗層7とにより構成さ
れた7〜10μm程度の膜厚の保護層5が形成される。
【0020】つぎに、前述した構成からなる本実施例の
作用について説明する。
【0021】本実施例の共通電極4aの物性を測定した
結果、比抵抗は2.9μΩ・cmであり、従来のスパッ
タリングにより形成したAl膜と同等であった。
【0022】また、この共通電極4aの組成を測定した
結果、Alが99.5〜99.9%、Scが0.1〜
0.5%であった。
【0023】また、前述のサーマルヘッドを使用して熱
転写プリンタによる実印字時での耐久試験を行なった結
果、従来のサーマルヘッドが700〜800万字の印字
で共通電極の抵抗値が増大して破壊するのに対して、本
実施例のサーマルヘッドにおいては、約1300万字ま
で印字可能であった。そして、本実施例のサーマルヘッ
ドのうち印字不可能となったものでも、懸案事項であっ
た共通電極4aの抵抗値は増大しておらず、サーマルヘ
ッド自体の機械的強度の限界を越えたことによる破壊
(例えば、保護層5の摩耗・破壊等)であることがわか
った。
【0024】Al−Sc合金により形成された共通電極
は、通電加熱によってAlの原子が移動することをAl
−Scの結合体が防ぐ様に作用するものである。よっ
て、Alのみを材料にして共通電極を形成した場合より
もAlの原子の移動を抑制することができ、共通電極の
抵抗値上昇や断線を防ぐことができるものである。
【0025】このように、本実施例によれば、電流密度
が増加しても共通電極4aの電気抵抗値が短時間で増大
することを防止することができ、よって、電圧降下や断
線も起こりにくくなり、共通電極4aの耐久性を向上さ
せることができる。
【0026】なお、従来のAlのスパッタリングにより
成膜された薄膜表面には、スパッタ直後にヒロックと言
われる隆起が存在するが、Al−Sc合金のスパッタ成
膜にはヒロックが少なく、非常に平滑な面を得ることが
できる。
【0027】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、必要に応じて変更することができる。例え
ば、Sc添加量は0.01〜0.5wt%の間であれば
よく、本実施例に示した数値に限らない。
【0028】
【発明の効果】このように本発明は構成され作用するも
のであるから、本発明のサーマルヘッドにおいては、共
通電極としてAlに微量のScを添加した合金を使用し
たことにより、印字品質を高めるために共通電極の幅を
狭くしても共通電極の抵抗値の増大がないため電圧低下
も生じず、記録媒体に対するインクの良好な定着性を保
持するとともに、耐久性に優れたサーマルヘッドを提供
することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るサーマルヘッドの断面
【図2】本発明の一実施例に係るサーマルヘッドの平面
【図3】本発明のサーマルヘッドの共通電極を形成する
ためのスパッタリングの工程を説明するフローチャート
【図4】従来のサーマルヘッドの断面図
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 グレーズ層 3 発熱素子 3A 発熱領域 4a 共通電極 4b 個別電極 5 保護層 6 耐酸化層 7 耐摩耗層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 俊哉 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に形成された保温層と、この
    保温層上に形成された複数の発熱素子と、これらの発熱
    素子に電力を供給する個別電極および共通電極からなる
    電極と、前記保温層、発熱素子および電極上に積層され
    た保護層とを有するサーマルヘッドであって、前記個別
    電極および共通電極の少なくとも一方を、Alを主成分
    としScを微量添加した合金により形成したことを特徴
    とするサーマルヘッド。
JP24521994A 1994-10-11 1994-10-11 サーマルヘッド Pending JPH08108555A (ja)

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JP24521994A JPH08108555A (ja) 1994-10-11 1994-10-11 サーマルヘッド

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A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010904