JPH08108272A - 固定管の狭開先突合せ溶接方法 - Google Patents

固定管の狭開先突合せ溶接方法

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JPH08108272A
JPH08108272A JP24424794A JP24424794A JPH08108272A JP H08108272 A JPH08108272 A JP H08108272A JP 24424794 A JP24424794 A JP 24424794A JP 24424794 A JP24424794 A JP 24424794A JP H08108272 A JPH08108272 A JP H08108272A
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祐司 杉谷
Masatomo Murayama
雅智 村山
Masao Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定管の狭開先突合せ溶接において、溶接姿
勢、ギャップおよび開先幅の変動にかかわらず適正溶接
条件を選定して裏ビードの形成、開先壁の融合不良の防
止を図る。 【構成】 狭開先裏面に銅裏当材を当接し、溶接姿勢の
変化、ギャップおよび開先幅の変動を検出し、該変動値
に応じた適正な溶接条件をデータベースから選定して高
速回転アーク溶接法で初層の裏ビード形成、中間層の積
層溶接を行い、ウィービング溶接で最終層の仕上げ溶接
を上進溶接法により行う。 【効果】 ギャップおよび開先幅の変動に対し溶接姿勢
に応じた適正な溶接条件が選定されて、初層溶接におけ
る裏ビードの形成、積層、最終層の溶接が融合不良を起
こすことなく行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定管の突合せ溶接方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固定管の突合せ溶接は、初層溶接、積層
溶接、仕上げ溶接である最終層溶接からなる工程で施工
されているが、従来は、V開先を用い、初層、積層、最
終層とも溶接トーチのウィービング方式による溶接が一
般的である。
【0003】これに対して、特開平4−200975号
公報に開示された、固定管の突合せ溶接に高速回転アー
ク溶接法を用いた当出願人の発明がある。
【0004】前記公開公報に開示されている発明は、固
定管の突合せ部に底部がV形となる形状の狭開先を形成
し、固定管の開先裏面にセラミックス裏当材を配し、ア
ークの回転速度を10〜150Hz、アークの回転直径を
1〜4mmとした高速回転アーク溶接法により、溶接電
流300A以上、溶接速度150cm/分以上の条件
で、片面初層溶接するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のウィービング方
式による溶接方法は、溶接トーチをウィービングするた
め溶接能率が悪い。また、V開先であるため、固定管の
板厚が厚くなるにつれて、開先断面積が増加し必要な溶
着金属の量が多くなるので、溶接能率が低下する。
【0006】前述の特開平4−200975号公報に開
示された発明は、セラミックス裏当材を使用するもので
あるため、溶接電流、溶接速度が大であるが、セラミッ
クス裏当材は高価で、裏当材の耐吸湿管理等の現場作業
が複雑になる問題がある。
【0007】そして、開先部のルートギャップは、開先
合わせの誤差および熱変形により円周方向位置での変動
が避けられないが、従来技術では、その変動に対応した
溶接条件の制御がなされていないため、溶込み不足によ
り裏ビードが形成されなかったり、あるいは、溶込み過
剰となって裏ビードが出過ぎたりするという問題があ
る。
【0008】さらに、開先幅の変動に対しても溶接条件
の制御が行われていないため、積層溶接において、開先
壁側の融合不良等の欠陥が発生しやすく、最終層溶接に
おいて、開先両端部の溶込み不足、アンダーカット(溶
着金属量不足)、余盛りビードの過大または不足等の溶
接欠陥が発生しやすいという問題がある。
【0009】また、固定管の突合せ溶接では、溶接位置
が時計盤表示で0時から6時まで変化し、0時位置では
下向き溶接、3時(9時)位置では立向き溶接、6時位
置では上向き溶接、と溶接姿勢が変化するが、それに対
応した溶接条件の制御が行われていないため、溶接条件
の設定範囲が狭く、外乱に対して溶接欠陥が発生しやす
い。
【0010】このようなことから、固定管の突合せ溶接
は溶接作業者の技能に頼るところが大きく、自動化が遅
れている。
【0011】近年、溶接熟練者の人手不足の問題もあ
り、当該溶接作業の自動化、非熟練化および高能率化が
切望されている。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題は、固定管の
突合せ端面に狭開先を形成しガスメタルアーク溶接にて
固定管の狭開先突合せ溶接を行うにあたり、初層溶接に
おいては、狭開先の裏面に銅裏当金を当接し、アーク回
転速度が20〜100Hz、アーク回転直径が1〜4m
mの高速回転アーク溶接法を用い、前記高速回転アーク
の電流、電圧波形をセンサとして用いるアークセンサに
よって溶接トーチ高さ制御と開先倣い制御とを行うとと
もに、あらかじめ溶接姿勢別とルートギャップ別に、溶
接電流100〜300A、溶接速度15〜80cm/分
の範囲で設定された最適溶接条件データベースから、溶
接中に検出された溶接姿勢とルートギャップの値に応じ
て溶接条件を選定しながら円周下進溶接を行い、積層溶
接においては、アーク回転直径を2〜6mmに変更した
前記高速回転アーク溶接法を用い、前記溶接トーチ高さ
制御と開先倣い制御とを行うとともに、あらかじめ溶接
姿勢別と開先幅別に、溶接電流150〜400A、溶接
速度20〜120cm/分の範囲で設定された最適溶接
条件データベースから、溶接中に検出された溶接姿勢と
開先幅の値に応じて溶接条件を選定しながら円周下進溶
接を行い、最終層溶接においては、前記積層溶接での開
先倣い制御により得られる開先幅中央位置をウィービン
グの中心として溶接トーチをウィービングするととも
に、あらかじめ溶接姿勢別と開先幅別に、溶接電流60
〜180A、溶接速度7.5〜30cm/分の範囲で設
定された最適溶接条件データベースから、溶接中に検出
された溶接姿勢と開先幅の値に応じて溶接条件を選定し
ながら円周上進溶接を行うことを特徴とする固定管の狭
開先突合せ溶接方法により解決される。
【0013】
【作用】初層溶接、積層溶接において、高速回転アーク
溶接法を用いることで、アーク分散効果により狭開先溶
接特有の開先壁面の融合不良が解消されるので、狭開先
の使用が可能で、溶着金属量の低減により溶接能率の飛
躍的な向上が図られる。
【0014】そして、初層溶接工程においては、高速回
転アーク溶接法を用い、アークセンサによる溶接トーチ
高さ制御と開先倣い制御とを行うとともに、最適溶接条
件データベースから、溶接姿勢およびルートギャップの
変動に応じて溶接条件を選定することにより、円周全体
に良好な初層溶接ビードが形成される。
【0015】積層溶接工程においても、高速回転アーク
溶接法を用い、アークセンサによる溶接トーチ高さ制御
と開先倣い制御とを行うとともに、最適溶接条件データ
ベースから、溶接姿勢および開先幅の変動に応じて溶接
条件を選定することにより、円周全体に良好な積層溶接
ビードが形成される。
【0016】最終層溶接工程においては、ウィービング
溶接法を用い、溶接姿勢および開先幅の変動に応じて、
最適溶接条件データベースから溶接条件を選定すること
により、円周全体に良好な最終層溶接ビードが形成され
る。
【0017】また、初層溶接工程と積層溶接工程を下進
溶接にて行うことで、溶融池が滑らかに移動し、溶接能
率の向上が図られる。
【0018】最終層溶接工程は、溶融池を支えながら比
較的低電流、低速度で上進溶接を行うことで、溶接部表
面の材質的特性が良好になる。
【0019】そして、裏当材として銅当金を用いること
で、裏当材の取扱いや保存が容易になり、作業がやりや
すくなる。
【0020】前記高速回転アーク溶接法のアーク回転速
度を20〜100Hzとしたのは、20Hz未満である
とアーク熱とアーク力の分散が効果的に行われず、また
100Hzを越えるとこの逆になり良好な溶接部が得ら
れないからである。
【0021】初層溶接工程における高速回転アーク法の
アーク回転直径を1〜4mmとしたのは、1mm未満で
はアークセンサーとしての機能が得られず、また4mm
を越えるとアークが分散しすぎるからである。
【0022】積層溶接工程における高速回転アーク法の
アーク回転直径を2〜6mmとしたのは、2mm未満で
は開先壁面の溶込みが得られず、また6mmを越えると
アークが分散し過ぎるからである。
【0023】最終層溶接工程におけるウィービング溶接
法のウィービング速度は、5mm/秒未満だと開先中央
部に位置する時間が長くなり湯流れが発生しやすく、4
0mm/秒を越えるとアークの圧力や入熱が分散され過
ぎるので開先両端での融合不良が発生しやすくなるの
で、5〜40mm/秒が好ましい。また、ウィービング
幅は、2mm未満だと開先両端の融合不良が発生しやす
く、6mmを越える溶接ビード幅が過大となり湯流れが
発生しやすくなるので、2〜6mmが好ましい。
【0024】前述の初層、積層溶接工程におけるアーク
センサによる溶接トーチの高さ制御は、高速で回転する
溶接電流の一回転毎の平均値が基準値と一致するように
溶接トーチの高さを制御する方法である。これにより、
溶接ビード高さの均一化を図ることができる。
【0025】また、アークセンサによる開先倣い制御
は、前述の高速で回転する溶接アーク電圧の左側と右側
の積分値(平均値)を比較し、左右の積分値が等しくな
るように溶接トーチの開先幅方向位置を制御する方法で
ある。これにより溶接トーチが開先幅中央位置を保ち、
溶接線方向を自動的に追従することができる。
【0026】最終層溶接工程では、開先壁面があまり残
っていないので、アークセンサによる開先倣い制御が難
しいことから、積層溶接工程での開先倣い制御により得
られる開先幅中央位置を記憶しておき、それをウィービ
ングの中心値として再生して溶接トーチをウィービング
することにより、溶接線方向を自動的に追従することが
できる。
【0027】溶接姿勢の検出については、固定管の径が
既知であるので、固定管の外周を走行している溶接台車
の0時位置からの円周方向移動距離を測定することによ
り、溶接トーチの時計盤表示の位置が分かり、溶接姿勢
を検出することができる。
【0028】また、ルートギャップまたは開先幅の変動
は、一例として、CCDカメラ等でルート開先部を画像
処理して求めることができる。
【0029】溶接姿勢別および開先ルートギャップ別ま
たは開先幅別の溶接条件は、初層溶接、積層溶接および
最終層溶接に分けて、あらかじめ実験により求め、最適
溶接条件データベースとして記憶させておく。
【0030】各溶接工程における溶接電流および溶接速
度は、下記の理由によりその範囲を限定した。
【0031】初層溶接電流は100A未満であるとルー
ト部の溶込みが不足となりやすく、安定な裏ビードが形
成されない。また、300Aを越えると、逆に、アーク
圧力が過大となり、裏ビードが出過ぎとなり、良好な裏
ビードが形成されない。
【0032】初層溶接速度は前述の溶接電流値との関係
で決まるが、15cm/分未満では溶接ビード高さが高
くなり割れが発生しやすく、また、立向き姿勢では溶接
ビードの垂れ落ちが生じやすい。80cm/分を越える
と入熱不足により溶込みが不足となりやすく、安定した
裏ビードが形成されない。
【0033】積層溶接電流は150A未満であると開先
壁面の溶込みが不足となりやすく、融合不良が発生し安
定な裏ビードが形成されない。また、400Aを越える
と、逆に、アーク圧力が過大となり、溶接ビードが出過
ぎとなり、良好な積層ビードが形成されない。
【0034】積層溶接速度は前述の溶接電流値との関係
で決まるが、20cm/分未満では溶接ビード高さが高
くなり割れが発生しやすく、また、立向き姿勢では溶接
ビードの垂れ落ちが生じやすい。120cm/分を越え
ると入熱不足により溶込みが不足となりやすく、安定し
た積層ビードが形成されない。
【0035】最終層溶接電流は60A未満であると溶込
みが不足となりやすく、安定な溶接ビードが形成されな
い。また、180Aを越えると、逆に、アーク圧力が過
大となり、溶接ビードが出過ぎとなり、溶接ビードの美
観が損なわれることと溶接金属の硬度が高くなり過ぎ
る。
【0036】最終層溶接速度は前述の溶接電流値との関
係で決まるが、7.5cm/分未満では溶接ビード高さ
が高くなり割れが発生しやすく、また、立向き姿勢では
溶接ビードの垂れ落ちが生じやすい。30cm/分を越
えると入熱不足により溶込みが不足となりやすく、安定
した仕上げ溶接ビードが形成されない。
【0037】以上より、本発明においては、狭開先の採
用と各溶接工程毎の適切な溶接法の使用および溶接中の
適応制御の実施により、固定管の突合せ溶接作業の自動
化、高能率化、高品質化が達成される。
【0038】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面により説
明する。
【0039】図1は、本発明の固定管の突合せ溶接にお
ける初層溶接部の狭開先継手断面図である。図1におい
て、1、2は固定管の一部で、該固定管1、2の端部が
形成する狭開先3は、底部はルート部開先3aが90°
〜150°の角度θ1 を有するV字状で、該底部におい
てルートギャップΔGが0となることを目標として当接
して配置されるが、固定管1、2のセッティング誤差、
溶接の熱変形等によりギャップは避けられない。
【0040】ルート部開先角度θ1 を90°〜150°
にしたのは、90°未満であると充分な裏ビードの溶込
みが得られにくく、150°を越えると裏ビードが出過
ぎやすくなり、ルートギャップの変動への対応が難しく
なるし、アークセンサによる検出感度が低下する等の問
題が生じる危険性があるからである。
【0041】ルートギャップΔGを取らないのは、開先
合わせが容易になり開先合わせ作業が短時間に行えるか
らである。
【0042】WBは狭開先の幅を示すが、次層の積層溶
接を良好に行うためには5mm以上あることが望まし
い。例えば、固定管1、2の板厚12mmであれば、
5.5mm程度が好ましい。
【0043】該狭開先3は外側に向かい片側1°〜2°
のテーパー角度θ2 を有している。テーパー状の狭開先
とした理由は、熱収縮により狭開先の外方が狭くなるの
であらかじめ板厚や溶接条件に応じて狭開先の外方を拡
げておいた方が好結果が得られるからである。
【0044】ルートフェイスrは0〜2mmとした。2
mmを越えると高い溶接電流となり欠陥のない良好な裏
ビードの形成が困難になるので、ルートフェイスは0に
近い方が望ましい。
【0045】CBは銅裏当金で、狭開先3の裏面(管内
面側)に図示しないインターナルクランプにより支持さ
れ、固定管1、2の目違いを矯正しながら当接され、裏
ビード形成用溝CBaを有する。
【0046】6は溶接ワイヤである。CO2 100%の
シールドガス雰囲気下で、アーク回転速度が20〜10
0Hz、アーク回転直径Dが1〜4mmで狭開先3内を
高速回転し、初層溶接ビード4が形成される。溶接ワイ
ヤ6の直径は、一例として、1.2mmを使用した。
【0047】図2は、本発明の固定管の突合せ溶接にお
ける積層溶接部の狭開先継手断面図である。図2におい
て、固定管1、2の狭開先3に初層溶接ビード4が形成
された後、狭開先3内に溶接ワイヤ6が配置され、図1
の初層溶接と同様に、CO2100%のシールドガス雰
囲気下で、アーク回転速度が20〜100Hz、アーク
回転直径Dが2〜6mmで、高速回転アーク溶接が行わ
れ積層溶接ビード5が形成される。溶接ワイヤ6の直径
は、初層と同じ1.2mmを使用した。
【0048】図3は、最終層溶接における溶接トーチの
ウィービング軌跡を図示したものある。WWはウィービ
ング幅、WTは開先両端停止時間、傾きWSはウィービ
ング速度を示す。また、点線はウィービング中心の軌跡
である。前層の積層溶接時のアークセンサ開先倣い制御
において得られた開先幅中央位置を溶接姿勢別に記憶し
ておき、それをウィービングの中心値として再生して溶
接トーチをウィービングすることにより、溶接線方向を
自動的に追従することができる。
【0049】図4は、本発明の固定管の突合せ溶接にお
ける初層、積層および最終層の溶接に使用される溶接装
置の概略側面図である。図4において、突合せ溶接され
る固定管2の外周面にセットされた走行レール7に沿っ
て、回転アークトーチ8、該回転アークトーチ8の角度
制御軸9、該回転アークトーチ8の高さ制御軸10、該
回転アークトーチ8の開先倣い制御軸11を有する走行
台車12が固定管2の外周面を移動しながら、円周下進
溶接にて、固定管1、2の片面突合せ初層溶接、積層溶
接および最終層溶接を行う。CBは初層溶接時の銅裏当
材、13は溶接ワイヤフィーダー、14は溶接ワイヤリ
ールである。なお、最終層溶接においては、回転アーク
トーチ8は回転を停止し、開先倣い制御軸11を駆動し
てウィービング溶接を行った。
【0050】表1は、初層溶接条件の範囲を示したもの
で、0時〜2時、2時〜4時、4時〜6時の溶接姿勢毎
の溶接電流および溶接速度の範囲である。実際には、さ
らに細分化した溶接姿勢別、ルートギャップ別の最適溶
接条件がデータベース化されている。
【0051】
【表1】
【0052】表2は、積層溶接条件の範囲を示したもの
で、0時〜2時、2時〜4時、4時〜6時の溶接姿勢毎
の溶接電流および溶接速度の範囲である。実際には、さ
らに細分化した溶接姿勢別、開先幅別の最適溶接条件が
データベース化されている。
【0053】
【表2】
【0054】図5は、本発明にかかる前述の溶接姿勢お
よびルートギャップまたは開先幅の変動に対応して溶接
条件を制御するためのシステム図である。
【0055】図5において、6は溶接ワイヤ、8は回転
アークトーチ、15はCCDカメラで、該CCDカメラ
15からのルートギャップまたは開先幅の画像は、画像
メモリ17に取り込まれ、CPU16でルートギャップ
または開先幅が算出される。ルートギャップまたは開先
幅は、前記のCCDカメラ15の画像を画像処理する方
法の他、レーザースキャニング方法、磁気センサ、渦流
センサ等により検知する方法でも良い。
【0056】18はデジタル入出力回路、19は溶接制
御装置で回転アークトーチ8および溶接ワイヤ6の溶接
条件を制御する。20は前述の溶接姿勢別およびルート
ギャップまたは開先幅別の溶接条件がプリセットされた
最適溶接条件データベース、21は溶接台車の移動量か
ら溶接姿勢を検知する溶接位置検出器である。CPU1
6は、前述の画像メモリ17を用いてルートギャップま
たは開先幅の算出を行うとともに、最適溶接条件データ
ベース20からの溶接姿勢別およびルートギャップ別の
データを、デジタル入出回路18を経由して溶接制御装
置19へ出力する。また、それらの制御は溶接位置検出
器21からの信号によりタイミングを取りながら行われ
る。溶接姿勢位置検出方法は、他の方法として傾斜計で
検知する方法もある。そして、23は最終層溶接での溶
接線追従制御のために積層溶接時に得られた開先幅中央
位置を溶接姿勢別に記憶しておく溶接線記憶装置であ
る。なお、22はモニターTVである。
【0057】本発明の実施例の具体的な溶接施工条件は
下記の如くである。 (1)固定管外径 :900mm (2)固定管板厚 : 12mm (3)開先形状 ルート開先部θ1 :120° ルートフェイス :1mm テーパーθ2 :2° 開先幅WB :5.5mm (4)裏当材 :溝付銅当金 (5)高速回転アーク溶接方法(初層溶接、積層溶接) アーク回転速度:20〜100Hz アーク回転直径: 初層・・1〜4mm : 積層・・2〜6mm アークセンサ : 溶接トーチ高さ制御、開先倣い制御 (6)ウィービング溶接方法(最終層溶接) ウィービング速度:5〜40mm/秒 ウィービング幅 :2〜6mm (7)溶接ワイヤ :ソリッドタイプ (8)溶接ワイヤ径:1.2mm (9)シールドガス:CO2 100% (10)溶接電流 :初層・・100〜300A :積層・・150〜400A :最終層・ 60〜180A (11) 溶接速度 :初層・・15〜80cm/分 :積層・・20〜120cm/分 :最終層・7.5〜30cm/分
【0058】上記の溶接施工条件のもとで、まず、高速
回転アーク溶接法により、狭開先3のルートフェイス部
rを一挙に溶融して裏ビードを形成しながら、固定管
1、2の上部位置である0時から下部の6時位置まで、
円周を左右半分づつに振り分けた下進溶接で、固定管
1、2の全円周突合せ初層溶接を行った。
【0059】次いで、円周を左右半分づつに振り分けた
下進溶接で、前記初層溶接ビード上に、高速回転アーク
溶接法により、積層溶接を行った。
【0060】最後に、円周を左右半分づつに振り分けた
上進溶接で、前記積層溶接ビード上に、溶接トーチのウ
ィービングにより、最終層溶接を行った。
【0061】
【発明の効果】本発明は以上のとおりであるから、次の
効果がある。 初層溶接、積層溶接が高速回転アーク溶接法により
行われるので、開先壁面の溶込みが良好であるので融合
不良の欠陥が発生しない。 狭開先の使用により、溶着量金属量が少なく高能率
の溶接が行われる。 溶接姿勢および開先ルートギャップまたは開先幅が
変化しても、該変化値に応じて適正な溶接条件を自動的
に選定して、初層溶接から最終層溶接まで溶接が行われ
るので、初層溶接においては良好な裏ビードが得られ、
積層、最終層溶接においては開先幅の変動に対応した開
先側壁の良好なる溶込みが得られ、溶接品質が向上し熟
練を要する特殊技能の作業者を必要としない。 裏当材に銅当金を使用したので、低コストであり、
耐吸湿管理が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固定管の狭開先突合せ溶接における初
層溶接部の狭開先継手断面図。
【図2】本発明の固定管の狭開先突合せ溶接における積
層溶接部の狭開先継手断面図。
【図3】本発明の固定管の狭開先突合せ溶接における最
終層溶接の溶接トーチのウィービング軌跡図。
【図4】本発明の固定管の突合せ溶接における初層、積
層および最終層の溶接に使用される溶接装置の概略側面
図。
【図5】本発明の溶接姿勢およびルートギャップまたは
開先幅の変動に対応して溶接条件を制御するための制御
システム図。
【符号の説明】
1 固定管 2 固定管 3 狭開先 4 初層溶接ビード 5 積層溶接ビード FB 最終層溶接ビード CB 銅裏当金 6 溶接ワイヤ 7 走行レール 8 回転アークトーチ 9 回転アークトーチの角度制御軸 10 回転アークトーチの高さ制御軸 11 回転アークトーチの開先倣い制御軸 12 走行台車 13 溶接ワイヤフィーダー 14 溶接ワイヤリール 15 CCDカメラ 16 CPU 17 画像メモリ 18 デジタル入出力回路 19 溶接制御装置 20 最適溶接条件データベース 21 溶接位置検出器 22 モニターTV 23 溶接線記憶装置 WB 狭開先幅 θ1 ルート部開先角度 θ2 狭開先テーパー角度 ΔG ルートギャップ r ルートフェイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 9/127 507 D 8315−4E 9/173 D 8315−4E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定管の突合せ端面に狭開先を形成しガ
    スメタルアーク溶接にて固定管の狭開先突合せ溶接を行
    うにあたり、初層溶接においては、狭開先の裏面に銅裏
    当金を当接し、アーク回転速度が20〜100Hz、ア
    ーク回転直径が1〜4mmの高速回転アーク溶接法を用
    い、前記高速回転アークの電流、電圧波形をセンサとし
    て用いるアークセンサによって溶接トーチ高さ制御と開
    先倣い制御とを行うとともに、あらかじめ溶接姿勢別と
    ルートギャップ別に、溶接電流100〜300A、溶接
    速度15〜80cm/分の範囲で設定された最適溶接条
    件データベースから、溶接中に検出された溶接姿勢とル
    ートギャップの値に応じて溶接条件を選定しながら円周
    下進溶接を行い、積層溶接においては、アーク回転直径
    を2〜6mmに変更した前記高速回転アーク溶接法を用
    い、前記溶接トーチ高さ制御と開先倣い制御とを行うと
    ともに、あらかじめ溶接姿勢別と開先幅別に、溶接電流
    150〜400A、溶接速度20〜120cm/分の範
    囲で設定された最適溶接条件データベースから、溶接中
    に検出された溶接姿勢と開先幅の値に応じて溶接条件を
    選定しながら円周下進溶接を行い、最終層溶接において
    は、前記積層溶接での開先倣い制御により得られる開先
    幅中央位置をウィービングの中心として溶接トーチをウ
    ィービングするとともに、あらかじめ溶接姿勢別と開先
    幅別に、溶接電流60〜180A、溶接速度7.5〜3
    0cm/分の範囲で設定された最適溶接条件データベー
    スから、溶接中に検出された溶接姿勢と開先幅の値に応
    じて溶接条件を選定しながら円周上進溶接を行うことを
    特徴とする固定管の狭開先突合せ溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106475669A (zh) * 2016-11-24 2017-03-08 广东省焊接技术研究所(广东省中乌研究院) 一种双弯曲焊丝窄间隙熔化极气体保护焊焊炬

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