JPH08107228A - 薄膜太陽電池 - Google Patents

薄膜太陽電池

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JPH08107228A
JPH08107228A JP6242509A JP24250994A JPH08107228A JP H08107228 A JPH08107228 A JP H08107228A JP 6242509 A JP6242509 A JP 6242509A JP 24250994 A JP24250994 A JP 24250994A JP H08107228 A JPH08107228 A JP H08107228A
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JP
Japan
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layer
transparent conductive
conductive metal
metal compound
thin film
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Application number
JP6242509A
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English (en)
Inventor
Masataka Kondo
正隆 近藤
Katsuhiko Hayashi
克彦 林
Hideo Yamagishi
英雄 山岸
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薄膜半導体層との接着強度と高い反射率を両立
した裏面電極構造を有する薄膜太陽電池を提供するこ
と。 【構成】絶縁性透明基板上に透明電極層、薄膜半導体
層、裏面電極層を順次積層した薄膜太陽電池であって、
裏面電極層を、薄膜半導体層を構成する半導体よりも低
い屈折率を有する第1の透明導電性金属化合物層と、第
2の透明導電性金属化合物層と、金属層によって構成す
るとともに、第2の透明導電性金属化合物層が、第1の
透明導電性金属化合物層の構成成分と金属層の構成成分
の少なくとも一方を含むことを特徴的構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜太陽電池の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、非晶質シリコンを始めとする
薄膜太陽電池は、絶縁性透明基板上に透明電極層、薄膜
半導体層、裏面電極層を順次積層して形成され、絶縁性
透明基板側から入射される光によって薄膜半導体層内に
発生した電子正孔対を、pn接合の内部電界を用いて透
明電極層側と裏面電極層側にそれぞれ取り出すことによ
って発電電力を得るものである。このような薄膜太陽電
池においては、少しでも薄膜半導体層内に入射する光量
を増加させるため、これまでに種々の改良がなされてい
る。例えば絶縁性透明基板上に透明電極層、薄膜半導体
層としてp−i−n接合を有する非晶質シリコン層、裏
面電極層を順次積層し、裏面電極層に有効波長域での反
射率の高い銀電極を用い、入射光を裏面電極層と透明電
極層との間で反射させることで、薄膜半導体層に到達す
る光量を増加させることなどが図られている。これは裏
面電極の反射率を高くすることで薄膜半導体層内部を通
過した長波長の光を有効に利用し、もって光電流を向上
させることが狙いである。そして前述のように、反射率
の高い裏面電極材料としては銀(Ag)が最も一般的に
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銀は薄
膜半導体やセラミックなどに対する接着強度が劣ってお
り、薄膜太陽電池の裏面電極として実用レベルの接着強
度を得るために熱処理などによってシンタリングした
り、敢えて不純物を添加したりする方法が採られてき
た。しかしながら熱処理による高温暴露は、金属成分の
拡散速度の点で薄膜半導体には適さないこと、さらに不
純物を添加すると銀の反射率は著しく低下し、前述の長
波長光の有効利用が図れないことなどから、これまで実
用レベルでは銀単体は薄膜太陽電池の裏面電極として使
用できないと言う点が問題であった。一方酸化インジウ
ム錫、酸化錫、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの透明導
電性金属化合物上に、銀またはアルミニウム等の高反射
率金属を積層した高反射率の裏面電極構造も提案されて
いる。しかしながらアルミニウムについては、それ単体
を薄膜半導体上に直接積層する場合よりも接着強度は低
下し、また銀については若干単体の場合よりも接着強度
は向上するものの、到底実用レベルで利用できる水準で
はなかった。そしてこれらの裏面電極構造については、
学会発表用のトップデータを出すためにしか使われてい
なかったのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題点
を解決し、薄膜半導体層との接着強度と高い反射率を両
立した裏面電極構造を有する薄膜太陽電池を提供するも
のである。このような本発明は、絶縁性透明基板上に透
明電極層、薄膜半導体層、裏面電極層を順次積層した薄
膜太陽電池であって、裏面電極層を、薄膜半導体層を構
成する半導体よりも低い屈折率を有する第1の透明導電
性金属化合物層と、第2の透明導電性金属化合物層と、
金属層によって構成するとともに、第2の透明導電性金
属化合物層が、第1の透明導電性金属化合物層の構成成
分と金属層の構成成分の少なくとも一方を含むことを特
徴とする薄膜太陽電池である。そして第1の透明導電性
金属化合物層が金属酸化物であること;金属酸化物が酸
化インジウム錫(以下単にITOと記す)、酸化錫(以
下単にSnO2 と記す)、酸化亜鉛(以下単にZnOと
記す)のいずれかであること;第1の透明導電性金属化
合物層が硫化カドミウム(以下単にCdSと記す)であ
ること、が併せて考慮される。
【0005】このような本発明の薄膜太陽電池の製造方
法としては、絶縁性透明基板上に透明電極層、薄膜半導
体層を順次積層し、この積層した薄膜半導体層上に第1
の透明導電性金属化合物層を積層した後、反応室内にお
いて形成した透明導電性金属酸化物と金属による隣設す
る複数のプラズマ領域中を、透明導電性金属化合物側か
ら金属側に向かって前記第1の透明導電性金属化合物層
を積層した基板を移動させることによって、薄膜半導体
層上に第1の透明導電性金属化合物層と第2の透明導電
性金属酸化物層と金属層よりなる裏面電極層を積層する
方法が例示できる。そして上記製造方法とともに、スパ
ッタリングターゲットに電圧を印加することによって前
記複数のプラズマ領域を形成するとともに、当該複数の
プラズマ領域のそれぞれ一部を互いに重なり合わせた
り、複数のプラズマ領域を形成する際の放電パワー密度
において、第2の透明導電性金属化合物の放電パワー密
度を金属の放電パワー密度の10%以下としたり、複数
のプラズマ領域のうち第2の透明導電性金属化合物のプ
ラズマ領域を、金属の放電パワーによる誘導エネルギー
または寄生放電によって形成したり、複数のプラズマ領
域のうちの一方を形成するために用いる透明導電性金属
化合物に、第1の透明導電性金属化合物層と同一材料を
用いたりすることによって、本発明の薄膜太陽電池構造
を再現性良く得ることができる。
【0006】上記製造方法は、さらに具体的には次のよ
うになる。まずガラス等の絶縁性透明基板上にITO、
SnO2 ZnO等の透明電極層、非晶質シリコン等の薄
膜半導体層を順次積層する。このとき薄膜半導体層をp
型、i型、n型の積層体としておく。次いで、この薄膜
半導体層上に第1の透明導電性金属化合物層を積層す
る。この薄膜半導体層と第1の透明導電性金属化合物層
との間の接着強度は、充分実用レベルのものが得られ
る。そしてこれに続いて、反応室内において形成した透
明導電性金属酸化物と金属による隣設する複数のプラズ
マ領域中を、透明導電性金属化合物側から金属側に向か
って前記第1の透明導電性金属化合物層を積層した基板
を移動させ、第1の透明導電性金属化合物層上に第2の
透明導電性金属酸化物層と金属層を順次積層する。この
ようにして薄膜半導体層上に積層された、第1の透明導
電性金属化合物層と第2の透明導電性金属酸化物層と金
属層とによる積層体が裏面電極となる。従来では、ここ
で言う第1の透明導電性金属化合物層の上に直接銀(以
下単にAgと記す)やアルミニウム(以下単にAlと記
す)を積層するが、この場合には異種材料同士の接触と
なり、前述のように接着強度の低下を来してしまう。し
かしながら本発明における上記方法では、この第1の透
明導電性金属化合物層上に第2の透明導電性金属化合物
層と金属層とを積層する際に透明導電性金属酸化物と金
属による隣設する複数のプラズマ領域を形成することに
より、第2の透明導電性金属化合物層の組成を、第1の
透明導電性金属化合物層との界面側から金属層との界面
側に向かうにつれて、第2の透明導電性金属化合物層中
に含まれる金属層の構成成分の含有比率を連続的に増加
させることが可能となる。従って、上記両界面において
従来のような異種材料同士の接触作用とならないことか
ら接着強度の向上が図れる。このような第2の透明導電
性金属化合物層内における金属層構成成分の含有比率の
傾斜は、前記複数のプラズマ領域を隣設することにより
それぞれのプラズマを構成している活性種が反応室内に
おける低圧下で拡散する結果、両者が互いに混在する領
域が存在するためである。すなわち、第2の透明導電性
金属化合物および金属層の対象となるそれぞれのプラズ
マ領域では各成分の活性種の存在確率の方が高い為、こ
の複数のプラズマ領域内に第1の透明導電性金属化合物
層を形成した上記基板を移動させることによって、上記
成分の勾配を形成することができることになる。
【0007】上記のような方法により、スパッタリング
ターゲットに電圧を印加することによって前記複数のプ
ラズマ領域を形成することは、より安定的なプラズマ領
域を簡便な方法で得ることにつながるとともに、再現性
よく複数のプラズマ領域のそれぞれ一部を互いに重なり
合わせることが可能となり、上記勾配を再現性よく得る
ための効果的作用が得られる。また、複数のプラズマ領
域を形成する際の放電パワー密度において、第2の透明
導電性金属化合物の放電パワー密度を金属の放電パワー
密度の10%以下としたり、複数のプラズマ領域のうち
第2の透明導電性金属化合物のプラズマ領域を、金属の
放電パワーによる誘導エネルギーまたは寄生放電によっ
て形成することは、第2の透明導電性金属化合物層をで
きるだけ薄くすることを可能とする。すなわち、この第
2の透明導電性金属化合物層は、あくまで第1の透明導
電性金属化合物層と金属層との間の充分な接着強度を確
保するために設けられるものであるので、できるだけ薄
い方が望ましいからである。ここで第2の透明導電性金
属化合物層の放電パワー密度が、金属の放電パワー密度
の10%を越えると、第2の透明導電性金属化合物層中
の金属含有率が低くなり、第2の透明導電性金属化合物
層と金属層との間が異種材料同士の接触となってしま
い、本発明の目的とする接着強度の向上が図れないので
望ましくない。複数のプラズマ領域のうちの一方を形成
するために用いる透明導電性金属化合物に第1の透明導
電性金属化合物層と同一材料を用いると、第1および第
2の透明導電性金属化合物層間の接触が同じ材料同士の
接触となり、接着強度をより向上させるように働く。第
1の透明導電性金属化合物に、ITO、SnO2 、Zn
O、CdSのいずれかを用いることからは、薄膜半導体
に対してより高い安定性を得る作用を得るこちができ、
また金属としてAgまたはAlを用いると、裏面電極の
反射率を高くすることができる。
【0008】
【作用】本発明の薄膜太陽電池の製造方法では、以下の
作用によって裏面電極の接着強度が向上する。このよう
な本発明は、絶縁性透明基板上に透明電極層、薄膜半導
体層、裏面電極層を順次積層した薄膜太陽電池にあっ
て、裏面電極層を、薄膜半導体層を構成する半導体より
も低い屈折率を有する第1の透明導電性金属化合物層
と、第2の透明導電性金属化合物層と、金属層によって
構成するとともに、第2の透明導電性金属化合物層が、
第1の透明導電性金属化合物層の構成成分と金属層の構
成成分の少なくとも一方を含むことにより、第1の透明
導電性金属化合物層と金属層との間の接触が異種材料同
志間の接触とならない。そして薄膜半導体層の材料の違
いによって、第1の透明導電性金属化合物層としてIT
O、SnO2 、ZnO等の金属酸化物やCdSのいずれ
を用いるかが選択される。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。図
1には、本発明の薄膜太陽電池1の断面構造例を表して
いる。本発明の薄膜太陽電池1は、図のように絶縁性透
明基板3上に透明電極層5、薄膜半導体層7、裏面電極
層9を順次積層した薄膜太陽電池1であって、裏面電極
層9が第1の透明導電性金属化合物層9aと第2の透明
導電性金属化合物層9b、そして金属層9cの3層構造
となっており、第2の透明導電性金属化合物層9b中
に、第1の透明導電性金属化合物層9aの構成成分と金
属層9cの構成成分の少なくとも一方が含まれている。
ここでは、第1の透明導電性金属化合物層9aにZnO
を、金属層9cにAgまたはAlが用いられ、第2の透
明導電性金属化合物層9bにはZnOベースのものがそ
れぞれ用いられている。また、絶縁性透明基板3上には
不純物の阻止層として、必要に応じて図示するような酸
化珪素(以下単にSiO2 と記す)のアンダーコート4
を施しておくとよい。そしてこのような構造は後述する
製造方法によって得られ、第2の透明導電性金属化合物
層9b内において、連続的にその組成が変化している。
すなわち、第2の透明導電性金属化合物層9bにおける
第1の透明導電性金属化合物層9a側の界面11近傍で
はZnOの割合が高く、金属層9c側の界面13近傍で
は逆に金属層9cを構成する金属(ここではAgまたは
Al)成分の割合が高くなっている。従って、第1の透
明導電性金属化合物層9a側から金属層9c側に向かう
につれて第2の透明導電性金属化合物層9bの組成が、
ZnOリッチから金属リッチへと連続的に変化してい
る。このため第2の透明導電性金属化合物層9bの上下
の両界面では、従来のように異種材料同士の接触とはな
らず、その結果高い接着強度を得ることができる。ま
た、第2の透明導電性金属化合物層9bの膜厚は、約2
0Å程度の極薄いものであっても充分な接着強度の向上
が確認できた。なお図において薄膜半導体層7は、p型
a−SiC:H7p、i型a−Si:H7i、n型μc
−Si:H7nからなるp−i−n接合を形成してい
る。
【0010】続いて、上記図1の薄膜太陽電池の製造方
法について説明する。 (製造例1)先ず絶縁性透明基板3として、ガラス基板
上に500Åの膜厚でSiO2 層4をコートしたものを
用い、これにフッ素を添加したSnO2 を約8000Å
の膜厚で形成して透明電極層5を形成する。この時Sn
2 の表面には、反射による損失を低減する目的で微小
凹凸を形成しておく。次いでこの透明電極層5を形成し
た基板上にプラズマCVD装置にてp型の水素化非晶質
炭化珪素(以下単にa−SiC:Hと記す)を150Å
の膜厚で、i型の水素化非晶質シリコン(以下単にa−
Si:Hと記す)を4000Åの膜厚で、n型の水素化
微結晶シリコン(以下単にμc−Si:Hと記す)を5
00Åの膜厚でそれぞれ順に積層し薄膜半導体層7を得
る。続いて図2に示すように、マグネトロン式のインラ
インスパッタリング装置15の反応室17内に各層の積
層済基板3aをセッティング(基板位置A)して反応室
17を真空ポンプ18によって6×10-6torrまで
排気後、アルゴンガス(以下単にArと記す)をガス系
20より導入して内圧を3×10-3torrに維持し、
0.8W/cm2 のRFパワー密度で基板3aを移動し
ながらZnOターゲット19をスパッタし、800Åの
第1の透明導電性金属化合物層9aを前記薄膜半導体層
7上に積層する(基板位置B)。なおZnOターゲット
19としては、酸化アルミニウム(以下単にAl2 3
と記す)の形で5%のAlが添加されたものが例示でき
る。またZnOターゲット19と基板3aとの間隔は例
えば約5cm程度としておく。ここで図2に示すよう
に、本スパッタリング装置15には、ZnOターゲット
19に隣設してAgターゲット21が設けられている
が、この第1の透明導電性金属化合物層9aを積層する
際には、Agターゲット21は放電させない。
【0011】次に第1の透明導電性金属化合物層9aが
積層された基板3bを基板位置Aまで戻し、Agターゲ
ット21を0.8W/cm2 のRFパワー密度で、Zn
Oターゲット19を0.05W/cm2 のRFパワー密
度でそれぞれ放電させる。すると図3に示すように、Z
nOターゲット19上とAgターゲット21上に複数の
プラズマ領域Pz、Paが形成され、同時に複数のプラ
ズマ領域Pz、Paの間には上記複数のプラズマ領域の
一部が重ね合わさった部分、すなわち2つのプラズマに
よる活性種が混在する極微弱なプラズマ領域Pzaが形
成される。このような放電状態において、前述の第1の
透明導電性金属化合物層9aを積層した基板3bを、基
板位置Aから基板位置Cまで移動させながら第2の透明
導電性金属化合物層9bとAgよりなる金属層9cを連
続的に積層する。この時の第2の透明導電性金属化合物
層9bの膜厚は約20Åとなる。この時ZnOターゲッ
ト19の放電パワー密度は、Agターゲット21の放電
パワー密度の10%以下程度の微弱なものであるので、
ZnOターゲット19の近傍(基板位置D)ではごく僅
かのZnOが積層され始めると同時に、基板3bの移動
に伴ってプラズマ領域Pzaに存在するAg活性種が積
層し始めることになる。これは、スパッタリングにおけ
る成膜速度は、放電パワー密度が10%以下になると1
桁から数桁のオーダーで低下するためである。そして、
基板3bは引き続きプラズマ領域Pza→プラズマ領域
Paへと移動して行くので、堆積に寄与する活性種に占
めるAgの割合が次第に多くなっていく。そして基板3
bがAgターゲット21の近傍(基板位置E)に差しか
かると、Agターゲット21には充分な放電パワー密度
が与えられているので、殆ど100%Agの金属層9c
が積層されていく。
【0012】従って本実施例においては、基板3bがお
おむね基板位置Dから基板位置Eに差しかかるまでの間
で第2の透明導電性金属化合物層9bが積層され、それ
に続いて基板位置Eに差しかかった後に金属層9cが積
層されることになり、先に積層してある第1の透明導電
性金属化合物層9aと合わせて3層構造の裏面電極9が
構成される。
【0013】(製造例2)上記製造例1のAgターゲッ
ト21の代わりにAlターゲットを用い、同様の方法に
て薄膜太陽電池を作製する。なおこの場合の第2の透明
導電性金属化合物層9bの膜厚は約30Åとなる。
【0014】ここで用いたAg、Alは裏面電極層9と
して高反射率が得られる材料として好適であり、いずれ
も厚みとしては1000Åが太陽電池の特性を出すため
に必要な厚みである。しかしながら、機械的な強度維持
や集積構造などにおける接続段差部のカバレージ等、種
々目的によって1μm程度の厚みまでの範囲で適宜設定
しておけばよい。また反射率の確保のために第2の透明
導電性金属化合物層上にAgを積層し、機械的な強度確
保のためにさらにその上にAlを積層することもでき
る。
【0015】また、参照した図面はあくまで本発明の内
容を具体的に説明する為のものであって、厳密に第2の
透明導電性金属化合物層9bおよび金属層9cが積層さ
れる領域をそれぞれ規定して表しているものではなく、
さらにプラズマ領域Pz、Pa、Pzaも図例の位置に
限定的に現れるものではない。
【0016】こうして作製した本発明の薄膜太陽電池に
対して、従来の製造方法によって比較例1としてAgの
みで裏面電極を構成したもの、比較例2としてZnOと
Agの2層構造の裏面電極のものをそれぞれ作製し、両
者の裏面電極の接着強度と発電特性を調べた。ここで、
裏面電極の接着強度については住友スリーエム社製の
「貼って剥がせるテープ」と「スコッチテープ」を用い
た引き剥がしテストで、発電特性についてはAM1.5
−100mW/cm2 の光強度に於ける短絡電流密度で
それぞれ評価した。なお上記テープの接着力の大小関係
は、「貼って剥がせるテープ」<「スコッチテープ」で
ある。その結果、比較例1では「貼って剥がせるテー
プ」で容易に剥離し、比較例2では「スコッチテープ」
で裏面電極の大部分が剥がれ、基板の周辺で僅かにAg
が残るのみであった。そしてこの剥離している部分を観
察するとZnOが残り、Ag/ZnOの界面で剥がれる
ことが判明した。一方本発明の裏面電極では、製造例1
および製造例2ともに「貼って剥がせるテープ」と「ス
コッチテープ」のいずれでも全く剥離せず、さらにガム
テープで引き剥がしテストを行ったところ、裏面電極の
剥離は発生せず代わりにガラス基板の方が割れてしまう
という結果となった。以上のように本発明により、薄膜
太陽電池において裏面電極材料にAgやAlを用いなが
らシンタリング等の特別な熱処理を行うことなく、裏面
電極の接着強度を飛躍的に向上させることができる。
【0017】次に発電特性については、比較例1および
比較例2ともに17mA/cm2 の短絡電流密度であっ
たのに対し、本発明の製造例1および製造例2ともに1
8mA/cm2 となり、裏面電極層での反射率も向上し
ていることが判明した。この原因は、各比較例における
接着強度の低い界面はミクロ的に見て不連続な面となっ
ており、これにより効率的な反射が行われていないこと
が一つの要因になっているものと推察できる。
【0018】また上記例以外にも本発明では、絶縁性透
明基板3としてガラスにイオンバリヤー膜としてSiO
2 をコートしたものや、近年に於いて注目されているP
ETやポリイミド等の耐熱性の透明樹脂フィルムも用い
ることができる。このような透明樹脂フィルムを用いる
と、太陽電池のフレキシブル化が可能となる。さらに透
明電極層5としては、ZnO以外にITO、SnO2
ども使用可能であり、上述したように表面に凹凸の形状
を設けて、薄膜半導体層7の内部で長波長の光が閉じこ
められる構造が好ましい。また第1の透明導電性金属化
合物層9aとしても、ZnO以外にITO、SnO2
どが使用可能であり、より高い接着強度を得るためにも
裏面電極層9内において同一材料同士を接触させるこ
と、すなわち第1の透明導電性金属化合物層9aと第2
の透明導電性金属化合物層9bとを同一材料にて構成す
ることが望ましい。薄膜半導体層7としては、上記実施
例に記載したようなアモルファスシリコン系半導体によ
る一つのp−i−n接合を有するもの以外にも、それを
複数積層したタンデムタイプのものや、他にも薄膜多結
晶シリコン、セレン化銅インジウム(以下単にCuIn
Se2 と記す)系半導体およびそれらの複合膜を用いる
こともできる。そして薄膜半導体層7に上記CuInS
2 を用いる場合には、透明電極層3および第1、第2
の透明導電性金属化合物層9a、9bにCdSを用いる
ことが望ましい。
【0019】また裏面電極層9の形成方法として、上記
実施例以外にも以下の方法も可能である。以下ターゲッ
トにZnO、Agを用いる場合として説明する。すなわ
ち図3において、基板3bが基板位置Dに来るまではZ
nOターゲット19に通常の放電パワー密度を供給して
おき、基板位置Dに来た時点でAgターゲット21に放
電パワーを供給してプラズマ領域Paを形成すると同時
に、ZnOターゲット19の放電パワー密度をAgター
ゲット21の放電パワー密度の10%以下に落とすか、
又は放電パワーの供給を断ってAgターゲット21から
の誘導エネルギーもしくは寄生放電を利用してプラズマ
領域Pz、Pzaを形成し、基板3bを引き続き移動さ
せながら、およそ基板位置D〜基板位置Eの間に第2の
透明導電性金属化合物層9bを、そして基板位置Eから
先でAg電極層9cを積層させてもよい。この方法は上
記実施例で説明したように、第1の透明導電性金属化合
物層9aの積層後に一旦基板3bを逆方向に移動させる
ことなく、基板3bを連続的に移動させながら第1およ
び第2の透明導電性金属化合物層9a、9bと金属層9
cを積層させるものである。しかしながら、積層した薄
膜半導体層7上に第1の透明導電性金属化合物層9aを
積層した後、反応室17内において形成した透明導電性
金属酸化物と金属による隣設した複数のプラズマ領域P
z、Pza、Pa中を、ZnOターゲット19側からA
gターゲット21側に向かって前記第1の透明導電性金
属化合物層9aを積層した基板3bを移動させることに
よって、薄膜半導体層7上に第1の透明導電性金属化合
物層9aと第2の透明導電性金属酸化物層9bと金属層
9cよりなる裏面電極層9を積層することには変わりは
ない。またスパッタリング装置15内に第1の透明導電
性金属化合物層9a用、第2の透明導電性金属化合物層
9b用および金属層9c用の3つのターゲットを設置し
たものを用いてもよいし、さらに図3を用いて説明した
先の実施例において、ZnOターゲット19上のプラズ
マ領域Pzの形成エネルギーを、Agターゲット21の
放電パワーの誘導エネルギーもしくは寄生放電によって
供給することもできる。さらには第1の透明導電性金属
化合物層9aを別の成膜装置で薄膜半導体層7上に積層
した後、図2、3に示したスパッタリング装置15を用
いて第2の透明導電性金属化合物層9bと金属層9cを
積層してもよい。但しこの場合において、第1の透明導
電性金属化合物層9aと第2の透明導電性金属化合物層
9bとの間の吸着不純物が懸念されるならば、第2の透
明導電性金属化合物層9bの形成前に、スパッタリング
装置15内でのArボンバート処理等を行って、表面の
吸着不純物を除去しておけばよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は上記作用の項で説明したところ
により、以下の優れた効果を得ることができる。すなわ
ち本発明の薄膜太陽電池は、絶縁性透明基板上に透明電
極層、薄膜半導体層、裏面電極層を順次積層した薄膜太
陽電池にあって、裏面電極層を、薄膜半導体層を構成す
る半導体よりも低い屈折率を有する第1の透明導電性金
属化合物層と、第2の透明導電性金属化合物層と、金属
層によって構成するとともに、第2の透明導電性金属化
合物層が、第1の透明導電性金属化合物層の構成成分と
金属層の構成成分の少なくとも一方を含むことを特徴と
しており、これにより第1の透明導電性金属化合物層と
金属層との間の接触が異種材料同志間の接触とならない
ことから、裏面電極の接着強度が大幅に向上することに
なる。そしてこの接着強度の向上度合いは、充分実用レ
ベルに耐えうるものが得られる。そして薄膜半導体層の
材料の違いによって、第1の透明導電性金属化合物層と
してITO、SnO2 、ZnO等の金属酸化物やCdS
のいずれを用いるかが選択されるので、薄膜半導体材料
の選択自由度が小さくなることはない。
【0021】このような本発明の薄膜太陽電池では、そ
の裏面電極における第2の透明導電性金属化合物層の組
成を、第1の透明導電性金属化合物層との界面側から金
属層との界面側に向かうにつれて、第2の透明導電性金
属化合物層中に含まれる金属層の構成成分の含有比率が
連続的に増加することになる。そしてこのような第2の
透明導電性金属化合物層内における金属層構成成分の含
有比率の傾斜は、課題を解決するための手段の項でも説
明したように、複数のプラズマ領域を隣設することによ
りそれぞれのプラズマを構成している活性種を反応室内
における低圧下で拡散させ、両者が互いに混在する領域
を作ることによって得られる。従って、この複数のプラ
ズマ領域内に第1の透明導電性金属化合物層を形成した
上記基板を移動させることによって上記成分の勾配を形
成することができるので、本発明の薄膜太陽電池は特別
に複雑な機構を有する装置を用いることなく作製するこ
とができる。
【0022】さらに短絡電流密度を向上させることもで
き、本発明の製造方法は電極の接着強度のみならず発電
特性の向上手法としても有効な手段であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜太陽電池の断面構造例を表す説明
【図2】本発明の薄膜太陽電池の製造方法を説明するた
めのスパッタリング装置の構造説明図
【図3】本発明の薄膜太陽電池の製造方法を説明するた
めのスパッタリング装置におけるプラズマ領域を表す説
明図
【符号の説明】
1 薄膜太陽電池 3 絶縁性透明基板 3a、3b 基板 5 透明電極層 7 薄膜半導体層 7p p型a−SiC:H 7i i型a−Si:H 7n n型μc−Si:H 9 裏面電極層 9a 第1の透明導電性金属化合物層 9b 第2の透明導電性金属化合物層 9c 金属層 11、13 界面 15 スパッタリング装置 17 反応室 19 ZnOターゲット 21 Agターゲット Pz、Pa、Pza 複数のプラズマ領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 21/203 S 9545−4M

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性透明基板上に透明電極層、薄膜半導
    体層、裏面電極層を順次積層した薄膜太陽電池であっ
    て、 裏面電極層を、薄膜半導体層を構成する半導体よりも低
    い屈折率を有する第1の透明導電性金属化合物層と、第
    2の透明導電性金属化合物層と、金属層によって構成す
    るとともに、 第2の透明導電性金属化合物層が、第1の透明導電性金
    属化合物層の構成成分と金属層の構成成分の少なくとも
    一方を含むことを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】第1の透明導電性金属化合物層が金属酸化
    物である請求項1記載の薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】金属酸化物が酸化インジウム錫、酸化錫、
    酸化亜鉛のいずれかである請求項2記載の薄膜太陽電
    池。
  4. 【請求項4】第1の透明導電性金属化合物層が硫化カド
    ミウムである請求項1記載の薄膜太陽電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007287926A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Kaneka Corp 集積化薄膜光電変換装置の製造方法および、その製造方法で得られうる集積化薄膜光電変換装置。
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