JPH0810649Y2 - 巻取式スクリーン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、スクリーンを自由に開閉することができる
巻取式スクリーン装置に関するものである。

［従来の技術］ この種の巻取式スクリーン装置の一例として、例え
ば、スプリングを駆動源とする巻取軸に防虫ネットを巻
付け、該ネットの左右両側端部を左右のガイドレールに
案内させながら開閉するようにした防虫網戸が良く知ら
れている。かかる防虫網戸においては、ネットの閉鎖時
に該ネットを閉鎖位置に保持させるため、種々の構成の
係止手段が使用されており、例えば、ネットの下端に取
付けられた操作框と建物開口部枠の下枠材とを永久磁石
で吸着させるものや、操作框の両端に設けた突起をガイ
ドレールの下端部に設けた係合孔に係合させるもの（例
えば実開昭61-137796号公報参照）などが用いられてい
る。

しかしながら、前者の係止手段は、操作框と下枠材と
に磁石又は該磁石が吸着する磁性体を固定しなければな
らず、従って、既設の建物開口部に新たに防虫網戸を取
付ける場合には、アルミ製の下枠材に上記磁石又は磁性
体を固定するための螺子孔を開ける必要があり、該螺子
孔により下枠材に傷が付いて磁石又は磁性体を取外した
場合に著しく体裁が損われることになる。しかも、上記
磁石又は磁性体が下枠材上に突出して掃除の邪魔になっ
たり、その回りにゴミがたまって固着し易い等の問題も
ある。一方、後者の係止手段は、ガイドレールの側壁に
係合孔を設けたり、ガイドレールの内部に操作框側の突
起を係合孔へ嵌入する方向に付勢するバネを設けなけれ
ばならないため、これらの係合孔やバネ等がガイドレー
ルを大形化し、その結果、該ガイドレールによって建物
開口部の開口が狭められるという問題があり、操作框の
係脱操作においても、該操作框の両端の突起をガイドレ
ールの係合孔に対して同時に係脱させなければならない
ため、操作框が少しでも傾いていたりすると両方の突起
を同時に係脱させる操作がやりにくいという問題があ
る。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の課題は、上述した従来の欠点を解消し、係止
手段の付設に当って建物開口部枠の下枠材に磁石や磁性
体等を取付けたりガイドレールに係合孔を開ける必要が
なく、その係脱操作も簡単且つ確実に行うことができる
巻取式スクリーン装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案は、スプリングによ
り巻取り方向に付勢された巻取軸にスクリーンを巻付
け、該スクリーンの先端に開閉操作用の操作框を取付け
て、該操作框及びスクリーンの左右両端部をそれぞれガ
イドレールに案内させながら該スクリーンを開閉するよ
うにした巻取式スクリーン装置において、 上記操作框の左右両端部に、係合方向と非係合方向と
に変位自在の一対のストッパを配設すると共に、操作框
の中央部に、上記ストッパを非係合方向に変位させるた
めの、相互に接近する方向に変位自在に配設されて各ス
トッパに個別に連結された左右一対の操作子を、片手で
同時に操作可能な間隔をおいて配設し、これら一対の操
作子間に該操作子及び上記ストッパを係合方向に付勢す
るスプリングを縮設し、左右のガイドレールに、スクリ
ーンの閉鎖位置において上記ストッパが弾性的に係合す
るフックをそれぞれ設けたことを特徴とするものであ
る。

［作用］ スクリーンの閉鎖時に操作框を閉鎖位置まで引き下ろ
すと、該操作框の両端のストッパがガイドレールに設け
たフックにスプリングにより弾力的に係合し、該操作框
はその位置に保持される。

スクリーンを開放するときは、一対の操作子により左
右のストッパを非係合方向に変位させてフックから外す
ことにより、スクリーンを開放することができる。

また、上記係止手段は、防虫網戸の操作框とガイドレ
ールとに全て組込まれているため、該防虫網戸を既設の
建物開口部枠に後付けする場合においても、該建物開口
部枠の下枠材に磁石や磁性体等を取付けたり、それらの
取付のための螺子孔を開ける必要がなく、しかも、スト
ッパとフックの組合わせであるため、ガイドレールにス
トッパが係合する係合孔を開ける必要もない。

更に、スクリーンの開放時には、一対の操作子の操作
により左右のストッパが同時にフックから外されるた
め、操作框が若干傾いていたとしても該操作框は確実に
フックから解放されることになり、スクリーンの開放操
作が確実である。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図乃至第４図は巻取式スクリーン装置の一種であ
る防虫網戸を例示するもので、図中１は建物開口部枠の
上枠材ａに取付けられた巻取ボックス、2,2は建物開口
部枠の左右の縦枠材b,bに取付けられた一対のガイドレ
ールであって、上記巻取ボックス１の内部には、内蔵し
たスプリングを巻取りの駆動源とする巻取軸３が回転自
在に支承され、該巻取軸３にスクリーンとしての防虫ネ
ット４の一端が巻付けられており、該ネット４の先端に
は操作框５が取付られ、この操作框５によって上記ネッ
ト４を上下方向へ開閉するようになっている。

上記ガイドレール２は、ネット４の側面に向けて開口
する断面溝形のメインレール６と、ネット４の側面に向
けて開口するスリット８を長さ方向に備えたインナーレ
ール７とからなるもので、該インナーレール７は、メイ
ンレール６の内壁中間部に対設された一対の仕切壁9,9
より奥の部分に、張出部7a,7aが該仕切壁9,9に当接する
前進位置と背面がメインレール６の奥壁に当接する後退
位置との間で変位可能に収容されており、メインレール
６の側壁の上記仕切壁9,9より外側に突出する部分は、
ネット４の開閉時に操作框５の両端部を案内するガイド
部6a,6aとなっている。なお、上記張出部7a,7aと該仕切
壁9,9との間にゴムやスポンジ、バネ等の弾性部材を介
在させておくこともできる。

また、上記メインレール６の下端にはレールキャップ
12が取付けられ、該レールキャップ12を介してメインレ
ール６が建物開口部枠の下枠材ｃに螺子13で固定されて
いる。該レールキャップ12には、メインレール６のガイ
ド部6aの内面に沿って立設するフック14が一体に設けら
れており、該フック14は、上記ネット４の閉鎖時に、操
作框５の側面に突出するストッパ15の係合突起15aと係
合して該操作框５を閉鎖位置に保持するものである。

一方、上記ネット４の左右両側端には、該ネット４の
長さ方向に沿って係止部材18がそれぞれ取付けられ、該
係止部材18が上記インナーレール７のスリット８に抜止
状態に挿入、係合せしめられている。該係止部材18は、
テープ状をなす布又は合成樹脂からなる本体18aの一方
の側端縁に沿って、上記スリット８に摺動自在に係合す
る係合部18bを設けたもので、テープ状本体18aの基端部
側を上記ネット４に連結している。

上記係止部材18は、ネット４と共に巻取り可能なもの
であればどのような構成のものを使用しても良いが、好
ましくは、スライドファスナーにおける相互に噛合する
一対の噛合帯のうちの一方をそのまま使用することであ
り、この場合、テープ状本体及び係合部を軟質の合成樹
脂によって一体に成形することもできる。

また、上記操作框５は断面溝形をなすもので、その溝
内に合成樹脂製の取付部材20が嵌着され、該取付部材20
にネット４の下端が保持されており、操作框５の左右両
端部にはそれぞれキャップ21が取り付けられ、該キャッ
プ21がメインレール６のガイド部6a,6aの間に嵌合して
いる。

上記操作框５の左右両端部には、上記ストッパ15がそ
れぞれ該框の軸線方向に移動自在に配設され、該ストッ
パ15の係合突起15aがキャップ21に穿設された孔から操
作框５の側面に出没可能に突出している。

上記各ストッパ15は、操作框５の中央部に互いに近接
して設けられた一対の操作子22,22の一方にそれぞれ連
結杆23を介して連結されている。これらの操作子22,22
は、操作框５の表裏両面に突出する把手22aを有し、操
作框５に穿設した穴5a内において相互に接離する方向に
移動自在となっており、それらの操作子22,22の間には
コイルばね24が縮設され、該コイルばね24によって両操
作子22,22が相互に離反する方向、即ちストッパ15の係
合突起15aがそれぞれ操作框５の側面から突出する方向
（係合方向）に向けて付勢されている。従って、両操作
子22,22をコイルばね24に抗して相互に引き寄せること
により、ストッパ15を係合突起15aが操作框５内に没入
する非係合方向に変位させることができ、この両操作子
22,22の引き寄せ操作を片手で同時に行うことができる
ようになっている。なお、図中25は、操作子22,22を保
持する保持枠部材である。

上記操作框５の下面の案内溝27内には、摺動子28が操
作框５のほゞ全長に亙って摺動自在に設けられ、該摺動
子28に紐29が吊設されており、該紐29の下端にはボール
30が取付けられている。該紐29は、ネット４を閉鎖する
時に上昇位置にある操作框５を手が届く位置まで引き下
ろすためのもので、ネット４の開放時に該紐29が窓等の
中央部に垂れ下がって目障りとならないように、それを
案内溝27に沿って移動させてに網戸の端部に寄せておく
ことができるようになっている。

なお、図中31は、ネット４の閉鎖時に操作框５と建物
開口部枠の下枠材ｃとの間に隙間が生じないようにする
ための可撓性のスペーサである。

上記構成を有する防虫網戸において、開放状態にある
ネット４を閉鎖する時には、操作框５を引き下げてネッ
ト４を引き出せば良い。この時、操作框５に手が届かな
い場合は、紐29を引っ張ることによって手が届く位置ま
で操作框５を引き下げる。

ネット４が引き出されて操作框５が下端の閉鎖位置に
到達すると、該操作框５の両端のストッパ15の係合突起
15aがフック14に弾力的に係合し、該操作框５はこの閉
鎖位置に保持される。この時、フック14の上端部を薄肉
に形成しておくことにより、操作框５の下降時に係合突
起15aがフック14の上端部に当接して係止するのを防止
することができる。

ネット４を開放するときは、両操作子22,22の把手22
a,22aに片手の指をかけ、これらの操作子22,22を相互に
引き寄せると、上記ストッパ15が後退して係合突起15a
がフック14から外れるため、操作框５が解放され、ネッ
ト４が巻取られる。従って、ネット４の開放操作を片手
で行うことができる。

ネット４の開放状態においては、上記紐29が窓等の中
央部に垂れ下がって目障りとならないように、該紐29を
操作框５の案内溝27に沿って網戸の端部に寄せておくこ
とができる。

なお、上記実施例では本考案を防虫網戸について適用
した場合について説明したが、本考案はこのような防虫
網戸だけでなく、断熱窓や冷凍ショーケースなどを開閉
する断熱スクリーン装置にも適用できることはいうまで
もない。

［考案の効果］ 上記構成を有する本考案によれば、操作框を閉鎖位置
に保持する係止手段を操作框とガイドレールとに全て組
込んでいるため、スクリーン装置を既設の建物開口部枠
に後付けする場合においても、該建物開口部枠の下枠材
に磁石や磁性体等を取付けたり、それらを取付けるため
に螺子孔を開ける必要がなく、しかも、操作框に設けた
ストッパをガイドレール設けたフックに係合させる構成
であるため、ガイドレールにストッパ係合用の係合孔を
開ける必要もなく、小形のガイドレールを使用すること
ができる。

また、スクリーンの開放時には、一対の操作子の操作
により左右のストッパを同時にフックから外すことがで
きるため、操作框が若干傾いていたとしても該操作框を
フックから確実に解放してスクリーンを開放することが
でき、しかも、上記一対の操作子を操作するのに、それ
らに指を掛けて相互に引き寄せるだけで良いため、片手
で簡単且つ確実に操作することができ、その際、操作框
に軸方向の力が全く加わらないため、該操作框がいずれ
かの側に移動してガイドレールに強く当接して動きにく
くなるようなこともなく、操作時の安定性が良好でスク
リーンを円滑に開放することができる。

更に、一対の操作子を操作框に沿って相互に接近する
方向に変位させる方式であるから、構造が簡単で取付け
及び変位のための大きなスペースを必要とせず、また、
一対の操作子及びストッパを係合方向に付勢するのに、
操作子間に１個のスプリングを設けるだけで良いため、
組付けが簡単で安価に構成することができると共に、付
勢力の設定も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図はその
中間部を省略して示す部分破断拡大図、第３図は同中間
部を省略して示す部分破断拡大横断面図、第４図は同中
間部を省略して示す拡大縦断面図である。 ２……ガイドレール、３……巻取軸、４……ネット、５
……操作框、14……フック、15……ストッパ、22……操
作子、24……コイルばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スプリングにより巻取り方向に付勢された
   巻取軸にスクリーンを巻付け、該スクリーンの先端に開
   閉操作用の操作框を取付けて、該操作框及びスクリーン
   の左右両端部をそれぞれガイドレールに案内させながら
   該スクリーンを開閉するようにした巻取式スクリーン装
   置において、 上記操作框の左右両端部に、係合方向と非係合方向とに
   変位自在の一対のストッパを配設すると共に、操作框の
   中央部に、上記ストッパを非係合方向に変位させるため
   の、相互に接近する方向に変位自在に配設されて各スト
   ッパに個別に連結された左右一対の操作子を、片手で同
   時に操作可能な間隔をおいて配設して、これら一対の操
   作子間に該操作子及び上記ストッパを係合方向に付勢す
   るスプリングを縮設し、左右のガイドレールに、スクリ
   ーンの閉鎖位置において上記ストッパが弾性的に係合す
   るフックをそれぞれ設けたことを特徴とする巻取式スク
   リーン装置。