JPH08105892A - 免疫診断試薬の製造方法 - Google Patents
免疫診断試薬の製造方法Info
- Publication number
- JPH08105892A JPH08105892A JP24152694A JP24152694A JPH08105892A JP H08105892 A JPH08105892 A JP H08105892A JP 24152694 A JP24152694 A JP 24152694A JP 24152694 A JP24152694 A JP 24152694A JP H08105892 A JPH08105892 A JP H08105892A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lipid
- compound
- insoluble carrier
- functional group
- reagent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗原としての反応性の低下や抗原の遊離等に
起因する感度の低下がなく、簡易かつ安定的に実施が可
能な抗りん脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法を提
供する。 【構成】 不溶性担体をカチオン性の官能基を有する化
合物で処理し、その後前記不溶性担体に脂質抗原を固定
化する抗りん脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法。
起因する感度の低下がなく、簡易かつ安定的に実施が可
能な抗りん脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法を提
供する。 【構成】 不溶性担体をカチオン性の官能基を有する化
合物で処理し、その後前記不溶性担体に脂質抗原を固定
化する抗りん脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、簡便で高感度な抗りん
脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法に関する。
脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】病気の診断等のために、血清、血しょ
う、脳脊髄液等を検体として、この検体中に含まれてい
るカルジオライピン、フォスファチジルコリン、コレス
テロール等のりん脂質に対応する抗りん脂質抗体を測定
する方法が知られている。
う、脳脊髄液等を検体として、この検体中に含まれてい
るカルジオライピン、フォスファチジルコリン、コレス
テロール等のりん脂質に対応する抗りん脂質抗体を測定
する方法が知られている。
【0003】このような抗りん脂質抗体を測定する方法
としては、例えば、炭素粒子りん脂質抗原懸濁液を使用
したRPR(Rapid Plasma Reagi
n)カード試験法(以下「RPR法」という)、VDR
L(Venereal Disease Resear
ch Lab)法、RST(Reagin Scree
ning Test)法等の迅速性、操作性に優れたも
のが知られていた。しかし、これらの方法は、目視判定
法であるので、実施者、測定日等により結果が異なる等
の精度上の問題を有するものであった。
としては、例えば、炭素粒子りん脂質抗原懸濁液を使用
したRPR(Rapid Plasma Reagi
n)カード試験法(以下「RPR法」という)、VDR
L(Venereal Disease Resear
ch Lab)法、RST(Reagin Scree
ning Test)法等の迅速性、操作性に優れたも
のが知られていた。しかし、これらの方法は、目視判定
法であるので、実施者、測定日等により結果が異なる等
の精度上の問題を有するものであった。
【0004】近年、りん脂質をラテックス粒子等の不溶
性担体に固定化し、このものを緩衝液等に懸濁分散させ
て試薬とする方法が提案されている。このような試薬に
おいて、りん脂質のラテックス粒子等の不溶性担体への
固定化方法としては、従来、例えば、クリニカル・アン
ド・エクスペリメンタル・イミュノロジー(Clin.
Exp.Immunol.)、68巻、215〜222
頁、(1987年)及び特表平4−503865号公報
には、マイクロタイタープレートのウェル又は磁性体粒
子にりん脂質の有機溶媒溶液を加え、溶媒を蒸発させて
プラスチックプレートの表面又は磁性体粒子表面に物理
吸着させる方法が開示されている。
性担体に固定化し、このものを緩衝液等に懸濁分散させ
て試薬とする方法が提案されている。このような試薬に
おいて、りん脂質のラテックス粒子等の不溶性担体への
固定化方法としては、従来、例えば、クリニカル・アン
ド・エクスペリメンタル・イミュノロジー(Clin.
Exp.Immunol.)、68巻、215〜222
頁、(1987年)及び特表平4−503865号公報
には、マイクロタイタープレートのウェル又は磁性体粒
子にりん脂質の有機溶媒溶液を加え、溶媒を蒸発させて
プラスチックプレートの表面又は磁性体粒子表面に物理
吸着させる方法が開示されている。
【0005】しかし、この方法を用いた場合、洗浄時に
プレート壁や磁性体粒子に吸着したりん脂質が剥がれ落
ちやすいので、得られた試薬は測定値がばらつき検出感
度が低くなる問題があり、また、りん脂質の種類により
分子の大きさや極性が異なるので、複数のりん脂質を抗
原として使用した場合、温度やpH等の微細な条件の変
動でラテックス等の表面への吸着状況が変化し、試薬の
安定した製造が困難であった。更に、この方法において
は、ラテックス粒子等の不溶性担体を水性溶媒に懸濁し
たものを使用した場合、物理吸着後に有機溶媒を蒸発さ
せると、粒子自体が変性して自己凝集を引き起こすの
で、得られたラテックス粒子等は診断用試薬として不適
当なものであった。
プレート壁や磁性体粒子に吸着したりん脂質が剥がれ落
ちやすいので、得られた試薬は測定値がばらつき検出感
度が低くなる問題があり、また、りん脂質の種類により
分子の大きさや極性が異なるので、複数のりん脂質を抗
原として使用した場合、温度やpH等の微細な条件の変
動でラテックス等の表面への吸着状況が変化し、試薬の
安定した製造が困難であった。更に、この方法において
は、ラテックス粒子等の不溶性担体を水性溶媒に懸濁し
たものを使用した場合、物理吸着後に有機溶媒を蒸発さ
せると、粒子自体が変性して自己凝集を引き起こすの
で、得られたラテックス粒子等は診断用試薬として不適
当なものであった。
【0006】特表昭63−501928号公報及び特表
平4−503865号公報には、スペーサーを介した化
学結合方法が開示されており、特開昭58−61466
号公報にはメチル化タンパクを介した化学結合方法が開
示されている。しかし、これらの方法は、ラテックス粒
子を変性させることなくりん脂質を固定化することがで
きるが、化学修飾されたりん脂質を使用するので、りん
脂質の抗原としての反応性が低下する欠点を有してお
り、また、化学結合の反応条件の設定が複雑である等の
製造上の困難性が存在するものであった。
平4−503865号公報には、スペーサーを介した化
学結合方法が開示されており、特開昭58−61466
号公報にはメチル化タンパクを介した化学結合方法が開
示されている。しかし、これらの方法は、ラテックス粒
子を変性させることなくりん脂質を固定化することがで
きるが、化学修飾されたりん脂質を使用するので、りん
脂質の抗原としての反応性が低下する欠点を有してお
り、また、化学結合の反応条件の設定が複雑である等の
製造上の困難性が存在するものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、抗原としての反応性の低下や抗原の遊離等に起因す
る感度の低下がなく、簡易かつ安定的に実施が可能な抗
りん脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法を提供する
ことを目的とする。
み、抗原としての反応性の低下や抗原の遊離等に起因す
る感度の低下がなく、簡易かつ安定的に実施が可能な抗
りん脂質抗体測定用免疫診断試薬の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、不溶性
担体をカチオン性の官能基を有する化合物で処理し、そ
の後前記不溶性担体に脂質抗原を固定化することにより
抗りん脂質抗体測定用免疫診断試薬を得るところに存す
る。
担体をカチオン性の官能基を有する化合物で処理し、そ
の後前記不溶性担体に脂質抗原を固定化することにより
抗りん脂質抗体測定用免疫診断試薬を得るところに存す
る。
【0009】上記不溶性担体としては特に限定されず、
例えば、ポリスチレンラテックス粒子、ポリエチレンラ
テックス粒子等の各種の合成樹脂ラテックス粒子;ゼラ
チン粒子;ウシ、ヒツジ等の動物の赤血球;カオリン;
炭素末等の粒子状のもの等が挙げられ、更に、プラスチ
ック製のマイクロタイタープレート、試験管等を使用す
ることもできる。なかでも、ポリスチレンラテックス粒
子が好ましい。上記不溶性担体の粒径は、好ましくは
0.05〜10μmであり、より好ましくは0.1〜1
μmである。
例えば、ポリスチレンラテックス粒子、ポリエチレンラ
テックス粒子等の各種の合成樹脂ラテックス粒子;ゼラ
チン粒子;ウシ、ヒツジ等の動物の赤血球;カオリン;
炭素末等の粒子状のもの等が挙げられ、更に、プラスチ
ック製のマイクロタイタープレート、試験管等を使用す
ることもできる。なかでも、ポリスチレンラテックス粒
子が好ましい。上記不溶性担体の粒径は、好ましくは
0.05〜10μmであり、より好ましくは0.1〜1
μmである。
【0010】上記カチオン性の官能基を有する化合物と
しては、不溶性担体表面上のマイナス電荷を相殺しうる
ものであれば特に限定されず、例えば、第一アミン、第
二アミン、第三アミン、第一アミンの塩、第二アミンの
塩、第三アミンの塩、第四アンモニウム塩等が挙げられ
る。このようなもののうち、低分子量のものとしては、
例えば、第一アミンであるモノドデシルアミン、ヘキサ
デシルトリアミン;第二アミンであるジドデシルアミ
ン;第三アミンであるトリドデシルアミン等が挙げられ
る。また、高分子量のものとしては、例えば、アルキル
基、アルキレン基、フェニル基等の疎水性基を有するカ
チオン性ポリマー等が挙げられる。
しては、不溶性担体表面上のマイナス電荷を相殺しうる
ものであれば特に限定されず、例えば、第一アミン、第
二アミン、第三アミン、第一アミンの塩、第二アミンの
塩、第三アミンの塩、第四アンモニウム塩等が挙げられ
る。このようなもののうち、低分子量のものとしては、
例えば、第一アミンであるモノドデシルアミン、ヘキサ
デシルトリアミン;第二アミンであるジドデシルアミ
ン;第三アミンであるトリドデシルアミン等が挙げられ
る。また、高分子量のものとしては、例えば、アルキル
基、アルキレン基、フェニル基等の疎水性基を有するカ
チオン性ポリマー等が挙げられる。
【0011】上記カチオン性ポリマーに含有されるアル
キル基及びアルキレン基の炭素数は、1〜15であるこ
とが好ましい。炭素数が15を超えるとカチオン性ポリ
マーが水に溶解しにくくなり、不溶性担体に吸着させる
ことが困難となる。上記カチオン性ポリマーの分子量
は、1000〜60万であることが好ましい。上記カチ
オン性ポリマーの分子量が1000未満であると、不溶
性担体との疎水性相互作用が不充分となって、不溶性担
体に効果的に吸着されなくなり、60万を超えるとカチ
オン性ポリマーの粘度が高くなって、不溶性担体を処理
することが困難となる。上記カチオン性ポリマーとして
は、例えば、第一アミンの重合体であるポリアリルアミ
ン;第二アミンの重合体であるポリエチレンイミン;第
四アンモニウム塩の重合体であるポリ塩化ジアリルジメ
チルアンモニウム、ポリアミンスルホン;核酸等が挙げ
られる。なかでも、ポリアミンスルホン等の第四アンモ
ニウム塩の重合体がカチオンとして作用しうるpH範囲
が広いので好ましい。このようなものとしては、例え
ば、下記一般式(I)又は一般式(II)で表されるポ
リアミンスルホン等が挙げられる。
キル基及びアルキレン基の炭素数は、1〜15であるこ
とが好ましい。炭素数が15を超えるとカチオン性ポリ
マーが水に溶解しにくくなり、不溶性担体に吸着させる
ことが困難となる。上記カチオン性ポリマーの分子量
は、1000〜60万であることが好ましい。上記カチ
オン性ポリマーの分子量が1000未満であると、不溶
性担体との疎水性相互作用が不充分となって、不溶性担
体に効果的に吸着されなくなり、60万を超えるとカチ
オン性ポリマーの粘度が高くなって、不溶性担体を処理
することが困難となる。上記カチオン性ポリマーとして
は、例えば、第一アミンの重合体であるポリアリルアミ
ン;第二アミンの重合体であるポリエチレンイミン;第
四アンモニウム塩の重合体であるポリ塩化ジアリルジメ
チルアンモニウム、ポリアミンスルホン;核酸等が挙げ
られる。なかでも、ポリアミンスルホン等の第四アンモ
ニウム塩の重合体がカチオンとして作用しうるpH範囲
が広いので好ましい。このようなものとしては、例え
ば、下記一般式(I)又は一般式(II)で表されるポ
リアミンスルホン等が挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】式中、R1 、R2 は、それぞれ独立して、
メチル基を表す。nは、正の整数である。
メチル基を表す。nは、正の整数である。
【0015】上記一般式(I)で表されるポリアミンス
ルホンとしては、例えば、日東紡績社製PAS−H−3
5S(平均分子量52万)等が挙げられる。上記一般式
(II)で表されるポリアミンスルホンとしては、例え
ば、日東紡績社製PAS−84(平均分子量2000)
等が挙げられる。
ルホンとしては、例えば、日東紡績社製PAS−H−3
5S(平均分子量52万)等が挙げられる。上記一般式
(II)で表されるポリアミンスルホンとしては、例え
ば、日東紡績社製PAS−84(平均分子量2000)
等が挙げられる。
【0016】本発明においては、上記不溶性担体を上記
カチオン性の官能基を有する化合物で処理する。上記処
理は、不溶性担体を水等に懸濁したものにカチオン性の
官能基を有する化合物を添加する方法により行うことが
できる。上記処理において、上記カチオン性の官能基を
有する化合物の濃度は、用いるカチオン性の官能基を有
する化合物の分子量によって異なるが、カチオン性の官
能基を有する化合物が水に溶解する範囲のものであれば
よく、例えば、PAS−H−35Sの場合は、好ましく
は0.00001〜1.0%であり、より好ましくは
0.0001〜0.5%であり、更に好ましくは0.0
002〜0.2%であり、PAS−84の場合は、好ま
しくは0.000001〜0.1%であり、より好まし
くは0.00001〜0.05%であり、更に好ましく
は0.0001〜0.02%である。
カチオン性の官能基を有する化合物で処理する。上記処
理は、不溶性担体を水等に懸濁したものにカチオン性の
官能基を有する化合物を添加する方法により行うことが
できる。上記処理において、上記カチオン性の官能基を
有する化合物の濃度は、用いるカチオン性の官能基を有
する化合物の分子量によって異なるが、カチオン性の官
能基を有する化合物が水に溶解する範囲のものであれば
よく、例えば、PAS−H−35Sの場合は、好ましく
は0.00001〜1.0%であり、より好ましくは
0.0001〜0.5%であり、更に好ましくは0.0
002〜0.2%であり、PAS−84の場合は、好ま
しくは0.000001〜0.1%であり、より好まし
くは0.00001〜0.05%であり、更に好ましく
は0.0001〜0.02%である。
【0017】本発明においては、上記処理の後、不溶性
担体に脂質抗原を固定化することにより抗りん脂質抗体
測定用免疫診断試薬を得る。上記固定化は、上記処理を
施した不溶性担体を水、メタノール等の有機溶媒等に懸
濁したものに、脂質抗原としてりん脂質を添加し、室温
〜100℃で適当な時間吸着させることにより行うこと
ができる。上記有機溶媒としては、不溶性担体を溶解、
変性させず、かつ、りん脂質を可溶化することができる
ものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エ
タノール、エーテル等を好適に使用することができる。
上記りん脂質としては特に限定されず、例えば、カルジ
オライピン、ホスファチジルコリン、コレステロール等
が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
担体に脂質抗原を固定化することにより抗りん脂質抗体
測定用免疫診断試薬を得る。上記固定化は、上記処理を
施した不溶性担体を水、メタノール等の有機溶媒等に懸
濁したものに、脂質抗原としてりん脂質を添加し、室温
〜100℃で適当な時間吸着させることにより行うこと
ができる。上記有機溶媒としては、不溶性担体を溶解、
変性させず、かつ、りん脂質を可溶化することができる
ものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エ
タノール、エーテル等を好適に使用することができる。
上記りん脂質としては特に限定されず、例えば、カルジ
オライピン、ホスファチジルコリン、コレステロール等
が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0018】本発明によって製造した抗りん脂質抗体測
定用免疫診断試薬は、通常の緩衝液中に保存することが
できる。上記緩衝液としては特に限定されず、例えば、
りん酸緩衝液等の既知のもの等が挙げられる。また、そ
のpH及びイオン強度は、通常の生理学的な条件とする
ことができる。上記緩衝液には、所望により自己凝集反
応を抑制する物質、抗原抗体反応を促進する物質等を添
加併用することができる。
定用免疫診断試薬は、通常の緩衝液中に保存することが
できる。上記緩衝液としては特に限定されず、例えば、
りん酸緩衝液等の既知のもの等が挙げられる。また、そ
のpH及びイオン強度は、通常の生理学的な条件とする
ことができる。上記緩衝液には、所望により自己凝集反
応を抑制する物質、抗原抗体反応を促進する物質等を添
加併用することができる。
【0019】本発明によって製造した抗りん脂質抗体測
定用免疫診断試薬は、緩衝液に懸濁した状態で長期間安
定に保存することができるが、凍結乾燥状態で保存する
こともできる。その際、凍結乾燥時の安定剤として一般
に使用されている薬剤を添加して使用することもでき
る。
定用免疫診断試薬は、緩衝液に懸濁した状態で長期間安
定に保存することができるが、凍結乾燥状態で保存する
こともできる。その際、凍結乾燥時の安定剤として一般
に使用されている薬剤を添加して使用することもでき
る。
【0020】本発明によって製造した抗りん脂質抗体測
定用免疫診断試薬は、疾病の診断又は治療のための臨床
検査等の分野に広く使用することができる。
定用免疫診断試薬は、疾病の診断又は治療のための臨床
検査等の分野に広く使用することができる。
【0021】
【作用】りん脂質は、一分子中に親水性基と疎水性基と
を有する両親媒性分子である。その平均分子量は800
前後と小さいので、通常、スペーサー等を介して固定し
なければ抗原としての反応性が得られない。本発明にお
いては、ラテックス粒子等の不溶性担体の表面をカチオ
ン性の官能基を有する化合物で処理することにより、担
体表面に残留しているマイナス電荷を相殺し、抗原成分
であるりん脂質と不溶性担体との電気的反発を軽減さ
せ、脂質抗原を不溶性担体に抗原性を保ったまま大量か
つ容易に物理吸着させることを可能としている。
を有する両親媒性分子である。その平均分子量は800
前後と小さいので、通常、スペーサー等を介して固定し
なければ抗原としての反応性が得られない。本発明にお
いては、ラテックス粒子等の不溶性担体の表面をカチオ
ン性の官能基を有する化合物で処理することにより、担
体表面に残留しているマイナス電荷を相殺し、抗原成分
であるりん脂質と不溶性担体との電気的反発を軽減さ
せ、脂質抗原を不溶性担体に抗原性を保ったまま大量か
つ容易に物理吸着させることを可能としている。
【0022】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0023】実施例1 ラテックス懸濁液として、平均粒径0.191μm、固
形分10%(W/V)のポリスチレンラテックス(積水
化学工業社製)の水懸濁液0.1mlを室温下に700
rpmで回転振とうしつつ、カチオン性の官能基を有す
る化合物として、0.125%PAS−H−35S水溶
液0.4mlを添加して最終濃度0.1%とし、更に室
温下に1時間回転振とうした後、18000rpm×3
0分間遠心してペレットを得た。これに1mM塩酸2.
0mlを加えて氷冷下に超音波処理(ダイアル2×du
ty50%×30秒)し、その後脱イオン水2.0ml
を加えて18000rpm×30分間遠心してペレット
を得る洗浄操作を3回繰り返した後、洗浄後のペレット
に脱イオン水0.1mlを加えて氷冷下に超音波処理
(ダイアル2×duty50%×30秒)して前処理済
ラテックス懸濁液を得た。別に脂質抗原液として、カル
ジオライピン(ジホスファチジルグリセロールナトリウ
ム塩、ウシ心臓由来、ロット番号112H8350、シ
グマ社製)5mg/mlエタノール溶液、ホスファチジ
ルコリン(ニワトリ卵黄由来、試薬特級95%、ロット
番号VOF9141、ナカライテスク社製)10mg/
mlエタノール溶液、コレステロール(試薬特級、ロッ
ト番号M2G0701、ナカライテスク社製)10mg
/mlエタノール溶液を、それぞれ2ml、10ml、
3ml(重量比1:10:3)ずつ混合したものを調製
した。
形分10%(W/V)のポリスチレンラテックス(積水
化学工業社製)の水懸濁液0.1mlを室温下に700
rpmで回転振とうしつつ、カチオン性の官能基を有す
る化合物として、0.125%PAS−H−35S水溶
液0.4mlを添加して最終濃度0.1%とし、更に室
温下に1時間回転振とうした後、18000rpm×3
0分間遠心してペレットを得た。これに1mM塩酸2.
0mlを加えて氷冷下に超音波処理(ダイアル2×du
ty50%×30秒)し、その後脱イオン水2.0ml
を加えて18000rpm×30分間遠心してペレット
を得る洗浄操作を3回繰り返した後、洗浄後のペレット
に脱イオン水0.1mlを加えて氷冷下に超音波処理
(ダイアル2×duty50%×30秒)して前処理済
ラテックス懸濁液を得た。別に脂質抗原液として、カル
ジオライピン(ジホスファチジルグリセロールナトリウ
ム塩、ウシ心臓由来、ロット番号112H8350、シ
グマ社製)5mg/mlエタノール溶液、ホスファチジ
ルコリン(ニワトリ卵黄由来、試薬特級95%、ロット
番号VOF9141、ナカライテスク社製)10mg/
mlエタノール溶液、コレステロール(試薬特級、ロッ
ト番号M2G0701、ナカライテスク社製)10mg
/mlエタノール溶液を、それぞれ2ml、10ml、
3ml(重量比1:10:3)ずつ混合したものを調製
した。
【0024】得られた前処理済ラテックス懸濁液(固形
分10%(W/V))0.1mlに、調製した脂質抗原
液1.0mlを加え、室温下に700rpm×1時間回
転振とうした後、0.1Mほう化りんナトリウム(Na
PB)に牛血清アルブミン(Bovine Serum
Albumin Fraction V、Reage
nt Grade、ロット番号81−066−2、マイ
ルス社製、以下「BSA」という)を1%(W/V)の
濃度になるように溶解したブロッキング溶液を加え、更
に室温下に700rpm×1.5時間回転振とうした
後、18000rpm×30分間遠心してペレットを得
た。これに5.0mlのラテックス懸濁液を加えて18
000rpm×30分間遠心してペレットを得る洗浄操
作を3回繰り返した後、洗浄後のペレットに2.0ml
のラテックス懸濁液を加えて氷冷下に超音波処理(ダイ
アル2×duty50%×60秒)して抗りん脂質抗体
測定用免疫診断試薬を得た。得られた抗りん脂質抗体測
定用免疫診断試薬は4℃にて保存した。
分10%(W/V))0.1mlに、調製した脂質抗原
液1.0mlを加え、室温下に700rpm×1時間回
転振とうした後、0.1Mほう化りんナトリウム(Na
PB)に牛血清アルブミン(Bovine Serum
Albumin Fraction V、Reage
nt Grade、ロット番号81−066−2、マイ
ルス社製、以下「BSA」という)を1%(W/V)の
濃度になるように溶解したブロッキング溶液を加え、更
に室温下に700rpm×1.5時間回転振とうした
後、18000rpm×30分間遠心してペレットを得
た。これに5.0mlのラテックス懸濁液を加えて18
000rpm×30分間遠心してペレットを得る洗浄操
作を3回繰り返した後、洗浄後のペレットに2.0ml
のラテックス懸濁液を加えて氷冷下に超音波処理(ダイ
アル2×duty50%×60秒)して抗りん脂質抗体
測定用免疫診断試薬を得た。得られた抗りん脂質抗体測
定用免疫診断試薬は4℃にて保存した。
【0025】評価方法抗りん脂質抗体の測定 得られた抗りん脂質抗体測定用免疫診断試薬50μl、
0.1Mほう化りんナトリウム(NaPB)にBSAを
0.25%(W/V)及びグリコシルエチルメタクリレ
ートのホモポリマー(平均分子量30万、日本精化社
製)を1.0%(W/V)にそれぞれなるように溶解し
た検体希釈用緩衝液350μl、並びに、検体20μl
を用いて、ヒト血清中の抗りん脂質抗体の測定を行い、
評価した。検体として用いた標準血清は、陽性検体とし
ては、RPR法で16倍である梅毒陽性ヒトプール血清
(ロット番号001−0493509、TSI Cen
ter For Diagnostic Produc
ts、U.S.A.社製)を−20℃で凍結保存したも
のを溶解し、必要に応じて生理的食塩水で希釈し、抗り
ん脂質抗体価16倍血清(原液)、抗りん脂質抗体価8
倍血清、抗りん脂質抗体価4倍血清、抗りん脂質抗体価
2倍血清としたものであり、陰性コントロールとして
は、RPR法及びTPHA法のいずれでも陰性である梅
毒陰性ヒトプール血清(ロットd、ロットe、セラコン
社製)を−20℃で凍結保存したものを溶解した原液で
あった。更に陰性検体としては、生理的食塩水も用い
た。測定は、日立自動分析装置7150型(日立製作所
社製)を用い、37℃で測定波長570nmにて行い、
測定開始後80秒後と320秒後(24ポイントと50
ポイント)における吸光度変化量(ΔO.D.570)
を測定し、反応量とした。測定はn=2で行い、平均値
を求めた。結果を表2に示した。
0.1Mほう化りんナトリウム(NaPB)にBSAを
0.25%(W/V)及びグリコシルエチルメタクリレ
ートのホモポリマー(平均分子量30万、日本精化社
製)を1.0%(W/V)にそれぞれなるように溶解し
た検体希釈用緩衝液350μl、並びに、検体20μl
を用いて、ヒト血清中の抗りん脂質抗体の測定を行い、
評価した。検体として用いた標準血清は、陽性検体とし
ては、RPR法で16倍である梅毒陽性ヒトプール血清
(ロット番号001−0493509、TSI Cen
ter For Diagnostic Produc
ts、U.S.A.社製)を−20℃で凍結保存したも
のを溶解し、必要に応じて生理的食塩水で希釈し、抗り
ん脂質抗体価16倍血清(原液)、抗りん脂質抗体価8
倍血清、抗りん脂質抗体価4倍血清、抗りん脂質抗体価
2倍血清としたものであり、陰性コントロールとして
は、RPR法及びTPHA法のいずれでも陰性である梅
毒陰性ヒトプール血清(ロットd、ロットe、セラコン
社製)を−20℃で凍結保存したものを溶解した原液で
あった。更に陰性検体としては、生理的食塩水も用い
た。測定は、日立自動分析装置7150型(日立製作所
社製)を用い、37℃で測定波長570nmにて行い、
測定開始後80秒後と320秒後(24ポイントと50
ポイント)における吸光度変化量(ΔO.D.570)
を測定し、反応量とした。測定はn=2で行い、平均値
を求めた。結果を表2に示した。
【0026】実施例2〜6及び比較例1、2、4、5 カチオン性の官能基を有する化合物として表1に示した
種類及び添加濃度のものを使用して表1に示した最終濃
度としたこと以外は、実施例1と同様にして抗りん脂質
抗体測定用免疫診断試薬を得、測定し、評価した。結果
を表2及び表3に示した。
種類及び添加濃度のものを使用して表1に示した最終濃
度としたこと以外は、実施例1と同様にして抗りん脂質
抗体測定用免疫診断試薬を得、測定し、評価した。結果
を表2及び表3に示した。
【0027】比較例3及び比較例6 カチオン性の官能基を有する化合物の代わりに超純水を
使用したこと以外は、実施例1と同様にして抗りん脂質
抗体測定用免疫診断試薬を得、測定し、評価した。結果
を表2及び表3に示した。
使用したこと以外は、実施例1と同様にして抗りん脂質
抗体測定用免疫診断試薬を得、測定し、評価した。結果
を表2及び表3に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明の抗りん脂質抗体測定用免疫診断
試薬の製造方法は、上述の構成よりなるので、抗原成分
を簡易かつ安定的にラテックス粒子等に固定化すること
ができ、抗原としての反応性の低下や抗原の遊離に起因
する感度の低下がなく、高感度で自己凝集の少ない抗り
ん脂質抗体測定用免疫診断試薬を提供することができ
る。
試薬の製造方法は、上述の構成よりなるので、抗原成分
を簡易かつ安定的にラテックス粒子等に固定化すること
ができ、抗原としての反応性の低下や抗原の遊離に起因
する感度の低下がなく、高感度で自己凝集の少ない抗り
ん脂質抗体測定用免疫診断試薬を提供することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 不溶性担体をカチオン性の官能基を有す
る化合物で処理し、その後前記不溶性担体に脂質抗原を
固定化することを特徴とする抗りん脂質抗体測定用免疫
診断試薬の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24152694A JPH08105892A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 免疫診断試薬の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24152694A JPH08105892A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 免疫診断試薬の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08105892A true JPH08105892A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17075665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24152694A Pending JPH08105892A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 免疫診断試薬の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08105892A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7718445B2 (en) | 2000-10-03 | 2010-05-18 | Mirari Biosciences, Inc. | Methods and compositions for directed microwave chemistry |
US8309367B2 (en) | 2000-10-03 | 2012-11-13 | Mirari Biosciences, Inc. | Microwave microfluidics |
US8431414B2 (en) | 2000-10-03 | 2013-04-30 | Mirari Biosciences, Inc. | Methods and compositions for directed microwave chemistry |
-
1994
- 1994-10-05 JP JP24152694A patent/JPH08105892A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7718445B2 (en) | 2000-10-03 | 2010-05-18 | Mirari Biosciences, Inc. | Methods and compositions for directed microwave chemistry |
US8309367B2 (en) | 2000-10-03 | 2012-11-13 | Mirari Biosciences, Inc. | Microwave microfluidics |
US8431414B2 (en) | 2000-10-03 | 2013-04-30 | Mirari Biosciences, Inc. | Methods and compositions for directed microwave chemistry |
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