JP3444649B2 - 免疫測定用試薬およびその製造方法 - Google Patents

免疫測定用試薬およびその製造方法

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JP3444649B2
JP3444649B2 JP06127694A JP6127694A JP3444649B2 JP 3444649 B2 JP3444649 B2 JP 3444649B2 JP 06127694 A JP06127694 A JP 06127694A JP 6127694 A JP6127694 A JP 6127694A JP 3444649 B2 JP3444649 B2 JP 3444649B2
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美枝 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗原抗体反応を利用する
免疫測定用試薬に関し、より詳細には、高感度で非特異
反応が少ない免疫測定用試薬およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体成分から特定の物質を検出もしくは
定量する方法として抗原抗体反応が利用されている。抗
原抗体反応は、特異性が高く検出感度が高いため、臨床
検査の重要な手段として現在広く用いられている。抗原
抗体反応を利用する測定方法として、水溶液中で抗原抗
体反応を行わせる方法には、酵素免疫測定法(EI
A)、放射免疫測定法(RIA)、免疫比濁法(TI
A)などが知られている。
【0003】中でもラテックス粒子やプラスチックプレ
ートを水不溶性担体として使用する場合、抗原もしくは
抗体である被測定物質に対する抗体もしくは抗原を上記
のような水不溶性担体に効率的に、かつ安定性良く固定
化させることは、高感度かつ安定性の高い診断薬を製造
する上で、重要な技術である。
【0004】不溶性担体に抗原あるいは抗体を固定する
方法としては、吸着あるいは共有結合などの方法がある
が、一般には吸着が簡単であり、かつ抗原活性あるいは
抗体活性を損なうことがないので繁用されている。不溶
性担体への抗原あるいは抗体の吸着効率を高める手段と
しては、使用する抗原あるいは抗体の量を増やす以外に
以下のような方法が考えられていた。
【0005】(1) 粒径の大きいラテックス粒子を用い、
抗原または抗体の担体との接触面積を大きくする(特開
平5−297002)。
【0006】(2) 表面が多孔性または粗さに富む担体を
用い、抗原または抗体の接触面積を大きくする(特公平
3−22944、特開平4−174360)。
【0007】このほか、物理吸着には吸着させる抗原あ
るいは抗体と、水不溶性担体の間の疎水性相互作用が大
きな役割を果たしていることから、表面の疎水性が高い
ポリスチレン系のラテックス粒子を用いることも有効で
ある。ポリスチレンラテックス系のラテックス粒子は、
合成物質であるため、保存時の安定性が他の担体よりも
優れ、抗原、抗体などの蛋白質や脂質などの生理活性物
質を強く吸着し、さらにこうして結合した抗原および抗
体の性質を変化なく保持しうる点でも優れているため多
くの免疫反応試薬に用いられ、特に凝集反応試薬の担体
として繁用されている。
【0008】しかしながら、ポリスチレンラテックス系
の合成ラテックスでは、その保存中にラテックス粒子が
自然凝集を起こしたり、目的物質以外の物質同士の反応
による、いわゆる非特異凝集を生じる嫌いがある。この
問題を防止するために、従来、感作したラテックス粒子
の懸濁液にウシ血清アルブミン、ウマ血清アルブミンな
どの免疫学的に不活性なアルブミン類を添加して、ラテ
ックス粒子の疎水性表面を覆い、表面荷電を負に維持す
ることにより、ラテックス粒子の自然凝集を防止し、妨
害物質による非特異凝集を防止した免疫学的反応用ラテ
ックス試薬が提案された(公開昭58−144748、
公開平3−94161)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、表面の疎水性
が高く、かつ上記特開平5−297002、特公平3−
22944および特開平4−174360の粒子のよう
に、吸着表面積が大きいだけでは、目的とする抗原もし
くは抗体以外の蛋白質までも非特異的に吸着してしま
い、それに続いて非特異反応や非特異凝集も引き起こす
恐れがあった。
【0010】また、ポリスチレンラテックス系の合成ラ
テックスでは、上記のような不活性アルブミンの添加に
よっても長時間の保存においては感作担体の自然凝集あ
るいは非特異凝集を阻止することは不可能であった。ま
た、使用するアルブミンの濃度がかなり高いため粒子表
面の負荷電が大きくなりすぎて、粒子が安定化し、本来
必要な抗原抗体反応までも抑制してしまうことがあっ
た。
【0011】本発明の目的は、上記の点に鑑み、自然凝
集あるいは非特異凝集を発生する恐れがなく、長時間保
存しうる、高感度を示す、免疫測定用試薬を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を行った結果、特定の水溶性高分子
を水不溶性担体の表面に固定化することにより、高感度
で非特異反応が少ない免疫測定用試薬が得られることを
見出だし、本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明により、抗体または抗原
を担持した水不溶性担体に、側鎖に糖類を有する水溶性
高分子であるグルコシルエチルメタクリレートまたはガ
ラクトシルエチルメタクリレートのホモポリマーが導入
されてなる免疫測定用試薬が提供せられる。
【0014】本発明による免疫測定用試薬は、水不溶性
担体に抗体または抗原を担持した後、同担体および抗体
または抗原を含む水性液に、側鎖に糖類を有する水溶性
高分子であるグルコシルエチルメタクリレートまたはガ
ラクトシルエチルメタクリレートのホモポリマーを担体
1重量部に対し0.01〜4重量部になるような濃度で
含む水性液を添加することにより製造される。
【0015】本発明による免疫測定用試薬は、また、水
不溶性担体に抗体または抗原を担持させる際に、担持前
または担持と同時に、担体を含む水性液に、側鎖に糖類
を有する水溶性高分子であるグルコシルエチルメタクリ
レートまたはガラクトシルエチルメタクリレートのホモ
ポリマーを担体1重量部に対し0.005〜0.15重
量部になるような濃度で含む水性液を添加することによ
って製造される。
【0016】本発明の好ましい実施態様において、免疫
測定用試薬は、免疫診断薬に用いる水不溶性担体に測定
対象物質である抗原または抗体に対応する抗体または抗
原を担持させたものである。
【0017】水不溶性担体の好適な例はラテックス粒子
である。
【0018】本発明に適用しうる水不溶性担体は、合成
によって得られるあらゆる種類のラテックス粒子のほ
か、ゼラチン粒子などでもよく、さらにはプラスチック
製のマイクロタイタープレートや、試験管であってもよ
い。また、その担体表面への感作については、物理吸着
方法のみならず、官能基を有する固体表面にも、既知の
方法である化学結合法や共有結合法により、効率的に感
作することができる。そのほか、動物の赤血球や、カオ
リン、炭素末なども本発明に適用できる。
【0019】本発明で用いられる糖鎖を有する水溶性高
分子は、同一分子内に親水基と疎水基を共に有する、両
親媒性の物質であり、分子量2万〜75万、好ましくは
15万〜60万、最も好ましくは25万〜50万のもの
である。このような水溶性高分子としては、既知の方法
によって合成されるグルコシルエチルメタクリレート
たはガラクトシルエチルメタクリレートのホモポリマー
(国際公開番号:WO90/04598)に限定され
【0020】側鎖に糖類を有する水溶性高分子化合物の
好適な例は、グリコシルエチルメタクリレートのホモポ
リマーである。
【0021】糖鎖を有する水溶性高分子の分子量は、7
5万より大きいと、従来技術について説明した、長期間
保存時のラテックス試薬の非特異凝集の問題が解決され
ず、2万より小さいと、ラテックス粒子表面の被覆およ
び親水性の付与に効果が十分得られない場合がある。
【0022】水不溶性担体への抗体または抗原の担持の
後、同担体および抗体または抗原を含む水性液に、水溶
性高分子を含む水性液を添加することによって本発明に
よる免疫測定用試薬を製造される方法では、感作ラテッ
クス粒子などの水不溶性担体を任意の濃度で含みかつ担
体に担持した抗体または抗原を含む水性液に、水溶性高
分子を担体1重量部に対し0.01〜4重量部、好まし
くは0.05〜3.0重量部、最も好ましくは0.1〜
2.0重量部の濃度で含む水性液を添加する。
【0023】この濃度が0.01重量部より少ないと、
表面の被覆によるラテックス試薬の安定性が充分でな
く、4.0重量部より多いと分散性が高すぎて測定感度
が低くなるので、水溶性高分子の濃度は担体1重量部に
対し0.01〜4.0重量部である。
【0024】また、水不溶性担体への抗体または抗原の
担持前または担持と同時に、担体を含む水性液に、水溶
性高分子を含む水性液を添加することによって本発明に
よる免疫測定用試薬を製造される方法では、感作ラテッ
クス粒子などの水不溶性担体を任意の濃度に水性液に懸
濁し、この担体を含む水性液に、水溶性高分子を担体1
重量部に対し0.005〜0.15重量部、好ましくは
0.008〜0.10重量部、最も好ましくは0.01
〜0.05重量部の濃度で含む水性液を添加する。
【0025】この濃度が0.005重量部より少ない
と、表面の被覆によるラテックス試薬の安定性が充分で
なく、0.15重量部より多いと分散性が高すぎて測定
感度が低くなるので、水溶性高分子の濃度は担体1重量
部に対し0.005〜0.15重量部である。
【0026】本発明に適用しうる上記のような水不溶性
担体に感作する生理活性物質としては、通常の抗原また
は抗体が例示される。該抗原または抗体である物質は、
例えば蛋白質、脂質、ペプチドあるいはそれらの複合体
である。本発明は、特にそれ自身では担体に感作された
場合に反応性を獲得しにくい物質、つまり脂質やペプチ
ドなど分子量の小さいハプテンを感作した試薬について
効力を発揮する。例えば、リン脂質の混合液を抗原成分
としてラテックス粒子に感作させた抗リン脂質抗体検出
用診断薬などである。
【0027】不溶性担体に担持させる抗原の好適な例
は、リン脂質および/または脂質である。
【0028】本発明のラテックス試薬は、通常の緩衝液
に保存することができる。その成分としてはリン酸な
ど、既知のものが利用できる。また、緩衝液のpHおよ
びイオン強度は通常の生理学的な条件で使用できる。ま
た、非特異反応を抑制したり、抗原抗体反応を促進した
りする既知の物質も併用できる。
【0029】また、本発明のラテックス試薬は懸濁液状
態で長時間安定に保存しうるが、凍結乾燥状態で保存す
ることもできる。その際、凍結乾燥時の安定剤として使
用されている一般的な薬剤との併用も可能である。
【0030】ラテックス試薬の凝集度を検出する手段と
しては、目視で判定する方法、反応液の吸光度の変化を
装置により測定する方法などいずれでも利用できる。
【0031】本発明による免疫測定用試薬は、抗リン脂
質抗体測定用のキットを構成することもできる。
【0032】
【作用】糖鎖を有する水溶性高分子を水不溶性担体に導
入することにより、水不溶性担体の疎水性を局所的に高
め、抗原または抗体の疎水性相互作用による吸着量を増
大させ、同時に水不溶性担体に親水性を付与することが
できる。これにより、非特異凝集の起こりにくい診断用
材料を提供することができる。
【0033】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳しく説明
する。
【0034】実施例1 試薬および血清 (1) 10%(W/V)ポリスチレンラテックス液 ポリスチレンラテックス(積水化学社製、固型分10%
(W/V)、平均粒径0.400μm)をそのまま用い
た。
【0035】(2) 抗原液 カルジオライピンのエタノール溶液(シグマ社製、試薬
特級、5mg/ml)2mlと、フォスファチジルコリ
ン(ナカライテスク社製、試薬特級)をエタノール(ナ
カライテスク社製、試薬特級、99%)に溶解して10
mg/mlとしたもの10mlと、コレステロール(ナ
カライテスク社製、試薬特級)を同じく10mg/ml
のエタノール溶液にしたもの3mlとを合わせ、よく混
合し、抗原液とした。
【0036】(3) ブロッキング用緩衝液 100mM Na2 HPO4 (12水和物)および10
0mM Na2 HPO 4 (2水和物)を混合してpHを
7.40に調整したリン酸緩衝液(以下100mMリン
酸緩衝液と略す)に、グリコシルエチルメタクリレート
のホモポリマー(日本精化社製、平均分子量50万、Gl
ucosylethylmethacryrate :以下pGEMAと略す)を
1.0%(W/V)、アジ化ナトリウム(ナカライテス
ク社製、試薬特級)を0.1%(W/V)になるように
それぞれ溶解したものをブロッキング用緩衝液とした。
【0037】(4) ラテックス保存用緩衝液 100mMリン酸緩衝液にウシ血清アルブミン(Miles
社製、Fraction V、試薬特級、以下BSAと略す)を1
%(W/V)、アジ化ナトリウム(ナカライテスク社
製、試薬特級)を0.1%(W/V)、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム二水和物(ナカライテスク社製、
試薬特級)を10mM、塩化コリン(ナカライテスク社
製、試薬特級)を500mMになるようにそれぞれ溶解
したものをラテックス保存用緩衝液とした。
【0038】(5) 検体希釈用緩衝液 100mMリン酸緩衝液にpGEMAを1.0%(W/
V)、BSAを0.25%(W/V)、アジ化ナトリウ
ムを0.1%(W/V)になるように溶解したものを検
体希釈用緩衝液とした。
【0039】(6) 梅毒陰性血清 正常家兎より採取された血清であって、RPR−カード
テスト法(化学及び血清療法研究所社製)およびセロデ
ィアTRHAキット(富士レビオ社製)の両方により陰
性と判定されたものを用いた。
【0040】(7) 梅毒陽性血清 実験的に梅毒菌を接種し、梅毒にした家兎より採取され
た血清であって、RPR−カードテスト法(化学及び血
清療法研究所社製)およびセロディアTRHAキット
(富士レビオ社製)の両方により陽性と判定されたもの
を用いた。
【0041】試薬の調製 10%(W/V)ポリスチレンラテックス液0.1ml
を8mlのポリカーボネートチューブ中で、長さ1cm
のスターラバーとともに、マグネチックスターラー上で
攪拌させながら、抗原液0.25mlを添加した。室温
で引き続き1時間攪拌したのち、ブロッキング用緩衝液
2.0ml(ラテックス粒子1重量部に対しpGEMA
2重量部)を添加し、引き続き1.5時間、室温で攪拌
した。その後、高速冷却遠心機(日立HR26型)で、
19000×g、10℃で30分遠心洗浄を行った。得
られたラテックスのペレットにラテックス保存用緩衝液
2.0mlを添加し、よく攪拌した。さらにラテックス
保存用緩衝液3.0mlを添加し、攪拌したのち、高速
冷却遠心機で、19000×g、10℃で30分遠心洗
浄を行った。この洗浄操作を3回繰り返した。
【0042】最終的に得られたペレットにラテックス保
存用緩衝液2.0mlを添加し、超音波破砕機(アスト
ラソン社製、マイクロチップ、出力目盛3、50%サイ
クル)にて氷浴中、1分間ソニケートし、分散させた。
こののち、さらにラテックス保存用緩衝液6.0mlを
添加し、十分混合させた。こうして、固型分0.125
%(W/V)のラテックス懸濁液を調製し、4℃にて保
存した。
【0043】検体の調製 先に用意した家兎の梅毒陽性血清のうちRPR法で8倍
を示したものを、生理食塩水(0.9%NaCl水溶
液)にて、2、4、8、16倍希釈し、4、2、1、
0.5倍を示す陽性検体を調製した。また、陰性検体と
して生理食塩水および正常家兎の梅毒陰性血清をそのま
ま用いた。
【0044】自動分析装置による検体の測定 以下に、全自動生化学分析装置日立7150形(日立製
作所社製)により、検体中の抗リン脂質検体を測定する
方法を示す。
【0045】 測定モード;Original Abs パラメータ;検体量 20μl ラテックス試薬量 50μl 検体希釈用緩衝液量 350μl 測定波長 ; 570nm 測定時間;検体分注後、ただちに検体希釈用緩衝液が添
加、混合され、そののち、ラテックス試薬が添加、混合
された。ラテックス試薬の添加後80秒後から320秒
後の吸光度の変化量を求め、これを反応量とした。
【0046】検体;先に用意した梅毒陽性血清の希釈系
列および生理食塩水、梅毒陰性血清を検体としてそれぞ
れn=2で測定を行った。
【0047】実施例2 実施例1において、ブロッキング用緩衝液中のpGEM
A濃度を0.5%(W/V)にした以外は実施例1と同
様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量部
に対しpGEMAを1重量部添加した)。
【0048】実施例3 実施例1において、ブロッキング用緩衝液中のpGEM
A濃度を0.1%(W/V)にした以外は実施例1と同
様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量部
に対しpGEMAを0.2重量部添加した)。
【0049】実施例4 実施例1において、ブロッキング用緩衝液中のpGEM
A濃度を0.05%(W/V)にした以外は実施例1と
同様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量
部に対しpGEMAを0.1重量部添加した)。
【0050】比較例1 実施例1において、ブロッキング用緩衝液として、pG
EMAの代わりにBSAを1%(W/V)になるように
添加した緩衝液を用いた以外は実施例1と同様の操作を
行った(すなわち、ラテックス粒子1重量部に対しBS
Aを2重量部添加した)。
【0051】比較例2 実施例1において、ブロッキング用緩衝液中のpGEM
A濃度を0.001%(W/V)にした以外は実施例1
と同様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重
量部に対しpGEMAを0.002重量部添加した)。
【0052】比較例3 実施例1において、ブロッキング用緩衝液中のpGEM
A濃度を4.0%(W/V)にした以外は実施例1と同
様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量部
に対しpGEMAを8重量部添加した)。
【0053】測定結果1 実施例1〜4で得られた、各検体の吸収光度変化量を表
1に、および比較例1〜3で得られた、各検体の吸収光
度変化量を表1にそれぞれ示す(いずれもn=2の平均
値)。
【0054】
【表1】
【表2】 これらの表から明らかなように、実施例の試薬は比較例
のものと比較して、陽性血清では高感度を示し、陰性血
清では非特異反応が全く見られないことがわかる。
【0055】実施例5 試薬および血清 (1) 10%(W/V)ポリスチレンラテックス液 ポリスチレンラテックス(積水化学社製、固型分10%
(W/V)、平均粒径0.400μm)をそのまま用い
た。
【0056】(2) 抗原液 カルジオライピンのエタノール溶液(シグマ社製、試薬
特級、5mg/ml)2mlと、フォスファチジルコリ
ン(ナカライテスク社製、試薬特級)をエタノール(ナ
カライテスク社製、試薬特級、99%)に溶解して10
mg/mlとしたもの10mlと、コレステロール(ナ
カライテスク社製、試薬特級)を同じく10mg/ml
のエタノール溶液にしたもの3mlとを合わせ、よく混
合し、抗原液とした。
【0057】(3) ラテックス希釈用緩衝液 100mM Na2 HPO4 (12水和物)および10
0mM Na2 HPO 4 (2水和物)を混合してpHを
7.40に調整したリン酸緩衝液(以下100mMリン
酸緩衝液と略す)に、グリコシルエチルメタクリレート
のホモポリマー(日本精化社製、平均分子量50万、Gl
ucosylethylmethacryrate :以下pGEMAと略す)を
0.1%(W/V)になるように溶解したものをラテッ
クス希釈用緩衝液とした。
【0058】(4) ブロッキング用緩衝液 上記100mMリン酸緩衝液に、アジ化ナトリウム(ナ
カライテスク社製、試薬特級)を1%(W/V)になる
ように溶解したものをブロッキング用緩衝液とした。
【0059】(5) ラテックス保存用緩衝液 100mMリン酸緩衝液にウシ血清アルブミン(Miles
社製、Fraction V、試薬特級、以下BSAと略す)を1
%(W/V)、アジ化ナトリウム(ナカライテスク社
製、試薬特級)を0.1%(W/V)、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム二水和物(ナカライテスク社製、
試薬特級)を10mM、塩化コリン(ナカライテスク社
製、試薬特級)を500mMになるようにそれぞれ溶解
したものをラテックス保存用緩衝液とした。
【0060】(6) 検体希釈用緩衝液 100mMリン酸緩衝液にpGEMAを1.0%(W/
V)、BSAを0.25%(W/V)、アジ化ナトリウ
ムを0.1%(W/V)になるようにそれぞれ溶解した
ものを検体希釈用緩衝液とした。
【0061】(7) 梅毒陰性血清 正常家兎より採取された血清であって、RPR−カード
テスト法(化学及び血清療法研究所社製)およびセロデ
ィアTRHAキット(富士レビオ社製)の両方により陰
性と判定されたものを用いた。
【0062】(8) 梅毒陽性血清 実験的に梅毒菌を接種し、梅毒にした家兎より採取され
た血清であって、RPR−カードテスト法(化学及び血
清療法研究所社製)およびセロディアTRHAキット
(富士レビオ社製)の両方により陽性と判定されたもの
を用いた。
【0063】試薬の調製 10%(W/V)ポリスチレンラテックス液0.5ml
をラテックス希釈用緩衝液(0.1%(W/V)pGE
MAを含む)0.5ml(ラテックス粒子1重量部に対
しpGEMA0.01重量部)とよく混合した。得られ
た混合液から0.1mlを正確に8mlのポリカーボネ
ートチューブ中に分注し、長さ1cmのスターラバーと
ともに、マグネチックスターラー上で攪拌させながら、
抗原液0.25mlを添加した。室温で引き続き1時間
攪拌したのち、ブロッキング用緩衝液2.0mlを添加
し、引き続き1.5時間、室温で攪拌した。その後、高
速冷却遠心機(日立HR26型)で、19000×g、
10℃で30分遠心洗浄を行った。得られたラテックス
のペレットにラテックス保存用緩衝液2.0mlを添加
し、よく攪拌した。さらにラテックス保存用緩衝液3.
0mlを添加し、攪拌したのち、高速冷却遠心機で、1
9000×g、10℃で30分遠心洗浄を行った。この
洗浄操作を3回繰り返した。
【0064】最終的に得られたペレットにラテックス保
存用緩衝液2.0mlを添加し、超音波破砕機(アスト
ラソン社製、マイクロチップ、出力目盛3、50%サイ
クル)にて氷浴中、1分間ソニケートし、分散させた。
こののち、さらにラテックス保存用緩衝液6.0mlを
添加し、十分混合させた。こうして、固型分0.125
%(W/V)のラテックス懸濁液を調製し、4℃にて保
存した。
【0065】検体の調製 先に用意した家兎の梅毒陽性血清のうちRPR法で8倍
を示したものを、生理食塩水(0.9%NaCl水溶
液)にて、2、4、8、16倍希釈し、4、2、1、
0.5倍を示す陽性検体を調製した。また、陰性検体と
して生理食塩水および正常家兎の梅毒陰性血清をそのま
ま用いた。
【0066】自動分析装置による検体の測定 以下に、全自動生化学分析装置日立7150形(日立製
作所社製)により、検体中の抗リン脂質検体を測定する
方法を示す。
【0067】 測定モード;Original Abs パラメータ;検体量 20μl ラテックス試薬量 50μl 検体希釈用緩衝液量 350μl 測定波長 ; 570nm 測定時間;検体分注後、ただちに検体希釈用緩衝液が添
加、混合され、そののち、ラテックス試薬が添加、混合
された。ラテックス試薬の添加後80秒後から320秒
後の吸光度の変化量を求め、これを反応量とした。
【0068】検体;先に用意した梅毒陽性血清の希釈系
列および生理食塩水、梅毒陰性血清を検体としてそれぞ
れn=2で測定を行った。
【0069】実施例6 実施例5において、ラテックス希釈用緩衝液中のpGE
MA濃度を0.2%(W/V)にした以外は実施例5と
同様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量
部に対しpGEMAを0.02重量部添加した)。
【0070】実施例7 実施例5において、ラテックス希釈用緩衝液中のpGE
MA濃度を0.5%(W/V)にした以外は実施例5と
同様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量
部に対しpGEMAを0.05重量部添加した)。
【0071】比較例4 実施例5において、ラテックス希釈用緩衝液として、p
GEMAの代わりにBSAを1%(W/V)になるよう
に添加した緩衝液を用いた以外は実施例5と同様の操作
を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量部に対しB
SAを0.1重量部添加した)。
【0072】比較例5 実施例5において、ラテックス希釈用緩衝液中のpGE
MA濃度を0.01%(W/V)にした以外は実施例5
と同様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重
量部に対しpGEMAを0.001重量部添加した)。
【0073】比較例6 実施例5において、ラテックス希釈用緩衝液中のpGE
MA濃度を2.0%(W/V)にした以外は実施例5と
同様の操作を行った(すなわち、ラテックス粒子1重量
部に対しpGEMAを0.2重量部添加した)。
【0074】測定結果 実施例5〜7で得られた、各検体の吸収光度変化量を表
3に、および比較例4〜6で得られた、各検体の吸収光
度変化量を表4にそれぞれ示す(いずれもn=2の平均
値)。
【0075】
【表3】
【表4】 これらの表から明らかなように、実施例の試薬は比較例
のものと比較して、陽性血清では高感度を示し、陰性血
清では非特異反応が全く見られないことがわかる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、糖鎖を有する水溶性高
分子を水不溶性担体に導入することにより、水不溶性担
体の疎水性を局所的に高め、抗原または抗体の疎水性相
互作用による吸着量を増大させ、同時に水不溶性担体に
親水性を付与することができる。これにより、自然凝集
あるいは非特異凝集を発生する恐れがなく、長時間保存
しうる、高感度を示す、免疫測定用試薬を提供すること
ができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体または抗原を担持した水不溶性担体
    に、側鎖に糖類を有する水溶性高分子であるグルコシル
    エチルメタクリレートまたはガラクトシルエチルメタク
    リレートのホモポリマーが導入されてなる免疫測定用試
    薬。
  2. 【請求項2】 水不溶性担体に抗体または抗原を担持し
    た後、同担体および抗体または抗原を含む水性液に、側
    鎖に糖類を有する水溶性高分子であるグルコシルエチル
    メタクリレートまたはガラクトシルエチルメタクリレー
    トのホモポリマーを担体1重量部に対し0.01〜4重
    量部になるような濃度で含む水性液を添加することを特
    徴とする免疫測定用試薬の製造方法。
  3. 【請求項3】 水不溶性担体に抗体または抗原を担持さ
    せる際に、担持前または担持と同時に、担体を含む水性
    液に、側鎖に糖類を有する水溶性高分子であるグルコシ
    ルエチルメタクリレートまたはガラクトシルエチルメタ
    クリレートのホモポリマーを担体1重量部に対し0.0
    05〜0.15重量部になるような濃度で含む水性液を
    添加することを特徴とする免疫測定用試薬の製造方法。
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