JPH08105352A - 内燃機関の燃焼室を構成する部材及びその製造方法 - Google Patents
内燃機関の燃焼室を構成する部材及びその製造方法Info
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- JPH08105352A JPH08105352A JP6243929A JP24392994A JPH08105352A JP H08105352 A JPH08105352 A JP H08105352A JP 6243929 A JP6243929 A JP 6243929A JP 24392994 A JP24392994 A JP 24392994A JP H08105352 A JPH08105352 A JP H08105352A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
- Chemically Coating (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 デポジット付着を抑制し、燃焼室内での環境
に耐え得る燃焼室構成部材を提供する。 【構成】 表面にリチウム元素を含むセラミックス被覆
層、チタン被覆層、マグネシウム被覆層、耐アルカリ性
金属を含む被覆層、アミノ基を局所的に含む被覆層、又
は枝分かれ骨格を有するセラミックス被覆層を有する内
燃機関の燃焼室を構成する部材。
に耐え得る燃焼室構成部材を提供する。 【構成】 表面にリチウム元素を含むセラミックス被覆
層、チタン被覆層、マグネシウム被覆層、耐アルカリ性
金属を含む被覆層、アミノ基を局所的に含む被覆層、又
は枝分かれ骨格を有するセラミックス被覆層を有する内
燃機関の燃焼室を構成する部材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デポジットが付着しに
くい内燃機関の燃焼室を構成する部材、及びその製造方
法に関する。
くい内燃機関の燃焼室を構成する部材、及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃焼室は、長期間使用すると
その壁面にデポジットが付着する。このデポジットによ
りシリンダライナが磨耗し、その結果としてオイル洩れ
が生じ、オイル消費量が増加する。また、煤は燃焼室の
壁面に焼き付き、これに燃料が濡れ状態になり付着す
る。この結果、未燃焼の炭化水素や煤の排出量が多くな
る。
その壁面にデポジットが付着する。このデポジットによ
りシリンダライナが磨耗し、その結果としてオイル洩れ
が生じ、オイル消費量が増加する。また、煤は燃焼室の
壁面に焼き付き、これに燃料が濡れ状態になり付着す
る。この結果、未燃焼の炭化水素や煤の排出量が多くな
る。
【0003】このデポジットの付着の原因として、内燃
機関の燃焼室内部に燃料が付着し、不完全燃焼によりこ
の燃料が炭化することが挙げられる。従ってこの燃料の
付着を防ぐため、特定のセラミックス材料からなる被覆
層を形成することが提案された(特開平4−124443
号)。
機関の燃焼室内部に燃料が付着し、不完全燃焼によりこ
の燃料が炭化することが挙げられる。従ってこの燃料の
付着を防ぐため、特定のセラミックス材料からなる被覆
層を形成することが提案された(特開平4−124443
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の被覆層に用いら
れているセラミックス材料は炭化珪素もしくは窒化珪素
であって、通常知られているものである。このような従
来知られているセラミックス材料は単に撥水性を有する
のみであり、デポジットの堆積を抑制する点においては
不十分である。さらに、このセラミックス材料からなる
被覆層は、内燃機関の燃焼室の環境における耐性の点で
も十分ではなかった。
れているセラミックス材料は炭化珪素もしくは窒化珪素
であって、通常知られているものである。このような従
来知られているセラミックス材料は単に撥水性を有する
のみであり、デポジットの堆積を抑制する点においては
不十分である。さらに、このセラミックス材料からなる
被覆層は、内燃機関の燃焼室の環境における耐性の点で
も十分ではなかった。
【0005】従って、本発明は、デポジットの付着力を
低下させ、効果的にデポジットの堆積抑制機能を発揮す
る被覆層を具備する内燃機関の燃焼室を構成する部材を
提供することを目的とする。
低下させ、効果的にデポジットの堆積抑制機能を発揮す
る被覆層を具備する内燃機関の燃焼室を構成する部材を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、リチウム元素を含むセラミックス
被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関の燃
焼室を構成する部材、及び内燃機関の燃焼室を構成する
部材表面に金属アルコキシドを用いて酸化物ゲルを形成
し、次いでリチウムアルコキシドを塗布し、焼成するこ
とを特徴とする内燃機関の燃焼室を構成する部材の製造
方法が提供される。
めに本発明によれば、リチウム元素を含むセラミックス
被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関の燃
焼室を構成する部材、及び内燃機関の燃焼室を構成する
部材表面に金属アルコキシドを用いて酸化物ゲルを形成
し、次いでリチウムアルコキシドを塗布し、焼成するこ
とを特徴とする内燃機関の燃焼室を構成する部材の製造
方法が提供される。
【0007】また、本発明によれば、チタンより構成さ
れる被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関
の燃焼室を構成する部材、及びマグネシウムより構成さ
れる被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関
の燃焼室を構成する部材が提供される。
れる被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関
の燃焼室を構成する部材、及びマグネシウムより構成さ
れる被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関
の燃焼室を構成する部材が提供される。
【0008】また、本発明によれば、ジルコニウム、チ
タン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、又
はハフニウムから選ばれた少なくとも1種の金属のアル
コキシドと、アルコキシル基の一部がフルオロアルキル
基により置換された少なくとも1種の金属アルコキシド
から形成された被覆層を表面に具備することを特徴とす
る内燃機関の燃焼室を構成する部材が提供される。
タン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、又
はハフニウムから選ばれた少なくとも1種の金属のアル
コキシドと、アルコキシル基の一部がフルオロアルキル
基により置換された少なくとも1種の金属アルコキシド
から形成された被覆層を表面に具備することを特徴とす
る内燃機関の燃焼室を構成する部材が提供される。
【0009】また、本発明によれば、アミノ基を有する
アルコキシドと、フルオロアルキル基を有する金属アル
コキシドとを少なくとも含むアルコキシドより形成され
た被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関の
燃焼室を構成する部材が提供される。
アルコキシドと、フルオロアルキル基を有する金属アル
コキシドとを少なくとも含むアルコキシドより形成され
た被覆層を表面に具備することを特徴とする内燃機関の
燃焼室を構成する部材が提供される。
【0010】さらに、本発明によれば、アルコキシル基
の一部がフルオロアルキル基により置換されており、か
つ枝分かれした骨格構造を有する金属アルコキシドより
形成された被覆層を表面に具備することを特徴とする内
燃機関の燃焼室を構成する部材が提供される。
の一部がフルオロアルキル基により置換されており、か
つ枝分かれした骨格構造を有する金属アルコキシドより
形成された被覆層を表面に具備することを特徴とする内
燃機関の燃焼室を構成する部材が提供される。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、リチウム元素はセラ
ミックス被覆層内においてリチウムイオンとして存在し
ている。デポジットが金属部材に対して付着する場合、
水素結合によって結合する場合が多く、リチウムイオン
はこの水素結合を切断するため、金属部材にリチウム元
素を含むセラミックス被覆層を設けることにより、デポ
ジットの部材に対する付着・堆積を抑制することができ
る。
ミックス被覆層内においてリチウムイオンとして存在し
ている。デポジットが金属部材に対して付着する場合、
水素結合によって結合する場合が多く、リチウムイオン
はこの水素結合を切断するため、金属部材にリチウム元
素を含むセラミックス被覆層を設けることにより、デポ
ジットの部材に対する付着・堆積を抑制することができ
る。
【0012】請求項2記載の発明では、リチウム元素を
セラミックス被覆層の表面により多く分布させることが
でき、従ってこの方法により形成されたセラミックス被
覆層を有する部材はデポジットの付着・堆積抑制効果が
高くなる。
セラミックス被覆層の表面により多く分布させることが
でき、従ってこの方法により形成されたセラミックス被
覆層を有する部材はデポジットの付着・堆積抑制効果が
高くなる。
【0013】請求項3記載の発明では、チタンはデポジ
ットと化学結合を形成しにくく、従って金属部材上にチ
タンの連続被覆層を設けることによりデポジットは付着
してもすぐに剥がれ落ち、結果としてデポジットの付着
を抑制する。
ットと化学結合を形成しにくく、従って金属部材上にチ
タンの連続被覆層を設けることによりデポジットは付着
してもすぐに剥がれ落ち、結果としてデポジットの付着
を抑制する。
【0014】請求項4記載の発明では、マグネシウムは
デポジットと反応し、塩を形成する。この塩は付着しに
くく、従って金属部材上にマグネシウムの連続被覆層を
設けることによりデポジットは付着してもすぐに剥がれ
落ちる。
デポジットと反応し、塩を形成する。この塩は付着しに
くく、従って金属部材上にマグネシウムの連続被覆層を
設けることによりデポジットは付着してもすぐに剥がれ
落ちる。
【0015】請求項5記載の発明では、被覆層中にフル
オロアルキル置換金属アルコキシドに由来するフッ素元
素を含むため撥水性が高く、デポジットの付着を抑制す
ることができる。また、燃焼室内はオイルに由来するア
ルカリとアルカリ土類が存在しており、このアルカリと
アルカリ土類はセラミックスの骨格に損傷を与えるが、
ジルコニウム、チタン、亜鉛、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、又はハフニウムのアルコキシドの少なく
とも1種とフルオロアルキル置換金属アルコキシドを用
いて金属部材上にセラミックス被覆層を形成することに
より、アルカリが存在していても得られるセラミックス
被覆層の撥水性が低下することなく、耐アルカリ性が向
上する。
オロアルキル置換金属アルコキシドに由来するフッ素元
素を含むため撥水性が高く、デポジットの付着を抑制す
ることができる。また、燃焼室内はオイルに由来するア
ルカリとアルカリ土類が存在しており、このアルカリと
アルカリ土類はセラミックスの骨格に損傷を与えるが、
ジルコニウム、チタン、亜鉛、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、又はハフニウムのアルコキシドの少なく
とも1種とフルオロアルキル置換金属アルコキシドを用
いて金属部材上にセラミックス被覆層を形成することに
より、アルカリが存在していても得られるセラミックス
被覆層の撥水性が低下することなく、耐アルカリ性が向
上する。
【0016】請求項6記載の発明では、被覆層を構成す
るアルコキシドとして、有機物であるデポジットに対す
る親和性の低いフルオロアルキル基置換アルコキシドと
デポジットに対する親和性の高いアミノ基を有するアル
コキシドを用いている。このような構成のアルコキシド
を用いて被覆膜を形成することにより、得られた被覆膜
はデポジットに対する親和性の低い表面に、デポジット
に対する親和性の高い部分が局所的に存在し、その結
果、表面全体が親和性の低い場合よりもデポジットの付
着が抑制される。
るアルコキシドとして、有機物であるデポジットに対す
る親和性の低いフルオロアルキル基置換アルコキシドと
デポジットに対する親和性の高いアミノ基を有するアル
コキシドを用いている。このような構成のアルコキシド
を用いて被覆膜を形成することにより、得られた被覆膜
はデポジットに対する親和性の低い表面に、デポジット
に対する親和性の高い部分が局所的に存在し、その結
果、表面全体が親和性の低い場合よりもデポジットの付
着が抑制される。
【0017】請求項7記載の発明では、被覆層を構成す
るアルコキシドとして、有機物であるデポジットに対す
る親和性の低いフルオロアルキル基置換アルコキシドを
用いるが、このフルオロアルキル基置換アルコキシドと
して枝分かれ構造を有するものを用いている。このよう
なアルコキシドを用いることにより、加熱による撥水性
の低下を抑制することができ、被覆膜の耐熱性を高める
ことができる。
るアルコキシドとして、有機物であるデポジットに対す
る親和性の低いフルオロアルキル基置換アルコキシドを
用いるが、このフルオロアルキル基置換アルコキシドと
して枝分かれ構造を有するものを用いている。このよう
なアルコキシドを用いることにより、加熱による撥水性
の低下を抑制することができ、被覆膜の耐熱性を高める
ことができる。
【0018】
【課題を解決するための手段の補足説明】リチウム元素
を含むセラミックス被覆層は各種の方法を用いて形成す
ることができる。その一例としてゾル−ゲル法が例示さ
れる。ゾルゲル法とは、金属の有機もしくは無機化合物
を溶液とし、溶液中で該化合物の加水分解・重縮合反応
を進ませてゾルをゲルとして固化し、ゲルの加熱によっ
て酸化物固体を製造する方法である。本発明において
は、原料として、金属アルコキシドとリチウムアルコキ
シドを用いる。
を含むセラミックス被覆層は各種の方法を用いて形成す
ることができる。その一例としてゾル−ゲル法が例示さ
れる。ゾルゲル法とは、金属の有機もしくは無機化合物
を溶液とし、溶液中で該化合物の加水分解・重縮合反応
を進ませてゾルをゲルとして固化し、ゲルの加熱によっ
て酸化物固体を製造する方法である。本発明において
は、原料として、金属アルコキシドとリチウムアルコキ
シドを用いる。
【0019】金属アルコキシドとは、下式 M(OR)n で表されるものであり、上式中、Mは金属であり、Rは
アルキルであり、nは金属Mの酸化数である。金属Mと
しては種々のものを用いることができ、目的とする金属
酸化物に対応するものを用いる。金属の例としては、限
定するものではないが、Na、Cu、Ca、Sr、B
a、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、
P、Sb、V、Ta、W、La、Nd等を挙げることが
できる。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等を用いることができる。従って、金属アル
コキシドとしては、NaOCH3、Cu(OCH3)2 、Ca(OCH3)2 、
Sr(OCH3)2、Ba(OCH3)2 、Zn(OCH3)2 、B(OCH3)3、Al(i-
OC3H7)3、Ga(OC2H5)3、Y(OC4H9)3、Si(OC2H5)4、Ge(OC2
H5)4、Pb(OC4H9)3、PO(OCH3)3 、Sb(OC2H5)3、VO(OC
2H5)3、Ta(OC3H7)5、W(OC2H5)6 、La(OC3H7)3、Nd((OC2
H5)3 が例示される。
アルキルであり、nは金属Mの酸化数である。金属Mと
しては種々のものを用いることができ、目的とする金属
酸化物に対応するものを用いる。金属の例としては、限
定するものではないが、Na、Cu、Ca、Sr、B
a、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、
P、Sb、V、Ta、W、La、Nd等を挙げることが
できる。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等を用いることができる。従って、金属アル
コキシドとしては、NaOCH3、Cu(OCH3)2 、Ca(OCH3)2 、
Sr(OCH3)2、Ba(OCH3)2 、Zn(OCH3)2 、B(OCH3)3、Al(i-
OC3H7)3、Ga(OC2H5)3、Y(OC4H9)3、Si(OC2H5)4、Ge(OC2
H5)4、Pb(OC4H9)3、PO(OCH3)3 、Sb(OC2H5)3、VO(OC
2H5)3、Ta(OC3H7)5、W(OC2H5)6 、La(OC3H7)3、Nd((OC2
H5)3 が例示される。
【0020】リチウムアルコキシドとしては、特に制限
はなく、例えば、LiOCH3、LiOC2H5、LiOC3H7 、LiOC4H9
、等が例示される。
はなく、例えば、LiOCH3、LiOC2H5、LiOC3H7 、LiOC4H9
、等が例示される。
【0021】これらの金属アルコキシドに水(加水分解
用)、アルコール(均質溶液調製用)、酸もしくは塩基
(触媒作用)を加え、溶液を調製する。アルコールとし
ては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等が用いられる。触媒として用いられる
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、フッ酸が例示される。
塩基としては、処理後に揮発によって除去できるアンモ
ニアが用いられる。また、この溶液にゾルゲル法におい
て公知の添加剤、例えばアセチルアセトン等を加えても
よい。
用)、アルコール(均質溶液調製用)、酸もしくは塩基
(触媒作用)を加え、溶液を調製する。アルコールとし
ては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等が用いられる。触媒として用いられる
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、フッ酸が例示される。
塩基としては、処理後に揮発によって除去できるアンモ
ニアが用いられる。また、この溶液にゾルゲル法におい
て公知の添加剤、例えばアセチルアセトン等を加えても
よい。
【0022】こうして製造した金属アルコキシド溶液
を、鉄系もしくはアルミニウム合金系製の内燃機関の燃
焼室を構成する部材、すなわちピストン、シリンダヘッ
ド、吸入弁ヘッド等に塗布する。塗布法は、ディッピン
グ、スピンコート、スプレー等の公知の塗布方法を用い
ることができる。塗布膜の厚さは特に制限はなく、通常
50〜1000nmである。この塗布後、塗布膜を乾燥し、焼成
することにより、リチウム元素を含むセラミックスの被
覆膜が得られる。
を、鉄系もしくはアルミニウム合金系製の内燃機関の燃
焼室を構成する部材、すなわちピストン、シリンダヘッ
ド、吸入弁ヘッド等に塗布する。塗布法は、ディッピン
グ、スピンコート、スプレー等の公知の塗布方法を用い
ることができる。塗布膜の厚さは特に制限はなく、通常
50〜1000nmである。この塗布後、塗布膜を乾燥し、焼成
することにより、リチウム元素を含むセラミックスの被
覆膜が得られる。
【0023】上記の方法で得られたセラミックス被覆膜
内にはリチウム元素が均一に分散されているが、デポジ
ットと部材との間の水素結合を切断するリチウムイオン
の効果を高めるためには、リチウムがセラミックス被覆
層の表面により多く存在していることが好ましい。従っ
て、まず各種金属アルコキシドを用いて燃焼室を構成す
る金属部材の表面上に酸化物ゲルを形成し、次いでリチ
ウムアルコキシドの溶媒(例えばメタノール)溶液を酸
化物ゲルの上に塗布し、焼成することによりリチウムを
セラミックス被覆膜の表面に効果的に配置させることが
できる。
内にはリチウム元素が均一に分散されているが、デポジ
ットと部材との間の水素結合を切断するリチウムイオン
の効果を高めるためには、リチウムがセラミックス被覆
層の表面により多く存在していることが好ましい。従っ
て、まず各種金属アルコキシドを用いて燃焼室を構成す
る金属部材の表面上に酸化物ゲルを形成し、次いでリチ
ウムアルコキシドの溶媒(例えばメタノール)溶液を酸
化物ゲルの上に塗布し、焼成することによりリチウムを
セラミックス被覆膜の表面に効果的に配置させることが
できる。
【0024】このようなゾル−ゲル法の他にも、例えば
リチウム複合酸化物の組成を用いて、従来のセラミック
ス薄膜製造法、例えばイオンプレーティング法、スパッ
タリング法、PVD法等を用いてリチウム元素を含むセ
ラミックス被覆膜を燃焼室を構成する金属部材上に形成
してもよい。
リチウム複合酸化物の組成を用いて、従来のセラミック
ス薄膜製造法、例えばイオンプレーティング法、スパッ
タリング法、PVD法等を用いてリチウム元素を含むセ
ラミックス被覆膜を燃焼室を構成する金属部材上に形成
してもよい。
【0025】燃焼室内のデポジットはそのpKA が4〜
5程度の有機酸であり、このデポジットが燃焼室内に付
着するのはデポジットと燃焼室内面との界面における酸
塩基反応による化学結合の形成によるものと考えられて
いる。従って、表面ゼータ電位が4〜5程度であるチタ
ンを燃焼室を構成する部材の表面に被覆することにより
前記酸塩基反応を抑えることができ、結果としてデポジ
ットの付着を抑制することができる。チタンは金属とし
て部材の表面上に連続して被膜を形成しており、たとえ
その表面が例えば酸化してチタニアを形成してもすぐに
このチタニアは剥がれ、あらたなチタン金属の層が露出
し、デポジット付着抑制効果を失わない。また、たとえ
デポジットが付着しても、デポジットと共にチタンの表
面層が剥がれ、新たなチタン金属の層が露出し、デポジ
ット付着抑制効果を失わない。このように、チタン金属
の被覆層は長期間その効果を持続させることができる。
このチタンの被覆膜は、鉄系もしくはアルミニウム合金
系製の内燃機関の燃焼室を構成する部材の表面に、通常
の金属被覆法、例えばスパッタリング法によって形成さ
れる。このチタンの被覆層の厚さは特に制限はないが、
通常100nm 程度である。
5程度の有機酸であり、このデポジットが燃焼室内に付
着するのはデポジットと燃焼室内面との界面における酸
塩基反応による化学結合の形成によるものと考えられて
いる。従って、表面ゼータ電位が4〜5程度であるチタ
ンを燃焼室を構成する部材の表面に被覆することにより
前記酸塩基反応を抑えることができ、結果としてデポジ
ットの付着を抑制することができる。チタンは金属とし
て部材の表面上に連続して被膜を形成しており、たとえ
その表面が例えば酸化してチタニアを形成してもすぐに
このチタニアは剥がれ、あらたなチタン金属の層が露出
し、デポジット付着抑制効果を失わない。また、たとえ
デポジットが付着しても、デポジットと共にチタンの表
面層が剥がれ、新たなチタン金属の層が露出し、デポジ
ット付着抑制効果を失わない。このように、チタン金属
の被覆層は長期間その効果を持続させることができる。
このチタンの被覆膜は、鉄系もしくはアルミニウム合金
系製の内燃機関の燃焼室を構成する部材の表面に、通常
の金属被覆法、例えばスパッタリング法によって形成さ
れる。このチタンの被覆層の厚さは特に制限はないが、
通常100nm 程度である。
【0026】上記のように、燃焼室内のデポジットはそ
のpKA が4〜5程度の有機酸であり、従って表面ゼー
タ電位が12程度であるマグネシウムを燃焼室を構成する
部材の表面に被覆することにより、このマグネシウムは
酸性の有機酸と反応してデポジットとの界面に塩を形成
する。この塩は付着しにくく、すぐに剥がれてしまう。
このマグネシウム被覆膜もチタン被覆膜と同様の方法で
形成される。
のpKA が4〜5程度の有機酸であり、従って表面ゼー
タ電位が12程度であるマグネシウムを燃焼室を構成する
部材の表面に被覆することにより、このマグネシウムは
酸性の有機酸と反応してデポジットとの界面に塩を形成
する。この塩は付着しにくく、すぐに剥がれてしまう。
このマグネシウム被覆膜もチタン被覆膜と同様の方法で
形成される。
【0027】請求項5記載の発明における被覆膜は、上
記のリチウム元素を含むセラミックス被覆膜と同様のゾ
ル−ゲル法によって形成される。ここで用いられる金属
アルコキシドは、ジルコニウムアルコキシド、チタンア
ルコキシド、亜鉛アルコキシド、マグネシウムアルコキ
シド、カルシウムアルコキシド、バリウムアルコキシド
及びハフニウムアルコキシドを少なくとも含む金属アル
コキシドである。これらのアルキシドにおけるアルキル
基は前記と同様にメチル、エチル、プロピル等を用いる
ことができる。さらに、これらの金属アルコキシドと共
に、アルコキシル基の一部がフルオロアルキル基により
置換されたフルオロアルキル基置換金属アルコキシドを
用いる。すなわち、上記金属アルコキシドとフルオロア
ルキル基置換金属アルコキシドを混合し、アルコキシド
溶液を調製後、この溶液を内燃機関の燃焼室を構成する
部材の表面に塗布して塗膜を形成し、最後にこの塗膜を
焼成することにより被覆膜が形成される。
記のリチウム元素を含むセラミックス被覆膜と同様のゾ
ル−ゲル法によって形成される。ここで用いられる金属
アルコキシドは、ジルコニウムアルコキシド、チタンア
ルコキシド、亜鉛アルコキシド、マグネシウムアルコキ
シド、カルシウムアルコキシド、バリウムアルコキシド
及びハフニウムアルコキシドを少なくとも含む金属アル
コキシドである。これらのアルキシドにおけるアルキル
基は前記と同様にメチル、エチル、プロピル等を用いる
ことができる。さらに、これらの金属アルコキシドと共
に、アルコキシル基の一部がフルオロアルキル基により
置換されたフルオロアルキル基置換金属アルコキシドを
用いる。すなわち、上記金属アルコキシドとフルオロア
ルキル基置換金属アルコキシドを混合し、アルコキシド
溶液を調製後、この溶液を内燃機関の燃焼室を構成する
部材の表面に塗布して塗膜を形成し、最後にこの塗膜を
焼成することにより被覆膜が形成される。
【0028】上記金属アルコキシドを用いることによ
り、得られる耐アルカリ性が向上し、金属アルコキシド
の量が多いほどその効果は高い。しかしながら、金属ア
ルコキシドの量が多くなると、ある限度以上では被覆膜
の硬度が急激に低下する。それは、これらの金属アルコ
キシドにより形成されるセラミックスはネットワーク形
成能がシリカに比べて劣るためであると考えられる。従
って、上記各金属アルコキシドの好ましい組成範囲は以
下の通りである。
り、得られる耐アルカリ性が向上し、金属アルコキシド
の量が多いほどその効果は高い。しかしながら、金属ア
ルコキシドの量が多くなると、ある限度以上では被覆膜
の硬度が急激に低下する。それは、これらの金属アルコ
キシドにより形成されるセラミックスはネットワーク形
成能がシリカに比べて劣るためであると考えられる。従
って、上記各金属アルコキシドの好ましい組成範囲は以
下の通りである。
【0029】
【表1】
【0030】これらの金属アルコキシドとしては下式 Rf−Si(OR)3-n ( OM(OR)m ) n (上式中、Rfはフルオロアルキル基であり、Rは炭素
数1〜5のアルキルであり、そしてMはジルコニウム、
チタン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム又
はハフニウムのうち少なくとも1種の金属である)で表
されるものを用いることがより好ましい。この式で表さ
れる金属アルコキシドを用いることにより得られる被膜
の耐アルカリ性がさらに向上する。
数1〜5のアルキルであり、そしてMはジルコニウム、
チタン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム又
はハフニウムのうち少なくとも1種の金属である)で表
されるものを用いることがより好ましい。この式で表さ
れる金属アルコキシドを用いることにより得られる被膜
の耐アルカリ性がさらに向上する。
【0031】アミンは一般的に有機物に対し親和性が高
く容易に結合する。従ってアミノ基を有する金属アルコ
キシドを用いて被覆膜を形成すると、この被覆膜は有機
物であるデポジットに対し親和性が高く、デポジットは
被覆膜に容易に付着する。一方、フルオロアルキル基は
デポジットに対する親和性が低く、従ってこのフルオロ
アルキル基によって置換されたアルコキシドを用いて高
い撥水性を有する被覆を形成することが従来行われてき
た。本発明者は、このデポジットに対する親和性が低い
フルオロアルキル基置換アルコキシドにデポジットに対
し親和性が高いアミン基含有アルコキシドを混合して被
覆膜を形成すると、親デポジットの部分を局所的に有す
る疎デポジット被覆膜が得られ、この被覆膜が疎デポジ
ットの成分のみからなる被覆膜よりもデポジットの付着
を抑制できることを見出した。ここで用いられるアミノ
基を有するアルコキシドとしては、下式 (RO)3 Si(CH2)m NH2 で表されるアミノアルキルシランが例示される。上記式
中、Rは炭素数1〜5のアルキルであり、mは3〜5で
あることが好ましい。また、フルオロアルキル基置換ア
ルコキシドは、前記同様のものである。被覆膜の製造に
おいて、混入させるアミノ基含有アルコキシドの量は、
フルオロアルキル基置換アルコキシド70モル%に対し30
モル%であることが好ましい。
く容易に結合する。従ってアミノ基を有する金属アルコ
キシドを用いて被覆膜を形成すると、この被覆膜は有機
物であるデポジットに対し親和性が高く、デポジットは
被覆膜に容易に付着する。一方、フルオロアルキル基は
デポジットに対する親和性が低く、従ってこのフルオロ
アルキル基によって置換されたアルコキシドを用いて高
い撥水性を有する被覆を形成することが従来行われてき
た。本発明者は、このデポジットに対する親和性が低い
フルオロアルキル基置換アルコキシドにデポジットに対
し親和性が高いアミン基含有アルコキシドを混合して被
覆膜を形成すると、親デポジットの部分を局所的に有す
る疎デポジット被覆膜が得られ、この被覆膜が疎デポジ
ットの成分のみからなる被覆膜よりもデポジットの付着
を抑制できることを見出した。ここで用いられるアミノ
基を有するアルコキシドとしては、下式 (RO)3 Si(CH2)m NH2 で表されるアミノアルキルシランが例示される。上記式
中、Rは炭素数1〜5のアルキルであり、mは3〜5で
あることが好ましい。また、フルオロアルキル基置換ア
ルコキシドは、前記同様のものである。被覆膜の製造に
おいて、混入させるアミノ基含有アルコキシドの量は、
フルオロアルキル基置換アルコキシド70モル%に対し30
モル%であることが好ましい。
【0032】デポジットに対する親和性の高い物質とし
てアミノ基含有アルコキシドを用いたが、このアミノ基
以外にもデポジットに対し親和性の高い物質も使用可能
であると考えられる。そのような物質の例としては、フ
ェニル基含有アルコキシドあるいはエーテル性の酸素を
有するアルコキシドが例示される。
てアミノ基含有アルコキシドを用いたが、このアミノ基
以外にもデポジットに対し親和性の高い物質も使用可能
であると考えられる。そのような物質の例としては、フ
ェニル基含有アルコキシドあるいはエーテル性の酸素を
有するアルコキシドが例示される。
【0033】枝分かれ構造を有するアルコキシドとして
は、下式
は、下式
【化1】 で表されるフルオロアルキルシランが例示される。上式
中、Rは炭素数1〜3のアルキルであり、nは3〜10で
ある。nが3未満では、得られる被覆膜の初期接触角が
小さすぎて好ましくない。nが10を越えると、等温加熱
時の耐熱性が低下してしまう。
中、Rは炭素数1〜3のアルキルであり、nは3〜10で
ある。nが3未満では、得られる被覆膜の初期接触角が
小さすぎて好ましくない。nが10を越えると、等温加熱
時の耐熱性が低下してしまう。
【0034】
【実施例】実施例1 テトラエトキシシラン160g、エトキシリチウム50g 、エ
タノール426.5g、及びアセチルアセトン50g を1リット
ルのビーカーに入れ、20分間攪拌混合した。次いでこの
混合物に水83g 及び0.1N塩酸水溶液を加え、2時間攪拌
混合した。この混合物を密封容器に移し、25℃において
24時間放置した。こうして得られた溶液にピストンを浸
漬し、引き上げ速度30mm/minでピストンを引き上げ、ピ
ストン表面上にアルコキシドのウェット塗膜を形成し
た。次いでこの塗膜を250 ℃において1時間焼成し、厚
さ200nm のリチウムを含むセラミックスの被覆膜を形成
した。
タノール426.5g、及びアセチルアセトン50g を1リット
ルのビーカーに入れ、20分間攪拌混合した。次いでこの
混合物に水83g 及び0.1N塩酸水溶液を加え、2時間攪拌
混合した。この混合物を密封容器に移し、25℃において
24時間放置した。こうして得られた溶液にピストンを浸
漬し、引き上げ速度30mm/minでピストンを引き上げ、ピ
ストン表面上にアルコキシドのウェット塗膜を形成し
た。次いでこの塗膜を250 ℃において1時間焼成し、厚
さ200nm のリチウムを含むセラミックスの被覆膜を形成
した。
【0035】実施例2 テトラエトキシシラン160g、エタノール426.5g、及びア
セチルアセトン50g を1リットルのビーカーに入れ、20
分間攪拌混合した。次いでこの混合物に水83g及び0.1N
塩酸水溶液を加え、2時間攪拌混合した。この混合物を
密封容器に移し、25℃において24時間放置した。こうし
て得られた溶液にピストンを浸漬し、引き上げ速度30mm
/minでピストンを引き上げ、ピストン表面上に金属酸化
物ゲルのウェット塗膜を形成した。次いでこの塗膜を有
するピストンをエトキシリチウム50g 、エタノール426.
5g、アセチルアセトン50g 、水83g 、及び0.1N塩酸水溶
液からなる液体に浸漬し、引き上げ速度30mm/minで引き
上げ、酸化物ゲル上にリチウムアルコキシドのウェット
塗膜を形成した。次いで全体を250 ℃において1時間焼
成し、厚さ200nm の表面にリチウムを含むセラミックス
の被覆膜を形成した。
セチルアセトン50g を1リットルのビーカーに入れ、20
分間攪拌混合した。次いでこの混合物に水83g及び0.1N
塩酸水溶液を加え、2時間攪拌混合した。この混合物を
密封容器に移し、25℃において24時間放置した。こうし
て得られた溶液にピストンを浸漬し、引き上げ速度30mm
/minでピストンを引き上げ、ピストン表面上に金属酸化
物ゲルのウェット塗膜を形成した。次いでこの塗膜を有
するピストンをエトキシリチウム50g 、エタノール426.
5g、アセチルアセトン50g 、水83g 、及び0.1N塩酸水溶
液からなる液体に浸漬し、引き上げ速度30mm/minで引き
上げ、酸化物ゲル上にリチウムアルコキシドのウェット
塗膜を形成した。次いで全体を250 ℃において1時間焼
成し、厚さ200nm の表面にリチウムを含むセラミックス
の被覆膜を形成した。
【0036】実施例3 スパッタリング装置内にピストンをセットし、装置内を
10-3Paの真空度まで真空引きした後、LiNbO3 ター
ゲットに高周波電力500Wを印加し、20分間の成膜を行
い、ピストン頂面に厚さ約100nm のLiNbO3 膜を形
成した。
10-3Paの真空度まで真空引きした後、LiNbO3 ター
ゲットに高周波電力500Wを印加し、20分間の成膜を行
い、ピストン頂面に厚さ約100nm のLiNbO3 膜を形
成した。
【0037】実施例1〜3で得られたピストン並びに未
処理のピストンについて、トヨタ製直列4気筒ガソリン
エンジンを用いて、デポジット発生が認められる一定の
回転数及び一定の負荷において1000時間までの耐久試験
を行い、ピストン頂面の堆積物の膜厚を測定した。この
結果を図1に示す。この図より、実施例1〜3において
製造したいずれのピストンも未処理のピストンと比較し
てデポジットの堆積膜厚が著しく少ないことが明らかで
ある。特に実施例2において製造したピストンは被覆膜
表面のリチウムイオン濃度が高いためそのデポジット付
着抑制効果が高いことがわかる。
処理のピストンについて、トヨタ製直列4気筒ガソリン
エンジンを用いて、デポジット発生が認められる一定の
回転数及び一定の負荷において1000時間までの耐久試験
を行い、ピストン頂面の堆積物の膜厚を測定した。この
結果を図1に示す。この図より、実施例1〜3において
製造したいずれのピストンも未処理のピストンと比較し
てデポジットの堆積膜厚が著しく少ないことが明らかで
ある。特に実施例2において製造したピストンは被覆膜
表面のリチウムイオン濃度が高いためそのデポジット付
着抑制効果が高いことがわかる。
【0038】実施例4 スパッタリング装置内にピストンをセットし、装置内を
5×10-3Paの真空度まで真空引きした後、アルゴンを2
×10-1Paまで導入した。次いでTiターゲットに高周波
電力500Wを印加し、20分間のプレスパッタ後に20分間の
成膜を行い、ピストン頂面に厚さ約100nm のTi膜を形
成した。
5×10-3Paの真空度まで真空引きした後、アルゴンを2
×10-1Paまで導入した。次いでTiターゲットに高周波
電力500Wを印加し、20分間のプレスパッタ後に20分間の
成膜を行い、ピストン頂面に厚さ約100nm のTi膜を形
成した。
【0039】実施例5 スパッタリング装置内にピストンをセットし、装置内を
5×10-3Paの真空度まで真空引きした後、アルゴンを2
×10-1Paまで導入した。次いでMgターゲットに高周波
電力500Wを印加し、20分間のプレスパッタ後に20分間の
成膜を行い、ピストン頂面に約100nm のMg膜を形成し
た。
5×10-3Paの真空度まで真空引きした後、アルゴンを2
×10-1Paまで導入した。次いでMgターゲットに高周波
電力500Wを印加し、20分間のプレスパッタ後に20分間の
成膜を行い、ピストン頂面に約100nm のMg膜を形成し
た。
【0040】こうして製造したピストンをエンジンに組
み込んで、上記と同様にして1000時間の耐久試験を行
い、ピストン頂面の堆積物膜厚を測定した。この結果を
図2に示す。この図より明らかなように、チタンもしく
はマグネシウムの被覆層を有するピストンは未処理ピス
トンに比較してデポジットの堆積膜厚が著しく少ないこ
とが明らかである。
み込んで、上記と同様にして1000時間の耐久試験を行
い、ピストン頂面の堆積物膜厚を測定した。この結果を
図2に示す。この図より明らかなように、チタンもしく
はマグネシウムの被覆層を有するピストンは未処理ピス
トンに比較してデポジットの堆積膜厚が著しく少ないこ
とが明らかである。
【0041】実施例6 xモルのテトラエトキシシランに1モルの水、0.01モル
の塩酸、及び21モルのエタノールを加え、70℃において
1時間還流した。この溶液に、yモルのジルコニウムイ
ソプロポキシド、チタンプロポキシド、亜鉛メトキシ
ド、マグネシウムプロポキシド、カルシウムメトキシ
ド、バリウムメトキシド及びハフニウムプロポキシドを
少なくとも含む金属アルコキシド、5モルのメトキシエ
タノール、及び0.2 モルの2,4-ペンタンジオンを80℃に
おいて1時間還流したものを加え、さらに全体を80℃に
おいて1時間還流した。次いでこの溶液にzモルのフル
オロアルキルシラン及び8モルのメトキシエタノールを
加え、室温において30分間攪拌した。得られた混合物に
11モルの水及び8モルのメトキシエタノールを加え、室
温において24時間放置した。ここで、フルオロアルキル
シランのモル数zは z/(x+y+z)= 0.1 と一定であり、またx+y+z=1である。
の塩酸、及び21モルのエタノールを加え、70℃において
1時間還流した。この溶液に、yモルのジルコニウムイ
ソプロポキシド、チタンプロポキシド、亜鉛メトキシ
ド、マグネシウムプロポキシド、カルシウムメトキシ
ド、バリウムメトキシド及びハフニウムプロポキシドを
少なくとも含む金属アルコキシド、5モルのメトキシエ
タノール、及び0.2 モルの2,4-ペンタンジオンを80℃に
おいて1時間還流したものを加え、さらに全体を80℃に
おいて1時間還流した。次いでこの溶液にzモルのフル
オロアルキルシラン及び8モルのメトキシエタノールを
加え、室温において30分間攪拌した。得られた混合物に
11モルの水及び8モルのメトキシエタノールを加え、室
温において24時間放置した。ここで、フルオロアルキル
シランのモル数zは z/(x+y+z)= 0.1 と一定であり、またx+y+z=1である。
【0042】こうして得られた溶液にSUS 440C基板を浸
漬し、引き上げ速度30mm/minで引き上げ、表面にウェッ
ト塗膜を形成した。次いでこの塗膜を250 ℃において1
時間焼成し、フッ素含有セラミックス被覆膜を形成し
た。こうして製造したサンプルを0.1N水酸化ナトリウム
水溶液に20日間浸漬した後、その表面の接触角を測定し
た。図3及び4にこの接触角の測定結果と各種金属アル
コキシドのテトラエトキシシランに対する混合量との関
係を示す。この図より、金属アルコキシドの混合量の増
加によりセラミックス被覆膜の耐アルカリ性が向上する
ことが明らかである。
漬し、引き上げ速度30mm/minで引き上げ、表面にウェッ
ト塗膜を形成した。次いでこの塗膜を250 ℃において1
時間焼成し、フッ素含有セラミックス被覆膜を形成し
た。こうして製造したサンプルを0.1N水酸化ナトリウム
水溶液に20日間浸漬した後、その表面の接触角を測定し
た。図3及び4にこの接触角の測定結果と各種金属アル
コキシドのテトラエトキシシランに対する混合量との関
係を示す。この図より、金属アルコキシドの混合量の増
加によりセラミックス被覆膜の耐アルカリ性が向上する
ことが明らかである。
【0043】また、これらの被覆膜の硬度を測定し、こ
の硬度と各種金属アルコキシドのテトラエトキシシラン
に対する混合量との関係を図5及び6に示す。この図よ
り、金属アルコキシドの混合量の増加により被覆膜の硬
度が低下し、ある値を越えると急激に硬度が低下するこ
とがわかる。
の硬度と各種金属アルコキシドのテトラエトキシシラン
に対する混合量との関係を図5及び6に示す。この図よ
り、金属アルコキシドの混合量の増加により被覆膜の硬
度が低下し、ある値を越えると急激に硬度が低下するこ
とがわかる。
【0044】実施例7 30モルのエタノール、0.9 モルのテトラエトキシシラ
ン、(0.1-x) モルのフルオロアルキルシラン(CF3(CF2)7
C2H4Si(OCH3)3)、及び10モルの水を混合し、均一溶液を
製造後、この溶液にxモルのアミノアルキルシラン((C2
H5O)3SiC3H6NH2)を添加し、5時間攪拌して溶液を得
た。この溶液にピストンを浸漬し、ピストン頂面にウェ
ット塗膜を形成した。乾燥後、この塗膜を200 ℃におい
て1時間焼成し、被覆膜を形成した。
ン、(0.1-x) モルのフルオロアルキルシラン(CF3(CF2)7
C2H4Si(OCH3)3)、及び10モルの水を混合し、均一溶液を
製造後、この溶液にxモルのアミノアルキルシラン((C2
H5O)3SiC3H6NH2)を添加し、5時間攪拌して溶液を得
た。この溶液にピストンを浸漬し、ピストン頂面にウェ
ット塗膜を形成した。乾燥後、この塗膜を200 ℃におい
て1時間焼成し、被覆膜を形成した。
【0045】こうして製造したピストンをエンジンに組
み込んで、上記と同様にして250 時間の耐久試験を行
い、ピストン頂面の堆積物膜厚を測定した。この結果を
図7に示す。デポジット堆積膜厚は頂面の部位によって
異なっており、従ってピストン頂面の23点の膜厚を測定
し、その値の最大及び最小値を図7に示す。この図より
明らかなように、フルオロアルキルシラン単味では、デ
ポジットが堆積していない部位も認められたが、約70μ
m 程度のデポジット堆積厚部分も存在していた。一方、
何も被覆していない未処理ピストンではその頂面全体に
デポジットが付着しており、その厚さは120 〜250 μm
程度であった。さらに、アミノアルキルシラン単味では
100 〜220 μm の厚さのデポジットが堆積しており、未
処理のピストンとほぼ同じであった。フルオロアルキル
シランとアミノアルキルシランの複合系では、デポジッ
ト堆積厚が少なく、この複合化による効果が認められ
る。図7より、70%フルオロアルキルシランと30%アミ
ノアルキルシランの複合系においてこの効果が顕著であ
った。
み込んで、上記と同様にして250 時間の耐久試験を行
い、ピストン頂面の堆積物膜厚を測定した。この結果を
図7に示す。デポジット堆積膜厚は頂面の部位によって
異なっており、従ってピストン頂面の23点の膜厚を測定
し、その値の最大及び最小値を図7に示す。この図より
明らかなように、フルオロアルキルシラン単味では、デ
ポジットが堆積していない部位も認められたが、約70μ
m 程度のデポジット堆積厚部分も存在していた。一方、
何も被覆していない未処理ピストンではその頂面全体に
デポジットが付着しており、その厚さは120 〜250 μm
程度であった。さらに、アミノアルキルシラン単味では
100 〜220 μm の厚さのデポジットが堆積しており、未
処理のピストンとほぼ同じであった。フルオロアルキル
シランとアミノアルキルシランの複合系では、デポジッ
ト堆積厚が少なく、この複合化による効果が認められ
る。図7より、70%フルオロアルキルシランと30%アミ
ノアルキルシランの複合系においてこの効果が顕著であ
った。
【0046】実施例8 29モルのエタノール、0.9 モルのテトラエトキシシラ
ン、0.1 モルのフルオロアルキルシラン(CF3(CF2)7C2H4
Si(OCH3)3)、9モルの水、及び0.01モルの塩酸を混合
し、溶液Aを得た。また、フルオロアルキルシランとし
てCF3(CF2)7CH(C2H5)CH2Si(OCH3)3 を用い同様にして溶
液Bを得た。これらの溶液を常温で1日攪拌し、処理液
A及びBを得た。
ン、0.1 モルのフルオロアルキルシラン(CF3(CF2)7C2H4
Si(OCH3)3)、9モルの水、及び0.01モルの塩酸を混合
し、溶液Aを得た。また、フルオロアルキルシランとし
てCF3(CF2)7CH(C2H5)CH2Si(OCH3)3 を用い同様にして溶
液Bを得た。これらの溶液を常温で1日攪拌し、処理液
A及びBを得た。
【0047】これらの処理液に脱脂処理した石英ガラス
を浸漬し、60mm/minの引き上げ速度で引き上げ、ウェッ
ト塗膜を形成し、乾燥後、200 ℃において1時間焼成
し、被覆膜を形成した。各被覆膜について接触角を測定
したところ、それぞれ約110 °であった。これらの被覆
膜を有する石英ガラスを350 ℃の炉内に入れ、等温加熱
を行い、接触角の変化を調べた。この結果を図8に示
す。各処理液中のフルオロアルキルシランの含有量は同
じであるが、枝分かれ構造を有していないフルオロアル
キルシラン(CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3)を用いた処理液A
により形成した被覆膜Aと枝分かれ構造を有するフルオ
ロアルキルシラン(CF3(CF2)7CH(C2H5)CH2Si(OCH3)3) を
用いた処理液Bにより形成した被覆膜Bでは、350 ℃で
の等温加熱により接触角の低下に差がみられ、被覆膜B
の方が被覆膜Aに比較してその低下が小さく、耐熱性が
良好であった。
を浸漬し、60mm/minの引き上げ速度で引き上げ、ウェッ
ト塗膜を形成し、乾燥後、200 ℃において1時間焼成
し、被覆膜を形成した。各被覆膜について接触角を測定
したところ、それぞれ約110 °であった。これらの被覆
膜を有する石英ガラスを350 ℃の炉内に入れ、等温加熱
を行い、接触角の変化を調べた。この結果を図8に示
す。各処理液中のフルオロアルキルシランの含有量は同
じであるが、枝分かれ構造を有していないフルオロアル
キルシラン(CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3)を用いた処理液A
により形成した被覆膜Aと枝分かれ構造を有するフルオ
ロアルキルシラン(CF3(CF2)7CH(C2H5)CH2Si(OCH3)3) を
用いた処理液Bにより形成した被覆膜Bでは、350 ℃で
の等温加熱により接触角の低下に差がみられ、被覆膜B
の方が被覆膜Aに比較してその低下が小さく、耐熱性が
良好であった。
【0048】
【発明の効果】本発明における内燃機関の燃焼室を構成
する部材は、その表面に新規な被覆層を具備しており、
その結果デポジットの堆積を抑制する効果が高く、かつ
燃焼室の環境にも十分耐える特性を有している。
する部材は、その表面に新規な被覆層を具備しており、
その結果デポジットの堆積を抑制する効果が高く、かつ
燃焼室の環境にも十分耐える特性を有している。
【図1】実施例1〜3において製造した被覆層を有する
ピストンの耐久試験におけるデポジット堆積量を示すグ
ラフである。
ピストンの耐久試験におけるデポジット堆積量を示すグ
ラフである。
【図2】実施例4及び5において製造した被覆層を有す
るピストンの耐久試験におけるデポジット堆積量を示す
グラフである。
るピストンの耐久試験におけるデポジット堆積量を示す
グラフである。
【図3】実施例6において製造した被覆膜の耐アルカリ
性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
【図4】実施例6において製造した被覆膜の耐アルカリ
性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
【図5】実施例6において製造した被覆膜の硬度を示す
グラフである。
グラフである。
【図6】実施例6において製造した被覆膜の硬度を示す
グラフである。
グラフである。
【図7】実施例7において製造した被覆膜を有するピス
トンの耐久試験におけるデポジット堆積量を示すグラフ
である。
トンの耐久試験におけるデポジット堆積量を示すグラフ
である。
【図8】実施例8において製造した被覆膜の耐熱性を示
すグラフである。
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横石 章司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 リチウム元素を含むセラミックス被覆層
を表面に具備することを特徴とする、内燃機関の燃焼室
を構成する部材。 - 【請求項2】 内燃機関の燃焼室を構成する部材表面に
金属アルコキシドを用いて酸化物ゲルを形成し、次いで
リチウムアルコキシドを塗布し、焼成することを特徴と
する、請求項1記載の内燃機関の燃焼室を構成する部材
の製造方法。 - 【請求項3】 チタンより構成される被覆層を表面に具
備することを特徴とする、内燃機関の燃焼室を構成する
部材。 - 【請求項4】 マグネシウムより構成される被覆層を表
面に具備することを特徴とする、内燃機関の燃焼室を構
成する部材。 - 【請求項5】 ジルコニウム、チタン、亜鉛、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム、又はハフニウムから選ば
れた少なくとも1種の金属のアルコキシドと、アルコキ
シル基の一部がフルオロアルキル基により置換された少
なくとも1種の金属アルコキシドから形成された被覆層
を表面に具備することを特徴とする、内燃機関の燃焼室
を構成する部材。 - 【請求項6】 アミノ基を有するアルコキシドと、フル
オロアルキル基を有する金属アルコキシドとを少なくと
も含むアルコキシドより形成された被覆層を表面に具備
することを特徴とする、内燃機関の燃焼室を構成する部
材。 - 【請求項7】 アルコキシル基の一部がフルオロアルキ
ル基により置換されており、かつ枝分かれした骨格構造
を有する金属アルコキシドより形成された被覆層を表面
に具備することを特徴とする、内燃機関の燃焼室を構成
する部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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1994
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