JP2004084499A - ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル及び燃料用タンク - Google Patents
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Abstract
【課題】付着物が少なく目詰まりしにくいディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル、及び燃料給油時に蒸発する燃料の量を低減することが可能な燃料タンクを提供する。
【解決手段】ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの表面、又は燃料タンク内表面に、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜をコーティングする。
【選択図】 なし
【解決手段】ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの表面、又は燃料タンク内表面に、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜をコーティングする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥油性を有するコーティング材料、並びにその材料をコーティングしたディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル又は燃料用タンクであって、使用によるノズルへの付着物を低減することが可能なディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル、及び燃料給油時に蒸発する燃料の量を低減することが可能な燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンにおいては、燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴射ノズルが使用されている。この燃料噴射ノズルの表面に、燃料の燃焼時に発生する不完全燃焼物が付着すると、燃料噴射口が目詰まりを起こし、適正な燃料噴射が行えなくなる可能性がある。このような燃料噴射ノズルの表面への、不完全燃焼物の付着を防止する方法として、燃料噴射ノズルの表面にフッ素樹脂を塗布して膜を形成させる方法がある。例えば、直接の目的は本発明と若干異なるが、実開昭59−84274号公報には、ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルのノズルボディー及びノズルニードルの内表面にフッ素樹脂を塗布して膜を形成することによって、燃料の良好な流れを得る方法が開示されている。しかしながら、このようなフッ素樹脂を燃料噴射ノズルの表面に塗布して、燃料燃焼時の不完全燃焼物の付着を防止する方法は、ディーゼルエンジンの燃焼室温度が高く、その温度におけるフッ素樹脂の耐熱性が不充分であることから、実際に適用することは困難である。
【0003】
一方、フルオロアルキル基を有するアルキルトリアルコキシシランを加水分解・縮合する、いわゆるゾルゲル法によって作成した膜材料(以下、「FAS膜」という。)は、上記フッ素樹脂よりも高い耐熱性を有する。FAS膜の応用として、例えば、特開平10−259038号公報において、ガラス表面に形成したシリカ層の上にFAS膜を形成して、撥水性を付与する方法が開示されている。しかし、ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル表面へFAS膜をコーティングし、FAS膜の撥油性及び耐熱性を利用して、燃料噴射ノズルへの不完全燃焼物の付着を防止することはこれまで行われていない。
【0004】
また、自動車用ガソリンタンクにおいては、ガソリン給油時に給油口を開放したとき、ガソリンタンク内で発生したガソリン蒸気が大気中に拡散しやすい。上記FAS膜を自動車用ガソリンタンク内面にコーティングすることにより、FAS膜の有する撥油性により、ガソリン蒸気がガソリンタンク壁面で油滴になりやすく、さらに油滴が垂れてガソリン中に戻りやすくなることで、ガソリンが大気へ揮散することを低減できると考えられるが、これまでそのような目的での検討はなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、ディーゼルエンジンに使用した場合に、その付着物が少なく目詰まりしにくいディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル、及び燃料給油時に蒸発する燃料の量を低減することが可能な燃料タンクを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルは、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜が、ノズル表面にコーティングされていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の燃料用タンクは、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜が、タンク内表面にコーティングされていることを特徴とする。ここで「ノズル表面」とは、このディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルのうち、ディーゼルエンジン燃焼室内に露出した部分、及び燃料が通過する面をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜は、撥油性を有し、この膜を、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの表面にコーティングすることによって、その燃料噴射ノズル表面に不完全燃焼物が付着することが防止でき、燃料噴射ノズルの目詰まり等を防止できることを見出し完成したものである。
【0009】
また、本発明は、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜を、燃料用タンクの内表面にコーティングすることによって、燃料の蒸発・揮散による損失を少なくできることを見出し完成したものである。
【0010】
本発明の、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの表面又は燃料用タンクの内表面にコーティングする膜は、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3で表される化合物(以下、「FAS」という。)から選ばれる1種以上を加水分解及び縮合反応によって架橋することにより形成される膜が好ましい。上記化学式で表されるアルコキシシラン化合物が加水分解及び縮合し、シロキサン結合による架橋反応をすることは良く知られている。
【0011】
上記化学式中、Rは炭素数6以下の有機基を表す。Rは具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、オクチル、イソオクチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びフェニルから選ばれる基であることが好ましく、メチル又はエチルであることが特に好ましい。さらに1分子中に含まれる3つのOR基は、全て同じでも、同じでなくてもよい。前記の化学式中、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。好ましい具体的な化合物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3)、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3)、パーフルオロエチルトリメトキシシラン、パーフルオロエチルトリエトキシシラン、パーフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロブチルトリメトキシシラン、パーフルオロブチルエトキシシラン、パーフルオロヘキシルトリメトキシシラン、及びパーフルオロヘキシルトリエトキシシランが例示でき、特に好ましいのは、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、及び3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランである。
【0012】
本発明のコーティング膜は、上述したFASの加水分解・縮合による架橋反応によって形成することができるだけでなく、1種以上の上記FASとともに、M(OR)xで表される1種以上の金属化合物を加水分解及び縮合による架橋反応をさせてコーティング膜を形成させることができる。
【0013】
本発明で用いる、M(OR)xで表される金属化合物は、金属アルコキシドとして知られる化合物である。式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、MはSi及びTiから選ばれる1種以上であることが特に好ましい。また、式中Rは、炭素数8以下の有機基を表す。また、式中xは金属によって定まる4以下の整数を表す。具体的には、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、及び2−エチルヘキシルから選ばれる基であることが好ましい。具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、及びチタンテトライソプロポキシド等のテトラアルコキシチタン化合物から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。さらに、上記金属アルコキシド化合物に代え、又は上記金属アルコキシド化合物とともに、これらの金属アルコキシド化合物をあらかじめ加水分解及び部分的に縮合させた金属アルコキシドゾルを、コーティング膜を形成させるための原料として用いることができる。これらの金属化合物を添加することにより、得られるコーティング膜の撥油性を向上させることができる。
【0014】
FASと金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドゾルとを混合して用いる場合、その混合比は最終的にディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面又は燃料用タンク内表面に形成されるコーティング膜のフッ素含有量が、20質量%以上になるようにすることが好ましい。例えば、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランのみを加水分解及び縮合して得られるコーティング膜の場合は、フッ素含有量が約33質量%である。
【0015】
本発明のコーティング膜を形成させるためには、上記FAS、又は上記FAS、並びに金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドゾルを含む原料液を調製し、この原料液をコーティング膜を形成させようとするディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面又は燃料用タンク内表面にコーティングし、原料化合物の加水分解・縮合による架橋反応を進めてコーティング膜を形成させる。
【0016】
コーティング膜を形成させるための原料液には、アルコール等の有機溶媒、水、酸及びアルカリを含む加水分解及び縮合による架橋反応を促進させる触媒やpH調整剤等の、いわゆる金属酸化物の合成におけるゾルゲル法として知られる方法で用いることができる添加剤を含有させることができる。
【0017】
本発明のコーティング膜の原料溶液をディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面又は燃料用タンク内表面にコーティングしてから、加熱し、原料の加水分解及び縮合による架橋反応を起こさせてコーティング膜を形成する。但し、コーティング作業の便宜から、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面については、燃焼室内に露出する部分及び燃料が通過する面以外にもコーティング膜が形成されていても良い。
【0018】
原料液を燃料用タンク内表面等にコーティングする方法としては、スプレー法、ディップ法、スピンコーティング等の公知の方法を使用することができる。原料液をコーティングした後の加水分解及び縮合反応による膜形成反応は、300〜500℃で行うことが好ましく、特に300〜400℃で行うことが好ましい。
【0019】
また、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル細孔内にコーティングする場合は、特開平9−217670号公報記載のディッピング法を用いることもできる。
【0020】
このようにして形成した本発明のコーティング膜は撥油性、耐熱性に優れ、コーティング膜表面への付着物の堆積はきわめて少ない。
【0021】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明する。
【0022】
【実施例】
[3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランを用いて形成したコーティング膜の撥油性評価]
【0023】
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水が、それぞれモル比で5:10:0.1(HClとして):20になるように混合した液を、SCM420の基板上に、コーティングし、大気中、300℃〜400℃で、1時間焼成し、コーティング膜を形成させた。形成されたコーティング膜の厚さは、約2μmであった。このコーティング膜上にエンジンオイル(5W−30)を20μl滴下し、30分後にエンジンオイルの広がり方を観察したところ、コーティング膜を300℃で焼成した場合は、半径6mm、400℃で焼成した場合は、半径8mmの円状に広がった。
【0024】
これに対して、表面にコーティング膜を形成させていないSCM420基板上では、エンジンオイルは、半径30mmの円状に広がった。
【0025】
[3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、及びテトライソプロポキシチタンを用いて形成したコーティング膜の撥油性評価]
【0026】
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:テトライソプロポキシチタン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水が、それぞれモル比で5:10:1:0.1(HClとして):20になるように混合した液を、SCM420の基板上に、コーティングし、大気中、300℃〜400℃で、1時間焼成し、コーティング膜を形成させた。コーティング膜の厚さは、約2μmであった。このコーティング膜上にエンジンオイル(5W−30)を20μl滴下し、30分後にエンジンオイルの広がり方を観察したところ、300℃で焼成した場合は、半径4mm、400℃で焼成した場合は、半径6mmの円状に広がった。
【0027】
[ディーゼル噴射ノズル実施例]
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水を、モル比で5:10:0.1(HClとして):20となるように混合し、ディッピング法により、その混合液をディーゼル噴射ノズル表面にコーティングした。さらに300℃で焼成して、ゾルゲル法により5μmの厚みのコーティング膜をディーゼル噴射ノズル表面に形成させた。
【0028】
このディーゼル噴射ノズルを使用したディーゼルエンジンで、100時間の軽油燃焼実験を行った後、ディーゼル噴射ノズル表面の付着物の厚さを測定した。ディーゼルエンジン噴射ノズルの表面への付着物の厚さは1μm以下であった。
【0029】
[ディーゼル噴射ノズル比較例]
上記実施例において、表面にコーティング膜を形成させていないディーゼル噴射ノズルを使用したディーゼルエンジンで、100時間の軽油燃焼試験を行った後、ディーゼル噴射ノズル表面の付着物の厚さを測定した。付着物の厚さは約10μmであった。
【0030】
[ガソリンタンク実施例]
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水を、モル比で5:10:0.1(HClとして):20となるように混合し、その混合液をスプレーして容量45Lのガソリンタンク内表面にコーティングした。さらに150℃で焼成して、ゾルゲル法により約1μmの厚みのコーティング膜をガソリンタンク内表面に形成させた。
【0031】
このガソリンタンクにガソリンを30L入れ、60℃、1時間加熱してから、さらに60分間ガソリンタンクの蓋を開放した。その結果、約0.005質量%のガソリンが蒸発していた。
【0032】
[ガソリンタンク比較例]
上記実施例において、表面にコーティング膜を形成させていないガソリンタンクを使用し、このガソリンタンクにガソリンを30L入れ、60℃、1時間加熱してから、さらに60分間ガソリンタンクの蓋を開放した。その結果、約0.1質量%のガソリンが蒸発していた。
【0033】
【発明の効果】
本発明の撥油性を有する材料を表面にコーティングしたディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルは、ディーゼルエンジン運転時の燃料噴射ノズルへの付着物の量を低減することができ、目詰まりしにくい。また、本発明の撥油性を有する材料を内表面にコーティングした燃料用タンクは、給油時等にタンクを開放したときの燃料の蒸発及び揮散によるロスが少ない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥油性を有するコーティング材料、並びにその材料をコーティングしたディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル又は燃料用タンクであって、使用によるノズルへの付着物を低減することが可能なディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル、及び燃料給油時に蒸発する燃料の量を低減することが可能な燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンにおいては、燃焼室内に燃料を噴射するための燃料噴射ノズルが使用されている。この燃料噴射ノズルの表面に、燃料の燃焼時に発生する不完全燃焼物が付着すると、燃料噴射口が目詰まりを起こし、適正な燃料噴射が行えなくなる可能性がある。このような燃料噴射ノズルの表面への、不完全燃焼物の付着を防止する方法として、燃料噴射ノズルの表面にフッ素樹脂を塗布して膜を形成させる方法がある。例えば、直接の目的は本発明と若干異なるが、実開昭59−84274号公報には、ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルのノズルボディー及びノズルニードルの内表面にフッ素樹脂を塗布して膜を形成することによって、燃料の良好な流れを得る方法が開示されている。しかしながら、このようなフッ素樹脂を燃料噴射ノズルの表面に塗布して、燃料燃焼時の不完全燃焼物の付着を防止する方法は、ディーゼルエンジンの燃焼室温度が高く、その温度におけるフッ素樹脂の耐熱性が不充分であることから、実際に適用することは困難である。
【0003】
一方、フルオロアルキル基を有するアルキルトリアルコキシシランを加水分解・縮合する、いわゆるゾルゲル法によって作成した膜材料(以下、「FAS膜」という。)は、上記フッ素樹脂よりも高い耐熱性を有する。FAS膜の応用として、例えば、特開平10−259038号公報において、ガラス表面に形成したシリカ層の上にFAS膜を形成して、撥水性を付与する方法が開示されている。しかし、ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル表面へFAS膜をコーティングし、FAS膜の撥油性及び耐熱性を利用して、燃料噴射ノズルへの不完全燃焼物の付着を防止することはこれまで行われていない。
【0004】
また、自動車用ガソリンタンクにおいては、ガソリン給油時に給油口を開放したとき、ガソリンタンク内で発生したガソリン蒸気が大気中に拡散しやすい。上記FAS膜を自動車用ガソリンタンク内面にコーティングすることにより、FAS膜の有する撥油性により、ガソリン蒸気がガソリンタンク壁面で油滴になりやすく、さらに油滴が垂れてガソリン中に戻りやすくなることで、ガソリンが大気へ揮散することを低減できると考えられるが、これまでそのような目的での検討はなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、ディーゼルエンジンに使用した場合に、その付着物が少なく目詰まりしにくいディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル、及び燃料給油時に蒸発する燃料の量を低減することが可能な燃料タンクを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルは、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜が、ノズル表面にコーティングされていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の燃料用タンクは、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜が、タンク内表面にコーティングされていることを特徴とする。ここで「ノズル表面」とは、このディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルのうち、ディーゼルエンジン燃焼室内に露出した部分、及び燃料が通過する面をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜は、撥油性を有し、この膜を、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの表面にコーティングすることによって、その燃料噴射ノズル表面に不完全燃焼物が付着することが防止でき、燃料噴射ノズルの目詰まり等を防止できることを見出し完成したものである。
【0009】
また、本発明は、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜を、燃料用タンクの内表面にコーティングすることによって、燃料の蒸発・揮散による損失を少なくできることを見出し完成したものである。
【0010】
本発明の、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルの表面又は燃料用タンクの内表面にコーティングする膜は、CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3で表される化合物(以下、「FAS」という。)から選ばれる1種以上を加水分解及び縮合反応によって架橋することにより形成される膜が好ましい。上記化学式で表されるアルコキシシラン化合物が加水分解及び縮合し、シロキサン結合による架橋反応をすることは良く知られている。
【0011】
上記化学式中、Rは炭素数6以下の有機基を表す。Rは具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、オクチル、イソオクチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びフェニルから選ばれる基であることが好ましく、メチル又はエチルであることが特に好ましい。さらに1分子中に含まれる3つのOR基は、全て同じでも、同じでなくてもよい。前記の化学式中、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。好ましい具体的な化合物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3)、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OC2H5)3)、パーフルオロエチルトリメトキシシラン、パーフルオロエチルトリエトキシシラン、パーフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロブチルトリメトキシシラン、パーフルオロブチルエトキシシラン、パーフルオロヘキシルトリメトキシシラン、及びパーフルオロヘキシルトリエトキシシランが例示でき、特に好ましいのは、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、及び3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランである。
【0012】
本発明のコーティング膜は、上述したFASの加水分解・縮合による架橋反応によって形成することができるだけでなく、1種以上の上記FASとともに、M(OR)xで表される1種以上の金属化合物を加水分解及び縮合による架橋反応をさせてコーティング膜を形成させることができる。
【0013】
本発明で用いる、M(OR)xで表される金属化合物は、金属アルコキシドとして知られる化合物である。式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、MはSi及びTiから選ばれる1種以上であることが特に好ましい。また、式中Rは、炭素数8以下の有機基を表す。また、式中xは金属によって定まる4以下の整数を表す。具体的には、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、及び2−エチルヘキシルから選ばれる基であることが好ましい。具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、及びチタンテトライソプロポキシド等のテトラアルコキシチタン化合物から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。さらに、上記金属アルコキシド化合物に代え、又は上記金属アルコキシド化合物とともに、これらの金属アルコキシド化合物をあらかじめ加水分解及び部分的に縮合させた金属アルコキシドゾルを、コーティング膜を形成させるための原料として用いることができる。これらの金属化合物を添加することにより、得られるコーティング膜の撥油性を向上させることができる。
【0014】
FASと金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドゾルとを混合して用いる場合、その混合比は最終的にディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面又は燃料用タンク内表面に形成されるコーティング膜のフッ素含有量が、20質量%以上になるようにすることが好ましい。例えば、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランのみを加水分解及び縮合して得られるコーティング膜の場合は、フッ素含有量が約33質量%である。
【0015】
本発明のコーティング膜を形成させるためには、上記FAS、又は上記FAS、並びに金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドゾルを含む原料液を調製し、この原料液をコーティング膜を形成させようとするディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面又は燃料用タンク内表面にコーティングし、原料化合物の加水分解・縮合による架橋反応を進めてコーティング膜を形成させる。
【0016】
コーティング膜を形成させるための原料液には、アルコール等の有機溶媒、水、酸及びアルカリを含む加水分解及び縮合による架橋反応を促進させる触媒やpH調整剤等の、いわゆる金属酸化物の合成におけるゾルゲル法として知られる方法で用いることができる添加剤を含有させることができる。
【0017】
本発明のコーティング膜の原料溶液をディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面又は燃料用タンク内表面にコーティングしてから、加熱し、原料の加水分解及び縮合による架橋反応を起こさせてコーティング膜を形成する。但し、コーティング作業の便宜から、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル表面については、燃焼室内に露出する部分及び燃料が通過する面以外にもコーティング膜が形成されていても良い。
【0018】
原料液を燃料用タンク内表面等にコーティングする方法としては、スプレー法、ディップ法、スピンコーティング等の公知の方法を使用することができる。原料液をコーティングした後の加水分解及び縮合反応による膜形成反応は、300〜500℃で行うことが好ましく、特に300〜400℃で行うことが好ましい。
【0019】
また、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル細孔内にコーティングする場合は、特開平9−217670号公報記載のディッピング法を用いることもできる。
【0020】
このようにして形成した本発明のコーティング膜は撥油性、耐熱性に優れ、コーティング膜表面への付着物の堆積はきわめて少ない。
【0021】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明する。
【0022】
【実施例】
[3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランを用いて形成したコーティング膜の撥油性評価]
【0023】
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水が、それぞれモル比で5:10:0.1(HClとして):20になるように混合した液を、SCM420の基板上に、コーティングし、大気中、300℃〜400℃で、1時間焼成し、コーティング膜を形成させた。形成されたコーティング膜の厚さは、約2μmであった。このコーティング膜上にエンジンオイル(5W−30)を20μl滴下し、30分後にエンジンオイルの広がり方を観察したところ、コーティング膜を300℃で焼成した場合は、半径6mm、400℃で焼成した場合は、半径8mmの円状に広がった。
【0024】
これに対して、表面にコーティング膜を形成させていないSCM420基板上では、エンジンオイルは、半径30mmの円状に広がった。
【0025】
[3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、及びテトライソプロポキシチタンを用いて形成したコーティング膜の撥油性評価]
【0026】
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:テトライソプロポキシチタン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水が、それぞれモル比で5:10:1:0.1(HClとして):20になるように混合した液を、SCM420の基板上に、コーティングし、大気中、300℃〜400℃で、1時間焼成し、コーティング膜を形成させた。コーティング膜の厚さは、約2μmであった。このコーティング膜上にエンジンオイル(5W−30)を20μl滴下し、30分後にエンジンオイルの広がり方を観察したところ、300℃で焼成した場合は、半径4mm、400℃で焼成した場合は、半径6mmの円状に広がった。
【0027】
[ディーゼル噴射ノズル実施例]
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水を、モル比で5:10:0.1(HClとして):20となるように混合し、ディッピング法により、その混合液をディーゼル噴射ノズル表面にコーティングした。さらに300℃で焼成して、ゾルゲル法により5μmの厚みのコーティング膜をディーゼル噴射ノズル表面に形成させた。
【0028】
このディーゼル噴射ノズルを使用したディーゼルエンジンで、100時間の軽油燃焼実験を行った後、ディーゼル噴射ノズル表面の付着物の厚さを測定した。ディーゼルエンジン噴射ノズルの表面への付着物の厚さは1μm以下であった。
【0029】
[ディーゼル噴射ノズル比較例]
上記実施例において、表面にコーティング膜を形成させていないディーゼル噴射ノズルを使用したディーゼルエンジンで、100時間の軽油燃焼試験を行った後、ディーゼル噴射ノズル表面の付着物の厚さを測定した。付着物の厚さは約10μmであった。
【0030】
[ガソリンタンク実施例]
エタノール:3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン:0.1mol/L塩酸:イオン交換水を、モル比で5:10:0.1(HClとして):20となるように混合し、その混合液をスプレーして容量45Lのガソリンタンク内表面にコーティングした。さらに150℃で焼成して、ゾルゲル法により約1μmの厚みのコーティング膜をガソリンタンク内表面に形成させた。
【0031】
このガソリンタンクにガソリンを30L入れ、60℃、1時間加熱してから、さらに60分間ガソリンタンクの蓋を開放した。その結果、約0.005質量%のガソリンが蒸発していた。
【0032】
[ガソリンタンク比較例]
上記実施例において、表面にコーティング膜を形成させていないガソリンタンクを使用し、このガソリンタンクにガソリンを30L入れ、60℃、1時間加熱してから、さらに60分間ガソリンタンクの蓋を開放した。その結果、約0.1質量%のガソリンが蒸発していた。
【0033】
【発明の効果】
本発明の撥油性を有する材料を表面にコーティングしたディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルは、ディーゼルエンジン運転時の燃料噴射ノズルへの付着物の量を低減することができ、目詰まりしにくい。また、本発明の撥油性を有する材料を内表面にコーティングした燃料用タンクは、給油時等にタンクを開放したときの燃料の蒸発及び揮散によるロスが少ない。
Claims (2)
- CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜が、ノズル表面にコーティングされていることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル。
- CF3(CF2)m(CH2)nSi(OR)3(式中、Rは炭素数6以下の有機基を表し、mは0〜11の整数を表し、nは0又は2〜6の整数を表す。ただし、m及びnが同時に0になることはない。)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物、あるいは前記1種以上の化合物及びM(OR)x(式中Mは、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、Bi、又はBを表し、Rは炭素数8以下の有機基を表し、xは4以下の整数を表す。)で表される1種以上の金属化合物を含む原料の加水分解及び縮合による架橋反応によって形成された膜が、タンク内表面にコーティングされていることを特徴とする燃料用タンク。
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