JPH08103248A - 卵白硬化防止法 - Google Patents
卵白硬化防止法Info
- Publication number
- JPH08103248A JPH08103248A JP6242882A JP24288294A JPH08103248A JP H08103248 A JPH08103248 A JP H08103248A JP 6242882 A JP6242882 A JP 6242882A JP 24288294 A JP24288294 A JP 24288294A JP H08103248 A JPH08103248 A JP H08103248A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- egg
- hardening
- emulsifier
- pullulan
- eggs
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸性調味料を使用した茹で卵加工食品中の卵
白の経時硬化を防止する。 【構成】 茹で卵を乳化剤およびプルランの併用処理に
付する。
白の経時硬化を防止する。 【構成】 茹で卵を乳化剤およびプルランの併用処理に
付する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殻を剥いた茹で卵を乳
化剤およびプルランの併用処理に付する茹で卵の卵白硬
化防止法に関する。このような卵白硬化防止法には、例
えば、殻を剥いた茹で卵を乳化剤およびプルランの懸濁
液で浸漬処理して得られた卵白硬化防止卵、ならびに少
なくともこのような卵白硬化防止卵および酸性調味料の
2者を原材料とする卵加工食品も含まれる。
化剤およびプルランの併用処理に付する茹で卵の卵白硬
化防止法に関する。このような卵白硬化防止法には、例
えば、殻を剥いた茹で卵を乳化剤およびプルランの懸濁
液で浸漬処理して得られた卵白硬化防止卵、ならびに少
なくともこのような卵白硬化防止卵および酸性調味料の
2者を原材料とする卵加工食品も含まれる。
【0002】
【従来の技術】殻を剥いた茹で卵を適宜のサイズに刻
み、これと、適宜、生野菜、ポテト、果物、マカロニ、
畜肉加工品、魚肉加工品およびマヨネーズ、フレンチド
レッシングなどの調味料等とを原材料として、卵フィリ
ング、卵サラダ等の卵加工食品を製造することは既に知
られている。
み、これと、適宜、生野菜、ポテト、果物、マカロニ、
畜肉加工品、魚肉加工品およびマヨネーズ、フレンチド
レッシングなどの調味料等とを原材料として、卵フィリ
ング、卵サラダ等の卵加工食品を製造することは既に知
られている。
【0003】近時、チルド流通機構の整備に従い、この
ような卵加工食品も流通にしかも30日間以上にも達す
る所謂ロングライフ(LL)チルド流通に置かれるよう
になった。
ような卵加工食品も流通にしかも30日間以上にも達す
る所謂ロングライフ(LL)チルド流通に置かれるよう
になった。
【0004】しかしながら、このような長期間の流通に
置かれる間に、上のような卵加工食品中の卵白部分が硬
化して卵加工食品の食感(品質)を損ない、延いてはそ
の商品価値を損なうという問題が浮上した。
置かれる間に、上のような卵加工食品中の卵白部分が硬
化して卵加工食品の食感(品質)を損ない、延いてはそ
の商品価値を損なうという問題が浮上した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来の技術
の背景下に、本発明は、容易にかつ有効に茹で卵の卵白
の硬化を防止する方法を開発し、提供することを目的と
する。
の背景下に、本発明は、容易にかつ有効に茹で卵の卵白
の硬化を防止する方法を開発し、提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
目的を達成すべく鋭意研究の結果、卵フィリングにおけ
る卵白の硬化の主原因はマヨネーズなどのフィリングベ
ースの低pHによる卵白タンパク質の酸変性であること
を確認し、このような卵白の硬化は、殻を剥いた茹で卵
を乳化剤およびプルランの併用処理に付することで、極
めて容易にかつ有効に防止することができることを見出
し、このような知見に基いて本発明を完成した。
目的を達成すべく鋭意研究の結果、卵フィリングにおけ
る卵白の硬化の主原因はマヨネーズなどのフィリングベ
ースの低pHによる卵白タンパク質の酸変性であること
を確認し、このような卵白の硬化は、殻を剥いた茹で卵
を乳化剤およびプルランの併用処理に付することで、極
めて容易にかつ有効に防止することができることを見出
し、このような知見に基いて本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、殻を剥いた茹で卵を
乳化剤およびプルランの併用処理に付することを特徴と
する茹で卵の卵白硬化防止法に関する。
乳化剤およびプルランの併用処理に付することを特徴と
する茹で卵の卵白硬化防止法に関する。
【0008】以下、本発明を逐次説明する。
【0009】本発明に言う卵には、ニワトリの卵は言う
までもなく、ウズラの卵やアヒルの卵などの、茹で卵の
卵白部分が酸性調味料によって硬化変性を受けてそれを
原材料とする食品の品質を損なうこととなる全ての卵が
含まれる。
までもなく、ウズラの卵やアヒルの卵などの、茹で卵の
卵白部分が酸性調味料によって硬化変性を受けてそれを
原材料とする食品の品質を損なうこととなる全ての卵が
含まれる。
【0010】乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル
などの各種エステル類が好ましいものとして挙げること
ができる。これらは、冷水不溶性乃至冷水難溶性のもの
である。冷水可溶性乃至冷水易溶性の乳化剤、例えば酵
素分解レシチンは、その効果が顕著でない。なお、本発
明の効果を奏することは乳化剤のHLB値は関係がない
ようである。
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル
などの各種エステル類が好ましいものとして挙げること
ができる。これらは、冷水不溶性乃至冷水難溶性のもの
である。冷水可溶性乃至冷水易溶性の乳化剤、例えば酵
素分解レシチンは、その効果が顕著でない。なお、本発
明の効果を奏することは乳化剤のHLB値は関係がない
ようである。
【0011】プルランは、周知の如く、オーレオバシデ
ィウム・プルランス(Aureobasidiumpullulans) の産生
する多糖類(ガム質)であって、近年各種の目的での食
品への使用が提案されて来ている。しかしながら、卵白
硬化防止の目的で乳化剤と併用することは知られていな
い。
ィウム・プルランス(Aureobasidiumpullulans) の産生
する多糖類(ガム質)であって、近年各種の目的での食
品への使用が提案されて来ている。しかしながら、卵白
硬化防止の目的で乳化剤と併用することは知られていな
い。
【0012】殻を剥いた茹で卵を乳化剤およびプルラン
の併用処理に付する態様は、多様であり得る。すなわ
ち、乳化剤およびプルランの併用により茹で卵の卵白の
硬化が防止される限りは、いずれの態様でもよく、特別
の制限はない。要するに、酸性調味料などの卵白硬化環
境において卵白を乳化剤およびプルランの同時作用下に
置き得るようにする事前処理(後記第一態様など)また
は同時作用下に置く処理(後記第三態様など)である。
の併用処理に付する態様は、多様であり得る。すなわ
ち、乳化剤およびプルランの併用により茹で卵の卵白の
硬化が防止される限りは、いずれの態様でもよく、特別
の制限はない。要するに、酸性調味料などの卵白硬化環
境において卵白を乳化剤およびプルランの同時作用下に
置き得るようにする事前処理(後記第一態様など)また
は同時作用下に置く処理(後記第三態様など)である。
【0013】多様な併用処理の態様のうちの1つ(第一
態様と称することがある)は、殻を剥いた茹で卵を乳化
剤およびプルランの懸濁液で浸漬処理する方法である。
態様と称することがある)は、殻を剥いた茹で卵を乳化
剤およびプルランの懸濁液で浸漬処理する方法である。
【0014】卵フィリング、卵サラダ等の卵加工食品に
は、先に述べたように、従来は卵は茹でてその殻を剥
き、そのまま適宜のサイズに刻んで原材料として供され
ていた。卵を茹でて殻を剥いたものを予め乳化剤および
プルランの懸濁液に浸漬処理した本発明の卵白硬化防止
卵は、これは適宜のサイズに刻んで直ちに卵加工食品の
原材料とすることのできることはもちろんのこと、その
ままの形態で流通に置くこともできる。
は、先に述べたように、従来は卵は茹でてその殻を剥
き、そのまま適宜のサイズに刻んで原材料として供され
ていた。卵を茹でて殻を剥いたものを予め乳化剤および
プルランの懸濁液に浸漬処理した本発明の卵白硬化防止
卵は、これは適宜のサイズに刻んで直ちに卵加工食品の
原材料とすることのできることはもちろんのこと、その
ままの形態で流通に置くこともできる。
【0015】このような本発明の卵白硬化防止卵は、例
えば、次のようにして製造することができる。
えば、次のようにして製造することができる。
【0016】先ず、卵を茹でるが、これには特別の制限
はなく、例えば97℃で20分間の蒸気加熱によること
ができる。殻を剥く際に殻の破片の混入を防ぐためには
固茹でが好ましいが、この場合、固茹でのためにもとも
と卵白が固めのところに、従来は酸性調味料による硬化
も加わって一層固くなっていたものが、本発明によれば
酸性調味料による硬化が防止されるのである。
はなく、例えば97℃で20分間の蒸気加熱によること
ができる。殻を剥く際に殻の破片の混入を防ぐためには
固茹でが好ましいが、この場合、固茹でのためにもとも
と卵白が固めのところに、従来は酸性調味料による硬化
も加わって一層固くなっていたものが、本発明によれば
酸性調味料による硬化が防止されるのである。
【0017】茹で卵は、殻を剥いたものをそのまま丸ご
と(原料卵)、乳化剤およびプルランの水懸濁液に浸漬
する。
と(原料卵)、乳化剤およびプルランの水懸濁液に浸漬
する。
【0018】乳化剤およびプルランの水懸濁液の濃度
は、後に説明する浸漬処理条件とも関連するが、本発明
の効果の奏される濃度であり、乳化剤については、例え
ば0.01〜5重量%とすることができ、そしてプルラ
ンについても、例えば0.01〜5重量%とすることが
できる。濃度が低過ぎると本発明の効果が奏されず、ま
た高過ぎると浸漬卵の表面が硬くなることがある。
は、後に説明する浸漬処理条件とも関連するが、本発明
の効果の奏される濃度であり、乳化剤については、例え
ば0.01〜5重量%とすることができ、そしてプルラ
ンについても、例えば0.01〜5重量%とすることが
できる。濃度が低過ぎると本発明の効果が奏されず、ま
た高過ぎると浸漬卵の表面が硬くなることがある。
【0019】浸漬温度、浸漬時間などの浸漬処理条件
は、要するに、乳化剤およびプルランの水懸濁液で浸漬
処理を経た、本発明の原料卵を使用した卵加工食品中の
卵白の硬(化)度が、このような処理を経ない原料卵を
使用した以外は全く同様にして製造した卵加工食品中の
卵白の硬(化)度よりも小さくなるような、すなわち、
本発明の効果の奏されるような条件である。このような
見地から、浸漬温度については、例えば、冷蔵5℃前後
とすることができる。温度が高いと腐敗し易くなる。浸
漬時間については、例えば、10〜50時間とすること
ができるが、腐敗のおそれがなければ50時間以上とし
ても何の問題もない。
は、要するに、乳化剤およびプルランの水懸濁液で浸漬
処理を経た、本発明の原料卵を使用した卵加工食品中の
卵白の硬(化)度が、このような処理を経ない原料卵を
使用した以外は全く同様にして製造した卵加工食品中の
卵白の硬(化)度よりも小さくなるような、すなわち、
本発明の効果の奏されるような条件である。このような
見地から、浸漬温度については、例えば、冷蔵5℃前後
とすることができる。温度が高いと腐敗し易くなる。浸
漬時間については、例えば、10〜50時間とすること
ができるが、腐敗のおそれがなければ50時間以上とし
ても何の問題もない。
【0020】因みに、浸漬処理の条件を高温・短時間と
したとき、例えば、乳化剤およびプルランの懸濁液を乳
化剤の融解温度まで加熱して乳化剤およびプルランの融
解水溶液とし、これに殻を剥いた茹で卵を同温度で約1
時間浸漬処理した場合は、上に述べた浸漬処理条件に較
べて卵白硬化防止の効果において劣っていた。
したとき、例えば、乳化剤およびプルランの懸濁液を乳
化剤の融解温度まで加熱して乳化剤およびプルランの融
解水溶液とし、これに殻を剥いた茹で卵を同温度で約1
時間浸漬処理した場合は、上に述べた浸漬処理条件に較
べて卵白硬化防止の効果において劣っていた。
【0021】このようにして得られる、乳化剤およびプ
ルランの水懸濁液で浸漬処理した卵白硬化防止卵は、必
要に応じてその表面の浸漬液を水洗などにより除いて、
先に述べたように、適宜のサイズに刻んで卵加工食品の
原材料として使用し、またはそのまま流通に置くことも
できる。
ルランの水懸濁液で浸漬処理した卵白硬化防止卵は、必
要に応じてその表面の浸漬液を水洗などにより除いて、
先に述べたように、適宜のサイズに刻んで卵加工食品の
原材料として使用し、またはそのまま流通に置くことも
できる。
【0022】乳化剤およびプルランの懸濁液で浸漬処理
した茹で卵を使用する本発明の卵加工食品の範囲には、
上のようにして得られる卵白硬化防止卵と酸性調味料の
2者を少なくとも原材料として使用したものであること
を除いては、特別の制限はない。酸性調味料が原材料と
されるのは、もちろん、本発明による卵白硬化防止効果
が酸性調味料を使用した場合に顕著に奏されるからであ
る。
した茹で卵を使用する本発明の卵加工食品の範囲には、
上のようにして得られる卵白硬化防止卵と酸性調味料の
2者を少なくとも原材料として使用したものであること
を除いては、特別の制限はない。酸性調味料が原材料と
されるのは、もちろん、本発明による卵白硬化防止効果
が酸性調味料を使用した場合に顕著に奏されるからであ
る。
【0023】このような卵加工食品には、サンドウィッ
チ用などの卵フィリングや、茹で卵をも使用したポテト
サラダ、野菜サラダ、マカロニサラダなどが含まれる
が、これはこのような卵加工食品には、マヨネーズ、フ
レンチドレッシングなどの、卵白の硬化を惹き起す酸性
調味料が使用されるからである。
チ用などの卵フィリングや、茹で卵をも使用したポテト
サラダ、野菜サラダ、マカロニサラダなどが含まれる
が、これはこのような卵加工食品には、マヨネーズ、フ
レンチドレッシングなどの、卵白の硬化を惹き起す酸性
調味料が使用されるからである。
【0024】また、このような卵加工食品の製造にも、
原料卵として本発明の卵白硬化防止卵を使用することを
除いては特別の制限はなく、全て従来の製造法に準ずる
ことができる。例えば、卵フィリングは、例えば、先に
説明した浸漬処理を行なった卵を水切りし、カッティン
グし、マヨネーズベースと混合後パウチに充填し、殺菌
し(例えば、75℃で40分間の湯浴中加熱)、そして
冷却して製造することができる。
原料卵として本発明の卵白硬化防止卵を使用することを
除いては特別の制限はなく、全て従来の製造法に準ずる
ことができる。例えば、卵フィリングは、例えば、先に
説明した浸漬処理を行なった卵を水切りし、カッティン
グし、マヨネーズベースと混合後パウチに充填し、殺菌
し(例えば、75℃で40分間の湯浴中加熱)、そして
冷却して製造することができる。
【0025】併用処理の他の態様(第二態様と称するこ
とがある)は、先に説明した第一態様において、浸漬処
理を乳化剤抜きで、すなわち、乳化剤およびプルランの
懸濁液の代りにプルラン水溶液で行ない、そして乳化剤
は後の工程で、例えば、卵フィリングの場合は、後にカ
ッティングした卵白硬化防止卵とマヨネーズベースを混
合する工程で粉末のまま添加する方法である。
とがある)は、先に説明した第一態様において、浸漬処
理を乳化剤抜きで、すなわち、乳化剤およびプルランの
懸濁液の代りにプルラン水溶液で行ない、そして乳化剤
は後の工程で、例えば、卵フィリングの場合は、後にカ
ッティングした卵白硬化防止卵とマヨネーズベースを混
合する工程で粉末のまま添加する方法である。
【0026】詳述すると、第二態様の浸漬処理は、第一
態様の浸漬処理における浸漬液(乳化剤およびプルラン
の懸濁液)から乳化剤を除いたもの(プルランの水溶
液)を使用することを除いては全く同様に行なうことが
できる。このようにしてプルラン水溶液で浸漬処理した
茹で卵は、例えば、水切りし、カッティングし、マヨネ
ーズベースおよび乳化剤と混合し、以後は先に述べたと
同様に、パウチに充填し、殺菌し、そして冷却して卵フ
ィリングを製造することができる。
態様の浸漬処理における浸漬液(乳化剤およびプルラン
の懸濁液)から乳化剤を除いたもの(プルランの水溶
液)を使用することを除いては全く同様に行なうことが
できる。このようにしてプルラン水溶液で浸漬処理した
茹で卵は、例えば、水切りし、カッティングし、マヨネ
ーズベースおよび乳化剤と混合し、以後は先に述べたと
同様に、パウチに充填し、殺菌し、そして冷却して卵フ
ィリングを製造することができる。
【0027】乳化剤の使用量は、要するに使用効果の奏
される量であって、卵フィリングの場合は、原材料全体
に占める割合を0.01〜5重量%とすることができ
る。
される量であって、卵フィリングの場合は、原材料全体
に占める割合を0.01〜5重量%とすることができ
る。
【0028】なお、乳化剤は加熱殺菌の工程で融解し、
卵白硬化防止に資する。
卵白硬化防止に資する。
【0029】併用処理の第二態様においては、プルラン
は卵の浸漬処理に使用され、いわば間接的に卵加工食品
の原材料とされ、そして乳化剤は卵加工食品の直接の原
材料とされ、このような併用により卵加工食品中の卵白
の硬化が防止されるのである。
は卵の浸漬処理に使用され、いわば間接的に卵加工食品
の原材料とされ、そして乳化剤は卵加工食品の直接の原
材料とされ、このような併用により卵加工食品中の卵白
の硬化が防止されるのである。
【0030】併用処理の更なる態様(第三態様と称する
ことがある)は、浸漬処理を省略し、乳化剤およびプル
ランをともに卵加工食品の直接の原材料として使用する
方法である。このような態様で卵加工食品に加えられた
乳化剤およびプルランは両者相俟って卵加工食品中の卵
白の硬化を防止するのである。
ことがある)は、浸漬処理を省略し、乳化剤およびプル
ランをともに卵加工食品の直接の原材料として使用する
方法である。このような態様で卵加工食品に加えられた
乳化剤およびプルランは両者相俟って卵加工食品中の卵
白の硬化を防止するのである。
【0031】詳述すると、併用処理の第三態様による場
合、例えば、卵フィリングは、殻を剥いた茹で卵をカッ
ティングし、マヨネーズベースならびに乳化剤およびプ
ルランを混合し、以後は先に述べたと同様に、パウチに
充填し、殺菌し、そして冷却して製造することができ
る。
合、例えば、卵フィリングは、殻を剥いた茹で卵をカッ
ティングし、マヨネーズベースならびに乳化剤およびプ
ルランを混合し、以後は先に述べたと同様に、パウチに
充填し、殺菌し、そして冷却して製造することができ
る。
【0032】乳化剤およびプルランの使用量は、要する
に使用効果の奏される量であって、卵フィリングの場
合、原材料全体に占める割合は各々0.01〜5重量%
とすることができる。両者の割合は、なるべく等重量ま
たはその近辺が好ましい。両者の使用量に差があり過ぎ
ると、マヨネーズベースと混合したときに、マヨネーズ
ベースの乳化状態が破壊されることがあるからである。
に使用効果の奏される量であって、卵フィリングの場
合、原材料全体に占める割合は各々0.01〜5重量%
とすることができる。両者の割合は、なるべく等重量ま
たはその近辺が好ましい。両者の使用量に差があり過ぎ
ると、マヨネーズベースと混合したときに、マヨネーズ
ベースの乳化状態が破壊されることがあるからである。
【0033】なお、卵加工食品中の卵白の硬化は、本発
明の乳化剤およびプルランの併用処理に加えて、例えば
卵フィリングの場合は、フィリングベースのpHを例え
ばpH4からpH5とかpH6に上げることによりさら
に防止され得ることを付言する。
明の乳化剤およびプルランの併用処理に加えて、例えば
卵フィリングの場合は、フィリングベースのpHを例え
ばpH4からpH5とかpH6に上げることによりさら
に防止され得ることを付言する。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0035】実施例1(卵白硬化防止効果の検査) 97℃で20分蒸気加熱した茹で卵(ニワトリの卵)の
殻を剥いたもの1kgを、下記第1表に示す乳化剤およ
びプルランについての各0.5重量%および0.2重量
%濃度の水懸濁液(水溶液)lLに冷蔵(4℃)一晩
(約15時間)浸漬した後、水切りして浸漬処理卵を得
た。
殻を剥いたもの1kgを、下記第1表に示す乳化剤およ
びプルランについての各0.5重量%および0.2重量
%濃度の水懸濁液(水溶液)lLに冷蔵(4℃)一晩
(約15時間)浸漬した後、水切りして浸漬処理卵を得
た。
【0036】
【表1】
【0037】上のようにして得た浸漬処理卵を冷蔵した
ときの卵白硬化度の経時変化を検査した。結果を下記第
2表に示す。
ときの卵白硬化度の経時変化を検査した。結果を下記第
2表に示す。
【0038】
【表2】
【0039】第2表の結果は、熟練した官能検査員5人
に、同表に示す冷蔵日数後において、サンプルの硬度
を、柔らかい……1点;普通……3点;硬い……5点で
評価させた結果の平均点である。
に、同表に示す冷蔵日数後において、サンプルの硬度
を、柔らかい……1点;普通……3点;硬い……5点で
評価させた結果の平均点である。
【0040】同表より、乳化剤およびプルランを単独に
使用したのでは、いずれも、卵白の硬化が進行するのに
対し、両者を併用した場合は卵白の硬化が防止される、
すなわち、両者の併用処理により卵白硬化の防止される
ことが理解される。
使用したのでは、いずれも、卵白の硬化が進行するのに
対し、両者を併用した場合は卵白の硬化が防止される、
すなわち、両者の併用処理により卵白硬化の防止される
ことが理解される。
【0041】なお、グリセリン脂肪酸エステル以外の乳
化剤をプルランと併用した場合も卵白硬化防止効果が認
められたが、酵素分解レシチンとプルランの併用はその
他の併用の場合に較べて効果は劣っていた。
化剤をプルランと併用した場合も卵白硬化防止効果が認
められたが、酵素分解レシチンとプルランの併用はその
他の併用の場合に較べて効果は劣っていた。
【0042】実施例2(卵フィリング中の卵白硬化防止
効果の検査) 実施例1において、グリセリン脂肪酸エステル(乳化
剤)およびプルランの水懸濁液で浸漬処理して得られた
卵白硬化防止処理卵をカッティングし、市販のマヨネー
ズベース(pH約4)と混合後パウチに充填し、75℃
で40分間湯浴中で加熱殺菌して卵フィリングを製造し
た(本発明の試作品A)。
効果の検査) 実施例1において、グリセリン脂肪酸エステル(乳化
剤)およびプルランの水懸濁液で浸漬処理して得られた
卵白硬化防止処理卵をカッティングし、市販のマヨネー
ズベース(pH約4)と混合後パウチに充填し、75℃
で40分間湯浴中で加熱殺菌して卵フィリングを製造し
た(本発明の試作品A)。
【0043】比較のために、卵白硬化防止処理卵の代り
に卵白硬化処理をしてない茹で卵を使用した他は全く同
様にして、すなわち、従来法により卵フィリングを製造
した(現行品)。
に卵白硬化処理をしてない茹で卵を使用した他は全く同
様にして、すなわち、従来法により卵フィリングを製造
した(現行品)。
【0044】また、浸漬処理を80℃で1時間とした他
は試作品Aの作成と全く同様にして卵フィリングを試作
した(本発明の試作品B)。
は試作品Aの作成と全く同様にして卵フィリングを試作
した(本発明の試作品B)。
【0045】さらにまた、浸漬処理をグリセリン脂肪酸
エステルおよびプルランの水懸濁液で行なう代りにプル
ラン水溶液で行ない、そしてカッティングした卵にマヨ
ネーズベースを混合するときに両者の合計量に対し0.
1重量%または0.3重量%のプルランをも添加混合し
たことを除いては試作品Aの作成と全く同様にして卵フ
ィリングを2種類試作した(本発明の試作品Cおよび
D)。
エステルおよびプルランの水懸濁液で行なう代りにプル
ラン水溶液で行ない、そしてカッティングした卵にマヨ
ネーズベースを混合するときに両者の合計量に対し0.
1重量%または0.3重量%のプルランをも添加混合し
たことを除いては試作品Aの作成と全く同様にして卵フ
ィリングを2種類試作した(本発明の試作品Cおよび
D)。
【0046】上記5種類の試作卵フィリングを冷蔵し、
卵白硬化度の経時変化を2種類の方法で検査した。1つ
は、実施例1におけると同様の官能検査によるものであ
り、他は破断試験である。後者を詳述すると、測定器と
して不動工業(株)「レオメーター」を使用し、破断試
験により応力(gw)を測定した。測定条件は、次の通
りである:プランジャー:直径2mmの球形;テスト速
度:6cm/min;スリープ速度:5cm/min;
サンプル高さ:6mm;そしてレンジ:200g。
卵白硬化度の経時変化を2種類の方法で検査した。1つ
は、実施例1におけると同様の官能検査によるものであ
り、他は破断試験である。後者を詳述すると、測定器と
して不動工業(株)「レオメーター」を使用し、破断試
験により応力(gw)を測定した。測定条件は、次の通
りである:プランジャー:直径2mmの球形;テスト速
度:6cm/min;スリープ速度:5cm/min;
サンプル高さ:6mm;そしてレンジ:200g。
【0047】結果を図1および図2に示す。
【0048】両図より、本発明により卵白硬化が防止さ
れることが理解されよう。
れることが理解されよう。
【0049】
【発明の効果】本発明により、茹で卵および酸性調味料
を使用した卵加工食品中の卵白の経時硬化が容易に有効
に防止されるところとなった。
を使用した卵加工食品中の卵白の経時硬化が容易に有効
に防止されるところとなった。
【図1】実施例2における結果を示す。
【図2】実施例2における結果を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 殻を剥いた茹で卵を乳化剤およびプルラ
ンの併用処理に付することを特徴とする茹で卵の卵白硬
化防止法。 - 【請求項2】 殻を剥いた茹で卵を乳化剤およびプルラ
ンの懸濁液で浸漬処理して得られたことを特徴とする卵
白硬化防止卵。 - 【請求項3】 少なくとも請求項2記載の卵白硬化防止
卵および酸性調味料を原材料とすることを特徴とする卵
加工食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6242882A JPH08103248A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | 卵白硬化防止法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6242882A JPH08103248A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | 卵白硬化防止法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08103248A true JPH08103248A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17095640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6242882A Pending JPH08103248A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | 卵白硬化防止法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08103248A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008131911A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Q P Corp | 卵加工食品 |
JP2014042518A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-03-13 | Ueno Fine Chem Ind Ltd | ゆで卵用日持ち向上剤および日持ち向上方法 |
JP2018000099A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | キユーピー株式会社 | パスタサラダ用密封容器詰め食品 |
CN109275869A (zh) * | 2018-10-31 | 2019-01-29 | 湖北神丹健康食品有限公司 | 一种五香味咸鸡蛋黄及其制作方法 |
-
1994
- 1994-10-06 JP JP6242882A patent/JPH08103248A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008131911A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Q P Corp | 卵加工食品 |
JP4662487B2 (ja) * | 2006-11-29 | 2011-03-30 | キユーピー株式会社 | 卵加工食品 |
JP2014042518A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-03-13 | Ueno Fine Chem Ind Ltd | ゆで卵用日持ち向上剤および日持ち向上方法 |
JP2018000099A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | キユーピー株式会社 | パスタサラダ用密封容器詰め食品 |
CN109275869A (zh) * | 2018-10-31 | 2019-01-29 | 湖北神丹健康食品有限公司 | 一种五香味咸鸡蛋黄及其制作方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2001064052A1 (fr) | Procede d'impregnation d'aliments, oeufs enrichis en vitamine c et oeufs de cane fermentes ainsi obtenus | |
JP5145471B1 (ja) | 軟化食品の製造方法 | |
JP6600048B2 (ja) | 骨まで食べることができる、焼き魚の食感および外観を有する調理魚 | |
JPH0249695B2 (ja) | ||
JP2015173619A (ja) | 即席乾燥味付肉及びその製造方法 | |
JPS61108356A (ja) | 酸性化模造肉製品 | |
JP7173516B2 (ja) | 形状保持型軟化食品の製造方法 | |
JP2010166904A (ja) | 酵素処理液、軟質化方法および軟質化動物性食材 | |
JP4083779B2 (ja) | 加工固形食品の製造方法 | |
KR101395071B1 (ko) | 가공고형식품의 제조방법 | |
JPH08103248A (ja) | 卵白硬化防止法 | |
KR101934492B1 (ko) | 육류의 연화 방법 및 그 방법에 따라 제조된 연질 육류 | |
JP2006223225A (ja) | きのこ含有電子レンジ加熱調理用加工食品 | |
US4615899A (en) | Sauce containing acidified textured protein | |
JP6051140B2 (ja) | 軟質レトルト大豆の製造方法 | |
JP2014030410A (ja) | 酵素処理液、軟質化方法および軟質化動物性食材 | |
KR100413246B1 (ko) | 돈피를 이용한 다이어트용 스낵 식품 | |
JPH07327639A (ja) | 卵白硬化防止卵 | |
JPH07255429A (ja) | 卵白硬化防止卵 | |
AU774051B2 (en) | Dried seasoned meats | |
JP4420881B2 (ja) | タマゴサラダ | |
JP2008125420A (ja) | ミートスプレッドの製造方法 | |
JP2000060493A (ja) | 卵食品及びその製造方法 | |
JP2927888B2 (ja) | 超高圧処理ジャム | |
KR20030079415A (ko) | 돈피를 이용한 다이어트용 스낵 식품 |