JPH08102050A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH08102050A JPH08102050A JP23533694A JP23533694A JPH08102050A JP H08102050 A JPH08102050 A JP H08102050A JP 23533694 A JP23533694 A JP 23533694A JP 23533694 A JP23533694 A JP 23533694A JP H08102050 A JPH08102050 A JP H08102050A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 蒸着型磁気記録媒体のスチル耐久性を向上さ
せる。 【構成】 支持体上1に第一のダイヤモンドライクカー
ボン層2を設け、その上に少なくとも一層の磁性層3,
4を形成し、更に当該磁性層上に第二のダイヤモンドラ
イクカーボン層5を設ける。
せる。 【構成】 支持体上1に第一のダイヤモンドライクカー
ボン層2を設け、その上に少なくとも一層の磁性層3,
4を形成し、更に当該磁性層上に第二のダイヤモンドラ
イクカーボン層5を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着型の磁気記録
媒体、特にスチル耐久性が向上した金属蒸着型の磁気記
録媒体に関する。
媒体、特にスチル耐久性が向上した金属蒸着型の磁気記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体、例えば磁気テープには、
支持体であるフィルム上に磁性粉をバインダーに分散さ
せた磁性塗料を塗布してなる塗布型テープと、フィルム
上に真空中で金属を蒸着してなるバインダーを全く含ま
ない蒸着型テープとがある。蒸着型テープは、磁性層に
バインダーを含まないことから磁性材料の密度を高めら
れるため、高密度記録に有望であるとされている。
支持体であるフィルム上に磁性粉をバインダーに分散さ
せた磁性塗料を塗布してなる塗布型テープと、フィルム
上に真空中で金属を蒸着してなるバインダーを全く含ま
ない蒸着型テープとがある。蒸着型テープは、磁性層に
バインダーを含まないことから磁性材料の密度を高めら
れるため、高密度記録に有望であるとされている。
【0003】現在発売又は開発されている蒸着型テープ
は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミ
ド、アラミド等の支持体上に、真空蒸着法を用いて金属
を蒸着させた磁性層を有する。
は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミ
ド、アラミド等の支持体上に、真空蒸着法を用いて金属
を蒸着させた磁性層を有する。
【0004】更に、磁性層を保護し、また記録・再生用
ヘッドとの接触をスムーズにするための潤滑剤としての
働きを持たせるためにトップコート層が形成されたり、
或いは、磁性層の反対側の面にカーボンブラック (粒径
10〜100nm)をバインダー(塩ビ系、ウレタン系、硝化綿
系などを単独又は混合して用いる)中に分散させ、グラ
ビア法、リバース法又はダイ塗工方式で、乾燥後の厚さ
が 0.4〜1.0 μm になるように塗布してバックコート層
を形成することが一般に行われてきた。
ヘッドとの接触をスムーズにするための潤滑剤としての
働きを持たせるためにトップコート層が形成されたり、
或いは、磁性層の反対側の面にカーボンブラック (粒径
10〜100nm)をバインダー(塩ビ系、ウレタン系、硝化綿
系などを単独又は混合して用いる)中に分散させ、グラ
ビア法、リバース法又はダイ塗工方式で、乾燥後の厚さ
が 0.4〜1.0 μm になるように塗布してバックコート層
を形成することが一般に行われてきた。
【0005】また、耐久性を向上させる目的で、支持体
と磁性層の間に非磁性粒子を含有するいわゆる中間層を
設けることが行われている。
と磁性層の間に非磁性粒子を含有するいわゆる中間層を
設けることが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような保護層や中間層を設けても未だ耐久性、特にスチ
ル耐久性は十分でなく、更なる改良が望まれている。
ような保護層や中間層を設けても未だ耐久性、特にスチ
ル耐久性は十分でなく、更なる改良が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意研究した結果、本発明を完成する
に至った。
を達成するために鋭意研究した結果、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち本発明は、支持体上に形成された
第一のダイヤモンドライクカーボン層と、該第一のダイ
ヤモンドライクカーボン層上に形成された少なくとも一
層の磁性層と、当該磁性層上に形成された第二のダイヤ
モンドライクカーボン層とを有する磁気記録媒体を提供
するものである。
第一のダイヤモンドライクカーボン層と、該第一のダイ
ヤモンドライクカーボン層上に形成された少なくとも一
層の磁性層と、当該磁性層上に形成された第二のダイヤ
モンドライクカーボン層とを有する磁気記録媒体を提供
するものである。
【0009】本発明の磁気記録媒体は、支持体上に第一
のダイヤモンドライクカーボン層が形成され、その上に
蒸着等の方法により少なくとも一層の金属薄膜からなる
磁性層が形成され、更にその上に第二のダイヤモンドラ
イクカーボン層が形成されている。即ち、本発明の磁気
記録媒体は磁性層をダイヤモンドライクカーボン層が挟
むような状態で形成されていることを特徴とする。
のダイヤモンドライクカーボン層が形成され、その上に
蒸着等の方法により少なくとも一層の金属薄膜からなる
磁性層が形成され、更にその上に第二のダイヤモンドラ
イクカーボン層が形成されている。即ち、本発明の磁気
記録媒体は磁性層をダイヤモンドライクカーボン層が挟
むような状態で形成されていることを特徴とする。
【0010】〔磁性層〕磁性層を形成する磁性材料とし
ては、通常の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用いら
れる強磁性金属材料が挙げられ、例えばCo, Ni, Fe等の
強磁性金属、また、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−
Ni、Fe−Fh、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y 、Co−L
a、Co−Pr、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−B
i、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co
−Cr、Ni−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。磁性層
としては鉄の薄膜或いは鉄を主体とする強磁性合金の薄
膜が好ましく、特に、鉄、コバルト、ニッケルを主体と
する強磁性合金及びこれらの窒化物もしくは炭化物から
選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ては、通常の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用いら
れる強磁性金属材料が挙げられ、例えばCo, Ni, Fe等の
強磁性金属、また、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−
Ni、Fe−Fh、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y 、Co−L
a、Co−Pr、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−B
i、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co
−Cr、Ni−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。磁性層
としては鉄の薄膜或いは鉄を主体とする強磁性合金の薄
膜が好ましく、特に、鉄、コバルト、ニッケルを主体と
する強磁性合金及びこれらの窒化物もしくは炭化物から
選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0011】高密度記録のためには磁気記録媒体の磁性
層は、斜め蒸着により基材上に形成することが好まし
い。斜め蒸着の方法は特に限定されず、従来公知の方法
に準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。蒸着による磁性層は単層構造でも多層構造の何れで
も良く、特に、酸化性ガスを導入して磁性層表面に酸化
物を形成することにより、耐久性の向上を図ることがで
きる。
層は、斜め蒸着により基材上に形成することが好まし
い。斜め蒸着の方法は特に限定されず、従来公知の方法
に準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。蒸着による磁性層は単層構造でも多層構造の何れで
も良く、特に、酸化性ガスを導入して磁性層表面に酸化
物を形成することにより、耐久性の向上を図ることがで
きる。
【0012】磁性層の厚さは、二層の場合、下層の磁性
層の厚さが 100〜2000Å、上層の磁性層の厚さが50〜10
00Åが好ましく、三層の場合、下層の磁性層の厚さが10
0 〜2000Å、中間の磁性層の厚さが 100〜1000Å、上層
の磁性層の厚さが50〜1000Åが好ましい。また、磁性層
の数は高周波記録に対応するには、多い方が良いが、実
用的な範囲としては二〜五層が適当と考えられる。
層の厚さが 100〜2000Å、上層の磁性層の厚さが50〜10
00Åが好ましく、三層の場合、下層の磁性層の厚さが10
0 〜2000Å、中間の磁性層の厚さが 100〜1000Å、上層
の磁性層の厚さが50〜1000Åが好ましい。また、磁性層
の数は高周波記録に対応するには、多い方が良いが、実
用的な範囲としては二〜五層が適当と考えられる。
【0013】〔第一のダイヤモンドライクカーボン層〕
第一のダイヤモンドライクカーボン層は、支持体上に形
成される。ダイヤモンドライクカーボン層は、 ECRプラ
ズマCVD 法により形成されるのが好ましい。
第一のダイヤモンドライクカーボン層は、支持体上に形
成される。ダイヤモンドライクカーボン層は、 ECRプラ
ズマCVD 法により形成されるのが好ましい。
【0014】ECRプラズマCVD 法は、高真空中で炭素源
となるガスにマイクロ波を印加してガスをプラズマ化
し、炭素薄膜を形成する方法である。本発明では支持体
の磁性層間にダイヤモンドライクカーボン薄膜からなる
層が形成される。ダイヤモンドライクカーボン薄膜は非
晶質炭素膜であり、グラファイト結合とダイヤモンド結
合が混在する構造と考えられている。
となるガスにマイクロ波を印加してガスをプラズマ化
し、炭素薄膜を形成する方法である。本発明では支持体
の磁性層間にダイヤモンドライクカーボン薄膜からなる
層が形成される。ダイヤモンドライクカーボン薄膜は非
晶質炭素膜であり、グラファイト結合とダイヤモンド結
合が混在する構造と考えられている。
【0015】ECR プラズマCVD によりダイヤモンドライ
クカーボンを形成する場合、炭素源としてはメタン、エ
タン、プロパン、ブタン等の低級炭化水素のガスの単
独、或いはこれらとアルゴンガス或いは水素ガスを混合
した混合ガスを用いることもできる。
クカーボンを形成する場合、炭素源としてはメタン、エ
タン、プロパン、ブタン等の低級炭化水素のガスの単
独、或いはこれらとアルゴンガス或いは水素ガスを混合
した混合ガスを用いることもできる。
【0016】ECR プラズマCVD 法は炭素薄膜を形成する
公知の方法に準じて行えばよく、通常マイクロ波の波長
は2.45GHz 、出力は500W程度であり、真空度が10-1〜10
-4Torrになるように炭素源となるガスの流量を決めれば
よい。
公知の方法に準じて行えばよく、通常マイクロ波の波長
は2.45GHz 、出力は500W程度であり、真空度が10-1〜10
-4Torrになるように炭素源となるガスの流量を決めれば
よい。
【0017】本発明により形成される第一のダイヤモン
ドライクカーボン層の厚さは限定されないが、20〜200
Åが好ましい。
ドライクカーボン層の厚さは限定されないが、20〜200
Åが好ましい。
【0018】〔第二のダイヤモンドライクカーボン層〕
磁性層上に形成される第二のダイヤモンドライクカーボ
ン層も、前記の第一のダイヤモンドライクカーボン層と
同様に ECRプラズマCVD 法により形成される。また、膜
厚等も前記の通りである。
磁性層上に形成される第二のダイヤモンドライクカーボ
ン層も、前記の第一のダイヤモンドライクカーボン層と
同様に ECRプラズマCVD 法により形成される。また、膜
厚等も前記の通りである。
【0019】なお、磁性層が二層以上形成される場合、
第二のダイヤモンドライクカーボン層は、最上(即ち、
支持体から最も離れた)の磁性層上に形成される。
第二のダイヤモンドライクカーボン層は、最上(即ち、
支持体から最も離れた)の磁性層上に形成される。
【0020】〔潤滑層〕本発明の磁気記録媒体には、第
二のダイヤモンドライクカーボン層の上に潤滑剤からな
る潤滑層を形成してもよい。
二のダイヤモンドライクカーボン層の上に潤滑剤からな
る潤滑層を形成してもよい。
【0021】潤滑層は常法により適当な潤滑剤を溶剤に
溶かして大気中で塗布しても良いし、真空中で潤滑剤を
噴霧してもよい。
溶かして大気中で塗布しても良いし、真空中で潤滑剤を
噴霧してもよい。
【0022】真空中で潤滑剤を噴霧する方法では潤滑剤
は、超音波発振器を備えた噴霧器(以下、超音波噴霧器
という)により支持体上に形成された磁性層上に噴霧す
るのが好ましい。より詳細には、超音波噴霧器は、潤滑
剤の供給手段と、該供給手段から供給された潤滑剤に超
音波を印加して霧化する手段(超音波発振器)と、霧化
された潤滑剤を噴霧するノズルとからなる。また、ノズ
ルタイプの噴霧装置を用いてもよい。ノズルタイプの噴
霧装置は一般に一流体ノズルと呼ばれる装置が使用でき
る。
は、超音波発振器を備えた噴霧器(以下、超音波噴霧器
という)により支持体上に形成された磁性層上に噴霧す
るのが好ましい。より詳細には、超音波噴霧器は、潤滑
剤の供給手段と、該供給手段から供給された潤滑剤に超
音波を印加して霧化する手段(超音波発振器)と、霧化
された潤滑剤を噴霧するノズルとからなる。また、ノズ
ルタイプの噴霧装置を用いてもよい。ノズルタイプの噴
霧装置は一般に一流体ノズルと呼ばれる装置が使用でき
る。
【0023】超音波噴霧器を使用して潤滑剤を微細な粒
子として噴霧することにより、高温(200 ℃以上)に弱
く蒸気圧が低いため、従来空気中での塗布による潤滑層
の形成に用いられていたパーフルオロポリエーテル等の
弗素系潤滑剤の真空中での噴霧が可能となる。
子として噴霧することにより、高温(200 ℃以上)に弱
く蒸気圧が低いため、従来空気中での塗布による潤滑層
の形成に用いられていたパーフルオロポリエーテル等の
弗素系潤滑剤の真空中での噴霧が可能となる。
【0024】パーフルオロポリエーテルとしては、分子
量2000〜5000のものが好適であり、例えば「FOMBLIN Z
DIAC」〔カルボキシル基変性、モンテカチーニ (株)
製〕、「FOMBLIN Z DOL 」〔アルコール変性、モンテカ
チーニ (株) 製〕の商品名で市販されているものが使用
できる。これらは末端に水酸基或いはカルボキシル基を
有するため、潤滑剤と磁性層との結着を高め得るので、
本発明に特に好適に用いられる。
量2000〜5000のものが好適であり、例えば「FOMBLIN Z
DIAC」〔カルボキシル基変性、モンテカチーニ (株)
製〕、「FOMBLIN Z DOL 」〔アルコール変性、モンテカ
チーニ (株) 製〕の商品名で市販されているものが使用
できる。これらは末端に水酸基或いはカルボキシル基を
有するため、潤滑剤と磁性層との結着を高め得るので、
本発明に特に好適に用いられる。
【0025】尚、これら以外にも、ベンゼン環、二重結
合、分岐鎖等を含むフッ素系の潤滑剤、脂肪酸系の潤滑
剤、その他の潤滑剤を使用することも使用できる。しか
しながら、フッ素系潤滑剤は、脂肪酸系潤滑剤と比べ耐
久性だけでなく耐蝕性も向上させるため、本発明に特に
好適に用いられる。
合、分岐鎖等を含むフッ素系の潤滑剤、脂肪酸系の潤滑
剤、その他の潤滑剤を使用することも使用できる。しか
しながら、フッ素系潤滑剤は、脂肪酸系潤滑剤と比べ耐
久性だけでなく耐蝕性も向上させるため、本発明に特に
好適に用いられる。
【0026】また、潤滑剤の噴霧にあたっては、潤滑剤
をフッ素系不活性溶媒(例えば住友スリーエム (株) 製
「フロリナート」等のパーフルオロカーボン、モンテカ
チーニ (株) 製「ガルデン」等のパーフルオロポリエー
テル)、アルコール系溶媒等の適当な溶媒に溶解させた
0.001〜10重量%程度、特に0.02〜2.0 重量%の溶液と
して用いるのが好ましい。潤滑剤としてパーフルオロポ
リエーテルを用いる場合、溶媒としてはパーフルオロカ
ーボンが使用でき、その場合の濃度は 0.001〜1.0 重量
%程度、特に0.05〜0.2 重量%が好ましい。
をフッ素系不活性溶媒(例えば住友スリーエム (株) 製
「フロリナート」等のパーフルオロカーボン、モンテカ
チーニ (株) 製「ガルデン」等のパーフルオロポリエー
テル)、アルコール系溶媒等の適当な溶媒に溶解させた
0.001〜10重量%程度、特に0.02〜2.0 重量%の溶液と
して用いるのが好ましい。潤滑剤としてパーフルオロポ
リエーテルを用いる場合、溶媒としてはパーフルオロカ
ーボンが使用でき、その場合の濃度は 0.001〜1.0 重量
%程度、特に0.05〜0.2 重量%が好ましい。
【0027】本発明の磁気記録媒体の製造方法において
は、噴霧する潤滑剤(潤滑剤溶液)の微粒子は出来るだ
け微細であることが望ましく、潤滑剤の種類や粘度によ
って適用する超音波の周波数が決定されるが、一般的に
は 10kHz〜5MHz の範囲から選択される。
は、噴霧する潤滑剤(潤滑剤溶液)の微粒子は出来るだ
け微細であることが望ましく、潤滑剤の種類や粘度によ
って適用する超音波の周波数が決定されるが、一般的に
は 10kHz〜5MHz の範囲から選択される。
【0028】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
おいて、潤滑剤の噴霧量或いは塗布量は、磁気記録媒体
の用途や潤滑剤の種類等を考慮して適宜決定すればよい
が、形成された潤滑層の厚さは10〜200 Å程度となるよ
うに調節するのが好ましい。潤滑剤を噴霧する際の真空
度は5×10-4〜5×10 Torr 程度、好ましくは5×10-1
〜5×10-2 Torr である。
おいて、潤滑剤の噴霧量或いは塗布量は、磁気記録媒体
の用途や潤滑剤の種類等を考慮して適宜決定すればよい
が、形成された潤滑層の厚さは10〜200 Å程度となるよ
うに調節するのが好ましい。潤滑剤を噴霧する際の真空
度は5×10-4〜5×10 Torr 程度、好ましくは5×10-1
〜5×10-2 Torr である。
【0029】〔バックコート層〕本発明の磁気記録媒体
には、支持体上の磁性層が形成される面と反対の面にバ
ックコート層を形成することができる。バックコート層
は、カーボンブラック等を適当な溶剤に分散させた液を
塗布してもよいし、金属又は半金属を物理的蒸着法(PV
D) 、特に熱蒸発法、スパッタリング法により蒸着させ
て形成させてもよい。
には、支持体上の磁性層が形成される面と反対の面にバ
ックコート層を形成することができる。バックコート層
は、カーボンブラック等を適当な溶剤に分散させた液を
塗布してもよいし、金属又は半金属を物理的蒸着法(PV
D) 、特に熱蒸発法、スパッタリング法により蒸着させ
て形成させてもよい。
【0030】バックコート層を塗布により形成する場合
は、粒径10〜100nm のカーボンブラックを、塩ビ系、ウ
レタン系、硝化綿系等のバインダー中に分散させ、グラ
ビア法、リバース法又はダイ塗工方式等で、乾燥後の厚
さが 0.4〜1.0 μm になるように塗布する。
は、粒径10〜100nm のカーボンブラックを、塩ビ系、ウ
レタン系、硝化綿系等のバインダー中に分散させ、グラ
ビア法、リバース法又はダイ塗工方式等で、乾燥後の厚
さが 0.4〜1.0 μm になるように塗布する。
【0031】蒸着によりバックコート層を形成する場
合、金属又は半金属材料としては、アルミニウム、シリ
コンが好ましく、厚さは0.05〜1.0 μm 程度である。
合、金属又は半金属材料としては、アルミニウム、シリ
コンが好ましく、厚さは0.05〜1.0 μm 程度である。
【0032】〔支持体〕本発明の磁気記録媒体の製造方
法において、支持体としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステ
ル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン; セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース誘導体;ポリカーボネート;ポリ塩化
ビニル;ポリイミド;芳香族ポリアミド等のプラスチッ
ク等が使用される。これらの支持体の厚さは3〜50μm
程度である。
法において、支持体としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステ
ル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン; セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース誘導体;ポリカーボネート;ポリ塩化
ビニル;ポリイミド;芳香族ポリアミド等のプラスチッ
ク等が使用される。これらの支持体の厚さは3〜50μm
程度である。
【0033】以上説明した本発明の磁気記録媒体の一例
を図1に示す。図1は二層の磁性層を有する磁気記録媒
体の構成を示す略図である。図1中、1は支持体、2は
第一のダイヤモンドライクカーボン層、3は第一の磁性
層、4は第二の磁性層、5は第二のダイヤモンドライク
カーボン層、6は潤滑層、7はバックコート層である。
を図1に示す。図1は二層の磁性層を有する磁気記録媒
体の構成を示す略図である。図1中、1は支持体、2は
第一のダイヤモンドライクカーボン層、3は第一の磁性
層、4は第二の磁性層、5は第二のダイヤモンドライク
カーボン層、6は潤滑層、7はバックコート層である。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。しかしな
がら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
がら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0035】実施例1 (i) 磁気記録媒体の製造装置 図2は、本発明の磁気記録媒体を製造する装置の一例を
示す略図である。図2中、21は第一のチャンバ、22は第
二のチャンバ、23は第三のチャンバ、24は支持体、25,2
5'はイオンガン、26,26'はルツボ、27,27'は酸素ガス導
入管、28,28',28'' は冷却キャン、29,29'は ECRプラズ
マCVD 装置、30は巻き出しロール、31は巻取りロールで
ある。
示す略図である。図2中、21は第一のチャンバ、22は第
二のチャンバ、23は第三のチャンバ、24は支持体、25,2
5'はイオンガン、26,26'はルツボ、27,27'は酸素ガス導
入管、28,28',28'' は冷却キャン、29,29'は ECRプラズ
マCVD 装置、30は巻き出しロール、31は巻取りロールで
ある。
【0036】支持体24は巻き出しロール30から冷却キャ
ン28の上を走行し、ECRプラズマCVD装置29からプラズマ
化された炭素源が照射され、支持体上に第一のダイヤモ
ンドライクカーボン層が形成される。
ン28の上を走行し、ECRプラズマCVD装置29からプラズマ
化された炭素源が照射され、支持体上に第一のダイヤモ
ンドライクカーボン層が形成される。
【0037】次いで、支持体24はチャンバ22に搬送さ
れ、第一のダイヤモンドライクカーボン層上に第一の磁
性層が形成され、その後、第一の磁性層上に第二の磁性
層が形成される。
れ、第一のダイヤモンドライクカーボン層上に第一の磁
性層が形成され、その後、第一の磁性層上に第二の磁性
層が形成される。
【0038】次いで、支持体24はチャンバ23に搬送さ
れ、第二磁性層上に第二のダイヤモンドライクカーボン
層が形成され、その後支持体24は巻取りロール31で巻き
取られる。
れ、第二磁性層上に第二のダイヤモンドライクカーボン
層が形成され、その後支持体24は巻取りロール31で巻き
取られる。
【0039】該装置は、支持体上に、第一のダイヤモン
ドライクカーボン層、第一磁性層、第二磁性層及び第二
のダイヤモンドライクカーボン層をこの順に形成する装
置であり、内部は図示しない真空手段により真空に保た
れている。
ドライクカーボン層、第一磁性層、第二磁性層及び第二
のダイヤモンドライクカーボン層をこの順に形成する装
置であり、内部は図示しない真空手段により真空に保た
れている。
【0040】(ii)磁気記録媒体の製造 図2の装置に、厚さ0.5 μm のカーボンブラックを主成
分とするバックコート層が形成されたPET フィルム(厚
さ6.5 μm )をセットし、チャンバ21内で ECRプラズマ
CVD 装置29によりフィルム上に第一のダイヤモンドライ
クカーボン層を形成した。
分とするバックコート層が形成されたPET フィルム(厚
さ6.5 μm )をセットし、チャンバ21内で ECRプラズマ
CVD 装置29によりフィルム上に第一のダイヤモンドライ
クカーボン層を形成した。
【0041】次にチャンバ22内で第一のダイヤモンドラ
イクカーボン層上に第一、第二磁性層を形成し、更にチ
ャンバ23内で第二磁性層上に ECRプラズマCVD 装置29'
により第二のダイヤモンドライクカーボン層を形成し
た。
イクカーボン層上に第一、第二磁性層を形成し、更にチ
ャンバ23内で第二磁性層上に ECRプラズマCVD 装置29'
により第二のダイヤモンドライクカーボン層を形成し
た。
【0042】なお、ECR プラズマCVD 法による成膜条件
は以下の通りである。 マイクロ波波長:2.45GHz マイクロ波パワー:1kW 使用ガス:CH4 ガス 100 SCCM ,水素ガス 100 SCCM また、チャンバ21〜23内の真空度は4×10-3Torr、フィ
ルムの走行速度は 0.5m/分とした。
は以下の通りである。 マイクロ波波長:2.45GHz マイクロ波パワー:1kW 使用ガス:CH4 ガス 100 SCCM ,水素ガス 100 SCCM また、チャンバ21〜23内の真空度は4×10-3Torr、フィ
ルムの走行速度は 0.5m/分とした。
【0043】ついで、第二のダイヤモンドライクカーボ
ン層上にパーフルオロポリエーテル「FOMBLIN Z DOL 」
〔アルコール変性、モンテカチーニ (株) 製〕の0.05重
量%溶液〔溶媒はフッ素系の不活性液体「PF-5080 」
(住友スリーエム社)〕を、乾燥後の厚さが15Åとなる
ように塗布し、次いで100 ℃で乾燥し磁気テープを得
た。
ン層上にパーフルオロポリエーテル「FOMBLIN Z DOL 」
〔アルコール変性、モンテカチーニ (株) 製〕の0.05重
量%溶液〔溶媒はフッ素系の不活性液体「PF-5080 」
(住友スリーエム社)〕を、乾燥後の厚さが15Åとなる
ように塗布し、次いで100 ℃で乾燥し磁気テープを得
た。
【0044】その後、磁気テープを大気中に取出し、8
mm幅にスリッタ(裁断)し、8mmのカセットに挿入し、
Hi−8用のビデオカセットを作製した。
mm幅にスリッタ(裁断)し、8mmのカセットに挿入し、
Hi−8用のビデオカセットを作製した。
【0045】かくして得られた磁気テープの各層の厚さ
は、以下の通りである。 ・潤滑層…18Å ・第二のダイヤモンドライクカーボン層…65Å ・第二磁性層…1000Å ・第一磁性層…1000Å ・第一のダイヤモンドライクカーボン層…65Å ・バックコート層… 0.5μm 。
は、以下の通りである。 ・潤滑層…18Å ・第二のダイヤモンドライクカーボン層…65Å ・第二磁性層…1000Å ・第一磁性層…1000Å ・第一のダイヤモンドライクカーボン層…65Å ・バックコート層… 0.5μm 。
【0046】(iii)性能評価 上記により得たビデオカセットのスチル耐久性を以下の
方法により評価した。その結果を表1に示す。 スチル耐久性 市販のHi−8用VTRを改造した装置にビデオカセット
をセットし、10時間スチル状態とし、7MHz 又は3MHz
の出力の低下を測定した。
方法により評価した。その結果を表1に示す。 スチル耐久性 市販のHi−8用VTRを改造した装置にビデオカセット
をセットし、10時間スチル状態とし、7MHz 又は3MHz
の出力の低下を測定した。
【0047】比較例1 実施例1と同様に、図2の装置でビデオカセットを作製
し、実施例1と同様の評価を行った。但し、フィルム上
の第一のダイヤモンドライクカーボン層は形成しなかっ
た。結果を表1に示す。
し、実施例1と同様の評価を行った。但し、フィルム上
の第一のダイヤモンドライクカーボン層は形成しなかっ
た。結果を表1に示す。
【0048】比較例2 市販のHi−8メタルテープを用いて実施例1同様の評価
を行った。結果を表1に示す。なお、ここで用いたテー
プは、厚さ6.5 μm のPET フィルム上に、Co−Ni合金
(80:20)からなる磁性層(厚さ2000Å)と、該磁性層
上に形成された酸化物保護層(厚さ Å)と、該保護層
上に形成された潤滑層(厚さ20Å)と、磁性層と反対の
面に形成されたカーボンブラックを主成分とする塗布型
のバックコート層(厚さ5000Å)が設けられている。
を行った。結果を表1に示す。なお、ここで用いたテー
プは、厚さ6.5 μm のPET フィルム上に、Co−Ni合金
(80:20)からなる磁性層(厚さ2000Å)と、該磁性層
上に形成された酸化物保護層(厚さ Å)と、該保護層
上に形成された潤滑層(厚さ20Å)と、磁性層と反対の
面に形成されたカーボンブラックを主成分とする塗布型
のバックコート層(厚さ5000Å)が設けられている。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スチル耐久性が良好な金属蒸着型の磁気記録媒体が得ら
れる。
スチル耐久性が良好な金属蒸着型の磁気記録媒体が得ら
れる。
【図1】本発明の磁気記録媒体の構造の一例を示す略図
【図2】本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例を示す
略図
略図
1 :支持体 2 :第一のダイヤモンドライクカーボン層 3 :第一磁性層 4 :第二磁性層 5 :第二のダイヤモンドライクカーボン層 6 :潤滑層 7 :バックコート層 21 :第一のチャンバ 22 :第二のチャンバ 23 :第三のチャンバ 24 :PET フィルム 25,25':イオンガン 26,26':ルツボ 27,27':酸素ガス導入管 28,28',28'':冷却キャン 29,29':ECR プラズマCVD 30 :巻き出しロール 31 :巻き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野谷 博英 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606番地 花 王株式会社情報科学研究所内 (72)発明者 志賀 章 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606番地 花 王株式会社情報科学研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 支持体上に形成された第一のダイヤモン
ドライクカーボン層と、該第一のダイヤモンドライクカ
ーボン層上に形成された少なくとも一層の磁性層と、当
該磁性層上に形成された第二のダイヤモンドライクカー
ボン層とを有する磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記第二のダイヤモンドライクカーボン
層上に潤滑層を有する請求項1記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23533694A JPH08102050A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23533694A JPH08102050A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08102050A true JPH08102050A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=16984601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23533694A Pending JPH08102050A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08102050A (ja) |
-
1994
- 1994-09-29 JP JP23533694A patent/JPH08102050A/ja active Pending
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