JPH0810051Y2 - 足踏式パーキングブレーキのレリーズ機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、足踏式パーキングブレーキのレリーズ機構
に関し、更に詳細には運転者の意志に反してパーキング
ブレーキが偶発的に解除しないようにした足踏式パーキ
ングブレーキのレリーズ機構に関する。

（従来の技術） 従来、この種の装置として実開昭61−54960号公報に
示されるものがある。このものにおいては、ガイドスリ
ーブとそれにスライド自在に挿設されたプランジヤーに
ストツパ穴を設け、該プランジヤーに枢設されたストツ
パを弾機を介して基端ハンドルのノブに連携せしめて、
該ノブを操作しない限り、基端ハンドルが操作されない
ようにし、運転者の意志に反して基端ハンドルが操作さ
れることによりパーキングブレーキが偶発的に解除され
ないようにしている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上記した従来の装置においては、プランジ
ヤー内にストツパを内蔵させていると共に該ストツパを
連携するノブを基端ハンドル内に内蔵しているため、構
造が複雑となるばかりでなく、基端ハンドルが大型化
し、限られたスペースである車室内においてその取付時
にスペース上の制約を受けることがあるという問題があ
つた。

そこで本考案は、この種の足踏式パーキングブレーキ
のレリーズ機構の構成の簡素化及び小型化を図ること
を、その技術的課題とる。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記した技術的課題を解決するために講じた手段は、
当該足踏式パーキングブレーキのレリーズ機構をダツシ
ユボードのガイド部内に進退自在に設けられ車室側に露
呈する操作部を有するレリーズノブと、該レリーズノブ
に連結部材を介して連結されて前記レリーズノブの車室
側への退出時に前記ロツク機構を非作動位置にするレリ
ーズレバーと、前記ダツシユボードのガイド部内の前記
レリーズノブの操作部側に進退自在に設けられると共に
前記ダツシユボードの反車室側端面に当接可能な段部を
有し車室側への退出を規制された蓋部材と、該蓋部材を
車室側へ付勢し通常時において前記レリーズノブの操作
部を前記蓋部材により包囲させる付勢部材とから構成し
たことである。

（作用及び考案の効果） これによれば、レリーズノブを車室側へガイド部内か
ら退出させてパーキングブレーキを解除するためには、
蓋部材を付勢部材に抗して反車室側へ退出させてレリー
ズノブの操作部を車室内に露呈させなければならない。
そのため、運転者の意志に反してレリーズノブが操作さ
れて偶発的にパーキングブレーキが解除されることが防
止され、当該足踏式パーキングブレーキの安全性を向上
することができる。しかも、レリーズノブの操作部を包
囲するように蓋部材をダツシユボードのガイド部内に設
けることにより、これが達成されるので、当該レリーズ
機構の構成の簡素化が図れると共に小型化を図ることが
できる。

（実施例） 以下、本考案に従つた足踏式パーキングブレーキのレ
リーズ機構の一実施例を図面に基づき説明する。

第１図において、当該足踏式パーキングブレーキは、
パーキングブレーキペダル10、ロツク機構20及びレリー
ズ機構30によつて構成されている。

パーキングブレーキペダル10は、パーキングブレーキ
を操作するためのもので、アーム部11の上端にセクタギ
ヤ12を備えると共にその下端にペダルパツド部13を備
え、車体に固定された軸部材40に図示せぬブツシユを介
して回動可能に組付けられている。このパーキングブレ
ーキペダル10は、取付孔14に連結される図示せぬパーキ
ングブレーキケーブルを介して図示せぬパーキングブレ
ーキに連結されていて、図示せぬパーキングブレーキペ
ダルリターンスプリングにより、第１図図示時計方向へ
常時付勢されてストツパゴム50に当接し初期位置に位置
決めされており、踏込操作により図示せぬパーキングブ
レーキケーブルを引張りパーキングブレーキを作動状態
とする。

ロツク機構20は、ポール21及びトーシヨンスプリング
22から成るもので、ポール21はその一端にセクタギヤ12
に離脱可能に係合する爪部21aを、また他端に後述する
レリーズ機構30のレリーズレバー31の係合部31aに係脱
可能なアーム部21bを備えている。このポール21は、金
属板製のブラケツト44に支持ピン23に回動可能に組付け
られていて、一端をポール21のアーム部21bに他端をブ
ラケツト44に夫々係止されたトーシヨンスプリング22に
より、常時第１図図示反時計方向に付勢されている。か
かるロツク機構20においては、パーキングブレーキペダ
ル10が初期位置に復帰している場合（第１図図示の状
態）、ポール21はセクタギヤ12と非係合状態にあり、パ
ーキングブレーキペダル10の踏込操作によりセクタギヤ
12が回転すると、ポール21は爪部21aがセクタギヤ12の
一部に係合してパーキングブレーキペダル10をその踏込
位置にてロツクする。

レリーズ機構30は、パーキングブレーキペダル10のロ
ツクを解除するためのもので、第１図及び第３図におい
て、レリーズレバー31、レリーズケーブル32、トーシヨ
ンスプリング33、レリーズノブ34、レリーズストツパ3
5、蓋部材36及びコンプレツシヨンスプリング37によつ
て構成されている。レリーズレバー31は、一端にポール
21のアーム部21bに係脱可能な係合部31aを、また他端に
レリーズケーブル32が連結されるアーム部31bを備えて
いる。レリーズレバー31は、ブラケツト44に支持ピン38
に回動可能に組付けられていて、トーシヨンスプリング
33により、常時第１図図示反時計方向に付勢されてい
る。

レリーズノブ34は第２図及び第３図に示すように、ダ
ツシユボード60のガイド部61内に進退（摺動）自在に嵌
装されていて、車体に固定されたレリーズストツパ35に
より操作部34aの外端面がダツシユボード60の端面60aと
面位置になるようにガイド部61内での位置を規制されて
いる。また、レリーズノブ34には、レリーズケーブル32
が連結されていて、レリーズノブ34を車室41側にガイド
部61から退出するように操作することにより、レリーズ
ケーブル32を介してレリーズレバー31が回動するように
なつている。

蓋部材36は、第５図に示すように板状部材から成り、
車室41側に位置する一端側に溝部36aを有し、該溝部36a
をレリーズノブ34の操作部34a側のガイド部61内に進退
（摺動）自在に嵌装されている。ガイド部61の内面に
は、第４図に示すようにガイド溝62が形成されており、
該ガイド溝62には蓋部材36の角部36bが進退（摺動）自
在に嵌装されている。また蓋部材36には、ダツシユボー
ド60の反車室側端面に当接する段部36cが形成されてい
て、該段部36cがダツシユボード60の反車室側端面に当
接することにより、蓋部材36は車室41側へは移動不能と
されている。尚、蓋部材36は段部36cがダツシユボード6
0の反車室側端面に当接した位置では、第２図及び第３
図に示すようにダツシユボード60の車室41側端面にレリ
ーズノブ34の操作部34aの外端面と共に面位置となつて
いる。また、蓋部材36の反車室側端面とレリーズノブス
トツパ35との間には蓋部材36を通常時、段部36cがダツ
シユボード60の反車室側端面に当接するようにコンプレ
ツシヨンスプリング37が介装されていて、これにより蓋
部材36によりレリーズノブ34の操作部34aは通常時車室4
1内に露呈されずに包囲されている。

かかるレーズ機構30においては、レリーズノブ34の非
操作時レリーズレバー31の係合部31aはポール21のアー
ム部21bから離間していて、レリーズノブ34を操作部34a
を介して車室41側へ引張操作するとレリーズレバー31が
時計方向に回動し、係合部31aをポール21のアーム部21b
に係合してポール21を時計方向に回動してセクタギヤ12
から爪部21aを離脱させる。

以上の構成から成る当該足踏式操作装置においては、
パーキングブレーキペダル10を踏込操作すると図示せぬ
パーキングブレーキケーブルが引つ張られて図示せぬパ
ーキングブレーキを作動状態にすると共に、ロツク機構
20によりパーキングブレーキペダル10は踏込位置にてロ
ツクされる。

次に、この状態においてロツク機構20を解除するため
には次の動作を行う。まず、蓋部材36をコンプレツシヨ
ンスプリング37に抗して反車室側へ退出させてレリーズ
ノブ34の操作部34aを車室内に露呈させる。そして、レ
リーズノブ34を操作部34aを介して車室41側へガイド部6
1内から退出させてパーキングブレーキを解除する。従
つて、本実施例においては、ロツク機構20を解除してパ
ーキングブレーキを非作動とするためには、レリーズノ
ブ34を車室41側へガイド部61内から退出させる操作の前
に、運転者が意志を持つて蓋部材36をコンプレツシヨン
スプリング37に抗して反車室側へ退出させてレリーズノ
ブ34の操作部34aを車室内に露呈させる操作が必要とな
り、運転者の意志に反してレリーズノブ34が操作されて
偶発的にパーキングブレーキが解除されることが防止さ
れる。尚、本実施例においては、レリーズノブ34の操作
部34aを包囲するように蓋部材36をダツシユボード60の
ガイド部61内に設けることにより、上述した２操作機構
が達成されるので、当該レリーズ機構の構成の簡素化が
図れると共に小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に従つた足踏式パーキングブレーキのレ
リーズ機構を用いた足踏式パーキングブレーキの操作装
置の一実施例を示す側面図、第２図は本考案の要部を示
す斜視図、第３図は本考案の要部を示す断面図、第４図
は第３図及び第４図におけるダツシユボードの斜視図、
第５図は第３図及び第４図における蓋部材の斜視図であ
る。 10……パーキングブレーキペダル、12……セクタギヤ、
20……ロツク機構、21……ポール、21a……爪部、21b…
…アーム部、22……トーシヨンスプリング、30……レリ
ーズ機構、31……レリーズレバー、31a……係合部、31b
……アーム部、32……レリーズケーブル、33……トーシ
ヨンスプリング、34……レリーズノブ、35……レリーズ
ストツパ、36……蓋部材、36a……溝部、36c……段部、
37……コンプレツシヨンスプリング（付勢部材）、41…
…車室、60……ダツシユボード、61……ガイド部、62…
…ガイド溝、63……反車室側端面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体に設けた支持部材に回動可能に組付け
   られると共にパーキングブレーキに連結され踏込操作に
   よりパーキングブレーキを作動状態にするパーキングブ
   レーキペダルと、該パーキングブレーキペダルを踏込位
   置にて解除可能にロツクするロツク機構と、該ロツク機
   構のロツクを手動操作により解除し前記パーキングブレ
   ーキペダルを踏込位置から戻り回動可能にして前記パー
   キングブレーキを非作動にするレリーズ機構とを備えた
   足踏式パーキングブレーキにおいて、前記レリーズ機構
   を、ダツシユボードのガイド部内に進退自在に設けられ
   車室側に露呈する操作部を有するレリーズノブと、該レ
   リーズノブに連結部材を介して連結されて前記レリーズ
   ノブの車室側への退出時に前記ロツク機構を非作動位置
   にするレリーズレバーと、前記ダツシユボードのガイド
   部内の前記レリーズノブの操作部側に進退自在に設けら
   れると共に前記ダツシユボードの反車室側端面に当接可
   能な段部を有し車室側への退出を規制された蓋部材と、
   該蓋部材を車室側へ付勢し通常時において前記レリーズ
   ノブの操作部を前記蓋部材により包囲させる付勢部材と
   から構成したことを特徴とする足踏式パーキングブレー
   キのレリーズ機構。