JPH0799113A - 磁気抵抗効果多層膜および磁気ヘッド - Google Patents
磁気抵抗効果多層膜および磁気ヘッドInfo
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- JPH0799113A JPH0799113A JP5242379A JP24237993A JPH0799113A JP H0799113 A JPH0799113 A JP H0799113A JP 5242379 A JP5242379 A JP 5242379A JP 24237993 A JP24237993 A JP 24237993A JP H0799113 A JPH0799113 A JP H0799113A
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
- H01F10/324—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、多層磁気抵抗効果膜の飽和
磁界を低減し、かつ高い磁気抵抗変化率を得る方法を提
供することにある。 【構成】 多層磁気抵抗効果膜の飽和磁界を低減するた
めに、Ni−Fe系合金磁性層を用いた多層膜では、I
200/(I111+I200)を0.5以下、Ni−Fe−C
o系合金磁性層を用いた多層膜ではI200/(I111+I
200)を0.4以下にした。これにより、80kA/m
以下の飽和磁界を得た。また、比較的高い磁気抵抗変化
率を得るために、多層膜のI200/(I111+I200)を
0.2以上にした。また、上記Ni−Fe−Co系合金
のCo濃度を10〜25at%とすることにより、高い
磁気抵抗変化率および、異方性磁界の低い磁性層を得
た。また、上記多層磁気抵抗効果膜を磁気抵抗効果素
子、磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置に用いた。 【効果】 本発明の多層磁気抵抗効果膜は高い磁気抵抗
変化率を示す。また、上記多層磁気抵抗効果膜を使用し
た磁気ヘッドは、優れた再生特性を示した。
磁界を低減し、かつ高い磁気抵抗変化率を得る方法を提
供することにある。 【構成】 多層磁気抵抗効果膜の飽和磁界を低減するた
めに、Ni−Fe系合金磁性層を用いた多層膜では、I
200/(I111+I200)を0.5以下、Ni−Fe−C
o系合金磁性層を用いた多層膜ではI200/(I111+I
200)を0.4以下にした。これにより、80kA/m
以下の飽和磁界を得た。また、比較的高い磁気抵抗変化
率を得るために、多層膜のI200/(I111+I200)を
0.2以上にした。また、上記Ni−Fe−Co系合金
のCo濃度を10〜25at%とすることにより、高い
磁気抵抗変化率および、異方性磁界の低い磁性層を得
た。また、上記多層磁気抵抗効果膜を磁気抵抗効果素
子、磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置に用いた。 【効果】 本発明の多層磁気抵抗効果膜は高い磁気抵抗
変化率を示す。また、上記多層磁気抵抗効果膜を使用し
た磁気ヘッドは、優れた再生特性を示した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高い磁気抵抗効果を有す
る磁気抵抗効果多層薄膜およびこれを用いた磁気抵抗効
果素子、磁気ヘッド、磁気記録再生装置に関する。
る磁気抵抗効果多層薄膜およびこれを用いた磁気抵抗効
果素子、磁気ヘッド、磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、再生用磁気
ヘッドに用いる磁気抵抗効果材料として、高い磁気抵抗
効果を示す材料が求められている。現在、使用されてい
るパ−マロイの磁気抵抗変化率は約3%であり、新材料
はこれを上回る磁気抵抗変化率を有することが必要であ
る。
ヘッドに用いる磁気抵抗効果材料として、高い磁気抵抗
効果を示す材料が求められている。現在、使用されてい
るパ−マロイの磁気抵抗変化率は約3%であり、新材料
はこれを上回る磁気抵抗変化率を有することが必要であ
る。
【0003】最近、Baibichらによる、フィジカル・レ
ビュ−・レタ−ズ(Pysical ReviewLetters)、第61巻、
第21号、2472〜2475ペ−ジに記載の「(001)Fe/(001)Cr
磁性超格子の巨大磁気抵抗効果」(Giant Magnetoresis
tance of (001)Fe/(001)Cr Magnetic Superlattices)
のように、多層構造を持つ磁性膜(Fe/Cr多層膜)
において、約50%の磁気抵抗変化率(4.2Kにおい
て)が観測されている。
ビュ−・レタ−ズ(Pysical ReviewLetters)、第61巻、
第21号、2472〜2475ペ−ジに記載の「(001)Fe/(001)Cr
磁性超格子の巨大磁気抵抗効果」(Giant Magnetoresis
tance of (001)Fe/(001)Cr Magnetic Superlattices)
のように、多層構造を持つ磁性膜(Fe/Cr多層膜)
において、約50%の磁気抵抗変化率(4.2Kにおい
て)が観測されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記Fe/C
r多層膜に十分な磁気抵抗変化を生じさせるためには、
800kA/mもの高い磁界が必要であり、低い磁界で
動作する必要がある磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドに用
いることができないという問題がある。
r多層膜に十分な磁気抵抗変化を生じさせるためには、
800kA/mもの高い磁界が必要であり、低い磁界で
動作する必要がある磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドに用
いることができないという問題がある。
【0005】本発明の目的は、上述の多層膜を用いた磁
気抵抗効果素子の問題の解決方法を提供することにあ
る。
気抵抗効果素子の問題の解決方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の材
料および膜厚を有する磁性層、非磁性層を積層した多層
磁性膜を用いた磁気抵抗効果素子について鋭意研究を重
ねた結果、磁性層としてNi−Fe−Co、Ni−Fe
系合金等の面心立方格子構造を有する磁性材料を用い、
上記磁性層の結晶配向性を調整することにより高磁気抵
抗効果および低飽和磁界を有する多層膜が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
料および膜厚を有する磁性層、非磁性層を積層した多層
磁性膜を用いた磁気抵抗効果素子について鋭意研究を重
ねた結果、磁性層としてNi−Fe−Co、Ni−Fe
系合金等の面心立方格子構造を有する磁性材料を用い、
上記磁性層の結晶配向性を調整することにより高磁気抵
抗効果および低飽和磁界を有する多層膜が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、非磁性層を積層した多層膜を用
いた磁気抵抗効果素子において、磁性層としてNi−F
e−Co、Ni−Fe系合金等の面心立方格子構造を有
する磁性材料を用い、磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係を、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5とすることにより、飽和磁界を低
くし、高い磁気抵抗効果を得ることができる。
いた磁気抵抗効果素子において、磁性層としてNi−F
e−Co、Ni−Fe系合金等の面心立方格子構造を有
する磁性材料を用い、磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係を、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5とすることにより、飽和磁界を低
くし、高い磁気抵抗効果を得ることができる。
【0008】また、上記多層磁気抵抗効果膜は、磁気抵
抗効果素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適であ
る。また、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能
磁気記録再生装置を得ることができる。
抗効果素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適であ
る。また、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能
磁気記録再生装置を得ることができる。
【0009】第1の発明の特徴は、(1)磁性層と非磁
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜にある。
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜にある。
【0010】(2)(1)において、磁気抵抗効果多層
膜の飽和磁界は80kA/m以下であることが好まし
い。
膜の飽和磁界は80kA/m以下であることが好まし
い。
【0011】(3)(1)または(2)において、面心
立方格子構造を有する磁性層がNi−Fe系合金である
が好ましい。
立方格子構造を有する磁性層がNi−Fe系合金である
が好ましい。
【0012】(4)(1)または(2)において、面心
立方格子構造を有する磁性層がNi−Fe−Co系合金
であり、上記磁性層の結晶の(200)面によるX線回
折強度I200と結晶の(111)面によるX線回折強度
I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I111+
I200)≦0.4であることが好ましい。
立方格子構造を有する磁性層がNi−Fe−Co系合金
であり、上記磁性層の結晶の(200)面によるX線回
折強度I200と結晶の(111)面によるX線回折強度
I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I111+
I200)≦0.4であることが好ましい。
【0013】(5)(4)において、Ni−Fe−Co
系合金のCo濃度が10〜25at%であることが好ま
しい。
系合金のCo濃度が10〜25at%であることが好ま
しい。
【0014】第2の発明の特徴は、(6)磁性層と非磁
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気抵
抗効果素子にある。
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気抵
抗効果素子にある。
【0015】第3の発明の特徴は、(7)磁性層と非磁
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気ヘ
ッドにある。
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気ヘ
ッドにある。
【0016】第4の発明の特徴は、(8)磁性層と非磁
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気抵
抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型磁
気ヘッドにある。
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気抵
抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型磁
気ヘッドにある。
【0017】第5の発明の特徴は、(9)磁性層と非磁
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気ヘ
ッドを有する磁気記録再生装置にある。
性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜にお
いて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁性
層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と結
晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の関
係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5であ
る磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気ヘ
ッドを有する磁気記録再生装置にある。
【0018】第6の発明の特徴は、(10)磁性層と非
磁性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜に
おいて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁
性層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と
結晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の
関係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5で
ある磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気
抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型
磁気ヘッドを有する磁気記録再生装置にある。
磁性層を積層した多層膜を用いた磁気抵抗効果多層膜に
おいて、上記磁性層が面心立方格子構造を有し、上記磁
性層の結晶の(200)面によるX線回折強度I200と
結晶の(111)面によるX線回折強度I111の強度の
関係が、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.5で
ある磁気抵抗効果多層膜を少なくとも一部に用いた磁気
抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型
磁気ヘッドを有する磁気記録再生装置にある。
【0019】
【作用】上述のように、非磁性層を積層した多層膜を用
いた磁気抵抗効果素子において、磁性層としてNi−F
e−Co、Ni−Fe系合金等の面心立方格子構造を有
する磁性材料を用い、磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係を、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5とすることにより、低飽和磁界お
よび高磁気抵抗効果を同時に得ることができる。
いた磁気抵抗効果素子において、磁性層としてNi−F
e−Co、Ni−Fe系合金等の面心立方格子構造を有
する磁性材料を用い、磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係を、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5とすることにより、低飽和磁界お
よび高磁気抵抗効果を同時に得ることができる。
【0020】また、上記磁気抵抗効果多層膜は、磁気抵
抗効果素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適であ
る。また、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能
磁気記録再生装置を得ることができる。
抗効果素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適であ
る。また、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能
磁気記録再生装置を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の一実施例を挙げ、図表を参照
しながらさらに具体的に説明する。
しながらさらに具体的に説明する。
【0022】[実施例1]多層膜の作製にはイオンビ−
ムスパッタリング法を用いた。到達真空度は、3/10
5Pa、スパッタリング時のAr圧力は2/102Paで
ある。また、膜形成速度は、0.1〜0.2nm/sで
ある。基板にはSi(100)単結晶を用いた。形成し
た多層膜の断面構造を図2に示す。本実施例では、この
図の磁性層11として、膜厚1.0nmのNi−20a
t%Fe合金を用いた。また、非磁性層12としてはC
uを用いた。積層数は20周期である。また、バッファ
層13は膜厚5nmのFeである。Feは基板面に対
し、結晶の(100)面が平行になるように配向してい
た。
ムスパッタリング法を用いた。到達真空度は、3/10
5Pa、スパッタリング時のAr圧力は2/102Paで
ある。また、膜形成速度は、0.1〜0.2nm/sで
ある。基板にはSi(100)単結晶を用いた。形成し
た多層膜の断面構造を図2に示す。本実施例では、この
図の磁性層11として、膜厚1.0nmのNi−20a
t%Fe合金を用いた。また、非磁性層12としてはC
uを用いた。積層数は20周期である。また、バッファ
層13は膜厚5nmのFeである。Feは基板面に対
し、結晶の(100)面が平行になるように配向してい
た。
【0023】Co/Cu多層膜において、Egelhoff, J
r.らによる、1992年国際磁気学会予原集(Digests of th
e Intermag Conference,1992)FB-02ペ−ジに記載の「Cu
(111)及びCu(100)上に形成したFe/Cu/Fe及びCo/Cu/Co多
層膜における反強磁性的結合」(Antiferromagnetic Co
upling in Fe/Cu/Fe and Co/Cu/Co Multilayers on Cu
(111) and Cu(100))のように、Cu(100)面上にCo/C
u多層膜を形成すると磁性層間の交換相互作用が強く、
飽和磁界は高いことが明らかになっている。しかし、C
o層は軟磁性材料ではなく、磁気ヘッド等に用いるには
好ましくない。これに対し、本発明に用いているNi−
Fe系合金は保磁力が低く、実用的な材料である。そこ
で、本実施例の多層膜の結晶の(200)面によるX線
回折強度I200および結晶の(111)面によるX線回
折強度I111による飽和磁界の変化について調べた。結
果を図1に示す。この図のように、I200/(I111+I
200)の値が0.5以下の時に、飽和磁界が80kA/
m以下になる。通常、磁気記録媒体から発生する磁界
は、80kA/m程度以下である。従って、I200/
(I111+I200)の値は0.5以下が好ましい。
r.らによる、1992年国際磁気学会予原集(Digests of th
e Intermag Conference,1992)FB-02ペ−ジに記載の「Cu
(111)及びCu(100)上に形成したFe/Cu/Fe及びCo/Cu/Co多
層膜における反強磁性的結合」(Antiferromagnetic Co
upling in Fe/Cu/Fe and Co/Cu/Co Multilayers on Cu
(111) and Cu(100))のように、Cu(100)面上にCo/C
u多層膜を形成すると磁性層間の交換相互作用が強く、
飽和磁界は高いことが明らかになっている。しかし、C
o層は軟磁性材料ではなく、磁気ヘッド等に用いるには
好ましくない。これに対し、本発明に用いているNi−
Fe系合金は保磁力が低く、実用的な材料である。そこ
で、本実施例の多層膜の結晶の(200)面によるX線
回折強度I200および結晶の(111)面によるX線回
折強度I111による飽和磁界の変化について調べた。結
果を図1に示す。この図のように、I200/(I111+I
200)の値が0.5以下の時に、飽和磁界が80kA/
m以下になる。通常、磁気記録媒体から発生する磁界
は、80kA/m程度以下である。従って、I200/
(I111+I200)の値は0.5以下が好ましい。
【0024】次に、I200/(I111+I200)の値と磁
気抵抗変化率との関係について調べた。図3に結果を示
す。この図のように、I200/(I111+I200)の値が
低いと磁気抵抗変化率が低下する。I200/(I111+I
200)の値を0.2以上にすると、2%以上の磁気抵抗
変化率が得られる。
気抵抗変化率との関係について調べた。図3に結果を示
す。この図のように、I200/(I111+I200)の値が
低いと磁気抵抗変化率が低下する。I200/(I111+I
200)の値を0.2以上にすると、2%以上の磁気抵抗
変化率が得られる。
【0025】以上述べたように、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5なる関係を満たすような結晶配向
性において、比較的高い磁気抵抗変化率と比較的低い飽
和磁界を得ることができる。
111+I200)≦0.5なる関係を満たすような結晶配向
性において、比較的高い磁気抵抗変化率と比較的低い飽
和磁界を得ることができる。
【0026】また、Ni−Fe系合金のFeの濃度は、
結晶磁気異方性および薄膜磁歪の値を零近傍にするため
に、10〜30at%が好ましい。
結晶磁気異方性および薄膜磁歪の値を零近傍にするため
に、10〜30at%が好ましい。
【0027】また、本実施例では、非磁性層としてCu
を用いた場合について述べたが、非磁性層として他の材
料を用いても、磁性層の結晶の(200)面によるX線
回折強度I200と結晶の(111)面によるX線回折強
度I111の強度の関係を0.2≦I200/(I111+
I200)≦0.5とすることにより、高い磁気抵抗変化
率および低い飽和磁界を示す多層膜を得ることができ
る。
を用いた場合について述べたが、非磁性層として他の材
料を用いても、磁性層の結晶の(200)面によるX線
回折強度I200と結晶の(111)面によるX線回折強
度I111の強度の関係を0.2≦I200/(I111+
I200)≦0.5とすることにより、高い磁気抵抗変化
率および低い飽和磁界を示す多層膜を得ることができ
る。
【0028】また、本実施例では、多層膜形成法とし
て、イオンビ−ムスパッタリング法を用いたが、高周波
スパッタリング法を用いると、さらに低い飽和磁界を得
ることができる。
て、イオンビ−ムスパッタリング法を用いたが、高周波
スパッタリング法を用いると、さらに低い飽和磁界を得
ることができる。
【0029】また、本実施例では、バッファ層としてF
eを用いたが、Ni−Fe層を上記のような結晶配向性
にすることができれば、どのような材料でも良い。
eを用いたが、Ni−Fe層を上記のような結晶配向性
にすることができれば、どのような材料でも良い。
【0030】また、例えば、Co層とNi−Fe層など
の2種類以上の磁性層を同時に用いる場合についても、
比較的弱い交換相互作用を利用する限り、本発明の効果
が生じる。
の2種類以上の磁性層を同時に用いる場合についても、
比較的弱い交換相互作用を利用する限り、本発明の効果
が生じる。
【0031】また、磁気抵抗効果曲線が左右対称である
場合には、あらかじめ、磁気抵抗効果多層膜の磁界検出
方向ににバイアス磁界を印加する機構を備えておけば、
磁界の正負を判断できる磁気抵抗効果素子を得ることが
できる。
場合には、あらかじめ、磁気抵抗効果多層膜の磁界検出
方向ににバイアス磁界を印加する機構を備えておけば、
磁界の正負を判断できる磁気抵抗効果素子を得ることが
できる。
【0032】また、磁気抵抗効果曲線にバルクハウゼン
ノイズが生じる場合は、磁気抵抗効果多層膜の磁界検出
方向と直角の方向にバイアス磁界を印加する機構を設け
ることが、バルクハウゼンノイズの抑止に効果がある。
多層膜では、各磁性層に均一にバイアス磁界を印加する
ことが好ましいため、バイアス磁界印加には永久磁石層
を用いることが好ましい。
ノイズが生じる場合は、磁気抵抗効果多層膜の磁界検出
方向と直角の方向にバイアス磁界を印加する機構を設け
ることが、バルクハウゼンノイズの抑止に効果がある。
多層膜では、各磁性層に均一にバイアス磁界を印加する
ことが好ましいため、バイアス磁界印加には永久磁石層
を用いることが好ましい。
【0033】[実施例2]多層膜の作製には高周波スパ
ッタリング法を用いた。到達真空度は、1/104P
a、スパッタリング時のAr圧力は0.7Paである。
また、膜形成速度は、0.5〜1.0nm/sである。
基板にはコ−ニング社製7059ガラスを用いた。形成
した多層膜の断面構造を図2に示す。本実施例では、こ
の図の磁性層11として、膜厚1.5nmのNi−16
at%Fe−18at%Coを用いた。また、非磁性層
12としては、膜厚0.9nmのCuを用いた。積層数
は14周期である。また、バッファ層13は膜厚5nm
のFe−Ni系合金である。
ッタリング法を用いた。到達真空度は、1/104P
a、スパッタリング時のAr圧力は0.7Paである。
また、膜形成速度は、0.5〜1.0nm/sである。
基板にはコ−ニング社製7059ガラスを用いた。形成
した多層膜の断面構造を図2に示す。本実施例では、こ
の図の磁性層11として、膜厚1.5nmのNi−16
at%Fe−18at%Coを用いた。また、非磁性層
12としては、膜厚0.9nmのCuを用いた。積層数
は14周期である。また、バッファ層13は膜厚5nm
のFe−Ni系合金である。
【0034】バッファ層13のFe−Ni系合金の組成
を変えることにより、多層膜の結晶配向性を変化させ
た。図4に結晶の(200)面のX線回折強度を
I200、(111)面のX線回折強度をI111とした時
の、I200/(I111+I200)の値と飽和磁界との関係
を示す。図のように、I200/(I111+I200)の値を
0.4以下にすると、80kA/m以下の飽和磁界が得
られる。
を変えることにより、多層膜の結晶配向性を変化させ
た。図4に結晶の(200)面のX線回折強度を
I200、(111)面のX線回折強度をI111とした時
の、I200/(I111+I200)の値と飽和磁界との関係
を示す。図のように、I200/(I111+I200)の値を
0.4以下にすると、80kA/m以下の飽和磁界が得
られる。
【0035】図5にI200/(I111+I200)の値と磁
気抵抗変化率との関係を示す。図のように、I200/
(I111+I200)の値が0.2以上になると、20%以
上の磁気抵抗変化率が得られる。
気抵抗変化率との関係を示す。図のように、I200/
(I111+I200)の値が0.2以上になると、20%以
上の磁気抵抗変化率が得られる。
【0036】以上、述べたように、Ni−Fe−Co系
合金では、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.4
とすることにより、80kA/m以下の飽和磁界および
20%以上の磁気抵抗変化率を得ることができる。ま
た、上述のような結晶配向性による、磁気抵抗変化率の
変化は、他の組成のNi−Fe−Co系合金を磁性層と
して用いた多層膜においても同様に観測された。
合金では、0.2≦I200/(I111+I200)≦0.4
とすることにより、80kA/m以下の飽和磁界および
20%以上の磁気抵抗変化率を得ることができる。ま
た、上述のような結晶配向性による、磁気抵抗変化率の
変化は、他の組成のNi−Fe−Co系合金を磁性層と
して用いた多層膜においても同様に観測された。
【0037】[実施例3]実施例2と同様の方法で多層
膜を形成した。本実施例では、図2の磁性層11とし
て、膜厚1.5nmのNi−Fe−Co系合金を用い
た。NiおよびFeの組成比は、80:20とし、Co
の濃度を変化した。また、非磁性層12としては、膜厚
0.9nmのCuを用いた。また、バッファ層13は膜
厚5nmのFe−Ni系合金である。I200/(I111+
I200)の値は、ほぼ0.3である。
膜を形成した。本実施例では、図2の磁性層11とし
て、膜厚1.5nmのNi−Fe−Co系合金を用い
た。NiおよびFeの組成比は、80:20とし、Co
の濃度を変化した。また、非磁性層12としては、膜厚
0.9nmのCuを用いた。また、バッファ層13は膜
厚5nmのFe−Ni系合金である。I200/(I111+
I200)の値は、ほぼ0.3である。
【0038】図6のように、磁性層のCo濃度と共に磁
気抵抗変化率が高くなる。20%以上の磁気抵抗変化率
を得るためには、10at%以上のCo濃度が好まし
い。
気抵抗変化率が高くなる。20%以上の磁気抵抗変化率
を得るためには、10at%以上のCo濃度が好まし
い。
【0039】上述のように、Co濃度を高くすると、高
い磁気抵抗変化率を得ることができる。しかし、あまり
Co濃度を高くすると、磁性層の異方性磁界が高くな
り、多層膜の飽和磁界が高くなるという問題がある。図
7にNi−Fe−Co系合金層のCo濃度と異方性磁界
との関係を示す。この図のように、Co濃度が高くなる
と、磁性層の異方性磁界が高くなる。異方性磁界を2k
A/m以下とするためには、Co濃度を25at%以下
にする必要がある。
い磁気抵抗変化率を得ることができる。しかし、あまり
Co濃度を高くすると、磁性層の異方性磁界が高くな
り、多層膜の飽和磁界が高くなるという問題がある。図
7にNi−Fe−Co系合金層のCo濃度と異方性磁界
との関係を示す。この図のように、Co濃度が高くなる
と、磁性層の異方性磁界が高くなる。異方性磁界を2k
A/m以下とするためには、Co濃度を25at%以下
にする必要がある。
【0040】以上のように、高い磁気抵抗変化率および
低い磁性層の異方性磁界を得るためには、Co濃度を1
0〜25at%にすることが好ましい。
低い磁性層の異方性磁界を得るためには、Co濃度を1
0〜25at%にすることが好ましい。
【0041】なお、磁性層の結晶磁気異方性定数を零に
近くし、磁性層の保磁力を低くするためには、NiとF
eの組成比を75:25〜85:15にすることが好ま
しい。
近くし、磁性層の保磁力を低くするためには、NiとF
eの組成比を75:25〜85:15にすることが好ま
しい。
【0042】[実施例4]本発明の磁気抵抗効果多層膜
を用いて磁気抵抗効果素子を形成した。本実施例では、
図2の磁性層11として、膜厚1.5nmのNi−16
at%Fe−18at%Coを用いた。また、非磁性層
12としては、膜厚0.9nmのCuを用いた。積層数
は14周期である。また、バッファ層13は膜厚5nm
のFe−Ni系合金である。I200/(I111+I200)
の値は、ほぼ0.3である。
を用いて磁気抵抗効果素子を形成した。本実施例では、
図2の磁性層11として、膜厚1.5nmのNi−16
at%Fe−18at%Coを用いた。また、非磁性層
12としては、膜厚0.9nmのCuを用いた。積層数
は14周期である。また、バッファ層13は膜厚5nm
のFe−Ni系合金である。I200/(I111+I200)
の値は、ほぼ0.3である。
【0043】図8に磁気抵抗効果素子の構造を示す。磁
気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果多層膜23および電極
24をシ−ルド層21、22で挟んだ構造を有する。上
記磁気抵抗効果素子に磁界を印加し、磁気抵抗効果素子
の電気抵抗率の変化を測定したところ、従来のパ−マロ
イ単層膜を用いた磁気抵抗効果素子と比較して、7倍の
出力を示した。これは、磁気抵抗効果多層膜として、高
い磁気抵抗変化率を示す本発明の磁気抵抗効果多層膜を
用いたためである。
気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果多層膜23および電極
24をシ−ルド層21、22で挟んだ構造を有する。上
記磁気抵抗効果素子に磁界を印加し、磁気抵抗効果素子
の電気抵抗率の変化を測定したところ、従来のパ−マロ
イ単層膜を用いた磁気抵抗効果素子と比較して、7倍の
出力を示した。これは、磁気抵抗効果多層膜として、高
い磁気抵抗変化率を示す本発明の磁気抵抗効果多層膜を
用いたためである。
【0044】[実施例5]実施例4で述べた磁気抵抗効
果素子を用い、磁気ヘッドを作製した。磁気ヘッドの構
造を以下に示す。図9は、記録再生分離型ヘッドの一部
分を切断した場合の斜視図である。磁気抵抗効果多層膜
31をシ−ルド層32、33で挾んだ部分が再生ヘッド
として働き、コイル34を挾む下部磁極35、上部磁極
36の部分が記録ヘッドとして働く。磁気抵抗効果多層
膜31は実施例4に記載の多層膜からなる(但し、積層
数は異なる)。また、磁界検出方向のバイアス磁界印加
のため、多層膜上にTaからなる導体層38を形成し
た。また、電極39には、Cr/Cu/Crという多層
構造の材料を用いた。
果素子を用い、磁気ヘッドを作製した。磁気ヘッドの構
造を以下に示す。図9は、記録再生分離型ヘッドの一部
分を切断した場合の斜視図である。磁気抵抗効果多層膜
31をシ−ルド層32、33で挾んだ部分が再生ヘッド
として働き、コイル34を挾む下部磁極35、上部磁極
36の部分が記録ヘッドとして働く。磁気抵抗効果多層
膜31は実施例4に記載の多層膜からなる(但し、積層
数は異なる)。また、磁界検出方向のバイアス磁界印加
のため、多層膜上にTaからなる導体層38を形成し
た。また、電極39には、Cr/Cu/Crという多層
構造の材料を用いた。
【0045】以下にこのヘッドの作製方法を示す。
【0046】Al2O3・TiCを主成分とする焼結体を
スライダ用の基板37とした。シ−ルド層、記録磁極に
はスパッタリング法で形成したNi−Fe合金を用い
た。各磁性膜の膜厚は、以下のようにした。上下のシ−
ルド層32、33は1.0μm、下部磁極35、上部3
6は3.0μm、磁気抵抗効果多層膜全体の膜厚は約3
8nmである。各層間のギャップ材としてはスパッタリ
ングで形成したAl2O3を用いた。ギャップ層の膜厚
は、シ−ルド層と磁気抵抗効果素子間で0.2μm、記
録磁極間では0.4μmとした。さらに再生ヘッドと記
録ヘッドの間隔は約4μmとし、このギャップもAl2
O3で形成した。コイル34には膜厚3μmのCuを使
用した。
スライダ用の基板37とした。シ−ルド層、記録磁極に
はスパッタリング法で形成したNi−Fe合金を用い
た。各磁性膜の膜厚は、以下のようにした。上下のシ−
ルド層32、33は1.0μm、下部磁極35、上部3
6は3.0μm、磁気抵抗効果多層膜全体の膜厚は約3
8nmである。各層間のギャップ材としてはスパッタリ
ングで形成したAl2O3を用いた。ギャップ層の膜厚
は、シ−ルド層と磁気抵抗効果素子間で0.2μm、記
録磁極間では0.4μmとした。さらに再生ヘッドと記
録ヘッドの間隔は約4μmとし、このギャップもAl2
O3で形成した。コイル34には膜厚3μmのCuを使
用した。
【0047】以上述べた構造の磁気ヘッドで記録再生を
行ったところ、高い再生出力を得た。これは、本発明の
磁気ヘッドに高磁気抵抗効果および低飽和磁界を示す多
層膜を用い、適切なバイアス磁界を印加したためと考え
られる。
行ったところ、高い再生出力を得た。これは、本発明の
磁気ヘッドに高磁気抵抗効果および低飽和磁界を示す多
層膜を用い、適切なバイアス磁界を印加したためと考え
られる。
【0048】上記実施例ではバイアス法としてはシャン
トバイアス法を用いた場合を示したが、電流バイアス
法、永久磁石法、ソフトバイアス法、相互バイアス法な
ど別のバイアス法を使用しても同様な効果が得られる。
トバイアス法を用いた場合を示したが、電流バイアス
法、永久磁石法、ソフトバイアス法、相互バイアス法な
ど別のバイアス法を使用しても同様な効果が得られる。
【0049】ところで、磁気ヘッドが記録および再生能
力を同時に有している場合、基板に近い部分に記録用の
素子を形成すると、記録用素子の上部では、コイル、磁
極などの形成のために、大きな段差が生じる。この上
に、磁気抵抗効果多層膜を形成すると、段差の影響で多
層構造が乱れ、好ましくない。これに対し、図9のよう
に、基板に近い部分に再生用の磁気抵抗効果素子を形成
すると、比較的段差の少ない部分に磁気抵抗効果素子が
形成されるため、多層構造の乱れが生じにくい。これ
は、パ−マロイ単層膜を用いた磁気抵抗効果素子とは本
質的に異なる現象である。
力を同時に有している場合、基板に近い部分に記録用の
素子を形成すると、記録用素子の上部では、コイル、磁
極などの形成のために、大きな段差が生じる。この上
に、磁気抵抗効果多層膜を形成すると、段差の影響で多
層構造が乱れ、好ましくない。これに対し、図9のよう
に、基板に近い部分に再生用の磁気抵抗効果素子を形成
すると、比較的段差の少ない部分に磁気抵抗効果素子が
形成されるため、多層構造の乱れが生じにくい。これ
は、パ−マロイ単層膜を用いた磁気抵抗効果素子とは本
質的に異なる現象である。
【0050】以上の観点から、磁気ヘッドが記録および
再生能力を同時に有している場合、基板に近い部分に再
生用の磁気抵抗効果素子を形成することが好ましい。
再生能力を同時に有している場合、基板に近い部分に再
生用の磁気抵抗効果素子を形成することが好ましい。
【0051】また、同じ観点から、記録用の素子と、再
生用の磁気抵抗効果素子を同じ基板における他の場所に
形成すると、段差の少ない部分に磁気抵抗効果素子を形
成できる。
生用の磁気抵抗効果素子を同じ基板における他の場所に
形成すると、段差の少ない部分に磁気抵抗効果素子を形
成できる。
【0052】しかし、記録用の誘導型磁気ヘッドを形成
するプロセスにおいて、磁気ヘッドが高い温度になる場
合は、先に誘導型磁気ヘッドを形成することが好まし
い。これは、磁気抵抗効果多層膜の熱安定性が低いため
である。
するプロセスにおいて、磁気ヘッドが高い温度になる場
合は、先に誘導型磁気ヘッドを形成することが好まし
い。これは、磁気抵抗効果多層膜の熱安定性が低いため
である。
【0053】また、本発明の磁気抵抗効果素子は、磁気
ヘッド以外の磁界検出器にも用いることができる。
ヘッド以外の磁界検出器にも用いることができる。
【0054】また、さらに、上記磁気ヘッドを磁気記録
再生装置に用いることにより、高性能磁気記録再生装置
が得られる。
再生装置に用いることにより、高性能磁気記録再生装置
が得られる。
【0055】
【発明の効果】上述のように、非磁性層を積層した多層
膜を用いた磁気抵抗効果素子において、非磁性層を積層
した多層膜を用いた磁気抵抗効果素子において、磁性層
としてNi−Fe−Co、Ni−Fe系合金等の面心立
方格子構造を有する磁性材料を用い、磁性層の結晶の
(200)面によるX線回折強度I200と結晶の(11
1)面によるX線回折強度I111の強度の関係を、0.
2≦I200/(I111+I200)≦0.5とすることによ
り、低飽和磁界および高磁気抵抗効果を同時に得ること
ができる。また、上記磁気抵抗効果多層膜は、磁気抵抗
効果素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適である。
また、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能磁気
記録再生装置を得ることができる。
膜を用いた磁気抵抗効果素子において、非磁性層を積層
した多層膜を用いた磁気抵抗効果素子において、磁性層
としてNi−Fe−Co、Ni−Fe系合金等の面心立
方格子構造を有する磁性材料を用い、磁性層の結晶の
(200)面によるX線回折強度I200と結晶の(11
1)面によるX線回折強度I111の強度の関係を、0.
2≦I200/(I111+I200)≦0.5とすることによ
り、低飽和磁界および高磁気抵抗効果を同時に得ること
ができる。また、上記磁気抵抗効果多層膜は、磁気抵抗
効果素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適である。
また、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能磁気
記録再生装置を得ることができる。
【図1】本発明のNi−Fe/Cu磁気抵抗効果多層膜
のX線回折強度比と飽和磁界との関係を示すグラフであ
る。
のX線回折強度比と飽和磁界との関係を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の磁気抵抗効果多層膜の断面構造であ
る。
る。
【図3】本発明のNi−Fe/Cu磁気抵抗効果多層膜
のX線回折強度比と磁気抵抗変化率との関係を示すグラ
フである。
のX線回折強度比と磁気抵抗変化率との関係を示すグラ
フである。
【図4】本発明のNi−Fe−Co/Cu磁気抵抗効果
多層膜のX線回折強度比と飽和磁界との関係を示すグラ
フである。
多層膜のX線回折強度比と飽和磁界との関係を示すグラ
フである。
【図5】本発明のNi−Fe−Co/Cu磁気抵抗効果
多層膜のX線回折強度比と磁気抵抗変化率との関係を示
すグラフである。
多層膜のX線回折強度比と磁気抵抗変化率との関係を示
すグラフである。
【図6】本発明のNi−Fe−Co/Cu磁気抵抗効果
多層膜における磁性層のCo濃度と磁気抵抗変化率との
関係を示すグラフである。
多層膜における磁性層のCo濃度と磁気抵抗変化率との
関係を示すグラフである。
【図7】Ni−Fe−Co系合金のCo濃度と異方性磁
界との関係を示すグラフである。
界との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の磁気抵抗効果多層膜を用いた磁気抵抗
効果素子の構造を示す斜視図である。
効果素子の構造を示す斜視図である。
【図9】本発明の磁気ヘッドの構造を示す斜視図であ
る。
る。
11…磁性層、12…非磁性層、13…バッファ層、1
4…基板、21,22…シ−ルド層、23…多層磁気抵
抗効果膜、24…電極、31…多層磁気抵抗効果膜、3
2,33…シ−ルド層、34…コイル、35…下部磁
極、36…上部磁極、37…基体、38…導体層、39
…電極。
4…基板、21,22…シ−ルド層、23…多層磁気抵
抗効果膜、24…電極、31…多層磁気抵抗効果膜、3
2,33…シ−ルド層、34…コイル、35…下部磁
極、36…上部磁極、37…基体、38…導体層、39
…電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 達哉 愛知県名古屋市昭和区元宮町4丁目2番地 (72)発明者 神保 睦子 三重県四日市市桜台二丁目5番地の87 (72)発明者 中谷 亮一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 杉田 愃 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】磁性層と非磁性層を積層した多層膜を用い
た磁気抵抗効果多層膜において、上記磁性層が面心立方
格子構造を有し、上記磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5であることを特徴とする磁気抵抗
効果多層膜。 - 【請求項2】上記磁気抵抗効果多層膜の飽和磁界が80
kA/m以下であることを特徴とする請求項1記載の磁
気抵抗効果多層膜。 - 【請求項3】上記面心立方格子構造を有する磁性層がN
i−Fe系合金であることを特徴とする請求項1または
請求項2記載の磁気抵抗効果多層膜。 - 【請求項4】上記面心立方格子構造を有する磁性層がN
i−Fe−Co系合金であり、上記磁性層の結晶の(2
00)面によるX線回折強度I200と結晶の(111)
面によるX線回折強度I111の強度の関係が、0.2≦
I200/(I111+I200)≦0.4であることを特徴と
する請求項1または請求項2記載の磁気抵抗効果多層
膜。 - 【請求項5】上記Ni−Fe−Co系合金のCo濃度が
10〜25at%であることを特徴とする請求項4記載
の磁気抵抗効果多層膜。 - 【請求項6】磁性層と非磁性層を積層した多層膜を用い
た磁気抵抗効果多層膜において、上記磁性層が面心立方
格子構造を有し、上記磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5である磁気抵抗効果多層膜を少な
くとも一部に用いたことを特徴とする磁気抵抗効果素
子。 - 【請求項7】磁性層と非磁性層を積層した多層膜を用い
た磁気抵抗効果多層膜において、上記磁性層が面心立方
格子構造を有し、上記磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5である磁気抵抗効果多層膜を少な
くとも一部に用いたことを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項8】磁性層と非磁性層を積層した多層膜を用い
た磁気抵抗効果多層膜において、上記磁性層が面心立方
格子構造を有し、上記磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5である磁気抵抗効果多層膜を少な
くとも一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッ
ドを組み合わせたことを特徴とする複合型磁気ヘッド。 - 【請求項9】磁性層と非磁性層を積層した多層膜を用い
た磁気抵抗効果多層膜において、上記磁性層が面心立方
格子構造を有し、上記磁性層の結晶の(200)面によ
るX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX線
回折強度I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5である磁気抵抗効果多層膜を少な
くとも一部に用いた磁気ヘッドを有することを特徴とす
る磁気記録再生装置。 - 【請求項10】磁性層と非磁性層を積層した多層膜を用
いた磁気抵抗効果多層膜において、上記磁性層が面心立
方格子構造を有し、上記磁性層の結晶の(200)面に
よるX線回折強度I200と結晶の(111)面によるX
線回折強度I111の強度の関係が、0.2≦I200/(I
111+I200)≦0.5である磁気抵抗効果多層膜を少な
くとも一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッ
ドを組み合わせた複合型磁気ヘッドを有することを特徴
とする磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5242379A JPH0799113A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 磁気抵抗効果多層膜および磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5242379A JPH0799113A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 磁気抵抗効果多層膜および磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0799113A true JPH0799113A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17088296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5242379A Pending JPH0799113A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 磁気抵抗効果多層膜および磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0799113A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2006225810B2 (en) * | 2005-03-18 | 2009-06-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Dual fuel injection system internal combustion engine |
-
1993
- 1993-09-29 JP JP5242379A patent/JPH0799113A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2006225810B2 (en) * | 2005-03-18 | 2009-06-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Dual fuel injection system internal combustion engine |
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