JPH079777A - 感光性平版印刷版用支持体およびその製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版用支持体およびその製造方法

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JPH079777A
JPH079777A JP15969293A JP15969293A JPH079777A JP H079777 A JPH079777 A JP H079777A JP 15969293 A JP15969293 A JP 15969293A JP 15969293 A JP15969293 A JP 15969293A JP H079777 A JPH079777 A JP H079777A
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Yoshihiro Koya
美廣 小屋
Teruo Takada
輝雄 高田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルミニウム板に機械的粗面化処理後、化学
的粗面化処理を施してなる感光性平版印刷版用支持体で
あって、機械的粗面化処理によって形成されたカサ状変
形部が実質的に消失していることを特徴とする。 【効果】 汚れが発生しにくく、耐刷性に優れた感光性
平版印刷版用支持体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版用支持体の製
造方法に関するものである。詳しくは平版印刷版用アル
ミニウム板よりなる粗面板及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷版とくにオフセット印刷版用
支持体としてはアルミニウム又はその合金板が使用され
ているが、該支持体はその上に設けられる感光層と適度
の接着性を有しかつ保水性を有していることが必要とさ
れる。この目的のために、支持体表面を均一かつ緻密な
砂目を有する様に粗面化処理がおこなわれている。該粗
面化法としては、ロール状金属ワイヤーやナイロンブラ
シを回転させておこなうワイヤーグレイン(特開昭53
−145701号公報)、ブラシグレインや研磨材を表
面に衝突させておこなうブラストグレイン(特開昭50
−136101号、特開昭60−19593号各公報)
等の機械的粗面化方法や電解グレインと称される電気化
学的粗面化方法、あるいは化学的粗面化方法、さらには
これらの粗面化法を組み合わせた方法(特開昭54−6
3902号公報)等が提案されている。研磨材を表面に
衝突させておこなうブラストグレインには、乾式下で砂
などの研磨剤を処理材の表面に加速衝突させておこなう
サンドブラスト処理や、液体に研磨材を分散させた研磨
液(スラリー)を圧縮空気や高圧液体とともにノズル内
または外で合流させ加速吹付けする方法等が提案されて
いる。
【0003】しかしながらこれらの従来の方法にはそれ
ぞれ次のような問題点があった。ワイヤーグレインでは
粗面化処理した表面が不均一な粗面となり、ブラシグレ
インでは目的とする粗さが得られず、また用いられる研
磨ブラシの摩耗により各板間に粗面のばらつきが生じや
すい。またブラシの毛先と研磨材により、表面が複雑に
かきむしられた状態になり、その表面に鋭い突起を残し
たり、局部的に深く鋭い凹部が残る。そのためアルミニ
ウム版の取扱の際に表面が傷がつきやすかったり、現像
の際、凹部等に感光層が除去されずに残留して版面に汚
れを生じたりする問題があった。サンドブラストの場合
は乾式下での処理のため研磨剤が粉塵となり、作業環境
が悪化する。更に処理材が変形しやすく、それを後の工
程で修正する必要性があるなどの問題点があった。
【0004】液体に研磨材を分散させた研磨液(スラリ
ー液)を圧縮空気や高圧液体とともにノズル内または外
で合流させ加速吹き付けする方法は、研磨液と圧縮空気
や高圧液体用の配管をノズル近傍まで別々に設置しなけ
ればならず、かつ該配管を非常に狭い間隔で設けなけれ
ばならないため構造が複雑となる。そのためメンテナン
ス性が非常に悪くなる。また圧縮空気や高圧の液体が必
要なため、圧縮機等の高圧ポンプの運転経費が多大とな
る。また圧縮空気や高圧水で衝突させて処理するため支
持体表面へ研磨材が突き刺さり、そのまま残留すること
が多い。これをそのまま後の工程へ持ち込むと印刷現像
時に汚れが発生するため粗面化後に強度のアルカリ等に
よるエッチングが必要であった。
【0005】また特に高圧液体を用いて吹き付けさせる
方法においてはスラリー液が高圧液体と合流するため希
釈され、処理後のスラリー液を回収し、再度使用する
際、濃縮処理が必要であり、かつその廃水量が多いとい
う欠点があった。これら高圧による処理材の変形、及び
装置の複雑大型化の問題を解決する手法として、キャリ
アー流体の随伴なしに研磨材を水に均一に分散した研磨
液を比較的低い圧力で加圧噴射することにより粗面化処
理する方法が提案されている。(特願平4−31364
5号)
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】これら機械研磨法の
共通の問題点として、研磨時の研磨材等が表面に残留
し、またアルミニウム支持体表面のささくれ状変形によ
り印刷時の欠陥発生を引き起すことがあり、これを防止
するため機械的粗面化後に化学研磨を行うことが提唱さ
れている。そしてこの化学研磨では研磨量で得られる粗
面の良否を制御する試みが知られており、確かに一般論
として研磨量が余りに不十分な場合には、印刷版におけ
る非画線部の現像後の感光層の抜けが悪く、汚れの発生
がしばしば観察される。一方、研磨量が余りに多すぎる
と中心線平均粗さRaが大きくなりすぎ画像再現性が劣
化する傾向は認められる。
【0007】
【発明を解決するための手段】しかしながら、本発明者
等の知見によれば適正な粗面は必ずしも化学研磨量には
直接的には依存せず、機械的粗面化後の粗面の形態と密
接な関係を有することを見出し本発明に到達した。即ち
本発明の目的は、平版印刷用支持体に要求される砂目
を、スラリー液等を用いて機械的に粗面化し、その後化
学研磨することにより得ようとした時の砂目の適正形状
と適正処理方法を提案することにあり、本発明の他の目
的は、印刷物に汚れが発生せず、また画像再現性にも優
れた平版印刷版用支持体およびその製造方法を提供する
ことにあり、本発明の更に他の目的は、機械的粗面化
後、化学研磨して平版印刷版用支持体を得る際に、機械
的粗面化の状態に影響されることなく適確に所望の粗面
を得る方法及びその様にして得られた支持体を提供する
ことにある。
【0008】
【発明を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
は、アルミニウム板に機械的粗面化処理後、化学的粗面
化処理を施してなる感光性平版印刷版用支持体であっ
て、機械的粗面化処理によって形成されたカサ状変形部
が実質的に消失していることを特徴とする感光性平版印
刷版用支持体およびアルミニウム板に機械的粗面化処理
後、化学的粗面化処理を施してなる感光性平版印刷版用
支持体の製造方法であって、化学的粗面化処理によっ
て、機械的粗面化処理で得られた中心線平均粗さRaを
2〜20%の範囲で増加させることを特徴とする感光性
平版印刷版支持体の製造方法によって容易に達成され
る。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明に適
用されるアルミニウム板としては純アルミニウム及び、
アルミニウム合金板が含まれる。アルミニウム合金板と
しては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガ
ン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッ
ケルなどの金属とアルミニウムの合金が用いられる。ア
ルミニウム板を粗面化するに先立ち、アルミニウム板の
圧延油の除去と表面の洗浄等を行うことが好ましい。そ
の方法は例えばトリクレン等の溶剤や、界面活性剤、及
び、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ・
エッチング剤を用いる方法等があげられる。
【0010】また、アルカリ・エッチング剤で脱脂処理
した場合には支持体上にスマットが発生するので、これ
を硝酸、硫酸等に浸漬処理することが好ましい。次に、
アルミニウム支持体を機械的研磨により表面処理する
が、例えばアルミニウム支持体に対して、研磨材を水に
均一に分散させた研磨液を加圧し、他のキャリア流体を
随伴させることなく、研磨液のみをノズルより直接加圧
噴射することにより板表面に衝突させ、粗面化処理する
手法を用いる場合について以下説明する。
【0011】該粗面化処理装置は上述の処理ができれば
よく、特に限定されないが例えば、スラリー撹はん槽、
加圧送液ポンプ、送液配管、噴射ノズル、回収槽、噴射
後の液を所定の液組成にしてリサイクルさせる回収装置
などから構成される。該粗面化処理装置は上述の処理が
できればよく、特に限定されないが例えば図1に示すよ
うに、スラリー撹はん槽1、加圧送液ポンプ2、送液配
管4、噴射ノズル5、回収槽(図示せず)、噴射後の液
を所定の液組成にしてリサイクルさせる回収装置(図示
せず)などから構成される。
【0012】スラリー撹はん槽1はスラリー中の固形分
である研磨材が沈降しないように、即ち均一に研磨材が
分散されるように、撹はんするための撹はん機と槽内に
スラリーを供給する供給口からなる。研磨材の沈降防止
とスラリー組成を均一にするための撹はん機構は、限定
はされないが、容器内に挿入されたプロペラを利用する
方式でもよく、またスラリーを循環させる機構のもので
あってもよい。スラリーを常に動かすことによって研磨
材の沈降を防止することができる。加圧送液ポンプ2は
スラリー撹はん槽1中で均一な組成とされたスラリーを
取り出し、送液配管4を通じて噴射ノズル5へ送り出
す。ポンプ内の接液部は供給口、噴射口以外は密閉され
ており、また接液部はスラリーによるポンプ内の摩耗防
止のため、耐久性のある材料、例えば超高分子量ポリエ
チレン(分子量約300万〜600万)等により形成さ
れていることが好ましい。
【0013】噴射ノズル5は1個でも複数個でもよく、
複数個の場合は各噴射ノズルから噴射するスラリーの圧
力が一定になるようにまたは所望の圧力になるように同
一配管上に設けることが好ましい。通常の工業的な印刷
用支持体の製造では、同時に処理可能な面が大きい方が
好ましいので、複数個の噴射ノズルを設けることが好ま
しい。また、一系統の配管のみで複数個の噴射ノズルへ
の配管を共用することができるので、噴射ノズル近傍の
配管はシンプルな形態をとることができ、任意の噴射ノ
ズル配置パターンを採用することが容易である。さらに
また、ノズル孔の広がり角度を任意に調整してもよい。
そのため複数個のノズルにより一度に広いアルミニウム
板面を粗面化処理したり、アルミニウム板を任意のパタ
ーンに粗面化処理することも可能である。
【0014】アルミニウム板は、限定はされないが例え
ば搬送回転ロール7上に乗せ、搬送させながらスラリー
を噴射し粗面化処理してもよい。噴射ノズル5より噴射
し、板表面に衝突した後のスラリーを回収し、そのまま
スラリー撹はん槽(図示せず)へリサイクルすることも
できる。このように、供給側と回収側のスラリーが同一
組成であるので、スラリー管理が容易となる。また研磨
液の使用時間が長くなると研磨材の粒度が摩耗により変
化することがあるため、一定量の液をスラリー撹はん槽
より抜き出し、粒度の変化した研磨材を回収し、残部及
び新規研磨材をスラリー撹はん槽へ送る装置(図示せ
ず)を組み込むことにより、常に均一なスラリー組成と
するような装置構成とすることもできる。
【0015】しかしながら適正な中心線平均粗さRaの
砂目を得るためには以下に述べる研磨材の粒度、スラリ
ーの噴射圧力の他処理時間の最適化が必要である。連続
のアルミニウムウェブを処理する場合、ウェブの1点に
着目したとき、その点の処理時間は下記の式〔I〕で表
わされる。即ち、ノズルを数多く配置して噴射が当る回
数を増やし、走行スピードを遅くすることにより処理時
間は長くなる。
【0016】
【数1】 S:アルミニウムウェブの処理時間(単位:秒) W:ウェブ走行方向のノズルからの噴射径(単位:m) n:ノズル噴射が当たる回数(単位:回) L:ウェブ走行スピード(単位:m/秒)
【0017】ノズルからのスラリーの噴射圧力は1〜2
0kg/cm2 Gの範囲から選択されることが一般的で
あって、よりこの好ましくは1〜10kg/cm2 Gで
ある。これよりも低圧の場合は所望のRaより小さすぎ
る場合があり、所望のRaが得られた場合であっても、
長時間の操作を必要とすることがある。高圧の場合には
Raが大きすぎ、印刷特性の画像再現性が低下すること
がある他、装置の摩耗が生じたり、処理面の変形等が生
じることがある。つまり、スラリーの加圧用として従来
必要とされていた圧力よりかなり低圧のポンプを用いる
ことが可能となり、ノズル等の摩耗も従来よりかなり少
なくすることができる。
【0018】またノズルはスラリーに対して耐久性のあ
る材料、例えば分子量約300万〜800万の超高分子
量ポリエチレン等を使用することが好ましい。スラリー
液の組成は液体例えば通常は水と研磨材の微粉末からな
る。研磨材としては特に限定はされないが、例えばダイ
ヤモンド、水晶、フリント、花こう岩、アランダム、サ
クランダム、シリカ、パミス、炭化珪素、砂等がある
が、好ましくはアランダム、サクランダム等のアルミナ
である。
【0019】研磨材の粒子径は所望の粗さにより最適な
範囲は変化するが、通常はJIS#20〜4000、好
ましくは#100〜#500である。このような各種条
件を用いてアルミニウム板は粗面化されRaは増加する
が、次にその粗面化のプロセスについて述べる。まず研
磨材9の鋭角部分がアルミニウム板表面10に衝突し、
衝突した周囲のアルミニウムを盛上げ、盛り上がったア
ルミニウムの一部は、尖鋭な頂部を有する“カサ”状部
8 (以下カサと称す。)を形成する。形成されたカサ8
はアルミニウム板表面10に衝突した研磨材9の鋭角角
度に応じたアンダーカットになっており、感光性組成物
塗布時はカサ8の外側に生じた空隙部にも感光性組成物
が容易に入り込み、非画線部である場合、現像後に感光
層が残存しやすい場所となる(図2 (1))。一方、研
磨材9の鋭角部分以外はアルミニウム板表面10への衝
突時、浅い凹部を形成するが、一部はカサ8を押しつぶ
す(図2 (2))。この時アルミニウム板には、空洞1
1を有する形状が観察される。この様に、Raを増加さ
せるのは主に砥粒の鋭角部分の働きであると考えられ
る。上記のアルミニウム表面での変形は、他の機械的研
磨法即ちブラシ等を用いた手法の場合でも同様でカサや
空洞が生じる。
【0020】機械的に粗面化されたアルミニウム板は、
次に表面を化学的に処理されるが、この工程は粗面化処
理で出来た表面に残存している研磨剤や酸化物等を取り
除く等の効果を有する。発明者らはこの化学研磨処理と
印刷特性との関係について鋭意検討した所、カサや空洞
の消失した時、汚れ等の発生が急激に減少することを見
いだし本発明に至ったものである。更に詳細に述べる
と、化学研磨に於いてはカサ状部を含め全体的溶解が起
るが、印刷時に於ける汚れ発生と対応するのは溶解量で
はなく、カサの形状が崩れ、実質的に感光層の残留を起
さない形状に変化することが重要であることを見出し
た。即ち、化学研磨の量は単位面積当りの重量変化で管
理することが公知であるが、この手法は、表面に残存し
ている研磨剤等を取除くことのみを目的とした場合に
は、十分に多量な溶解量を選択すればよいので有効であ
るものの、機械的研磨法の場合には、研磨材の種類や粗
さの程度によりアルミニウム板表面積が変化するので、
カサや空洞の除去を一義的に重量で管理することは画像
再現性を悪化させる場合があるので有効ではない。その
形状が有効に変化したことを確認する必要があり、より
効果の高い化学研磨の管理方法が必要であった。本発明
者らは、これについても鋭意検討し、機械的研磨によっ
て得られたRaに対し、2%以上の増加が測定された時
のみアンダーカットや空洞の除去が可能であることを確
認した。しかしながら化学研磨は必要十分であれば良
く、必要以上の化学研磨は溶解アルミニウム量を多量に
発生させ廃液処理が煩雑となる。この必要十分なRaの
増加量は20%である。
【0021】本発明においては、機械的粗面化処理の次
に化学的処理を行って、“カサ”状変形部を実質的に消
失させる。なお、実質的に消失させるとは印刷特性に影
響を及ぼさない程度に消失させることを意味する。化学
的に処理する方法としてはアルミニウムを溶解する酸、
またはアルカリ水溶液に浸漬処理する方法等公知の方法
が適用可能である。しかしながら本発明に係わる化学研
磨処理では特にアルカリ水溶液を使用することが好まし
い。これはアルカリの方が酸と比較してアルミニウムの
溶解速度が速く、効率がよいからである。またアルカリ
水溶液で処理した場合にはスマットが発生するので、こ
れを硝酸、硫酸等に浸漬処理してスマットを除去するこ
とが好ましい。
【0022】次にこの機械的粗面化直後行われる化学研
磨によって増加するRaと印刷特性の関連を検討したと
ころ、印刷時の汚れが消失する条件は、Raの増加量2
%以上であり、カサ消失と良く対応していた。またRa
の増加による画像再現性等の印刷特性の低下が見られる
のはRa増加20%以上であり、これも形状変化の上限
値と良く対応していた。
【0023】機械的粗面化後、本発明に基づき化学的に
処理されたアルミニウム板は、次いで電気化学的に粗面
化処理を行うことが好ましい。電気化学的な粗面化は従
来より公知の方法が使用されるが、電解液としてはアル
ミニウムを侵すイオンを含む電解液中でアルミニウム板
を交流電解する事により行われる。このように電気化学
的粗面化を用いた場合、スマットを除去するため化学的
な処理がされる。より具体的な電解液としては塩酸、硝
酸またはこれらに添加物を含むものあるいは混酸等が上
げられ、その濃度は一般に0.5〜5重量%の範囲から
選択される。交流電源としては従来公知のものが使われ
るが、好ましくは正弦波の単相及び三相交流等が使用さ
れる。
【0024】以上のように処理されたアルミニウム板は
更に、常法に従って硫酸、燐酸などの水溶液中での電解
処理による陽極酸化処理、しかる後に必要に応じて親水
化または不活性化のために熱水処理、珪酸塩、酢酸塩、
親水性高分子化合物を含有する水溶液中への浸漬処理等
を行うことができる。このようにして得られたアルミニ
ウム板には、常法に従って感光層を設けて感光性平版印
刷板を得ることができる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいてより具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されものではない。
【0026】<実施例1〜4、比較例1〜2>厚さ0.
3mmの1050材アルミニウム板(300mm×70
0mm)を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して脱脂処理
し、その後水洗し、硫酸水溶液に浸漬し、水洗する前処
理を行った。次に、図1に模式的に示した装置を用いて
表−1のごとく調整したスラリーで下記条件にて粗面化
処理を行った。
【0027】
【表1】 1)スラリーの調整 容量比 研磨材:ホワイトアランダム (JIS#150、日本研磨材工業製) 20部 水 : 80部 両者を混合後、研磨材が沈降せずに分散するように撹拌
機により撹拌した。
【0028】
【表2】 2)処理条件 a)スラリーの噴射圧 4kg/cm2 G b)ノズル口径 縦直径2mm横直径4mm楕円 c)ノズル数 24個 d)処理時間 10秒 アルミニウム板を搬送回転ロールに乗せ、搬送しながら
スラリーを噴射し、粗面化処理を行った。この時のRa
は0.55μmであった。
【0029】次に3%の水酸化ナトリウム水溶液65℃
に浸漬し化学処理を行い、Raを測定して表−1に示し
た。実施例2〜4、比較例1〜2として、実施例1と同
様に機械的粗面化後、化学処理時間を変えて作製した試
料のRaを測定し、表−1に示した。化学処理された何
れの試料とも常法に従って硫酸溶液中直流電流を用いて
陽極酸化処理をおこない、20mg/m2 の陽極酸化皮
膜を設けた。水洗乾燥後、下記に示す組成の感光性組成
物塗布液を乾燥後の厚さが2.5g/m2 になるように
塗布した。
【0030】
【表3】 (感光性組成物塗布液) 感光性組成物塗布液組成 ノボラック樹脂 6.7g フェノールとm−クレゾールとp−クレゾールとホ ルムアルデヒドとの共重縮合樹脂 (フェノールとm−クレゾールとp−クレゾールの 各々のモル比が2.0:4.8:3.2、Mw= 6500、Mw/Mn=5.4) o−キノンジアジド化合物 1.5g 1、2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド とピロガロール・アセトン樹脂のエステル化合物 (Mw=2200、25%のエステル化率) 界面活性剤 0.2g エマルゲン120(花王(株)製) (ポリオキシエチルラウリルエーテル) ビクトリアピュアブルーBOH 0.08g (保土ケ谷化学(株)製) ハロゲン遊離基を生成する化合物 0.15g 2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリ ル)−1、3、4−オキサジアゾール メチルセルソルブ 100ml
【0031】このようにして得られた感光性の印刷版
を、露光を2kWメタハライドランプを使用して8mW
/cm2 で60秒間照射し、現像は市販現像液SDR−
1 (コニカ(株)製)の5倍希釈液を用い、25℃にて
30秒間現像し非画線部の汚れ発生を観察した。またそ
の後印刷機にかけて印刷を行い汚れ発生する印刷枚数を
測定した。これらの結果を表−1に示す。
【0032】表−1の結果に示す実施例より、本発明の
化学研磨手法即ち、機械的粗面化したアルミニウムまた
はその合金板を、機械的粗面化によって得られたRaに
対し、2%以上20%以下の範囲で増加させることには
汚れのない、印刷特性の優れた平版用印刷支持体を提供
するものであることが明白である。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版支持体および
その製造方法に従って作製された感光性平版印刷版支持
体は、汚れが発生しにくく、耐刷性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械的粗面化の一態様例を示す模式図である。
【図2】カサ状変形部の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 スラリー撹はん槽 2 加圧送液ポンプ 3 粗面化処理装置 4 送液配管 5 噴射ノズル 6 アルミニウム板 7 搬送回転ロール 8 カサ状変形部 9 研磨材 10 アルミニウム板表面 11 空洞部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板に機械的粗面化処理後、
    化学的粗面化処理を施してなる感光性平版印刷版用支持
    体であって、機械的粗面化処理によって形成されたカサ
    状変形部が実質的に消失していることを特徴とする感光
    性平版印刷版用支持体。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板に機械的粗面化処理後、
    化学的粗面化処理を施してなる感光性平版印刷版用支持
    体の製造方法であって、化学的粗面化処理によって、機
    械的粗面化処理で得られた中心線平均粗さRaを2〜2
    0%の範囲で増加させることを特徴とする感光性平版印
    刷版支持体の製造方法。
JP15969293A 1993-06-29 1993-06-29 感光性平版印刷版用支持体およびその製造方法 Pending JPH079777A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0960743A2 (en) * 1998-05-28 1999-12-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Aluminum support for lithographic printing plate and production method thereof

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EP0960743A3 (en) * 1998-05-28 2000-03-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Aluminum support for lithographic printing plate and production method thereof

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