JPH05301479A - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法

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JPH05301479A
JPH05301479A JP31364592A JP31364592A JPH05301479A JP H05301479 A JPH05301479 A JP H05301479A JP 31364592 A JP31364592 A JP 31364592A JP 31364592 A JP31364592 A JP 31364592A JP H05301479 A JPH05301479 A JP H05301479A
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plate
slurry
aluminum
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JP31364592A
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Inventor
Toshihiro Yoshida
稔浩 吉田
Shinichi Sugano
晋一 菅野
Teruo Takada
輝雄 高田
Hiroshi Tomiyasu
寛 富安
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平版印刷版用支持体の製造方法で、アルミニ
ウム板又はその合金板表面に対してノズルより、研磨材
を水に均一に分散した研磨液を、他のキャリア流体を随
伴させることなく、直接加圧噴射することにより粗面化
処理することを特徴とする。 【効果】 本発明の平版印刷版用支持体の製造方法は、
平版印刷版用支持体の版面全体にわたる均一な粗面化を
高生産性、低コスト、簡便な装置、良好な作業環境で実
施することを可能にし、他の機械的粗面化法では得られ
ない均一な砂目粗面の製造を可能にし、現像後の汚れが
少なく、耐刷力に優れた印刷版の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版用支持体の製
造方法に関するものである。詳しくは平版印刷版用アル
ミニウム板又はその合金板よりなる粗面板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷板とくにオフセット印刷版用
支持体としてはアルミニウム板又はその合金板が多く使
用されている。アルミニウム板又はその合金板を該支持
体として使用するには、その上に設けられる感光層と適
度な接着性を有しかつ保水性を有することが必要とされ
る。この目的のために、支持体表面が均一かつ緻密な砂
目を有する様に粗面化処理がおこなわれている。該粗面
化法としては、例えば、ロール状金属ワイヤーやナイロ
ンブラシを回転させておこなうワイヤーグレイン(特開
昭53ー145701号公報)、ブラシグレイン、研磨
材を表面に衝突させておこなうブラストグレイン(特開
昭50ー136101号、特開昭60ー19593号各
公報)等の機械的粗面化方法や電解グレインと称される
電気化学的粗面化方法、あるいは化学的粗面化方法、さ
らにはこれらの粗面化法を組み合わせた方法(特開昭5
4ー63902号公報)等が提案されている。研磨材を
表面に衝突させておこなうブラストグレインには、乾式
下で砂などの研磨材を処理材の表面に加速衝突させてお
こなうサンドブラスト処理や、液体に研磨材を分散させ
た研磨液(スラリー)を遠心力で処理材の表面にたたき
つける遠心投射方式(例えば特開昭51−53906号
公報等)、研磨液を圧縮空気や高圧液体のようなキャリ
ア流体とともにノズル内または外で合流させ加速吹き付
けする方法(特開昭60−19593号公報等)等が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
機械的粗面化方法にはそれぞれ次のような問題点があっ
た。ワイヤーグレインでは粗面化処理した表面が方向性
を有し、かつ不均一な粗面となるという従来技術の難点
があった。ブラシグレインでは粗面化処理した表面が方
向性を有し、かつ粗面の粗さが不十分で、また用いられ
る研磨ブラシの摩耗により支持体ごとに粗面状態のばら
つきが生じやすいという難点があった。またブラシの毛
先と研磨材により、表面が複雑にかきむしられた状態に
なり、その表面に鋭い突起を残したり、局部的に深く鋭
い凹部が残ることがあった。そのためアルミニウム版の
取扱の際に表面が傷がつきやすかったり、印刷版として
刷版現像の際凹部等に感光層が除去されずに残留して版
面に汚れを生じたりするという問題があった。
【0004】サンドブラストの場合は、乾式下での処理
のため研磨材が粉塵となることによる作業環境の悪化、
更に支持体がうねり等の変形を受けやすく、支持体が変
形した場合には、後の工程で修正する必要性があるなど
の問題点があった。液体に研磨材を分散させた研磨液
を、遠心力で加速してたたきつける遠心投射方式では、
得られた粗面が不均一であるという難点があった。液体
に研磨材を分散させた研磨液(スラリー)をキャリア流
体である圧縮空気や高圧液体等にノズル内または外で随
伴合流させ加速吹き付けする方法は研磨液と圧縮空気や
高圧液体用の配管をノズル近傍まで別々に設置しなけれ
ばならず、かつ該配管を非常に狭い間隔で設けなければ
ならないため構造が複雑となる。そのためメンテナンス
性が悪くなるという難点があった。また高圧であるキャ
リア液体を供給するため、圧縮機等の高圧ポンプの運転
経費が多大となり、さらには噴射ノズル、接液部の摩耗
が大きいという難点があった。また圧縮空気や高圧水等
の随伴により、研磨材を衝突させて処理するため板表面
へ研磨材が突き刺さり、そのまま残留することがあり、
これをそのまま後工程へ持ち込むと印刷現像時に汚れが
発生するため粗面化後に強度のアルカリ等によるエッチ
ングが必要となる等の難点があった。
【0005】また特にキャリア流体が高圧液体である場
合には、研磨液が高圧液体と合流するため希釈され、処
理後の研磨液を回収し、再度使用する際、濃縮処理が必
要であり、かつその廃水量が多くなるという難点があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる難
点を克服して、優れた平版印刷版用支持体の製造方法を
得るべく鋭意検討の結果、アルミニウム板又はその合金
板表面に対して、研磨材を水に均一に分散した研磨液
を、キャリア流体を随伴させることなく、直接加圧噴射
して粗面化処理する方法により、均一で、方向性のない
粗面化処理の施された印刷版用支持体を製造することが
でき、実用性に優れた平版印刷版用支持体の製造方法で
あることを見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明の目的は、均一かつ方向性の
ない優れた粗面化処理を可能にする、平版印刷版用支持
体の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、粗面化処理部分のパターン化を可能にし、高濃度の
研磨液での粗面化を可能にする等の機能性および生産性
に優れた平版印刷版用支持体の製造方法を提供すること
にある。
【0008】また本発明の他の目的は、耐刷性、保水
性、および現像後非画線部に汚れの無い平版印刷版用支
持体の製造方法を提供することにある。本発明の別の目
的は、低コストでメンテナンス性に優れ、簡便な装置で
実施可能な平版印刷版用支持体の製造方法を提供するこ
とにある。さらに本発明の別の目的は、研磨液のリサイ
クルを容易にし、かつ優れた作業環境での操作を可能に
する、平版印刷版用支持体の製造方法を提供することに
ある。
【0009】しかして、かかる本発明の目的は、アルミ
ニウム又はその合金板表面に対してノズルより、研磨材
を水に均一に分散した研磨液を、他のキャリア流体を随
伴させることなく、加圧噴射することにより粗面化処理
することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法に
よって容易に達成される。以下本発明を詳細に説明す
る。
【0010】本発明に適用される平版印刷版用支持体と
しては、純アルミニウム板及び、アルミニウム合金板が
含まれる。アルミニウム合金板としては種種のものが使
用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、ク
ロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアル
ミニウムの合金板が用いられる。アルミニウム板を粗面
化するに先立ち、アルミニウム板に周知の前処理を行
い、圧延油の除去と表面の洗浄等を行ってもよい。その
方法は、限定はされないが、例えばトリクレン等の溶剤
や、界面活性剤、及び、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ・エッチング剤を用いる方法等があげ
られる。また、アルカリ・エッチング剤で処理した場合
にはスマットが発生するので、これを硝酸、硫酸等に浸
漬処理することが好ましい。
【0011】次に、アルミニウム板又はその合金板表面
に対してノズルより、研磨材を水に均一に分散した研磨
液を直接加圧噴射することにより板表面に衝突させ、粗
面化処理する。本発明において研磨液を直接加圧噴射す
るとは、研磨材を水中に均一に分散した研磨液を、ポン
プ等を用いて加圧し、その研磨液自身に印加された圧力
で、支持体上へ噴射することを意味し、この際、研磨液
を構成する成分以外のキャリア流体は使用されないこと
を特徴とする。本発明はこの特定の噴射方法により、予
め均一に研磨材が分散された研磨液が、そのまま均一性
を保って支持体上に噴射されるので、支持体上に形成さ
れた粗面はきわめて均一となる。即ち、遠心投射方式
は、研磨液を遠心力で高速とすることに対し、本願では
研磨液自体をポンプで直接加速加圧する点で異なる。ま
た、研磨液を他のキャリア流体とノズル内または外で途
中で合流させ加速吹き付けする方法とは、研磨液を途中
でキャリア流体に随伴させていない点で異なる。さら
に、キャリア流体を生成するための高圧用の圧縮ポンプ
が不要となり、従来用いられていたポンプよりかなり低
圧用のポンプのみがあればよい点が異なる。
【0012】該粗面化処理装置は上述の処理ができれば
よく、特に限定されないが例えば図1に示すように、ス
ラリー撹はん槽1、加圧送液ポンプ2、送液配管4、噴
射ノズル5、回収槽(図示せず)、噴射後の液を所定の
液組成にしてリサイクルさせる回収装置(図示せず)な
どから構成される。スラリー撹はん槽1はスラリー中の
固形分である研磨材が沈降しないように、即ち均一に研
磨材が分散されるように、撹はんするための撹はん機と
槽内にスラリーを供給する供給口からなる。研磨材の沈
降防止とスラリー組成を均一にするための撹はん機構
は、限定はされないが、容器内に挿入されたプロペラを
利用する方式でもよく、またスラリーを循環させる機構
のものであってもよい。スラリーを常に動かすことによ
って研磨材の沈降を防止することができる。加圧送液ポ
ンプ2はスラリー撹はん槽1中で均一な組成とされたス
ラリーを取り出し、送液配管4を通じて噴射ノズル5へ
送り出す。ポンプ内の接液部は供給口、噴射口以外は密
閉されており、また接液部はスラリーによるポンプ内の
摩耗防止のため、耐久性のある材料、例えば超高分子量
ポリエチレン(分子量約300万〜600万)等により
形成されていることが好ましい。
【0013】噴射ノズル5は1個でも複数個でもよく、
複数個の場合は各噴射ノズルから噴射するスラリーの圧
力が一定になるようにまたは所望の圧力になるように同
一配管上に設けることが好ましい。通常の工業的な印刷
用支持体の製造では、同時に処理可能な面が大きい方が
好ましいので、複数個の噴射ノズルを設けることが好ま
しい。また、一系統の配管のみで複数個の噴射ノズルへ
の配管を共用することができるので、噴射ノズル近傍の
配管はシンプルな形態をとることができ、任意の噴射ノ
ズル配置パターンを採用することが容易である。さらに
また、ノズル孔の広がり角度を任意に調整してもよい。
そのため複数個のノズルにより一度に広いアルミニウム
板面を粗面化処理したり、アルミニウム板を任意のパタ
ーンに粗面化処理することも可能である。
【0014】噴射ノズル5からのスラリーの噴射圧力は
2〜10kg/cm2 Gであることが好ましい。これよ
りも低い場合は所望の粗さを得られなかったり、長時間
を要することがある。この値よりも高い場合には装置の
摩耗が生じたり、粗面化処理面にうねり等の変形等が生
じることがある。また噴射ノズル5はスラリーに対して
耐久性のある材料例えば超高分子量ポリエチレン(分子
量約300万〜600万)等を使用することが好まし
い。
【0015】アルミニウム板は、限定はされないが例え
ば搬送回転ロール7上に乗せ、搬送させながらスラリー
を噴射し粗面化処理してもよい。噴射ノズル5より噴射
し、板表面に衝突した後のスラリーを回収し、そのまま
スラリー撹はん槽(図示せず)へリサイクルすることも
できる。このように、供給側と回収側のスラリーが同一
組成であるので、スラリー管理が容易となる。また研磨
液の使用時間が長くなると研磨材の粒度が摩耗により変
化することがあるため、一定量の液をスラリー撹はん槽
より抜き出し、粒度の変化した研磨材を回収し、残部及
び新規研磨材をスラリー撹はん槽へ送る装置(図示せ
ず)を組み込むことにより、常に均一なスラリー組成と
するような装置構成とすることもできる。
【0016】スラリーの組成は、限定はされないが、液
体例えば通常は水と研磨材の微粉末からなる。研磨材と
しては、限定はされないが、例えばダイヤモンド、水
晶、フリント、花こう岩、アランダム、サクランダム、
シリカ、パミス、炭化珪素、砂等があり、その粒子径は
所望の粗さにより最適な範囲は変化するが通常はJIS
#20〜4000、好ましくは#100〜#500であ
る。そしてスラリーにおける研磨材の量は5〜80容量
%が好ましく、特に10〜50容量%の量が好ましい。
またスラリーには所望の界面活性剤や酸やアルカリ等を
添加することができる。
【0017】粗面化されたアルミニウム板は、次に表面
を化学的に処理することが好ましい。この工程は粗面化
処理でできた表面に残存している研磨材等を取り除く等
の効果がある。化学的に処理する方法としてはアルミニ
ウムを溶解する酸、またはアルカリ水溶液に浸漬処理す
る方法等公知の方法が適用可能である。本発明の粗面化
方法では表面に残存する研磨材は従来の粗面化方法に比
べ、非常に少なく、本処理は省略することも可能である
し、当然、行う場合は比較的弱い条件で処理することと
なる。
【0018】本処理では特にアルカリ水溶液を使用する
ことが好ましい。これはアルカリの方が酸と比較してア
ルミニウムの溶解速度が速く、効率がよいからである。
またアルカリ水溶液で処理した場合にはスマットが発生
するので、続けて硝酸、硫酸等に浸漬処理することが好
ましい。化学的に処理されたアルミニウム板は、次いで
必要に応じて表面を電気化学的に処理してもよい。この
電気化学的な粗面化は従来公知の機械的粗面化後に使わ
れる方法を用いることができる。またこのようにして電
解処理を組み合わせた場合は後に化学的な処理を行うこ
とが好ましい。この目的は電気化学的粗面化処理ででき
た表面に残存しているスマット等を取り除くためであ
る。化学的に処理する方法としてはアルミニウムを溶解
する酸、またはアルカリ水溶液に浸漬処理する方法等が
あり、さきに説明した機械的粗面化処理した後の化学的
処理の場合と同様にして行うができる。またアルカリで
処理した場合にはこれによるスマットも発生するので、
その後硝酸、硫酸等に浸漬処理することが好ましい。
【0019】以上のように処理されたアルミニウム板は
更に、常法に従って硫酸、燐酸などの水溶液中での電解
処理による陽極酸化処理、しかる後に必要に応じて親水
化または不活性化のために熱水処理や珪酸塩、酢酸塩、
親水性高分子化合物を含有する水溶液中への浸漬処理等
を行うことができる。このようにして得られたアルミニ
ウム板またはその合金板に常法に従って感光層を設けて
感光性平版印刷版を得ることができる。
【0020】本発明の平版印刷版に適用される感光層の
感光物質は特に限定されるものではなく、一般的に周知
のものが適用できる。例えば親水性ポリマーとジアゾニ
ウム塩からなる組成物、キノンジアジド化合物とアルカ
リ可溶性樹脂からなる組成物、活性光線の照射により二
量化する不飽和カルボン酸、例えばけい皮酸、フェニレ
ンジアクリル酸をその構成成分とするポリマー、活性光
線の照射により重合反応を起こす化合物とバインダーポ
リマーとの組成物あるいはアジド系感光性組成物等を好
適に使用することができる。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例に基づいて
より具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、これらの実施例および比較例に限定されない。 実施例1 厚さ0.3mmの1050材アルミニウム板300mm
×700mmを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して脱脂
処理し、その後水洗し、硫酸水溶液に浸漬し、水洗する
前処理を行った。
【0022】次に下記のごとく調製した研磨液を用い
て、下記の条件にて本発明による粗面化処理を行った。
【0023】
【表1】 [スラリーの調製] 容量比 研磨材:ホワイトアランダム (JIS#150、日本研磨材工業製) 20部 水 : 80部 両者を混合後、研磨材が沈降せずに分散するように、撹
はん機により撹はんした。
【0024】
【表2】 [処理条件] a)研磨液の噴射圧(ポンプ圧) 5kg/cm2G b)ノズル口径 縦直径2mm、横直径4mmの楕円 c)ノズル数 24個 (処理方向に対して垂直方向に3個。処理方向平行に8列配置した) d)ノズル孔広がり角度 90度 e)ノズルとアルミ板の距離 90mm f)処理時間(噴射により処理されている時間) 10秒 アルミニウム板を搬送回転ロール上に乗せり、搬送させ
ながらスラリーを噴射し、粗面化処理を行った。
【0025】次に3%の水酸化ナトリウム水溶液65℃
に7秒間浸漬してアルカリ処理し、その後水洗し、室温
の硫酸水溶液に15秒間浸漬し、水洗し、乾燥した。そ
の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.58μであ
った。その表面を走査型電子顕微鏡により観察した結
果、その表面は細かな凹凸があり、かつ均一であり、ま
たその表面には研磨材の残留が認められなかった。その
後アルミニウム板をその後常法にしたがって硫酸溶液中
直流電流を用いて陽極酸化処理をおこない、2.0g/
2の陽極酸化皮膜を設けた。
【0026】水洗乾燥後、下記に示す組成の感光性組成
物塗布液を、乾燥後の厚さが2.5g/m2となるよう
塗布した。
【0027】
【表3】 [感光性組成物塗布液組成] ノボラック樹脂 6.7g (フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、ホルムアルデヒドの共 重縮合樹脂であって、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールの 各々のモル比が2.0:4.8:3.2、Mw =6500、Mw/Mn= 5.4) o- キノンジアジド化合物 1.5g (1、2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドとピロガロール、ア セトン樹脂のエステル化合物) 界面活性剤 0.2g (エマルゲン120 (花王(株)製、ポリオキシエチルラウリルエーテ ル) ビクトリアピュアブルーBOH 0.08g (保土ヶ谷化学(株)製) 2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1、3、4−オキ サジアゾール 0.15g メチルセルソルブ 100ml このようにして得られた感光性の印刷版を,露光を2k
Wメタルハライドランプを使用して8mW/cm2 で6
0秒間照射し、現像は市販現像液SDRー1(コニカ
(株)製)の5倍希釈液を用い、25℃にて30秒間現
像したところ、汚れのない優れた再現性のある印刷版面
が得られた。またその後印刷機にかけて印刷をおこなっ
たところ10万枚のすぐれた印刷物を得ることができ
た。 実施例2 スラリーの噴射圧(ポンプ圧)が2kg/cm2 Gであ
り、処理時間が20秒であることを除いては実施例1と
同様に前処理、粗面化処理、化学的処理を行った。その
表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.50μであっ
た。その表面を走査型電子顕微鏡により観察した結果、
その表面は細かな凹凸があり、かつ均一であり、またそ
の表面には研磨材の残留が認められなかった。その後実
施例1と同様にして陽極酸化、感光組成物を設け、露光
・現像処理をしたところ、汚れのない優れた再現性のあ
る印刷版面が得られた。 比較例1 スラリーの噴射圧(ポンプ圧)が1kg/cm2 Gであ
ることを除いては実施例1と同様に前処理、粗面化処
理、化学的処理を行った。その表面粗さ(Ra)を測定
したところ、 0.3μであることがわかった。その表
面を走査型電子顕微鏡により観察した結果、その表面は
凹凸があるが、アルミニウム表面の粗面化前に存在して
いたアルミニウム表面の圧延筋が残り、均一な粗面が得
られていなかった。またその表面には研磨材の残留は認
められなかった。 実施例3 スラリーの研磨材濃度が、研磨材:水容量比 5部:9
5部であることを除いては実施例1と同様に前処理、粗
面化処理、化学的処理を行った。その表面粗さ(Ra)
を測定したところ、0.2μであることがわかった。そ
の表面を走査型電子顕微鏡により観察した結果、その表
面は凹凸があるが、アルミニウムの圧延筋が残り、均一
な粗面ではなかったが、その表面には研磨材の残留は認
められなかった。
【0028】比較例2 厚さ0.3mmの1050材アルミニウム板を実施例1
と同様にして前処理を行った。次に実施例と同様にして
調製したスラリーを用いて表−4の条件にて圧縮空気を
使ってノズル内で合流させ加速吹き付けする方法により
粗面化した。
【0029】
【表4】表−4 1)処理条件 a)圧縮空気の噴射圧(ポンプ圧) 5kg/cm2 b)ノズル口径 直径8mm c)ノズルとアルミ板の距離 90mm d)処理時間 10秒 e)アルミニウム板をスラリーの噴射に対して90度をな
すように配置した。
【0030】次に実施例1と同様にアルカリ処理し、そ
の後水洗し、硫酸水溶液に浸漬し、水洗し、乾燥した。
その表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.60μで
あった。その表面を走査型電子顕微鏡により観察した結
果、その表面は細かな凹凸があり、かつ均一ではある
が、一部に鋭い突起や深く鋭利な溝が認められた。また
その表面には研磨材の残留が認められた。
【0031】その後このアルミニウム板を実施例1と同
様にして陽極酸化皮膜を設け、水洗乾燥後、感光層を設
けた。このようにして得られた感光性の印刷版を露光し
現像したところ、非画線部に汚れが認められた。 比較例4 厚さ0.3mmの1050材アルミニウム板を実施例と
同様にして前処理を行った。
【0032】次に回転ロールナイロンブラシを400r
pmで回転させ、300メッシュのシリカ−水懸濁液を
用い5秒間粗面化した。次に実施例と同様にアルカリ処
理し、その後水洗し、硫酸水溶液に浸漬し、水洗し、乾
燥した。その表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.
40μであった。その表面を走査型電子顕微鏡により観
察した結果、その表面は細かな凹凸があり、かつ均一で
はあるが鋭い突起や深く鋭利な溝が認められた。またそ
の表面には研磨材の残留が認められた。
【0033】その後このアルミニウム板を実施例と同様
にして陽極酸化皮膜を設け、水洗乾燥後、感光層を設け
た。このようにして得られた感光性の印刷版を露光し現
像したところ、非画線部に汚れが認められた。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法は、平版印刷版用支持
体の版面全体にわたる均一な粗面化を高生産性、低コス
ト、簡便な装置、良好な作業環境で実施することを可能
にし、他の機械的粗面化法では得られない、均一な砂目
粗面の製造を可能にし、現像後の汚れが少なく、耐刷力
に優れた印刷版の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の実施態様の一例を模式的に示す処理
装置の概略図である。
【符号の説明】
1・・・・・・スラリー撹はん槽、2・・・・・・加圧送液ポンプ、
3・・・・・・粗面化処理装置、4・・・・・・送液配管、5・・・・・・
噴射ノズル、6・・・・・・アルミニウム板、7・・・・・・搬送回
転ロール。
フロントページの続き (72)発明者 富安 寛 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板又はその合金板表面に対
    してノズルより、研磨材を水に均一に分散した研磨液
    を、他のキャリア流体を随伴させることなく、直接加圧
    噴射することにより粗面化処理することを特徴とする平
    版印刷版用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 研磨液の噴射圧力が2〜10kg/cm
    2 Gであることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版
    用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 研磨液における研磨材濃度が10〜50
    %であることを特徴とする請求項1または2記載の平版
    印刷版用支持体の製造方法。
JP31364592A 1992-02-27 1992-11-24 平版印刷版用支持体の製造方法 Pending JPH05301479A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-41454 1992-02-27
JP4145492 1992-02-27

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JPH05301479A true JPH05301479A (ja) 1993-11-16

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ID=12608826

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JP31364592A Pending JPH05301479A (ja) 1992-02-27 1992-11-24 平版印刷版用支持体の製造方法

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JP (1) JPH05301479A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997031783A1 (en) * 1996-02-27 1997-09-04 Aluminum Company Of America Texture rolled lithosheet

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WO1997031783A1 (en) * 1996-02-27 1997-09-04 Aluminum Company Of America Texture rolled lithosheet

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