JPH079776A - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法

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JPH079776A
JPH079776A JP18184093A JP18184093A JPH079776A JP H079776 A JPH079776 A JP H079776A JP 18184093 A JP18184093 A JP 18184093A JP 18184093 A JP18184093 A JP 18184093A JP H079776 A JPH079776 A JP H079776A
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JP18184093A
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Hiroshi Tomiyasu
寛 富安
Teruo Takada
輝雄 高田
Toshihiro Yoshida
稔浩 吉田
Shinichi Sugano
晋一 菅野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平版印刷版用支持体の製造方法であって、ア
ルミニウム板表面を研磨材を使用する機械的粗面化を行
った後、化学的処理によりアルミニウムを1〜5g/m
2 溶解し、交流電気量が300〜800クーロン/dm
2 として電気化学的粗面化を行うことを特徴とする。 【効果】 耐刷性、保水性、耐よごれ性などに優れた均
一であって方向性のない優れた平版印刷版用支持体の製
造を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版用支持体の製
造方法に関するものである。詳しくはアルミニウム板よ
りなる平版印刷版用粗面板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷版とくにオフセット印刷版用
支持体としてはアルミニウム又はその合金板が使用され
ているが、該支持体はその上に設けられる感光層と適度
の接着性を有しかつ保水性を有していることが必要であ
る。このために板表面を均一かつ緻密な砂目を有する様
に粗面化処理がおこなわれている。該粗面化法として
は、ロール状金属ワイヤーやナイロンブラシを回転させ
ておこなうワイヤーグレイン(特開昭53−14570
1号公報)、ブラシグレインや研磨材を表面に衝突させ
ておこなうブラストグレイン等(特開昭50−1361
01号、特開昭60−19593号各公報)の機械的粗
面化方法や電解グレインと称される電気化学的粗面化方
法、あるいは化学的粗面化方法、さらにはこれらの粗面
化法を組み合わせた方法(特開昭54−63902号公
報)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
従来の方法にはそれぞれ次のような問題点があった。ワ
イヤーグレインでは粗面化処理した表面が不均一な粗面
となり、ブラシグレインでは目的とする粗さが得られ
ず、また用いられる研磨ブラシの摩耗により各板間に粗
面のばらつきが生じやすい。またブラシの毛先と研磨材
により、表面が複雑にかきむしられた状態になり、その
表面に鋭い突起を残したり、局部的に深く鋭い凹部が残
る。そのため印刷版の取扱の際に表面が傷がつきやすか
ったり、現像の際、凹部等に感光層が除去されずに残留
して版面に汚れを生じたりする問題があった。
【0004】電気化学的粗面化においては粗面化した表
面の状態を一定にするための電解条件の制御を精密にお
こなう必要がある。また印刷版用としての性能を十分に
満足する砂目粗さにするためには大電流が必要であり、
その結果電力消費が大となり、多大な経費がかかる。ま
た電解液の廃水処理にも多大な経費がかかる等の問題が
あった。次に化学的粗面化の場合には、処理に要する時
間が長く大量生産に適さない。更に大量の溶出したアル
ミニウムイオンを含む廃液の処理を必要とすること等の
問題があった。
【0005】研磨材を表面に衝突させておこなうブラス
トグレインには、乾式下で砂などの研磨材を処理材の表
面に加速衝突させておこなうサンドブラスト処理や、液
体に研磨材を分散させた研磨液(スラリー液)を圧縮空
気や高圧液体とともにノズル内または外で合流させ加速
吹き付けする方法がある。サンドブラストの場合は乾式
下での処理のため研磨材が粉塵となり、作業環境が悪化
する。更に処理材が変形しやすく、それを後の工程で修
正する必要性があるなどの問題点があった。
【0006】液体に研磨材を分散させた研磨液(スラリ
ー液)を圧縮空気や高圧液体とともにノズル内または外
で合流させ加速吹き付けする方法は、研磨液と圧縮空気
や高圧液体用の配管をノズル近傍まで別々に設置しなけ
ればならず、かつ該配管を非常に狭い間隔で設けなけれ
ばならないため構造が複雑となる。そのためメンテナン
ス性が非常に悪くなる。また圧縮空気や高圧の液体が必
要なため、圧縮機等の高圧ポンプの運転経費が多大とな
る。また圧縮空気や高圧水で衝突させて処理するため支
持体表面へ研磨材が突き刺さり、そのまま残留すること
が多い。これをそのまま後の工程へ持ち込むと印刷現像
時に汚れが発生するため粗面化後に強度のアルカリ等に
よるエッチングが必要であった。
【0007】また特に高圧液体を用いて吹き付けさせる
方法においてはスラリー液が高圧液体と合流するため希
釈され、処理後のスラリー液を回収し、再度使用する
際、濃縮処理が必要であり、かつその廃水量が多いとい
う欠点があった。さらに、前記方法を組み合わせて粗面
化する方法も知られているが、いずれの方法によって
も、満足な支持体を得ることはできなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に述べ
た各方法における問題点のうち、特に低コスト及び粗面
化処理面の均一性の両方の点においてブラストグレイ
ン、ブラシグレインと電気化学的粗面化方法とを比較す
ると、コスト面ではブラストグレインおよびブラシグレ
インが電気化学的粗面化方法よりもはるかに優れてお
り、粗面化処理面の均一性は電気化学的粗面化方法が若
干優れているので、コスト面および粗面化処理面の均一
性の両者について総合的に比較すると、ブラストグレイ
ンおよびブラシグレインが相対的に優位であることに着
目し、また上述の問題点を解決すべく検討を重ねた。
【0009】即ち、本発明の目的は、耐刷性に優れた平
版印刷版用支持体の提供を可能にする、平版印刷版支持
体の製造方法を提供することにある。また、本発明の目
的は、保水性に優れ、印刷時にも汚れを生じない平版印
刷版用支持体の提供を可能にする、平版印刷版用支持体
の製造方法を提供することにある。
【0010】さらに本発明の目的は、均一であって方向
性のない優れた粗面化処理を可能にする、平版印刷版用
支持体の製造方法を提供することにある。本発明の別の
目的は、機械的、化学的および電気化学的粗面化処理を
最適に組合せることにより、アルミニウム溶解量を低減
しても優れた性能を発揮する平版印刷版支持体の製造が
可能で、製造コストのダウンを可能とする平版印刷版用
支持体の製造方法を提供することにある。
【0011】しかして、かかる本発明の目的は、アルミ
ニウム板表面を研磨材を使用する機械的粗面化を行った
後、化学的処理によりアルミニウムを1〜5g/m2
解し、交流電気量を300〜800クーロン/dm2
して電気化学的粗面化を行うことを特徴とする平版印刷
版用支持体の製造方法、によって容易に達成される。以
下本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明に適用されるアルミニウム板として
は純アルミニウム及び、アルミニウム合金板が含まれ
る。アルミニウム合金板としては種々のものが使用で
き、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミ
ニウムの合金が用いられる。アルミニウム板を粗面化す
るに先立ち、アルミニウム板の圧延油の除去と表面の洗
浄等を行うことが好ましい。その方法は例えばトリクレ
ン等の溶剤や、界面活性剤、及び、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ・エッチング剤を用いる方
法等があげられる。
【0013】また、アルカリ・エッチング剤で脱脂処理
した場合には支持体表面にスマットが発生するので、こ
れを硝酸、硫酸等に浸漬処理して、スマットを除去する
ことが好ましい。アルミニウム板はまず研磨材を使用す
る機械的粗面化方法によって粗面化処理される。該機械
的粗面化方法としては、特に限定はされないが、ブラス
トグレイニングあるいはブラシグレイニング法であるこ
とが好ましく、より好ましくはブラストグレイニング法
である。
【0014】ブラストグレイニング法のノズルからの研
磨材噴射圧力は、アルミニウム板表面に対して、1〜2
0kg/cm2 Gの範囲にあることが一般的であり、好
ましくは2〜10kg/cm2 Gである。また、ブラス
トグレイニング法の研磨材濃度は5〜70%の範囲にあ
ることが一般的であり、好ましくは10〜50%の濃度
である。
【0015】ブラストグレイニング法としては、研磨材
を分散させた研磨液(スラリー液)を圧縮空気や高圧液
体などのキャリア流体を使ってノズル内または外で途中
で合流させ加速吹き付けする方法や、研磨材を水に均一
に分散した研磨液を加圧し、他のキャリア流体を随伴さ
せることなく、該研磨液のみをノズルより直接加圧噴射
させる方法等があるが、圧力が低くても砂目立てが可能
な、後者の研磨液のみを加圧噴射する方法が好ましい。
【0016】ブラストグレイニング処理装置は上述の処
理ができればよく、特に限定されないが例えば図1に示
すように、スラリー攪拌槽1、加圧送液ポンプ2、送液
配管4、噴射ノズル5、回収槽(図示せず)、噴射後の
液を所定の液組成にしてリサイクルさせる回収装置(図
示せず)などから構成される。スラリー攪拌槽1はスラ
リー中の固形分である研磨材が沈降しないように、即ち
均一に研磨材が分散されるように、攪拌するための攪拌
機と槽内にスラリーを供給する供給口からなる。研磨材
の沈降防止とスラリー組成を均一にするための攪拌機構
は、限定はされないが、容器内に挿入されたプロペラを
利用する方式でもよく、またスラリーを循環させる機構
のものであってもよい。スラリーを常に動かすことによ
って研磨材の沈降を防止することができる。加圧送液ポ
ンプ2はスラリー攪拌槽1中で均一な組成とされたスラ
リーを取り出し、送液配管4を通じて噴射ノズル5へ送
り出す。ポンプ内の接液部は供給口、噴射口以外は密閉
されており、また接液部はスラリーによるポンプ内の摩
耗防止のため、耐久性のある材料、例えば超高分子量ポ
リエチレン(分子量約300万〜600万)等により形
成されていることが好ましい。
【0017】噴射ノズル5は1個でも複数個でもよく、
複数個の場合は各噴射ノズルから噴射するスラリーの圧
力が一定になるようにまたは所望の圧力になるように同
一配管上に設けることが好ましい。通常の工業的な印刷
用支持体の製造では、同時に処理可能な面が大きい方が
好ましいので、複数個の噴射ノズルを設けることが好ま
しい。また、一系統の配管のみで複数個の噴射ノズルへ
の配管を共用することができるので、噴射ノズル近傍の
配管はシンプルな形態をとることができ、任意の噴射ノ
ズル配置パターンを採用することが容易である。さらに
また、ノズル孔の広がり角度を任意に調整してもよい。
そのため複数個のノズルにより一度に広いアルミニウム
板面を粗面化処理したり、アルミニウム板を任意のパタ
ーンに粗面化処理することも可能である。
【0018】アルミニウム板は、限定はされないが例え
ば搬送回転ロール7上に乗せ、搬送させながらスラリー
を噴射し粗面化処理してもよい。噴射ノズル5より噴射
し、板表面に衝突した後のスラリーを回収し、そのまま
スラリー攪拌槽(図示せず)へリサイクルすることもで
きる。このように、供給側と回収側のスラリーが同一組
成であるので、スラリー管理が容易となる。また研磨液
の使用時間が長くなると研磨材の粒度が摩耗により変化
することがあるため、一定量の液をスラリー攪拌槽より
抜き出し、粒度の変化した研磨材を回収し、残部及び新
規研磨材をスラリー攪拌槽へ送る装置(図示せず)を組
み込むことにより、常に均一なスラリー組成とするよう
な装置構成とすることもできる。
【0019】ノズルからのスラリーの噴射圧力は1〜2
0kg/cm2 Gの範囲から選択されることが一般的で
あって、好ましくは1〜10kg/cm2 Gである。こ
れよりも低圧の場合は所望の粗さを得られないことがあ
り、得られた場合であっても長時間の操作を必要とす
る。高圧の場合には装置の摩耗が過多になったり、処理
面にうねり等の変形等が生じることがある。本発明の製
造方法によれば、スラリーの加圧噴射用として従来必要
とされていたよりかなり低圧のポンプを用いることが可
能となり、ノズル等の摩耗も従来よりかなり少なくする
ことができる。
【0020】またノズルはスラリーに対して耐久性のあ
る材料、例えば分子量約300万〜600万の超高分子
量ポリエチレンを使用することが好ましい。スラリー液
の組成は液体、例えば通常は水と研磨材の微粉末からな
る。研磨材としては特に限定はされないが、例えばダイ
ヤモンド、水晶、フリント、花こう岩、アランダム、サ
クランダム、シリカ、パミス、炭化珪素、砂等があり、
好ましくはアランダム、サクランダム等のアルミナであ
る。
【0021】アルミナは研磨力が強い上に、特に支持体
としてアルミニウムを使用した場合、支持体との組成の
類似性からも研磨材が残存しても汚れにつながり難くか
つ電解研磨時での反射濃度の変化も少なく白色の支持体
が得られる。研磨材の粒子径は所望の粗さにより最適な
範囲は変化するが、通常はJIS#20〜4000、好
ましくは#100〜#500である。スラリーにおける
研磨材の量は5〜70容量%であることが一般的で、特
に10〜50容量%の量が好ましい。またスラリーに
は、所望の界面活性剤や酸やアルカリを添加することが
できる。
【0022】粗面化されたアルミニウム板は、次に表面
を化学的に処理する。この工程は粗面化処理でできた表
面に残存している研磨材等を取り除く等の効果がある。
化学的処理方法としてはアルミニウムを溶解する酸、ま
たはアルカリ水溶液に浸漬処理する方法等公知の方法が
適用可能である。本発明の粗面化方法では表面に残存す
る研磨材は従来の粗面化方法に比べ、非常に少なく、本
処理は比較的弱い条件、具体的にはアルミニウム溶解量
として1〜5g/m2 の範囲の処理条件で処理すること
が可能である。
【0023】本化学的処理では特にアルカリ水溶液を使
用することが好ましい。これはアルカリの方が酸と比較
してアルミニウムの溶解速度が速く、効率がよいからで
ある。またアルカリで処理した場合にはスマットが発生
するので、これを硝酸、硫酸等に浸漬処理して、スマッ
トを除去することが好ましい。アルミニウム溶解量が1
g/m2 以下の場合には、印刷時に汚れが発生すること
があり、5g/m2 以上の場合には耐刷力が劣ることが
あり、溶解アルミニウムが多量に発生し廃液処理が煩雑
となるだけでなく、またこの後行う電気化学的処理の電
気量の負荷が高くなり製造上の点で好ましくない。
【0024】化学的に処理されたアルミニウム板は、次
いで電気化学的粗面化処理を行う。機械的粗面化処理に
よって、微細な凹凸と該微細な凹凸上に極微細な凹凸が
形成されるが、化学的処理によって極微細な凹凸の高低
差はかなり損われ、滑面が形成されている。電気化学的
粗面化により、機械的粗面化によって形成された微細な
凹凸の形状が消失しない程度に、凹凸が重畳される。電
気化学的粗面化処理はアルミニウムを侵すイオンを含む
電解液中でアルミニウム板を交流電解する事により行わ
れる。
【0025】より具体的な電解液としては塩酸、硝酸ま
たはこれらに添加物を含むものあるいは混酸等が上げら
れる。交流電源としては電気量が300〜800クーロ
ン/dm2 であれば従来公知のものより適宜使用される
が好ましくは正弦波の単相及び三相交流等が使用され
る。
【0026】本発明において電気化学的粗面化の電解液
の好ましい電解質は塩酸または硝酸であり、その濃度は
0.5〜5重量%の範囲から選択されることが一般的で
ある。また電気化学的粗面化処理を行った後に化学的な
処理を行うことが好ましい。この目的は電気化学的粗面
化処理でできた表面に残存しているスマット等を取り除
くためである。化学的に処理する方法としてはアルミニ
ウムを溶解する酸、またはアルカリ水溶液に浸漬処理す
る方法等があり、さきに説明した機械的粗面化処理した
後の化学的処理の場合と同様にして行う事ができる。ま
たアルカリで処理した場合にはこれによるスマットも発
生するので、これを硝酸、硫酸等に浸漬処理してスマッ
トを除去することが好ましい。
【0027】以上にように処理されたアルミニウム板は
更に、常法に従って硫酸、燐酸などの水溶液中での電解
処理による陽極酸化処理、しかる後に必要に応じて親水
化または不活性化のために熱水処理、珪酸塩、酢酸塩、
親水性高分子化合物を含有する水溶液中への浸漬処理等
を行うことができる。このようにして得られたアルミニ
ウム板に常法に従って感光層を設けて感光性平版印刷版
を得ることができる。
【0028】ここで適用される感光層の感光性物質は特
に限定されるものではなく、一般的に周知のものが適用
でき、例えば親水性ポリマーとジアゾニウム塩からなる
組成物、キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性樹脂か
らなる組成物、活性光線の照射により二量化する不飽和
カルボン酸、例えばけい皮酸、フェニレンジアクリル酸
をその構成成分とするポリマー、活性光線の照射により
重合反応を起こす化合物とバインダーポリマーとの組成
物あるいはアジド系感光性組成物等が挙げられる。
【0029】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいてより具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。
【0030】<実施例1>厚さ0.3mmの1050材
アルミニウム板300mm×700mmを水酸化ナトリ
ウム水溶液に浸漬して脱脂処理し、その後水洗し、硫酸
水溶液に浸漬し、水洗する前処理を行った。
【0031】次に、図1に模式的に示した装置を用いて
下記のごとく調製したスラリーで下記条件にて本発明に
よる機械的粗面化処理を行った。
【0032】
【表1】 1)スラリーの調製 容量比 研磨材:ホワイトアランダム 20部 JIS#180 (日本研磨材工業製) 水 : 80部
【0033】両者を混合後、攪拌機により研磨材が沈降
せずに分散するように攪拌しておいた。以下の条件に
て、アルミニウム板を搬送回転ロール上に載置し、搬送
しながらスラリーを噴射させて粗面化処理を行った。
【0034】
【表2】 2)処理条件 a)スラリーの噴射圧(ポンプ圧) 4kg/cm2 G b)ノズル口径 縦直径2mm,横直径4mmの楕円 c)ノズル数 24個(処理方向に対して垂直方向に
3個。処理方向に8列) d)ノズル孔広がり角度 90度 e)ノズルとアルミ板の距離 90m
m f)処理時間 (噴射により処理されている時間) 10秒
【0035】次に3%の水酸化ナトリウム水溶液65℃
に7秒間浸漬してアルカリ処理し、アルミニウムを2.
2g/m2 溶解した。その後水洗し、室温の硫酸水溶液
に15秒間浸漬し、水洗し、乾燥した。その表面を走査
型電子顕微鏡で観察した結果、その表面は細かな凹凸が
あり、かつ均一であり、またその表面には研磨材の残留
が認められなかった。次に11.5g/リットルの塩酸
溶液を用い25℃において電流密度80A/dm2 の正
弦波の交流を用いて6秒間(実効電気量;90%として
430クーロン/dm2)電気化学的粗面化処理を行っ
た。その後9g/リットルのNaOHに50℃,3秒浸
漬した。その後常法にしたがって硫酸溶液を用い、直流
にて陽極酸化処理をおこない、2.0g/m2 の陽極酸
化皮膜を設けた。最後に80℃の熱水で20秒間熱水処
理を行った。
【0036】小坂研究所製触針式粗さ計(SE3C)で
その粗さを測定するとRaが0.52μmであった。図
2は、得られた平版印刷版用支持体表面を走査型電子顕
微鏡で2,000倍に拡大した写真の写しである。図2
に示されるように、表面全体に細かな凹凸があり、かつ
緻密に均一であり、化学的処理によって形成された滑面
部は全く観察されなかった。更にその反射濃度をマクベ
ス濃度計(RD514,ビジュアルフィルター)で測定
すると0.25で白色の砂目が得られた。得られた支持
体の上にポジテブタイプのo−キノンジアジド系の下記
の感光性組成物塗布液を塗布して、乾燥後の厚さが2.
0g/m2 となるよう設けた。
【0037】
【表3】 感光性組成物塗布液組成 ノボラック樹脂 6.7g フェノールとm−クレゾールとp−クレゾールと ホルムアルデヒドとの共重縮合樹脂 (フェノールとm−クレゾールとp−クレゾール の各々のモル比が2.0:4.8:3.2、 Mw=6500,Mw/Mn=5.4) o−キノンジアジド化合物 1.5g 1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド とピロガロール・アセトン樹脂のエステル化合物 (Mw=2200,エステル化率25%) 界面活性剤 0.2g エマルゲン120(花王(株)製) (ポリオキシエチルラウリルエーテル) ビクトリアピュアブルーBOH 0.08g (保土ヶ谷化学(株)製) ハロゲン遊離基を生成する化合物 0.15g 2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシ スチリル)−1,3,4−オキサジアゾール メチルセルソルブ 100 ml
【0038】このようにして得られた感光性平版印刷版
を、2kWメタルハライドランプを使用して8mW/c
2 で60秒間照射して露光し、現像は現像液SDR−
1(コニカ(株)製)の6倍希釈液を用い、25℃にて
30秒間現像したところ、汚れのない優れた再現性のあ
る印刷版面が得られた。またその後印刷機にかけて印刷
をおこなったところ16万枚のすぐれた印刷物を得るこ
とができた。
【0039】<実施例2>電気化学的グレイニングの電
解液が18g/リットルの硝酸である事を除いては実施
例1と同様にして平版印刷版支持体を作製した。その表
面粗さ(Ra)を測定したところ、0.50μmであっ
た。図3は得られた平版印刷版用支持体表面を走査型電
子顕微鏡で2,000倍に拡大した写真の写しである。
図3に示されるように、表面全体には細かな凹凸があ
り、かつ緻密に均一であり、化学的処理によって形成さ
れた滑面部は全く見られなかった。その後実施例1と同
様にして陽極酸化、感光組成物を設け、露光・現像処理
をしたところ、汚れのない優れた再現性のある印刷版面
が得られた。印刷機にかけて印刷したところ15万枚の
優れた印刷物を得る事ができた。
【0040】<比較例1>電気化学的処理を除いた以外
は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製、整版
した平版印刷版を印刷機にかけて印刷したところ11万
枚より175線/inch網点の1%の小点に飛びが発
生した。
【0041】<比較例2>機械的粗面化後の化学処理を
10%の水酸化ナトリウム水溶液65℃に12秒間浸漬
し、アルミニウム溶解量を5.6g/m2 に変えた以外
は実施例2と同様にして感光性平版印刷版を作製、製版
した平版印刷版を印刷機にかけて印刷したところ9万枚
より1%の小点に飛びが発生した。
【0042】図4は得られた平版印刷版用支持体表面を
走査型電子顕微鏡で2,000倍に拡大した写真の写し
である。図4に示されるように、表面には電気化学的処
理によって形成された細かな凹凸部と化学的処理によっ
て形成された滑面部が共存し、均一な粗面ではなかっ
た。
【0043】<比較例3>電気化学的粗面化処理の交流
電気量を216クーロン/dm2 (80A/dm2 ,3
秒)に変えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印
刷版を作製、整版した。作製した平版印刷版用支持体の
反射濃度は0.34で黒い版が得られた。作製した平版
印刷版を印刷機にかけて印刷したところ12万枚より1
%の小点に飛びが発生した。
【0044】<比較例4>電気化学的粗面化処理の電気
量を864クーロン/dm2 (120A/dm2,8
秒)に変えた以外は実施例1と同様にして平版印刷版支
持体を作製した。その表面粗さ(Ra)を測定したとこ
ろ、0.43μmであり電気化学的粗面化処理を行う前
の粗さ0.42μmとほぼ同程度の粗さであった。図5
は得られた平版印刷版支持体表面を走査型電子顕微鏡で
2,000倍に拡大した写真の写しである。図5に示さ
れるように、表面には細かな凹凸があり、化学的処理に
よって形成された滑面部は全く見られないが、アルミニ
ウム溶解量が多く、その後の処理が煩雑となっただけで
なく、機械的粗面化の形状がほぼ消失し、電気化学的処
理のみを施した表面を写したSEM写真(図6)と類似
している事が判明した。
【0045】<比較例5>機械的粗面化後の化学処理を
10%の水酸化ナトリウム水溶液65℃に12秒間浸漬
してアルミニウム溶解量を5.6g/m2 にし、かつ、
電気化学的粗面化処理の電気量を240クーロン/dm
2 (80A/dm2 ,3秒)に変えた以外は実施例1と
同様にして砂目立て処理を行った以外は実施例1と同様
にして感光性平版印刷版を作製して処理製版した。
【0046】作製した平版印刷版を印刷機にかけて印刷
したところ6万枚より1%の小点に飛びが発生した。図
7は、得られた平版印刷版用支持体表面を走査型電子顕
微鏡で2,000倍に拡大した写真の写しである。図7
に示されるように、表面には化学的処理によって形成さ
れた滑面部の面と電気化学的粗面化処理によって形成さ
れた細かな凹凸部が共存し、均一な粗面ではなかった。
また支持体の反射濃度は0.28であった。
【0047】<実施例3>厚さ0.3mmの1050材
アルミニウム板を実施例1と同様に前処理を行った。次
に回転ロールナイロンブラシを400rpmで回転さ
せ、300メッシュのホワイトアランダム−水懸濁液を
用い5秒間粗面化した。機械的粗面化後の化学処理を1
0%の水酸化ナトリウム水溶液85℃に5秒間浸漬し、
アルミニウム溶解量を4.3g/m2 にした以外は実施
例1と同様に砂目立て処理を行った。
【0048】その表面粗さ(Ra)を測定したところ、
0.40μmであった。図8は、得られた平版印刷版用
支持体表面を走査型電子顕微鏡で2,000倍に拡大し
た写真の写しである。図8に示されるように、表面には
細かな凹凸があり、かつ均一であった。反射濃度は0.
27であった。この支持体に実施例1と同様に感光層を
設けた。このようにして得られた感光性の印刷版を露光
・現像した。印刷機にかけて印刷したところ良好な印刷
物が12万枚得られた。
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法による平版印刷版用支
持体は下記の特性をもつ。 1.粗面化が版面全体にわたって均一である。 2.研磨材の版面への残留が少ない。 3.版面の変形が少ない。 4.汚れが少なく、小点の耐刷力もある印刷版が得られ
る。 5.アルミニウム溶解量が少なく製造的に有利。 6.化学的処理後の電気化学的処理が低電気量であり製
造的に有利。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す機械的粗面化処理装置
の概略図である。
【図2】平版印刷版用支持体表面の金属組織を走査型電
子顕微鏡による拡大写真として示した図面である。
【図3】平版印刷版用支持体表面の金属組織を走査型電
子顕微鏡による拡大写真として示した図面である。
【図4】平版印刷版用支持体表面の金属組織を走査型電
子顕微鏡による拡大写真として示した図面である。
【図5】平版印刷版用支持体表面の金属組織を走査型電
子顕微鏡による拡大写真として示した図面である。
【図6】平版印刷版用支持体表面の金属組織を走査型電
子顕微鏡による拡大写真として示した図面である。
【図7】平版印刷版用支持体表面の金属組織を走査型電
子顕微鏡による拡大写真として示した図面である。
【図8】平版印刷版用支持体表面の金属組織を走査型電
子顕微鏡による拡大写真として示した図面である。
【符号の説明】
1 スラリー攪拌槽 2 加圧送液ポンプ 3 粗面化処理装置 4 スラリー配管 5 ノズル 6 アルミニウム板 7 搬送用ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 晋一 茨城県鹿島郡波崎町砂山14番地 三菱化成 株式会社鹿島工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板表面を研磨材を使用する
    機械的粗面化を行った後、化学的処理によりアルミニウ
    ムを1〜5g/m2 溶解し、交流電気量を300〜80
    0クーロン/dm2 として電気化学的粗面化を行うこと
    を特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
JP18184093A 1993-06-28 1993-06-28 平版印刷版用支持体の製造方法 Pending JPH079776A (ja)

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