JPH0797525B2 - 銅導体一体焼成型フェライト素子 - Google Patents
銅導体一体焼成型フェライト素子Info
- Publication number
- JPH0797525B2 JPH0797525B2 JP2172431A JP17243190A JPH0797525B2 JP H0797525 B2 JPH0797525 B2 JP H0797525B2 JP 2172431 A JP2172431 A JP 2172431A JP 17243190 A JP17243190 A JP 17243190A JP H0797525 B2 JPH0797525 B2 JP H0797525B2
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- JP
- Japan
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- ferrite
- weight
- parts
- copper conductor
- conductor
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- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、銅導体とフェライト母体を一体焼成された銅
導体一体焼成型フェライト素子に関する。
導体一体焼成型フェライト素子に関する。
[背景技術とその問題点] 導体と一体に焼成されるフェライト素子としては、いわ
ゆる積層チップインダクタがある。
ゆる積層チップインダクタがある。
フェライト組成を有する積層チップインダクタの従来例
としては、例えば特開平1−198003号公報に開示された
ものがある。これは、フェライト組成としてニッケル−
亜鉛−銅系フェライトを用いたものであり、このフェラ
イトグリーンシートの表面にAgペーストもしくはAg−Pd
ペーストを印刷して所定の導体パターンを形成した後、
導体パターンを形成されたフェライトグリーンシートや
無地のフェライトグリーンシートを積層し、グリーンシ
ート同士を加圧により圧着させ、ついで、大気中におい
て略950℃以下で焼成することにより、フェライト素子
が作製されている。
としては、例えば特開平1−198003号公報に開示された
ものがある。これは、フェライト組成としてニッケル−
亜鉛−銅系フェライトを用いたものであり、このフェラ
イトグリーンシートの表面にAgペーストもしくはAg−Pd
ペーストを印刷して所定の導体パターンを形成した後、
導体パターンを形成されたフェライトグリーンシートや
無地のフェライトグリーンシートを積層し、グリーンシ
ート同士を加圧により圧着させ、ついで、大気中におい
て略950℃以下で焼成することにより、フェライト素子
が作製されている。
しかしながら、Ag導体を用いた場合には、焼成時におけ
るAgの拡散を抑制するため、フェライトを実質的に900
℃程度の温度で焼成しなければならなかった。フェライ
トをこのような低温で緻密に焼成することは困難であ
り、このような低温で緻密に焼成するには、製造工程の
厳密な管理が必要となり、製造コストを増大させる原因
となっていた。
るAgの拡散を抑制するため、フェライトを実質的に900
℃程度の温度で焼成しなければならなかった。フェライ
トをこのような低温で緻密に焼成することは困難であ
り、このような低温で緻密に焼成するには、製造工程の
厳密な管理が必要となり、製造コストを増大させる原因
となっていた。
これに対し、Ag−Pd導体を用いた場合には、導体の耐熱
性が高いため、Ag導体の場合よりも高い温度でフェライ
トを焼成することができ、比較的容易に緻密なフェライ
ト素子を製造できる。しかし、Ag−Pd導体は、Ag導体よ
りも導体の比抵抗が大きいので、内部抵抗値を小さくす
ることができず、積層チップインダクタとしての用途が
狭い範囲に限られるという欠点があった。
性が高いため、Ag導体の場合よりも高い温度でフェライ
トを焼成することができ、比較的容易に緻密なフェライ
ト素子を製造できる。しかし、Ag−Pd導体は、Ag導体よ
りも導体の比抵抗が大きいので、内部抵抗値を小さくす
ることができず、積層チップインダクタとしての用途が
狭い範囲に限られるという欠点があった。
さらに、Ag及びAg−Pdは貴金属であるから、これらの導
体を使用すると、製品コスト上昇の要因となっていた。
体を使用すると、製品コスト上昇の要因となっていた。
[発明が解決しようとする課題] したがって、内部導体としては、比抵抗が小さく、安価
な銅導体を用いることが望まれるが、従来のフェライト
系材料では、非酸化雰囲気中で焼成するとフェライト母
体が緻密に焼結しなかったり、素子特性が悪かったり
し、一方、酸化雰囲気中で焼成すると銅導体が焼成時に
酸化されるという問題があった。
な銅導体を用いることが望まれるが、従来のフェライト
系材料では、非酸化雰囲気中で焼成するとフェライト母
体が緻密に焼結しなかったり、素子特性が悪かったり
し、一方、酸化雰囲気中で焼成すると銅導体が焼成時に
酸化されるという問題があった。
本発明は、叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、銅導体とフェライト母
体とが一体焼成可能なフェライト素子を提供することに
ある。
あり、その目的とするところは、銅導体とフェライト母
体とが一体焼成可能なフェライト素子を提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る第一の銅導体一体焼成型フェライト素子
は、銅導体とフェライト母体を非酸化雰囲気中で一体焼
成してフェライト母体の内部に銅導体を形成されたフェ
ライト素子であって、前記フェライト母体の原料組成
が、ニッケル−亜鉛系フェライト100重量部に対し、PbO
成分を0.3重量部以上5.0重量部以下の割合で添加したも
のであることを特徴としている。
は、銅導体とフェライト母体を非酸化雰囲気中で一体焼
成してフェライト母体の内部に銅導体を形成されたフェ
ライト素子であって、前記フェライト母体の原料組成
が、ニッケル−亜鉛系フェライト100重量部に対し、PbO
成分を0.3重量部以上5.0重量部以下の割合で添加したも
のであることを特徴としている。
また、本発明に係る第二の銅導体一体焼成型フェライト
素子は、銅導体とフェライト母体を非酸化雰囲気中で一
体焼成してフェライト母体の内部に銅導体を形成された
フェライト素子であって、前記フェライト母体の原料組
成が、ニッケル−亜鉛系フェライト100重量部に対し、P
bO成分を0.3重量部以上5.0重量部以下、B2O3成分を0.03
重量部以上1.5重量部以下、SiO2成分を0.03重量部以上
1.5重量部以下の割合で添加したものであることを特徴
としている。
素子は、銅導体とフェライト母体を非酸化雰囲気中で一
体焼成してフェライト母体の内部に銅導体を形成された
フェライト素子であって、前記フェライト母体の原料組
成が、ニッケル−亜鉛系フェライト100重量部に対し、P
bO成分を0.3重量部以上5.0重量部以下、B2O3成分を0.03
重量部以上1.5重量部以下、SiO2成分を0.03重量部以上
1.5重量部以下の割合で添加したものであることを特徴
としている。
[作用] 上記のような組成のフェライト材料を用いると、非酸化
雰囲気中において950〜1030℃で焼成することにより、
フェライト母体を緻密に焼結させることができた。ま
た、フェライト素子特性の改善効果も得られた。したが
って、銅導体とフェライト母体が非酸化雰囲気中で一体
焼成可能となり、銅導体を内部導体として使用すること
ができるようになった。
雰囲気中において950〜1030℃で焼成することにより、
フェライト母体を緻密に焼結させることができた。ま
た、フェライト素子特性の改善効果も得られた。したが
って、銅導体とフェライト母体が非酸化雰囲気中で一体
焼成可能となり、銅導体を内部導体として使用すること
ができるようになった。
この結果、内部導体の材料コストが低廉となり、フェ
ライト素子のコストを安価にできる、内部導体の比抵
抗が小さく、Ag−Pd導体を用いた積層チップインダクタ
のように、用途が制限されない、また、950℃以上の
温度で緻密に焼成できるので、製造工程の管理が容易と
なる、といった利点が得られる。
ライト素子のコストを安価にできる、内部導体の比抵
抗が小さく、Ag−Pd導体を用いた積層チップインダクタ
のように、用途が制限されない、また、950℃以上の
温度で緻密に焼成できるので、製造工程の管理が容易と
なる、といった利点が得られる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を添付図に基づいて詳述する。
本発明は、ニッケル−亜鉛系フェライト100重量部に
対し、PbO成分を0.3重量部以上5.0重量部以下の割合で
添加したフェライト原料、もしくは、ニッケル−亜鉛
系フェライト100重量部に対し、PbO成分を0.3重量部以
上5.0重量部以下、B2O3成分を0.03重量部以上1.5重量部
以下、SiO2成分を0.03重量部以上1.5重量部以下の割合
で添加したフェライト原料を用いてフェライト母体を焼
成したものである。これらの組成からなるフェライト原
料を用いると、非酸化雰囲気中において950〜1030℃の
温度で焼成して緻密なフェライト母体を得ることができ
る。しかも、非酸化雰囲気中で焼成しているので、銅導
体が酸化することもない。したがって、卑金属の銅導体
を内部導体とし、銅導体とフェライト母体とを一体焼成
することが可能となる。
対し、PbO成分を0.3重量部以上5.0重量部以下の割合で
添加したフェライト原料、もしくは、ニッケル−亜鉛
系フェライト100重量部に対し、PbO成分を0.3重量部以
上5.0重量部以下、B2O3成分を0.03重量部以上1.5重量部
以下、SiO2成分を0.03重量部以上1.5重量部以下の割合
で添加したフェライト原料を用いてフェライト母体を焼
成したものである。これらの組成からなるフェライト原
料を用いると、非酸化雰囲気中において950〜1030℃の
温度で焼成して緻密なフェライト母体を得ることができ
る。しかも、非酸化雰囲気中で焼成しているので、銅導
体が酸化することもない。したがって、卑金属の銅導体
を内部導体とし、銅導体とフェライト母体とを一体焼成
することが可能となる。
〔実験1〕 そこで、上記のような組成のフェライト原料を用いる
と、非酸化雰囲気中において950〜1030℃で焼成して緻
密なフェライト母体を得ることができることを確認する
ため、銅導体を設けられていない何種類かのフェライト
母体の試料No.1〜11を作製した。同時に、その材料特性
も併せて調べた。
と、非酸化雰囲気中において950〜1030℃で焼成して緻
密なフェライト母体を得ることができることを確認する
ため、銅導体を設けられていない何種類かのフェライト
母体の試料No.1〜11を作製した。同時に、その材料特性
も併せて調べた。
まず、主成分であるニッケル−亜鉛系フェライトの素原
料を Fe2O3 48.5mol% NiO 21.5mol% ZnO 28.0mol% CuO 2.0mol% となるように秤量し、これらの素原料を湿式ボールミル
にかけて16時間粉砕混合し、その後850℃で1時間仮焼
した。この仮焼物を湿式ボールミルで24時間粉砕した
後、蒸発乾燥させた。このようにして得られた仮焼粉体
に、各試料No.1〜11毎に下記第1表の組成欄に示す比率
となるように副成分であるPbOやB2O3,SiO2を添加し、
さらに、それぞれトルエンを溶媒としたボールミルに入
れ、12時間かけて主成分であるニッケル−亜鉛系フェラ
イトと副成分であるPbOやB2O3,SiO2の混合を行った。
さらに、各試料No.1〜11毎に、アクリル系バインダーを
粉体の合計重量に対し5wt%添加して12時間混合した
後、蒸発乾燥及び造粒を行い、2ton/cm2の圧力でトロイ
ダルコアの形状に圧縮成形した。この試料No.1〜11の各
成形体を、窒素と水蒸気から成る雰囲気中において、85
0℃で2時間かけて脱脂した後、窒素雰囲気中において9
50〜1030℃で本焼成し、外径30mm,内径20mm,高さ8mmの
トロイダルコアを作製した。
料を Fe2O3 48.5mol% NiO 21.5mol% ZnO 28.0mol% CuO 2.0mol% となるように秤量し、これらの素原料を湿式ボールミル
にかけて16時間粉砕混合し、その後850℃で1時間仮焼
した。この仮焼物を湿式ボールミルで24時間粉砕した
後、蒸発乾燥させた。このようにして得られた仮焼粉体
に、各試料No.1〜11毎に下記第1表の組成欄に示す比率
となるように副成分であるPbOやB2O3,SiO2を添加し、
さらに、それぞれトルエンを溶媒としたボールミルに入
れ、12時間かけて主成分であるニッケル−亜鉛系フェラ
イトと副成分であるPbOやB2O3,SiO2の混合を行った。
さらに、各試料No.1〜11毎に、アクリル系バインダーを
粉体の合計重量に対し5wt%添加して12時間混合した
後、蒸発乾燥及び造粒を行い、2ton/cm2の圧力でトロイ
ダルコアの形状に圧縮成形した。この試料No.1〜11の各
成形体を、窒素と水蒸気から成る雰囲気中において、85
0℃で2時間かけて脱脂した後、窒素雰囲気中において9
50〜1030℃で本焼成し、外径30mm,内径20mm,高さ8mmの
トロイダルコアを作製した。
このようにして作製された試料No.1〜11の各トロイダル
コアの特性(密度,透磁率及びQ値)を測定した。次の
第1表には、その結果を示している。なお、第1表中の
試料No.1〜9が、本発明の実施例に相当するものであ
り、試料No.10及び11は比較対象として作製されたもの
である。
コアの特性(密度,透磁率及びQ値)を測定した。次の
第1表には、その結果を示している。なお、第1表中の
試料No.1〜9が、本発明の実施例に相当するものであ
り、試料No.10及び11は比較対象として作製されたもの
である。
第1表から明らかなように、ニッケル−亜鉛系フェライ
ト100重量部に対してPbOを0.3重量部〜5重量部添加し
た組成を持つ試料No1〜9では、緻密に焼結され(密度
ρ≧4.9g/cm3)、しかも、大きな(比)透磁率(μ≧18
0)とQの値(Q≧80)を持つフェライト特性が得られ
た。なかでも、B2O3とSiO2をそれぞれ0.03重量部〜1.5
重量部さらに添加した組成を持つ試料No.4〜9では、よ
り緻密に焼結され(密度ρ=5.1g/cm3)、より優れた透
磁率(μ=240)及びQの値(Q=93)が得られた。
ト100重量部に対してPbOを0.3重量部〜5重量部添加し
た組成を持つ試料No1〜9では、緻密に焼結され(密度
ρ≧4.9g/cm3)、しかも、大きな(比)透磁率(μ≧18
0)とQの値(Q≧80)を持つフェライト特性が得られ
た。なかでも、B2O3とSiO2をそれぞれ0.03重量部〜1.5
重量部さらに添加した組成を持つ試料No.4〜9では、よ
り緻密に焼結され(密度ρ=5.1g/cm3)、より優れた透
磁率(μ=240)及びQの値(Q=93)が得られた。
これに対し、副成分が上記添加量の範囲を外れた組成に
ついては、緻密に焼結しなかったり、材料特性の改善効
果が少なかった。例えば、PbOの添加量の少ない試料No.
10では、緻密に焼結されず(密度ρ=4.5g/cm3)、透磁
率(μ=110)も極めて小さかった。また、PbOの添加量
が過多の試料No.11では、透磁率(μ=110)及びQ値
(Q=77)の値が悪かった。
ついては、緻密に焼結しなかったり、材料特性の改善効
果が少なかった。例えば、PbOの添加量の少ない試料No.
10では、緻密に焼結されず(密度ρ=4.5g/cm3)、透磁
率(μ=110)も極めて小さかった。また、PbOの添加量
が過多の試料No.11では、透磁率(μ=110)及びQ値
(Q=77)の値が悪かった。
〔実験2〕 つぎに、上記試料のうち試料No.1,3,5あるいは8と同じ
組成のフェライト系材料を用い、内部に銅導体によるコ
イルを形成された積層チップインダクタを作製し、各積
層チップインダクタのインダクタンスを測定した。
組成のフェライト系材料を用い、内部に銅導体によるコ
イルを形成された積層チップインダクタを作製し、各積
層チップインダクタのインダクタンスを測定した。
まず、実験1と同様にして作製した主成分であるニッケ
ル−亜鉛系フェライトの仮焼粉体と、副成分であるPbO,
B2O3,SiO2を第1表の試料No.1,3,5,8と同じ組成に配合
し、配合した各試料No.1,3,5,8(実験1と同じ対応試料
No.を用いる。以下同じ。)をボールミルに移し、これ
らの各粉体の合計重量に対し分散剤トリオレイン酸フタ
レートを1wt%添加し、溶媒としてトルエンを加えて12
時間混合した後、さらに、これらの各粉体の合計重量に
対しアクリル系バインダーを12wt%、可塑剤ジオクチル
フタレートを4wt%加えて24時間混合してスラリーとし
た。ついで、このスラリーをドクターブレード法によっ
てシート成形し、各々厚さ300μmの試料No.1,3,5,8の
各グリーンシートを作製した。
ル−亜鉛系フェライトの仮焼粉体と、副成分であるPbO,
B2O3,SiO2を第1表の試料No.1,3,5,8と同じ組成に配合
し、配合した各試料No.1,3,5,8(実験1と同じ対応試料
No.を用いる。以下同じ。)をボールミルに移し、これ
らの各粉体の合計重量に対し分散剤トリオレイン酸フタ
レートを1wt%添加し、溶媒としてトルエンを加えて12
時間混合した後、さらに、これらの各粉体の合計重量に
対しアクリル系バインダーを12wt%、可塑剤ジオクチル
フタレートを4wt%加えて24時間混合してスラリーとし
た。ついで、このスラリーをドクターブレード法によっ
てシート成形し、各々厚さ300μmの試料No.1,3,5,8の
各グリーンシートを作製した。
一方、銅ペーストは、以下に示す方法で作製した。すな
わち、有機結合剤としてエチルセルロース10重量部を溶
剤としてのテレピン油90重量部に溶かして有機バインダ
ー溶液を調製し、この有機バインダー溶液25重量部を平
均粒径1μm以下の銅粉末100重量部に加え、三本ロー
ルミルで混練し、銅ペーストを作製した。
わち、有機結合剤としてエチルセルロース10重量部を溶
剤としてのテレピン油90重量部に溶かして有機バインダ
ー溶液を調製し、この有機バインダー溶液25重量部を平
均粒径1μm以下の銅粉末100重量部に加え、三本ロー
ルミルで混練し、銅ペーストを作製した。
ついで、上記試料No.1,3,5,8の各グリーンシートと上記
銅ペーストを用い、下記のようにして試料No.1,3,5,8の
積層チップインダクタを作製した。
銅ペーストを用い、下記のようにして試料No.1,3,5,8の
積層チップインダクタを作製した。
まず、上記グリーンシートを所定の大きさに裁断して6
枚のカットされたグリーンシート2を準備した。このう
ち5枚のグリーンシート2には、第1図で示すように、
パンチングマシンでスルーホール3a〜3dを明け、スルー
ホール3a〜3dを含めて各グリーンシート2の片面に上記
銅ペーストをスクリーン印刷してコイル状の導体パター
ン4a〜4eを形成し、100℃で5分間乾燥させ、第1図に
示すような5枚の印刷シート5a〜5eを作製した。印刷シ
ート5aの表面では、外部取出用電極6aから略0.5ターン
の導体パターン4aが伸びている。また、印刷シート5b,5
c,5dでは、グリーンシート2の表面に略0.75ターンの導
体パターン4b,4c,4dが形成されており、各導体パターン
4b,4c,4dの一端にスルーホール3a,3b,3cが位置してい
る。印刷シート5eでは、グリーンシート2の表面に形成
された外部取出用電極6bから略0.5ターンの導体パター
ン4eが延出されており、導体パターン4eの先端にスルホ
ール3dが位置している。この5枚の印刷シート5a〜5eと
無地のグリーンシート2を第2図に示すように積層して
80℃で400kg/cm2の圧力を加えて圧着させ、スルーホー
ル3a〜3dを介して導体パターン4a〜4eで3.5ターンのコ
イルを内部に形成した。ついで、第3図に示したよう
に、端面に外部取出用電極6a,6bのみが露出するように
裁断し、生チップ7を作製した。次に、生チップ7の端
面に、導電ペーストを端面印刷し、第4図に示すような
外部電極8を形成し、これを窒素−水蒸気雰囲気中で脱
脂した後、窒素中で本焼成した。このようにして、試料
No.1,3,5,8のグリーンシートを用いて、内部に銅導体の
コイルが形成された、外形寸法が3.2mm×1.6mm×1.2mm
の試料No.1,3,5,8の各積層チップインダクタ1を得た。
枚のカットされたグリーンシート2を準備した。このう
ち5枚のグリーンシート2には、第1図で示すように、
パンチングマシンでスルーホール3a〜3dを明け、スルー
ホール3a〜3dを含めて各グリーンシート2の片面に上記
銅ペーストをスクリーン印刷してコイル状の導体パター
ン4a〜4eを形成し、100℃で5分間乾燥させ、第1図に
示すような5枚の印刷シート5a〜5eを作製した。印刷シ
ート5aの表面では、外部取出用電極6aから略0.5ターン
の導体パターン4aが伸びている。また、印刷シート5b,5
c,5dでは、グリーンシート2の表面に略0.75ターンの導
体パターン4b,4c,4dが形成されており、各導体パターン
4b,4c,4dの一端にスルーホール3a,3b,3cが位置してい
る。印刷シート5eでは、グリーンシート2の表面に形成
された外部取出用電極6bから略0.5ターンの導体パター
ン4eが延出されており、導体パターン4eの先端にスルホ
ール3dが位置している。この5枚の印刷シート5a〜5eと
無地のグリーンシート2を第2図に示すように積層して
80℃で400kg/cm2の圧力を加えて圧着させ、スルーホー
ル3a〜3dを介して導体パターン4a〜4eで3.5ターンのコ
イルを内部に形成した。ついで、第3図に示したよう
に、端面に外部取出用電極6a,6bのみが露出するように
裁断し、生チップ7を作製した。次に、生チップ7の端
面に、導電ペーストを端面印刷し、第4図に示すような
外部電極8を形成し、これを窒素−水蒸気雰囲気中で脱
脂した後、窒素中で本焼成した。このようにして、試料
No.1,3,5,8のグリーンシートを用いて、内部に銅導体の
コイルが形成された、外形寸法が3.2mm×1.6mm×1.2mm
の試料No.1,3,5,8の各積層チップインダクタ1を得た。
この後、試料No.1,3,5,8の各積層チップインダクタのイ
ンダクタンスを測定した。この結果を第2表に示す。
ンダクタンスを測定した。この結果を第2表に示す。
この第2表に示されている試料No1,3,5,8のインダクタ
ンスの値は、Agを内部導体として大気中で焼成してえら
れた積層チップインダクタと比較してもほとんど変わら
ない値であり、良好な素子特性が得られている。
ンスの値は、Agを内部導体として大気中で焼成してえら
れた積層チップインダクタと比較してもほとんど変わら
ない値であり、良好な素子特性が得られている。
[発明の効果] 本発明によれば、非酸化雰囲気中において銅導体とフェ
ライト母体を一体焼成して緻密で素子特性の良好なフェ
ライト素子を作製できる。したがって、内部導体として
卑金属の銅を用いることができ、フェライト素子の製造
コストを安価にできる。また、フェライト素子製造の工
程管理も容易となる。さらに、比抵抗の小さな銅導体を
用いているので、用途の広いフェライト素子を製作する
ことができる。
ライト母体を一体焼成して緻密で素子特性の良好なフェ
ライト素子を作製できる。したがって、内部導体として
卑金属の銅を用いることができ、フェライト素子の製造
コストを安価にできる。また、フェライト素子製造の工
程管理も容易となる。さらに、比抵抗の小さな銅導体を
用いているので、用途の広いフェライト素子を製作する
ことができる。
第1図、第2図、第3図及び第4図は本発明の一実施例
に係るフェライト素子の製造順序を示す説明図である。 1…積層チップインダクタ 2…グリーンシート 3a〜3e…銅導体
に係るフェライト素子の製造順序を示す説明図である。 1…積層チップインダクタ 2…グリーンシート 3a〜3e…銅導体
Claims (2)
- 【請求項1】銅導体とフェライト母体を非酸化雰囲気中
で一体焼成してフェライト母体の内部に銅導体を形成さ
れたフェライト素子であって、 前記フェライト母体の原料組成が、ニッケル−亜鉛系フ
ェライト100重量部に対し、PbO成分を0.3重量部以上5.0
重量部以下の割合で添加したものであることを特徴とす
る銅導体一体焼成型フェライト素子。 - 【請求項2】銅導体とフェライト母体を非酸化雰囲気中
で一体焼成してフェライト母体の内部に銅導体を形成さ
れたフェライト素子であって、 前記フェライト母体の原料組成が、ニッケル−亜鉛系フ
ェライト100重量部に対し、PbO成分を0.3重量部以上5.0
重量部以下、B2O3成分を0.03重量部以上1.5重量部以
下、SiO2成分を0.03重量部以上1.5重量部以下の割合で
添加したものであることを特徴とする銅導体一体焼成型
フェライト素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2172431A JPH0797525B2 (ja) | 1990-06-28 | 1990-06-28 | 銅導体一体焼成型フェライト素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2172431A JPH0797525B2 (ja) | 1990-06-28 | 1990-06-28 | 銅導体一体焼成型フェライト素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0461203A JPH0461203A (ja) | 1992-02-27 |
JPH0797525B2 true JPH0797525B2 (ja) | 1995-10-18 |
Family
ID=15941849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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