JP3735228B2 - 軟磁性フェライト粉末の製造方法および積層チップインダクタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温焼結が可能な軟磁性フェライト粉末を製造する方法と、この方法により製造された軟磁性フェライト粉末を用いて積層チップインダクタを製造する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器の小型化、軽量化技術の進展はめざましいものがあり、それに伴い、各部品の表面実装化が急速に進められている。特にインダクタ素子は、磁性体とコイルとを一体化した、いわゆるチップインダクタを用いることが多く、その性能向上が望まれている。
【0003】
チップインダクタでは、磁性体として酸化物磁性材料であるNi−Cu−Znフェライトを用い、コイル用の導体としてAgまたはAg−Pd合金を用いることが一般的である。
【0004】
チップインダクタの製造に際しては、まず、Fe、Ni、Cu、Znをそれぞれ含む原料化合物をボールミル等で混合した後、仮焼し、得られた仮焼物を粉砕して軟磁性フェライト粉末を得る。この軟磁性フェライト粉末を、バインダおよび溶媒と混練して磁性体ペーストを調製する。また、導体粉末を、バインダおよび溶媒を混練して、導体ペーストを調製する。そして、これらのペーストの印刷を繰り返して磁性体層と導体層とを積層した後、焼成し、さらに、外部電極を形成してチップインダクタを得る。
【0005】
ところで、チップインダクタの高性能化を図るためには、フェライトが十分に緻密化し、しかもこのとき導体と反応せず、導体に断線等の不具合が発生しないことが必須である。導体としては、電気抵抗が小さいことからAg単体を用いることが好ましいが、Agは融点が960℃と低い。したがって、導体とフェライトとの反応、導体の断線や剥離等を生じさせずに高性能化を図るためには、Agの融点以下で、しかもできるだけ低い温度、例えば920℃以下で焼成することが好ましい。
【0006】
しかし、Ni−Cu−Znフェライト粉末を920℃以下で焼成した場合、フェライトの緻密化が進行せず、透磁率等の電気特性に優れたフェライト焼結体が得られにくいことが指摘されている。
【0007】
Ni−Cu−Znフェライト焼結体の製造方法は、例えば本出願人による特開平5−175032号公報に記載されている。同公報には、空気より酸素濃度の低い雰囲気中で焼成することにより、フェライト焼結体の密度が向上する旨が記載されており、その実施例では870℃で焼成を行っている。また、本出願人による特公平6−30297号公報には、酸化鉄と、2価の金属(M2)の酸化物(ただしM2は、ニッケルおよび/または銅、あるいはこれに亜鉛を加えたもの)とを含むフェライトの主組成に、Li2Oと、4価の金属(M4)の酸化物(ただしM4はチタン、スズおよびゲルマニウムの1種以上)とを添加することにより、950℃以下での低温焼成が可能になったことが記載されている。
【0008】
しかし、雰囲気制御や組成制御を行うことなく低温での焼成を可能にする手段については、従来提案されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温での焼結性に優れたNi−Cu−Znフェライト粉末を製造できる方法を提供することであり、また、このフェライト粉末を用いることにより、積層チップインダクタの製造に際して低温での焼成を可能とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
Fe、Ni、CuおよびZnを主成分とする低温焼成用の軟磁性フェライト粉末を製造する方法であって、原料粉末の仮焼物と水とを含むスラリーを調製する工程と、スラリーに対し湿式粉砕を行い、仮焼物を粉砕する工程と、仮焼物の粉砕前、粉砕中および粉砕後のいずれかの時点で、スラリーに有機添加剤を添加し、当該有機添加剤をスラリーに存在させて、スラリー中に仮焼物に由来するFeイオンおよびCuイオンを溶出させる工程と、粉砕された仮焼物を乾燥させて軟磁性フェライト粉末を得る工程と、を備え、有機添加剤として、グルコン酸またはその中和塩もしくはそのラクトン、ラクトビオン酸またはその中和塩、酒石酸またはその中和塩、グルコヘプトン酸γ−ラクトン、ソルボース、あるいは、アスコルビン酸を用い、有機添加剤を存在させたスラリー中に、仮焼物に由来するFeイオンとCuイオンとが共に仮焼物の0.01〜1.0重量%含まれている、軟磁性フェライト粉末の製造方法。
上記有機添加剤の添加量は、仮焼物に対し0.10〜2.0重量%であることが好ましい。
上記有機添加剤は、グルコン酸であることが好ましい。
上記有機添加剤は、アスコルビン酸であることが好ましい。
上記スラリー中に、アンモニアが添加されていることが好ましい。
上記仮焼物の平均粒径が0.4〜2.0μ m となるか、または、仮焼物の比表面積が3〜11 m 2 /gとなるように湿式粉砕を行うことが好ましい。
上記有機添加剤は、酸素原子と二重結合した炭素原子以外の炭素原子の50%以上に水酸基が結合しているものであることが好ましい。
上記製造方法により製造された軟磁性フェライト粉末を用いて磁性層を形成する工程を有する積層チップインダクタの製造方法。
【0011】
【作用および効果】
本発明者は、仮焼物を湿式粉砕してNi−Cu−Znフェライト粉末を製造する際に、スラリー中に上記有機添加剤を存在させることにより、そのフェライト粉末の焼結温度を低下させ得ることを見いだした。具体的には、焼成温度を、Ag電極との同時焼成が可能な920℃以下とした場合でも、十分な密度と初透磁率とを有する焼結体が得られることがわかった。
【0012】
スラリー中においてフェライトの仮焼物と上記有機添加剤とを共存させたときに、どのようなメカニズムにより低温での焼結が可能となるかは明確ではない。ただし、本発明者がスラリー中の金属イオン量を調べたところ、Cuイオンの量およびFeイオンの量が、上記有機添加剤の有無に強く影響を受けることがわかった。具体的には、スラリー中において、それぞれフェライト仮焼物に由来するCuイオンおよびFeイオンの合計量が、最終的にフェライト仮焼物の0.005〜2重量%となる場合、特に、CuイオンとFeイオンとが共に0.01〜1.0重量%となる場合に、低温で焼結できるという効果が明瞭に現れることがわかった。このことから、フェライト仮焼物から溶出したこれらの金属イオンが、微粉砕された仮焼物に再付着し、これが焼結助剤として働くことにより、低温での焼結が可能になったとも考えられる。CuイオンとFeイオンとの合計が少なすぎると、低温での焼結が困難となる。一方、上記範囲を超えるイオンを溶出させるためには、有機添加剤の添加量を著しく多くする必要があるため、好ましくない。両イオンの合計量が2重量%以下の範囲で、低温焼結効果は十分に実現する。
【0013】
本発明において、有機添加剤に加えスラリー中にアンモニアを添加すれば、本発明の効果はより向上する。
【0014】
なお、本発明で用いる有機添加剤のうち、例えば、酒石酸、l−アスコルビン酸、クエン酸については、泥漿鋳込成形法において成形性向上を目的とした分散剤として公知である(「ファインセラミックスの成形と有機材料」第187〜188ページ、斎藤勝義著、株式会社シーエムシー発行)。また、グルコン酸ナトリウムは、コンクリート工業における分散剤として公知である(「分散・凝集の化学」第92〜95ページ、森山登著、産業図書発行)。しかし、これらの分野において、上記有機添加剤はいずれも分散剤として利用されている。
【0015】
また、WO98/25278号公報には、酸化物磁性材料を製造するに際し、粉砕時の水スラリー中に、本発明で用いる有機添加剤を添加する提案がなされている。しかし、同公報では、上記有機添加剤を、磁場配向を行う際に配向度を向上させるための分散剤として利用している。また、同公報には、六方晶フェライト磁石における分散効果は記載されているが、軟磁性フェライト粉末に関する実施例は記載されておらず、針状の軟磁性フェライト粒子の磁場配向に有効である旨の記載があるだけである。また、同公報には、上記有機添加剤を用いて製造した場合に、軟磁性フェライト粉末が低温で焼結可能となることについては、記載も示唆もない。
【0016】
これに対し本発明では、上記有機添加剤を軟磁性フェライトの水スラリー中に添加することにより、従来知られていない全く新しい効果を実現させる。なお、本発明者の実験によれば、有機添加剤を添加しても、軟磁性フェライト仮焼物の粉砕に要する時間(一定の比表面積となるまでの粉砕時間)は実質的に短縮されない。したがって上記有機添加剤は、軟磁性フェライト粉末に対して分散効果は示さないと考えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明により製造される軟磁性フェライト粉末は、Ni−Cu−Znフェライトから構成される。本発明では、フェライトの組成によらず、低温での緻密な焼結が可能となる。したがって、本発明が適用されるNi−Cu−Znフェライトの主成分組成は、特に限定されず、一般的な組成範囲から、要求特性などに応じて適宜選択すればよい。主成分酸化物をそれぞれFe2O3、NiO、CuOおよびZnOで表すと、一般的な組成範囲は、例えば
Fe2O3:35〜50モル%、
NiO :4〜50モル%、
CuO :4〜16モル%、
ZnO :5〜40モル%
である。すなわち、本発明は、Fe2O3含有量の多い高透磁率材にも、Fe2O3含有量の少ない低透磁率材にも適用できる。主成分酸化物の含有量限定理由は、以下のとおりである。Fe2O3が少なすぎると非磁性相の生成量が増大して損失増大の原因となり、Fe2O3が多すぎると焼結性が著しく悪くなってしまう。NiOが少なすぎると損失が大きくなり、NiOが多すぎると高価になってしまう。CuOが少なすぎると焼結性が悪くなってしまい、CuOが多すぎると相対的にNiOが少なくなるため、損失が大きくなってしまう。ZnOが少なすぎると透磁率が低くなってしまい、ZnOが多すぎるとキュリー温度が低くなりすぎる。
【0018】
フェライト粉末中には、上記主成分酸化物のほか、副成分ないし不可避的不純物として他の金属酸化物、例えば、Co、W、Bi、Si、B、Mn、Zr、Ca、Ta、Mo、P、Y、Mg等の酸化物が必要に応じて含まれていてもよい。
【0019】
本発明では、軟磁性フェライト粉末を以下に説明する方法により製造する。
【0020】
まず、原料粉末の仮焼物を製造する。原料粉末には、Ni−Cu−Znフェライトの製造に通常用いられる各種原料、すなわち、酸化物または焼成により酸化物となる各種化合物を用いればよい。仮焼は、酸化性雰囲気中、通常は空気中で行えばよく、仮焼温度(保持温度)は、通常、700〜900℃、仮焼時間(温度保持時間)は、通常、0.5〜10時間とすることが好ましい。
【0021】
このようにして得られた仮焼物を水と混合し、粉砕用スラリーを調製する。そして、この粉砕用スラリーに対し湿式粉砕を行い、仮焼物を所定の粒径あるいは比表面積まで粉砕した後、乾燥して、軟磁性フェライト粉末を得る。
【0022】
本発明では、上記粉砕用スラリー中に、有機添加剤を存在させる。有機添加剤は、粉砕前、粉砕中および粉砕後のいずれの時点で添加してもよい。スラリー中に有機添加剤が存在し、これによりスラリー中に金属イオンが溶出していれば、本発明の効果は実現する。
【0023】
湿式粉砕の時間は特に限定されず、仮焼物の平均粒径が0.4〜2.0μm程度、あるいは仮焼物の比表面積が3〜11m2/g程度、好ましくは3〜8m2/g程度となるように、粉砕手段などの各種条件に応じて適宜決定すればよい。なお、粉砕手段は特に限定されず、通常、ボールミル、アトライター、振動ミル等を用いることが好ましい。ところで、低温で焼結するためには、仮焼物を微細な径まで粉砕すればよいことが知られているが、微細となるように強力な粉砕を長時間行うと、ジルコニアボールや鉄ボールなどからなる粉砕媒体が摩耗し、それによる仮焼物のコンタミネーションが問題となる。これに対し本発明では、仮焼物の平均粒径や比表面積が上記範囲となる程度の比較的粗い粉砕を行っても、低温焼結が可能なので、粉砕媒体の摩耗による仮焼物のコンタミネーションが生じにくく、安定した特性のフェライトが得られる。
【0024】
粉砕用スラリー中の仮焼物の含有量、すなわち固形成分の濃度は、好ましくは15〜50重量%、より好ましくは20〜35重量%である。固形分濃度が低すぎても高すぎても、粉砕効率および粉砕の均一性が低くなってしまう。
【0025】
次に、有機添加剤について説明する。本発明で用いる有機添加剤は、水酸基およびカルボキシル基を有する有機化合物であるか、その中和塩であるか、そのラクトンであるか、ヒドロキシメチルカルボニル基を有する有機化合物であるか、酸として解離し得るエノール型水酸基を有する有機化合物であるか、その中和塩であり、これらのうちでは酸として働くものが好ましい。
【0026】
上記各有機化合物は、炭素数が好ましくは3〜20、より好ましくは4〜12であり、かつ、好ましくは、酸素原子と二重結合した炭素原子以外の炭素原子の50%以上に水酸基が結合しているものである。なお、水酸基の結合比率は、上記有機化合物について限定されるものであり、有機添加剤そのものについて限定されるものではない。例えば、有機添加剤として、水酸基およびカルボキシル基を有する有機化合物(ヒドロキシカルボン酸)のラクトンを用いるとき、水酸基の結合比率の限定は、ラクトンではなくヒドロキシカルボン酸自体に適用される。
【0027】
上記有機化合物の基本骨格は、鎖式であっても環式であってもよく、また、飽和であっても不飽和結合を含んでいてもよい。
【0028】
有機添加剤としては、具体的にはヒドロキシカルボン酸またはその中和塩もしくはそのラクトンが好ましく、特に、グルコン酸(C=6;OH=5;COOH=1)またはその中和塩もしくはそのラクトン、ラクトビオン酸(C=12;OH=8;COOH=1)、酒石酸(C=4;OH=2;COOH=2)またはこれらの中和塩、グルコヘプトン酸γ−ラクトン(C=7;OH=5)が好ましい。そして、これらのうちでは、低温焼結における特性向上効果が高く、しかも安価であることから、グルコン酸またはその中和塩もしくはそのラクトンが好ましい。
【0029】
ヒドロキシメチルカルボニル基を有する有機化合物としては、ソルボースが好ましい。
【0030】
酸として解離し得るエノール型水酸基を有する有機化合物としては、アスコルビン酸が好ましい。
【0032】
上記した好ましい有機添加剤の一部について、構造を以下に示す。
【0033】
【化1】
【0034】
なお、有機添加剤は2種以上を併用してもよい。
【0035】
有機添加剤の添加量は、仮焼物に対し、好ましくは0.05〜3.0重量%、より好ましくは0.10〜2.0重量%である。有機添加剤が少なすぎると本発明の効果が不十分となる。一方、有機添加剤が多すぎると、成形体や焼結体にクラックが発生しやすくなる。
【0036】
なお、有機添加剤が水溶液中でイオン化し得るもの、例えば酸や金属塩などであるときには、有機添加剤の添加量はイオン換算値とする。すなわち、水素イオンや金属イオンを除く有機成分に換算して添加量を求める。また、有機添加剤が水和物である場合には、結晶水を除外して添加量を求める。
【0037】
また、有機添加剤がラクトンからなるとき、あるいはラクトンを含むときには、ラクトンがすべて開環してヒドロキシカルボン酸になるものとして、ヒドロキシカルボン酸イオン換算で添加量を求める。
【0038】
本発明では、有機添加剤に加え、スラリー中にアンモニアを存在させることが好ましい。アンモニアの添加により、より低温での焼結が可能となり、あるいは、同じ温度であればより緻密な焼結体が得られる。アンモニアは、アンモニア水として添加すればよい。なお、アンモニアを添加すると、スラリー中のイオン量、特にFeイオン量が増える傾向となる。ただし、アンモニア添加量が多すぎると、イオン溶出がかえって抑制されることもあるので、アンモニア添加量は仮焼物に対し5重量%以下とすることが好ましい。また、アンモニア添加による効果を十分に発揮させるためには、アンモニア添加量を仮焼物に対し0.1重量%以上とすることが好ましい。アンモニアは、粉砕前、粉砕中および粉砕後のいずれの時点で添加してもよいが、通常、有機添加剤と同時に添加すればよい。
【0039】
上述した手順により製造された軟磁性フェライト粉末は、様々な用途に適用できるが、特に、各種インダクタの磁性体コアの製造に好適である。インダクタの磁性体コアは、軟磁性フェライト粉末を成形して焼成することにより製造される。本発明により製造される軟磁性フェライト粉末は、酸化性雰囲気中、通常は空気中で焼成すればよい。焼成温度(保持温度)は、通常、800〜1100℃、焼成時間(保持時間)は、通常、1〜6時間とすればよい。ただし、本発明により製造される軟磁性フェライト粉末は、920℃以下で焼成した場合でも、磁性体コアとして十分な特性が得られる。したがって、本発明により製造される軟磁性フェライト粉末は、Ag電極と同時焼成する必要がある積層チップインダクタの製造に、特に好適である。なお、Ag電極を有する積層チップインダクタの製造に際して、Agとの反応によるフェライトの特性低下を十分に抑えるためには、焼成温度を910℃以下、特に900℃以下とすることが好ましいが、このような低温で焼成した場合でも、磁性体コアとして十分な特性を得ることができる。
【0040】
次に、積層チップインダクタおよびその製造方法について説明する。
【0041】
図3に示される積層チップインダクタは、磁性層6と内部導体5とを積層して構成されるインダクタチップ体10と、このインダクタチップ体10表面に設けられた外部電極41、45とを有する。
【0042】
積層チップインダクタ各部の構成は、従来公知の各種構成から選択すればよく、例えば、外形はほぼ直方体状とされる。そして、通常、図3に示されるように、磁性層6内において内部導体5は螺旋状に配置されて内部巻線を構成し、その両端部は外部電極41、45に接続される。外部電極41、45は単独の電極層としてもよいが、さらに、Cu、Ni、Snあるいはハンダ等から形成される被覆層を設けてもよい。このような被覆層は、ハンダ付けの際のハンダ濡れ性、ハンダ耐熱性を向上させる。内部導体5の巻線パターンは特に限定されない。巻数は用途に応じ適宜選択すればよいが、通常、1.5〜15.5ターン程度とする。
【0043】
積層チップインダクタ各部の寸法は特に限定されず、用途に応じて適宜決定すればよい。例えば磁性層の厚さは20〜100μm程度とすればよい。外部電極の厚さは、通常、10〜100μm程度とすればよく、被覆層を含めた合計厚さは15〜130μm程度とすればよい。外部電極の幅は目的に応じて選定すればよいが、通常、0.2〜0.4mm程度とすればよい。内部導体5の厚さは、通常、5〜30μm程度とすればよい。インダクタチップ体10の寸法も用途に応じて適宜決定すればよいが、通常、(1.0〜4.5mm)×(0.5〜3.2mm)×(0.6〜2.0mm)程度とすればよい。
【0044】
内部導体5に含有される導電材は、比抵抗の小さいAgを主体とするものであることが好ましい。Agを主体とする導電材としては、Ag、または、Ag−Pd、Ag−Pt、Ag−Pd−Pt等のAg合金が好ましく、特にAgが好ましい。Ag合金中のAgの含有率は、75質量%以上であることが好ましい。
【0045】
外部電極41、45には、Agを主体とする導電材を用いることが好ましい。Agを主体とする導電材としては、AgまたはAg合金が好ましく、特にAgが好ましい。また、Ag合金としては、Ag−Pd合金、Ag−Cu合金が好ましく、これらのうちではAg−Pd合金が好ましい。Ag合金中のAgの含有率は、75質量%以上であることが好ましい。外部電極中には、硼珪酸鉛ガラス等の各種ガラスが含有されていてもよい。
【0046】
積層チップインダクタの製造に際しては、まず、磁性体ペースト、内部導体ペーストおよび外部電極ペーストを調製する。
【0047】
磁性体ペーストは、本発明により製造した軟磁性フェライト粉末を、有機ビヒクルと混練して調製することができる。有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。磁性体ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、軟磁性フェライト粉末とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
【0048】
内部導体ペーストは、上記導電材、あるいは焼成により上記導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製することができる。
【0049】
外部電極ペーストは、上記した内部導体ペーストと同様にして調製すればよい。
【0050】
積層チップインダクタを印刷法により製造する場合、まず、磁性体ペーストと内部導体ペーストとを、内部導体ペーストがコイルパターンとなるように、PETフィルム等からなる基体上に交互に印刷して、積層体を形成する。次に、所定の形状および寸法となるように切断してグリーンチップとした後、基体から剥離する。一方、シート法により製造する場合、まず、磁性体ペーストを用いてグリーンシートを形成し、グリーンシートに導通のためのスルーホールを穿設する。次いで、グリーンシートに内部導体ペーストを印刷してこれらを積層し、得られた積層体を切断してグリーンチップとする。次いで、いずれの方法の場合でも、グリーンチップを焼成してインダクタチップ体を得、このインダクタチップ体に外部電極ペーストを印刷ないし転写して焼成することにより、積層チップインダクタを得る。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。
【0051】
このようにして製造された積層チップインダクタは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
【0052】
なお、本発明により製造される軟磁性フェライト粉末は、積層チップインダクタに限らず、積層型のインダクタ部を有する各種チップ部品、例えばLC複合部品などにも適用できる。
【0053】
【実施例】
実施例1〜4及び参考例
Fe2O3:49モル%、
NiO:18モル%、
CuO:12モル%、
ZnO:21モル%
の比率となるようにこれらの酸化物を秤量し、湿式メディア攪拌型粉砕機を用いて4時間湿式混合した。この湿式混合には、分散媒として純水を用いた。
【0054】
次いで、混合物をスプレードライヤーにより乾燥し、700℃で2時間仮焼して、Ni−Cu−Znフェライトの仮焼物を得た。
【0055】
この仮焼物を純水と混合して、粉砕用スラリーを調製した。この粉砕用スラリー中の固形分(仮焼物)濃度は、25重量%とした。なお、スラリー中には、表1に示すように、有機添加剤、またはこれとアンモニアとを添加した。なお、アンモニアは、濃度50重量%のアンモニア水として添加した。表1に示す有機添加剤およびアンモニアの添加量は、仮焼物に対する添加量である。
【0056】
この粉砕用スラリーを、湿式メディア攪拌型粉砕機で7時間粉砕した後、スプレードライヤーで乾燥することにより、Ni−Cu−Znフェライト粉末を得た。この粉砕により、フェライト粉末の比表面積は4.4m2/g(平均粒径1.4μm)となった。粉砕後、スラリー中の金属イオンをICP発光分析法により測定し、仮焼物に対するCuイオンおよびFeイオンそれぞれの重量比を求めた。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
このフェライト粉末100gに、バインダとしてポリビニルアルコール1.0gを添加して混合し、顆粒とした。この顆粒を、98MPa(1000kgf/cm2)の圧力でプレス成形し、直径21mmのリング状成形体を得た。この成形体を、図1および図2に示す温度に2時間保つことにより焼成し、Ni−Cu−Znフェライト焼結体を得た。
【0059】
この焼結体の密度を、アルキメデス法に準じて測定した。また、この焼結体の100kHzにおける初透磁率を、LCR METER 4274A(HEWLETT PACKARD社製)で測定した。焼成温度と密度との関係を図1に、焼成温度と初透磁率との関係を図2に、それぞれ示す。
【0060】
比較例1
粉砕用スラリーに有機添加剤およびアンモニアのいずれも添加しなかったほかは上記実施例と同様にして焼結体を作製し、上記実施例と同様な測定を行った。結果を図1および図2に示す。なお、上記実施例と同様にしてスラリー中のイオン量を測定した結果、CuイオンおよびFeイオンは検出されなかった。
【0061】
評価
図1および図2から、本発明の効果が明らかである。すなわち、軟磁性フェライト粉末を製造する際の湿式粉砕工程において、スラリー中に所定の有機添加剤を添加した実施例1〜4では、焼成温度を900℃程度と低くした場合でも、4.8g/cm3以上の十分な密度が得られ、また、150を超える十分な初透磁率が得られている。一方、有機添加剤を添加しなかった比較例1では、低温焼成時の焼結体密度および初透磁率のいずれもが、実施例1〜4に比べ大きく劣っている。
【0062】
なお、上記実施例で製造した軟磁性フェライト粉末を磁性層材料として用い、かつ、Agを内部導体材料として用いて、焼成温度を910℃として積層チップインダクタを作製したところ、図1および図2に示される特性に応じた優れたインダクタ特性が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ni−Cu−Znフェライト焼結体について、焼成温度と焼結体の密度との関係を示すグラフである。
【図2】Ni−Cu−Znフェライト焼結体について、焼成温度と焼結体の初透磁率との関係を示すグラフである。
【図3】積層チップインダクタの構成例の一部を切り欠いて示す平面図である。
【符号の説明】
5 内部導体
6 磁性層
10 インダクタチップ体
41、45 外部電極
Claims (8)
- Fe、Ni、CuおよびZnを主成分とする低温焼成用の軟磁性フェライト粉末を製造する方法であって、
原料粉末の仮焼物と水とを含むスラリーを調製する工程と、
前記スラリーに対し湿式粉砕を行い、前記仮焼物を粉砕する工程と、
前記仮焼物の粉砕前、粉砕中および粉砕後のいずれかの時点で、前記スラリーに有機添加剤を添加し、当該有機添加剤を前記スラリーに存在させて、前記スラリー中に前記仮焼物に由来するFeイオンおよびCuイオンを溶出させる工程と、
粉砕された前記仮焼物を乾燥させて前記軟磁性フェライト粉末を得る工程と、を備え、
前記有機添加剤として、グルコン酸またはその中和塩もしくはそのラクトン、ラクトビオン酸またはその中和塩、酒石酸またはその中和塩、グルコヘプトン酸γ−ラクトン、ソルボース、あるいは、アスコルビン酸を用い、
前記有機添加剤を存在させた前記スラリー中に、前記仮焼物に由来するFeイオンとCuイオンとが共に前記仮焼物の0.01〜1.0重量%含まれている、軟磁性フェライト粉末の製造方法。 - 前記有機添加剤の添加量が、前記仮焼物に対し0.10〜2.0重量%である請求項1の軟磁性フェライト粉末の製造方法。
- 前記有機添加剤がグルコン酸である請求項1または2の軟磁性フェライト粉末の製造方法。
- 前記有機添加剤がアスコルビン酸である請求項1または2の軟磁性フェライト粉末の製造方法。
- 前記スラリー中にアンモニアが添加されている請求項1〜4のいずれかの軟磁性フェライト粉末の製造方法。
- 前記仮焼物の平均粒径が0.4〜2.0μ m となるか、または、前記仮焼物の比表面積が3〜11 m 2 /gとなるように前記湿式粉砕を行う、請求項1〜5のいずれかの軟磁性フェライト粉末の製造方法。
- 前記有機添加剤が、酸素原子と二重結合した炭素原子以外の炭素原子の50%以上に水酸基が結合しているものである、請求項1〜6のいずれかの軟磁性フェライト粉末の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかの方法により製造された軟磁性フェライト粉末を用いて磁性層を形成する工程を有する積層チップインダクタの製造方法。
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