JPH0796733B2 - 三次元織機の緯糸挿入装置 - Google Patents

三次元織機の緯糸挿入装置

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JPH0796733B2
JPH0796733B2 JP716689A JP716689A JPH0796733B2 JP H0796733 B2 JPH0796733 B2 JP H0796733B2 JP 716689 A JP716689 A JP 716689A JP 716689 A JP716689 A JP 716689A JP H0796733 B2 JPH0796733 B2 JP H0796733B2
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裕志 大森
義治 安居
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株式会社豊田自動織機製作所
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は多数の経糸zを複数列、複数行に張設した経糸
z群の列及び行間に第1緯糸y及び第2緯糸xをそれぞ
れ経糸zと直交する状態に織り込む三次元織機の緯糸挿
入装置に関するものである。
[従来の技術] 多数の経糸z、該経糸z群の列及び行間にそれぞれ経糸
zと直交する状態に織り込まれた第1緯糸y及び第2緯
糸xの3種類の糸からなる三次元織物と、樹脂あるいは
無機物との複合材はロケット、航空機、自動車、船舶及
び建築物の構造材として幅広い用途が期待されている。
この三次元織物の強度を上げるためには、X,Y,Zのどの
方向に対しても3種類の糸がそれぞれきちんと直交した
状態で織成されることが必要となる。高密度でしかも3
種類の糸をそれぞれきちんと直交した状態で織成するた
め、一般の平面状の織物の織成と同様に緯糸を筬打ちす
ることが考えられる。
従来、特公昭51−14624号公報には第8図に示すよう
に、多数本の経糸GWを多層に配列するとともに各層ごと
に1組ずつ開口棒51を設けて順次開口可能に構成し、経
糸GWの開口内に1本の緯糸Wをシャトル(図示せず)で
順次往復挿入して全層の経糸GWの開口内に緯糸Wを挿入
した状態で筬52による筬打ちを行って、緯糸Wを結着糸
BWとともに織前位置に経糸GWと直交する状態に配置して
三次元織物を織成する方法が開示されている。
又、特開昭61−296143号公報には第9図に示すように、
多層に配列された経糸Tを水平バー53で1層ずつ順に開
口可能に構成し、経糸開口内に連続した1本の緯糸Wを
順次往復挿入し、各経糸開口内への緯糸Wの挿入ごとに
該経糸開口内に筬打ち(よこ打ち)バー54を挿入し、こ
の筬打ちバー54を織前に打ち寄せて筬打ちを行い、全層
のよこ入れと筬打ちが終了した後、締付けバー55を側方
へ脱出させて接結糸Sを反対側に移動させ、次いで第10
図に示すように締付けバー55を接結糸Sと経糸Tとの間
に挿入して接結糸Sをを締付ける工程を繰り返す三次元
織物の製織方法が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前者の方法では各経糸GW間の全層に緯糸Wが
挿入され、かつ結着糸BWが斜めに張られた状態で緯糸W
を同時に筬打ちするため、抵抗が大きく筬52が湾曲して
十分な筬打ちができないという問題がある。
一方、後者の方法では経糸開口へ緯糸Wを一層挿入する
ごとに筬打ちバー54で筬打ちを行うため、1回ごとに筬
打ちバー54の経糸開口への挿入、筬打ち、緯糸開口から
の抜取りの各動作が必要で動作数が多く、高速化が難し
いだけでなく装置も複雑になる。又、緯糸Wをシャトル
又はスプールで挿入するため、緯糸Wを織前線より離れ
た経糸開口間隔の広い位置で挿入せざるを得ず、筬打ち
バー54で緯糸Wを織前線に移送して打ちつける際、緯糸
Wが筬打ちバー54からそれたりあるいは多数本の繊維を
束ねて形成された緯糸Wの場合には緯糸Wが割れるた
め、筬打ちが十分できず、しかも緯糸Wが弛む虞もある
という問題があった。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、
その目的は緯糸挿入具に筬打ち機能を持たせ、緯糸挿入
動作と筬打ち動作とを同時に行うことにより、三次元織
物を織成する場合に緯糸を織前位置に確実に挿入するこ
とができる三次元織機の緯糸挿入装置を提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため本発明においては、多数の経
糸zを複数列、複数行に張設した経糸z群の列及び行間
に第1緯糸y及び第2緯糸xをそれぞれ経糸zと直交す
る状態に織り込む三次元織機において、緯糸供給部から
供給される緯糸を経糸z群内に挿入する緯糸挿入位置と
経糸z群内から退避した待機位置とに移動配置可能に設
けられ、緯糸挿入位置に配置された際織前位置と平行に
延びる押圧面が経糸z群の行の幅より長く形成され、か
つ緯糸挿入位置に配置された際三次元織物から緯糸供給
部に連なる緯糸を前記押圧面の織前側に導く糸道を備え
た緯糸挿入具と、前記緯糸挿入具を緯糸挿入位置と待機
位置とに移動させ、かつ緯糸挿入位置への移動配置時に
前記押圧面に対して織前側への押圧力を発生させる方向
に移動させる移動手段とを設けた。
[作用] 本発明の装置は経糸z群の行間に第2緯糸xを挿入する
のに使用され、緯糸挿入具はシャトルやスプールと異な
り緯糸挿入具自身には緯糸を貯留しておらず、緯糸供給
部から供給される緯糸を1回の緯入れごとに経糸開口内
に折り返し状に挿入する。緯糸挿入具が経糸群外の待機
位置から経糸開口内の緯糸挿入位置に移動配置される
と、緯糸挿入具の押圧面が織前位置に織前線と平行な状
態に配置される。このとき三次元織物から緯糸供給部に
連なる糸は、押圧面の織前側に導かれるとともに、緯糸
挿入具は移動手段の作用により織前側への押圧力を発生
する状態で緯糸挿入位置に移動され、押圧面の織前側に
導かれた糸は押圧面により織前位置に押圧されて緯入れ
と筬打ちとが同時に行われる。
[実施例] 以下、本発明を多数層に張設された経糸z群の行間に一
層ずつ順次形成される経糸開口内に第2緯糸xを先端で
ループを形成して折り返し状に挿入するとともに、第1
緯糸yをヘルドを使用して経糸z群の列間に挿入する三
次元織機の第2緯糸x用の緯糸挿入装置に具体化した一
実施例を第1〜6図に従って説明する。
第2図に示すように経糸供給部1(第2図にのみ図示)
から繰り出された多数本の経糸zは、所定位置に固定さ
れた織前枠2(第2図にのみ図示)に近接する位置から
図示しない駆動機構により製織の進行に伴い三次元織物
を引取る方向(第1図の左方)に移動される経糸支持板
3に固定された状態で複数列、複数行に張設されてい
る。織前枠2と経糸供給部1との間には経糸開口装置4
が配設され、経糸zは各行ごとに別々のヘルド5に挿通
されてヘルド5の昇降動にともない一層ずつ開口可能と
なっている。又、織前枠2と経糸開口装置4との間には
第1緯糸供給部6から繰り出される第1緯糸yをその昇
降動により経糸z群の各列内に挿入する作用を為すヘル
ド7が配設され、第1緯糸供給部6とヘルド7との間に
は経糸開口装置4より上方にガイドバー8がヘルド7と
平行に配設されている。
第2緯糸x挿入用の緯糸挿入装置9は第1,3〜6図に示
すように、経糸z群の側方に配設されている。三次元織
機のフレーム(図示せず)に固定された支持ブラケット
10には一対のガイドロッド11が上下方向に延びる状態に
固定され、該ガイドロッド11に対して支持体12が摺動可
能に支承されている。支持ブラケット10にはボールネジ
機構を構成するスクリュウ軸13が両ガイドロッド11と平
行にベアリング(図示せず)を介して回転自在に支持さ
れ、支持ブラケット10の下端にはスクリュウ軸13を駆動
する正逆回転駆動可能なモータMが固定されている。前
記支持体12にはボールネジ機構のナット部(図示せず)
が装備され、スクリュウ軸13の正逆回転に伴い支持体12
が昇降動されるようになっている。
支持体12の上面に突設された支軸14にはほぼL字状をな
す緯糸挿入具としてのレピア15がその基端において回動
可能に支持されている。又、支持体12の上面には移動手
段を構成するエアシリンダ16がその基端において軸17に
より回動可能に支持されるとともに、ピストンロッド16
aの先端がピン18を介して前記レピア15に回動可能に連
結され、エアシリンダ16の作動によりレピア15が第2緯
糸供給部19から供給される第2緯糸xを経糸z群内に挿
入する緯糸挿入位置と経糸z群内から退避した待機位置
とに移動配置されるようになっている。レピア15は緯糸
挿入位置に配置された際織前位置と平行に延びる押圧面
20が経糸z群の行の幅より長く形成され、先端にはレピ
ア15が緯糸挿入位置に配置された際、三次元織物Fから
第2緯糸供給部19に連なる第2緯糸xを前記押圧面20の
織前側に導く糸道21が形成されている。なお、経糸z及
び第1緯糸yの本数は織成条件により適宜変更可能に構
成され、第1図には経糸z及び第1緯糸yの本数が第2
〜6図のものと異なる場合が図示されている。
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
さて、第2図は緯糸挿入装置9により経糸z群の下方か
ら順に各行間への第2緯糸xの挿入を繰り返した後、最
上部の行間への第2緯糸xの挿入が行われている状態を
示しており、第3図はその平面図である。なお、平面図
では織前枠2及び織前枠2より後方の第1緯糸yを省略
している。この状態では経糸開口装置4のヘルド5のう
ち織前枠2に最も近いヘルド5のみが上昇位置に配置さ
れ、最上段に経糸開口が形成されている。
第3図に鎖線で示すようにピストンロッド16aが没入状
態においてレピア15は経糸z群内から退避した待機位置
に配置されており、エアシリンダ16の作動によりピスト
ンロッド16aが突出するとレピア15が支軸14を中心に第
3図の反時計方向に回動されて経糸開口内に侵入すると
ともに第3図に実線で示す緯糸挿入位置に移動配置され
る。三次元織物Fから糸道21を経て第2緯糸供給部19に
連なる第2緯糸xは、レピア15が待機位置から緯糸挿入
位置へ回動するに伴って初めのうちは三次元織物Fの織
前から糸道21に連なる第2緯糸xが弛むが、レピア15が
経糸開口内に侵入するに従い弛みが解消されて次第にレ
ピア15の押圧面20と平行な状態になり、織前位置に配置
された直後に押圧面20により織前位置に押圧(筬打ち)
される。このとき経糸zの各列間に先に挿入されている
第1緯糸yに対する筬打ち作用が同時に行われ、第1緯
糸yが経糸zに対して直交する状態となる。レピア15が
緯糸挿入位置に配置された状態で第2緯糸xの先端ルー
プに図示しない耳糸挿入装置により耳糸Pが挿入され
る。その後エアシリンダ16の作動によりピストンロッド
16aが没入作動され、レピア15が時計方向に回動されて
待機位置に移動配置されることにより、第4図に示すよ
うに第2緯糸xが折り返し状に経糸開口内に挿入され
る。このときレピア15はその糸道21が織前線の延長線よ
り若干前方位置に配置されるため、第2緯糸xは確実に
織前線と平行な状態で折り返し状に挿入される。
次にモータMが正転駆動されてスクリュウ軸13が所定量
正転され、支持体12とともにレピア15が経糸zの1ピッ
チ分上昇移動される。そして、上昇位置に配置されてい
たヘルド5が下降位置に配置された状態で前記と同様に
エアシリンダ16の作動によるレピア15の緯糸挿入位置へ
の移動配置、第2緯糸xの先端ループへの耳糸Pの挿入
完了後、エアシリンダ16の作動によりレピア15が待機位
置に移動配置されることにより全層に対する第2緯糸x
の緯入れが終了する。次に第5図に示すようにヘルド7
が下降移動され、第1緯糸yが下方へ折曲げられて経糸
z群の各列間に一度に緯入れされて第6図に示す状態と
なる。
次に再び織前側のヘルド5が上昇位置に配置されて最上
段の経糸開口が形成されるとともに、モータMが逆転駆
動されてレピア15が最上段の経糸開口と対応する位置に
下降移動された後、前記と同様にして経糸開口内への第
2緯糸xの緯入れが行われる。以下、一段ごとの緯入れ
が終了するたびに経糸開口装置4のヘルド5が織前側か
ら順に上昇位置に配置されて経糸開口が一段ずつ下方に
移動されるとともに、モータMが逆転駆動されてレピア
15が経糸開口と対応する位置に下降移動された後、エア
シリンダ16が作動されて第2緯糸xの緯入れが行われ
る。第1緯糸y用のヘルド7が織前位置から離れている
ため、ヘルド7の下降移動だけでは第1緯糸yは経糸z
に対して斜めとなっているが、レピア15による第2緯糸
xの緯入れに伴い第1緯糸yが順次経糸zと直交状態と
なるように織り込まれる。そして、最下層への第2緯糸
xの挿入が終了すると、ヘルド7が上昇移動されて第1
緯糸yが上方へ折り曲げられた後、経糸開口装置4のヘ
ルド5が織前と反対側から順に下降位置に配置されて経
糸開口が一段ずつ上方に移動されるとともに、モータM
が正転駆動されてレピア15が経糸開口と対応する位置に
上昇移動され、第2緯糸xの緯入れが同様に行われる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
例えば、第2緯糸供給部19とレピア15との間に弛み吸収
装置を設けて三次元織物Fからレピア15の糸道21に連な
る第2緯糸xが常に一定の張力に保持されるようにした
り、レピアを回動して緯糸挿入位置と待機位置とに移動
配置する代わりにレピアを直線状に形成するとともに織
前位置より前方で経糸z群の行間に経糸z群と直交する
状態で挿入した後織前位置へ向かって移動させるように
してもよい。又、低密度の三次元織物を織製する場合に
は1行ずつ順に第2緯糸xを挿入する代わりに、レピア
を行数に対応した数設けて経糸z群の行間に一斉に第2
緯糸xを挿入するようにしてもよい。さらには、第7図
に示すように経糸z群の上方に、その各列間に侵入可能
な多数枚の筬羽22aを備え図示しない駆動機構により駆
動される筬22を配設して筬打ちを行うようにしてもよ
い。この場合には三次元織物のより高密度化に対応でき
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、緯糸挿入時に織前
位置に弛みのない状態で緯糸が確実に挿入されるととも
に挿入された緯糸が緯糸挿入具により筬打ちされるの
で、三次元織物を織製する場合に緯入れ動作数を少なく
でき高速化が可能になるとともに筬打ち用の筬を設ける
必要がなく三次元織機の構造の簡素化が可能となる。
又、緯糸が緯糸供給部から供給されるので、シャトルや
スプールを使用した従来装置と異なり多量の緯糸を連続
して供給できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は緯糸挿入装置と経糸z群の関係を示す概略斜視
図、第2,5図は三次元織物の織成状態を示す概略側面
図、第3,4,6図は同じく概略平面図、第7図は変更例の
部分概略斜視図、第8図は従来の三次元織物の織成状態
を示す概略側面図、第9,10図は別の従来の三次元織機の
織成状態を示す概略側面図である。 緯糸挿入装置9、緯糸挿入具としてのレピア15、移動手
段としてのエアシリンダ16、第2緯糸供給部19、押圧面
20、糸道21、第1緯糸y、第2緯糸x、経糸z、三次元
織物F。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の経糸(z)を複数列、複数行に張設
    した経糸(z)群の列及び行間に第1緯糸(y)及び第
    2緯糸(x)をそれぞれ経糸(z)と直交する状態に織
    り込む三次元織機において、 緯糸供給部から供給される緯糸を経糸(z)群内に挿入
    する緯糸挿入位置と経糸(z)群内から退避した待機位
    置とに移動配置可能に設けられ、緯糸挿入位置に配置さ
    れた際織前位置と平行に延びる押圧面が経糸(z)群の
    行の幅より長く形成され、かつ緯糸挿入位置に配置され
    た際三次元織物から緯糸供給部に連なる緯糸を前記押圧
    面の織前側に導く糸道を備えた緯糸挿入具と、 前記緯糸挿入具を緯糸挿入位置と待機位置とに移動さ
    せ、かつ緯糸挿入位置への移動配置時に前記押圧面に対
    して織前側への押圧力を発生させる方向に移動させる移
    動手段と を設けた三次元織機の緯糸挿入装置。
JP716689A 1989-01-14 1989-01-14 三次元織機の緯糸挿入装置 Expired - Lifetime JPH0796733B2 (ja)

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JPH02191741A JPH02191741A (ja) 1990-07-27
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