JPH079547A - ポリエチレンテレフタレートシート成形耐熱容器及びその製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートシート成形耐熱容器及びその製造方法

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JPH079547A
JPH079547A JP5157518A JP15751893A JPH079547A JP H079547 A JPH079547 A JP H079547A JP 5157518 A JP5157518 A JP 5157518A JP 15751893 A JP15751893 A JP 15751893A JP H079547 A JPH079547 A JP H079547A
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terephthalate sheet
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徹 吉見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れかつ模様くずれのないポリエチ
レンテレフタレートシート成形耐熱容器を得る。 【構成】 結晶性ポリエチレンテレフタレートシートで
ある原反aに、一面に印刷層を持つ結晶性ポリエチレン
テレフタレートフィルムbをその印刷層が原反側となる
ようにして積層し、該積層シートをその結晶化温度以下
の温度に加熱して熱接着しかつ軟化した後、軟化した積
層シートを結晶化温度以上の温度に加熱された金型gに
て所望する形状に成形すると同時に結晶化させる。 【効果】 オーブン内でケーキなどの加熱調理に用いて
も、熱変形せずまたシートとフィルム間の剥離も生じな
い。それにより印刷模様も崩れることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエチレンテレフタレ
ートシート成形耐熱容器及びその製造方法に関し、特に
180℃〜220℃のような高温環境下にあるオーブン
内でケーキなどを加熱調理するのに好適に用いることの
できる耐熱容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種食品の販売に使用する包
装容器として、発泡ポリスチレンシートなどの熱可塑性
樹脂の発泡シートを真空成形や圧空成形などの熱成形方
法によって製造した成形容器が用いられている。しか
し、発泡ポリスチレンシートなどの発泡シートは耐熱性
に劣ることからその種の容器を電子レンジやオーブンな
どの加熱調理器に収容して食品を直接加熱調理すること
はでず、家庭においては食品を別の容器に移した後に加
熱調理したり、また食品工場においてはケーキなどの加
熱調理の目的でそのような容器を使用することができな
かった。
【0003】耐熱性を改善するために、発泡ポリスチレ
ンシートなど発泡シートの内面に耐熱性に優れたポリエ
チレンテレフタレート樹脂フィルムを積層することが提
案されているが、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィ
ルムは熱成形性に劣っており、そのままでは圧空成形な
どによるシート成形手段では容器の成形が難しい問題が
あった。
【0004】その不都合を解決するものとして、長尺状
の発泡ポリスチレンシートと、特定の伸びと引張強度を
持つ無延伸非結晶性であるポリエチレンテレフタレート
樹脂フィルムとを、中間に接着剤を介して連続的に走行
させながら重ね合わせ加熱接着し複合シートを製造する
工程と、複合シートを所定の成形温度まで加熱昇温した
後、成形型で熱成形して容器形状に成形する工程とから
なる耐熱容器の製造方法が提案されている(特開昭62
−70019号公報参照)。この提案は、熱成形性は阻
害されず仕上がりの良い食品容器を得ることができる
が、非結晶性のポリエチレンテレフタレート樹脂フィル
ムを用いることを前提としているために耐熱性が十分で
なく、100℃程度が限界となる。
【0005】耐熱性をさらに向上させた容器の製造方法
として、ポリエチレンテレフタレート樹脂のような熱可
塑性樹脂をそのガラス転移温度以上結晶化温度以下に加
熱して、真空、圧空又は熱プレスなどの方法で成形し、
成形された形状を維持したまま当該熱可塑性樹脂の結晶
化温度以上融点以下に加熱して結晶化する耐熱容器の製
造方法が提案されている(特公平4−29529号公
報)。この製造方法によれば結晶化温度以下に加熱した
状態で成形することから成形性も比較的良好であり、ま
た最終的に結晶化温度以上の温度に維持することにより
熱可塑性樹脂が加熱結晶化することから、得られる耐熱
性容器は十分な耐熱性を有しオーブンなどでの加熱調理
に用いる耐熱容器として有効に用いうることが期待でき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように結晶性ポ
リエチレンテレフタレート樹脂シートを用いて耐熱性の
ある容器を製造するには結晶化度を上げることが必要で
あり、そのために最終的に結晶化温度以上に上げた加熱
金型での成形が不可欠となる。一方、この種の食品用容
器に対して商品価値を高めるなどの目的から印刷模様を
付加する要望は以前よりなされているが、このような結
晶性ポリエチレンテレフタレートシートの表面に予め印
刷模様を形成し、それを結晶化温度以上に加熱された金
型で成形しようとすると、シート表面に前もって印刷さ
れた印刷インクが金型に転写してしまうという問題があ
った。金型面に転写された印刷インクは次に供給される
シートの成形時に成形品側に再度転写されて成形品に不
用な模様を賦与することとなり、商品価値を低下させる
ことから、印刷模様を持つ結晶性ポリエチレンテレフタ
レートシートから成形された耐熱容器はこれまで市場に
は上梓されていない。
【0007】もちろん、熱成形後に容器の表面に適宜の
手段により模様を付加するようにしてもよいが、成形品
の表面に印刷などにより賦与された模様は、ケーキの加
熱調理時のように容器をオーブン内などの高温環境に曝
すことによりインキが変質したりあるいは剥離する場合
があると同時に、曲面を持つ物品に模様を賦与すること
自体作業的に困難であり、低コストでかつ迅速に多数個
製造することが求められるこの種の容器に対しては実用
上適用することはできない。
【0008】本発明は、結晶性ポリエチレンテレフタレ
ートシートで成形された耐熱容器の持つ上記のような不
都合を解決することを目的としており、より具体的に
は、十分耐熱性を持つばかりでなく、製造コストを安価
であり、かつ高温環境下に置かれても剥離などの不都合
を生じない印刷模様を容器の表面に賦与することにより
商品価値がさらに高められたポリエチレンテレフタレー
トシート成形耐熱容器及びその製造方法を得ることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決しかつ
目的を達成するために、本発明は基本的に、結晶性ポリ
エチレンテレフタレートシートからなる容器本体と該容
器本体にラミネートされた結晶性ポリエチレンテレフタ
レートフィルムとからなり、該ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムには容器本体に接する側に印刷層を有して
いることを特徴とするポリエチレンテレフタレートシー
ト成形耐熱容器を開示する。
【0010】ポリエチレンテレフタレートシートは、発
泡シートであってもよく非発泡シートであってもよい。
その厚みに特に制限はないが、食品容器として求められ
る強度及び製造時における金型間での結晶化に要する時
間などを考慮すると、非発泡シートの場合には0.25〜
1.0mm程度、発泡性シートの場合には0.5〜3.0mm
程度であることが好ましく、それにより強度及び生産性
の両面から満足したものを得ることができる。
【0011】また、該容器本体にラミネートされるポリ
エチレンテレフタレートフィルムの厚さは、薄すぎると
模様印刷性が阻害され厚すぎると伝熱性が低下して製造
時の生産性を低下することから、0.015〜0.080m
m程度であることが好ましく、それにより両者を満足す
るものが得られる。本発明はまた、結晶性ポリエチレン
テレフタレートシートである原反に、一面に印刷層を持
つ結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムをその印
刷層が原反側となるようにして積層する工程、該積層シ
ートをその結晶化温度以下の温度に加熱して熱接着しか
つ軟化する工程、及び軟化した積層シートを結晶化温度
以上の温度に加熱された金型にて所望する形状に成形す
ると同時に結晶化させる工程、とを少なくとも有するこ
とを特徴とする、ポリエチレンテレフタレートシート成
形耐熱容器の製造方法をも開示する。
【0012】上記の方法を実施するに際して、原反であ
る結晶性ポリエチレンテレフタレートシートとして、密
度1.25〜1.42程度であり厚さが好ましくは0.25〜
1.0mm程度の結晶性非発泡ポリエチレンテレフタレー
トシートを用いることもでき、また密度0.6〜0.15程
度であり厚さが好ましくは0.5〜3.0mm程度の発泡結
晶性ポリエチレンテレフタレートシートを用いることも
できる。
【0013】いずれの場合であっても、そこに積層する
結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムとして密度
は1.25〜1.42程度であり厚みが好ましくは0.015
〜0.080mmのものを用いる。該フィルムの前記積層
面には従来知られた適宜の手段により単色又は多色の印
刷模様を予め印刷しておく。結晶性ポリエチレンテレフ
タレートシートと結晶性ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムとを積層して加熱接着する際に、該フィルム及び
シートを結晶化温度以上に加熱すると接着表面が過度に
結晶化してしまうために成形時の伸びが悪くなり、成形
性が悪くなる。従って、この成形前の前記積層シートの
加熱は結晶性ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度
以下の温度で行う。そうすることにより、結晶性ポリエ
チレンテレフタレートシート及びフィルムの双方はまっ
たく結晶化せずに、したとしてもごく低いパーセントで
結晶化した状態で、軟化し、しかも特にバインダーを用
いることなしに相互に自由移動が拘束された状態に熱接
着される。
【0014】この熱接着は、好ましくは該フィルムとシ
ートの接着時の加熱温度を結晶性ポリエチレンテレフタ
レート樹脂の結晶化温度以下20℃の範囲で行い、加熱
ロールにてフィルム側より圧着し、接着した後、好まし
くは冷却ロールにて直ちに100℃以下に冷却すること
により、熱接着時(ラミネート時)における結晶化度を
シート及びフィルムともに0%、多くとも容易に成形可
能な16%以下に押さえることができる。なお、この状
態の積層シートは接着強度は比較的弱く、成形品として
のフィルムとシートの境界面の接着強度としては十分で
はない。
【0015】その状態となった積層シートを通常の加熱
炉に送り込む。そこにおいて、より高い温度ではあるが
依然として結晶化温度以下の温度、好ましくは150〜
155℃に加熱されて、さらに軟化する。なお、接着強
度の比較的弱い積層シートが加熱炉におる加熱時におい
て、シート及びフィルムの熱収縮の違いなどにより剥離
やしわが発生するのを避けるために、フィルムとして延
伸配向処理を施していないものを使用することは好まし
い態様である。
【0016】加熱軟化した積層シートは、次いで結晶性
ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度以上の温度、
例えは180℃程度に加熱された金型を持つ成形装置に
送給されて真空又は圧空成形が行われる。所望の結晶化
度が得られる時間だけ成形時間をとることにより、積層
シートは所望する形状に成形されかつ所望の結晶化度が
得られシートとフィルムの接着強度は向上して強固なも
のとなる。用いる成形装置は加熱金型を持つ通常の真
空、圧空成形装置でよく、その成形圧力(真空、圧力空
気)により、接着強度がさらに増強して使用上何等支障
の無い多層構造の耐熱容器が得られる。
【0017】接着強度は加熱金型内で結晶化が促進して
いく過程で増していくが、充分に結晶した時点ではいく
ら加圧しても接着しない。成形時間としてはDSC結晶
化度が25〜30%に達する時間であって加熱金型の温
度が180℃の時で7〜8秒が適切である。成形完了
後、加熱金型より成形品を離型し冷却部へ搬送する。次
いで必要に応じて冷却金型もしくは空冷により冷却され
た後、トリミング機械へ搬送し、トリミング、スタック
されて製品とされる。得られる耐熱容器の220℃での
寸法収縮率は2%以内であった。
【0018】なお、該積層シートから成形品を成形する
に際して、前記印刷模様を持つポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの面を成形品の内側面となるようにして成
形する場合であっても外側面となるように成形する場合
であっても、同様に本発明の目的が達成されることは明
らかである。
【0019】
【作 用】本発明によるポリエチレンテレフタレートシ
ート成形耐熱容器においては、印刷模様を持つポリエチ
レンテレフタレートフィルムがその印刷面を内面すなわ
ち容器本体をなすポリエチレンテレフタレートシートに
接するようにして積層されているので、耐熱容器として
所要の印刷模様を持つ商品価値の高いものとなるばかり
でなく、その模様はポリエチレンテレフタレートフィル
ムに被覆されていることから、オーブン内などの高温環
境下で加熱調理を行ってもその模様が剥離などを起こす
ことがなく、高付加価値を維持することができる。
【0020】また、本発明によるポリエチレンテレフタ
レートシート成形耐熱容器の製造方法においては、該シ
ートとフィルムとを結晶化温度以下の温度で熱接着しか
つ軟化した状態で成形装置に送給され成形されるので、
成形性の悪化を生起せずに良好な成形が行われ、また成
形中に金型温度を結晶性ポリエチレンテレフタレートの
結晶化温度以上の温度に所定時間維持することにより結
晶化が促進されその過程でシートとフィルムとの接着強
度は向上し、成形後の容器においてはシートとフィルム
とが完全に一体化しておりかつ高い耐熱性を持つことが
できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により発明を説明する。 〔実施例1〕図1に示す形態の装置を用いて耐熱容器の
成形を行った。図において、10は原反供給及び熱接着
装置、20は加熱炉、30は成形装置、40はトリミン
グ装置である。
【0022】原反供給及び熱接着装置10は取付け台
に、原反としてロール状の非発泡結晶性ポリエチレンテ
レフタレートシート(密度1.3、厚さ0.5mm)a、及
びロール状の非発泡結晶性ポリエチレンテレフタレート
フィルム(密度1.3、厚さ0.025mm)bを取り付け
た。なお、フィルムbは無延伸のものであり、かつフィ
ルムaに接する面には耐熱性インキによる模様(単色)
b’を予め印刷しておいた(図2参照)。
【0023】該シートaとフィルムbとを対をなすロー
ルc、c’及びもう一つの対をなすロールd、d’間を
通過させた。なお上ロールcは加熱ロールであり130
〜150℃に加熱可能であり、この実施例では150℃
に加熱した。下ロールc’は冷却ロールであり20〜4
0℃に維持可能であるが、この実施例では35℃に維持
した。また、ロールd、d’は共に冷却ロールであり2
0〜40℃に維持可能であるが、この実施例では25℃
に維持した。
【0024】ロールc、c’間を通過した時点でシート
bの表面温度を放射温度計により測定(多数点)したと
ころ平均145℃であった。また、ロールd、d’を間
を通過した時点でシートbの表面温度を同様にして測定
したところ平均93℃であった。原反供給及び熱接着装
置10を出た積層シートを従来知られた搬送手段により
間欠的に加熱炉20に搬送した。加熱炉20は上下に遠
赤外線セラミックヒータを複数個配置したものであり、
その間を通過する間に前記積層シートの表面温度が14
5〜155℃に達するように調整した。
【0025】成形装置30は雄金型g、雌金型g’を有
する真空・圧空成形器であり、各金型には図示しないヒ
ータが装着されていて金型温度を調整できるようにして
ある。雄金型gは1kg/cm2 の圧空を供給でき、雌
金型は−550mmHgの真空引きが可能のものを用い
た。両金型g、g’は従来知られた油圧装置により互い
に接近、離間するように移動する。この実施例では、金
型温度を180℃に維持するようにした。
【0026】金型間に搬送された積層シートを金型に挟
持し、雌金型よりの真空作用により成形すると共に雄金
型よりも圧力空気にて加圧することで成形の型の出をよ
くするようにした。成形プレス時間(成形金型への積層
シート密着時間)はDSC結晶化度が25〜30%に達
する時間である7秒とした。なお、各金型は次のような
寸法の成形品が得られるように調整した。 サイズ 口径 93mm 深さ 35mm、テーパ角度 7度 トータル肉圧 底面 0.14〜0.18mm 側面 0.25〜0.30mm
【0027】金型による成形後に成形品を離型し、図示
しない冷却装置により冷却した後、トリミング装置70
へ搬送してトリミングし、ポリエチレンテレフタレート
シート成形耐熱容器を得た。図2aは得られた製品の断
面図であり、図2bはその一部拡大図である。図におい
てaは容器本体を形成する非発泡ポリエチレンテレフタ
レートシートであり、bはシートaの外側にラミネート
されたポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
b’はポリエチレンテレフタレートフィルムbバックプ
リントされた印刷インクを示している。
【0028】〔考 察〕上記で成形された成形品の耐熱
評価を220℃の恒温槽内に30分間放置した後に行っ
た。熱収縮などの変形率(寸法収縮率)は口径、高さと
もに1.3〜2.0%であり、従来のラミネートしない結晶
性ポリエチレンテレフタレートシートのみの成形品と同
等であった。また、ラミネートしたポリエチレンテレフ
タレートフィルムの剥離も認められず、印刷模様も成形
による延伸以外の障害は認められなかった。外観上は何
等問題はなく、商品価値の高い成形品となった。
【0029】加熱テスト前の成形品の結晶化度は結晶性
ポリエチレンテレフタレートシート部分で27〜29
%、フィルム部分で28%であった。次に、原反供給及
び熱接着装置10を出た直後の積層シートから幅20m
m、長さ100mmの資料片を複数個作成して、該フィ
ルムとシートとの剥離強度を測定した。測定は資料片の
該シート面を固定してフィルムをシート面と水平にひき
はがした時の反力を測定(引っ張り速度:50mm/
分)したところ、平均で90〜170gであった。次
に、成形品の底部から、幅20mm、長さ40mmのカ
ット資料を複数用意して同様の剥離試験を行ったとこ
ろ、平均で1.6〜2.3kgであり、接着強度は大きく向
上していた。
【0030】〔実施例2〕原反としてのロール状の非発
泡結晶性ポリエチレンテレフタレートシートとして、密
度1.3、厚さ0.35mmのシートを用いた以外は実施例
1の場合とし同様にして、耐熱容器の成形を行った。 〔考 察〕成形された成形品について実施例1と同じ耐
熱評価を行ったところ、変形率は口径、高さともに同じ
であった。また、ラミネートしたポリエチレンテレフタ
レートフィルムの剥離も同様に認められず、印刷模様も
成形による延伸以外の障害は認められなかった。
【0031】加熱テスト前の成形品の結晶化度は結晶性
ポリエチレンテレフタレートシート部分で28〜30
%、フィルム部分で29%であった。実施例1の場合と
同様に試験片を作成して成形前の積層シートの剥離強度
を測定したところ、平均で80〜200gであった。次
に、成形品について同様の剥離試験を行ったところ、平
均で1.2〜2.2kgであった。
【0032】〔実施例3〕次の点を除き、実施例1と同
様にして耐熱容器の成形を行った。非発泡結晶性ポリエ
チレンテレフタレートシートaに代えて、発泡結晶性ポ
リエチレンテレフタレートシート(密度1.2、厚さ1.2m
m)を用いた。また、成形を雌金型真空併用のマッチモー
ルド成形により行った。雌金型は−550mmHgの真
空引きが可能のものを用いた。さらに、成形プレス時間
(成形金型への積層シート密着時間)は8秒とした。な
お、各金型は次のような寸法の成形品が得られるように
調整した。 サイズ 口径 93mm 深さ 35mm、テーパ角度 7度 トータル肉圧 底面 0.6〜0.8mm 側面 1.0〜1.7mm
【0033】〔考 察〕成形された成形品についてを実
施例1と同じ耐熱評価を行ったところ、変形率は口径、
高さともに同じであった。また、ラミネートしたポリエ
チレンテレフタレートフィルムの剥離も同様に認められ
ず、印刷模様も成形による延伸以外の障害は認められな
かった。
【0034】加熱テスト前の成形品の結晶化度は結晶性
ポリエチレンテレフタレートシート部分で25〜80
%、フィルム部分で28%であった。実施例1の場合と
同様に試験片を作成して成形前の積層シートと成形品の
剥離強度とを測定しようと試みたが、ともに積層面での
気泡破壊が起こり計測不能であった。このことは、実用
に支障のない程度にシートとフィルムとは接合している
ことを示している。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、印刷模様を持ちかつ耐
熱性が高い耐熱容器が得られ、さらに印刷模様がポリエ
チレンテレフタレートフィルムに被覆されていることか
ら、オーブン内などの高温環境下で加熱調理を行っても
その模様に剥離などが生じることがなく、商品としての
高付加価値を長期にわたり維持することができる。
【0036】また、本発明によれば、結晶化温度以下の
温度で熱接着しかつ軟化した状態でポリエチレンテレフ
タレートシートとフィルムの積層シートが成形装置に送
給され成形されるので、良好な成形を行うことができ、
また成形中に金型温度を結晶化温度以上の温度に所定時
間維持することにより結晶化が促進されその過程でシー
トとフィルムとの接着強度は向上し、シートとフィルム
との接合に特にバインダーを必要とせずに両者を完全に
一体化しかつ高い耐熱性を持つ成形容器を低コストで得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による成形方法も用いられる装置を説明
する図。
【図2】aは本発明により成形される耐熱容器の断面
図、bはその一部の拡大図。
【符号の説明】
10…原反供給及び熱接着装置、20…加熱炉、30…
成形装置、40…トリミング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 22:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが0.25〜1.0mmの非発泡ポリエ
    チレンテレフタレートシートからなる容器本体と該容器
    本体にラミネートされた厚さが0.015〜0.080mm
    のポリエチレンテレフタレートフィルムとからなり、該
    ポリエチレンテレフタレートフィルムには容器本体に接
    する側に印刷層を有していることを特徴とするポリエチ
    レンテレフタレートシート成形耐熱容器。
  2. 【請求項2】 厚さが0.5〜3.0mmの発泡ポリエチレ
    ンテレフタレートシートからなる容器本体と該容器本体
    ラミネートされた厚さが0.015〜0.080mmのポリ
    エチレンテレフタレートフィルムとからなり、該ポリエ
    チレンテレフタレートフィルムには容器本体に接する側
    に印刷層を有していることを特徴とするポリエチレンテ
    レフタレートシート成形耐熱容器。
  3. 【請求項3】 220℃での寸法収縮率が2%以内であ
    る請求項1又は2記載のポリエチレンテレフタレートシ
    ート成形耐熱容器。
  4. 【請求項4】 結晶性ポリエチレンテレフタレートシー
    トである原反に、一面に印刷層を持つ結晶性ポリエチレ
    ンテレフタレートフィルムをその印刷層が原反側となる
    ようにして積層する工程、該積層シートをその結晶化温
    度以下の温度に加熱して熱接着しかつ軟化する工程、及
    び軟化した積層シートを結晶化温度以上の温度に加熱さ
    れた金型にて所望する形状に成形すると同時に結晶化さ
    せる工程、とを少なくとも有することを特徴とする、ポ
    リエチレンテレフタレートシート成形耐熱容器の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 原反である結晶性ポリエチレンテレフタ
    レートシートとして密度1.3以上であり厚さが0.25〜
    1.0mmの結晶性非発泡ポリエチレンテレフタレートシ
    ートを用いることを特徴とする請求項4記載のポリエチ
    レンテレフタレートシート成形耐熱容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 原反である結晶性ポリエチレンテレフタ
    レートシートとして密度は0.6〜0.15であり厚さが0.
    5〜3.0mmの発泡結晶性ポリエチレンテレフタレート
    シートを用いることを特徴とする請求項4記載のポリエ
    チレンテレフタレートシート成形耐熱容器の製造方法。
  7. 【請求項7】 積層する結晶性ポリエチレンテレフタレ
    ートフィルムとして密度は1.3以上であり厚みは0.01
    5〜0.080mmであって、かつ延伸配向処理をしてい
    ない結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い
    ることを特徴とする請求項4記載のポリエチレンテレフ
    タレートシート成形耐熱容器の製造方法。
JP5157518A 1993-06-28 1993-06-28 ポリエチレンテレフタレートシート成形耐熱容器及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2907685B2 (ja)

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