JP2890360B2 - 剥離性多層構造物の製造方法 - Google Patents
剥離性多層構造物の製造方法Info
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Description
用される剥離性多層構造物の製造方法に関する。
工品が多く用いられている。プラスチック加工品を用い
る場合、包装体の開封を容易にするため、プラスチック
材料として剥離性を有するものを用い、そのプラスチッ
ク材料を剥離することにより包装体を開封することが考
えられている。このため、剥離性を有するプラスチック
材料が望まれている。特に、プラスチック材料として、
耐熱性、耐薬品性、コスト性等の点で優れたポリオレフ
ィン系樹脂の需要が極めて高く、ポリオレフィン系樹脂
を用いた剥離性材料が求められている。
として剥離性多層構造物が挙げられる。従来の剥離性多
層構造物の製造方法としては、ラミネート法、押出
法が挙げられる。例えば、2つのポリオレフィン系樹脂
からなる層を有する剥離性多層構造物を製造するとき、
のラミネート法を用いる場合、ポリオレフィン系樹脂
をシート状等に成形し、剥離材や粘着剤等を一方のシー
ト上に塗工し、その上に他方のシートをラミネートして
剥離性多層構造物を製造する。また、の押出法を用い
る場合、2つのポリオレフィン系樹脂からなる層を接着
樹脂を介して共押出するか、あるいは、2つのポリオレ
フィン系樹脂からなる層の一層又は両層に第三成分を配
合して押し出し、剥離性多層構造物を製造する。
塗工する工程が煩雑であること、最低3層以上となるこ
と、所望の剥離強度を得ることのできる剥離材や粘着剤
等の選定が煩雑であることなどの問題がある。
る場合、最低3層以上必要であること、強固に接着させ
ることを目的としているため剥離性が不十分であること
等の問題がある。また、第三成分を配合する場合、原料
の組み合わせにより多層構造物の剥離性を実現するため
原料が制限されること、配合する第三成分の影響から機
械的物性、外観適性等に制約があることなどの問題があ
る。
接着樹脂を必要とせず、所望の易剥離性を示す層間剥離
強度を得ることのできる剥離性多層構造物の製造方法を
提供しようとするものである。
ねた結果、特定の層構造を有する積層体を特定の温度以
上に加熱した後冷却し、その冷却の際冷却速度を調節す
ることにより層間剥離強度を制御することができ、目的
とする多層構造物が得られることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
ポリエチレンを3〜30重量%含有するポリプロピレン樹
脂(以下、ポリプロピレン系樹脂ということがある。)
からなる層とを隣接させて重ね合わせた積層体をポリプ
ロピレン系樹脂の主融解ピーク温度〜該主融解ピーク温
度+135℃の温度に加熱し、次いで、加熱された積層体
を冷却速度を調節して冷却することにより、ポリエチレ
ン系樹脂からなる層とポリプロピレン系樹脂からなる層
との層間剥離強度を0.1〜2.0kg〜25mmに調整して易剥離
性の剥離性多層構造物を製造することを特徴とする剥離
性多層構造物の製造方法を提供するものである。
らなる層とポリプロピレン系樹脂からなる層とを隣接さ
せて重ね合わせた積層体を加熱する。
密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン
(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)のいずれか
1種又は2種以上の混合物からなる層が挙げられる。使
用するポリエチレン系樹脂は、主融解ピーク温度が95〜
135℃のものであることが好ましい。ここで、主融解ピ
ーク温度とは、融解ピーク温度のうち最大ピークを示す
融解ピーク温度をいう。
樹脂にはポリエチレンを3〜30重量%、好ましくは10〜
30重量%含有させることにより易剥離性の多層構造物が
得られる。使用するポリプロピレン系樹脂は、主融解ピ
ーク温度が135〜165℃のものであることが好ましい。
な厚みであれば特に制限はない。通常2mm程度以下であ
ると、冷却速度の制御が容易であり好ましい。
ン系樹脂からなる層とを隣接させて重ね合わせた積層体
としては、各層を構成する樹脂をそれぞれ個別に溶融し
て押出法等により単層品として成形し、これらの2つの
単層品を隣接して重ね合わせただけのものであってもよ
い。あるいは、これらの2つの単層品を隣接して重ね合
わせた後プレス法等により一体化させたものや、両層を
構成する樹脂を同時に溶融して共押出法等により成形し
て一体となったものであってもよい。
ボトル状、トレー状など任意の形状とすることができ
る。
解ピーク温度〜該主融解ピーク温度+135℃の温度で行
う。ポリプロピレン系樹脂の主融解ピーク温度未満の温
度では、上記の2つの単層品を隣接して重ね合わせた積
層体では、両層が融着せず、多層構造物の製造ができな
い。また、ポリプロピレン系樹脂の主融解ピーク温度+
135℃を超える温度では、両層を構成する樹脂の劣化が
生じ好ましくない。
特に制限はないが、通常10秒以上とすることが好まし
く、特に30秒以上とすることが好ましい。
媒体等に積層体を接触させて加熱する接触加熱手段や、
他の媒体を介して加熱する間接加熱手段などが挙げられ
る。使用する熱媒体には、特に制限はない。例えば、2
つの単層品を隣接して重ね合わせた積層体では、プレス
機等により積層体を加熱する手段が好適に使用できる。
また、共押出法等により成形した積層体では、押出時に
押出機のダイを加熱して積層体を加熱する手段が好適に
使用できる。
する。冷却速度としては、10-2〜104℃/秒とすること
が好ましい。
はなく、冷却媒体等に積層体を接触させて冷却する接触
冷却手段や、他の媒体を介して冷却する間接冷却手段な
どが挙げられる。使用する冷却媒体には、特に制限はな
い。冷却速度を速くしたい場合には、熱伝導度の高く比
熱の高い媒体に積層体を接触させることが好ましい。一
方、冷却速度を遅くしたい場合には、熱伝導度の低く比
熱の低い媒体に積層体を接触させることが好ましい。
には、積層体を水槽内に浸して水冷する手段や、通水冷
却している金属ロールを用いて積層体をこれに接触冷却
させる手段などが好適である。また、100℃/秒程度で
徐冷する場合には、積層体の常温放置による手段や、加
熱ロールへの接触による手段、空冷による手段などが好
適である。
リエチレンの種類によって結晶化速度などが異なり、積
層体の冷却効果が異なるので、目的に応じて適宜使用す
るポリエチレンの種類を変更して冷却速度を調節するこ
ともできる。
リプロピレン系樹脂からなる層との層間剥離強度を調整
して、所望の層間剥離強度を有する剥離性多層構造物を
製造することができる。
場合には、剥離強度を難剥離の状態の最高約3.0kg/25mm
まで強くすることができる。10-1〜10-1℃/秒程度で徐
冷した場合には、剥離強度を易剥離の状態の最低約0.1k
g/25mmまで弱くすることができる。急冷と徐冷の間で
は、約0.1〜約3.0kg/25mmの間の任意の強度が得られ
る。
離強度を、積層体の冷却速度を変化させるだけで機械的
物性を全く変更せず、所望の強度に変化させることが可
能となり、本発明における特定の構成の積層体を冷却す
ると所望の剥離強度を有する易剥離性の多層構造物が容
易に得られる。このため、シート成形品や食品包装容器
用だけでなく、各種の使用用途分野で本発明により製造
された剥離性多層構造物を使用することが可能となる。
本発明はこれに限定されるものではない。
ン系樹脂からなる層をB層とし、第1表に示す性状を有
する(a)〜(d)の樹脂を用いて、第2表に示すA層
とB層とを隣接させて重ね合わせた積層体とした。この
積層体をポリプロピレン系樹脂の主融解ピーク温度165
℃より高い220℃に加熱した。
ィードブロック法、Tダイ法を用いてA層とB層とを共
押出して積層した。このとき、ダイ温度を220℃として
積層体を加熱した。得られた積層体のA層の厚みは0.1m
m、B層の厚みは0.7mmであった。
た。すなわち、予めTダイ法によりそれぞれA層、B層
の単層品を作製し、両層を隣接させて重ね合わせ、プレ
ス機で220℃に溶融加熱した。プレス圧力は10kg/cm2と
した。得られた積層体のA層の厚みは0.1mm、B層の厚
みは0.7mmであった。
て冷却した。冷却速度は、急冷、中間、徐冷の3種類と
した。急冷は、水温5℃の水槽に積層体を浸す水冷によ
り行った。中間の冷却は、水温60℃又は90℃の水槽に積
層体を浸す水冷により行った。徐冷は室温20℃中に積層
体を放置する放冷により行った。
層とB層との層間剥離強度をJIS K−6854に準拠し
て、180゜剥離、引張速度50mm/分、試験片幅25mmで測定
した。結果を第2表に示す。
れ145℃、120℃として、その他は実施例5と同様にして
多層構造物を製造した。結果を第2表に示す。
ず、かつ接着樹脂を必要とせず、所望の易剥離性を示す
層間剥離強度を有する剥離性多層構造物を提供すること
ができる。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリエチレン系樹脂からなる層とポリエチ
レンを3〜30重量%含有するポリプロピレン樹脂からな
る層とを隣接させて重ね合わせた積層体をポリプロピレ
ン樹脂の主融解ピーク温度〜該主融解ピーク温度+135
℃の温度に加熱し、次いで、加熱された積層体を冷却速
度を調節して冷却することにより、ポリエチレン系樹脂
からなる層とポリプロピレン樹脂からなる層との層間剥
離強度が0.1〜2.0kg〜25mmの範囲で制御された易剥離性
の剥離性多層構造物を製造することを特徴とする剥離性
多層構造物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2137063A JP2890360B2 (ja) | 1990-05-29 | 1990-05-29 | 剥離性多層構造物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2137063A JP2890360B2 (ja) | 1990-05-29 | 1990-05-29 | 剥離性多層構造物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0431046A JPH0431046A (ja) | 1992-02-03 |
JP2890360B2 true JP2890360B2 (ja) | 1999-05-10 |
Family
ID=15190026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2137063A Expired - Lifetime JP2890360B2 (ja) | 1990-05-29 | 1990-05-29 | 剥離性多層構造物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2890360B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09234815A (ja) * | 1996-02-28 | 1997-09-09 | Toppan Printing Co Ltd | 易開封性シーラント用積層体及びそれを用いた包装袋及び蓋材 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56142061A (en) * | 1980-04-09 | 1981-11-06 | Sumitomo Bakelite Co | Composite sheet |
JPS62199440A (ja) * | 1986-02-28 | 1987-09-03 | 出光石油化学株式会社 | 易剥離性多層材料 |
JPH0263830A (ja) * | 1988-08-31 | 1990-03-05 | Sun A Chem Ind Co Ltd | 表面保護フィルム |
-
1990
- 1990-05-29 JP JP2137063A patent/JP2890360B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0431046A (ja) | 1992-02-03 |
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