JP2002192672A - 金属ラミネート用積層フィルム - Google Patents

金属ラミネート用積層フィルム

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JP2002192672A JP2000395752A JP2000395752A JP2002192672A JP 2002192672 A JP2002192672 A JP 2002192672A JP 2000395752 A JP2000395752 A JP 2000395752A JP 2000395752 A JP2000395752 A JP 2000395752A JP 2002192672 A JP2002192672 A JP 2002192672A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料との十分な接着強度を有し、且つ、
金属材料との高速ラミネート適性、ラミネート後の外
観、製缶加工性に優れた金属ラミネート用積層フィルム
を提供すること。 【解決手段】 不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン系
樹脂よりなる接着層と1層以上の延伸されたポリプロピ
レン系樹脂層よりなる積層フィルムであって、積層フィ
ルムの示差走査熱量測定法による示差熱曲線の吸熱ピー
クが1つであり、積層フィルムの垂直ビーム透過X線回
折法で測定される結晶化度が60%以上で、且つ溶融後
における上記結晶化度が30〜50%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ラミネート用
積層フィルムに関するものである。詳しくは、延伸ポリ
プロピレンフィルムの有する、金属面への優れたラミネ
ート作業適性を維持しながら、ラミネート後の製缶加工
時における加工追従性が著しく改良され、且つ表面外観
も良好な、金属ラミネート用積層フィルムである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属材料の表面の腐食防止を目的
としてその表面に一回あるいは複数回の塗装、焼付けを
施した後、製缶加工されていた。近年、塗装工程の省略
化を図り環境にやさしくコスト的に安価なフィルムラミ
ネート法が行われている。
【0003】ラミネート用のフィルムとしては、ポリエ
ステル系フィルム、あるいは金属ラミネート用積層フィ
ルムが使用されている。ポリエステル系フィルムは、フ
レーバーバリアー性に優れることから飲料缶用途で使用
されている。しかし、ポリエステル系フィルムは、一般
缶にて内容物との離型性を必要とする用途では、表面張
力が比較的大きいため一般的に離型性に劣るという欠点
がある。
【0004】一方、ポリオレフィンフィルムを使用した
金属ラミネート用フィルムとして、延伸されたポリエチ
レン(PE)フィルム又はポリプロピレン(PP)フィ
ルムの片面に不飽和カルボン酸やその無水物等で変性さ
れたPE又はPPよりなる接着層を塗布してなる金属ラ
ミネート用フィルムが提案されている。
【0005】上記ポリオレフィンフィルムを使用した金
属ラミネート用フィルムは、比較的小さい表面張力を有
するため上記接触物(缶にあっては内容物)の離型性が
求められる用途において有効である。また、延伸された
PPフィルムは、腰が強く、金属板等の金属表面に高速
でラミネーとする場合のラミネート作業適性に優れてい
る。
【0006】しかしながら、上記金属ラミネート用フィ
ルムは金属表面にラミネート後においても延伸配向結晶
が残る場合があり、製缶加工時に角部等を形成する場合
の加工追従性が悪く、該部分でのフィルムの亀裂などが
起こるという問題を有する。
【0007】従来、上記問題に対しては、ラミネート金
属体の製造工程における条件を制御することによって解
決する方法が採られていた。例えば、延伸PPフィルム
を金属面にラミネート後、得られるラミネート金属体を
PPの融点以上に加熱し、残留する延伸配向を解除した
後、急冷する方法が提案されている。
【0008】上記方法により、前記問題は解決される
が、かかる方法はラミネート金属体を一旦溶融し、急冷
する操作を必要とし、エネルギー的にも、工程的にも不
利であると共に、延伸PPフィルムを一旦溶融するた
め、表面の平滑性が低下する場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、取扱性に優れることにより、金属表面への高速ラミ
ネート適性、ラミネート後の外観、製缶加工時の加工追
従性に優れた金属ラミネート用フィルムを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記した課
題を解決する為鋭意研究を重ねた結果、少なくとも片面
に接着層を有し、該接着層と1層以上の延伸されたポリ
プロピレン系樹脂層とを含む積層フィルムの原料PPと
して比較的結晶性の低いPPを使用し、これの延伸倍率
を調整することにより、特定の高い結晶化度を有する積
層フィルムとすることにより、上記課題が全て達成され
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、不飽和カルボン酸変性ポ
リプロピレン系樹脂よりなる接着層と1層以上の延伸さ
れたポリプロピレン系樹脂層よりなる積層フィルムであ
って、下記の条件を満足することを特徴とする金属ラミ
ネート用積層フィルムである。
【0012】(1)積層フィルムの示差走査熱量測定法
による示差熱曲線の吸熱ピークが1つである。
【0013】(2)積層フィルムの垂直ビーム透過X線
回折法で測定される結晶化度が60%以上である。
【0014】(3)積層フィルムを230℃で溶融後、
30℃にてプレス成形して得られる厚み0.3mmのシ
ートの垂直ビーム透過X線回折法で測定される結晶化度
が30〜50%である。
【0015】尚、本発明において、結晶化度は、垂直ビ
ーム透過X線回折法で測定された値である。詳しくは、
以下に示す方法によって求めることができる。
【0016】即ち、透過法回転試料装置を用い、ポリオ
レフィンフィルムをフィルム面に垂直な軸を中心に高速
で回転されながら、フィルム面に垂直な方向よりX線を
入射させて回折強度を測定し、次いで、得られたX線回
折強度曲線を非晶質ハローと各結晶質ピークに波形分離
を行い、非晶質ハローの面積(非晶質ハローの積分強
度)と全結晶質ピークの面積(各結晶質ピークについて
の積分強度の総和)から下記(I)式によって求めたも
のである。
【0017】 結晶化度(X)=Sc/(Sc+Sa)×100 (%) …(I) (ただし、Sc:全結晶質ピークの面積、Sa:非晶質
ハローの面積)
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の金属ラミネート用積層フィルムは、不飽
和カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂よりなる接着層
と1層以上の延伸されたポリプロピレン系樹脂層(以
下、延伸PP層ともいう)との積層フィルムによって構
成される。
【0019】上記接着層は、金属表面にラミネートする
際の接着層となる層であり、その機能上、金属ラミネー
ト用積層フィルムの片面に存在する。
【0020】かかる接着層は、金属ラミネート用積層フ
ィルムにおいて1層で存在すればよいが、必要に応じ
て、不飽和カルボン酸の濃度が異なる層及び/又はポリ
プロピレン系樹脂の種類の異なる層よりなる多層で構成
しても良い。
【0021】尚、上記接着層は、延伸されていても良い
し、無延伸の層でも良い。
【0022】一方、延伸PP層は、後で詳細に説明する
比較的低い結晶性を有するポリプロピレン系樹脂を使用
し、これを延伸して結晶化度を高く調整することによ
り、得られる金属ラミネート用積層フィルムに強い腰を
与え、金属面への高速ラミネートが可能な、優れたラミ
ネート作業適性を達成するための層である。
【0023】そして、上記延伸PP層は、金属表面にラ
ミネート後、該樹脂が元来有する比較的低い結晶化度に
戻り、例えば、製缶加工時における加工追従性において
優れた性能を示す。
【0024】該延伸PP層は、一層により構成しても良
いし、ポリプロピレン系樹脂の種類の異なる層及び/又
は延伸のされ方が異なる多層により構成しても良い。
【0025】本発明の金属ラミネート用積層フィルムに
ついて、層構成を具体的に例示すれば、接着層/延伸P
P層の2層構成フィルム、または、接着層/2層以上の
延伸PP層、の3層以上の積層フィルム、あるいは、2
層以上の接着層/ポリオレフィン層の3層以上の積層フ
ィルム、または、接着層/ポリオレフィン層を1単位と
した複数単位の積層フィルムなどが挙げられる。
【0026】本発明において、接着層と延伸PP層との
積層フィルムより成る金属ラミネート用積層フィルム
は、先ず、積層フィルムの示差走査熱量測定法による示
差熱曲線の吸熱ピークが1つであることが重要である。
【0027】即ち、示差走査熱量測定法による示差熱曲
線の吸熱ピークが1つであることは、金属ラミネート用
積層フィルムを構成する接着層と延伸PP層との間(接
着層或いは延伸PP層が多層の場合は、更にこれらの層
との間を含む)が優れた相溶性を有することを意味す
る。そして、かかる要件を満足することにより、金属表
面にラミネート後の加工において層間剥離等の問題が無
く、優れた加工適性を示す。
【0028】因みに、延伸PP層とポリエチレン系樹脂
よりなる接着層との積層フィルムの場合、上記ピークは
2つ存在し、金属面にラミネート後の、該延伸PP層と
接着層との間で層間剥離が起こり易くなる。
【0029】また、本発明の金属ラミネート用積層フィ
ルムを構成する積層フィルムの融点は、160℃以上で
あることが金属表面にラミネート後の耐熱性を高めて表
面の熱変形を防止し、平滑な外観を維持するために好ま
しい。
【0030】また、各層の融点に関して、接着層を構成
する不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂の融点
と反対面を構成する延伸PP層を構成するポリプロピレ
ン系樹脂の融点は、同じか、或いは、接着層を構成する
樹脂の融点が延伸PP層を構成する樹脂の融点より小さ
いことが好ましい。
【0031】即ち、該接着層を構成する樹脂の融点が延
伸PP層を構成する樹脂の融点より大きい場合、金属材
料との熱圧着時、延伸PP層が溶融し、再結晶化する結
果表面に凹凸が生成し、ラミネート後の外観に劣るため
好ましくない。
【0032】一般に、接着層を構成する樹脂の好ましい
融点は、80〜165℃の範囲であり、さらに好ましく
は、130〜162℃の範囲である。また、延伸PP層
を構成する樹脂の融点については、120〜167℃の
範囲、好ましくは、140〜165℃の範囲である。
【0033】また、接着層と延伸PP層との間に、更に
接着層或いは延伸PP層を存在させる場合、該両面に存
在する層を構成する樹脂の何れか一方と同じか、各融点
の間に融点を有する樹脂を使用することが好ましい。
【0034】本発明の金属ラミネート用積層フィルムに
おいて、他の重要な特徴は、積層フィルムの垂直ビーム
透過X線回折法で測定される結晶化度が60%以上、好
ましくは60〜69%であり、且つ、該積層フィルムを
230℃で溶融後、30℃にてプレス成形して得られる
厚み0.3mmのシートの垂直ビーム透過X線回折法で
測定される結晶化度が30〜50%、好ましくは35〜
45%であることである。
【0035】即ち、上記積層フィルムの結晶化度が60
%未満の場合、金属ラミネート用積層フィルムを金属面
に高速でラミネート使用としたときの皺の発生や、空気
の巻き込み等が起こり易く、ラミネート作業適性が著し
く低下する。
【0036】また、上記積層フィルムの特性のうち、溶
融後にプレス成形したシートの結晶化度は、積層フィル
ムを金属面に融着後における積層フィルムについて結晶
化度の低下のし易さの程度を示すものであり、積層フィ
ルムの結晶化度に対して上記シートの結晶化度を低くし
たことが本発明の特徴である。
【0037】即ち、本発明においては、延伸されたポリ
プロピレン系樹脂層の延伸条件等を調整することによっ
てラミネート前の積層フィルムの結晶化度を高めること
により、取扱い時、特にラミネート時における強度を維
持し、極めて優れたラミネート適性を発揮すると共に、
ラミネート後においては、該積層フィルムの結晶化度が
低下し、その加工追従性を高めることができ、極めて優
れた加工適性を発揮する。
【0038】従って、かかる結晶化度が50%を超えた
場合、ラミネートされた金属板を、例えば、製缶加工等
の加工に供した場合、特に屈曲部においての加工追従性
が劣る。また、該結晶化度が30%未満の場合は、延伸
処理等により積層フィルムの結晶化度を向上せしめるこ
とが困難となり、本発明の目的を達成することが困難と
なる。
【0039】上記積層フィルムを構成する樹脂、特に延
伸PPフィルムを構成するポリプロピレン系樹脂は、通
常の二軸延伸フィルムに使用される、比較的高結晶のポ
リプロピレン系樹脂よりも結晶性が低いものが一般に使
用される。
【0040】上記したように、本発明の金属ラミネート
用積層フィルムは、ラミネート作業時には強度(腰)が
あって取扱いが容易であり、ラミネート後は柔らかく、
製缶加工等における加工追従性に優れたものである。
【0041】尚、従来、金属表面に樹脂層をラミネート
後の加工追従性を解決するために、金属表面に形成され
た状態のラミネート層についての結晶化度を55%以下
に制限した報告は存在するが、これは、金属表面に樹脂
層を押出機より直接ラミネートする手法によるものが殆
どであり、フィルムに成形後これを金属表面に熱融着す
る本発明の方法とは、ラミネート作業等に見られる該フ
ィルムの取扱い性、ラミネート作業適性などに関する課
題が異なるものである。
【0042】本発明において、金属ラミネート用積層フ
ィルムを構成する各層の厚みについて特に制限はない
が、積層フィルムが前記結晶化度や溶融後における結晶
化度等を満足するように適宜決定すればよい。一般に
は、上記接着層について、好ましくは1〜20μm、さ
らに好ましくは、1.5〜10μm、特に、1.5μm
以上、5μm未満の範囲である。
【0043】即ち、かかる接着層の厚みが1μm未満の
場合、金属材料との接着強度が不足するため、金属材料
とのラミネート後の製缶時、金属との剥離が生じ易いた
め好ましくない。また、20μmを超えると接着強度に
差が生じなくなるばかりか、コスト面で不経済である。
【0044】また、本発明の金属ラミネート用積層フィ
ルムについて、全層の厚みは10〜120μmが適当で
ある。
【0045】本発明において、接着層を構成するの不飽
和カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂或いは延伸PP
層を構成するポリプロピレン系樹脂は、上述した(1)
〜(3)の条件を満足するものであれば、特に制限され
ない。例えば、ポリプロピレンの単独重合体及びプロピ
レンとエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン等の炭素数
が2〜10の他のα−オレフィンとの共重合体、或い
は、これらの重合体の混合物等が挙げられ、これらの中
から適宜選択して使用すればよい。
【0046】このうち特に、ポリプロピレンやプロピレ
ン−エチレン共重合体等のプロピレン系重合体が特に好
ましい。
【0047】上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応
じて、酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、ブロッキ
ング防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、造核剤、抗菌剤等の
添加剤を効果の阻害されない範囲で配合されても良い。
【0048】また、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレ
ン系樹脂は、上記ポリプロピレンの一部もしくは全部が
不飽和カルボン酸もしくはその誘導体から選ばれるモノ
マーをグラフト重合して変性したものが好適に使用され
る。
【0049】一般的には、上記不飽和カルボン酸の濃度
は不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂100重
量部に対して0.001〜10重量部程度のグラフト量
で変性されたものが好適に使用できる。
【0050】上記不飽和カルボン酸またはその誘導体と
しては、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、フマー
ル酸、テトラヒドロフタル酸等が例示できるがこれらの
中ではマレイン酸、イタコン酸または、これらの酸無水
物が好適である。
【0051】また、本発明において、接着層を構成する
の不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂或いは延
伸PP層を構成するポリプロピレン系樹脂のメルトマス
フローレート(MFR)に関して、接着層を構成する樹
脂のMFRが延伸PP層を構成する樹脂のMFRと同じ
か、または、延伸PP層を構成する樹脂より大きいこと
が好ましい。即ち、接着層を構成する樹脂のMFRが延
伸PP層より小さい場合、積層フィルムを製膜する際、
押出しむらが発生し易く、製膜性に劣るため好ましくな
い。
【0052】接着層の好ましいMFRは、1〜100g
/10分、さらに好ましくは、3〜30g/10分の範
囲である。接着層以外の層のMFRは1〜30g/10
分、好ましくは、2〜20g/10分の範囲である。
【0053】本発明の金属ラミネート用積層フィルムの
製膜方法は、特に制限されるものではないが、代表的な
製造方法としては、例えば、T型ダイ、円形ダイ等での
キャクティング法により、例えば、延伸PP層を構成す
るための樹脂を溶融押出し、冷却固化した後、該シート
に接着層を積層し、一軸又は二軸に延伸する方法、延伸
PP層を構成するための樹脂と接着性樹脂を構成するた
めの樹脂とを溶融共押出し、冷却固化した後、該積層シ
ートを一軸又は二軸に延伸する方法などが代表的であ
る。
【0054】上記延伸倍率は、得られる金属ラミネート
用積層フィルムが前記結晶化度を達成するように適宜調
整される。即ち、得られる積層フィルムの結晶化度を6
0%以上にするために、いかなる方法を選択しても良い
が、具体的には、接着層及び延伸PP層の形成に用いる
ポリオレフィン系樹脂の比較的結晶性が高く、融点の同
じ樹脂(例えばポリプロピレンホモポリマーの不飽和カ
ルボン酸変性物とプロピレンホモポリマー)を用い、二
軸延伸する方法、または、接着層に用いる樹脂は、比較
的結晶性が低い樹脂(例えばプロピレン−エチレン共重
合体の不飽和カルボン酸変性物等)を用い、接着層と反
対面を構成する層に比較的結晶性の高い樹脂(例えばポ
リプロピレンホモポリマー等)を用い、二軸延伸する方
法をとれば良い。
【0055】この際、得られる金属ラミネート用積層フ
ィルムの融点および結晶化度は、製膜条件により変化す
る。好ましい製膜条件は、延伸法においては、製膜可能
な範囲で低温延伸を施すことにある。即ち、延伸部の温
度を接着層及び延伸PP層を構成する層のポリオレフィ
ン系樹脂の融点より低く設定すればよい。
【0056】接着層および上記延伸PP層を構成する層
の融点については、例えば、異なるポリオレフィン系樹
脂同士をブレンドした際、その混合物の融点により、延
伸温度を設定すれば良い。温度としては、接着層および
延伸PP層を構成する層のポリオレフィン系樹脂の融点
より5〜20℃低い温度が好ましい。
【0057】本発明においては、接着層と反対面を構成
する面の表面光沢が100%以上であることが好まし
い。100%未満では、金属材料とのラミネート後、フ
ィルムラミネート面の光沢不足により、製缶加工後、缶
に内容物を充填する際、内容物を監視するカメラの画面
が悪くなる等の問題が生じる恐れがある。
【0058】上記表面光沢は、例えば、接着層と反対面
を構成する層の製膜過程において、延伸前のシート成形
時、押出されたポリオレフィン系樹脂を、5〜60℃程
度の比較的急冷条件により固化することで、シート表面
が平滑となり、延伸後の表面光沢の良好なフィルム面を
得ることができる。
【0059】また、本発明において、接着層はその表面
の表面表力が、濡れ指数で33mN/m以上であること
が、本発明の金属ラミネート用積層フィルムを製膜する
際好ましい。33mN/m以下では、製膜巻取り時の巻
ずれが生じ、生産性に劣る。また、接着層と反対を構成
する面の表面張力は、濡れ指数で33mN/m以下であ
ることが好ましい。33mN/m以上では、金属材料と
のラミネートした後、製缶し、内容物を充填し、内容物
を取り出す際の離型性に劣るため、好ましくない。濡れ
指数を33mN/m以上にするためには、例えばコロナ
放電処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理が挙げ
られる。
【0060】尚、表面処理する際の雰囲気ガスは、空気
中、不活性ガス中のいずれでもかまわない。表面処理条
件については、例えばコロナ放電処理の場合、処理強度
として1〜100W・min/m2の範囲、さらには3
〜50W・min/m2の範囲が好ましい。処理強度が
1W・min/m2未満では、処理むらが発生し易く、
また、濡れ指数が33mN/m以上にはなり難くい。処
理強度が100W・min/m2を超えると濡れ指数は
33mN/m以上になるが、処理強度が強すぎるため、
フィルム表面の分解等による臭気が強くなり、また、フ
ィルムの耐ブロッキング性に劣るため好ましくない。
【0061】さらに、本発明の金属ラミネート用積層フ
ィルムにおいて、接着層または他層のいずれかに少なく
とも1種以上の顔料を添加することにより、金属材料と
のラミネート適性、ラミネート後の外観、製缶加工性お
よび意匠性に優れた着色フィルムを得ることができる。
【0062】上記顔料の添加量は、層を構成する樹脂1
00重量部に対して、0.1〜50重量部が適当であ
る。
【0063】上記顔料としては、特に制限するものでは
ないが、例えば、白色顔料としては、ルチル型またはア
ナターゼ型の二酸化チタン、亜鉛華、鉛白、硫酸鉛、リ
トボン、硫化亜鉛等が使用できる。この中でも、隠蔽性
の点から二酸化チタンが好ましい。
【0064】また、黄色顔料の場合、無機系としては、
黄鉛、亜鉛黄、クロム酸バリウム、カドミウムイエロ
ー、黄色酸化鉄、黄土、チタン黄等が使用でき、有機系
としては、ナフトールイエロー等のニトロ系、バンザイ
エロー等のアゾ系、イソインドリノン系、ベンズイミダ
ゾロン系等が使用できる。これらのうち、特に黄色顔料
にて、有機系顔料を用い製膜したフィルムを金属材料に
ラミネートした場合、現状の金ニス塗料の代替として好
ましい。
【0065】これらの顔料のうち、粒形状が、球状、円
柱状等の立体的な形状である無機顔料については、その
粒径が0.05〜10μmの範囲であることが好まし
い。粒径が0.05μm未満の場合、顔料同士が凝集し
易くなり、粒径が10μmを超えるとフィルムの製膜性
に劣るため好ましくない。また、金色、銀色等の金属光
沢が必要な場合は、金属粉顔料として、アルミニウム
粉、ブロンズ粉、銅粉、鉛粉あるいは亜鉛粉等が使用で
きる。また、金属粉以外の顔料としては、マイカ粉等が
挙げられる。これらの顔料は、平板状であることが金属
光沢を発色させるためには好ましく、また、フィルムの
製膜性においても好ましい。顔料の粒径は0.1〜50
0μm程度の範囲のものが使用できる。
【0066】これらの顔料を接着層または延伸PP層の
いずれかに添加した金属ラミネート用積層フィルムの製
造方法については、特に制限するものではないが、製造
効率を向上させるために、例えば、接着層/延伸PP層
(回収原料添加層)/延伸PP層のように、中間層とし
て、顔料を添加した本発明の金属ラミネート用積層フィ
ルムの製膜中に発生するロス部を回収する層を設ける方
法が挙げられる。
【0067】上記製膜中に発生するロス部とは、製膜時
の両端部等であり、通常重量換算でフィルム全体の10
〜25%程度のロスが製膜中に発生する。このロス部
は、特に顔料を含んだフィルムにおいて回収できない場
合、廃棄物として処理する必要があるためコスト高とな
る。
【0068】この回収原料を添加する層については、接
着層あるいは、接着層と反対を構成する面の層に添加し
た場合、いずれもフィルムの表面粗さが大きくなり表面
光沢に劣る。また、接着層に添加した場合は、金属材料
とのラミネート時、平滑なラミネート体が得られないこ
とがある。
【0069】本発明の金属ラミネート用積層フィルムを
ラミネートする金属面を構成する材料としては、ブリ
キ、ティンフリースチール(以下、TFSと記す)、ア
ルミニウム等の金属が挙げられる。また、ラミネート法
については、公知の熱圧着による方法が好ましい。
【0070】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0071】また、以下の実施例及び比較例において用
いた測定方法は次の方法により実施した。
【0072】(1)フィルムの融点 セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計(DS
C6200)を用い、フィルムをアルミパンに充填し、
以下の条件で測定した。
【0073】 試料量 :約5mg 雰囲気ガス:窒素(流量20ml/分) 温度条件 :室温から10℃/分の昇温速度で230℃
まで昇温したときの融解曲線の吸熱ピークの温度を融点
とした。
【0074】(2)結晶化度 日本電子社製のX線回折装置JDX-3500を用い、次の条件
にて測定した。
【0075】 ターゲット :銅(Cu−Kα線) 管電圧−管電流 :40KV−400mA X線入射法 :垂直ビーム透過法 単色化 :グラファイトモノクロメーター 発散スリット :0.2mm 受光スリット :0.4mm 検出器 :シンチレーションカウンター 測定角度範囲 :9.0°〜31.0° ステップ角度 :0.04° 計数時間 :3.0秒 試料回転数 :120rpm (2−1)積層フィルムの結晶化度 積層フィルムを20mm×20mmに切り出し、これを
数十枚重ねて約3mmの厚みとした後、広角ゴニオメー
ターに取り付けた透過法回転試料台に装着して測定し
た。ピーク分離は回折角(2θ)9°〜31°の範囲で
空気散乱等によるバックグランドを除いた後、ガウス関
数とローレンツ関数を用いた一般的なピーク分離法(X
線回折装置付属のDX−SSP2W(一般ピーク分離ソ
フトウエア))によって各結晶質ピークと非晶質ピーク
に分離した。
【0076】(2−2)溶融成形シートの結晶化度 積層フィルムを230℃で溶融後、100μmのフッ素
樹脂でコートされた厚み2mmのガラス板2枚により、
該コート面が対向するように、且つ、ガラス板間に0.
3mmのスペーサーを介して該溶融樹脂を挟み、プレス
面が30℃に調整されたプレス機にてプレス成形してシ
ートを得た。次いで、上記シートを10枚重ねて約3m
mの厚みとした後、広角ゴニオメーターに取り付けた透
過法回転試料台に装着して測定した。ピーク分離は回折
角(2θ)9°〜31°の範囲で空気散乱等によるバッ
クグランドを除いた後、ガウス関数とローレンツ関数を
用いた一般的なピーク分離法(X線回折装置付属のDX
−SSP2W(一般ピーク分離ソフトウエア))によっ
て各結晶質ピークと非晶質ピークに分離した。
【0077】(3)メルトマスフローレート(MFR) JIS−K7210に準じ測定した。
【0078】(4)表面光沢 JIS−Z1712に準じ測定した。
【0079】(5)表面張力 JIS−Z1712に準じ、濡れ指数を測定した。
【0080】(6)金属材料との接着力 ヒートシーラーにて金属材料側の温度を220℃とし、
フィルム側の温度を90℃とし、0.196MPa、1
秒の条件でラミネート体を作成した。このラミネート体
を幅15mmに切り出し、オートグラフにて100mm
/minの速度で180°剥離試験を行い、接着力を測
定した。
【0081】(7)金属材料とのラミネート適性 金属材料の温度を240℃とし、フィルムと金属材料を
ラミネートロールで加圧してフィルムを片面にラミネー
トした。その際の加工適性を下記にて評価した。
【0082】○:ラミネート加工において問題なく加工
可能であり、加工後の外観良好である。
【0083】△:ラミネート加工は可能であるが、フィ
ルムラミネート表面にクラックが多く発生する。
【0084】×:ラミネート加工時、フィルムにしわ等
が多く入る。
【0085】(8)折り曲げ加工性 ラミネート体のフィルムラミネート面を外側にして、1
80°折り曲げを3回行い、その折り曲げ部についてク
ラックの発生状況を光学顕微鏡にて下記のように評価し
た ○:亀裂が認められない。
【0086】 △:微細な亀裂が僅かに認められる。
【0087】 ×:亀裂が認められる。
【0088】(9)製缶加工性 ラミネート体のフィルムラミネート面を内側にして、絞
り比1.6、2.1で製缶加工した際の加工性を下記に
て評価した。
【0089】○ :絞り比1.6、2.1とも製缶加工
性に全く問題なし。
【0090】△ :製缶加工にて絞り比1.6は問題な
いが、絞り比2.1にて製缶できない。
【0091】× :製缶後、金属材料とフィルム間で剥
離が認められる。
【0092】××:絞り比1.6が製缶加工できない。
【0093】(10)内容物との離型性 フィルム表面の接触角を蒸留水で測定し、下記にて評価
した。
【0094】 ○:接触角85°以上 △:接触角60°以上85°未満 ×:接触角60°未満 (11)巻きずれ フィルム製膜中の巻取り状況を巻きの両端部の、ずれ長
さにて評価した。
【0095】 ○:ずれ長さ10mm未満 △:ずれ長さ10mm以上、40mm未満 ×:ずれ長さ40mm以上 実施例1 接着層に用いるポリプロピレン系樹脂として、融点16
2℃、MFR3.0g/10分の不飽和カルボン酸変性
ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF500)50
重量%と、融点162℃、MFR3.0g/10分のポ
リプロピレンホモポリマーを50重量%調合したもの
を、接着層と反対面を構成する層として、融点162℃
でMFR3.0g/10分のポリプロピレンホモポリマ
ーを、それぞれ2台の押出し機にて2種2層共押出法に
より265℃の樹脂温度でシート状に押出し、30℃に
維持されたチルロールにより冷却固化し、シート状物を
得た。
【0096】次に、このシートを加熱ロール延伸機によ
り150℃で4.6倍縦延伸した。得られた延伸シート
の構成は接着層が43μm、接着層と反対面を構成する
層が174μmであった。その後、153℃のテンター
内で横方向に10倍に延伸後、160℃で幅方向に8%
弛緩し、接着層表面に大気中で10W・min/m2
コロナ放電処理を施した。得られた積層フィルムは、接
着層が4μm、接着層と反対を構成する層が16μmの
総厚み20μmであった。
【0097】また、得られた積層フィルムの示差熱曲線
の吸熱ピークは1つであり、積層フィルムの融点は16
8℃で結晶化度は68%で、積層フィルムの溶融後の結
晶化度は45%であり、TFSとの接着性に優れ、ラミ
ネート適性、製缶加工性に優れるものであった。
【0098】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0099】実施例2 実施例1の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂として
融点135℃、MFR5.7g/10分の不飽和カルボ
ン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF55
1)50重量%と、融点162℃、MFR7.5g/1
0分のポリプロピレンホモポリマーを50重量%調合し
た。接着層全体の融点は161℃、MFRを6.5g/
10分であった以外は、実施例1と全く同様に製膜し、
得られた金属ラミネート用積層フィルムの特性を評価し
た。
【0100】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0101】実施例3 実施例1の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂として
融点162℃、MFR3.0g/10分の不飽和カルボ
ン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF50
0)50重量%と、融点162℃、MFR15.0g/
10分のポリプロピレンホモポリマーを50重量%調合
した。接着層全体の融点は162℃、MFRを6.7g
/10分であった以外は、実施例1と全く同様に製膜
し、得られた金属ラミネート用積層フィルムの特性を評
価した。
【0102】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0103】実施例4 接着層と反対面を構成する層として、融点157℃でM
FR2.5g/10分のエチレンプロピレンランダム共
重合体を、Tダイ押出し機により265℃の樹脂温度で
シート状に押出し、30℃に維持されたチルロールによ
り冷却固化し、シート状物を得た。次にこのシートを加
熱ロール延伸機により145℃で4.6倍縦延伸した。
得られた延伸シートの厚みは、174μmであった。次
に縦延伸シートの上に、接着層に用いるポリオレフィン
系樹脂として融点135℃、MFR5.7g/10分の
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アド
マーQF551)50重量%と、融点145℃、MFR
7.5g/10分のエチレンプロピレンランダム共重合
体を50重量%調合(接着層全体の融点は145℃、M
FRは6.5g/10分であった)し、Tダイ押出機に
て43μm押出ラミネートした。次に142℃のテンタ
ー内で横方向に10倍に延伸後、155℃で幅方向に8
%弛緩し、接着層表面に大気中で10W・min/m2
のコロナ放電処理を施した。得られたフィルムは、接着
層と反対を構成する層が16μm、接着層が4μmの総
厚み20μmであった。
【0104】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0105】実施例5、6、7 実施例4の接着層と反対面を構成する層の厚みをそれぞ
れ18μm、19μm、46μmとし、接着層の厚みを
それぞれ2μm、1μm、4μmとした以外は、実施例
4と全く同様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層
フィルムの特性を評価した。
【0106】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0107】実施例8 実施例4の接着層と反対面を構成する層として、融点1
62℃でMFR7.5g/10分のポリプロピレンホモ
ポリマーとし、Tダイ押出し機により265℃の樹脂温
度でシート状に押出し、30℃に維持されたチルロール
により冷却固化し、シート状物を得た。次にこのシート
を加熱ロール延伸機により148℃で4.6倍縦延伸し
た。得られた延伸シートの厚みは、174μmであっ
た。次に縦延伸シートの上に、接着層に用いるポリオレ
フィン系樹脂として融点135℃、MFR5.7g/1
0分の不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン(三井化学
製アドマーQF551)50重量%と、融点145℃、
MFR11.5g/10分のエチレンプロピレンランダ
ム共重合体を50重量%調合(接着層全体の融点は14
5℃、MFRは8.0g/10分であった)し、Tダイ
押出機にて43μm押出ラミネートした。次に142℃
のテンター内で横方向に10倍に延伸した以外は、実施
例4と全く同様に製膜し、得られた金属ラミネート用積
層フィルムの特性を評価した。
【0108】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0109】実施例9 実施例8の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂として
融点162℃、MFR3.0g/10分の不飽和カルボ
ン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF50
0)50重量%と、融点162℃、MFR3.0g/1
0分のポリプロピレンホモポリマーを50重量%調合
(接着層全体の融点は162℃、MFRは3.0g/1
0分であった)し、横延伸温度を153℃とした以外
は、実施例8と全く同様に製膜し、得られた金属ラミネ
ート用積層フィルムの特性を評価した。
【0110】得られたフィルムの製膜性は、若干、厚薄
精度に劣るものの、TFSとの接着力、ラミネート適
性、製缶加工性に優れるものであった。
【0111】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0112】実施例10 実施例8の接着層と反対面を構成する層として、融点1
57℃でMFR2.5g/10分のエチレンプロピレン
ランダム共重合体とし、接着層に用いるポリオレフィン
系樹脂として融点162℃、MFR3.0g/10分の
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アド
マーQF500)50重量%と、融点162℃、MFR
15.0g/10分のポリプロピレンホモポリマーを5
0重量%調合(接着層全体の融点は162℃、MFRは
6.7g/10分であった)し、横延伸温度を140℃
とした以外は、実施例7と全く同様に製膜し、得られた
金属ラミネート用積層フィルムの特性を評価した。
【0113】得られたフィルムの製膜性は、TFSとの
ラミネート後の外観に若干劣るものの、TFSとの接着
力、製缶加工性に優れるものであった。
【0114】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0115】実施例11 接着層と反対面を構成する層として、融点162℃でM
FR7.5g/10分のポリプロピレンホモポリマー
を、Tダイ押出し機により265℃の樹脂温度でシート
状に押出し、30℃に維持されたチルロールにより冷却
固化し、シート状物を得た。次にこのシートを加熱ロー
ル延伸機により148℃で4.6倍縦延伸した。得られ
た延伸シートの厚みは、122μmであった。次に縦延
伸シートの上に、接着層に用いるポリオレフィン系樹脂
として融点135℃、MFR5.7g/10分の不飽和
カルボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQ
F551)50重量%と、融点145℃、MFR10.
0g/10分のエチレンプロピレンランダム共重合体を
50重量%調合(接着層全体の融点は145℃、MFR
は7.5g/10分であった)したものと、接着層と接
着層と反対面を構成する層の中間層として、融点140
℃、MFR7.5g/10分のエチレンプロピレンラン
ダム共重合体を、それぞれ別の押出機にて2種2層によ
り、接着層を38μm、中間層を49μm押出ラミネー
トした。次に143℃のテンター内で横方向に10倍に
延伸後、155℃で幅方向に8%弛緩し、接着層表面に
大気中で10W・min/m2のコロナ放電処理を施し
た。得られたフィルムは、接着層と反対を構成する層が
12μm、中間層が4.5μm、接着層が3.5μmの
総厚み20μmであった。
【0116】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0117】実施例12 実施例11のコロナ放電処理を接着層表面に施さない以
外は全く同様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層
フィルムの特性を評価した。
【0118】得られたフィルムの製膜性は、巻きずれが
あるものの、TFSとの接着力、ラミネート適性、製缶
加工性に優れるものであった。
【0119】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0120】実施例13 実施例11のコロナ放電処理を接着層表面および接着層
と反対を構成する面の表面の両面に施した以外は全く同
様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層フィルムの
特性を評価した。
【0121】得られたフィルムは、内容物離型性に劣る
ものの、TFSとの接着力、ラミネート適性、製缶加工
性に優れるものであった。
【0122】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0123】比較例1 実施例1の接着層に不飽和カルボン酸変性ポリプロピレ
ンを添加しない以外は、全く同様に製膜し、得られた金
属ラミネート用積層フィルムの特性を評価した。
【0124】得られたフィルムは、TFSと全く接着し
ないものであった。
【0125】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0126】比較例2 接着層として融点135℃、MFR5.7g/10分の
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アド
マーQF551)50重量%と、融点145℃、MFR
11.5g/10分のエチレンプロピレンランダム共重
合体を50重量%調合(接着層全体の融点は145℃、
MFRは8.0g/10分であった)し、接着層と反対
面を構成する層として、融点162℃でMFR7.5g
/10分のポリプロピレンホモポリマーを用い、260
℃のTダイ押出機で2種2層にて、無延伸フィルムを製
膜した。接着層の厚みは4μm、接着層と反対を構成す
る層の厚みは16μmで全体の総厚みは20μmであっ
た。
【0127】得られたフィルムは、融点が162℃、結
晶化度が35%であり、TFSとのラミネート時しわが
多く発生した。
【0128】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0129】比較例3 比較例2で用いた接着層および接着層と反対を構成する
層のポリオレフィン系樹脂を用い、接着層の厚みが12
μm、接着層と反対を構成する層の厚みが48μmで全
体の総厚みが60μmのフィルムを得た。このフィルム
を加熱ロールにて153℃で3.0倍縦延伸した。
【0130】得られたフィルムは、融点が163.5
℃、結晶化度が48%であり、TFSとのラミネート時
しわが多く発生した。
【0131】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0132】比較例4 実施例4の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂として
融点110℃の不飽和カルボン酸変性ポリエチレン(三
井化学製アドマーLF500)50重量%と、融点11
4℃の直鎖状低密度ポリエチレンを50重量%調合した
以外は、実施例4と全く同様に製膜し、得られた金属ラ
ミネート用積層フィルムの特性を評価した。
【0133】得られたフィルムは、示差熱曲線の吸熱ピ
ークが2つ(112℃、163℃)であり、製缶加工
後、金属材料とフィルム間で剥離が認められた。
【0134】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0135】比較例5 実施例4の接着層と反対に面を構成する層のポリオレフ
ィン系樹脂として、融点165℃、MFRが5.5g/
10分のポリプロピレンホモポリマーを用い、縦延伸の
温度を150℃とし、横延伸の温度を144℃とした以
外は実施例4と全く同様に製膜した。
【0136】得られたフィルムは、融点が169℃、結
晶化度が69%であったが、積層フィルムの溶融後の結
晶化度は、55%であり、折り曲げ加工性に劣った。
【0137】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表1に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表2にまとめて示し
た。
【0138】
【表1】
【0139】
【表2】
【0140】
【表3】
【0141】
【表4】
【0142】実施例14 実施例1の接着層と反対面を構成する層の樹脂として、
融点162℃でMFR3.0g/10分のポリプロピレ
ンホモポリマーを90重量%と、二酸化チタンを50重
量%含んだ、融点162℃、MFR3.0g/10分の
顔料マスターバッチ(MB)を10重量%調合した以外
は、実施例1と全く同様に製膜し、得られた金属ラミネ
ート用積層フィルムの特性を評価した。
【0143】得られたフィルムは、TFSとの接着性に
優れ、ラミネート適性、製缶加工性に優れるとともに意
匠性に優れるものであった。
【0144】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0145】実施例15 実施例1の接着層に用いる樹脂として、融点162℃、
MFR3.0g/10分の不飽和カルボン酸変性ポリプ
ロピレン(三井化学製アドマーQF500)50重量%
と、融点162℃、MFR3.0g/10分のポリプロ
ピレンホモポリマーを10重量%と、二酸化チタンを5
0重量%含んだ、融点162℃、MFR3.0g/10
分の顔料MBを40重量%調合した以外は、実施例1と
全く同様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層フィ
ルムの特性を評価した。
【0146】得られたフィルムは、TFSとの接着性に
優れ、ラミネート適性、製缶加工性に優れるとともに意
匠性に優れるものであった。
【0147】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0148】実施例16 実施例1の接着層に用いる樹脂として、融点162℃、
MFR3.0g/10分の不飽和カルボン酸変性ポリプ
ロピレン(三井化学製アドマーQF500)50重量%
と、融点162℃、MFR3.0g/10分のポリプロ
ピレンホモポリマーを40重量%と、イソインドリノン
顔料を20重量%含んだ、融点145℃、MFR15.
0g/10分の顔料MBを10重量%調合(接着層全体
の融点は158℃、MFRは3.5g/10分であっ
た)した以外は、実施例1と全く同様に製膜し、得られ
た金属ラミネート用積層フィルムの特性を評価した。
【0149】得られたフィルムは、TFSとの接着性に
優れ、ラミネート適性、製缶加工性に優れるとともに意
匠性に優れるものであった。
【0150】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0151】実施例17 実施例11の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂とし
て、融点135℃、MFR5.7g/10分の不飽和カ
ルボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF
551)50重量%と、融点145℃、MFR10.0
g/10分のエチレンプロピレンランダム共重合体を1
0重量%と、二酸化チタンを50重量%含んだ、融点1
46℃、MFR15.0g/10分の顔料MBを40重
量%調合(接着層全体の融点は145℃、MFRは9.
0g/10分であった)した以外は、実施例11と全く
同様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層フィルム
の特性を評価した。
【0152】得られたフィルムは、TFSとの接着性に
優れ、ラミネート適性、製缶加工性に優れるとともに意
匠性に優れるものであった。
【0153】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0154】実施例18 実施例11の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂とし
て融点135℃、MFR5.7g/10分の不飽和カル
ボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF5
51)50重量%と、融点145℃、MFR10.0g
/10分のエチレンプロピレンランダム共重合体を30
重量%と、イソインドリノン顔料を20重量%含んだ、
融点145℃、MFR15.0g/10分の顔料MBを
20重量%調合(接着層全体の融点は145℃、MFR
は8.2g/10分であった)した以外は、実施例11
と全く同様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層フ
ィルムの特性を評価した。
【0155】得られたフィルムは、TFSとの接着性に
優れ、ラミネート適性、製缶加工性に優れるとともに意
匠性に優れるものであり、ラミネート鋼板として金ニス
塗料の代替品として有望のものであった。
【0156】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0157】実施例19 実施例11の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂とし
て融点135℃、MFR5.7g/10分の不飽和カル
ボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF5
51)50重量%と、融点145℃、MFR10.0g
/10分のエチレンプロピレンランダム共重合体を30
重量%と、イソインドリノン顔料を20重量%含んだ、
融点145℃、MFR15.0g/10分の顔料MBを
20重量%調合(接着層全体の融点は145℃、MFR
は8.2g/10分であった)し、接着層と、接着層と
反対面を構成する層の中間層として、実施例11で得た
フィルムの回収原料を70重量%と融点145℃、MF
R7.5g/10分のエチレンプロピレンランダム共重
合体を30重量%調合した以外は、実施例11と全く同
様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層フィルムの
特性を評価した。
【0158】得られたフィルムは、TFSとの接着性に
優れ、ラミネート適性、製缶加工性に優れるとともに意
匠性に優れるものであり、ラミネート鋼板として金ニス
塗料の代替品として有望のものであった。また、中間層
に回収原料を添加することにより生産効率が向上した。
【0159】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0160】比較例6 実施例11の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂とし
て、融点110℃の不飽和カルボン酸変性ポリエチレン
(三井化学製アドマーLF500)50重量%と、融点
114℃の直鎖状低密度ポリエチレンを10重量%と、
二酸化チタンを50重量%含んだMBを40重量%調合
した以外は、実施例11と全く同様に製膜し、得られた
金属ラミネート用積層フィルムの特性を評価した。
【0161】得られたフィルムは、示差熱曲線の吸熱ピ
ークが2つ(112℃、162℃)であり、製缶加工
後、金属材料とフィルム間で剥離が認められた。
【0162】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0163】比較例7 実施例11の接着層に用いるポリオレフィン系樹脂とし
て、融点135℃、MFR5.7g/10分の不飽和カ
ルボン酸変性ポリプロピレン(三井化学製アドマーQF
551)50重量%と、融点145℃、MFR10.0
g/10分のエチレンプロピレンランダム共重合体を3
0重量%と、イソインドリノン顔料を20重量%含ん
だ、融点145℃、MFR15.0g/10分の顔料M
Bを20重量%調合(接着層全体の融点は145℃、M
FRは8.2g/10分であった)し、接着層と反対に
面を構成する層のポリオレフィン系樹脂として、融点1
65℃、MFRが5.5g/10分のポリプロピレンホ
モポリマーを用い、縦延伸の温度を150℃とし、横延
伸の温度を144℃とした以外は、実施例11と全く同
様に製膜し、得られた金属ラミネート用積層フィルムの
特性を評価した。
【0164】得られた金属ラミネート用積層フィルム
は、折り曲げ加工性に劣った。
【0165】上記の金属ラミネート用積層フィルムにつ
いて、使用したポリプロピレン系樹脂の特性及び層構成
を表3に、また、積層フィルムの製膜条件、及び該積層
フィルムについての各種測定結果を表4にまとめて示し
た。
【0166】
【表5】
【0167】
【表6】
【0168】
【表7】
【0169】
【表8】
【0170】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の金属ラミネート用積層フィルム及びラミネート金属
体は、優れたラミネート適性を有すると共に、金属面に
ラミネート後も、フィルム表面が平滑で外観に優れ、し
かも、製缶加工性に優れるという、従来ポリオレフィン
フィルムでは達成できなかった優れた効果を実現するこ
とが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01C AB01D AB01E AK07A AK07B AK07C AK07D AK07E AK70A AL07A BA02 BA03 BA04 BA05 BA10A BA10C BA10D BA10E BA13 BA26 CA13 CB00A EC03 EC033 EH20 EH202 EJ17 EJ173 EJ37B EJ37C EJ37D EJ37E EJ38 EJ382 EJ50 EJ502 GB16 JA04A JA04C JA04D JA04E JA06A JA06C JA06D JA06E JK17 JN21C JN21D JN21E YY00A YY00C YY00D YY00E

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン系
    樹脂よりなる接着層と1層以上の延伸されたポリプロピ
    レン系樹脂層よりなる積層フィルムであって、下記の条
    件を満足することを特徴とする金属ラミネート用積層フ
    ィルム。 (1)積層フィルムの示差走査熱量測定法による示差熱
    曲線の吸熱ピークが1つである。 (2)積層フィルムの垂直ビーム透過X線回折法で測定
    される結晶化度が60%以上である。 (3)積層フィルムを230℃で溶融後、30℃にてプ
    レス成形して得られる厚み0.3mmのシートの垂直ビ
    ーム透過X線回折法で測定される結晶化度が30〜50
    %である。
  2. 【請求項2】 該接着層が、積層フィルムの片面に1.
    5μm以上、5μm未満の厚みで存在する、請求項1記
    載の金属ラミネート用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 接着層を構成する樹脂の融点が接着層と
    反対面のポリプロピレン系樹脂層を構成する樹脂の融点
    以下である、請求項1又は2記載の金属ラミネート用積
    層フィルム。
  4. 【請求項4】 接着層を構成する樹脂のメルトマスフロ
    ーレートが接着層と反対面のポリプロピレン系樹脂層を
    構成する樹脂のメルトマスフローレート以上である、請
    求項1〜3のいずれかに記載の金属ラミネート用積層フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 接着層と反対面を構成するポリプロピレ
    ン系樹脂層の表面光沢が100%以上である請求項1〜
    4のいずれかに記載の金属ラミネート用積層フィルム。
  6. 【請求項6】 接着層または他層のいずれかに少なくと
    も1種以上の顔料が添加されていることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の金属ラミネート用金属ラ
    ミネート用積層フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の金属ラ
    ミネート用積層フィルムと金属材料とを該接着層の融点
    以上で熱圧着により積層したラミネート金属体。
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