JPH1058596A - 積層体 - Google Patents

積層体

Info

Publication number
JPH1058596A
JPH1058596A JP21983896A JP21983896A JPH1058596A JP H1058596 A JPH1058596 A JP H1058596A JP 21983896 A JP21983896 A JP 21983896A JP 21983896 A JP21983896 A JP 21983896A JP H1058596 A JPH1058596 A JP H1058596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
laminated
polyolefin
oriented
polyolefin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21983896A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Hirata
浩二 平田
Toshiya Odera
俊也 大寺
Shinichiro Kunimoto
伸一郎 国本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP21983896A priority Critical patent/JPH1058596A/ja
Publication of JPH1058596A publication Critical patent/JPH1058596A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】防水性、表面光沢、及び表面の汚れ防止性に優
れ、しかも手切れ性が良好であるため、雑貨や食品、医
薬品等の各種包装用基材として好適に使用できる積層体
を提供する。 【解決手段】実質的に無配向状態である芯層ポリオレフ
ィンフィルムの両面に、一軸または二軸に配向された配
向ポリオレフィンフィルムが積層されてなる積層ポリオ
レフィンフィルムが、紙またはアルミ箔の少なくとも片
面に積層されてなる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、防水性、表面光
沢、及び表面の汚れ防止性に優れ、しかも手切れ性が良
好であるため、雑貨や食品、医薬品等の各種包装用基材
として好適に使用できる積層体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、包装用基材には安価な紙やアルミ
箔が多く用いられており、特に防水性や表面の汚れ防止
性が要求される食品や医薬品の包装には、紙やアルミ箔
にポリエチレンフィルムや無延伸ポリプロピレンフィル
ム、または二軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層した
基材が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリエチレンフィルム
や無延伸ポリプロピレンフィルムを紙やアルミ箔に積層
した基材で包装したものは、紙やアルミ箔は容易に手で
切れるものの、表面のフィルムの伸び率が大きいため、
開封しにくいという欠点を有している。また、二軸延伸
ポリプロピレンフィルムを用いた積層体に比べて表面光
沢は劣る。
【0004】また、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを
用いた積層体で包装したものは、表面光沢は優れている
ものの、フィルム強度が大きいため、手で容易に切るこ
とができず、包装物を開封するために開封テープを用い
るか、切口にノッチを入れ、その部分を切り裂くことに
より開封しているのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、実質的に無配
向状態である芯層ポリオレフィンフィルムの両面に、配
向ポリオレフィンフィルムを積層した積層ポリオレフィ
ンフィルムを用いることにより、上記の課題が解決でき
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、実質的に無配向状態で
ある芯層ポリオレフィンフィルムの両面に、一軸または
二軸に配向された配向ポリオレフィンフィルムが積層さ
れてなる積層ポリオレフィンフィルムが、紙またはアル
ミ箔の少なくとも片面に積層されてなる積層体である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の積層体は、紙またはアル
ミ箔の少なくとも片面に、積層ポリオレフィンフィルム
が積層されている。この積層ポリオレフィンフィルム
は、実質的に無配向状態である芯層ポリオレフィンフィ
ルムの両面に、一軸または二軸に配向された配向ポリオ
レフィンフィルムが積層されたものである。
【0008】本発明の積層体に用いる積層ポリオレフィ
ンフィルムにおいて、各層を構成するポリオレフィン
は、特に制限されるものではなく如何なるものを用いて
も良い。後述する積層ポリオレフィンフィルムの好適な
製造方法を勘案すれば、芯層を構成するものに対して、
その両面に積層される配向層を構成するものが融点が高
いものであるのが好ましい。ここで、配向層を構成する
ポリオレフィンは、芯層を構成するポリオレフィンに対
して融点が5〜20℃高いのが好ましい。
【0009】芯層フィルムのポリオレフィンとしては例
えば、ポリエチレン、またはα−オレフィン含有率が3
モル%以上のプロピレン−α−オレフィン重合体、また
はこれらの混合物が挙げられる。上記のα−オレフィン
としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等を挙
げることが出来る。優れた手切れ性と透明性を勘案する
と、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体を用いるのが好ましい。
【0010】さらに、上記した芯層フィルムのポリオレ
フィンには、手切れ性を良好にするため、石油樹脂を3
〜25重量%添加することができる。
【0011】配向層のポリオレフィンとしては、ホモポ
リプロピレン、またはα−オレフィン含有率が3モル%
より小さいプロピレン−α−オレフィン重合体、または
これらの混合物が挙げられる。上記のα−オレフィンと
しては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等を挙
げることが出来る。優れた手切れ性と表面光沢を勘案す
ると、ホモポリプロピレンまたはエチレン含有率が1モ
ル%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体を用
いるのが好ましい。
【0012】上記芯層及び配向層に使用するポリオレフ
ィンの極限粘度は、一般には0.5〜5の範囲のものが
用いられる。
【0013】本発明では、上記の樹脂素材からなる芯層
ポリオレフィンフィルム及び配向層ポリオレフィンフィ
ルムにおいて、まず、配向層は、一軸または二軸に配向
されており、他方、芯層は実質的に無配向状態であるこ
とが必要である。このような積層ポリオレフィンフィル
ムを使用することにより、本発明の積層体は、優れた手
切れ性を有するものとなる。
【0014】ここで、配向層が一軸配向の場合、手切れ
性に方向性があり、得られる積層体で包装した物品の開
封性が優れている。その場合配向方向は、芯層フィルム
の両面の各層において互いに同一方向であることが必要
である。具体的な配向方向は、フイルムの流れ方向(以
下MDと略する)であっても良いが、一般に包装フィル
ムは、フィルムの幅方向に手裂きして使用する場合が多
いため、該方向への選択的な手切れ性が得られるフイル
ムの流れ方向に対して直角な方向(以下TDと略する)
に配向されているものであるのがより良好である。一
方、配向層が二軸に配向している場合には、特に表面光
沢が優れている。
【0015】また、本発明で用いる積層ポリオレフィン
フィルムにおいて、配向ポリオレフィンフィルムは芯層
ポリオレフィンフィルムの両面に積層されていることが
必要である。配向層ポリオレフィンフィルムが片面にの
み積層されていても手切れ性は付与できるが、フィルム
自体がカール現象をおこし実用的でない。
【0016】積層ポリオレフィンフィルムの厚みは、特
に制限されるものではないが、良好な手切れ性を発揮さ
せる観点からは10〜60μmの厚みから選択される。
芯層と配向層の厚みの比は、用途に応じて任意に選択可
能である。配向層を厚くすれば透明性及び表面光沢が向
上し、芯層を厚くすれば手切れ性が向上する。一般に芯
層の厚みは、フィルム全体の厚みの5〜95%の範囲、
特に好適には50〜95%の範囲から選択される。
【0017】本発明において、芯層ポリオレフィンフィ
ルムの実質的な無配向状態とは、完全に無配向な状態だ
けでなく若干の配向がかかっている状態のものも含む。
その程度は、芯層ポリオレフィンフィルムの融点が、該
芯層に用いた樹脂本来の融点に対して、下記式(1)を
満たすほどの高さしかない配向状態であるのが好まし
い。
【0018】3≧T1−T0 (1) (ただし、T1は積層ポリオレフィンフィルム中の芯層
ポリオレフィンフィルムの融点(℃)、T0は芯層ポリ
オレフィンフィルムに用いる樹脂の融点(℃)を表
す。) 即ち、一般にフィルムは配向が強くかかるほど、素材樹
脂本来の融点より高くなるが、本発明の積層ポリオレフ
ィンフィルムにおいて芯層ポリオレフィンフィルムは、
前記の如く完全な無配向状態か若干の配向しかかかって
いない状態であるため、その融点は上記式(1)のよう
に素材樹脂自体の融点の近傍になる。本発明において、
上記T1−T0の値は、十分な手切れ性のためには、2以
下、さらに好適には1.5以下であることが特に好まし
い。
【0019】本発明において、芯層ポリオレフィンフィ
ルムの融点は、示差走査熱量計を用いて積層ポリオレフ
ィンフィルムを30℃の状態から昇温速度10℃/分で
昇温し、芯層の融点ピークを測定することにより求めら
れる。また、樹脂本来の融点は、示差走査熱量計を用い
て樹脂を235℃で溶融し10分間保持した後、降温速
度10℃/分で30℃まで降温し、続いて昇温速度10
℃/分で235℃まで昇温したときの融点を測定するこ
とで求められる。
【0020】なお、本発明の積層ポリオレフィンフィル
ムにおいて、配向層ポリオレフィンフィルムの融点は、
該配向層に用いた樹脂本来の融点に対して、4℃以上、
好適には5℃以上高い値を有するのが一般的である。
【0021】さらに、本発明で用いる積層ポリオレフィ
ンフィルムは、より良好な手切れ性を勘案すると、実質
的に無配向状態である芯層ポリオレフィンフィルムが積
層フィルムの主要部を占めている結果、積層ポリオレフ
ィンフィルム全体でみた面配向指数が0.5以下である
ものが好ましい。特に、この面配向指数は0.3以下、
さらには0.2以下とすることが好ましく、面配向指数
の下限は特に制限されない。
【0022】本発明にある面配向指数とは、X線回折法
によって求められるポリプロピレン結晶010面の積層
フィルム面に平行な面への面配向の程度を表す指標であ
る。詳しくは、ポリプロピレン積層フィルムをフィルム
面に垂直な軸を中心に高速で回転させながら、フィルム
面に垂直な方向よりX線を入射させて回折強度を測定
し、得られたX線回折強度曲線を非晶質ピークと各結晶
質ピークにピーク分離を行い、ポリプロピレン結晶(α
晶)からの111反射(2θ=21.4°)と040反
射(2θ=17.1°)のピーク強度の比より下記式
(2)で求められる。 面配向指数P010=log
{1.508×I(111)/I(040)} (2) ただし、I(111):111反射のピーク強度(counts) I(040):040反射のピーク強度(counts) ここで(1)式の係数1.508は、Z.Mencik
(Z.Mencik,Journal of Macr
omoleculer Science,Physic
B6, 101(1972))より、ポリプロピレ
ン結晶が完全にランダムに配向している場合のI(04
0)とI(111)の強度比I(040)/I(111)=116.9
/77.5=1.508(I(111)/I(040)の値の逆
数)である。例えば測定した試料のポリプロピレン結晶
010面が、フィルム面に対して完全にランダムに配向
しているならば、〔P010 〕の値は0となり、ポリプロ
ピレン結晶010面が、フィルム面に対して平行配向す
るほどに〔P010 〕の値は大きくなり、逆に該010面
がフィルム面に対して垂直に配向すれば〔P010 〕は、
負の値となる。
【0023】本発明で用いる積層ポリオレフィンフィル
ムは、配向状態の異なる芯層ポリオレフィンフィルムと
配向ポリオレフィンフィルムが積層されたものである
が、上記面配向指数は、積層ポリオレフィンフィルム全
体で測定し求められた値をいう。
【0024】本発明で用いる積層ポリオレフィンフィル
ムでは、芯層ポリオレフィンフィルムを複層としたり配
向ポリオレフィンフィルムを複層としても良い。また、
芯層と配向層の間に、接着樹脂からなる中間層を介在さ
せることができる。中間層に接着樹脂を用いた場合に
は、表層と芯層の接着力が増し、表層がTDに一軸に配
向している場合には、特にTD方向手切れ性が良好とな
る。
【0025】なお、本発明の積層体に用いる積層ポリオ
レフィンフィルムには、必要に応じて、帯電防止剤、ブ
ロッキング防止剤、結晶核剤等を各層に添加することが
できる。結晶核剤としては、タルク、ポリシクロペンテ
ン、ベンジリデンソルビトール誘導体を挙げることがで
きる。
【0026】本発明の積層体において、上記の積層ポリ
オレフィンフィルムは、紙またはアルミ箔の少なくとも
片面に積層される。
【0027】本発明の積層体に用いる紙は特に限定され
ないが、コート紙、クラフト紙、上質紙、及び合成紙な
どが用いられる。また、紙の表面には印刷が施されてい
てもよい。なお、印刷は、紙と積層される延伸ポリオレ
フィンフィルムの内側に施されていてもよい。これらの
紙の厚みは、特に制限されるものではないが、一般には
50〜200μmの厚さのものが用いられる。
【0028】また、本発明で用いるアルミ箔は、用途に
応じ、3〜20μmの厚さのものが用いられる。なお、
こうしたアルミ箔に積層される延伸ポリオレフィンフィ
ルムには、内側に印刷が施されてもよい。
【0029】本発明において、以上の構成にある積層体
は、如何なる方法により得ても良い。通常は、積層ポリ
オレフィンフィルムを先に得、これを紙またはアルミ箔
に積層して得るのが一般的であるが、結果的に紙または
アルミ箔に、前記層構成の積層ポリオレフィンフィルム
が積層されている形態になるのであれば、該層構成を部
分的に積層していき製造しても良い。
【0030】一般に積層ポリオレフィンフィルムの製造
は、この方法に制限されるものではないが、次の方法で
実施するのが好適である。即ち、まず、少なくとも一軸
に配向された芯層ポリオレフィンフィルムの両面に、該
ポリオレフィンより融点の高いポリオレフィンからな
り、一軸または二軸に配向された表層ポリオレフィンフ
ィルムが積層されてなる積層延伸ポリオレフィンフィル
ムを得、次いでこのものの芯層ポリオレフィンフィルム
のみを溶融させる方法である。この方法によれば、積層
延伸ポリオレフィンフィルムを熱処理温度及び熱処理時
間を選定して熱処理することにより、該積層フィルムの
芯層ポリオレフィンフィルムのみを溶融させて実質的に
無配向状態とし、他方、表層ポリオレフィンフィルム
は、その配向は残すため、結果として、本発明の積層ポ
リオレフィンフィルムが得られる。また、かかる方法の
如く芯層ポリオレフィンフィルムを一度延伸により配向
し、その後熱処理により実質的に無配向状態とする方法
により得られたものは、特に手切れ性が良好となり好ま
しい。
【0031】具体的な製造方法としては、例えばまず、
芯層用のポリオレフィンからなるシートを、該ポリオレ
フィンの融点よりも低い温度でMDに延伸し、インライ
ンラミ方によって表層用のポリオレフィンを両面に積層
する。次いで、TDに延伸し、得られた積層延伸ポリオ
レフィンフィルムを上記条件を満たす熱処理温度及び熱
処理時間で熱処理する方法が挙げられる。また、三層ダ
イを用いた共押し法によって芯層用のポリオレフィンの
両面に表層用ポリオレフィンが積層されたシートを、芯
層ポリオレフィンの融点よりも低い温度でMDに延伸
し、次いで必要に応じてTDに延伸し、得られた積層延
伸ポリオレフィンフィルムを上記条件を満たす熱処理温
度及び熱処理時間で熱処理する方法などが好適に用いら
れる。
【0032】延伸倍率は特に制限されないが、一般に
は、MDに3〜8倍、TDに6〜12倍の範囲から選択
することが好ましい。
【0033】熱処理温度は、芯層ポリオレフィンフィル
ムの融点以上且つ表層ポリオレフィンフィルムの融点よ
りも低い温度の他、表層ポリオレフィンフィルムの融点
よりも高い温度であっても、その熱処理時間を短くして
芯層ポリオレフィンフィルムのみが溶融するように設定
すれば何ら制限なく採用できる。一般には、熱処理の温
度が高ければ、手切れ性は良好となる。また、熱処理温
度が低い場合には、芯層フィルムの配向がある程度残る
ため、透明性は良好となる。好適には、熱処理温度は1
40℃〜190℃から採択される。
【0034】熱処理の時間は、特に制限されるものでは
なく、上記の熱処理の温度に応じて最適な時間を決定す
ればよい。通常は6〜30秒である。
【0035】一方、かかる方法等により得られた積層ポ
リオレフィンフィルムを、紙またはアルミ箔に積層する
方法は特に制限されないが、ウエットラミネート法、ド
ライラミネート法、無溶剤ラミネート法、ワックスラミ
ネート法、及びサーマルラミネート法等が好適に用いら
れる。
【0036】積層するために用いられる接着材として
は、無延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニリ
デン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の他、ウレタン樹
脂系やアクリル樹脂系等各種のものが用いられる。
【0037】
【発明の効果】本発明の積層体は、紙またはアルミ箔に
特定の性能をもつ積層ポリオレフィンフィルムを積層す
ることにより、防水性、表面光沢、及び表面の汚れ防止
性に優れ、任意の場所において、手切れ性が良好である
という優れた特性を有する。
【0038】本発明で用いる積層ポリオレフィンフィル
ムは、製造時に熱処理することによって、芯層がほぼ無
配向となり、十分な手切れ性を付与することができる。
さらに、熱処理は配向ポリオレフィンフィルムの融点以
下で行われるため、該配向層の配向は残り、表面光沢を
維持できる。また、配向層がTDに一軸に配向されたも
のの場合には、該方向への選択的な方向手切れ性が付与
できる。
【0039】本発明の積層体は、上記のような優れた性
能を有するため、雑貨や食品、医薬品等の各種包装用基
材として好適に使用できる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明を具体的に説明するために実
施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0041】なお、以下の実施例及び比較例におけるフ
ィルム物性の測定は、フィルム製造後、40℃で3日間
養生後に下記の方法により行った。
【0042】(1)厚み 接触式厚み計にて測定した。
【0043】(2)フィルムの融点 示差走査熱量計を用いてフィルムを30℃の状態から昇
温速度10℃/分で昇温し融点を測定した。
【0044】(3)樹脂の融点 示差走査熱量計を用いて樹脂を235℃で溶融し10分
間保持した後、降温速度10℃/分で30℃まで降温
し、続いて昇温速度10℃/分で235℃まで昇温した
ときの融点を測定した。
【0045】(4)面配向指数 日本電子社製のX線回折装置JDX−3500を用い、
次の条件にで測定した。
【0046】 ターゲット :銅(Cu−Kα線) 管電圧−管電流 :40kV−400mA X線入射法 :垂直ビーム透過法 単色化 :グラファイトモノクロメーター 発散スリット :0.2mm 受光スリット :0.4mm 検出機 :シンチレーションカウンター 測定角度範囲 :9.0°〜31.0° ステップ角度 :0.04° 計数時間 :4.0秒 試料回転数 :120rpm この場合、フィルムを20mm×20mmに切り出し、
これを数十枚重ね厚さ約3mmとして、広角ゴニオメー
ターに取り付けた透過法回転試料台に装着して測定し
た。ピーク分離は回折角(2θ)9°〜31°の範囲で
空気散乱等によるバックグラウンドを除いた後、ガウス
関数とローレンツ関数を用いた一般的なピーク分離法に
よって非晶質ピークと各結晶質ピークに分離した。面配
向指数は前述した方法で040反射と111反射のピー
ク強度より算出した。
【0047】図1は、後述する実施例2の積層ポリオレ
フィンフィルムのX線回折曲線のピーク分離結果であ
り、A−BがI(040)で1998countsであり、C
−DがI(111)で1729countsである。したがっ
て、この場合の面配向指数P01 0はlog(1.508
×1729/1998)で0.116となる。
【0048】(5)透明性 JIS−K7105に準じてフィルムのヘイズ値を測定
した。
【0049】(6)表面光沢 JIS−K7105に準じて積層体のフィルム側面のグ
ロス値を測定した。
【0050】(7)手切れ性 積層体を手によって切る試験を20回繰り返し、手切れ
性の評価を以下の基準にて行った。
【0051】 5点:容易に切れた確率が、90%以上 4点: 〃 90%未満80%以上 3点: 〃 80%未満60%以上 2点: 〃 60%未満50%以上 1点: 〃 50%未満 実施例1、比較例1 エチレン−プロピレン共重合体(エチレン含有量2.0
重量%、融点150℃)の芯層樹脂をTダイより押出
し、未延伸シートを得た。このシートをMDに6倍で延
伸した後、インラインラミ法でシートの両面にプロピレ
ン単独重合体(融点159℃)の表層樹脂を積層した。
さらにTDに9倍に延伸し、表1に示した温度で10秒
間熱処理して、28μmの芯層フィルムの両面に1μm
の表層が積層されている30μmのフィルムを得た。こ
こで、上記フィルムにおいて、表層フィルムの融点は、
該表層に用いた樹脂本来の融点に対して、5℃以上高い
値を有していた。フィルムの物性を測定し表1に示し
た。
【0052】また、得られたフィルムをウエットラミネ
ート法により100μmの上質紙に積層し、積層体の表
面光沢、手切れ性を表1に示した。
【0053】実施例2 実施例1において、熱処理温度を表1に示した温度と
し、芯層フィルムの厚みを24μmとし、各表層フィル
ムの厚みを3μmとする以外は実施例1と同様の積層ポ
リオレフィンフィルムを得た。ここで、上記フィルムに
おいて、表層フィルムの融点は、該表層に用いた樹脂本
来の融点に対して、5℃以上高い値を有していた。フィ
ルムの物性を測定し表1に示した。
【0054】また、得られたフィルムの内面にグラビア
印刷を施し、ドライラミネート法により7μmのアルミ
箔に積層した。積層体の表面光沢、手切れ性を表1に示
した。
【0055】実施例3 実施例1において、熱処理温度を表1に示した温度と
し、芯層フィルムの厚みを20μmとし、各表層フィル
ムの厚みを5μmとする以外は実施例1と同様の積層ポ
リオレフィンフィルムを得た。ここで、上記フィルムに
おいて、表層フィルムの融点は、該表層に用いた樹脂本
来の融点に対して、5℃以上高い値を有していた。フィ
ルムの物性を測定し表1に示した。
【0056】また、得られたフィルムの内面にグラビア
印刷を施し、ドライラミネート法により7μmのアルミ
箔に積層した。積層体の表面光沢、手切れ性を表1に示
した。
【0057】実施例4 3層ダイを用いた共押し法により、プロピレン−エチレ
ン共重合体(エチレン含有量2.0重量%;融点150
℃)の芯層樹脂の両面にポリプロピレン単独重合体(融
点159℃)の表層樹脂を積層した未延伸シートを得
た。このシートをMDに6倍で延伸した後、さらにTD
に9倍に延伸し、表1に示した温度で10秒間熱処理し
て、24μmの芯層の両面に3μmの表層が積層されて
いる30μmの積層ポリオレフィンフィルムを得た。こ
こで、上記フィルムにおいて、表層フィルムの融点は、
該表層に用いた樹脂本来の融点に対して、6℃以上高い
値を有していた。フィルムの物性を測定し表1に示し
た。
【0058】また、得られたフィルムをウエットラミネ
ート法により100μmの上質紙に積層し、積層体の表
面光沢、手切れ性を表1に示した。
【0059】比較例2 プロピレン−エチレンランダム共重合体(融点158.
8℃ エチレン含有量0.4重量%)をキャストフィル
ム製膜機により製膜し、厚さ30μmの無延伸単層フィ
ルムを得た。フィルムの物性を測定し表1に示した。得
られたフィルムをウエットラミネート法により100μ
mの上質紙に積層し、積層体の外観、表面光沢、手切れ
性を表1に示した。
【0060】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2の積層ポリオレフィンフィル
ムのX線回折曲線のピーク分離結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 65/40 B65D 65/40 B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に無配向状態である芯層ポリオレフ
    ィンフィルムの両面に、一軸または二軸に配向された配
    向ポリオレフィンフィルムが積層されてなる積層ポリオ
    レフィンフィルムが、紙またはアルミ箔の少なくとも片
    面に積層されてなる積層体。
JP21983896A 1996-08-21 1996-08-21 積層体 Pending JPH1058596A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21983896A JPH1058596A (ja) 1996-08-21 1996-08-21 積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21983896A JPH1058596A (ja) 1996-08-21 1996-08-21 積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1058596A true JPH1058596A (ja) 1998-03-03

Family

ID=16741851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21983896A Pending JPH1058596A (ja) 1996-08-21 1996-08-21 積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1058596A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006256293A (ja) * 2005-02-15 2006-09-28 Nippon Paper-Pak Co Ltd 液体紙容器用ポリオレフィンフィルム、それを用いた液体紙容器材料及びアセプティック液体紙容器
WO2017033971A1 (ja) * 2015-08-24 2017-03-02 凸版印刷株式会社 化粧シート及び透明樹脂シート
JP2017128064A (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 凸版印刷株式会社 化粧シート及び透明樹脂シート
US10906280B2 (en) 2015-08-24 2021-02-02 Toppan Printing Co., Ltd. Decorative sheet

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006256293A (ja) * 2005-02-15 2006-09-28 Nippon Paper-Pak Co Ltd 液体紙容器用ポリオレフィンフィルム、それを用いた液体紙容器材料及びアセプティック液体紙容器
WO2017033971A1 (ja) * 2015-08-24 2017-03-02 凸版印刷株式会社 化粧シート及び透明樹脂シート
KR20180043280A (ko) * 2015-08-24 2018-04-27 도판 인사츠 가부시키가이샤 화장 시트 및 투명 수지 시트
US10906280B2 (en) 2015-08-24 2021-02-02 Toppan Printing Co., Ltd. Decorative sheet
US11230631B2 (en) 2015-08-24 2022-01-25 Toppan Printing Co., Ltd. Decorative sheet, and transparent resin sheet
JP2017128064A (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 凸版印刷株式会社 化粧シート及び透明樹脂シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03140240A (ja) 熱積層可能な高光沢性多層フイルム
US20210252839A1 (en) Recyclable PE Packaging Film with Improved Stiffness
US20220089822A1 (en) Biaxially oriented polypropylene film
JP2004142238A (ja) 積層フィルム
WO2022138531A1 (ja) ポリプロピレンフィルム、積層体、包装材、及び梱包体
JPH11192680A (ja) ポリプロピレンフィルムおよびその製造方法
JPH1058596A (ja) 積層体
JPS63132051A (ja) 横方向引裂性積層フイルム
US20120114958A1 (en) Film with a metal receiving layer having high metal adhesion and method of making same
CN109890882B (zh) 薄膜、卷绕体及粘合带
JP2006248066A (ja) 積層ポリプロピレン系フイルム
JP4893246B2 (ja) ポリオレフィン系発泡フイルム
WO2024071084A1 (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JP2002097420A (ja) 結束テープ
JPH1016157A (ja) 積層ポリオレフィンフィルム及びその製造方法
JP2024051484A (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JP4254289B2 (ja) 積層ポリプロピレンフイルムおよびそれからなる溶断シール包装体
WO2024071092A1 (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
WO2024071085A1 (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JPH10237188A (ja) ポリオレフィン系無延伸フィルムおよびそれを用いた蒸着無延伸フィルム
JP3700995B2 (ja) 二軸延伸ポリプロピレンフィルムおよび成形体の製造方法
JP4798430B2 (ja) 共押出多層フィルム及びそれを用いた紙ラミネートフィルム
JP2024051698A (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JP2007021814A (ja) 容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルム
JP2024051697A (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040401

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040726