JPH0794316A - 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト - Google Patents
低損失Mn−Zn系ソフトフェライトInfo
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- JPH0794316A JPH0794316A JP5235115A JP23511593A JPH0794316A JP H0794316 A JPH0794316 A JP H0794316A JP 5235115 A JP5235115 A JP 5235115A JP 23511593 A JP23511593 A JP 23511593A JP H0794316 A JPH0794316 A JP H0794316A
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Abstract
成を Fe2O3:52〜54.5 mol%、 MnO:33〜40 mol%、 ZnO:
6〜14 mol% からなる基本成分中に、 SiO2:0.005 〜0.040 wt%、 CaO :0.02〜0.20wt%、
酸化ニオブ:0.01〜0.08wt%、酸化チタン:0.05〜0.40
wt% ならびにカリウム、ルビジウムおよびセシウムの各酸化
物のうちから選んだ1種または2種以上を金属換算で 1
00〜2000 ppm含有させた組成とする。 【効果】 スイッチング電源周波数が100kHz程度の高周
波電源用トランスのコアとして、従来材と比較して高磁
場下での損失が格段に低減する。
Description
トランス等の用途に供して好適な電力損失の少ないMn−
Zn系ソフトフェライトに関するものである。
機器、電源等のコイル、トランス材料として広く用いら
れているが、最近のOAの機器の普及に伴い、100kHz程
度の高周波領域で動作するスイッング電源のトランス材
料としても利用されている。
Mn−Zn系フェライトに要求される特性としては、高飽和
磁束密度、高透磁率および低損失など種々の特性が挙げ
られるが、特にこの発明で対象とするスイッチング電源
用トランスとしては、高磁場下において低損失であるこ
とがとりわけ重要とされる。このためMn−Zn系ソフトフ
ェライトにおいては、従来から種々の微量添加物を添加
することによって損失の改善が試みられており、特に高
周波帯域での鉄損特性としては、100kHz,200mTにおけ
る損失が 300〜400 mW/cm3程度のレベルまで実現されて
いる。
61-42105号公報では、酸化カルシウム、酸化ケイ素、酸
化ニオブおよび酸化カリウムの添加によって、損失の一
層の改善を図られ、その結果、スイッチング周波数 25k
Hzにおける損失は、200mTの磁束密度で60mW/cm3程度の
レベルまで低減されている。また特開平4−325493号公
報では、焼結体製品にK,Rb,Csのアルコラート化合物
溶液を塗布した後、熱処理することによって、さらなる
特性改善を図る方法が提案されている。さらに、特開平
5-36516号公報では、K2O の添加により不純物Pの悪影
響を除去する方法が提案されている。
ッチング電源周波数として使用されている100kHz以上の
高周波帯域における鉄損特性を効果的に改善し、スイッ
チング電源用トランスとして使用した場合において、損
失を大幅に低減することのできるMn−Zn系ソフトフェラ
イトを提案することを目的とする。
物のうちから選んだ1種または2種以上を金属換算で 1
00〜2000 ppmを含有することを特徴とする低損失Mn−Zn
系ソフトフェライト(第1発明)である。
物のうちから選んだ1種または2種以上を金属換算で 1
00〜2000 ppmを含有することを特徴とする低損失Mn−Zn
系ソフトフェライト(第2発明)である。
物のうちから選んだ1種または2種以上を金属換算で 1
00〜2000 ppmを含有することを特徴とする低損失Mn−Zn
系ソフトフェライト(第3発明)である。
成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明す
る。まず、基本成分の割合を上記の範囲に限定した理由
は、次のとおりである。 Fe2O3:52〜54.5 mol%, MnO:33〜40 mol%, ZnO:
6〜14 mol% スイッチング電源用トランスの動作温度は通常60〜70℃
であり、従ってこの温度範囲で電力損失が低く、しかも
室温から動作温度を超える80〜120 ℃程度の温度域まで
の鉄損が負の温度依存性を持つことが望ましい。この観
点から Fe2O3,MnO, ZnOの割合を検討した結果、上記の
範囲が得られたのである。
成分中に、SiO2, CaO および酸化ニオブならびに酸化チ
タンおよび酸化アンチモンのいずれか1種または2種、
さらにはカリウム,ルビジウム,セシウムの各酸化物の
うちから選んだ1種または2種以上を含有させるところ
に特徴がある。この場合これらの成分の含有量は次のと
おりである。
電流損の低減に有効に寄与するが、 0.005wt%に満たな
いとその添加効果に乏しく、一方 0.040wt%を超えると
逆に損失が大きくなるので、SiO2含有量は 0.005〜0.04
0 wt%の範囲に限定した。
損失をもたらす有用成分であるが、含有量が0.02wt%に
満たないと粒界抵抗の向上効果に乏しく、一方0.20wt%
を越えると逆に損失が大きくなるので、0.02〜0.20wt%
の範囲で添加するものとした。
る理由は、SiO2,CaOと同様、粒界に析出して粒界を高
抵抗化させ、また異相が粒界にできることで磁気的な悪
影響を緩和させるためと考えられる。しかしながら含有
量が0.01wt%に満たないとその効果に乏しく、一方0.08
wt%を超えて含有されると焼結時に異常粒成長を起こし
易くなるので、0.01〜0.08wt%の範囲で添加するものと
した。
却過程において粒界の再酸化を促進することによってコ
アの比抵抗を高め、高周波領域での損失を低減する効果
があるが、0.05wt%に満たないとその効果に乏しく、一
方0.40wt%を超えて含有されると逆に損失の増加を招く
ので、0.05〜0.40wt%の範囲で添加するものとした。
5 と複合して含有させることによって損失が改善され
る。この理由は、現時点ではまだ明確に解明されたわけ
ではないが、粒界に析出し、上述した酸化ニオブと同様
な効果を与えることによるものと考えらる。この効果は
SiO2, CaOおよびNb2O5 との共存下で大きい。しかしな
がら 0.005wt%に満たないとその効果に乏しく、一方0.
08wt%を超えて含有されると逆に損失の増加を招くの
で、 0.005〜0.08wt%の範囲で添加するものとした。
え、K,Rbおよび/またはCsを、酸化物とくに K2O, Rb
2O,Cs2O等の形で含有させる。これらの酸化物は、やは
り損失低減効果を持ち、粒界に存在して異常粒成長を抑
制する作用があると考えられる。ここに、上記した酸化
物の含有量は、金属換算で 100〜2000 ppmの範囲とす
る。というのは、含有量は100ppm未満ではその添加効果
に乏しく、一方 2000ppmを超えると逆に損失の増加を招
くからである。
物、ルビジウム化合物、セシウム化合物として添加さ
れ、かかる化合物としては例えば K2CO3, KCl, K2SO4,
Rb2CO3,RbCl, Rb2SO4, Cs2CO3, CsCl, Cs2SO4等が好適
である。
域での損失の低減には、比抵抗を高めることがとりわけ
有効なわけであるが、この発明では SiO2, CaOの共存下
で、酸化ニオブと、酸化チタンおよび/または酸化アン
チモン、さらにはカリウム、ルビジウムおよびセシウム
酸化物の各酸化物のうちから選んだ1種または2種以上
を添加し、粒界に均一に分散させることによって、所期
した目的を達成するものである。
するには、常法に従って処理を施せば良い。すなわち、
フェライトの最終組成として、酸化鉄が Fe2O3換算で52
〜54.5 mol%、酸化マンガンが MnO換算で33〜40 mol
%、酸化亜鉛が ZnO換算で6〜14 mol%となるように混
合し、ついで微量成分としてSiO2: 0.005〜0.040 wt
%、CaO:0.02〜0.20wt%、酸化ニオブ(Nb2O5 換
算):0.01〜0.08wt%と、酸化チタン(TiO2換算):0.
05〜0.40wt%および酸化アンチモン(Sb2O3 換算):0.
005 〜0.08wt%のいずれか1種または2種と、さらに酸
化カリウム,酸化ルビジウムおよび酸化セシウムのいず
れか1種または2種以上を金属換算で 100〜2000 ppm含
有させたものを原料とする。ただし微量成分の添加時期
は後述する仮焼の後であっても差し支えない。この原料
粉を、 800℃以上の温度で仮焼し、ついで微粉砕後、12
50℃以上の温度で酸素濃度を制御した窒素ガス中で焼成
する。
および ZnO:12 mol%となる基本組成の原料を混合した
後、大気中で 900℃,3時間の仮焼を施した。この仮焼
粉に対し、最終組成が表1に示す割合となるように、Si
O2,CaO (CaCO3として添加), Nb2O5, TiO2およびK2CO3,
Rb2CO3, Cs2CO3 を添加配合し、同時に湿式ボールミル
で粉砕,混合した。ついで粉砕粉にバインダーとしてP
VAを添加し、造粒した後、外径:36mm,内径:24mm,
高さ:12mmのリング状に成形してから、酸素分圧を制御
した窒素雰囲気中で1320℃,3時間の焼成を行った。か
くして得られた焼結コアの周波数:100kHz,最大磁束密
度:0.2 T,温度:80℃における鉄損値を交流BHルー
プトレーサにて測定した結果を、表1に併記する。
い、副成分として SiO2, CaO, Nb2O5,TiO2およびK,R
b,Cs酸化物を複合含有させたものはいずれも、300 mW/
cm3を下回る低い電力損失が達成されている。これに対
し、この発明の適正範囲から外れたものはいずれも損失
の改善効果は少なく、甚だしい場合には異常粒成長によ
って損失特性は逆に劣化している。
および ZnO:12.7 mol%となる基本組成の原料を混合し
たのち、大気中にて 900℃,3時間の仮焼を施した。こ
の仮焼粉に対し、最終組成が表2および表3に示す割合
となるように、SiO2,CaO (CaCO3として添加)Nb2O5, S
b2O3およびK2CO3, Rb2CO3, Cs2CO3 を添加配合し、同時
に湿式ボールミルで粉砕,混合した。ついで粉砕粉にバ
インダーとしてPVAを添加し、造粒した後、外径:36
mm,内径:24mm,高さ:12mmのリング状に成形してか
ら、酸素分圧を制御した窒素雰囲気中で1320℃,3時間
の焼成を行った。かくして得られた焼結コアの周波数:
100kHz,最大磁束密度:0.2 T、温度:80℃における鉄
損値を交流BHループトレーサにて測定した結果を、表
2および表3に併記する。
発明の適正成分組成範囲に成分調整したものはいずれ
も、300 mW/cm3を下回る低い電力損失が得られている。
グ電源周波数が100kHz程度の高周波電源用トランスのコ
アとして、従来材と比較して高磁場下での損失が格段に
小さい低損失Mn−Zn系ソフトフェライトを得ることがで
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】 Fe2O3 :52〜54.5 mol% MnO :33〜40 mol% ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分中に、 SiO2:0.005 〜0.040 wt% CaO :0.02〜0.20wt% 酸化ニオブ:0.01〜0.08wt% 酸化チタン:0.05〜0.40wt% ならびにカリウム、ルビジウムおよびセシウムの各酸化
物のうちから選んだ1種または2種以上を金属換算で 1
00〜2000 ppmを含有することを特徴とする低損失Mn−Zn
系ソフトフェライト。 - 【請求項2】 Fe2O3 :52〜54.5 mol% MnO :33〜40 mol% ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分中に SiO2:0.005 〜0.040 wt% CaO :0.02〜0.20wt% 酸化ニオブ:0.01〜0.08wt% 酸化アンチモン:0.005 〜0.08wt% ならびにカリウム、ルビジウムおよびセシウムの各酸化
物のうちから選んだ1種または2種以上を金属換算で 1
00〜2000 ppmを含有することを特徴とする低損失Mn−Zn
系ソフトフェライト。 - 【請求項3】 Fe2O3 :52〜54.5 mol% MnO :33〜40 mol% ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分中に SiO2:0.005 〜0.040 wt% CaO :0.02〜0.20wt% 酸化ニオブ:0.01〜0.08wt% 酸化チタン:0.05〜0.40wt% 酸化アンチモン:0.005 〜0.08wt% ならびにカリウム、ルビジウムおよびセシウムの各酸化
物のうちから選んだ1種または2種以上を金属換算で 1
00〜2000 ppmを含有することを特徴とする低損失Mn−Zn
系ソフトフェライト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23511593A JP3401298B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23511593A JP3401298B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0794316A true JPH0794316A (ja) | 1995-04-07 |
JP3401298B2 JP3401298B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
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JP23511593A Expired - Fee Related JP3401298B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト |
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JP (1) | JP3401298B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102693802A (zh) * | 2012-02-15 | 2012-09-26 | 横店集团东磁股份有限公司 | 一种宽温MnZn功率铁氧体材料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-09-21 JP JP23511593A patent/JP3401298B2/ja not_active Expired - Fee Related
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