JPH0792709A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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- JPH0792709A JPH0792709A JP24012393A JP24012393A JPH0792709A JP H0792709 A JPH0792709 A JP H0792709A JP 24012393 A JP24012393 A JP 24012393A JP 24012393 A JP24012393 A JP 24012393A JP H0792709 A JPH0792709 A JP H0792709A
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Abstract
感光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に、電荷発生材料としてp型顔
料を、電荷輸送材料として一般式(1) : 〔式中R1,R2,R3,R4は、同一または異なっ
て、アルキル基またはアリール基を示す。〕で表される
ジフェノキノン誘導体を、結着樹脂としてポリカーボネ
ートおよび一般式(2) : 〔式中A1およびA2はいずれか一方が、主鎖中に少な
くとも芳香族環を含む2価の基を示し、他方が、主鎖中
に芳香族環を含まない2価の基を示す。〕で表される繰
り返し単位を有するポリエステルを、それぞれ含有し、
かつ上記一般式(2) で表されるポリエステルの、結着樹
脂中に占める割合が1〜5重量%である感光層を設け
た。
Description
ービームプリンタ等の、電子写真法を利用した画像形成
装置に利用される電子写真感光体に関するものである。
コロナ放電により、電子写真感光体の表面を均一に帯電
させる工程と、帯電した電子写真感光体の表面を露光し
て、当該表面に静電潜像を形成する露光工程と、形成さ
れた静電潜像に現像剤を接触させて、この現像剤に含ま
れるトナーにより、静電潜像をトナー像に顕像化する現
像工程と、トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写
されたトナー像を定着させる定着工程と、転写工程後、
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程
とを含んでいる。
真感光体には、毒性があるために取扱いが困難なセレ
ン、硫化カドミウム等の無機光導電体を主成分とするも
のに代わって、毒性の少ない有機光導電性化合物を使用
した、いわゆる有機感光体が種々提案されている。かか
る有機感光体は、加工性がよく、製造が容易であると共
に、機能設計の自由度が大きいという利点がある。
光照射により電荷を発生させる電荷発生材料と、発生し
た電荷を輸送する電荷輸送材料とを含む機能分離型の感
光層を有するものが多く使用されている。
荷輸送材料を用いた機能分離型の有機感光体を作製する
ためには、感度、電位保持性、電位安定性、残留電位等
の電子写真特性をすべて満足させるマッチングのよい材
料を選択しなければならず、種々の組み合わせが検討さ
れている。たとえば、いくら電荷発生材料が充分な電荷
を発生したとしても、その電荷を効率よく注入し、搬送
することが可能な電荷輸送材料と組み合わせないと、満
足のゆく電子写真特性を得ることが出来ない。
とのマッチングがよくても、これらの材料を結合して感
光層を構成する結着樹脂の物性に問題があると、総合的
に電子写真特性にすぐれた感光体は得られない。たとえ
ば感光層の強度が十分でない場合や感光層の下地への接
着性が十分でない場合には、画像形成装置内において感
光体表面に圧接されたクリーニングブレード、トナー飛
散防止用のフェルト、帯電ローラ、転写ローラ等の部材
や、画像形成時に感光体表面に接触する紙等からの物理
的な衝撃により、感光層の表面に傷が付いたり、感光層
が導電性基体から剥離したりしやすいため、いくら感光
層自体の感度がよくても欠陥のない良好な画像が得られ
ず、またいくら繰り返し特性がよくても十分な耐久性が
得られないのである。
タ)アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリエス
テル、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂等の各種高分子が
一般に使用される。特開昭57−4051号公報には、
上記高分子のうちポリカーボネートが、フィルム形成能
にすぐれる上、耐擦傷性にすぐれた強靱な感光層を形成
できることが開示されている。しかしポリカーボネート
は導電性基体や下地層等との接着性が十分でないので、
接着性を向上すべく、層形成に先立って何等かの前処理
が必要となり、生産性やコストの点で問題となる。特開
昭61−132954号公報、特開平2−236555
号公報には、主鎖中にケイ素を導入したポリカーボネー
トの誘導体を結着樹脂として使用することが開示されて
いるが、これらの誘導体も、通常のポリカーボネートと
同様に接着性が十分でない。
光層の接着性を向上すべく、特開昭59−71057号
公報にはポリエステルカーボネートをブレンドすること
が開示されており、特開昭62−212660号公報に
はポリエステルまたはポリアリレートをブレンドするこ
とが開示されている。しかしこれらの高分子は主鎖が硬
直で、接着性に寄与するエステル結合部が導電性基体等
の下地に十分に作用しないので、接着性を向上するには
多量に添加する必要があり、分子中の極性基(電子吸引
性基)がキャリヤートラップとなって感光体の感度を低
下させたり、あるいは高電界下において電荷発生材料、
電荷輸送材料の光酸化劣化を促進したりするという問題
がある。
たものであり、高感度で耐久性にすぐれた高性能な電子
写真感光体を提供することを目的とする。
は、上記課題を解決するため、電荷発生材料、電荷輸送
材料および結着樹脂の組み合わせについて鋭意研究を重
ねた結果、導電性基体上に、電荷発生材料としてp型顔
料を、電荷輸送材料として一般式(1) :
たは異なって、アルキル基またはアリール基を示す。〕
で表されるジフェノキノン誘導体を、結着樹脂としてポ
リカーボネートを、それぞれ含有する感光層を設けた電
子写真感光体において、上記感光層に、一般式(2) :
主鎖中に少なくとも芳香族環を含む2価の基を示し、他
方が、主鎖中に芳香族環を含まない2価の基を示す。〕
で表される繰り返し単位を有するポリエステルを、結着
樹脂中、1〜5重量%の割合で添加すると、感光層の接
着性が向上するだけでなく、驚くべきことにその感度が
向上するという新たな事実を見出し、本発明を完成する
に到った。
たポリエステル(2) は、従来のものに比べて主鎖が柔軟
で、接着性に寄与するエステル結合部が下地に十分に作
用するので、少量の添加により、強靱な物性を有するポ
リカーボネート製の感光層の接着性を向上させることが
できる。また上記ポリエステル(2) は、分子中に、電子
吸引基であるカルボニル基(>C=O基)を多数有する
ため、p型顔料にアクセプター的に作用して、当該p型
顔料の電荷発生効率を向上させ、感光層の感度を増感さ
せるものと推測される。
に占める割合が1重量%未満では、感光層の接着性が低
下するという問題を生じる。逆に、上記ポリエステル
(2) の、結着樹脂中に占める割合が5重量%を超えた場
合には、極性基である上記カルボニル基がキャリヤート
ラップとして作用して、感光体の繰り返し特性を低下さ
せたり、あるいは高電界下において、電荷発生材料や電
荷輸送材料の光酸化劣化を促進するという問題を生じ
る。
出された知見であり、後述する実施例と比較例との対比
から明らかにされる。
p型顔料を使用することができる。p型顔料の例として
は、これに限定されるものではないが、たとえばフタロ
シアニン顔料、スルホン基またはカルボキシル基を有す
るアゾ顔料、アントラキノン顔料、トリフェニルメタン
顔料、ニトロ顔料、キサンテン顔料、アジン顔料、キノ
リン顔料等があげられ、中でもフタロシアニン顔料が好
適に使用される。
されるものではないが、たとえばメタルフリーフタロシ
アニン、アルミニウムフタロシアニン、バナジウムフタ
ロシアニン、カドミウムフタロシアニン、アンチモンフ
タロシアニン、クロムフタロシアニン、銅4−フタロシ
アニン、ゲルマニウムフタロシアニン、鉄フタロシアニ
ン、オキソチタニルフタロシアニン、クロロアルミニウ
ムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、
クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシ
アニン、ジアルキルフタロシアニン、テトラメチルフタ
ロシアニン、テトラフェニルフタロシアニン等があげら
れ、また結晶形もα型、β型、γ型、δ型、ε型、σ
型、x型、τ型等の任意のものが使用可能である。
れる他、2種以上を併用することもできる。前記一般式
(1) で表されるジフェノキノン誘導体としては、これに
限定されるものではないが、たとえば下記構造式(Q1)〜
(Q7)で表されるものがあげれらる。
単独で使用される他、2種以上を併用することもでき
る。前記一般式(2) で表されるポリエステルは、前述の
ように式中のA1 ,A2 のいずれか一方が主鎖中に芳香
族環を含み、他方が主鎖中に芳香族環を含まないもので
ある必要がある。式中のA1 ,A2 が共に芳香族環を含
む場合、主鎖が硬直となって、カルボニル基による接着
性向上の効果が薄れてしまう。一方、A1 ,A2 が共に
芳香族環を含まない場合、ポリカーボネートとの相溶性
がなく、均質な感光層が得られない。
基が脂肪族基を含む場合、当該脂肪族基は主鎖に二重結
合または三重結合を含まない飽和脂肪族基であるのが好
ましい。脂肪族基が主鎖に二重結合または三重結合を含
む場合には、主鎖の硬直性が多少上昇すめため、カルボ
ニル基による接着性向上の効果が薄れてしまうおそれが
ある。
は−COOH基が付くが、そのうち−COOH基の量を
示す酸価が2(KOHmg/g)以下であるのが好まし
い。酸価が2を大幅に超えると、感光層の導電性基体等
への接着性は向上するが、−COOH基がカチオンラジ
カルのイオントラップとなって電荷輸送を妨げ、感度低
下を生じるおそれがある。
いが、数平均分子量が10000〜50000である
か、もしくはガラス転移温度Tgが15℃以上であるの
が好ましい。数平均分子量が10000未満ではガラス
転移温度Tgの低下を生じ、ガラス転移温度Tgが15
℃未満になって、感光層の膜強度が低下するおそれがあ
る。また、数平均分子量が50000を大きく上回る
と、分子末端の−OH基、−COOH基が少なくなり、
接着性の低下を生じる。
される酸成分と、一般式(2b)で表されるジオール成分と
を反応させることで得られる。
〜(10)で表される化合物があげられる。
記式(11)〜(17)で表される化合物があげられる。
式(2) 中のA1 ,A2 のいずれか一方が主鎖中に芳香族
環を含み、他方が主鎖中に芳香族環を含まないものとな
るよう、適宜組み合わせて使用される。また、酸成分、
ジオール成分はそれぞれ、上記各式で表されるものを2
種以上混合して使用することもできる。ポリエステル
(2) の原料である酸成分、ジオール成分のうち、主鎖中
に芳香族環を含むものの割合は、特に限定されないが4
0〜80モル%程度がよい。
ては、たとえば表1中に示す(E1)〜(E5)の化合物があげ
られる。
記式(9) 中のuが2であるコハク酸、(9)u=4はuが4で
あるアジピン酸、(9)u=7はuが7であるアゼライン酸を
示す。またジオール成分の欄の(11)v=2 は前記式(11)中
のvが2であるエチレングリコールを示す。これらポリ
エステルは、それぞれ単独で使用される他、2種以上を
併用することもできる。
に対して2〜5重量%であるのが好ましい。ポリエステ
ル(2) の添加量が2重量%未満では、感光層の接着性を
十分に向上できないおそれがあり、添加量が5重量%を
大幅に上回るときは、感光層の耐オゾン性、繰り返し特
性が低下するおそれがある。
されるポリカーボネートとしては、従来公知の種々のも
のが使用できるが、とくに下記一般式(3)(4)および(5)
:
て水素原子、脂肪族基または芳香族基を示し、脂肪族基
および芳香族基は置換基を有していてもよい。またR5
およびR6 は互いに結合して環を形成してもよい。
R7 ,R8 ,R9 ,R10,R11,R 12,R13およびR14
は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、脂肪族
基または芳香族基を示し、脂肪族基および芳香族基は置
換基を有していてもよい。R 15およびR16は水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基およびアリール基を示し、ア
ルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよ
い。sおよびtは
返し単位を有する化合物のうち少なくとも1種が好適に
使用される。上記一般式(3) で表されるポリカーボネー
トの具体的化合物としては、たとえば下記(K1)〜(K3)の
繰り返し単位を有する化合物があげられる。
ートの具体的化合物としては、たとえば下記(K4)の繰り
返し単位を有する化合物があげられる。
ポリカーボネートの具体的化合物としては、たとえば下
記(K5)〜(K7)の繰り返し単位を有する化合物があげられ
る。
よび積層型のいずれにも適応可能である。但し、電荷発
生材料と電荷輸送材料と結着樹脂との組み合わせによる
効果は、特に各材料が同一の層内に含有された単層型感
光層においてより顕著にあらわれるので、本発明は、単
層型感光層を備えた電子写真感光体に適用するのがより
好ましいといえる。
である前記p型顔料と、電荷輸送材料である前記ジフェ
ノキノン誘導体(1) と、結着樹脂であるポリカーボネー
トおよびポリエステル(2) 等とを含有する感光層を塗布
等の手段により導電性基体上に形成すればよい。また、
積層型の感光体を得るには、導電性基体上に、蒸着また
は塗布等の手段により前記p型顔料と結着樹脂とを含有
する電荷発生層を形成し、この電荷発生層上に、前記ジ
フェノキノン誘導体(1) と結着樹脂とを含有する電荷輸
送層を形成すればよい。また、上記とは逆に、導電性基
体上に電荷輸送層を形成し、次いで電荷発生層を形成し
てもよい。積層型の場合、上下両層の結着樹脂をともに
ポリカーボネートとポリエステル(2) で構成するのが、
強靱でかつ接着性に優れ、しかも感度のよい感光層を形
成する上でより好ましいが、いずれか一方の層をポリカ
ーボネートとポリエステル(2) で構成するだけでもよ
い。
の他に、所望の領域に吸収波長域を有するように電子写
真感光体の感度領域を拡げる等の目的のため、さらに、
従来公知の他の電荷発生材料を併用することもできる。
他の電荷発生材料としては、セレン、セレン−テルル、
セレン−ヒ素、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、
アゾ系顔料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、
インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系
顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリ
ドン系顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料等が挙げ
られる。
導体(1) は、単独で使用される他、従来公知の他の電荷
輸送材料と組み合わせて使用することもできる。従来公
知の電荷輸送材料としては、種々の電子輸送材料、正孔
輸送材料を用いることができる。電子輸送材料として
は、たとえばベンゾキノン化合物、ナフトキノン化合
物、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、クロルアニル、ブロモアニル、2,4,7−トリニ
トロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニト
ロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−
ジシアノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−テト
ラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサ
ントン等の電子吸引性材料や、これら電子吸引性材料を
高分子化したもの等があげられる。
ミン系化合物、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール等のジアゾール系
化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラ
セン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等
のカルバゾール系化合物、1−フェニル−3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化
合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合
物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソ
オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジア
ゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系
化合物、トリアゾール系化合物等で代表される含窒素環
式化合物、縮合多環式化合物などの電子供与性材料等が
あげられる。
いは2種以上混合して用いられる。なお、ポリビニルカ
ルバゾール等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場
合には、積層型の場合、電荷輸送層の結着樹脂は必ずし
も必要でない。上記各電荷輸送材料の中でも、とくに正
孔輸送材料としてのジアミン系化合物が、ジフェノキノ
ン誘導体と併用される電荷輸送材料として好適である。
ジフェノキノン誘導体とジアミン系化合物との併用系に
おいては、電子輸送材料と正孔輸送材料の機能を消滅さ
せる電荷移動錯体を作りにくいという利点がある。ジア
ミン系化合物の好適な例としては、これに限定されるも
のではないが、たとえば下記式(A1)〜(A6)で表される化
合物等があげられる。
およびポリエステル(2) の他に、感光層の強度や接着
性、感度等を阻害しない範囲で、種々の樹脂を併用する
ことができる。たとえばスチレン系重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルアルキ
ド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアリレート、
ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可
塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬
化性樹脂、さらにエポキシアクリレート、ウレタン−ア
クリレート等の光硬化性樹脂等があげられる。これらの
結着樹脂は1種または2種以上を混合して用いることが
できる。
増感剤、フルオレン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等の劣化防止剤、可塑剤等の添加剤を含有させること
ができる。また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、たとえばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセ
ナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生材料と併用して
もよい。
る電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で使用する
ことができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷
発生材料5〜1000重量部、特に30〜500重量部
の割合で用いるのが好ましい。電荷輸送層を構成する電
荷輸送材料と前記結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しな
い範囲および結晶化しない範囲で、種々の割合で使用す
ることができるが、光照射により電荷発生層で生じた電
荷が容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に
対して、電荷輸送材料10〜500重量部、特に25〜
200重量部の割合で用いるのが好ましい。
層が0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に
形成されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μ
m、特に5〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
単層型の感光体においては、結着樹脂100重量部に対
して電荷発生材料は0.1〜50重量部、特に0.5〜
30重量部、電荷輸送材料は20〜500重量部、特に
30〜200重量部であるのが適当である。また、単層
型の感光層の厚さは5〜100μm、特に10〜50μ
m程度に形成されるのが好ましい。
光層との間に、また、積層型感光体にあっては、導電性
基体と電荷発生層との間や、導電性基体と電荷輸送層と
の間、または電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体
の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていても
よく、感光体の表面には、保護層が形成されていてもよ
い。
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ、
たとえばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケ
ル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の
金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプ
ラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化
インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
れであってもよく、基体自体が導電性を有するか、ある
いは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導
電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有する
ものが好ましい。上記各層を、塗布の方法により形成す
る場合には、前記例示の電荷発生材料、電荷輸送材料、
結着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方法、たと
えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイント
シェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合し
て塗布液を調整し、これを公知の手段により塗布、乾燥
すればよい。
の有機溶剤が使用可能で、たとえばメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、等の脂
肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩
化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチル
ホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等があげられる。これらの溶剤は1種又は2
種以上を混合して用いることができる。
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
詳細に説明する。実施例1〜17、比較例1〜15 電荷発生材料としてのフタロシアニン顔料を5重量部、
電荷輸送材料としてのジフェノキノン誘導体を20重量
部、同じく電荷輸送材料としてのジアミン系化合物を5
0重量部、ならびに、結着樹脂としてのポリカーポネー
トおよびポリエステル合計100重量部を、溶媒として
の所定量のジクロロメタンとともに、ボールミルにて混
合分散させて、単層型感光層用の塗布液を作成した。そ
してこの塗布液を、導電性基材としてのアルミニウムシ
ート上に、ワイヤーバーにて塗布し、100℃で60分
間、熱風乾燥して、膜厚15〜20μmの単層型感光層
を有する電子写真感光体を製造した。
系化合物、ポリカーボネートおよびポリエステルの具体
的化合物は、表3,4中に、前記した各具体例の化合物
番号を用いて示した。また表3,4中のフタロシアニン
顔料の欄の符合はそれぞれ P1:X型メタルフリーフタロシアニン P2:オキソチタニルフタロシアニン を示している。さらに、比較例13〜15で使用した符
号(E6)〜(E8)のポリエステルは、下記表2中に示す化合
物である。表2中の酸成分、ジオール成分の符号は前記
表1と同じ化合物を示している。
0)を用いて、各実施例、比較例で製造したシート状の
電子写真感光体の表面に+7KVの印加電圧を加えてそ
の表面に正に帯電させ、表面電位V1 (V)を測定し
た。その後、露光光源であるハロゲンランプを用いて、
白色光を感光体の表面に照射(露光時間2秒間)して、
上記表面電位V1 (V)が1/2となるまでの時間を測
定し、感度としての半減露光量E1/2 (Lux*sec)を求め
た。さらに、露光開始から4秒経過した時点での表面電
位を残留電位V2 (V)として測定した。
式複写機(三田工業(株)製の型番DC1565)のア
ルミニウムシリンダー上に、接着テープを用いて貼りつ
けた状態で、正帯電、白色ハロゲン光露光および除電の
サイクルを1000回繰り返した後、前記と同様にして
表面電位V1 1000 および残留電位V21000 を測定し
た。そしてこの測定結果と、先の初期特性値V1 ,V2
とから、下記計算式により、表面電位変化量ΔV1 およ
び残留電位変化量ΔV2 を求め、繰り返し特性を評価し
た。
目試験に準じて、感光層の接着性を評価した。
テルの添加量が5重量%を大幅に上回った比較例1は、
初期の電気特性は、各実施例と同程度であったが、10
00回のサイクルによって表面電位が著しく低下し、残
留電位が大幅に上昇した。またポリエステルを含有しな
い比較例2〜12はいずれも、対応する、同じ電荷発生
材料、電荷輸送材料およびポリカーボネートの組み合わ
せで、(E3)のポリエステルを一定量含有した実施例3〜
9,14〜17に比べて、それぞれ接着性および感度が
著しく低いことがわかった。
環を含まない(E7)(E8)のポリエステルを使用した比較例
13,14はいずれも、ポリエステルとポリカーボネー
トとが相溶せず、均質な感光層を形成できなかったた
め、上記の各試験を行えなかった。一般式(2) 中の
A1 ,A2 がともに芳香族環を含んでいる(E6)のポリエ
ステルを使用した比較例15は接着性が低いものであっ
た。
接着性がよい上感度が高く、また繰り返し特性にもすぐ
れていることがわかった。また上記各実施例、比較例の
うち、同じ電荷発生材料、電荷輸送材料およびポリカー
ボネートの組み合わせで、なおかつ同じ(E3)のポリエス
テルの添加量が違う比較例2、実施例1〜3および比較
例1の、残留電位V2 (V)の推移を図1にプロットし
て比較したところ、ポリエステルの添加量が多いほど、
残留電位V 2 (V)が低く、高感度であることがわかっ
た。
型顔料を選択し、これに電荷輸送材料として前記一般式
(1) で表されるジフェノキノン誘導体と、結着樹脂とし
てポリカーボネートおよびポリエステル(2) を組み合わ
せることにより、従来にない、きわめて優れた電子写真
特性を有する有機感光体を得ることができる。
ルの添加量と、初期の残留電位V2 (V)との関係を示
すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】導電性基体上に、電荷発生材料としてp型
顔料を、電荷輸送材料として一般式(1) : 【化1】 〔式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、同一または異なっ
て、アルキル基またはアリール基を示す。〕で表される
ジフェノキノン誘導体を、結着樹脂としてポリカーボネ
ートおよび一般式(2) : 【化2】 〔式中A1 およびA2 はいずれか一方が、主鎖中に少な
くとも芳香族環を含む2価の基を示し、他方が、主鎖中
に芳香族環を含まない2価の基を示す。〕で表される繰
り返し単位を有するポリエステルを、それぞれ含有し、
かつ上記一般式(2) で表されるポリエステルの、結着樹
脂中に占める割合が1〜5重量%である感光層を設けた
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】一般式(2) で表される繰り返し単位を有す
るポリエステルの酸価が2(KOHmg/g)以下であ
る請求項1記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】一般式(2) で表される繰り返し単位を有す
るポリエステルの原料物質である、下記一般式(2a)で表
される酸成分と、一般式(2b)で表されるジオール成分の
うち、主鎖中に芳香族環を含む成分の割合が40〜80
モル%である請求項1記載の電子写真感光体。 【化3】 - 【請求項4】ポリカーボネートが、一般式(3)(4)および
(5) : 【化4】 〔式中R5 およびR6 は同一または異なって水素原子、
脂肪族基または芳香族基を示し、脂肪族基および芳香族
基は置換基を有していてもよい。またR5 およびR6 は
互いに結合して環を形成してもよい。R7 ,R8 ,
R9 ,R10,R11,R 12,R13およびR14は同一または
異なって水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基または芳香
族基を示し、脂肪族基および芳香族基は置換基を有して
いてもよい。R 15およびR16は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基およびアリール基を示し、アルキル基お
よびアリール基は置換基を有していてもよい。sおよび
tは 【数1】 の数を示す。〕のいずれかで表される繰り返し単位を有
する化合物のうち少なくとも1種である請求項1記載の
電子写真感光体。 - 【請求項5】p型顔料がフタロシアニン顔料である請求
項1記載の電子写真感光体。
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