JPH0792052B2 - 真空排気装置 - Google Patents

真空排気装置

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JPH0792052B2
JPH0792052B2 JP22602386A JP22602386A JPH0792052B2 JP H0792052 B2 JPH0792052 B2 JP H0792052B2 JP 22602386 A JP22602386 A JP 22602386A JP 22602386 A JP22602386 A JP 22602386A JP H0792052 B2 JPH0792052 B2 JP H0792052B2
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vacuum
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、真空排気技術、特に、オイルフリ真空ポンプ
を用いて高真空を作り出す技術に関し、例えば、半導体
装置の製造において、ウエハに対して真空雰囲気にて各
種の処理を施す際に利用して有効なものに関する。
〔従来の技術〕 半導体装置の製造において、ウエハ上にポリシリコンを
デポジションする減圧CVD装置として、ウエハが収容さ
れているプロセスチューブを油回転ポンプを用いて高真
空に排気した後、高温下で多量のモノシラン(SiH4)ガ
スを供給するように構成されているものがある。
しかし、このような減圧CVD装置においては、液体窒素
によるコールドトラップを設備することができないた
め、プロセスチューブへの油回転ポンプからのオイル蒸
気のバックディフュージョン現象が起こり、パターンの
微細化に伴って層間耐圧の低下によるディスターブ不良
が発生するという問題点があることが、本発明者によっ
て明らかにされた。
一方、高真空ポンプとして、油を使用しないオイルフリ
真空ポンプが複数種類知られている(例えば、特願昭60
−88624号明細書、特願昭59−189599号明細書、特開昭6
0−21689号公報参照。) そこで、これらのオイルフリ真空ポンプを使用すること
により、オイル蒸気のバックディフュージョン現象の発
生を未然に回避することが、考えられる。
なお、減圧CVD技術を述べてある例としては、株式会社
工業調査会発行「電子材料1985年11月号別冊」昭和60年
11月20日発行 P56〜P64、がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、中間流領域ないしは分子流領域で高真空排気作
用を行うオイルフリ真空ポンプにおいては、水素やヘリ
ウム等のような分子量の小さい分子からなるガスについ
ては充分な排気が困難であるという問題点があること
が、本発明者によって明らかにされた。
本発明の目的は、分子量の小さい分子からなるガスをも
排気することができる真空排気技術を提供することにあ
る。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本
明細書の記述および添付図面から明らかになるであろ
う。
〔問題点を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要
を説明すれば、次の通りである。
すなわち、オイルフリ真空ポンプを設けるとともに、こ
のオイルフリ真空ポンプの吸込側に分子量の大きい分子
からなるガスの供給源を接続したものである。
〔作用〕
前記した手段によれば、オイルフリ真空ポンプによる小
さいガスについての排気が不充分になった時に、分子量
の大きい分子からなるガスをオイルフリ真空ポンプの吸
気側に供給することができる。そして、吸気側に分子量
の大きい分子からなるガスが供給されると、オイルフリ
真空ポンプは排気速度等の排気能力を増強するため、分
子量の小さいガスをも充分に排気することができる状態
になる。したがって、各種処理のそれぞれについて要求
される真空状態を実現することができる真空排気装置を
得ることができ、清浄な真空状態が必要な処理室の開発
を迅速かつ正確に達成せしめることができる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例である真空排気装置が使用さ
れている減圧CVD装置を示す模式図、第2図はそれに使
用されているオイルフリ真空ポンプの全体構造を示す縦
断面図、第3図(a)は第2図の遠心圧縮ポンプ段の詳
細を示す縦断面図、同図(b)および(c)は第3図
(a)のIIIb矢視図およびIIIc矢視図、第4図(a)は
第2図の円周流圧縮ポンプ段の詳細を示す縦断面図、同
図(b)および(c)は第4図(a)のIVb矢視図およ
びIVc矢視図、第5図および第6図はその作用を説明す
るための各線図である。
本実施例において、減圧CVD装置は石英ガラスを用いて
略円筒形状に形成されているプロセスチューブ1を備え
ており、このプロセスチューブ1の内部室は処理室2を
実質的に形成している。プロセスチューブ1の外部には
ヒータ3が設備されており、ヒータ3はコントローラに
制御されて処理室2を加熱し得るように構成されてい
る。
プロセスチューブ1の一端には炉口4が開設されてお
り、炉口4にはキャップ5がこれを開閉し得るように取
り付けられている。キャップ5にはガス供給口6が開設
されており、この供給口6にはガス供給装置7が接続さ
れている。ガス供給装置7は処理ガス源8と、不活性ガ
スとしての窒素ガス源9と、その他のガス源10と、各ガ
ス供給量をそれぞれ調節するための各エアバルブ8a、9
a、10aと、各供給系を開閉するための各バルブ8b、9b、
10bを備えている。
プロセスチューブ1の他端には排気口12が開設されてお
り、排気口12には本発明にかかる真空排気装置13が接続
されている。真空排気装置13は後記するオイルフリ真空
ポンプ14と、このポンプ14を回転駆動する手段としての
モータ14Aと、このモータ14Aの回転数を制御するための
インバータ14Bと、オイルフリ真空ポンプ14の吸気側に
接続されているターボ分子ポンプ15と、オイルフリ真空
ポンプ14の吸気側に分子量の大きい分子からなるガスと
してのアルゴンガスを供給するためのアルゴンガス供給
源16と、この供給源16の供給を制御するためのバルブ16
aと、ポンプ14へ異物が侵入するのを防止するためのト
ラップ17と、真空排気系全体を開閉するエアバルブ18と
を備えており、この排気装置13には処理室2の内圧を測
定する手段としての真空計19が接続されている。
この減圧CVD装置はコンピュータ等からなるコントロー
ラ20を備えており、コントローラ20は予め設定されたシ
ーケンスおよび真空計19等からの測定データに基づきイ
ンバータ14B、アルゴンガス供給源のバルブ16aおよびヒ
ータ3等を制御することにより、後述する作用を実現す
るように構成されている。
前記オイルフリ真空ポンプ14は第2図〜第4図に示され
ているように構成されている。すなわち、この真空ポン
プは、吸気口21Aおよび排気口21Bを有するハウジング21
と、このハウジング21内に軸受25を介して回転自在に支
持された回転軸22と、吸気口21A側から排気口21B側に至
る間のハウジング21内に順次配設された遠心圧縮ポンプ
段23および円周流圧縮ポンプ段24とを備えている。回転
軸22はこれに連結したモータ15により駆動されるように
なっており、モータ15はインバータ16によりその回転数
を制御されるように構成されている。
前記遠心圧縮ポンプ段23は、第3図(a)(b)に示さ
れているように、表面に回転方向に対して内向きの羽根
26が複数突設されているとともに、回転軸22に取付けら
れているオープン羽根車23Aと、第3図(a)(c)に
示されているように、ハウジング21の内壁に取付られて
いるとともに、前記羽根車23Aの裏面(羽根26が設けら
れていない面)と対向する面に回転方向に対して内向き
の羽根27を複数個突設されている固定円板23Bとを交互
に並列に配置されて構成されている。
前記円周流圧縮ポンプ段24は、第4図(a)および
(b)に示されているように、回転軸22に取付けられて
いるとともに、外周面に複数個の羽根28を放射状に形成
されている羽根車24Aと、第3図(a)および(c)に
示されているように、ハウジング21の内壁に取付けら
れ、かつ前記羽根車24Aの表面(羽根28が設けられてい
る面)と対向する面にU字状の溝29を有する固定円板24
Bとを交互に並列に配置して構成されているとともに、
第4図(a)および(c)に示されているように前記溝
29の終端部に孔29aを穿設されて通風路30を形成されて
いる。
ここで、前記構成にかかるオイルフリ真空ポンプの作用
について説明する。
ポンプ運転初期の過度状態においては、ポンプ内部は全
体が大気圧に近い高い圧力下にあり、気体の流れは粘性
流となるため、遠心圧縮ポンプ段23は遠心圧縮機として
作用する。すなわち、遠心圧縮ポンプ段羽根車23Aは圧
縮機羽根車として働き、羽根車23Aと固定円板23Bの間の
羽根27にはさまれて形成される流路は、流れを外径から
内径側に案内するリターンチャンネルとして働く。ま
た、羽根車23Aが圧縮作用をするので、遠心圧縮ポンプ
段23としては、圧縮損失部としてよりは圧縮機として大
流量を流す作用を実行することになる。
円周流圧縮ポンプ段24の圧縮比が大きくなって、円周流
圧縮ポンプ段の入口の圧力が充分に低くなった定常状
態、すなわち、この圧力が数Torr以下になった定常状態
においては、遠心圧縮ポンプ段23の入口、すなわち、真
空ポンプの吸気口21Aの付近の気体の流れは、中間流な
いしは分子流となり、遠心圧縮ポンプ段23はジーグバー
ン分子ポンプとして作用する。すなわち、羽根26を有す
る羽根車23Aは、螺旋溝を加工した回転円板として作用
し、固定円板23Bの裏面(羽根27が設けられていない
面)との組み合わせで、内径側から外径側に向けて圧縮
作用をするジーグバーン分子ポンプとして働く。また、
複数個の羽根27が設けられた固定円板23Bは、螺旋溝を
加工した固定円板として作用し、羽根車23Aの裏面(羽
根車26が設けられていない面)との組み合わせで、外径
側から内径側に向けて圧縮作用をするジーグバーン分子
ポンプとして働く。
同じく定常状態においては、円周流圧縮ポンプ段24に流
入する気体は遠心圧縮ポンプ段23において充分に圧縮さ
れているため、体積流量は殆ど零に近い。すなわち、円
周流圧縮ポンプ段24は、締切状態に近い状態で運転され
ることになるが、円周流圧縮ポンプ段は締切状態で高い
圧縮比が得られるという特性があるため、少ない段数で
充分低い到達圧力に達する。
遠心圧縮ポンプ段23、並びに円周流圧縮ポンプ段24の段
数およびポンプ回転数は、定常運転状態において、両段
の境の圧力が粘性流と中間流との切替わり点、すなわ
ち、数Torrになるように設定される。通常、遠心圧縮ポ
ンプ段を1〜3段、円周流圧縮ポンプ段を6〜10段組み
合わせることにより、ポンプの吸気口21Aの圧力は、後
記するCVD処理を実現可能な10-3〜10-4Torrに達する。
前述により明らかなように、この真空ポンプによれば、
吸気口側に設けられた遠心圧縮段ポンプ段が、過度状態
においては遠心圧縮機として、定常状態においてはジー
グバーン分子ポンプとして働くという二重の作用をする
ので、排気口圧力を大気圧付近に保て、ポンプ運転初期
の過度状態において大きな排気速度が得られる。
本実施例において、前記構成にかかるオイルフリ真空ポ
ンプ14はターボ分子ポンプ15の補助ポンプとしてターボ
分子ポンプの吐出側に流体連結されており、ターボ分子
ポンプ15の分子流領域における排気作用を有効に引き出
させる役割を果たすようになっている。ターボ分子ポン
プ15には開閉バルブ付きのバイパス回路15Aが並列に接
続されている。本実施例におけるターボ分子ポンプ15は
一般的なものであるため、その詳細な説明は省略する。
次に、第5図を参考にして、前記構成にかかる減圧CVD
装置を使用した場合の処理方法の一実施例を説明する。
ここで、第5図は前記構成にかかる減圧CVD装置による
処理方法の一実施例であるポリシリコン成膜プロセスを
示すシーケンスフロー図であり、(a)は窒素ガスの供
給、(b)はモノシランの供給、(c)は前記オイルフ
リ真空ポンプの回転数、(d)は処理室の圧力推移、
(e)はアルゴンガスの供給をそれぞれ示す線図であ
る。
ポリシリコンを成膜すべき被処理物としてのウエハ31は
複数枚がボート32上に立てて整列保持された状態で、炉
口からプロセスチューブ1の処理室2内に収容される。
ウエハ31が収容されて炉口4がキャップ5により閉塞さ
れると、コントローラ20により、ガス供給装置7のメイ
ンバルブ11が閉止されるとともに、真空排気装置13のバ
ルブ18が全開され、第5図(d)に示されているよう
に、処理室2内が急速に真空排気される。同時に、処理
室2内のウエハ31はヒータ3によって所定温度まで加熱
される。
このとき、第5図(d)に示されているように、処理室
2は大気圧になっているが、前述したように、オイルフ
リ真空ポンプ14は真空排気初期の過渡期には遠心圧縮ポ
ンプ段23が粘性流領域において作用するため、メカニカ
ルブースタポンプやロータリーポンプ等のような粘性流
領域で有効な補助ポンプを必要とせずに、処理室2を直
接的に真空排気することができる。このとき、バイパス
回路15Aが開かれるため、オイルフリ真空ポンプ14はタ
ーボ分子ポンプ15を迂回して作用することになる。
そして、コントローラ20に予め設定されている値、すな
わち、粘性流が中間流ないしは分子流領域に切替わりオ
イルフリ真空ポンプ14における遠心圧縮ポンプ段23がジ
ーグバーン分子ポンプとして作用する圧力値(数Torr)
が、真空計19によって測定されると、第5図(c)に示
されているように、コントローラ20はインバータ14Bを
介してモータ14Aの回転数を一定に制御し、真空ポンプ1
4を定常状態に移行せしめこれを維持させる。同時に、
バルブによりバイパス回路15Aが閉じられるとともに、
ターボ分子ポンプ15が分子流領域における排気作用を実
行する。この制御により、第5図(d)に示されている
ように、処理室2の内圧は所定の圧力、約3×10-3Torr
に維持される。
所定のリークチェックが実施された後、コントローラ20
により供給装置7の窒素ガス源9の窒素ガスバルブ9bが
開けられるとともに、バルブ9aが適当量開けられ、第5
図(a)に示されているように、所定量の窒素ガスが処
理室2に供給される。処理室2に供給された窒素ガスは
処理室2内の汚染物質と共に、排気装置13により排気さ
れて行く。したがって、処理室2の内圧は、第5図
(d)に示されているように、予め設定された圧力に上
昇された後、一定に維持されることになる。この設定圧
力は前記オイルフリ真空ポンプ14およびターボ分子15が
ジーグバーン分子ポンプとして作用するために必要な圧
力(数Torr)以下とされる。
コントローラ20に予め設定されている所定時間が経過す
ると、コントローラ20により供給装置7の窒素ガスバル
ブ9bは閉止される。これにより、第5図(d)に示され
ているように、処理室2内の窒素ガスが完全に排気され
ると、処理ガス源8の処理ガスバルブ8bが開けられると
ともに、バルブ8aが適当量開けられ、第5図(b)に示
されているように、ポリシリコン膜デポジション処理用
の処理ガスとしてのモノシランガスが所定量所定時間供
給される。このモノシランガスとヒータ3の加熱とによ
りCVD反応が起こり、ウエハ31上にポリシリコンが成膜
処理されて行く。
このCVD反応による成膜処理中、オイルフリ真空ポンプ1
4は真空排気を持続するが、第5図(c)に示されてい
るように、コントローラ20によりフィードバック制御さ
れるため、第5図(d)に示されているように、処理室
2の真空状態は処理が最適に実行される所定の圧力(例
えば、0.3Torr)に維持される。ここで、モノシランガ
スの供給に対応して第5図(e)に示されているよう
に、アルゴンガスがバルブ16aを開かれることにより、
オイルフリ真空ポンプ14の吸気側に供給される。供給す
る理由は後述する。
所定の成膜処理が終了すると、処理ガス源8のバルブ8b
が閉止されて第5図(c)に示されているように、モノ
シランガスおよびアルゴンガスの供給が停止されるとと
もに、第5図(c)に示されているように、オイルフリ
真空ポンプ14およびターボ分子ポンプ15は元の排気能力
まで増強される。これにより、第5図(d)に示されて
いるようにアフタ真空排気が実施される。
所定のアフタ真空排気時間が経過すると、コントローラ
20により窒素ガス源9のバルブ9a、9bが開けられ、第5
図(a)に示されているように、窒素ガスが所定量供給
される。同図に、コントローラ20により真空排気装置13
におけるバルブ18が閉じられるとともに、第5図(c)
に示されているように、オイルフリ真空ポンプ14の回転
数は次第に減速されて行き、その途中においてそれまで
の中間流ないしは分子流領域の真空排気作用から粘性流
領域の真空排気作用に切り替わり、また、ターボ分子ポ
ンプ15はバイパス回路15Aに切り換えられる。続いて、
初期回転速度に維持されて、次回の処理に待機させられ
る。
その後、キャップ5が取り外されてウエハ31が炉口4か
ら引き出され、所定のCVD処理が終了する。
ところで、ポリシリコンのデポジションに使用されるモ
ノシランガスの沸点温度は液体窒素の温度よりも高いた
め、減圧CVD装置の真空排気装置には液体窒素が使用さ
れているコールドトラップを適用することができない。
けだし、コールドトラップにおいてモノシランがトラッ
プされることにより、排気系が急速に詰まってしまうた
めである。
このように、真空排気装置にコールドトラップが介設さ
れていないと、第5図(d)に示されているように、処
理室がCVD反応による成膜処理の前後において真空に排
気された時、真空ポンプとして油回転ポンプが使用され
ている場合、オイル蒸気が処理室にバックディフュージ
ョンしてしまう。その結果、処理室内がオイル蒸気によ
り汚染され、種々の二次的障害が発生する。二次的障害
としては、オイル蒸気のウエハへの付着による製品の特
性不良の発生や、処理ガスがオイル蒸気と接触すること
により、腐食性の液体になりプロセスチューブを腐食さ
せたり、ポンプのオイルを劣化させて蒸気圧を低下させ
たりする等の障害がある。
しかし、本実施例においては、前述したように、吸引媒
体が全く使用されないオイルフリ真空ポンプ14およびタ
ーボ分子ポンプ15により処理室2が直接真空排気される
ため、オイル蒸気が処理室2にバックディフュージョン
する現象は当然起こり得ず、その二次的障害も未然に回
避されることになる。
ところで、前記作用中処理室にモノシランガスが供給さ
れると、安全上モノシランガスに添加されたヘリウム、
および反応により発生する水素のガス量が増加するた
め、オイルフリ真空ポンプ14およびターボ分子ポンプ15
を単に運転させるのみでは処理室2の内圧が漸増してし
まうという問題点があることが、本発明者によって明ら
かにされた。これは、ターボ分子ポンプおよびオイルフ
リ真空ポンプがその排気原理上、ヘリウムや水素等のよ
うな分子量(質量)の小さい分子に対する排気速度が低
下し易いためと考えられる。
ところが、第3図(e)に示されているように、モノシ
ランガスの供給中、前記構成にかかるオイルフリ真空ポ
ンプ14の吸気側(吸気側であれば、その場所の如何は、
効果にさほど影響しない。)にアルゴンガスを供給する
と、オイルフリ真空ポンプ14およびターボ分子ポンプ15
によって処理室2の圧力を前記所定の圧力(0.3Torr)
に維持し得ることが、本発明者によって明らかにされ
た。これは、分子量の小さいヘリウムや水素のガスは分
子ポンプで圧縮比が小さく排気速度が低下し易いが、オ
イルフリ真空ポンプ14の吸気側に分子量の大きいアルゴ
ンガスを混合させることによって高い圧縮比になること
により、分子量の小さいヘリウムや水素のガスについて
の排気速度が高まるためと考えられる。
なお、アルゴンガスの供給流量は反応ガスの流量および
処理室内の圧力に依存するため、供給すべき最適流量は
個々の条件に対応して設定することが望ましい。
第6図は前記構成にかかるオイルフリ真空ポンプ14の性
能を示す線図であり、縦軸に排気速度l/分)、横軸に吸
気圧力(Torr)がそれぞれとられている。図中、直線A
は反応ガス(モノシランガス48%+ヘリウムガス52%)
の供給量(平均毎分300cc)、曲線Bはオイルフリ真空
ポンプ単体によるヘリウムに対する排気特性、曲線Cは
前記真空排気装置13における反応ガスに対する実効排気
特性、曲線Dはアルゴンガスをオイルフリ真空ポンプの
吸気側に供給した時の排気特性、曲線Eは窒素ガスをオ
イルフリ真空ポンプの吸気側に供給した時の排気特性を
それぞれ示している。
本図によれば、曲線Dに示されるようにアルゴンガスを
供給した時に排気速度が急激に高くなり、曲線Cに示さ
れる実効排気特性を上回るため、ヘリウムや水素ガスを
排気することにより、処理室を所定の圧力に維持させる
ことができるのが理解される。
前記実施例によれば次の効果が得られる。
(1) オイルフリ真空ポンプによる分子量の小さいガ
スについての排気が不充分になった時に分子量の大きい
ガスをオイルフリ真空ポンプの吸気側に供給することに
より、オイルフリ真空ポンプをして小さい分子量のガス
についても充分な排気性能を発揮させることができるた
め、分子量が小さいガスが発生または使用される処理で
あっても、オイルフリ真空ポンプによって所望の真空状
態を作り出すことができる。
(2) 各種処理のそれぞれについて要求される真空状
態を実現し得るオイルフリ真空ポンプを提供することが
できるため、清浄な真空状態が必要な処理室の開発を迅
速かつ正確に達成せしめることができる。
(3) オイルや水銀等のような拡散する吸引媒体が全
く使用されないオイルフリ真空ポンプを用いることによ
り、高真空時における吸引媒体の処理室へのバックディ
フュージョン現象の危険を必然的に回避することができ
るため、当該現象に伴って派生する二次的障害を完全に
防止することができるとともに、処理並びに製品の品質
および信頼性を高めることができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具
体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能
であることはいうまでもない。
例えば、ターボ分子ポンプを使用するに限らず、第7図
に示されているように、前記構成にかかるオイルフリ真
空ポンプ14により処理室2を直接的に排気するように構
成してもよい。
分子量の大きいガスはアルゴンガスに限らず、窒素ガス
等であってもよい。但し、不活性ガスを使用すると、処
理に対する悪影響を回避することができる。
分子量の大きいガスの供給口を設置する場所はオイルフ
リ真空ポンプの吸気口付近に限らず、オイルフリ真空ポ
ンプの吸気側であればよく、処理室付近、処理ガス供給
口、さらには処理ガス中に混合させてもよい。
真空ポンプはモータにより回転駆動するように構成する
に限らないし、インバータにより回転数を制御するよう
に構成するに限らない。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明
をその背景となった利用分野である半導体装置の製造分
野に適用した場合について説明したが、それに限定され
るものではなく、高真空排気される処理室において処理
を行う場合全般に適用することができる。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち代表的なものによっ
て得られる効果を簡単に説明すれば、次の通りである。
オイルフリ真空ポンプの吸気側に分子量の大きいガスの
供給源を接続することにより、オイルフリ真空ポンプに
よる分子量の小さいガスについての排気が不充分になっ
た時に分子量の大きいガスをオイルフリ真空ポンプの吸
気側に供給することができるため、オイルフリ真空ポン
プをして小さい分子量のガスについても充分な排気性能
を発揮させることができ、その結果、分子量の小さいガ
スが発生または使用される処理であっても、要求される
真空状態を作り出すことができるため、清浄な真空状態
が必要な処理室の開発を迅速かつ正確に達成せしめるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である真空排気装置が使用さ
れている減圧CVD装置を示す模式図、 第2図はそれに使用されているオイルフリ真空ポンプの
全体構造を示す縦断面図、 第3図(a)は第2図の遠心圧縮ポンプ段の詳細を示す
縦断面図、 同図(b)および(c)は第3図(a)のIIIb矢視図お
よびIIIc矢視図、 第4図(a)は第2図の円周流圧縮ポンプ段の詳細を示
す縦断面図、 同図(b)および(c)は第4図(a)のIVb矢視図お
よびIVc矢視図、 第5図および第6図は作用を説明するための各線図、 第7図は本発明の他の実施例を示す模式図である。 1……プロセスチューブ、2……処理室、3……ヒー
タ、4……炉口、5……キャップ、6……ガス供給口、
7……ガス供給装置、8……処理ガス源、9……窒素ガ
ス(不活性ガス)源、12……排気口、13……真空排気装
置、14……オイルフリ真空ポンプ、14A……モータ、14B
……インバータ、15……ターボ分子ポンプ、16……アル
ゴンガス(分子量の大きい分子からなるガス)供給源、
16a……バルブ、17……トラップ、18……エアバルブ、1
9……真空計、20……コントローラ、21……ハウジン
グ、21A……吸気口、21B……排気口、22……回転軸、23
……遠心圧縮ポンプ段、23A……オープン形羽根車、23B
……固定円板、24……円周流圧縮ポンプ段、24A……羽
根車、24B……固定円板、26、27、28……羽根、31……
ウエハ(被処理物)、32……ボート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富山 滋夫 東京都青梅市藤橋3丁目3番地2 日立東 京エレクトロニクス株式会社内 (72)発明者 青木 広次 東京都青梅市藤橋3丁目3番地2 日立東 京エレクトロニクス株式会社内 (72)発明者 刑部 一郎 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オイルフリ真空ポンプを備えているととも
    に、このオイルフリ真空ポンプの吸気側に分子量の大き
    い分子からなるガスの供給源が接続されていることを特
    徴とする真空排気装置。
  2. 【請求項2】オイルフリ真空ポンプが、粘性流領域の真
    空排気作用と中間流領域ないしは分子流領域の高真空排
    気作用との切換、および各領域における排気速度の増減
    を回転数の増減によって制御されるように構成されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の真空排
    気装置。
  3. 【請求項3】オイルフリ真空ポンプが、吸気口側に遠心
    圧縮ポンプ段を、排気口側に円周圧縮ポンプ段をそれぞ
    れ備えており、前記遠心圧縮ポンプ段の回転体が複数個
    の後退羽根を有するオープン形羽根車から構成されてお
    り、固定体が外径部における羽根の向きが回転方向に対
    して内向きである羽根を前記羽根車の裏面に対向するよ
    うに複数個取付けられている固定円板から構成されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の真空排
    気装置。
  4. 【請求項4】分子量の大きい分子からなるガスとして、
    不活性ガスが使用されることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の真空排気装置。
JP22602386A 1986-02-19 1986-09-26 真空排気装置 Expired - Lifetime JPH0792052B2 (ja)

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