JP2559436B2 - ガスパージつき真空ポンプ - Google Patents

ガスパージつき真空ポンプ

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JP2559436B2 JP62324005A JP32400587A JP2559436B2 JP 2559436 B2 JP2559436 B2 JP 2559436B2 JP 62324005 A JP62324005 A JP 62324005A JP 32400587 A JP32400587 A JP 32400587A JP 2559436 B2 JP2559436 B2 JP 2559436B2
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実 谷山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は排気口を大気圧とする真空ポンプに係り、特
に半導体製造装置等において、軽いガスや析出物生成ガ
スの排気に好適なガスパージつき真空ポンプに関する。
〔従来の技術〕
真空ポンプの従来の装置は特開昭62−113887号に記載
されているように、その構造を第7図に示す。回転軸1
は吸気口2Aと排気口2Bを有するハウジング2を貫通し、
軸受7を介して回転自在に支持されており、前記回転軸
1に組み込まれたモータ10により駆動される。16,17は
前記吸気口2A側から排気口2B側に至る間のハウジング2
内に順次連設された遠心圧縮ポンプ段、および円周流圧
縮ポンプ段である。円周流ポンプ段17の初段の固定円板
17Bをハウジング2をつなぐパイプ18を設け、ハウジン
グ2の外部から任意のガスを導くことができるようにな
つている。よつてターボ形真空ポンプでは排気しにくい
水素,ヘリウム等の軽いガスを排気する場合には、パイ
プ18から窒素,アルゴン等の分子量の大きいガスを導入
し、ポンプ内のガスの平均分子量を大きくしてポンプ性
能の低下を軽減することができる。また半導体製造装置
で、高圧・定温時に析出物を生じるガスを排気する場合
には、パイプ18から希釈ガスを導入してポンプ内への析
出物付着を防止することができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術では、パイプ18からガスを導入した場合
のポンプ内ガス流量の増加を考慮した設計をしていな
い。すなわちガスを導入した点の上流側と下流側では下
流側の方がガス流量が大きくなるが、第7図の従来技術
ではポンプの吸入口2Aから排気口2Bまでの間のポンプ段
は、基本的には圧縮作用によつて排気速度(ガスの体積
流量)が上流側から下流側に向つて小さくなる。すなわ
ち、質量流量一定の構成となつている。したがつて排気
される軽いガスの流量が多くなり、これに伴つてパイプ
18から導入される重いガスの流量を増していつた場合、
導入点の下流側のポンプ段の排気速度が過大となつてポ
ンプが閉塞してしまうという問題があつた。また半導体
製造装置で、反応生成物付着防止のために、パイプ18か
ら導入する希釈ガス量もポンプ閉塞を避けるためにあま
り増やせないという問題があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、円周流圧縮ポンプ中間段に外部からのガ
ス導入口を設け、ガス導入口より下流側のポンプ段の排
気容量を、上流側ポンプ段より大きくし、本来のポンプ
容量にかかわりなく導入ガス量を調節できるようにした
ことによつて達成される。
〔作用〕
後述するように遠心圧縮ポンプの圧縮比は遠心圧縮ポ
ンプの背圧(出口圧力)の大きさに大きく左右され、こ
の背圧が少しでも高くなると要求される圧縮比を得るこ
とができない。上記従来技術では、遠心圧縮ポンプ段の
出口であって円周流圧縮ポンプ段の入り口にパージガス
を導入しているので、遠心圧縮ポンプ段の背圧が高くな
り所望の圧縮比を得ることができない。本発明では、円
周流圧縮ポンプ段の中間にパージガスを導入するように
構成したので、期待する圧縮比を得ることができる。さ
らに、ガス導入口より上流側のポンプ段は排気ガスの最
大流量を、ガス導入口より下流側のポンプ段は排気ガス
と導入ガス各々の最大流量の合計をポンプ各段の流量上
限として設計されているので、本来の真空ポンプの排気
速度は導入ガス量に左右されず、そのポンプの排気能力
を常に十分に発揮することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図により説明する。この
真空ポンプは、吸気口11Aおよび排気口11Bを有するハウ
ジング11と、このハウジング11内に軸受21を介して回転
自在に支持された回転軸12と、吸気口11A側から排気口1
1B側に至る間のハウジング11内に順次配設された遠心圧
縮ポンプ段13および円周流圧縮ポンプ段14とを備えてい
る。回転軸12はこれに連結したモータ15により駆動され
るようになつている。前記遠心圧縮ポンプ段13は、後退
翼付のオープン形羽根車13Aと、ハウジング11内壁に取
付けられ、かつ前記羽根車13Aの裏面と対向する面に回
転方向に対して内向きの羽根を複数個設けた固定円板13
Bとを交互に直列に配置して構成されている。前流円周
流圧縮ポンプ段14は、回転軸12に取付けられ、かつ外周
面に複数個の羽根を設けた羽根車14Aと、ハウジング11
内壁に取付けられ、かつ前記羽根車14Aを包む固定円板1
4Bから成つている。円周流圧縮ポンプ段14の中間の段間
にガス導入口22が設けられている。
次に本実施例の作用について説明する。定常の運転状
態では、排気口11Bを大気圧として円周流圧縮ポンプ段1
4の吸入圧は数Torr、遠心圧縮ポンプ段13の吸入圧は10
-4乃至10-1Torrである。すなわち吸入口11Aから吸入さ
れたガスは、分子流,中間流の圧力域は遠心圧縮ポンプ
段13の分子ドラツグポンプ作用によつて昇圧され、圧力
数Torrになつて流れが粘性流となつた後、この圧力域で
大きな圧縮比を発生する円周流圧縮ポンプ段14で、大気
圧まで昇圧して排気口11Bから排気される。遠心圧縮ポ
ンプ段13の特性は第2図に示すように分子流,中間流で
圧縮比が大きくなるので、円周流圧縮ポンプ段14で十分
圧縮比を稼いで遠心圧縮ポンプ段13の背圧を数Torr以下
に保つ必要がある。ところが円周流圧縮ポンプ段14の入
口と出口の差圧は排気するガスの密度に比例する。いい
かえれば一定の吸入圧の下ではガスの分子量に比例す
る。よつて水素,ヘリウム等の分子量が小さい軽いガス
を排気する場合は、ガス導入口22から分子量の大きい重
いガス、例えばアルゴンガスを導入してポンプ内の平均
分子量を大きくし、円周流圧縮ポンプ段14の性能低下を
防止する。分子量4のヘリウムガスを排気する場合に分
子量40のアルゴンガスを導入して、分子量28の窒素ガス
と同等とするためには、アルゴンガスの体積流量をヘリ
ウムガスの体積流量の2倍としなければならない。
ガス導入口22の下流側の円周流圧縮ポンプ段14のポン
プ要素特性は、第3図の実線ような特性となつているの
で問題ないが、もしも排気ガス流量だけを考慮した第3
図の破線の特性であつた場合には、ガス導入によつてポ
ンプは閉塞し、流れに対して抵抗となつてしまう。
第4図,第5図は参考例で、第4図は正面図、第5図
は平面図である。本参考例は多段ルーツ形式で真空から
大気圧まで排気する真空ポンプである。この真空ポンプ
は、吸気口11Aおよび排気口11Bを有するハウジング11
と、このハウジング内に軸受21を介して回転自在に支持
され、タイミングギヤ25で同期をとつた回転軸12A,12B
と、吸気口11Aから排気口11B至る間のハウジング11内に
多段に配設されたルーツポンプ段23とを備えている。回
転軸12Aはこれに連結したモータ15により駆動される。
回転軸12Aにはルーツロータ23Aが、回転軸12Bにはルー
ツロータ23Bが設けられており、タイミングギヤ25で両
ロータのかみ合いの位相を合わせている。段接続管26に
ガス導入口22が設けられており、これより下流側のルー
ツポンプ段は排気ガスと導入ガスの合計の排気に適する
ように設計されている。
次に本参考例の作用について説明する。ケーシング11
の吸気口11Aから吸入されたガスは多段のルーツポンプ
段23で圧縮されて排気口11Bから排出される。本参考例
のポンプによつて第6図に示すような析出性ガスを排気
する場合は、圧力の高いポンプ排気口11B付近で固体が
析出し、排気口11Bの閉塞事故を生ずる恐れがある。こ
の析出を防止するためにはガスの温度を上げるか、ガス
の圧力を下げるかして、吐出口11B付近のガス状態を第
6図の昇華・析出曲線の左側にもつていく必要がある。
本参考例ではガス導入口22から窒素ガス等の不活性ガス
を導入し、排気口11Bにおける析出性ガスの分圧を低く
し、かつポンプの仕事量を増してガス温度を上昇させ、
固体の析出付着を防止することができる。この場合でも
導入ガス量を考慮したポンプの設計をしているので、ガ
ス導入によるポンプ性能の低下は小さい。また第1図の
ターボ形真空ポンプの実施例についても析出性ガス排気
の場合の流路閉塞防止対策は第4図の例と同様である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ポンプ中間段への導入ガス量を考慮
して、ガス導入口より下流のポンプ段の容量を決めてい
るので、導入ガス量に制限がなく、軽ガスの大排気量対
策や析出性ガス希釈対策として、最適な量のガスを導入
することができる。すなわち真空ポンプの適用範囲を拡
大することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、第2図と第3
図はその構成ポンプ段のポンプ特性図である。第4図は
参考例の縦断面図、第5図はその横断面図を示す。第6
図は析出性ガスの昇華曲線例(塩化アルミニウム)、第
7図は従来の真空ポンプの構造図である。 11……ケーシング、11A……吸気口、11B……排気口、12
……回転軸、13……遠心圧縮ポンプ段、14……円周流圧
縮ポンプ段、15……モータ、21……軸受、22……ガス導
入口、23……ルーツポンプ段、25……タイミングギヤ、
26……段接続管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷山 実 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社 日立製作所土浦工場内 (72)発明者 西内 章 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社 日立製作所土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭62−113887(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気口及び排気口を有するハウジングと、
    このハウジング内に回転自在に支持された回転軸と、前
    記吸気口から排気口に至る間の前記ハウジング内に順次
    配設され、それぞれ多段のポンプより構成された遠心圧
    縮ポンプ段及び円周流圧縮ポンプ段と、これらポンプ段
    の途中に設けられたガスパージ機構とを備えたガスパー
    ジつき真空ポンプにおいて、前記ガスパージ機構を前記
    円周流圧縮ポンプ段の中間段に配し、このガスパージ位
    置の上流側のポンプ段の最大排気速度よりも下流側のポ
    ンプ段の最大排気速度を大きくしたガスパージつき真空
    ポンプ。
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