JPH0791380B2 - 付加型イミド樹脂プレポリマー組成物の製造方法 - Google Patents

付加型イミド樹脂プレポリマー組成物の製造方法

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JPH0791380B2
JPH0791380B2 JP63066157A JP6615788A JPH0791380B2 JP H0791380 B2 JPH0791380 B2 JP H0791380B2 JP 63066157 A JP63066157 A JP 63066157A JP 6615788 A JP6615788 A JP 6615788A JP H0791380 B2 JPH0791380 B2 JP H0791380B2
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、プリント配線板の製造などに使用される付
加型イミド樹脂プレポリマー組成物の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、多層プリント配線板製造用の樹脂として、不飽和
ビスイミドとジアミンとを反応させてなる付加型イミド
樹脂プレポリマーが多く使用されるようになってきた。
発明者らは、このような付加型イミド樹脂プレポリマー
として、不飽和ビスイミドとジアミンとを反応させてな
り、残存する未反応原料を20〜50%、分子量15000を越
える成分を5.0%以下の範囲でそれぞれ含む組成物を提
案している。この付加型イミド樹脂プレポリマー組成物
(以下単に「付加型イミド樹脂プレポリマー」と言
う。)は、下記〜のような優れた特性を有する。
最近ますます要求されるようになってきた高密度実
装に対応できる細線化、微細加工が可能であること。
ドリル加工を施した際にスミアが発生しないこと。
高温時の導体密着性および硬度が高く実装性が向上
すること。
高温(たとえば、200℃以上)での連続使用に耐え
ること。
分子量15000を越える成分を5%以下に抑えて反応
が進み過ぎないようにしているので、上記〜の特性
に加えて、プリプレグを作った場合に、硬化までの時間
を充分に取ることができ、成形加工を容易とさせると言
う特性をも有すること、など。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、その後、この付加型イミド樹脂プレポリマー
は、未反応のジアミンが多く残存していて、Bステージ
段階でも未反応のジアミンが多く残存するという問題点
のあることがわかった。ジアミンが多く残存すると、そ
のようなプレポリマーやそのBステージ品を扱う作業者
はジアミンにさらされることになる。ほとんどのジアミ
ンは人体に対し何らかの作用を有するため、プレポリマ
ー段階、プリプレグ段階で未反応のままで残留するジア
ミンを低減することが求められるようになってきた。
他方、残存するジアミンは、積層板を製造する際にガス
ブクレの原因ともなるため、この点からも残存ジアミン
量の低減が要求されている。
付加型イミド樹脂プレポリマーから残存ジアミンを減ら
すには、このプレポリマーの合成反応の主反応であるマ
イケル付加を促進させればよい。しかし、この反応の進
行とともに、分子量15000を越える成分の生成も促進さ
れる。
発明者らが、不飽和ビスイミドとジアミンとの反応で生
成したプレポリマーからゲル浸透クロマトグラフにより
分子量15000を越える成分を分取し、重水素化溶媒に溶
解して炭素核磁気共鳴分析を行ったところ、ジアミン成
分はほとんど認められず、実質的に不飽和ビスイミドの
単独重合物であることが認められた。この単独重合物
は、可撓性に乏しく、基材との密着性が悪いことが知ら
れている。プレポリマーの上記特性を損なわないように
するためには、分子量15000を越える成分の生成は、で
きるだけ抑える必要がある。
さらに、プリント配線などに用いる基板の実装密度を上
げるための微細加工やその工程の複雑化により、基板の
耐熱性も従来に増して要求されるようになってきた。
そこで、この発明は、上記特定の組成を有する付加型イ
ミド樹脂プレポリマーにおいて、残存するジアミンを低
減させるとともに、分子量15000を越える成分の生成が
抑えられたものを提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明にかかる付加型イ
ミド樹脂プレポリマーの製造方法は、不飽和ビスイミド
とジアミンとを反応させることにより、残存する未反応
原料を20〜50%、分子量15000を越える成分を5.0%以下
の範囲でそれぞれ含む付加型イミド樹脂プレポリマー組
成物を得る方法において、触媒としてシュウ酸を前記不
飽和ビスイミドとジアミンの合計重量に対し0.1〜5.0%
の範囲で用いて前記反応を行わせることにより、前記不
飽和ビスイミドとジアミンとの反応を促進させるととも
に前記分子量15000を越える成分の生成を抑制して、未
反応原料として残存するジアミンがプレポリマー組成物
中のプレポリマー固形分に対して3.0%以下となるよう
にすることを特徴とする。
〔作用〕
不飽和ビスイミドとジアミンとの反応において触媒とし
てシュウ酸を前記不飽和ビスイミドとジアミンの合計重
量に対し0.1〜5.0%の範囲で用いることにより、不飽和
ビスイミドとジアミンとの反応、すなわちマイケル付加
が促進されるとともに、分子量15000を越える成分の生
成が抑制される。これにより、残存ジアミンが低減し、
しかも、密着性の低下が生じない。
〔実施例〕
不飽和ビスイミドとジアミンとを反応させるにあたり、
触媒として用いるシュウ酸の添加量は、不飽和ビスイミ
ドとジアミンの合計重量に対し0.1%以上5.0%以下とす
る必要がある。シュウ酸の添加量がこれらの下限を下回
ると、マイケル付加が促進されないことがあり、上限を
上回ると、反応を適当なプレポリマー段階で止めにくく
なることがある。
なお、生成したプレポリマーは、残留する未反応ジアミ
ン成分がプレポリマー固形分に対して3.0%以下である
ことが好ましい。これは、未反応ジアミン成分が3.0%
よりも多いと、取り扱いの上で作業環境の問題が発生
し、また、成形・キュアーの際にガスブクレが生じるか
らである。
未反応ジアミンの対固形分%の算出は次のように行っ
た。すなわち、プレポリマーのアセトニトリル可溶分を
液体クロマトグラフで分析し、予め求めておいた検量線
によりピーク面積から未反応ジアミンを定量して対固形
分%に換算した。カラムは、逆相分配型ODS80T(東ソー
製)を用い、アセトニトリル/水系溶媒を溶離液として
測定した。ただし、この測定条件は一例であり、定量す
べきジアミンの種類によって変化するものである。前記
定量に先立って、プレポリマーのアセトニトリル抽出残
分についてGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定を
行ったところ、このものの中には、未反応原料ピークは
認められず、未反応原料はすべてアセトニトリルに抽出
されていた。すなわち、プレポリマー組成物中のプレポ
リマー固形分とは、プレポリマー組成物のアセトニトリ
ル抽出残分であり、未反応原料として残存するジアミン
とは、プレポリマー組成物中のアセトニトリル可溶分中
のジアミンである。
この発明は、残存するジアミンを少なくするために、2
次的方法と組み合わせて実施してもよい。この2次的方
法としては、たとえば、ジアミンと反応性の高い物質を
添加したり、プレポリマーワニスの低温熟成を行ったり
することである。ジアミンと反応性の高い物質として
は、たとえば、エポキシ化合物、酸無水物などが挙げら
れる。
この発明の方法で得られる付加型イミド樹脂プレポリマ
ーは、その組成が次のようになっている必要がある。す
なわち、残存する未反応原料が20〜50%、分子量15000
を越える成分が5.0%以下の範囲でそれぞれ含まれてい
ることである。
残存する未反応原料の合計が50%よりも多いと、反応が
不充分であるため、このようなプレポリマーを溶媒に溶
解させてワニスを調製した場合、ワニスの粘度が低す
ぎ、これを基材に含浸させたときうまく含浸できず、プ
リプレグに必要なレジンコンテントが得られないことが
ある。また、原料の溶媒に対する溶解度が低いため、高
濃度にして補うことも困難である。未反応原料の合計が
20%よりも少ないと、反応が進みすぎであるため、この
ようなプレポリマーを用いてプリプレグを作った場合、
硬化までの時間が短く、成形加工が困難になる。
さらに、未反応原料の合計が20〜50%の範囲内にあって
も、分子量15000を越える成分が5%よりも多く含まれ
ていると、プレプレグにした状態では硬化までの時間が
短いため、積層板を作った場合には密着性に支障をきた
す。
ここで、分子量分布は、DMF(またはd−DMF)溶媒を使
用し、分離カラムとして昭和電工製AD−803/S(8.0×25
0mm、理論段数6000段)を2本装着したゲル浸透クロマ
トグラフ(東洋ソーダ製HLC−803D)により測定した。
分子量の計算は、5種類の単分散ポリエチレングリコー
ルおよびエチレングリコールモノマーのリテンションタ
イムと分子量の常用対数から、3次式の回帰曲線を求
め、これを試料に適用し、試料のリテンションタイムか
ら逆に分子量を求めるという方法で行った。また、各成
分の割合〔%〕は、示差屈折計(128×10-8RI単位)を
用い、試料濃度を0.5±0.2%、試料注入量を100μlと
して測定し、屈折計出力0〜1V、記録計への出力0〜10
mV、チャート速度5mm/分として得られたクロマトグラム
を必要な分子量区分に分け、切り抜き重量法により、そ
れぞれの比率を求めるという方法によって出した。
各成分が上記のような割合となった付加型イミド樹脂プ
レポリマーは、基材との密着性が高く耐熱性も高い。
この発明の方法で付加型イミド樹脂プレポリマーを得る
ための、不飽和ビスイミドとジアミンとの反応の様式
は、特に限定はなく、たとえば、熱溶融反応、溶液反応
など適宜選択して行えばよい。
溶液反応の場合には、たとえば、極性溶媒中で行うこと
ができる。前記極性溶媒としては、たとえば、ジメチル
アセトアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、メチルセロソ
ルブ類、クレゾール類、アセトニトリル、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルアセ
トアミドなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、あ
るいは、2つ以上組み合わせて使用される。
反応温度は、原料の融点、溶解性などで左右されるが、
なるべく150℃以下の比較的低温で行うのがよい。
このような反応は、通常、2分間から10時間までの範囲
で行われるが、具体的な時間は、原料の種類、反応の様
式、溶液反応の場合には、さらに、極性溶媒の種類、濃
度、反応温度により適宜選択され、上記の範囲を外れる
こともある。
不飽和ビスイミドとジアミンとを反応させる際の仕込み
モル比は、特に限定されないが、 の範囲とするのが好ましく、 の範囲とするのがより好ましい。これらの範囲よりもジ
アミンが過剰になると、硬化までの時間が短くなり、取
り扱いにくくなる。他方、これらの範囲よりも不飽和ビ
スイミドが過剰になると、未反応原料、特に不飽和ビス
イミド成分が残りやすくなり、得られたプレポリマーを
溶液にして保管しているときに沈澱が析出しやすくな
る。
なお、上記仕込みモル比は最終的なものであって、不飽
和ビスイミドおよびジアミンの両者または片方のみを2
回以上に分けて使用し、反応の途中段階で加えたり、場
合によっては反応終了後に加えたりするようであっても
よい。
ここで、不飽和ビスイミドは下記の式(I)、ジアミン
は下記の式(II)でそれぞれあらわされる。
上記R2とR3とは、同一の基であってもよく、あるいは、
異なる基であってもよい。また、R2およびR3は、それぞ
れ、13個よりも少ない炭素原子を持っている直鎖のもし
くは分枝したアルキレン基、環の中に5個もしくは6個
の炭素原子を持っている環状アルキレン基、O,Nおよび
S原子の少なくとも1個を含む異種環状基、または、フ
ェニレンもしくは多環状芳香族基であることもできる。
これらの種々の基は、反応条件のもとで不必要な副反応
を与えない置換基を持っていてもよい。R2およびR3は、
また、それぞれ、たくさんのフェニレン基および/また
は脂環状の基を有する基を表すこともできる。この場合
において、隣り合うフェニレン基もしくは脂環状基は、
直接に結合されるほか、酸素もしくは硫黄などの2価の
原子を介して結合されたり、または、炭素原子1個から
3個のアルキレン基もしくは下記の式で表される2価の
基からなる群の中から選ばれた1つを介して結合された
りすることがある。これらの原子または基が複数存在す
る場合には、それぞれが同じであってもよく、異なって
いてもよい。
−NR4−,−P(O)R5−,−N=N−, −CO−O−,−SO2−, −SiR5R4−,−CONH−, −NY−CO−X−CO−NY−, −O−CO−X−CO−O−, 基Dは、式: のエチレン系無水物から誘導されるもので、たとえば、
マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、テトラヒドロ
フタル酸無水物、イタコン酸無水物、ならびに、シクロ
ジエンとこれらの酸無水物の1つとの間に起こるディー
ルスアルダー反応の生成物を表すこともできる。
使用することのできる式(I)の好ましい不飽和ビスイ
ミドとしては、たとえば、次のものが挙げられる。マレ
イン酸N,N′−エチレン−ビスイミド、マレイン酸N,N′
−ヘキサメチレン−ビスイミド、マレイン酸N,N′−メ
タフェニレン−ビスイミド、マレイン酸N,N′−パラフ
ェニレン−ビスイミド、マレイン酸N,N′−4,4′−ジフ
ェニルメタン−ビスイミド<N,N′−メチレンビス(N
−フェニルマレイミド)とも言う>、マレイン酸N,N′
−4,4′−ジフェニルエ−テル−ビスイミド、マレイン
酸N,N′−4,4′−ジフェニルスルフォン−ビスイミド、
マレイン酸N,N′−4,4′−ジシクロヘキシルメタン−ビ
スイミド、マレイン酸N,N′−α,α′−4,4′−ジメチ
ルシクロヘキサン−ビスイミド、マレイン酸N,N′−メ
タキシリレン−ビスイミド、および、マレイン酸N,N′
−ジフェニルシクロヘキサン−ビスイミド。
使用することのできる式(II)のジアミンの実例として
は、たとえば、次のものが挙げられる。4,4′−ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン、1,4′−ジアミノシクロヘ
キサン、2,6−ジアミノピリジン、メタフェニレンジア
ミン、パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノ−ジ
フェニルメタン、2,2−ビス−(4−アミノフェニル)
プロパン、ベンジジン、4,4′−ジアミノフェニルオキ
サイド、4,4′−ジアミノジフェニルアルファイド、4,
4′−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス−(4−ア
ミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス−(4−アミノ
フェニル)メチルフォスフィンオキサイド、ビス−(3
−アミノフェニル)メチルフォスフィンオキサイド、ビ
ス−(4−アミノフェニル)−フェニルフォスフィンオ
キサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニラミ
ン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシリレンジアミ
ン、パラキシリレンジアミン、1,1−ビス−(パラアミ
ノフェニル)フタラン、および、ヘキサメチレンジアミ
ン。
この発明の付加型イミド樹脂プレポリマーは、プリント
配線板用積層板のほか、各種充填材との組み合わせによ
り、半導体封止材料、高強度高弾性率電気機器用構造材
料、電磁波シールド材料等の成形材料、半導体素子のダ
イボンド用およびチップ部品搭載用等の接着剤ならびに
回路印刷用ペースト等の広汎な電気用途に使用すること
が可能であり、これらに用いることにより高耐熱性、高
密着性、可撓性の良好な成形体を得ることが可能とな
る。
積層体を製造するために使用するプリプレグは、この発
明の方法で得られた付加型イミド樹脂プレポリマーを、
たとえば、溶媒に溶解させてワニスを調製し、このワニ
スを基材に含浸させたのち、プレポリマーの第2次反応
および溶媒を蒸発させる操作を行ってプレポリマーを半
硬化させることにより得られる。このため、プリプレグ
中の残存ジアミンが低減している。
このプリプレグは、基材に含浸されている樹脂中に、分
子量15000を越える成分が10%以下であり、残存する未
反応原料が15〜35%になっている必要がある。含浸され
ている樹脂中に分子量15000を越える成分が10%よりも
多くなると、樹脂の粘度が高くなるため、成形の際に気
泡が抜けにくくなり、ボイド発生の原因となる。また、
硬化までの時間が短すぎ、大きい積層板(成形板)を得
ることが困難になる。他方、その樹脂の未反応原料の含
有量が35%よりも多く、分子量15000を越える成分が10
%以下であると、成形に際し樹脂のにじみ出しが多くな
り、得られる積層板の板厚ムラの原因となる。なお、こ
こでの分子量分布も上記プレポリマーの場合と同様にし
て求められた。
このプリプレグは、基材に含浸されている樹脂が上記組
成を満足した上で、残存する未反応ジアミン成分がプレ
ポリマー固形分に対し0.3%以下であることが好まし
い。これは、プレポリマーの説明のところで述べた理由
と同じである。なお、残存する未反応ジアミンの対固形
分%の算出は、上記プレポリマーの場合と同様にして行
った。
付加型イミド樹脂プレポリマーを含浸させる基材の種類
は特に限定されない。通常は、ガラスクロス等が用いら
れる。この他、石英繊維布等の無機繊維布、芳香族ポリ
アミド繊維(アラミド繊維:デュポン社のケブラー繊維
など)布等の高耐熱性繊維布などが用いられてもよい。
これらの基材は、通常、カップリング剤等で表面処理を
施して用いられる。
半硬化させるときの温度は、130〜155℃が好ましい。15
5℃よりも高いと、分子量15000を越える成分の生成が促
進され、130℃よりも低いと、効率良くプリプレグを生
産することができないことがある。
積層板は、前記プリプレグを用いて通常の方法で積層成
形することにより作られる。すなわち、前記プリプレグ
を、必要に応じ銅、ニッケルなどの金属箔や予め回路形
成されている内層材とともに、積層成形することにより
作られる。この積層板は、樹脂原料として、この発明の
方法で得られた付加型イミド樹脂プレポリマーが使われ
ているので、樹脂と基材の密着性が高い。また、製造に
際しては、従来に比べて残存するジアミンが極めて少な
いため、作業者にとっても問題がなく、フクレの発生も
抑えられる。この積層板を用いれば、高密度高多層プリ
ント板を得ることが可能となる。
なお、この発明の付加型イミド樹脂プレポリマーは、プ
リプレグ、積層板以外の用途、たとえば、上記のような
成形材料などに用いることができ、半硬化段階での材料
中の残留ジアミンが大幅に低減され、取り扱い上安全な
ものが得られる。この発明のプリプレグおよび積層板
も、それぞれ、用途に限定はない。
つぎに、この発明のより具体的な実施例および比較例を
示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
−実施例1〜3および比較例1〜3,5〜7− 第1表に示される配合の原材料を3lの四つ口フラスコに
計り込み、攪拌棒、温度計、冷却器をフラスコに取り付
けた後、側口から窒素ガスを通じた。フラスコ内の空気
を窒素置換した後、オイルバスにより加熱を開始した。
内容物の溶解に伴い攪拌を開始し、第1表に示されてい
る温度に設定した。同表に示されている時間攪拌を続け
た後、ウォーターバスで冷却を行い、20分間で室温まで
温度を下げてプレポリマー溶液を得た。
−実施例4および比較例4− 電熱器で充分に加熱したステンレス容器に加熱したまま
原材料の所定量を約2分かけて投入した。次に、内容物
の融解に伴って攪拌を行い、第1表に示す温度、時間で
反応させた。この後、広い鉄板上に内容物を約1分かけ
てうすく広げることにより冷却し、プレポリマーを得
た。このものを乳鉢で粉砕した後、約40℃に暖めたジメ
チルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンに
溶解し、プレポリマー溶液を得た。
上記のようにして得られたプレポリマー溶液(樹脂ワニ
ス)の分析値および特性値を第2表に示した。
なお、第1表に示した不飽和ビスイミドおよびジアミン
の化学式は次のとおりである。
(A)N,N′−メチレンビス(N−フェニルマレイミ
ド): (B)マレイン酸N,N′−メタフェニレン−ビスイミ
ド: (C)4,4′−ジアミノジフェニルメタン: (D)1,5−ジアミノナフタレン: 第1表および第2表から、実施例のプレポリマーの方
が、比較例のものに比べて、残存するジアミンの量が少
なく、しかも、保存安定性も良いことがわかる。
−実施例5〜8および比較例8〜15− 先に得たプレポリマー溶液を用い、表面処理を行ったガ
ラスクロス(105g/m2)に含浸させた。乾燥器中におい
て、第3表に示す乾燥温度で2次反応および溶媒の蒸発
を行って、レジンコンテント47〜50%のプリプレグを得
た。
乾燥条件とプリプレグの性質を第3表に併せて示した。
第3表から、実施例のプリプレグは、比較例のものに比
べて、残留ジアミンが少なく、しかも、ゲル化時間が長
いことがわかる。
−実施例9〜12および比較例16〜23− 上記実施例で得たプリプレグを50cm×50cmの大きさに切
断して5枚ずつ重ね、これらの両面に1/2(オンス/f
t2)の銅箔を置いて積層体とした。この積層体を1.6mm
厚みの金型に挟み、蒸気プレスを用いて5kg/cm2の加圧
を行いつつ直ちに130℃まで加熱し、20分間保持した。
その後、15kg/cm2に昇圧し、170℃に加熱した。そのま
ま90分間経過した後、圧力をかけたまま室温まで冷却し
て成形体を取り出した。さらに、この成形体を200℃で
2時間加熱してアフターキュアーを行い、積層板を得
た。
得られた積層板の性質を第4表に示した。第4表におい
て、引きはがし強度とは、層と層の間を90度方向にはが
したときの密着力を示し、オーブン耐熱は280℃の空気
中に1時間積層板を放置したあとの状態を記した。
第4表から、実施例の積層板は、比較例のものに比べ
て、引きはがし強度が強く、しかも、耐熱性が良いこと
がわかる。
〔発明の効果〕
この発明にかかる付加型イミド樹脂プレポリマーの製造
方法は、不飽和ビスイミドとジアミンとを反応させて、
残存する未反応原料を20〜50%、分子量15000を越える
成分を5.0%以下の範囲でそれぞれ含む付加型イミド樹
脂プレポリマーを得る際に、触媒としてシュウ酸を前記
不飽和ビスイミドとジアミンの合計重量に対し0.1〜5.0
%の範囲で用いて前記反応を行うようにしているので、
未反応原料として残存するジアミンをプレポリマー組成
物中のプレポリマー固形分に対し3.0%以下に抑えるこ
とができる。そのため、得られた付加型イミド樹脂プレ
ポリマーは、前記特定組成の付加型イミド樹脂プレポリ
マーの諸特性、すなわち、これを用いて積層板を作製し
た場合には、得られる積層板に対し、高密度実装に対応
できる細線化、微細加工性を付与することが可能であ
り、ドリル加工の際のスミア発生が起きないようにし、
高温時の導体密着性と硬度を向上させ、高温下での連続
使用を可能とさせると言う特性と、プリプレグの硬化ま
での時間を充分に取ることができて成形加工を容易とさ
せると言う特性とを維持しながら、取扱性が良くなり、
かつ、積層板にガスフクレが生じにくいものとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 英一郎 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 山本 広志 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−166331(JP,A) 特公 昭48−7875(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ビスイミドとジアミンとを反応させ
    ることにより、残存する未反応原料を20〜50%、分子量
    15000を越える成分を5.0%以下の範囲でそれぞれ含む付
    加型イミド樹脂プレポリマー組成物を得る方法におい
    て、触媒としてシュウ酸を前記不飽和ビスイミドとジア
    ミンの合計重量に対し0.1〜5.0%の範囲で用いて前記反
    応を行わせることにより、前記不飽和ビスイミドとジア
    ミンとの反応を促進させるとともに前記分子量15000を
    越える成分の生成を抑制して、未反応原料として残存す
    るジアミンがプレポリマー組成物中のプレポリマー固形
    分に対して3.0%以下となるようにすることを特徴とす
    る付加型イミド樹脂プレポリマー組成物の製造方法。
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