JPH0791246B2 - ジメチルホルムアミドの精製法 - Google Patents

ジメチルホルムアミドの精製法

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JPH0791246B2
JPH0791246B2 JP2183750A JP18375090A JPH0791246B2 JP H0791246 B2 JPH0791246 B2 JP H0791246B2 JP 2183750 A JP2183750 A JP 2183750A JP 18375090 A JP18375090 A JP 18375090A JP H0791246 B2 JPH0791246 B2 JP H0791246B2
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alkyl ester
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康裕 光田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ジメチルホルムアミド(DMF)の精製法に
関するものである。さらに詳しくは、この発明は、不純
物としてモノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルを含有
するジメチルホルムアミドの高純度、高効率な精製方法
に関するものである。
(従来の技術とその課題) ジメチルホルムアミド、すなわちN,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)は、いわゆるN−置換低級脂肪酸アミド
として各種反応の溶媒に広く用いられているものであ
る。
このジメチルホルムアミドは、溶媒としての利用におい
て、反応系から回収した後に再利用されることが工業的
には広く行なわれている。
しかしながら、これを使用する反応系によっては、未反
応原料や副生成物等の混入によって、そのままジメチル
ホルムアミドを再利用することが難しいことが少なくな
い。
たとえばこのような反応系として特開昭61−218557号公
報記載の方法がある。この方法は次式(1) (R1はアルキル基) の化合物にプレニルハライド化合物もしくはポリプレニ
ルハライド化合物を反応させ、得られた次式(2) (nは0または1〜19の数) の化合物に、次式(3) X−CH2−COOR2 (3) (Xはハロゲン原子、R2は低級アルキル基) のモノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルを反応させて
次式(4) のフェノキシ酢酸低級アルキルエステルを製造する際
に、式(1)のフェノール誘導体とプレニルハライド化
合物またはポリプレニルハライド化合物との反応には、
溶媒としてジメチルホルムアミドを塩基性化合物ととも
に使用し、また次の反応過程における式(2)の化合物
と式(3)のモノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルと
の反応にも、溶媒としてジメチルホルムアミドを使用し
ている。この反応系においては、式(4)のフェノキシ
酢酸低級アルキルエステルの生成後、溶媒のジメチルホ
ルムアミドを反応系より回収して再使用することが望ま
しい。
しかしながら、かかる反応系においては式(4)のフェ
ノキシ酢酸低級アルキルエステルの収率を上げる為に式
(2)の化合物に対して式(3)のモノハロゲン酢酸低
級アルキルエステルを過剰量用いるので、反応系からの
ジメチルホルムアミドの回収においては、未反応のモノ
ハロゲノ酢酸低級アルキルエステルの微量混入が避けら
れない。この混入したままの状態で、回収した粗ジメチ
ルホルムアミドを式(1)の化合物とプレニルハライド
化合物との反応に再使用すると、モノハロゲノ酢酸低級
アルキルエステルの微量存在に帰因して副生物が生成
し、式(4)のフェノキシ酢酸低級アルキルエステルの
品質に悪影響を及ぼすことになる。
そこで、このような未反応モノハロゲノ酢酸低級アルキ
ルエステルを微量混入する粗ジメチルホルムアミドを精
製することが必要になるが、このモノハロゲノ酢酸低級
アルキルエステルを完全に除去することはそれほど簡単
ではない。たとえば蒸留によって除去しようとしても、
モノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルは、ジメチルホ
ルムアミドと沸点が近接しているために、蒸留除去は極
めて困難で、ジメチルホルムアミドの回収率そのものの
低下をきたしてしまうという問題があった。
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもので
あり、モノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルを不純物
として含有する粗ジメチルホルムアミドを再利用するに
あたり、副生物生成の原因となるモノハロゲノ酢酸低級
アルキルエステルの悪影響を排除し、簡便に、かつ高純
度、高回収率でのジメチルホルムアミドの精製取得を可
能とする新しい精製方法を提供することを目的としてい
る。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、不純物
としてモノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルを含有す
る粗ジメチルホルムアミドをアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の塩基性化合物の存在下に加熱し、次いで蒸
留することを特徴とするジメチルホルムアミドの精製法
を提供する。
すなわち、この発明は、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属の塩基性化合物の存在下に加熱することにより、
粗ジメチルホルムアミド中に混入しているモノハロゲノ
酢酸低級アルキルエステルを分解して消失させ、このモ
ノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルの混入による悪影
響を除去し、次いで蒸留してジメチルホルムアミドの高
純度品を高効率で回収することからなっている。この方
法により、沸点が近似しているものモノハロゲノ酢酸低
級アルキルエステルであっても、蒸留によって、ジメチ
ルホルムアミドを100%の純度で、しかも95%以上の回
収率で取得することも可能となる。
この発明におけるモノハロゲノ酢酸低級アルキルエステ
ルは前記式(3)で表わされる。式中、Xはクロル、ブ
ロム、ヨードなどのハロゲン原子をR2はメチル基、エチ
ル基どの低級アルキル基を示す。
添加するアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基性
化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等の適宜なものを使用す
ることができる。具体例としては水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどの水酸化物;炭
酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩;炭酸水素リチ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの重
炭酸塩などが挙げられる。これらの塩基性化合物は、そ
のまま粗ジメチルホルムアミドに添加して存在させても
よいし、あるいは少量の水に溶かして添加してもよい。
これら塩基性化合物の存在での加熱に際しての加熱温度
については、含有されているモノハロゲノ酢酸低級アル
キルエステルの種類や量、さらには塩基性化合物の添加
存在量によっても相違するが、100〜200℃程度の温度と
することができる。加熱時間も30分〜4時間程度とする
ことができる。
塩基性化合物の存在量はモノハロゲノ酢酸低級アルキル
エステルの種類や量、さらには塩基性化合物の種類など
により相違するため一概には決められないが、通常は、
モノハロゲノ酢酸低級アルキルエステル当り1〜4当量
である。
もちろんこれらの数値は臨界的なものではない。
加熱処理したジメチルホルムアミドは、続いて単蒸留す
ることで純度100%という高純度品として回収すること
ができる。
なお、この発明の精製法が対象とする粗ジメチルホルム
アミドは、モノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルを不
純物として含有するいかなる反応系からのものであって
もその適用対象となることはいうまでもない。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説
明する。
実施例1 クロロ酢酸メチルを1.53重量%含有する回収粗ジメチル
ホルムアミド100gに、無水炭酸カリウム2.0gを添加し、
120℃の温度で3時間加熱攪拌した。
クロロ酢酸メチルが完全に分解して消失していることが
ガスクロマトグラフィー分析で確認された。
次いで単蒸留し、ジメチルホルムアミドを回収した。ク
ロロ酢酸メチルを含まない純度100%のジメチルホルム
アミド留分を95%の回収率により取得した。
実施例2 実施例1において、無水炭酸カリウムの代わりにペレッ
ト状85%水酸化カリウム1.1gを添加し、120℃の温度に
おいて3時間攪拌した。クロロ酢酸メチルは完全に分解
して消失した。
単蒸留により、純度100%のジメチルホルムアミド留分
を96%の回収率で取得した。
実施例3 実施例1において、無水炭酸カリウムの代わりに水酸化
カルシウム2.0gを添加して120℃の温度で4時間攪拌し
た。クロロ酢酸メチルは完全に分解して消失した。
単蒸留により、純度100%のジメチルホルムアミド留分
を回収率95%で取得した。
実施例4 実施例1において無水炭酸カリウムの代わりに48重量%
の水酸化ナトリウム水溶液4gを添加して120℃の温度で
2時間攪拌した。クロロ酢酸メチルは完全に分解して消
失した。単蒸留により、純度100%のジメチルホルムア
ミド留分を回収率95%で取得した。
実施例5 クロロ酢酸エチルを1.42重量%含有する回収粗ジメチル
ホルムアミドを実施例1と同様に処理し、純度100%の
ジメチルホルムアミド留分を回収率96%で取得した。
比較例1 クロロ酢酸メチルを1.53重量%含有する実施例1と同一
の粗ジメチルホルムアミドを、論理段数8段相当(酢酸
エチル−ベンゼン系)のマクマホンパッキン充填カラム
を備えた蒸留塔で、還流比R/D=15/1、減圧度40mmHgで
減圧蒸留した。
仕込量の20重量%の留分が流出した段階でも缶内のジメ
チルホルムアミド中には、0.66重量%のクロロ酢酸メチ
ルが残留しており、実質的に、クロロ酢酸メチルを含有
しないジメチルホルムアミドを高収率で得ることはでき
なかった。
(発明の効果) この発明により、以上詳しくは説明した通り、不純物と
して含有するモノハロゲノ酢酸低級アルキルエステルの
悪影響を排除し、溶媒として再利用することのできる高
純度ジメチルホルムアミドの高効率精製が可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不純物としてモノハロゲノ酢酸低級アルキ
    ルエステルを含有する粗ジメチルホルムアミドをアルカ
    リ金属またはアルカリ土類金属の塩基性化合物の存在下
    に加熱し、次いで蒸留することを特徴とするジメチルホ
    ルムアミドの精製法。
JP2183750A 1990-07-10 1990-07-10 ジメチルホルムアミドの精製法 Expired - Lifetime JPH0791246B2 (ja)

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