JPH0790982A

JPH0790982A - 高強度ｒｃプレストレス柱

Info

Publication number: JPH0790982A
Application number: JP24076193A
Authority: JP
Inventors: Tomoyasu Kato; 友康加藤
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1993-09-28
Filing date: 1993-09-28
Publication date: 1995-04-04

Abstract

(57)【要約】【目的】高層化および大スパン化が進んでいる建物に
おいて、その柱への高軸力に確実に対処できる高強度Ｒ
Ｃプレストレス柱の提供。【構成】超高層ＲＣ建物の柱部材における芯筋２に、
高強度材料である高強度鉄筋を利用し、ＰＣ鋼棒等の特
別な部材を用いることなく、プレストレスの導入に対応
する。また、柱１自体を高強度材料である高強度コンク
リート３で形成する。そして、柱部材の芯筋２に高強度
鉄筋を、また、柱１自体に高強度コンクリート３を利用
した構成の高強度ＲＣプレストレス柱１によって、高層
化および大スパン化がさらに進んで増大している柱への
高軸力（圧縮，引張り力）に対処する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、超高層住宅，ホテ
ル，事務所ビル等の超高層ＲＣ建物における柱部材に適
用され、高引抜き力（引張り軸力）に抵抗するものとし
て使用する高強度ＲＣプレストレス柱に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の高引抜き力（引張り軸
力）に対処する、例えば、図４のＥ部に示すような建物
20の一部に使用される柱としては、引抜き力に対し、Ｐ
Ｃ鋼棒21（図５の(b) 参照）を用いてプレストレスを導
入しておく、ＨＩＲＣ造プレストレス柱22（図５の(a)
参照）が一般に知られている。

【０００３】そして、このようなＨＩＲＣ柱22は、図６
に示すように、高強度な芯筋23を用いて、断面設計を行
なっているのが、現在の主流である。なお、この図６に
おける符号24は、主筋である。

【０００４】

【この発明が解決しようとする課題】しかし、近年の建
物は、高層化および大スパン化がさらに進んでものとな
っており、柱への高軸力（圧縮，引張り力）が増大して
いる。そのため、前述した従来の断面設計（図６に示し
た高強度な芯筋23を用いての断面設計）では、柱への高
軸力への対応が不可能になってきた。

【０００５】この発明は前述した事情に鑑みて創案され
たもので、その目的は、高層化および大スパン化がさら
に進んでいる近年の建物において、その柱への高軸力に
確実に対処することのできる高強度ＲＣプレストレス柱
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明によれば、現
在、開発が進んで実用段階に来ている、高強度コンクリ
ートおよび高強度鉄筋等の高強度材料を用い、プレスト
レスを導入することとする。即ち、超高層ＲＣ建物の柱
部材における芯筋に、前記高強度材料である高強度鉄筋
を利用し、ＰＣ鋼棒等の特別な部材を用いることなく、
プレストレスの導入に対応しようとするものである。

【０００７】そして、この発明は、柱部材の芯筋に高強
度鉄筋を、また、柱１自体に高強度コンクリートを利用
した構成の高強度ＲＣプレストレス柱によって、高層化
および大スパン化がさらに進んで増大している柱への高
軸力（圧縮，引張り力）に対処できるようにしたもので
ある。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の高強度ＲＣプレストレス柱
を、図示する実施例によって説明する。

【０００９】超高層ＲＣ建物（図４参照等）における柱
部材として使用する高強度ＲＣプレストレス柱１（図１
および図２参照）は、柱部材の引抜き力に対処するプレ
ストレスを導入すべく配設されている、柱断面における
芯筋２に、高強度材料である高強度鉄筋を用いると共
に、柱１自体を高強度材料である高強度コンクリート３
で形成してなっている。なお、この図１における符号７
は、梁である。

【００１０】そして、この実施例での高強度ＲＣプレス
トレス柱１は、その柱断面に芯筋２と主筋４とが配設さ
れており、この芯筋２にプレストレスを導入し、引抜き
力に対抗するものである。

【００１１】また、芯筋２は、高強度の大径ネジ鉄筋を
用いている。そして、この芯筋２となる鉄筋の継手には
機械力継手５が使用されている。さらに、この芯筋２へ
のプレストレス導入時の定着板には、充填式ネジ定着板
（貫通型）６が使用されている。

【００１２】なお、図２に、高強度ＲＣプレストレス柱
１における定着部の詳細を示し、図３に、充填式ネジ定
着板６の詳細を示す。

【００１３】このような構成からなる高強度ＲＣプレス
トレス柱１を使用して、超高層ＲＣ建物を施工するに際
しては、次に述べるようにして行う。

【００１４】プレストレスの導入は、図１に示すよう
に、下層部と中低層部とで変えるというように、生じる
応力の大きさに応じて行う。また、芯筋２の強度も、こ
れに順じて変える設計を行う。

【００１５】例えば、柱脚部では（図１参照）、芯筋強
度を超高強度（ＳＤ９８０等）とし、下層部（５〜10
階）では、芯筋強度を高強度（ＳＤ６８５）とし、中低
層部（10〜20）では、芯筋強度を高強度（ＳＤ４９０）
とする。

【００１６】なお、充填式ネジ定着板６は、従来のダブ
ルナット方式でも良い。ただし、この場合は、締付け力
の管理が必要である。

【００１７】また、図７にプレストレスの導入方法を示
す。そして、図７の(a) に示す方法は、従来のシースと
ＰＣ鋼線との場合と同じものであり、芯筋２が貫通して
いるシース８内への充填はない。これに対して、図７の
(b) に示す方法は、芯筋２へのプレストレス導入後、シ
ース８内に高強度モルタルを充填するものである。

【００１８】さらに、図７の(c) に示す方法は、シース
を使用せずに、中空部９を設けてプレキャスト柱とした
柱１を使用することとし、その中空部９内を貫通した芯
筋２へのプレストレス導入後、中空部９内へ、その下方
より高強度コンクリートを圧入するものである。

【００１９】

【発明の効果】この発明では、柱断面における芯筋に高
強度材料である高強度鉄筋を用いると共に、柱自体を高
強度材料である高強度コンクリートで形成することによ
り、従来、プレストレス導入のために、柱断面での主筋
とは別に必要であった、ＰＣ鋼棒等の特別な部材が不要
となる。

【００２０】また、芯筋はネジ鉄筋であるので、引抜き
力に対してプレストレスと付着力とで対抗すると共に、
従来の機械式ネジ継手を使用することができる。しか
も、芯筋のみ高強度鉄筋を使用するので、曲げに用いる
主筋としての、厳しい鉄筋の製作仕様が要求されない。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) はこの発明の高強度ＲＣプレストレス柱を
示す概略図で、(b) は(a) のＡ−Ａ線断面図である。

【図２】(a) はこの発明の高強度ＲＣプレストレス柱に
おける定着部の詳細図で、(b)は(a) のＢ−Ｂ線断面図
である。

【図３】(a) はこの発明の高強度ＲＣプレストレス柱に
使用する充填式ネジ定着板を示す概略図で、(b) は(a)
のＣ−Ｃ線断面図で、(c) は(a) のＤ−Ｄ線矢視図であ
る。

【図４】高引抜き力（引張り軸力）に対処する柱が使用
されている建物を示す概略図である。

【図５】(a) は従来のプレストレス柱を示すものであ
り、図４のＥ部拡大図で、(b) は(a) のＦ−Ｆ線断面図
である。

【図６】従来のプレストレス柱における柱断面を示す概
略図である。

【図７】(a) は芯筋でのプレストレス導入用としてシー
スを使用し、そのシース内に充填しない場合のプレスト
レス導入方法を示す概略図で、(b) はシースを使用しシ
ース内に充填する場合を示す概略図で、(c) は芯筋での
プレストレス導入用として中空部を使用し、その中空部
内に充填する場合のプレストレス導入方法を示す概略図
である。

【符号の説明】

１…高強度ＲＣプレストレス柱、２…芯筋、３…高強度
コンクリート、４…主筋、５…機械力継手、６…充填式
ネジ定着板、７…梁。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】超高層ＲＣ建物における柱部材として使
用する高強度ＲＣプレストレス柱であり、前記柱部材の引抜き力に対処するプレストレスを導入す
べく配設されている、柱断面における芯筋に高強度材料
である高強度鉄筋を用いると共に、柱自体を高強度材料
である高強度コンクリートで形成してなることを特徴と
する高強度ＲＣプレストレス柱。