JP4094149B2 - 柱と梁の接合構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柱と梁の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
従来より、柱に接合される梁としてプレストレストコンクリート構造のものを用いたものが知られている。この場合のプレストレスの主たる目的は、長期荷重に対する梁の撓みを抑制することにあるが、梁に圧縮応力を存在させることは、地震時等の短期荷重作用時には強度的に不利に働くことがある。
【0003】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、長期荷重に対する梁の撓みを抑制することができながら、しかも、地震時等の短期荷重作用時における梁の強度的な不利をも低減することができる柱と梁の接合構造を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、梁が鋼管の内部にコンクリートを充填したものからなり、
充填コンクリートには緊張材が通され、
この緊張材は、柱を貫通し、柱を挟んで梁と反対側の側面から突出され、この突出端には端板が備えられており、
この緊張材に付与した引張り力によって、梁の充填コンクリートに圧縮のプレストレスが導入されていることを特徴とする柱と梁の接合構造によって解決される。
【0005】
即ち、この構造では、梁が、鋼管の内部にコンクリートを充填したものからなって、充填コンクリートには、緊張材によって圧縮のプレストレスが導入されているから、従来のプレストレストコンクリート構造の梁と同様に、長期荷重に対する梁の撓みを抑制することができる。
【0006】
しかも、このコンクリートは、鋼管内に充填させているから、圧縮のプレストレスを導入することによって鋼管による拘束を受け、3次元応力状態となることができ、このコンファインド効果により、充填コンクリートの圧縮強度が高められる。これにより、梁は、地震時等の短期荷重作用時における強度的な不利を低減することができる。また、このコンファインド効果により、梁断面を小さくすることができる。
【0007】
加えて、緊張材が、柱を貫通し、柱を挟んで梁と反対側の側面から突出され、この突出端に端板が備えられた構成において、鋼管内の充填コンクリートに圧縮のプレストレスが導入されているものであるから、プレストレスの導入を柱との関係で施工容易に行うことができる。
【0008】
特に、梁において、充填コンクリートと鋼管とがそれらの間の付着を切られているときは、充填コンクリートにのみ効果的に圧縮のプレストレスを導入することができて、長期荷重に対する梁の撓みをより一層効果的に抑制することができると共に、地震時等の短期荷重作用時における梁の強度的な不利をより一層効果的に低減することができる。
【0009】
加えて、充填コンクリートに通された緊張材は、柱を貫通し、柱を挟んで梁と反対側の側面から突出され、この突出端には端板が備えられ、緊張材に付与した引張り力によって、梁の充填コンクリートと端板とで柱を挟み込んで梁と柱とを接合する構成とする場合は、緊張材に引張り力を付与することで、充填コンクリートへのプレストレスの導入と、柱と梁との接合とを同時に遂行することができ、施工を能率良く行うことができる。なお、梁と柱との接合を緊張材のみに依存させることが強度的に充分でない場合は、追加の接合手段が設けられていてもよいことはいうまでもない。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示す実施形態の構造において、1は柱、2は梁である。
【0011】
柱1は、鉄筋コンクリート構造のものであり、この柱1には、プレストレス導入用の緊張材3を通す孔4…が貫通して形成されている。
【0012】
梁2は、角形鋼管5内にコンクリート6を充填したものであり、鋼管5の内周面にはアスファルトなどによる付着防止剤7が塗布されて、鋼管5と充填コンクリート6との付着が切られている。なお、8はコンクリート充填用の孔である。
【0013】
梁2の充填コンクリート6内にはシース管14…が通されており、このシース管14…は、梁2の柱がわの端面から外方に突出され、この突出部分が柱1の貫通孔4…の内方へと延長されている。そして、梁2の反柱がわの端面には第1端板9が設置され、また、柱1を挟んで梁2と反対側の柱側面には第2端板10が設置され、両端板9,10を貫通するように、シース管14…に緊張材3…が通され、定着具としての雌ネジ部材11…が端板9,10の外側で緊張材3…の端部に螺合され締め付けられて、緊張材3…に引張り力が付与されている。
【0014】
緊張材3に付与されたこの引張り力によって、梁2の充填コンクリート6は、第1端板9と柱1とに挟み込まれて、圧縮のプレストレスを導入される。なお、梁2を構成している鋼管5の端面は、柱1から幾分離間されて梁端崩壊するようになされている。
【0015】
なお、柱1のコンクリートと梁2のコンクリート6とはそれらを一体打ちするのが施工面、経済面等において一般的である。しかし、コンクリート打ちして形成した鉄筋コンクリート柱1に対し、梁2の鋼管5を組み付け、この鋼管5にコンクリート6を充填し、緊張材3…に引張り力を付与して充填コンクリート6に圧縮のプレストレスを導入することによって、柱1を梁2の充填コンクリート6と第2端板10とで挟みこみ、それによって梁2と柱1とを接合したものであってもよい。この場合、緊張材3に引張り力を付与して充填コンクリート6にプレストレスを導入することが、同時に、梁2と柱1とを接合することになる利点が得られる。
【0016】
上記の構造では、梁2が、鋼管5の内部にコンクリート6を充填したものからなって、充填コンクリート6には、緊張材3によって圧縮のプレストレスが導入されているから、従来のプレストレストコンクリート構造の梁と同様に、長期荷重に対する梁2の撓みを抑制できる。しかも、この充填コンクリート6は、圧縮のプレストレスを導入されて鋼管5による拘束を受け、3次元応力状態となって、コンファインド効果により圧縮強度が高められるため、梁2は、地震時等の短期荷重作用時にも不利なく効果的にそれに耐えることができる。特に、付着防止剤7によって充填コンクリート6と鋼管5との付着を切っているから、充填コンクリート6にのみ効果的に圧縮のプレストレスを導入することができる。加えて、緊張材3が、柱1を貫通し、柱1を挟んで梁2と反対側の側面から突出されており、その部分で雌ネジ部材11を締めて、鋼管5内の充填コンクリート6に圧縮のプレストレスを導入できる構成となされているから、充填コンクリート6へののプレストレスの導入を柱1との関係で施工容易に行うことができる。
【0017】
また、梁2が、鋼管5内にコンクリート6を充填したものであるから、梁2に対する耐火被覆を省略し得て、コストの削減、工期短縮を実現できる。また、鋼管5を型枠として用いることができて、型枠費用の削減、工期の更なる短縮を実現できる。また、鋼管5の存在によって梁2の剪断補強筋量を減らすことができ、鉄筋コンクリート梁部分が剪断破壊したとしても、梁崩壊することはない。
【0018】
以上に、本発明の一実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種変形を行うことが可能である。例えば、上記の実施形態では、柱1が、鉄筋コンクリート構造の柱からなっているが、鋼管の内部にコンクリートを充填した、いわゆるコンクリート充填鋼管(CFT)柱からなっていてもよいし、また、その他の構造の柱からなっていてもよい。また、図面では、梁2を片持ち状態で柱1に接合している状態を描いているが、梁2の自由端から鉄筋コンクリート梁が一体的に延長されることあるいはされてよいことはいうまでもない。また、梁2の充填コンクリート6内には、図面に示すように配筋13がなされていてもよいし、場合によっては配筋13はなされていなくてもよい。また、梁2の鋼管5には各種横断面形状の鋼管が用いられてよい。
【0019】
【発明の効果】
上述の次第で、本発明の柱と梁の接合構造は、上記のような構成を有するものであるから、長期荷重に対する梁の撓みを抑制することができながら、しかも、地震時等の短期荷重作用時において梁の強度的な不利を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態構造を示す断面正面図である。
【図2】図(イ)は図1のI−I線断面図、図(ロ)は図1のII−II線矢視図、図(ハ)は図1のIII−III線矢視図である。
【符号の説明】
1…柱
2…梁
3…緊張材
4…貫通孔
5…鋼管
6…充填コンクリート
7…付着防止剤
10…第2端板
11…雌ネジ部材(定着具)
Claims (1)
- 梁が鋼管の内部に鋼管を捨て型枠としてコンクリートを充填したCFT梁からなり、
充填コンクリートには緊張材が通され、
この緊張材は、柱を貫通し、柱を挟んで梁と反対側の側面から突出され、この突出端には端板が備えられており、
この緊張材に付与した引張り力によって、梁の充填コンクリートに圧縮のプレストレスが導入されており、かつ、
前記CFT梁を構成している鋼管の端部が柱から離間し、該CFT梁の充填コンクリートが該鋼管の端部から柱側に突出して梁端崩壊するようになされていると共に、
柱のコンクリートと梁のコンクリートとが一体打ちされていることを特徴とする柱と梁の接合構造。
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