JPH079041B2 - 歪取り焼鈍によって特性が劣化しない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents
歪取り焼鈍によって特性が劣化しない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法Info
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- JPH079041B2 JPH079041B2 JP63186977A JP18697788A JPH079041B2 JP H079041 B2 JPH079041 B2 JP H079041B2 JP 63186977 A JP63186977 A JP 63186977A JP 18697788 A JP18697788 A JP 18697788A JP H079041 B2 JPH079041 B2 JP H079041B2
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- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/12—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
- C21D8/1294—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties involving a localized treatment
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- C21D8/1277—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties involving a particular surface treatment
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 数年前のエネルギー危険を境にして、電力損失のより少
ない電気機器を求める傾向が一段と強まり、それらの鉄
心材料として、損失のより低い電磁鋼板が要請されるよ
うになった。
ない電気機器を求める傾向が一段と強まり、それらの鉄
心材料として、損失のより低い電磁鋼板が要請されるよ
うになった。
この発明は、上記の要請に有利に応えるもので、とくに
歪取り焼鈍を施しても鉄損特性が劣化しない低鉄損方向
性けい素鋼板の製造方法に関するものである。
歪取り焼鈍を施しても鉄損特性が劣化しない低鉄損方向
性けい素鋼板の製造方法に関するものである。
(従来の技術) けい素鋼板の鉄損は、うず電流損とヒステリシス損から
なる。けい素鋼板の鉄損を減少させる有効な手段として
板厚を減少させる方法があり、この方法は主にうず電流
損を減少させることにより、鉄損の低減ひいては省エネ
ルギーに大きく貢献している。しかしながら板厚が0.28
mm以下になってくると全鉄損に占めるヒステリシス損の
割合が急激に増大してくる。ヒステリシス損に影響する
因子としては、結晶粒の方位、不純物の程度、表面被膜
の影響および鋼板表面の粗度等が挙げられる。
なる。けい素鋼板の鉄損を減少させる有効な手段として
板厚を減少させる方法があり、この方法は主にうず電流
損を減少させることにより、鉄損の低減ひいては省エネ
ルギーに大きく貢献している。しかしながら板厚が0.28
mm以下になってくると全鉄損に占めるヒステリシス損の
割合が急激に増大してくる。ヒステリシス損に影響する
因子としては、結晶粒の方位、不純物の程度、表面被膜
の影響および鋼板表面の粗度等が挙げられる。
ヒステリシス損を低下させる方法とくに鋼板の表面性状
を改善することによるヒステリシス損の低減方法として
は、たとえば特公昭52-24499号公報では、仕上げ焼鈍後
の方向性けい素鋼板を酸洗により表面酸化物を除去した
後、表面を鏡面状態に化学研磨あるいは電解研磨する方
法が提案されている。また特公昭56-4150号公報には、
一方向性けい素鋼板の表面の非金属物質を除去し、次い
でその表面を化学研磨あるいは電解研磨した上にセラミ
ックス薄膜を施す技術が開示されている。さらに特開昭
60-89589号公報には、アルミナを主成分とする焼鈍分離
剤を用いて行った2次再結晶後の方向性けい素鋼板の表
面酸化物を除去後、化学研磨あるいは電解研磨する技術
が開示されている。またさらに特開昭60-39123号公報に
は、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を用いて表面の
酸化物の量を規制した上で、酸洗なしに直接化学研磨あ
るいは電解研磨を施す技術が開示されている。
を改善することによるヒステリシス損の低減方法として
は、たとえば特公昭52-24499号公報では、仕上げ焼鈍後
の方向性けい素鋼板を酸洗により表面酸化物を除去した
後、表面を鏡面状態に化学研磨あるいは電解研磨する方
法が提案されている。また特公昭56-4150号公報には、
一方向性けい素鋼板の表面の非金属物質を除去し、次い
でその表面を化学研磨あるいは電解研磨した上にセラミ
ックス薄膜を施す技術が開示されている。さらに特開昭
60-89589号公報には、アルミナを主成分とする焼鈍分離
剤を用いて行った2次再結晶後の方向性けい素鋼板の表
面酸化物を除去後、化学研磨あるいは電解研磨する技術
が開示されている。またさらに特開昭60-39123号公報に
は、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を用いて表面の
酸化物の量を規制した上で、酸洗なしに直接化学研磨あ
るいは電解研磨を施す技術が開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの技術はいずれも、鉄損低減効果
は非常に明確であるにもかかわらず、今日工業的に実施
されるまでには至っていない。
は非常に明確であるにもかかわらず、今日工業的に実施
されるまでには至っていない。
その理由は、化学研磨の場合、研磨液として用いられる
HF+H2O2やH3PO4+H2O2などが高価なためコスト高にな
るからである。同じく電解研磨の場合も、研磨液として
通常用いられるりん酸系浴、硫酸系浴、りん酸−硫酸系
浴および過塩素酸系浴などはいずれも、高濃度の酸を主
成分とし、しかも添加物としてクロム酸塩、ふっ酸、有
機化合物などを使用するためコスト高となり、しかも大
量に鋼板を処理するには、均質性、生産性および液の早
期劣化など未解決の問題も多いからである。
HF+H2O2やH3PO4+H2O2などが高価なためコスト高にな
るからである。同じく電解研磨の場合も、研磨液として
通常用いられるりん酸系浴、硫酸系浴、りん酸−硫酸系
浴および過塩素酸系浴などはいずれも、高濃度の酸を主
成分とし、しかも添加物としてクロム酸塩、ふっ酸、有
機化合物などを使用するためコスト高となり、しかも大
量に鋼板を処理するには、均質性、生産性および液の早
期劣化など未解決の問題も多いからである。
さらにもう一つの工業化を防げるおおきな欠点は、鏡面
研磨された表面には絶縁コートがのりにくいことであ
る。
研磨された表面には絶縁コートがのりにくいことであ
る。
すなわち従来知られているりん酸塩系コートやセラミッ
クコートは鏡面故に密着性が悪く現実の使用に耐え得な
かったのである。
クコートは鏡面故に密着性が悪く現実の使用に耐え得な
かったのである。
また特開昭61-183457号公報には、仕上げ焼鈍後の方向
性けい素鋼板の表面被膜を除去、ついでめっきにより侵
入体を間隔をおいて形成するか、表面被膜を間隔をおい
て除去し、ついで可侵入体をめっきにより形成し磁区細
分化を図る方法が開示されている。
性けい素鋼板の表面被膜を除去、ついでめっきにより侵
入体を間隔をおいて形成するか、表面被膜を間隔をおい
て除去し、ついで可侵入体をめっきにより形成し磁区細
分化を図る方法が開示されている。
この方法は、鉄損の低減効果は期待できるが、鋼板表面
を鏡面状態にしてヒステリシス損を低下させる方法と比
較すると、鉄損の低減効果が小さいところに問題があっ
た。
を鏡面状態にしてヒステリシス損を低下させる方法と比
較すると、鉄損の低減効果が小さいところに問題があっ
た。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、電解
研磨あるいは化学研磨による鏡面化処理を施こさずとも
磁気的に平滑な面すなわちヒステリシス損の原因となる
磁壁の移動を妨害するようなことがない面を形成し、さ
らに磁区の細分化をはかることにより渦電流損を下げて
方向性けい素鋼板の低鉄損化を実現することを目的とす
る。
研磨あるいは化学研磨による鏡面化処理を施こさずとも
磁気的に平滑な面すなわちヒステリシス損の原因となる
磁壁の移動を妨害するようなことがない面を形成し、さ
らに磁区の細分化をはかることにより渦電流損を下げて
方向性けい素鋼板の低鉄損化を実現することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) この発明は、仕上げ焼鈍済みの方向性けい素鋼板に、水
溶性のハロゲン化物を1種以上含む水溶液中で電解によ
る磁気的平滑化処理を施した後、 (1)鋼板表面の地鉄の一部を圧延方向を横切って延び
る連続又は断続した線状に除去した後、この鋼板表面に
張力付与型の絶縁被膜を被成する方法および (2)鋼板表面に圧延方向を横切って延びる連続又は断
続した線状の金属めっきを施した後、この鋼板表面に張
力付与型の絶縁被膜を被成する方法、 である。
溶性のハロゲン化物を1種以上含む水溶液中で電解によ
る磁気的平滑化処理を施した後、 (1)鋼板表面の地鉄の一部を圧延方向を横切って延び
る連続又は断続した線状に除去した後、この鋼板表面に
張力付与型の絶縁被膜を被成する方法および (2)鋼板表面に圧延方向を横切って延びる連続又は断
続した線状の金属めっきを施した後、この鋼板表面に張
力付与型の絶縁被膜を被成する方法、 である。
(作 用) さてこの発明の基礎となった、種々の表面が鉄損に及ぼ
す影響について再検討した結果を以下に述べる。
す影響について再検討した結果を以下に述べる。
すなわちその第1は、ヒステリシス損に対して大きく影
響を与えているのは、主として表面酸化物であり、表面
の凹凸に関しては必ずしも鏡面状態である必要はないこ
とである。ここに鏡面状態とは光学的な概念であり、定
量的に定義づけられてはいないが、通常表面平均粗さRa
で0.4μm以下好適には0.1μm以下のことを指す。
響を与えているのは、主として表面酸化物であり、表面
の凹凸に関しては必ずしも鏡面状態である必要はないこ
とである。ここに鏡面状態とは光学的な概念であり、定
量的に定義づけられてはいないが、通常表面平均粗さRa
で0.4μm以下好適には0.1μm以下のことを指す。
第3図に、酸化物が表面に存在する従来の方向性けい素
鋼板、その後に鏡面化処理を施した方向性けい素鋼板お
よびその後さらに酸洗を施して表面を荒らした方向性け
い素鋼板の各鉄損を比較して示したが、同図から明らか
なように酸洗によって鏡面が失われても、鉄損はさほど
劣化していない。
鋼板、その後に鏡面化処理を施した方向性けい素鋼板お
よびその後さらに酸洗を施して表面を荒らした方向性け
い素鋼板の各鉄損を比較して示したが、同図から明らか
なように酸洗によって鏡面が失われても、鉄損はさほど
劣化していない。
このように低ヒステリシス損のけい素鋼板を得るために
は、必ずしも鏡面にする必要はなくいわゆる磁気的に平
滑な表面にすればよいわけであるから、電解研磨や化学
研磨は必ずしも必要不可欠の条件ではなくもっと自由に
化学処理等が選択できるわけである。
は、必ずしも鏡面にする必要はなくいわゆる磁気的に平
滑な表面にすればよいわけであるから、電解研磨や化学
研磨は必ずしも必要不可欠の条件ではなくもっと自由に
化学処理等が選択できるわけである。
しかしながらけい素鋼板の磁気的平滑化のプロセス中
に、鋼板表面に歪みが入ることは鉄損を劣化させるため
に極力回避すべきであることはいうまでもない。
に、鋼板表面に歪みが入ることは鉄損を劣化させるため
に極力回避すべきであることはいうまでもない。
ここで電解研磨法を特徴づけている鏡面化現象について
説明する。電解研磨においては被研磨面を陽極として、
強酸・強アルカリの電解液中で電流を通すと、電解反応
によって金属は表面からイオンとなって溶出するが、金
属表面と電解液との間には粘性膜が生じる。この粘性膜
が表面の凸部では薄いので、より多くの電流が流れるた
め、凸部が凹部より多く溶け出し、金属表面は凹凸のな
い鏡面に仕上げられるとされている。したがって化学研
磨や電解研磨は、結晶粒度や方位に全く依存せずに金属
表面を平滑にする方法であるともいえる。いいかえれば
化学研磨や電解研磨で得られる面は、下地の結晶に無関
係に平滑化することにより、高い光沢を有するというこ
とで特徴づけられるものである。
説明する。電解研磨においては被研磨面を陽極として、
強酸・強アルカリの電解液中で電流を通すと、電解反応
によって金属は表面からイオンとなって溶出するが、金
属表面と電解液との間には粘性膜が生じる。この粘性膜
が表面の凸部では薄いので、より多くの電流が流れるた
め、凸部が凹部より多く溶け出し、金属表面は凹凸のな
い鏡面に仕上げられるとされている。したがって化学研
磨や電解研磨は、結晶粒度や方位に全く依存せずに金属
表面を平滑にする方法であるともいえる。いいかえれば
化学研磨や電解研磨で得られる面は、下地の結晶に無関
係に平滑化することにより、高い光沢を有するというこ
とで特徴づけられるものである。
次に第2の知見は、塩化物水溶液でけい素鋼を電解処理
した場合に鋼板表面の結晶粒方位の違いによって表面性
状が大きく異なることである。
した場合に鋼板表面の結晶粒方位の違いによって表面性
状が大きく異なることである。
従来塩化物による電解処理は鏡面研磨面を得るという点
に関して実効に乏しいために実施されることはなかった
が、発明者らは前述した第1の知見によって、広く電解
処理の可能性を探っていたため、塩化物についても確認
実験を行ったところ上述の特異な現象を見出すに至った
のである。
に関して実効に乏しいために実施されることはなかった
が、発明者らは前述した第1の知見によって、広く電解
処理の可能性を探っていたため、塩化物についても確認
実験を行ったところ上述の特異な現象を見出すに至った
のである。
第2図に面方位の差異によって、電解処理後の結晶面の
モルホロジーが異なることを表わした顕微鏡組織写真を
示す。
モルホロジーが異なることを表わした顕微鏡組織写真を
示す。
第2図Aは、結晶粒の{110}面が圧延面に対して5゜
傾いている場合であり、独得の網目状表面モルホロジー
を呈している。この網目状粒は結晶粒の如くみえる窪み
が粒内に分散隣接することによって形成され電解エッチ
ングによって得られるグレイニング面に酷似しているの
でグレイニング様面と呼称する。
傾いている場合であり、独得の網目状表面モルホロジー
を呈している。この網目状粒は結晶粒の如くみえる窪み
が粒内に分散隣接することによって形成され電解エッチ
ングによって得られるグレイニング面に酷似しているの
でグレイニング様面と呼称する。
第2図Bは、同じく11゜傾いている場合であり、鱗状モ
ルホロジーを呈している。さらに第2図Cは、25゜傾い
ている場合であって木肌状組織となっている。これらの
特異なモルホロジーを有する面は第2図A〜Cにも見ら
れるとおり網目状組織Aですら鏡面ではなく、マクロ的
外観では、結晶粒界の出現した酸洗面の様相を呈してい
る。
ルホロジーを呈している。さらに第2図Cは、25゜傾い
ている場合であって木肌状組織となっている。これらの
特異なモルホロジーを有する面は第2図A〜Cにも見ら
れるとおり網目状組織Aですら鏡面ではなく、マクロ的
外観では、結晶粒界の出現した酸洗面の様相を呈してい
る。
さらに重要なことは、かかる特異な網目状組織を有する
表面は{110}面を有するけい素鋼板を塩化物水溶液を
電解液として電解処理した時のみ得られることであり、
しかも上記の網目状組織は磁性的に平滑な面であること
である。
表面は{110}面を有するけい素鋼板を塩化物水溶液を
電解液として電解処理した時のみ得られることであり、
しかも上記の網目状組織は磁性的に平滑な面であること
である。
第1図(a)又は(b)に、主として{110}面のみに
よって構成された素材をNaClで電解処理した時に得られ
た素材の鉄損の改善代について調べた結果を示す。また
同図には比較のため、混酸(CrO310%−H3PO4)で電解
研磨により鏡面とした方向性けい素鋼板の鉄損改善代に
ついての調査結果も併せて示した。
よって構成された素材をNaClで電解処理した時に得られ
た素材の鉄損の改善代について調べた結果を示す。また
同図には比較のため、混酸(CrO310%−H3PO4)で電解
研磨により鏡面とした方向性けい素鋼板の鉄損改善代に
ついての調査結果も併せて示した。
同図より明らかなように、塩化物浴を用いたときの方が
鉄損の改善代は大きい。
鉄損の改善代は大きい。
なお上記の実験は、NaCl電解液として濃度20%のものを
用い、電流密度:100A/dm2で10秒間の条件で電解処理を
施した。
用い、電流密度:100A/dm2で10秒間の条件で電解処理を
施した。
さらに電解処理又は鏡面化処理後の鋼板表面に、電着ダ
イヤモンドやすりに超音波振動を付加することによっ
て、地鉄の一部を圧延方向と直交して延びる溝状に除去
し、この溝を5mm間隔で形成し、その後イオンプレーテ
ィング処理にてTiN膜を被成しもの(同図(a)参照)
および、同様に電解又は鏡面化処理後の鋼板表面に、5m
m間隔で幅0.15mmのスリットを形成したスクリーンをそ
のスリットが圧延方向と直交するように密着させ、Sbを
含有した電解液に鋼板を浸漬して線状にSbめっきを施
し、ついでイオンプレーティング処理にてTiN膜を被成
したもの(同図(b)参照)についての調査を行った。
比較のため、電解又は鏡面化処理後の鋼板表面に直接Ti
N膜を被成したものも同様に調査した。またTiN膜被成
後、N2雰囲気中で800℃、3時間の歪取り焼鈍を施した
後の鉄損についても調査した。
イヤモンドやすりに超音波振動を付加することによっ
て、地鉄の一部を圧延方向と直交して延びる溝状に除去
し、この溝を5mm間隔で形成し、その後イオンプレーテ
ィング処理にてTiN膜を被成しもの(同図(a)参照)
および、同様に電解又は鏡面化処理後の鋼板表面に、5m
m間隔で幅0.15mmのスリットを形成したスクリーンをそ
のスリットが圧延方向と直交するように密着させ、Sbを
含有した電解液に鋼板を浸漬して線状にSbめっきを施
し、ついでイオンプレーティング処理にてTiN膜を被成
したもの(同図(b)参照)についての調査を行った。
比較のため、電解又は鏡面化処理後の鋼板表面に直接Ti
N膜を被成したものも同様に調査した。またTiN膜被成
後、N2雰囲気中で800℃、3時間の歪取り焼鈍を施した
後の鉄損についても調査した。
同図(a)および(b)から明らかなように、地鉄の一
部を溝状に除去した場合および、Sbめっきを線状に施し
た場合における鉄損の改善代が大きいことがわかり、そ
の後に歪取り焼鈍を施しても鉄損の劣化をまねくことも
ない。
部を溝状に除去した場合および、Sbめっきを線状に施し
た場合における鉄損の改善代が大きいことがわかり、そ
の後に歪取り焼鈍を施しても鉄損の劣化をまねくことも
ない。
この発明に従う鋼板の鉄損が、従来法の電解研磨、化学
研磨等による鏡面を有する製品に比して良好な値を示す
物理的理由はまだ完全に解明されたわけではないが、第
1に磁気的に平滑であるためには、幾何的な平滑度をそ
れほど高く要求されないこと、第2にこの発明では、粒
界が段差状あるいは溝状の凹部を形成するので、磁区の
細分化が生じ、それにより鉄損の減少が望めること、第
3に電解研磨法によると鏡面に生じる酸化被膜による劣
化が生じると考えられるが、この発明鋼板では生じない
ことなどによるものと推察される。
研磨等による鏡面を有する製品に比して良好な値を示す
物理的理由はまだ完全に解明されたわけではないが、第
1に磁気的に平滑であるためには、幾何的な平滑度をそ
れほど高く要求されないこと、第2にこの発明では、粒
界が段差状あるいは溝状の凹部を形成するので、磁区の
細分化が生じ、それにより鉄損の減少が望めること、第
3に電解研磨法によると鏡面に生じる酸化被膜による劣
化が生じると考えられるが、この発明鋼板では生じない
ことなどによるものと推察される。
また地鉄の一部の除去によって鉄損が改善されるのは、
局所的に存在する地鉄除去部が磁区を細分化し、さらに
除去部にTiNが異物質として入り込むことによって磁性
的に異質な部分が局所的に形成されるためと考えられ
る。同様に線状の金属めっきを施すことによる鉄損改善
の理由は、鋼板表面に局所的な異物質(めっき)が存在
することで磁性的な異質部を局所的に形成したことにな
るためと考えられる。
局所的に存在する地鉄除去部が磁区を細分化し、さらに
除去部にTiNが異物質として入り込むことによって磁性
的に異質な部分が局所的に形成されるためと考えられ
る。同様に線状の金属めっきを施すことによる鉄損改善
の理由は、鋼板表面に局所的な異物質(めっき)が存在
することで磁性的な異質部を局所的に形成したことにな
るためと考えられる。
これらの処理を経た鋼板上に張力付与型の被膜を形成す
れば、さらなる鉄損の低減を達成でき、その後歪取り焼
鈍を施しても鉄損が劣化することはない。
れば、さらなる鉄損の低減を達成でき、その後歪取り焼
鈍を施しても鉄損が劣化することはない。
以下この発明を具体的に説明する。
この発明では、常法に従ってけい素鋼スプラに熱間圧延
を施し、次に中間焼鈍をはさむ冷間圧延を施して最終板
厚としたのち、脱炭焼鈍を施し次いで最終仕上げ焼鈍を
施す。
を施し、次に中間焼鈍をはさむ冷間圧延を施して最終板
厚としたのち、脱炭焼鈍を施し次いで最終仕上げ焼鈍を
施す。
この最終仕上げ焼鈍の際の焼鈍分離剤としては、従来か
らフォルステライト被膜も同時に形成させるためにMgO
を主成分とする焼鈍分離剤が主に用いられてきたが、か
かるフォルステライト被膜を生成させない様に配合され
た、たとえばAl2O3等を主成分とし、これに不活性MgOや
Ca,Sr化合物を添加した分離剤を用いてもよい。
らフォルステライト被膜も同時に形成させるためにMgO
を主成分とする焼鈍分離剤が主に用いられてきたが、か
かるフォルステライト被膜を生成させない様に配合され
た、たとえばAl2O3等を主成分とし、これに不活性MgOや
Ca,Sr化合物を添加した分離剤を用いてもよい。
次に最終仕上げ焼鈍板の表面酸化層を除去する。
除去方法としては、酸洗等の化学的方法とエメリー研磨
等の機械的手法があり、特に限定はしないが、機械的手
法で表面酸化層を処理した場合には、板内部に歪みが入
り易く、かかる歪は続く電解処理によっても解放できな
いので、表面酸化物の除去は酸洗処理で行う方が好まし
い。
等の機械的手法があり、特に限定はしないが、機械的手
法で表面酸化層を処理した場合には、板内部に歪みが入
り易く、かかる歪は続く電解処理によっても解放できな
いので、表面酸化物の除去は酸洗処理で行う方が好まし
い。
ついでこのような表面酸化層を除去した表面を陽極電解
処理によって磁気的平滑面化する。
処理によって磁気的平滑面化する。
電解浴は水溶性のハロゲン化物を1種以上含む水溶液を
用いる。
用いる。
ここで水溶性のハロゲン化物とは、HCl,NH4Clおよび各
種金属の塩化物又はF,Br,Iを陰イオンとする酸、そのア
ルカリ、アルカリ土類、その他の金属塩類およびアンモ
ニアム塩のうちの水溶性のもの、さらに弗化物としては
硼弗化物(BF4塩)および珪弗化物(SiF6塩)のうちの
水溶性のものを意味する。水溶性ハロゲン化物を例示す
ると、HCl,NaCl,KCl,NH4Cl,MgCl2,CaCl2,AlCl3,HF,NaF,
KF,NH4F,HBr,NaBr,KBr,MgBr2,CaBr2,NH4Br,HI,NaI,KI,N
H4I,CaI2,MgI2,H2SiF6,MgSiF6,(NH4)2SiF6,HBF4,NH4B
F4およびNaBF4等である。これらはいずれも{110}面を
有する仕上げ焼鈍後の方向性けい素鋼板に対し磁気的平
滑化効果を持つものであるが、実操業においては陰極へ
の金属析出の防止等を考慮して、これらの中から選択す
ることが望ましい。また、その濃度は、浴の電気伝導度
を確保するうえから20g/以上であることが望ましい。
なお、その組成および濃度からしてこの発明では海水の
利用も可能である。
種金属の塩化物又はF,Br,Iを陰イオンとする酸、そのア
ルカリ、アルカリ土類、その他の金属塩類およびアンモ
ニアム塩のうちの水溶性のもの、さらに弗化物としては
硼弗化物(BF4塩)および珪弗化物(SiF6塩)のうちの
水溶性のものを意味する。水溶性ハロゲン化物を例示す
ると、HCl,NaCl,KCl,NH4Cl,MgCl2,CaCl2,AlCl3,HF,NaF,
KF,NH4F,HBr,NaBr,KBr,MgBr2,CaBr2,NH4Br,HI,NaI,KI,N
H4I,CaI2,MgI2,H2SiF6,MgSiF6,(NH4)2SiF6,HBF4,NH4B
F4およびNaBF4等である。これらはいずれも{110}面を
有する仕上げ焼鈍後の方向性けい素鋼板に対し磁気的平
滑化効果を持つものであるが、実操業においては陰極へ
の金属析出の防止等を考慮して、これらの中から選択す
ることが望ましい。また、その濃度は、浴の電気伝導度
を確保するうえから20g/以上であることが望ましい。
なお、その組成および濃度からしてこの発明では海水の
利用も可能である。
また水溶性のハロゲン化物を含む水溶液にさらにポリエ
ーテルを添加した浴を用いることも有利である。ここで
ポリエーテルとは、エーテル結合(‐0-)を主鎖中に含
む線状分子であって、一般に〔MO〕担体の繰返しにより
成る高分子化合物である。ここでMは普通メチレン基ま
たはポリメチレン基およびその誘導体である。例えば、
ポリエチレングルコールCH2CH2Onはその1例であ
る。
ーテルを添加した浴を用いることも有利である。ここで
ポリエーテルとは、エーテル結合(‐0-)を主鎖中に含
む線状分子であって、一般に〔MO〕担体の繰返しにより
成る高分子化合物である。ここでMは普通メチレン基ま
たはポリメチレン基およびその誘導体である。例えば、
ポリエチレングルコールCH2CH2Onはその1例であ
る。
ここにポリエーテルの添加量は2g/以上とすることが
望ましく、一方濃度は高すぎると浴の電気電導度が低下
する上、添加量に見合う効果が期待できないため2〜30
0g/程度の範囲が適当である。
望ましく、一方濃度は高すぎると浴の電気電導度が低下
する上、添加量に見合う効果が期待できないため2〜30
0g/程度の範囲が適当である。
浴温は常温以上で任意に選ぶことができるが、あまり高
温では水の蒸発が著しく、常温ないし90℃程度が適当で
ある。電流密度は5A/dm2程度から数百A/dm2の範囲で設
定できる。しかし、浴温が低いときに100A/dm2をこえる
ような高電流密度とすると表面の処理むらを生じやすい
ので、電流密度の範囲をより広くしようとすれば、浴温
を40℃以上にした方がよい。
温では水の蒸発が著しく、常温ないし90℃程度が適当で
ある。電流密度は5A/dm2程度から数百A/dm2の範囲で設
定できる。しかし、浴温が低いときに100A/dm2をこえる
ような高電流密度とすると表面の処理むらを生じやすい
ので、電流密度の範囲をより広くしようとすれば、浴温
を40℃以上にした方がよい。
なお鉄損を低下させる見地から、この発明における電解
の電気量および電解除去量はそれぞれ300C/dm2以上、片
面当り1μm以上にすることが好ましい。
の電気量および電解除去量はそれぞれ300C/dm2以上、片
面当り1μm以上にすることが好ましい。
以上のようにこの発明においては従来の方法にくらべて
きわめて広範囲な条件下で磁気的平滑化効果を得ること
ができ、この点もこの発明が工業的に実施されるうえで
有利であることの重要な根拠となるものである。
きわめて広範囲な条件下で磁気的平滑化効果を得ること
ができ、この点もこの発明が工業的に実施されるうえで
有利であることの重要な根拠となるものである。
ここで電解反応による浴の変化をNaCl水溶液を例にとっ
て示すと次のとおりである。
て示すと次のとおりである。
陽極:Fe+2Cl-→FeCl2+2e- ……(1) 陰極:2Na++2H2O+2e-→2NaOH+H2↑ ……(2) バルク:FeCl2+2NaOH→2NaCl+Fe(OH)2↓……(3) すなわち(1)式によって生成したFeCl2と、(2)式
で生成したNaOHとは、(3)式に示した反応によって自
動的にNaClを再生する。したがって浴組成の制御は、基
本的には(3)式で生成するFe(OH)2の沈澱の除去
と、水の補給、および鋼板が系外へ持ち出すNaClの補給
を行えばよいことになり、従来の化学研磨あるいは電解
研磨にくらべ、はるかに容易かつ低コストなものとな
る。この点もこの発明方法が工業的に優れたものである
ことのひとつの理由である。
で生成したNaOHとは、(3)式に示した反応によって自
動的にNaClを再生する。したがって浴組成の制御は、基
本的には(3)式で生成するFe(OH)2の沈澱の除去
と、水の補給、および鋼板が系外へ持ち出すNaClの補給
を行えばよいことになり、従来の化学研磨あるいは電解
研磨にくらべ、はるかに容易かつ低コストなものとな
る。この点もこの発明方法が工業的に優れたものである
ことのひとつの理由である。
次に上記に従って磁気的平滑面化した鋼板表面に対し
て、(1)地鉄の一部を除去する、(2)局所的に金属
めっきを施す、処理を行う。具体的には(1)ボールペ
ンやペン等で罫書きをする要領で行うか又は超音波振動
を付加して行う等の研削手段、あるいはレーザーやプラ
ズマ照射のような鋼板に非接触で高エネルギーを付加す
る手段等が有利に適合する。
て、(1)地鉄の一部を除去する、(2)局所的に金属
めっきを施す、処理を行う。具体的には(1)ボールペ
ンやペン等で罫書きをする要領で行うか又は超音波振動
を付加して行う等の研削手段、あるいはレーザーやプラ
ズマ照射のような鋼板に非接触で高エネルギーを付加す
る手段等が有利に適合する。
(2)フォトレジスト塗料を塗布し、感光、印画した後
めっき処理するフォトレジスト法、マスキングした後め
っきするマスキング法、又は、ペースト状めっき剤を用
いてスクリーン印刷、オフセット印刷する等の手段が有
利に適合する。
めっき処理するフォトレジスト法、マスキングした後め
っきするマスキング法、又は、ペースト状めっき剤を用
いてスクリーン印刷、オフセット印刷する等の手段が有
利に適合する。
また地鉄除去部又は金属めっき部の存在状態は、圧延方
向に対して直角方向が最も有利であるが、斜め方向や正
弦波状などでもよく、連続又は断続した線状であること
が好ましい。また幅は、0.1〜0.4mmが好ましく、地鉄除
去部同士又は金属めっき部同士の間隔は2.0〜10.0mmが
好ましい。
向に対して直角方向が最も有利であるが、斜め方向や正
弦波状などでもよく、連続又は断続した線状であること
が好ましい。また幅は、0.1〜0.4mmが好ましく、地鉄除
去部同士又は金属めっき部同士の間隔は2.0〜10.0mmが
好ましい。
なお上記したハロゲン化物水溶液中での陽極電解が終っ
たあと、水洗によって鋼板表面のハロゲン化物を洗い流
してから、表面洗浄化による被膜の密着性確保のために
炭酸水素塩の水懸濁液もしくは水溶液を用いてブラシン
グ処理を施すことも有効である。ここで、炭酸水素塩と
は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸
水素カリウム等を意味する。このとき、水溶液を用いる
場合の濃度は10g/以上とすることが望ましく、10g/
未満では表面清浄化効果が十分でない。なお清浄化効果
は濃度が高いほど大きく、懸濁液がもっとも顕著である
が、10g/以上で、単なる水によるブラシング処理にく
らべて、明瞭な効果を得ることができる。ブラシングの
方法としては合成繊維あるいは天然繊維を用いたブラシ
ロールや不織布ロール等が有利に適用できる。ブラシン
グを終ったあとは直ちに水洗、乾燥することにより清浄
な表面が維持される。
たあと、水洗によって鋼板表面のハロゲン化物を洗い流
してから、表面洗浄化による被膜の密着性確保のために
炭酸水素塩の水懸濁液もしくは水溶液を用いてブラシン
グ処理を施すことも有効である。ここで、炭酸水素塩と
は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸
水素カリウム等を意味する。このとき、水溶液を用いる
場合の濃度は10g/以上とすることが望ましく、10g/
未満では表面清浄化効果が十分でない。なお清浄化効果
は濃度が高いほど大きく、懸濁液がもっとも顕著である
が、10g/以上で、単なる水によるブラシング処理にく
らべて、明瞭な効果を得ることができる。ブラシングの
方法としては合成繊維あるいは天然繊維を用いたブラシ
ロールや不織布ロール等が有利に適用できる。ブラシン
グを終ったあとは直ちに水洗、乾燥することにより清浄
な表面が維持される。
さらにハロゲン化物水溶液中で陽極電解した後の方向性
珪素鋼板の表面は極めて活性なため、大気中に曝露され
ると容易に銹を発生する。
珪素鋼板の表面は極めて活性なため、大気中に曝露され
ると容易に銹を発生する。
銹が生じると外観の劣化とともに、その後のコーティン
グの密着性の劣化をもたらし、ひいては磁気特性の劣化
を招くことになる。これを防止するには電解浴中に腐食
防止剤(インヒビター)を添加することが有効となる。
インヒビターの種類は大別して無機系と有機系に区別さ
れるがこの発明ではいずれでもよい。例を挙げれば無機
系としては、クロム酸塩、亜硝酸塩、りん酸塩等、また
有機系としては有機硫黄化合物や分子構造中に極性基の
アミノ基(‐NH2)を有するところのアミン類等が適用
できる。
グの密着性の劣化をもたらし、ひいては磁気特性の劣化
を招くことになる。これを防止するには電解浴中に腐食
防止剤(インヒビター)を添加することが有効となる。
インヒビターの種類は大別して無機系と有機系に区別さ
れるがこの発明ではいずれでもよい。例を挙げれば無機
系としては、クロム酸塩、亜硝酸塩、りん酸塩等、また
有機系としては有機硫黄化合物や分子構造中に極性基の
アミノ基(‐NH2)を有するところのアミン類等が適用
できる。
その濃度はインヒビターの種類によって効果の程度が異
なるので一概には言えないが、0.1〜50g/程度が適当
である。
なるので一概には言えないが、0.1〜50g/程度が適当
である。
また、ハロゲン化物水溶液中で方向性珪素鋼板を陽極電
解していくと浴中にFe(OH)2の沈澱が多量に生成し、
これが約2%を超えると液の粘性が上り過ぎて正常な電
解が不可能になる。
解していくと浴中にFe(OH)2の沈澱が多量に生成し、
これが約2%を超えると液の粘性が上り過ぎて正常な電
解が不可能になる。
特にアルカリ金属のハロゲン化物を主成分とした電解液
を用いる場合、Fe(OH)2の沈澱中に一定量のハロゲン
イオンが捕捉されるため、浴pHは上昇傾向を示す。そし
てpHが13を超えると均一な電解表面は得られなくなる。
これらの問題の発生を防止するにはpH緩衝剤、あるいは
Feイオンをキレート化するキレート剤の添加が有効であ
る。pH緩衝剤としてはりん酸、クエン酸、硼酸、酢酸、
グリシン、マレイン酸等およびそれらの塩等が有効であ
り、また、Feイオンのキレート剤としてはクエン酸、酒
石酸、グリコール酸等のオキシ酸、各種アミン類、ある
いはEDTAなどのポリアミノカルボン酸類、ポリりん酸塩
等が有効である。それらの添加量はおおむね1〜100g/
の範囲が良い。また、電解中の浴pHの上昇を防止する
には、浴中のFe(OH)2の沈澱をFe(OH)3に酸化する
ことも有効であり、その具体的な方法としては浴と空気
の接触を強制的に強める空気酸化あるいはH2O2等の酸化
物を浴に添加するとよい。
を用いる場合、Fe(OH)2の沈澱中に一定量のハロゲン
イオンが捕捉されるため、浴pHは上昇傾向を示す。そし
てpHが13を超えると均一な電解表面は得られなくなる。
これらの問題の発生を防止するにはpH緩衝剤、あるいは
Feイオンをキレート化するキレート剤の添加が有効であ
る。pH緩衝剤としてはりん酸、クエン酸、硼酸、酢酸、
グリシン、マレイン酸等およびそれらの塩等が有効であ
り、また、Feイオンのキレート剤としてはクエン酸、酒
石酸、グリコール酸等のオキシ酸、各種アミン類、ある
いはEDTAなどのポリアミノカルボン酸類、ポリりん酸塩
等が有効である。それらの添加量はおおむね1〜100g/
の範囲が良い。また、電解中の浴pHの上昇を防止する
には、浴中のFe(OH)2の沈澱をFe(OH)3に酸化する
ことも有効であり、その具体的な方法としては浴と空気
の接触を強制的に強める空気酸化あるいはH2O2等の酸化
物を浴に添加するとよい。
かかる一連の処理を施したあと、磁気特性のより一層の
向上を図るために、鋼板表面に張力付加型の被膜が適用
される。張力付加型被膜は従来より知られるコロイダル
シリカを含有するりん酸塩系コーティングでもよいし、
ドライあるいはウエットのめっきで形成してもよい。
向上を図るために、鋼板表面に張力付加型の被膜が適用
される。張力付加型被膜は従来より知られるコロイダル
シリカを含有するりん酸塩系コーティングでもよいし、
ドライあるいはウエットのめっきで形成してもよい。
すなわちCVD法やPVD法(イオンプレーティングやイオン
インプランティション)などの蒸着法又はめっき等によ
ってTi,Nb,Si,V,Cr,Al,Mn,B,Ni,Co,Mo,Zr,Ta,Hf,Wの窒
化物および/又は炭化物ならびにAl,Si,Mn,Mg,Zn,Tiの
酸化物のうちから選んだ少なくとも1種より主として成
る極薄被膜を鋼板表面に強固に被成するのである。
インプランティション)などの蒸着法又はめっき等によ
ってTi,Nb,Si,V,Cr,Al,Mn,B,Ni,Co,Mo,Zr,Ta,Hf,Wの窒
化物および/又は炭化物ならびにAl,Si,Mn,Mg,Zn,Tiの
酸化物のうちから選んだ少なくとも1種より主として成
る極薄被膜を鋼板表面に強固に被成するのである。
なおかかる被膜の材質としては、上掲したもののほか、
熱膨脹係数が低く鋼板に強固に付着するものであれば何
であってもよい。
熱膨脹係数が低く鋼板に強固に付着するものであれば何
であってもよい。
さらに必要により常法に従って張力付与型低熱膨脹の上
塗り絶縁被膜を被成することもできる。
塗り絶縁被膜を被成することもできる。
(実施例) 実施例1 C:0.04%,Si:3.3%,Mn:0.06%,Se:0.02%およびSb:0.02
2%を含む組成になる熱延鋼板を、中間焼鈍を含む2回
の冷間圧延により0.23mm厚の冷延板とした。ついでこの
鋼板に、830℃の湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍を施
した後、Al2O3を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してか
ら、コイル状に巻取り、850℃で50時間の2次再結晶焼
鈍及び1200℃で5時間の純化焼鈍を施した。
2%を含む組成になる熱延鋼板を、中間焼鈍を含む2回
の冷間圧延により0.23mm厚の冷延板とした。ついでこの
鋼板に、830℃の湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍を施
した後、Al2O3を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してか
ら、コイル状に巻取り、850℃で50時間の2次再結晶焼
鈍及び1200℃で5時間の純化焼鈍を施した。
その後、未反応の焼鈍分離剤を除去し、平坦化焼鈍を施
してコイルの巻きぐせを矯正し、供試材とした。
してコイルの巻きぐせを矯正し、供試材とした。
かかる供試材の表面の酸化物被膜を酸洗により除去し、
ついで表1に示す条件の塩化物水溶液中で電解処理を行
った後、鉄損(W17/50)を測定した。比較のためにり
ん酸とクロム酸を用いて行う鏡面研磨法(比較例8)と
機械研磨法(エメリー#1000+バフ仕上げ:比較例9)
とを行った。
ついで表1に示す条件の塩化物水溶液中で電解処理を行
った後、鉄損(W17/50)を測定した。比較のためにり
ん酸とクロム酸を用いて行う鏡面研磨法(比較例8)と
機械研磨法(エメリー#1000+バフ仕上げ:比較例9)
とを行った。
その後、超音波加工機を用いて、地鉄の除去部を0.2mm
幅、間隔4mmにて圧延方向に直角に形成した。なお、振
動体としては、先端径1mmの電着ダイヤモンド棒を使用
し、振動数30kHz、振動ストローク40μmとした。つい
で、イオンプレーティング処理にてTiN膜を1μm厚で
蒸着し、TiN膜被成後800℃で2時間の歪取り焼鈍を行っ
た。各段階での鉄損の測定結果を表1に示す。
幅、間隔4mmにて圧延方向に直角に形成した。なお、振
動体としては、先端径1mmの電着ダイヤモンド棒を使用
し、振動数30kHz、振動ストローク40μmとした。つい
で、イオンプレーティング処理にてTiN膜を1μm厚で
蒸着し、TiN膜被成後800℃で2時間の歪取り焼鈍を行っ
た。各段階での鉄損の測定結果を表1に示す。
同表から明らかなように、この発明に従って得られた適
合例はいずれも鉄損の向上度が大きく、これに対して比
較例はいずれも鉄損の改善はわずかなものでしかなかっ
た。
合例はいずれも鉄損の向上度が大きく、これに対して比
較例はいずれも鉄損の改善はわずかなものでしかなかっ
た。
実施例2 C:0.058%、Si3.3%、Mn:0.08%、Al:0.025%、S:0.02
%およびN:0.008%を含有する熱延鋼板を0.3mm厚まで冷
間圧延した後、脱炭焼鈍を施し、ついでMgOを主成分と
した焼鈍分離剤を塗布後、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ
焼鈍後の鉄損はW17/50で1.05W/kgであった。さらに鋼
板表面のフォルステライト被膜を酸洗で除去した後、KC
l50g/、40℃の水溶液中で、供試材を陽極として75A/d
m2、3000クーロン/dm2の条件下にて電解処理を施した。
得られた鋼板の鉄損はW17/50=0.82W/kgであった。
%およびN:0.008%を含有する熱延鋼板を0.3mm厚まで冷
間圧延した後、脱炭焼鈍を施し、ついでMgOを主成分と
した焼鈍分離剤を塗布後、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ
焼鈍後の鉄損はW17/50で1.05W/kgであった。さらに鋼
板表面のフォルステライト被膜を酸洗で除去した後、KC
l50g/、40℃の水溶液中で、供試材を陽極として75A/d
m2、3000クーロン/dm2の条件下にて電解処理を施した。
得られた鋼板の鉄損はW17/50=0.82W/kgであった。
ついで振動体として先端が60゜の角度をもつ1辺が8mm
の#1000焼結ダイヤモンドの三角柱を使用し、振動数25
kHz、振動ストローク20μmとして、幅0.3mm、間隔3mm
で圧延方向との角度80゜の線状の地鉄除去部を形成し
た。このときの鉄損は、W17/50=0.75W/kgであった。
の#1000焼結ダイヤモンドの三角柱を使用し、振動数25
kHz、振動ストローク20μmとして、幅0.3mm、間隔3mm
で圧延方向との角度80゜の線状の地鉄除去部を形成し
た。このときの鉄損は、W17/50=0.75W/kgであった。
さらに、Si3N4膜をイオンプレーティング処理でコーテ
ィング(厚み1μm)したところ、鉄損はW17/50=0.6
5W/kgまで低減した。
ィング(厚み1μm)したところ、鉄損はW17/50=0.6
5W/kgまで低減した。
次に800℃で3時間の歪取り焼鈍を施したが、鉄損はW
17/50=0.64W/kgと劣化しなかった。
17/50=0.64W/kgと劣化しなかった。
実施例3 C:0.045%,Si:3.25%,Mn:0.072%,Se:0.019%およびSb:
0.020%を含む組成になる熱延鋼板を、中間焼鈍を含む
2回の冷間圧延により0.23mm厚の冷延板とした。ついで
この鋼板に、830℃の湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍
を施した後、Al2O3を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し
てから、コイル状に巻取り、850℃で50時間の2次再結
晶焼鈍及び1200℃で5時間の純化焼鈍を施した。
0.020%を含む組成になる熱延鋼板を、中間焼鈍を含む
2回の冷間圧延により0.23mm厚の冷延板とした。ついで
この鋼板に、830℃の湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍
を施した後、Al2O3を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し
てから、コイル状に巻取り、850℃で50時間の2次再結
晶焼鈍及び1200℃で5時間の純化焼鈍を施した。
その後、未反応の焼鈍分離剤を除去し、平坦化焼鈍を施
してコイルの巻きぐせを矯正し、供試材とした。
してコイルの巻きぐせを矯正し、供試材とした。
かかる供試材の表面の酸化物被膜を酸洗により除去し、
ついで表2に示す条件の塩化物水溶液中で電解処理を行
った後、鉄損(W17/50)を測定した。比較のためにり
ん酸とクロム酸を用いて行う鏡面研磨法(比較例6)と
機械研磨法(エメリー#1000+バフ仕上げ:比較例7)
とを行った。
ついで表2に示す条件の塩化物水溶液中で電解処理を行
った後、鉄損(W17/50)を測定した。比較のためにり
ん酸とクロム酸を用いて行う鏡面研磨法(比較例6)と
機械研磨法(エメリー#1000+バフ仕上げ:比較例7)
とを行った。
その後、フォトレジスト法によりWatt浴(硫酸ニッケル
240g/、塩化ニッケル45g/、硼酸30g/、温度60
℃)中で10A/dm2の電流密度で10秒間Niメッキを施し
た。
240g/、塩化ニッケル45g/、硼酸30g/、温度60
℃)中で10A/dm2の電流密度で10秒間Niメッキを施し
た。
ついでイオンプレーティング処理にてTiN膜を1μm厚
で蒸着し、TiN膜被成後800℃で2時間の歪取り焼鈍を行
った。各段階での鉄損の測定結果を表2に示す。
で蒸着し、TiN膜被成後800℃で2時間の歪取り焼鈍を行
った。各段階での鉄損の測定結果を表2に示す。
同表から明らかなように、この発明に従って得られた適
合例はいずれも鉄損の向上度が大きく、これに対して比
較例はいずれも鉄損の改善はわずかなものでしかなかっ
た。
合例はいずれも鉄損の向上度が大きく、これに対して比
較例はいずれも鉄損の改善はわずかなものでしかなかっ
た。
実施例4 C:0.057%,Si:3.3%,Mn:0.08%,S:0.02%,Al:0.025%お
よびN:0.008%を含有する熱延鋼板を0.30mm厚まで冷間
圧延した後、脱炭焼鈍を施し、ついでMgOを主成分とす
る焼鈍分離剤を塗布後、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼
鈍後の鉄損はW17/50=1.04W/kgであった。さらに鋼板
表面のフォルステライト被膜を酸洗で除去した後、KCl1
50g/、40℃の水溶液中で供試材を陽極として100A/d
m2,3000C/dm2の条件下にて電解処理を施した。得られた
鋼板の鉄損はW17/50=0.85W/Kgであった。
よびN:0.008%を含有する熱延鋼板を0.30mm厚まで冷間
圧延した後、脱炭焼鈍を施し、ついでMgOを主成分とす
る焼鈍分離剤を塗布後、仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼
鈍後の鉄損はW17/50=1.04W/kgであった。さらに鋼板
表面のフォルステライト被膜を酸洗で除去した後、KCl1
50g/、40℃の水溶液中で供試材を陽極として100A/d
m2,3000C/dm2の条件下にて電解処理を施した。得られた
鋼板の鉄損はW17/50=0.85W/Kgであった。
さらに、マスキング法によりSnめっきを0.25mm幅、厚み
0.002mmにて圧延方向に直角に、めっき部同士の間隔8mm
で施した。このときの鉄損はW17/50=0.77W/kgであっ
た。
0.002mmにて圧延方向に直角に、めっき部同士の間隔8mm
で施した。このときの鉄損はW17/50=0.77W/kgであっ
た。
さらにコロイダルシリカーりん酸マグネシウム−無水ク
ロム酸になる組成の張力付与型コーティング膜を被成し
たところ、鉄損はW17/50=0.69W/kgまで低減した。
ロム酸になる組成の張力付与型コーティング膜を被成し
たところ、鉄損はW17/50=0.69W/kgまで低減した。
次に800℃で3時間の歪取り焼鈍を施したが、鉄損はW
17/50=0.69W/kgと劣化しなかった。
17/50=0.69W/kgと劣化しなかった。
実施例5 C:0.042%,Si:3.20%,Mn:0.068%,Se:0.017%およびSb:
0.019%を含有する組成になる熱延鋼板を、中間焼鈍を
含む2回の冷間圧延により、0.20mm厚の冷延板とした。
ついでこの鋼板に、830℃の湿水素中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を施した後、Al2O3を主成分とする焼鈍分離剤を
塗布してから、コイル状に巻き取り、850℃で50時間の
2次再結晶焼鈍及び1200℃で5時間の純化焼鈍を施し
た。
0.019%を含有する組成になる熱延鋼板を、中間焼鈍を
含む2回の冷間圧延により、0.20mm厚の冷延板とした。
ついでこの鋼板に、830℃の湿水素中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を施した後、Al2O3を主成分とする焼鈍分離剤を
塗布してから、コイル状に巻き取り、850℃で50時間の
2次再結晶焼鈍及び1200℃で5時間の純化焼鈍を施し
た。
その後、未反応の焼鈍分離剤を除去し、平坦化焼鈍を施
してコイルの巻きぐせを強制し、供試材とした。
してコイルの巻きぐせを強制し、供試材とした。
かかる供試材の表面の酸化物被膜を酸洗により除去し、
ついで表3に示す条件の水溶液中で電解処理を行った
後、鉄損(W17/50)を測定した。比較のためにりん酸
とクロム酸を用いて行う鏡面研摩法(比較例8)と機械
研磨法(エメリー#1000+バフ仕上げ:比較例9)とを
行った。
ついで表3に示す条件の水溶液中で電解処理を行った
後、鉄損(W17/50)を測定した。比較のためにりん酸
とクロム酸を用いて行う鏡面研摩法(比較例8)と機械
研磨法(エメリー#1000+バフ仕上げ:比較例9)とを
行った。
その後、超音波加工機を用いて、地鉄の除去部を0.05mm
幅、間隔5mmにて圧延方向と直角に形成した。なお、振
動体としては、先端径0.8mmのダイヤモンドを電着した
針子を用い、振動数20kHz、振動ストローク10μmとし
た。ついで、イオンプレーティング処理にて、TiN膜を
0.9μm厚で蒸着した。TiN被成後800℃で3時間の歪取
り焼鈍を行った。各段階の鉄損の測定結果を表3に示
す。
幅、間隔5mmにて圧延方向と直角に形成した。なお、振
動体としては、先端径0.8mmのダイヤモンドを電着した
針子を用い、振動数20kHz、振動ストローク10μmとし
た。ついで、イオンプレーティング処理にて、TiN膜を
0.9μm厚で蒸着した。TiN被成後800℃で3時間の歪取
り焼鈍を行った。各段階の鉄損の測定結果を表3に示
す。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、鉄損の極めて低い、特に歪
取り焼鈍によっても鉄損が劣化しない方向性けい素鋼板
を安定にしかも安価に得ることができる。
取り焼鈍によっても鉄損が劣化しない方向性けい素鋼板
を安定にしかも安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図(a)(b)はこの発明に従う処理を施したけい
素鋼板の鉄損改善代を示すグラフ、 第2図は面方位の異なる結晶面を示す金属組織写真、 第3図は各種の鋼板表面状態における鉄損を示すグラフ
である。
素鋼板の鉄損改善代を示すグラフ、 第2図は面方位の異なる結晶面を示す金属組織写真、 第3図は各種の鋼板表面状態における鉄損を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上 力 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内
Claims (2)
- 【請求項1】仕上げ焼鈍済みの方向性けい素鋼板に、水
溶性のハロゲン化物を1種以上含む水溶液中で電解によ
る磁気的平滑化処理を施し、ついで鋼板表面の地鉄の一
部を圧延方向を横切って延びる連続又は断続した線状に
除去した後、この鋼板表面に張力付与型の絶縁被膜を被
成することを特徴とする歪取り焼鈍によって特性が劣化
しない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法。 - 【請求項2】仕上げ焼鈍済みの方向性けい素鋼板に、水
溶性のハロゲン化物を1種以上含む水溶液中で電解によ
る磁気的平滑化処理を施し、ついで鋼板表面に圧延方向
を横切って延びる連続又は断続した線状の金属めっきを
施した後、この鋼板表面に張力付与型の絶縁被膜を被成
することを特徴とする歪取り焼鈍によって特性が劣化し
ない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63186977A JPH079041B2 (ja) | 1988-07-28 | 1988-07-28 | 歪取り焼鈍によって特性が劣化しない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63186977A JPH079041B2 (ja) | 1988-07-28 | 1988-07-28 | 歪取り焼鈍によって特性が劣化しない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0238527A JPH0238527A (ja) | 1990-02-07 |
JPH079041B2 true JPH079041B2 (ja) | 1995-02-01 |
Family
ID=16198039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63186977A Expired - Lifetime JPH079041B2 (ja) | 1988-07-28 | 1988-07-28 | 歪取り焼鈍によって特性が劣化しない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH079041B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2592740B2 (ja) * | 1992-01-27 | 1997-03-19 | 新日本製鐵株式会社 | 超低鉄損一方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
FR2701471B1 (fr) * | 1993-02-10 | 1995-05-24 | Rhone Poulenc Chimie | Procédé de synthèse de compositions à base d'oxydes mixtes de zirconium et de cérium, compositions ainsi obtenues et utilisations de ces dernières. |
JP2012238832A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-12-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 圧粉成形体の製造方法、圧粉成形体、リアクトル、コンバータおよび電力変換装置 |
-
1988
- 1988-07-28 JP JP63186977A patent/JPH079041B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0238527A (ja) | 1990-02-07 |
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