JPH0790318A - 金属粉末射出成形法によるチタン系焼結体の製造方法 - Google Patents

金属粉末射出成形法によるチタン系焼結体の製造方法

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JPH0790318A
JPH0790318A JP6046838A JP4683894A JPH0790318A JP H0790318 A JPH0790318 A JP H0790318A JP 6046838 A JP6046838 A JP 6046838A JP 4683894 A JP4683894 A JP 4683894A JP H0790318 A JPH0790318 A JP H0790318A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Ti系粉末に特別な処理を施すことなく、酸素
の増加が抑制された焼結体とし、優れた物性のTiおよ
びTi合金焼結体を容易に製造する方法を提供すること
を目的とする。 【構成】比表面積が0.01m2/gを超えて0.15m2/g
以下であり、かつ、酸素含有量が0.4wt%以下であ
るチタンまたはチタン合金の粉末をバインダーと混練し
て射出成形して成形体とし、得られた成形体を減圧下も
しくは非酸化性雰囲気下で500℃以下で加熱し脱バイ
ンダー処理した後、脱バインダー処理した成形体を真空
下もしくは非酸化性雰囲気下に1150〜1400℃で
焼結することを特徴とする金属粉末射出成形法によるチ
タン系焼結体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属粉末射出成形法に
よるチタン(Ti)系焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】TiおよびTi合金は比強度が大きく、
しかも耐食性に優れた特性を有するため、航空機用材料
や化学装置の耐食材料、スポーツ用品、時計、眼鏡等に
用いられている。しかしながら、鍛造や切削の加工性が
劣るため、その製造方法が問題とされ、粉末冶金法によ
るTiおよびTi合金の製造が注目されている。粉末冶
金の中でも、寸法精度が優れ、複雑な形状の部品が製造
可能な金属粉末射出成形法によるTiおよびTi合金の
製造に対する要望が高くなっている。
【0003】TiおよびTi合金の製造において特に重
要な点は、脆化を防ぐため、炭素、酸素等の固溶元素の
含有量を極力下げることにある。金属粉末射出成形法で
は、金属粉末と有機バインダーを混練して、成形、脱バ
インダー(脱脂)、焼結というプロセスを経るが、活性
なTi粉末を用いた場合にはバインダー中の酸素とTi
粉末とが反応して脱バインダー後に酸素量が増大してし
まう。金属粉末射出成形法によるFe系合金やステンレ
ス鋼の製造においては、焼結時の炭素と酸素との反応に
よって脱バインダー後に残留する炭素、酸素を取り除く
ことが可能であるが、TiおよびTi合金においては、
Tiの炭化物および酸化物が安定なために、焼結時に炭
素と酸素の反応によって酸素を取り除くことは不可能で
あり、そのため脱バインダー後の酸素はそのまま焼結体
の酸素として残る。このため酸素量の低いTi合金焼結
体を製造するために粉末の表面にNi,Co,Cu,A
g,Auなどの金属種を被覆することにより酸素の増加
を抑制する方法がある。また、Ti製のケースの中に焼
結用試料を入れ、焼結するといった方法が、特開平3−
267306号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の方
法では、Ti粉末を他の金属で被覆するため、工程が複
雑となり、コストアップが避けられないという問題があ
った。本発明はTi系粉末に特別な処理を施すことな
く、酸素の増加が抑制された焼結体とし、優れた物性の
TiおよびTi合金焼結体を容易に製造する方法を提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のTi
系焼結体の製造方法は、粉末冶金と射出成形法を組み合
わせた加工法である金属粉末射出成形法を用いた方法で
あって、比表面積が0.01m2/gを超えて0.15m2/g
以下であり、かつ、酸素含有量が0.4wt%以下であ
るチタン及びチタン合金粉末をバインダーと混練し射出
成形して成形体とし、得られた成形体を減圧下もしくは
非酸化性雰囲気下に500℃以下で脱バインダー処理し
た後、脱バインダー処理した成形体を真空下もしくは非
酸化性雰囲気下に1150〜1400℃で焼結すること
を特徴とする金属射出成形法によるチタン系焼結体の製
造方法である。
【0006】また、本発明の製造方法は、比表面積が
0.01m2/gを超えて0.15m2/g以下であり、かつ、
酸素含有量が0.4wt%以下であるチタンまたはチタ
ン合金粉末と、平均粒径50μm以下で酸素含有量が1
wt%以下であるTi以外の金属粉末またはTiを含ま
ない合金粉末を50wt%以下混合した粉末を用いるこ
とを特徴とする。
【0007】さらに、本発明の製造方法は、比表面積が
0.01m2/gを超えて0.15m2/g以下であり、かつ、
酸素含有量が0.4wt%以下、平均粒径40μm以
下、タップによる粉末充填率が60vol%以上のチタ
ンまたはチタン合金粉末を用い、バインダー添加率を4
0vol%以下にして混練した、混合物を射出成形して
得られた成形体を用いることを特徴とする。
【0008】ここで、本発明の製造方法は、チタンまた
はチタン合金粉末がガスアトマイズ粉末であることが好
ましい。
【0009】
【作用】以下に本発明の製造方法の詳細を説明する。
【0010】本発明において原料とするTiまたはTi
合金粉末としては、水素化脱水素粉(HDH粉)および
ガスアトマイズ粉が好ましく使用される。さらに本発明
におけるTi粉末としては、金属チタンの粉末ばかりで
なく、粉末冶金法に広く使用されているチタン系合金粉
末および混合粉末も用いられる。Ti系合金粉末として
は、Ti−6wt%Al−4wt%V、Ti−0.2w
t%Pd等が例示される。Ti以外の金属粉末としては
Al粉末、V粉末、Mo粉末、Cr粉末、Sn粉末、P
d粉末、Zr粉末が、また、Ti以外の合金粉末として
は、Al−V粉末、Zr−Al粉末等があり、これらの
少量をTiと混合してもよい。
【0011】これらのTi以外の金属あるいはTiを含
まない合金粉末は、平均粒径50μm以下、酸素含有量
1wt%以下、添加量は50wt%以下とする。平均粒
径が50μm超では均一な合金化が困難となる。また、
酸素含有量が1wt%超では焼結体の特性が劣化する。
さらに、これらのTi以外の金属あるいはTiを含まな
い合金粉末の添加量が50wt%を越えると均一な合金
化が困難となる。好ましくは、平均粒径40μm以下、
酸素含有量0.7wt%以下、添加量は40wt%以下
とする。平均粒径30μm以下、酸素含有量0.5wt
%以下、添加量は20wt%以下の粉末を用いることが
特に好ましい。
【0012】本発明におけるTiまたはTi合金粉末
は、その比表面積がBET法により測定して0.01m2
/gを超え0.15m2/g以下のものであり、好ましくは
0.025〜0.14m2/gとされる。比表面積が0.0
1m2/g以下では粉末の粒径が大きくなるため焼結密度が
十分上がらず、比表面積が0.15m2/gを超えると酸素
との反応による焼結体の酸素量が増大する。粉末の比表
面積を小さくするために、Ti粉末に機械的な球状化処
理等を施したものを用いてもよい。
【0013】本発明におけるTiまたはTi合金粉末の
酸素含有量は、0.4wt%以下でなければならない。
TiまたはTi合金粉末の酸素はそのまま焼結体の酸素
として残るので、TiまたはTi合金粉末の酸素量が
0.4wt%を超えると焼結体の酸素量も0.4wt%
を超えて焼結体の延性が大きく低下する。好ましくは、
酸素含有量は、0.3wt%以下とする。
【0014】次に、さらに焼結体特性を向上させるため
には、以下のような粉末の粒径および粉末のタップ充填
率を持つ粉末を用いることが望ましい。まず、本発明で
使用するTiまたはTi合金粉末はタップによる粉末充
填率が60vol%以上の粉末とする。通常このような
充填率が得られる粉末は、球状あるいは球に近い形状の
粉末であり、現在市販されている球状Ti粉末としては
ガスアトマイズ粉末およびプラズマ回転電極法による粉
末があるが、プラズマ回転電極法による粉末は粒径が1
00μm以上と大きいため、射出成形が困難である。こ
れに対してガスアトマイズ粉末は分級により、平均粒径
数十μmの粉末を得ることができる。この粉末は充填性
に優れることから、射出成形に必要な有機バインダー量
の低減が可能となる。これによりバインダー体積を40
%以下に抑えることができ、脱脂焼結時のC,Oの増加
が低下し、引っ張り特性に優れるTiまたはTi合金焼
結体を得ることができる。
【0015】バインダー量が40vol%を越えると脱
脂焼結時のC,Oの増加が大きくなり、伸びが劣化す
る。好ましくは、粉末充填率(タップ時)が65%以
上、バインダー量は10%以上35%以下に抑えること
が望ましい。また、TiまたはTi合金粉末の平均粒径
は、好ましくは40μm以下とする。平均粒径が40μ
m以下であると成形性がよい。好ましくは、平均粒径で
20〜35μmとする。以上のTiまたはTi合金粉末
はバインダーと混練され、射出成形されて成形体とされ
る。この際のバインダーには、一般の金属射出成形法に
使用される有機バインダーが用いられる。
【0016】TiまたはTi合金粉末、またはTi以外
の金属粉末あるいはTiを含まない合金粉末とバインダ
ーとの混練は加圧ニーダー、プラストミル、ロールミ
ル、バンバリーミキサー、単軸スクリュー混練機、2軸
スクリュー混練機などせん断作用による混練を行う混練
機が使用でき、これら2種以上を組み合わせて混練して
もよい。混練順序はいずれの順序でもよく、Tiおよび
Ti合金粉末とすべてのバインダー成分を同時に混練し
てもよく、また、すべてのバインダー成分を先に混練し
た後にTiおよびTi合金粉末を投入して混練しても良
い。またTiおよびTi合金粉末とバインダーのある成
分を先に混練して後から残りのバインダー成分を加えて
も良い。バインダーと混練されたTiおよびTi合金粉
末の成形は一般的な熱可塑性プラスチック用射出成形機
を用いて行うことができる。射出方式はプランジャ式、
プランジャプリプラ式、スクリュプリプラ式、インライ
ンスクリュ式のいずれでもよい。
【0017】射出成形により得られた形成体は、次いで
脱バインダーされる。この脱バインダーは酸化を防ぐた
めに、減圧中あるいは非酸化性雰囲気中で500℃以下
での熱分解法により行う。脱バインダー温度が500℃
を超えると、雰囲気からの酸化により酸素量が増大す
る。減圧雰囲気は、1〜10-5Torrが好ましく、非
酸化性雰囲気としては、窒素、アルゴン、窒素+アルゴ
ン雰囲気が例示される。望ましい脱バインダー温度は、
300〜400℃の範囲である。
【0018】脱バインダーされた成形体は焼結される。
この焼結も酸化を防ぐために、真空中あるいは非酸化性
雰囲気で1150〜1400℃で行う。焼結温度が11
50℃未満では焼結密度が十分に上がらず、1400℃
を超えると雰囲気からの酸化により酸素量が増大する。
減圧雰囲気は、0.1〜10-5Torrが好ましく、非
酸化性雰囲気としては、窒素、アルゴン、窒素+アルゴ
ン雰囲気が例示される。望ましい焼結温度は、1200
〜1350℃の範囲である。
【0019】このように、本発明に係る製造方法によれ
ば、得られるTi系焼結体は酸素含量が0.4wt%以
下となるために、チタンの優れた物性が損なわれること
のない焼結体となる。従って本発明によれば優れた物性
のTi系焼結体を容易に製造することが可能である。
【0020】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。
【0021】(実施例1)表1に示す比表面積、酸素含
有量、平均粒径および粉末充填率(タップ密度)を有す
るTi粉末(A〜J)を原料とした。各粉末は篩あるい
は空気分級機により表1に示した分級点で分級し、BE
T法により比表面積を測定されたものである。このTi
粉末を熱可塑性樹脂、ワックス、可塑材からなる有機バ
インダーを表2に示す量添加し、加圧ニーダーにより混
練して金属粉末射出成形用コンパウンドを作製した。こ
れらコンパウンドをインラインスクリュ式の射出成形機
を用いて55×10×3mmの抗折力試験片に成形し
た。成形体は窒素中で表2に示した温度まで48時間で
昇温することにより脱脂(脱バインダー)を行った。続
いて脱脂成形体をアルゴンガス中で表2に示した温度で
2時間保持し、焼結を行った。以上のようにして得られ
た本発明例1〜10及び比較例1〜7の焼結体の酸素
量、焼結密度比および抗折力(支点間距離25mmの3
点曲げ試験法で測定)、ビッカース硬度および引張り試
験における伸びを測定した。各々の測定結果を表2に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表2に示すように、本発明による焼結体は
Ti粉末の比表面積を0.01m2/gより大きくすること
により焼結密度が上昇している(本発明例1〜10)。
また比表面積を0.15m2/g以下にすることによりTi
粉末は低い酸素量を示す(比較例1〜4、本発明例1〜
10)。脱脂温度の影響では、脱脂温度が500℃を超
えると雰囲気からの酸化により焼結体の酸素量が増大し
ている(比較例5)。焼結温度の影響では1150℃未
満では焼結密度が上がっていない(比較例6)。140
0℃を超えると雰囲気からの酸化により焼結体の酸素量
が増大している(比較例7)。このように比表面積が
0.01m2/gを超え0.15m2/g以下かつ酸素量0.4
wt%以下のTi粉末を用い、非酸化性雰囲気で500
℃以下で脱脂、1150から1400℃で焼結すること
により、焼結体の酸素量は0.4wt%以下となり、こ
れに伴い抗折力は高い値を示し、硬度は低い値を示し、
脆性が改善されている(本発明例1〜10)。また、粉
末充填率が低く、バインダー量が40vol%を越える
場合、伸びの変化が見られた(本発明例4〜7)。
【0025】(実施例2)表1に示す比表面積および酸
素含有量を有するTi粉末(A〜J)と、平均粒径25
μmのAl−40V合金粉末とを、Ti粉末:Al−4
0V合金粉末=9:1(重量比)の割合でV型混合機に
より15分間混合して混合粉末を得た。この混合粉末を
用いて実施例1と同様に混練、成形を行い、窒素中で表
3に示した温度まで48時間で昇温することにより脱脂
を行い、続いてアルゴンガス中で表3に示した温度で2
時間保持し、焼結を行った。以上のようにして得られた
本発明例11〜20及び比較例8〜14の焼結体の酸素
量、焼結密度比および抗折力、硬度の測定結果を表3に
示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3に示すように、本発明による焼結体は
Ti粉末の比表面積を0.01m2/gより大きくすること
により焼結密度が上昇している(本発明例11〜2
0)。また比表面積を0.15m2/g以下にすることによ
りTi粉末は低い酸素量を示す(比較例8〜11、本発
明例11〜20)。焼結温度の影響では1150℃未満
では焼結密度が上がっていない(比較例13)。140
0℃を超えると雰囲気からの酸化により焼結体の酸素量
が増大している(比較例14)。このように比表面積が
0.01m2/gを超え0.15m2/g以下かつ酸素量0.4
wt%以下のTi粉末を用い、非酸化性雰囲気で500
℃以下で脱脂、1150から1400℃で焼結すること
により、焼結体の酸素量は0.4wt%以下となり、こ
れに伴い抗折力は高い値を示し、硬度は低い値を示し、
脆性が改善されている(本発明例11〜20)。また、
粉末充填率が低く、バインダー量が40vol%を越え
る場合、伸びの変化が見られた(本発明例14〜1
7)。
【0028】(実施例3)表4に示す比表面積、酸素含
有量、平均粒径および粉末充填率(タップ密度)を有す
るTi合金粉末(K〜T)を原料とした。各粉末は篩あ
るいは空気分級機により表4に示した分級点で分級し、
BET法により比表面積を測定されたものである。この
Ti合金粉末を熱可塑性樹脂、ワックス、可塑材からな
る有機バインダーを表5に示す量添加し、加圧ニーダー
により混練して金属粉末射出成形用コンパウンドを作製
した。これらコンパウンドをインラインスクリュ式の射
出成形機を用いて55×10×3mmの抗折力試験片に
成形した。成形体は窒素中で表5に示した温度まで48
時間で昇温することにより脱脂を行った。続いて脱脂成
形体をアルゴンガス中で表5に示した温度で2時間保持
し、焼結を行った。以上のようにして得られた本発明例
21〜28及び比較例15〜18の焼結体の酸素量、焼
結密度比および抗折力(支点間距離25mmの3点曲げ
試験法で測定)、ビッカース硬度および引張り試験にお
ける伸びを測定した。各々の測定結果を表5に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表5に示すように、本発明による焼結体は
混合粉末中のTi含有粉末の比表面積を0.01m2/gよ
り大きくすることにより焼結密度が上昇している(本発
明例21〜28)。また比表面積を0.15m2/g以下に
することによりTi粉末は低い酸素量を示す(比較例1
5、16、本発明例21〜28)。バインダー量の影響
では、バインダー量が40vol%を越えると、脱脂温
度及び焼結温度が本発明の方法の温度範囲内であっても
酸素量が増加した(比較例15、16)。焼結温度の影
響では1150℃未満では焼結密度が上がっていない
(比較例17)。1400℃を超えると雰囲気からの酸
化により焼結体の酸素量が増大している(比較例1
8)。このように比表面積が0.01m2/gを超え0.1
5m2/g以下かつ酸素量0.4wt%以下のTi含有粉末
を用い、非酸化性雰囲気で500℃以下で脱脂、115
0から1400℃で焼結することにより、焼結体の酸素
量は0.4wt%以下となり、これに伴い抗折力は高い
値を示し、硬度は低い値を示し、脆性が改善されている
(本発明例21〜28)。
【0032】(実施例4)表6に示す比表面積および酸
素含有量を有するTi粉末(D1〜D8、K1〜K3)
に、表7に示す金属または合金粉末を添加合金粉末とし
て添加して、表6に示す混合粉合金組成となるように、
V型混合機により15分間混合して混合粉末を得た。こ
の混合粉末を用いて実施例1と同様に表8に示すバイン
ダー量で混練、成形を行い、窒素中で表8に示した温度
まで48時間で昇温することにより脱脂を行い、続いて
アルゴンガス中で表8に示した温度で2時間保持し、焼
結を行った。以上のようにして得られた本発明例29〜
37及び比較例19〜20の焼結体の酸素量、焼結密度
比および抗折力、硬度および伸びを測定した。各々の測
定結果を表8に示す。
【0033】
【表6】
【0034】
【0035】
【表7】
【0036】表8に示すように、本発明の焼結体は混合
粉末中のTi含有粉末の比表面積を0.01m2/gより大
きくすることにより焼結密度が上昇している(本発明例
29〜37)。また比表面積を0.15m2/g以下にする
ことによりTi粉末は低い酸素量を示す(比較例19〜
21、本発明例29〜37)。バインダー量の影響で
は、バインダー量が40vol%を越えると、脱脂温度
及び焼結温度が本発明の方法の温度範囲内であっても酸
素量が増加した(比較例19、20)。焼結温度の影響
では1150℃未満では焼結密度が上がっていない(比
較例20)。1400℃を超えると雰囲気からの酸化に
より焼結体の酸素量が増大している(比較例21)。こ
のように比表面積が0.01m2/gを超え0.15m2/g以
下かつ酸素量0.4wt%以下のTi含有粉末を用い、
バインダー量を40vol%以下とし、非酸化性雰囲気
で500℃以下で脱脂、1150から1400℃で焼結
することにより、焼結体の酸素量は0.4wt%以下と
なり、これに伴い抗折力は高い値を示し、硬度は低い値
を示し、脆性が改善されている(本発明例29〜3
7)。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、酸素量の低いT
iおよびTi合金焼結体を容易に製造することが可能と
なり本発明はTiおよびTi合金の脆性改善に大きく寄
与するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 1/04 E B22F 3/02 L

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積が0.01m2/gを超えて0.15
    m2/g以下であり、かつ、酸素含有量が0.4wt%以下
    であるチタンまたはチタン合金の粉末をバインダーと混
    練して射出成形して成形体とし、得られた成形体を減圧
    下もしくは非酸化性雰囲気下で500℃以下で加熱し脱
    バインダー処理した後、脱バインダー処理した成形体を
    真空下もしくは非酸化性雰囲気下に1150〜1400
    ℃で焼結することを特徴とする金属粉末射出成形法によ
    るチタン系焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】比表面積が0.01m2/gを超えて0.15
    m2/g以下であり、かつ、酸素含有量が0.4wt%以下
    であるチタンまたはチタン合金粉末と、平均粒径50μ
    m以下で酸素含有量が1wt%以下であるTi以外の他
    の金属粉末またはTiを含まない合金粉末を50wt%
    以下混合した粉末を用いることを特徴とする請求項1記
    載のチタン系焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】比表面積が0.01m2/gを超えて0.15
    m2/g以下であり、かつ、酸素含有量が0.4wt%以
    下、平均粒径40μm以下、タップによる粉末充填率が
    60vol%以上のチタンまたはチタン合金粉末を用
    い、バインダー添加率を40vol%以下にして混練し
    た混合物を射出成形して得られた成形体を用いることを
    特徴とする請求項1記載のチタン系焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】チタンまたはチタン合金粉末がガスアトマ
    イズ粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のチタン系焼結体の製造方法。
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