JPH0790251B2 - スプレーヘッダ及びこれを用いた圧延油供給装置 - Google Patents

スプレーヘッダ及びこれを用いた圧延油供給装置

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JPH0790251B2
JPH0790251B2 JP27316391A JP27316391A JPH0790251B2 JP H0790251 B2 JPH0790251 B2 JP H0790251B2 JP 27316391 A JP27316391 A JP 27316391A JP 27316391 A JP27316391 A JP 27316391A JP H0790251 B2 JPH0790251 B2 JP H0790251B2
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浩治 川島
謙 岡本
輝弘 斎藤
智弘 金子
恭裕 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スプレーヘッダ及びこ
れを用いた圧延油供給装置に係り、特に、冷間圧延もし
くは熱間圧延において、圧延油を水で希釈してエマルジ
ョン状態で供給する際に用いるのに好適なスプレーヘッ
ダ及びこれを用いた圧延油供給装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】圧延機の圧延ロールと被圧延材(以下、
ストリップと称する)の間の摩擦を低減させてストリッ
プの加工を容易にしたり、ストリップの表面をきれいな
製品となるように仕上げたりするため、圧延油が使用さ
れる。
【0003】このような圧延油をストリップ等に供給す
る装置の1つに、図5に示すものがある(特公昭63−
124号)。この圧延油供給装置は、冷間圧延において
ダイレクト方式と呼ばれるものであって、一過式の圧延
油供給装置である。
【0004】即ち、図5において、供給配管5から給油
制御ポンプ7、7′を介してミキサー4、4′に供給さ
れる圧延油は、給水配管6から給水制御ポンプ12を介
してミキサー4、4′に供給される希釈水と、ミキサー
4、4′間で混合されてエマルジョン(懸濁物質)とな
る。このエマルジョンは、ミキサー4、4′からそれぞ
れスプレーヘッド2、2′に供給され、ノズル3、3′
から、ストリップ1の表面と裏面にそれぞれスプレーさ
れる。又、給油制御モータ8、8′で給油制御ポンプ
7、7′の回転を制御することによって給油量を制御
し、この給油量に対応させて給水量も制御すべく、給水
制御モータ13で給水制御ポンプ12の回転を制御して
いる。
【0005】なお、図5は、冷間圧延における圧延給油
装置であるが、熱間圧延においても同様のことが行われ
る。但し、熱間圧延の場合は、スプレーヘッダ2、2′
のノズル3、3′から圧延機の圧延ロール面に向けてス
プレーが行われる点が冷間圧延の場合と異なっている。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】ところで、上記従来例
においては、スプレーヘッダでエマルジョンの濃度が不
均一となる欠点があった。
【0007】即ち、図6は、上記ミキサー4、4′とし
てスタティックミキサーを用い、パーム油と水を混合し
た場合に、ノズル3、3′からスプレーされるエマルジ
ョンの濃度を測定したときの圧延油濃度のバラツキを示
す図であり、図中、横軸は長手方向のノズル位置を示
し、縦軸はエマルジョンの濃度(%)を示している。こ
の図から明らかなように、ノズル位置によってエマルジ
ョンの濃度にバラツキが生じている。このため、上記ス
トリップ1の表面や裏面への油の塗布量が長手方向(板
幅方向)で異なり、その結果、塗布量が過剰になる部分
ではストリップ1の延び率が大きくなって形状が乱れ、
エマルジョン濃度が低くて塗布量が少なくなる部分で
は、ストリップ1と圧延ロールの焼付き疵であるヒート
ストリークが発生するようになる。
【0008】又、前記ダイレクト方式においては、圧延
油としてパーム油や牛脂が一般に用いられ、これらの油
と水を混合しエマルジョンとして上記ストリップ1の表
面や裏面にスプレーされる。この時、ストリップ1の表
面や裏面への油の付着をいかに効率良く行うか、即ち、
プレートアウト性をいかに高めることができるかが大き
な技術的課題となっている。
【0009】このようなプレートアウト性は、エマルジ
ョンの粒径、又はエマルジョンの安定性と関係があり、
粒径が大きい程、又エマルジョンの安定性が悪い程、プ
レートアウト性が向上することが知られている。
【0010】このため、パーム油等の圧延油は、エマル
ジョンを安定化するための乳化剤等を添付することな
く、生のまま(即ち、そのまま)で使用するのが一般的
である。
【0011】又、生のままで使用する場合でも、上記ス
プレーヘッダ2、2′のノズル3、3′で流体剪断を受
け、その結果、エマルジョンの粒径が微細化し、プレー
トアウト性が低下するという問題がある。この問題を解
決する方法として、含窒素系の油溶性高分子化合物をパ
ーム油等の圧延油に添加する方法が知られている(例え
ば、特公平3−13279号)が、この方法において
は、生のまま使用する場合よりも一層濃度のバラツキが
顕著となる。図6にその場合のバラツキを示す。
【0012】一方、上記従来例においては、給油制御の
応答性が悪いという欠点もあった。
【0013】図7は、連続式冷間圧延機を用いた圧延操
業における圧延速度のパターンを示す図であり、図中、
横軸は時間(秒)を示し、縦軸は圧延速度(m/min )
を示している。
【0014】この図が示すように、上記ストリップ1を
走間で剪断し、巻取りリールを切換える際( t6
t7 )には圧延速度が減速され、それが終了した時点(
t8 〜)で加速され、高速で圧延が行われる。このよう
に、圧延コイルの1コイル毎に減速と加速が繰り返され
るが、この加減速時における給油制御に問題が生じてい
る。
【0015】図8は、圧延速度に応じた給油制御の応答
を示す図であり、図中、Aは上記給油制御ポンプ7、
7′からミキサー4、4′への給油量を示す特性曲線で
あり、Bは上記ノズル3、3′からストリップ1の表面
や裏面にスプレーされる油の量を示す特性曲線である。
【0016】この図から明らかなように、ミキサー4、
4′とノズル3、3′の間に存在するエマルジョンが濃
度変更後のエマルジョンに置換されるのに一定の時間遅
れが生じている。このため、ストリップ1の表面や裏面
に塗布される圧延油の量が、加速時には定速圧延中のも
のより減少し、減速時には定速圧延中のものより増加す
るようになる。
【0017】図9及び図10は、このような塗布量の変
化を示す図であり、図9は、加速時の塗布量変化を示
し、図10は、減速時の塗布量変化を示している。
【0018】図9及び図10に示すような塗布量変化が
生ずる結果、圧延操業におけるロールバイト内の摩擦係
数にも変化をきたし、潤滑が不安定となって圧延障害が
生ずるようになる。
【0019】図11及び図12は、このような圧延障害
が発生する場合の圧延荷重の変化を示す図であり、図
中、Aは圧延速度の変化を示し、Bは圧延荷重の変化を
示している。なお、Cは後述の本発明実施例を用いた場
合の圧延荷重の変化を示しており、上記従来例を用いた
場合の圧延荷重変化を示す曲線Bに対応するものであ
る。
【0020】これらの図から明らかなように、圧延速度
の加速時には圧延荷重が上昇し、圧延速度の減速時には
圧延荷重が低下するようになる。このため、圧延荷重の
変動に伴ってストリップの形状が不均一となったり、ス
トリップの厚み精度が乱れたりするようになる。又、圧
延荷重が低下する減速時には、圧延ロールとストリップ
の間のスリップやチャターリングが発生したり、加速中
には、ロールバイトの摩擦が増大してヒートストリーク
が発生する等、様々な障害が発生するようになる。
【0021】本発明は、上述のような従来例の欠点等に
鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、エマル
ジョン濃度のバラツキを防止し、且つ高応答性を達成で
きるようなスプレーヘッダを提供することにある。
【0022】又、本発明の第2の目的は、圧延油と水を
混合してエマルジョンの状態にしてスプレーヘッダのノ
ズルからストリップへ供給するにあたり、エマルジョン
濃度のバラツキを防止し、且つ高応答性を達成できるよ
うな圧延油供給装置を提供することにある。
【0023】
【課題を達成するための手段】本発明は、油を水で希釈
しエマルジョンの状態にしてスプレーするスプレーヘッ
ダにおいて、中央に油が直接供給され、両端部から希釈
水で直接供給され、前記中央部の下流側で油と水を混合
してエマルジョンを形成する内管と、周囲にノズルが植
え付けられ、内側に前記内管が収容され、前記内管に設
けられた連通孔より吸引したエマルジョンをノズルから
スプレーする外管とを備え、前記内管に設けたエジェク
タ部よりエマルジョンを内管内に吸引することにより、
外管内のエマルジョンを流動・循環させることにより、
前記第1の目的を達成したものである。
【0024】本発明は、又、前記油を内管の絞り部に供
給し、その下流側の拡大部で希釈水と混合することによ
り、前記第1の目的を達成したものである。
【0025】本発明は、又、前記連通孔を内管の中央部
上流側に設け、前記エジェクタを内管の両端近傍に設け
ることにより、前記第1の目的を達成したものである。
【0026】又、本発明は、冷間圧延もしくは熱間圧延
における圧延油を水で希釈しエマルジョンの状態にして
供給する圧延油供給装置において、前記スプレーヘッダ
と、該スプレーヘッダの内管中央部に圧延油を直接供給
するための圧延油供給手段と、前記スプレーヘッダの内
管両端部に希釈水を直接供給するための希釈水供給手段
とを備え、前記スプレーヘッダのノズルからスプレーさ
れるエマルジョンをストリップ又は圧延ロールに供給す
ることにより、前記第2の目的を達成したものである。
【0027】本発明は、又、前記スプレーヘッダの内管
中央部に、容積式ポンプを用いて圧延油を直接送給する
と共に、該容積式ポンプの回転を制御して前記エマルジ
ョン濃度を制御することにより、前記第2の目的を達成
したものである。
【0028】本発明は、又、前記スプレーヘッダの内管
中央部に、流量制御弁を用いて圧延油を直接送給すると
共に、該流量制御弁を制御して前記エマルジョン濃度を
制御することにより、前記第2の目的を達成したもので
ある。
【0029】
【作用】本発明は、エマルジョンの濃度のバラツキを防
止するため、次のように作用する。即ち、スプレーヘッ
ダの内管中央部に直接供給された油は、前記中央部の下
流側で、内管両端部から直接供給された希釈水と混合さ
れ、エマルジョンとなって連通孔を通って外管に流れ、
ノズルからストリップにスプレーされる。と同時に、内
管の両端に設けられたエジェクタ部にも流れ、該エジェ
クタ部の孔から内管に吸入される。図6に示した濃度バ
ラツキ現象は、スプレーヘッダ端部ほど顕著である。こ
れは端部に向かうに従いエマルジョンの流動速度が低下
し油と水が分離するためであるが、本発明によれば、上
記のようにして、スプレーヘッダ内でエマルジョンの循
環流をつくることにより、エマルジョン濃度のバラツキ
が防止できる。
【0030】次に応答性に関する作用について説明す
る。
【0031】先に述べたように給油応答遅れ時間は、図
5のミキサー4、4′とノズル3、3′間の内容積及び
管内流速に関係するものである。内容積を少なくするた
めには、ミキサーの設置位置をスプレーヘッダに近づけ
る必要があるが、圧延機の構造上、制限があり、内容積
の低減には限界がある。
【0032】一般に、ミキサーとスプレーヘッダ間は数
メータはあり(「鉄と鋼」第73年(1987)第10
号86頁−93頁参照)、図8に示した5秒程度の時間
遅れは避けられない。このような問題に対して、本発明
のスプレーヘッダによれば、内管中央部に直接供給され
た油は、ノズルに速かに到達させることができる。又、
エジェクタ機構による循環作用により、油が供給される
内管中央部から最も離れた両端のノズルへのエマルジョ
ンの到達時間も短縮可能である。
【0033】従って、スプレーヘッダから全てのノズル
へエマルジョンが速やかに到達し、高応答性が達成され
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を用いて詳
しく説明する。
【0035】図3は、冷間タンデムミルに本発明を実施
した場合の連続圧延機の構成説明図である。又、図1は
図3のスタンドの代表例である第6スタンド(即ち、N
o.6のスタンド)に関する圧延油の供給システムを説明
する図であり、図中、図5と同一記号は同一意味を持た
せて使用する。更に、下表1は第6スタンドの圧延仕様
を示すものであり、下表2は第6スタンドに関するノズ
ルやスプレーヘッダの仕様、圧延油の条件、及び希釈水
の条件等、本発明実施例の条件を示すものである。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】図1において、圧延油は給油配管5から給
油制御ポンプ7、7′を介してスプレーヘッダ2、2′
の内管10、10′の中央部へ直接供給される。又、希
釈水は、給水配管6から給水制御ポンプ12を介してス
プレーヘッダ2、2′の内管10、10′の両端へ直接
供給される。
【0039】即ち、前記図5で示した従来例の場合のよ
うに、ミキサーを経由することなく、圧延油も希釈水も
スプレーヘッダ2、2′の内管10、10′に直接供給
される。
【0040】このようにしてスプレーヘッダに供給され
た希釈水は、図2の端部14、14′→エジェクタ部1
5、15′→胴部19、19′→絞り部17、17′を
通って中央拡大部18に至る。又、上述のようにしてス
プレーヘッダに供給された圧延油は、絞り部17、1
7′を経由して中央拡大部18に至り、ここで希釈水と
混合されてエマルジョンとなる。
【0041】このエマルジョンは、連通孔11を通って
外管9に至り、各ノズルから図1のストリップ1の表面
や裏面に噴射される。と同時に、エジェクタ部15、1
5′のエジェクト機能により、上記エマルジョンは、孔
16、16′を通って内管10の胴部19、19′へ導
かれる。このため、胴部19、19′で希釈水と混合さ
れ、その後、絞り部17、17′を経由して再び中央拡
大部18に導かれ、ここで圧延油と混合されて新たなエ
マルジョンとなる。以後、同様の動作が繰り返され、ス
プレーヘッダ2、2′に装着されている全てのノズル3
から略同一濃度のエマルジョンが噴出されるようにな
る。又、このようにして噴出されたエマルジョンによっ
て、図1のストリップ1の表面や裏面が塗布される。
【0042】又、前記図7で示したように圧延機の圧延
速度は加減速を繰り返す。このため、上記ストリップ1
ヘ単位時間に単位面積当りスプレーされる量を一定とす
べく、図1の給油制御モータ8、8′と給水制御モータ
13により、圧延速度に比例するように給油制御ポンプ
7、7′と給油制御ポンプ12の各回転がそれぞれ制御
される。
【0043】本実施例によれば、図2において、スプレ
ーヘッダの絞り部17、17′に供給される油が、下流
側の中央拡大部18で混合され、エマルジョンとなって
連通孔11を通って外管に流れ、ノズル3からストリッ
プにスプレーされる。と同時に、内管の両端に設けられ
たエジェクタ部15、15′にも流れ、該エジェクタ部
の孔16、16′から内管10に吸入される。
【0044】このように、本実施例においては、スプレ
ーヘッダ2、2′内でエマルジョンの循環流をつくるこ
とにより、エマルジョン濃度のバラツキ防止が図られて
いる。この結果、図4に示すように、ノズル位置による
エマルジョン濃度のバラツキは、前記従来例(図6)の
場合に比し極めて少なくなっている。
【0045】なお、図1において、圧延油の供給ライン
をストリップ1の上下二系統としたのは、ストリップ1
の表面と裏面で圧延状態が異なることを考慮したためで
ある。又、本発明は、図1で示した実施例に限定される
ものでなく、例えば、給油制御ポンプ7、7′等の回転
数を制御するのに代えて、流路制御弁等を設けて給油量
を制御するようにしてもよいものとする。
【0046】更に、本実施例においては、前記図5のミ
キサー4、4′のような外部混合器は設けられていな
い。又、図2において、スプレーヘッダの絞り部17、
17′に供給された圧延油がノズル3に速やかに到達す
ると共に、スプレーヘッダのエジェクタ部15、15′
によってエマルジョンが循環させられ、スプレーヘッダ
の絞り部17、17′から最も離れている両端のノズル
3へもエマルジョンが速やかに到達するようになってい
る。
【0047】従って、図1、図2で示す本実施例におい
ては、給油制御ポンプ7、7′での給油量変更が速やか
にスプレーヘッドに装着された全てのノズルへ伝わり、
高応答性が達成される。
【0048】本発明者らの実験によれば、図5で示した
従来例において、給油ポンプ7、7′での給油量変更が
スプレーヘッド2、2′のノズルに到達するのに5秒以
上かかる場合であっても、図1、図2で示した本発明実
施例においては、1秒以下となり応答性が著しく向上す
ることが証明された。
【0049】又、圧延の加速時や減速時における応答遅
れによるストリップ1の表面や裏面への圧延油塗布量の
変動も、図9、図10に示したように、従来例の場合
(即ち、特性曲線B)よりも本発明実施例(即ち、特性
曲線A)の場合の方が小さくなっている。従って、圧延
の加速時や減速時における圧延油塗布量の変動も、本発
明によって大幅に改善されたことが分る。
【0050】その結果、圧延荷重の変動も図11、図1
2に示すように、従来例の場合(即ち、特性曲線B)に
比して本発明の場合(即ち、特性曲線A)の方が減少し
ており、改善されていることが分る。
【0051】
【発明の効果】以上詳しく説明したような本発明によれ
ば、ストリップの幅方向への圧延油の塗布を均一に行え
ると共に、圧延の加速時と減速時における圧延油塗布量
の変動を防止できるようになる。
【0052】このため、ロールバイトにおける潤滑が安
定化し、その結果、圧延能力の向上や不良品の減少等、
圧延操業上の優れた効果が得られる。
【0053】即ち、圧延の加速時や減速時における圧延
荷重変動がなくなり、ヒートストリークやスリップによ
るストリップの破断がなくなって、圧延能率が向上す
る。又、定常圧延中においても、ストリップ幅方向の圧
延油塗布が均一化され、その結果、ヒートストリークの
発生がなくなり、ミル仕様の最高速度での圧延も可能と
なる。因みに、本発明者らの実験によれば、前記従来例
の場合に比し10%圧延能率が向上した。
【0054】又、ヒートストリークによる不良品の発生
が減少する等、不良品が著しく減少する。因みに、本発
明者らの実験によれば、前記従来例の場合0.5%だっ
た不良品発生率が、本発明実施例の場合0.05%とな
り、ヒートストリークによる不良品の発生が激減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る圧延油供給装置の実施例
の構成を示す管路図である。
【図2】図2は、本発明に係るスプレーヘッダの実施例
の構成を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明が適用される連続圧延機の構成
例を示す工程図である。
【図4】図4は、本発明を実施したノズルにおける圧延
油濃度のバラツキを示す図である。
【図5】図5は、従来の圧延油供給装置の一例の構成を
示す管路図である。
【図6】図6は、従来例におけるノズル位置による圧延
油の濃度バラツキを示す図である。
【図7】図7は、圧延における加速や減速のパターンを
示す線図である。
【図8】図8は、従来例における給油制御の応答例を示
す線図である。
【図9】図9は、従来例及び本発明の実施例における加
速時の圧延油塗布量変化を比較して示す線図である。
【図10】図10は、同じく減速時の圧延油塗布量変化
を比較して示す線図である。
【図11】図11は、同じく加速時の圧延荷重変化を比
較して示す線図である。
【図12】図12は、同じく減速時の圧延荷重変化を比
較して示す線図である。
【符号の説明】
1…ストリップ、 2、2′…スプレーヘッダ、 3、3′…スプレーノズル、 4、4′…ミキサー、 5、5′…給油配管、 6、6′…給水配管、 7、7′…給油制御ポンプ、 8、8′…給油制御モータ、 9…スプレーヘッダの外管、 10…スプレーヘッダの内管、 11…連通孔、 12…給水制御ポンプ、 13…給水制御モータ、 14、14′…内管の端部、 15、15′…エジェクタ部、 16、16′…孔、 17、17′…絞り部、 18…中央拡大部、 19、19′…内管の胴部。
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 輝弘 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 金子 智弘 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 山田 恭裕 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭60−64719(JP,A) 特開 昭56−81126(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油を水で希釈しエマルジョンの状態にして
    スプレーするスプレーヘッダにおいて、 中央に油が直接供給され、両端部から希釈水で直接供給
    され、前記中央部の下流側で油と水を混合してエマルジ
    ョンを形成する内管と、 周囲にノズルが植え付けられ、内側に前記内管が収容さ
    れ、前記内管に設けられた連通孔より吸引したエマルジ
    ョンをノズルからスプレーする外管とを備え、 前記内管に設けたエジェクタ部よりエマルジョンを内管
    内に吸引することにより、外管内のエマルジョンを流動
    ・循環させることを特徴とするスプレーヘッダ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記油が内管の絞り部
    に供給され、その下流側の拡大部で希釈水と混合される
    ことを特徴とするスプレーヘッダ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記連通孔を内
    管の中央部上流側に設け、前記エジェクタを内管の両端
    近傍に設けたことを特徴とするスプレーヘッダ。
  4. 【請求項4】冷間圧延もしくは熱間圧延における圧延油
    を水で希釈しエマルジョンの状態にして供給する圧延油
    供給装置において、 請求項1乃至3のいずれかに記載のスプレーヘッダと、 該スプレーヘッダの内管中央部に圧延油を直接供給する
    ための圧延油供給手段と、 前記スプレーヘッダの内管両端部に希釈水を直接供給す
    るための希釈水供給手段とを備え、 前記スプレーヘッダのノズルからスプレーされるエマル
    ジョンをストリップ又は圧延ロールに供給することを特
    徴とする圧延油供給装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記スプレーヘッダの
    内管中央部に、容積式ポンプを用いて圧延油を直接送給
    すると共に、該容積式ポンプの回転を制御して前記エマ
    ルジョン濃度を制御することを特徴とする圧延油供給装
    置。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記スプレーヘッダの
    内管中央部に、流量制御弁を用いて圧延油を直接送給す
    ると共に、該流量制御弁を制御して前記エマルジョン濃
    度を制御することを特徴とする圧延油供給装置。
JP27316391A 1991-09-25 1991-09-25 スプレーヘッダ及びこれを用いた圧延油供給装置 Expired - Fee Related JPH0790251B2 (ja)

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