JPH0716630A - 圧延制御方法 - Google Patents

圧延制御方法

Info

Publication number
JPH0716630A
JPH0716630A JP5150073A JP15007393A JPH0716630A JP H0716630 A JPH0716630 A JP H0716630A JP 5150073 A JP5150073 A JP 5150073A JP 15007393 A JP15007393 A JP 15007393A JP H0716630 A JPH0716630 A JP H0716630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
tension
stands
water
rolling oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5150073A
Other languages
English (en)
Inventor
Ken Okamoto
謙 岡本
Koji Kawashima
浩治 川島
Masaji Matsumoto
正次 松本
Toshihiro Kaneko
智弘 金子
Teruhiro Saito
輝弘 斉藤
Yasuhiro Yamada
恭裕 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP5150073A priority Critical patent/JPH0716630A/ja
Publication of JPH0716630A publication Critical patent/JPH0716630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延速度の加減速時においても、圧下装置を
制御することなく、スタンド間張力を適切に制御し、板
厚精度の悪化や平坦度の不良等の発生を防止する。 【構成】 タンデム圧延機のスタンド間の張力を張力セ
ンサ26で測定し、その実測スタンド間張力を目標張力
と比較する張力判定を行い、その判定結果に基づいてス
タンド間張力を目標値に維持するために必要な圧延油供
給量と水供給量の変更量を求め、その変更(量)指令を
圧延油濃度変更装置22に出力し、該圧延油濃度変更装
置32により各スタンド間を通過するストリップに対し
て供給する圧延油と水の流量(又はノズル噴射圧)を変
更することによりスタンド間張力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延油と水とを直接混
合してエマルジョンとし、それを噴射しながら圧延を行
う直接式圧延機におけるスタンド間張力やスタンド圧延
荷重を適切に制御することができる圧延制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、1以上の圧下(圧延)スタンド
を有する圧延機においては、圧延される被圧延材に対し
て板幅変化を少なくし、過張力による板破断を防止し、
低張力による絞り破断を防止する等の目的から、スタン
ド間張力に最適な範囲がある。
【0003】従来、このような圧延機において、スタン
ド間張力を最適範囲に制御する方法としては、圧延時に
スタンド間張力を実測し、その実測値をフィードバック
して圧延スタンドの圧下位置を変更することによりその
張力を制御する方法が知られている。
【0004】又、一般に、圧延機においては、各スタン
ド出側における被圧延材の板厚、平坦度及び表面性状を
良好に保つ等の目的から、各スタンドに与える圧延荷重
の適切な範囲が定まっている。
【0005】従来、タンデム圧延機における圧延操業で
は、このスタンド間張力及び圧延荷重という2つの重要
な圧延条件について、特に板破断に直接結び付くスタン
ド間張力の制御を優先的に行い、その際に目標張力を維
持するために圧下位置を変更することによって生じるあ
る程度の圧延荷重の変動は容認されていた。
【0006】なお、従来、圧延油の供給を数スタンド毎
にまとめて系統化して行っていたものを、圧延油を各ス
タンド毎に供給すると共にその給油量の調整を可能とす
る技術として、各スタンド毎に圧延油と温水の混合を圧
延油ヘッダの直前で行い、被圧延材の材質、ロール粗度
に応じて圧延油の給油量を調整する方法が、特公昭63
−124に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スタン
ド間張力の実測値をフィードバックして圧下位置を変更
する前記従来のスタンド間張力の制御方法では、圧下装
置が必ずしも十分な応答性を有していないため、例えば
圧延の加速時又は減速時のように圧延条件が急激に変化
する場合には、その変化に追従することが困難であると
いう問題があった。
【0008】又、前述した従来のタンデム圧延機の制御
方法のように、各スタンドで生じる圧延荷重の変動を容
認し、且つスタンド間張力を優先する制御を行う場合に
は、圧延速度の加速時や、減速時等に荷重の変動が激し
くなるため、板厚精度の悪化や平坦度の不良が発生し易
いという問題があった。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、圧下装置を制御することなく、スタ
ンド間張力を高応答で且つ適切に制御することができる
圧延制御方法を提供することを第1の課題とする。
【0010】又、本発明は、圧延速度を加速し、減速す
るときのように圧延条件が大きく変化する場合でも、ス
タンド間張力と共に圧延荷重をも適切に制御し、板厚精
度の悪化や平坦度不良の発生等を有効に防止することが
できる圧延制御方法を提供することを第2の課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、それぞれ独立
に供給する圧延油と水とをノズルヘッダの直前又はその
内部で混合してエマルジョンとし、それを該ノズルヘッ
ダから噴射しながら被圧延材を圧延する直接式圧延機に
よる圧延制御方法において、水の流量又はエマルジョン
の噴射圧を変更することにより、スタンド間張力を制御
することにより、前記第1の課題を解決したものであ
る。
【0012】本発明は、それぞれ独立に供給する圧延油
と水とをノズルヘッダの直前又はその内部で混合してエ
マルジョンとし、それを該ノズルヘッダから噴射しなが
ら被圧延材を圧延する直接式圧延機による圧延制御方法
において、スタンド間張力及び圧延荷重の少なくとも一
方の変動に応じて、水の流量又はエマルジョンの噴射圧
を変更することにより、スタンド間張力及び圧延荷重を
適正値に制御することにより、前記第2の課題を解決し
たものである。
【0013】本発明は、又、前記圧延制御方法におい
て、圧延油が、凝集剤を含有するようにしたものであ
る。
【0014】
【作用】本発明者等は、ノズルヘッダ直前で圧延油と水
とを混合し、それをエマルジョンとして被圧延材に噴射
した際の現象を詳細に検討した結果、圧延油の供給量が
一定の場合でも、圧延時の潤滑性を促す原因となる、被
圧延材表面に対する圧延油のプレートアウト量(付着
量)が水の流量に大きく依存することを知見した。
【0015】図1は、圧延油の流量を0.1 l/mim で
一定とし、該圧延油に混合する水の流量を変化させた場
合にプレートアウト量が変化する様子を示したもので、
横軸は水の流量、縦軸は圧延油の付着効率(=付着量/
噴射量)である。
【0016】この図1により、水の流量を大きくするに
従って、換言すればノズルからの噴射圧を大きくするに
従ってプレートアウト量が増大することがわかる。この
ように、ノズルから噴出する圧延油粒子の運動エネルギ
が大きくなるほど、圧延油のプレートアウト量が増加す
ることが明らかとなった。
【0017】本発明は、上記知見によりなされたもの
で、本発明においては、それぞれ独立に供給する圧延油
と水とをノズルヘッダの直前又はその内部で混合してエ
マルジョンとし、それを被圧延材に噴射しながら圧延す
る際、水の流量又はエマルジョンの噴射圧を変更するこ
とにより、被圧延材に対するプレートアウト量を調整す
ることが可能となるため、スタンド間張力の変動に応じ
て水の流量又は噴射圧を適切に変更することにより、圧
下装置を制御することなく(圧下位置を変更することな
く)、スタンド間張力を最適範囲に保持することが可能
となる。
【0018】又、本発明においては、圧延油と水とをノ
ズルヘッダ直前又はその内部で混合し、水の流量又はノ
ズル噴出圧力を変化させるようにしたので、応答遅れは
水の圧縮性によるものだけとなり、これはほぼ零である
ことから極めて優れた応答性が得られ、従って瞬時に圧
延油のプレートアウト量を制御することができ、スタン
ド間張力制御を高応答で行うことが可能となる。
【0019】なお、圧延油と水とを内部で混合するノズ
ルヘッダとしては、実開平3−59033に開示されて
いる、中央部に供給される油と、両端部からエジェクタ
部を通して供給される水とを、該中央部の下流側で混合
してエマルジョンとする混合部を有する内管と、上記内
管を内側に収容し、上記混合部から送出されるエマルジ
ョンを噴射するノズルが配設された外管とを備え、上記
エジェクタ部に形成された貫通孔を通して、外管に送出
されたエマルジョンの一部を内管に流入し、循環するよ
うになされている自己循環形スプレーヘッダを用いるこ
とができる。このノズルヘッダを使用する場合は、更に
応答性を上げることができる。
【0020】又、本発明においては、スタンド間張力及
び圧延荷重の少なくとも一方の変動に応じて、水の流量
又はエマルジョンの噴射圧を変更することにより、同様
にスタンド間張力及び圧延荷重の双方を最適範囲に制御
することが可能となる。
【0021】従って、各スタンド間張力あるいは各スタ
ンドの圧延荷重の変動量をセンサで感知し、各スタンド
間張力あるいは各スタンド圧延荷重を目標値に修正する
フィードバック制御が可能となる。これにより、従来不
可能であったスタンド間張力及び圧延荷重の双方を適正
範囲に維持しながら圧延操業を行うことが可能となり、
定常圧延中は勿論のこと、加減速中の荷重変動、張力変
動を小さくできるため、板厚精度、板幅精度、平坦度等
の品質を向上することが可能となる。
【0022】一般に、鋼板等の被圧延材に対する圧延油
のプレートアウト性(付着性)は、エマルジョンの乳化
安定性が低いほど、且つ噴射圧が高いほどよいことが知
られているが、噴射圧を高くしすぎると逆にノズル噴射
部で油が剪断されるため乳化安定性が増すと言われてい
る。
【0023】本発明において、圧延油に凝集剤を含有さ
せる場合には、圧延油に混合する水の流量を増やし、そ
の噴射圧を増大させる場合でも、エマルジョンの乳化安
定性を低い状態に維持することが可能となるため、プレ
ートアウト量を適切に調整することが可能となり、圧延
制御を高精度に行うことが可能となる。この凝集剤とし
ては、例えば特公平3−13279に開示されているも
のを挙げることができる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0025】図2は、本発明に係る第1実施例に適用さ
れる直接式圧延機の一部の概略構成を示す説明図であ
る。
【0026】本実施例は、図2にその一部を示すよう
に、複数の圧延スタンドが連設されている冷間タンデム
圧延機(直接式圧延機)において、各スタンド間の張力
を検出し、その張力変動に応じて圧延油と水の供給量を
調整する場合の制御例である。
【0027】上記タンデム圧延機では、上下に配された
ワークロール10とバックアップロール12とを備えた
複数の圧延スタンド(図には第i スタンドST(i )と
第i+1スタンドST(i +1)のみを示す)により鋼
板(被圧延材)Sが圧延されて右方向に送られるように
なっている。
【0028】上記タンデム圧延機には、各スタンド間で
鋼板Sに圧延油を供給するための圧延油供給システムが
設けられている。このシステムは、各スタンド間に配設
された、鋼板Sの上下両面に圧延油をエマルジョンとし
て噴射するためのスプレーヘッダ14を備えており、こ
のスプレーヘッダ14の直前には混合器16が設けら
れ、該混合器16に対し、圧延油タンク18から給油制
御ポンプ20により圧延油が、又、水タンク22から給
水制御ポンプ24により水がそれぞれ独立に供給され、
この混合器16内で両者が混合されて上記スプレーヘッ
ダ14から噴射されるエマルジョンが形成されるように
なっている。
【0029】又、各スタンド間には、スタンド間張力を
測定するための張力センサ26が、又、各スタンドには
荷重センサ28がそれぞれ設置され、これら張力センサ
26及び荷重センサ28により検出された信号(張力値
及び圧延荷重値)がフィードバック回路30を介して給
油制御ポンプ20を駆動するモータ20A及び給水制御
ポンプ24を駆動するモータ24Aにそれぞれ入力さ
れ、その検出信号に応じて各ポンプの供給量を調整可能
になっている。
【0030】本実施例では、前記図2に示した冷間タン
デム圧延機の各スタンド間に適応された上述した圧延油
供給システムに対して、図3のブロック図に従ってスタ
ンド間張力の制御を実施する。
【0031】即ち、本実施例では、スタンド間張力を張
力センサ26で検出し、その実測張力と予め設定されて
いる目標張力とを比較する張力判定を行い、その判定結
果(目標値からの実測値の偏差)に応じて圧延油供給量
(流量)と水供給量(流量)の変更指令を圧延油濃度変
更装置32に出力し、張力実測値が常に目標張力に一致
するように圧延油流量と共に水の流量(又は、エマルジ
ョンのノズル噴射圧)を変更し、調整する。
【0032】圧延油の流量及び水の流量(又は、エマル
ジョンのノズル噴射圧)の変更は、具体的には、前記図
2のシステムにおけるモータ20Aの回転を制御するこ
とにより、給油制御ポンプ20による圧延油供給量を変
更すると共に、モータ24Aの回転を制御し、給水制御
ポンプ24による水供給量を変更することにより、実行
される。
【0033】本実施例によれば、圧延油と水の流量を共
に調整し、プレートアウト量を最適に調整することによ
って、圧下位置を固定したままでスタンド間張力を一定
に保持することが可能となる。従って、従来の張力制御
とは異なり、圧延スタンドの圧下位置を変更することが
なくなるため、圧延荷重の変動が生じることを防止で
き、板厚精度、板幅精度、平坦度等を向上することが可
能となる。
【0034】図4は、下記の圧延条件の下で、本実施例
を適用した制御結果の一例を示した線図である。これ
は、圧延油の流量を一定とし、張力制御に下記(1)式
を用いて水の流量を調整した場合の結果である。
【0035】[圧延条件] 圧延速度:MAX 2260mpm MIN 250mpm 被圧延材寸法:圧延前厚み 0.33mm 圧延後厚み 0.20mm 板幅 890mm 被圧延材:ブリキ原板 変形抵抗 80kg/mm2
【0036】 Q=Q1 +(Tref −Tm )・(δQ/δT) ………(1) Q:変更後の水量(目標水量) Q1 :現在の水量 Tref :目標張力値 Tm :現在の張力値 δQ/δT:水量に対する張力の影響係数(予め実験に
より求めておく)
【0037】前記図4上段には、1コイルを実際に圧延
した際の圧延速度スケジュールが示してあり、この圧延
時に、圧延油と水の供給量をそれぞれ調整してストリッ
プ張力を目標値の±5%の範囲内に維持するように制御
した結果が同図中段に、又、その間の圧延荷重の変化
を、従来方法による結果と対比させて同図下段にそれぞ
れ示してある。
【0038】上記図4より明らかなように、本実施例に
よれば、圧延荷重を一定に維持しながら、極めて高精度
にスタンド間張力を制御できることがわかる。
【0039】又、図5には、本実施例方法を冷間タンデ
ム圧延機に適用してスタンド間張力を制御した際のスタ
ンド間張力、圧延速度、圧延油の流量及び水の流量の相
対的関係を概念的に示した。
【0040】図6は、図5と同一の圧延速度スケジュー
ルで圧延した際に、従来方法に従って圧下位置のみを変
更してスタンド間張力を制御した場合に得られたスタン
ド間張力と圧延速度の相対的関係を示したものである。
【0041】又、図7は、同じく図5と同一の圧延速度
スケジュールで圧延した際に、圧延油の流量(供給量)
のみを変更してスタンド間張力を制御した場合に得られ
たスタンド間張力、圧延速度及び圧延油の流量の相対的
関係を示したものである。この図7の結果は、前記特公
昭63−124に開示されている方法を張力制御に適用
して得られたものに相当する。
【0042】これら図5〜図7に示した結果から明らか
なように、本実施例によれば、極めて安定したスタンド
間張力の制御が可能であることがわかる。
【0043】以上詳述した本実施例によれば、圧延油と
水とをノズルヘッダの直前で混合すると共に、水の流量
を積極的に変更することにより圧延油のプレートアウト
量を調整し、これにより圧延機のスタンド間張力を制御
するようにしたので、極めて迅速な制御応答性を発揮さ
せることが可能となり、その結果、圧延速度の加減速中
に起こる板破断を従来0.1%であったものを0.01
%に減少させることができた。又、水の流量を増やすこ
とによりプレートアウト量を増大させることが可能であ
ることから、圧延油の使用量を15%減少させることが
できた。
【0044】図8は、本発明に係る第2実施例の圧延制
御方法を実施する際の制御系の信号の流れを示すブロッ
ク図である。
【0045】本実施例は、通常のスタンド間張力制御を
行う冷間タンデム圧延機において、各スタンドの圧延荷
重制御に本発明を適用する以外は、前記第1実施例と実
質的に同一である。従って、本実施例では、図2の圧延
油供給システムで、張力センサ26と荷重センサ28の
両者の検出信号に基づいてスタンド間張力制御が行われ
るようになっている。
【0046】図8の上段は、従来の制御範囲における信
号の流れを示し、ここでは、各スタンド間の張力を張力
センサ26で検出し、その検出張力を目標張力と比較す
る張力判定を行い、その判定結果に基づく圧下位置指令
を圧下制御装置34に出力し、各スタンド間張力を目標
値に一致させるべく、各スタンドの圧下位置を制御する
ようになっている。
【0047】本実施例では、図8の下段に示す本発明制
御範囲における信号の流れに従って、上記圧下制御装置
34で制御した各スタンドの圧延荷重を荷重センサ28
で検出し、その検出荷重を予め設定されている目標荷重
と比較する荷重判定を行い、その判定結果(実測荷重の
目標荷重からの偏差)に応じて、圧延油と水の供給量
(流量)を変更するための指令信号を圧延油濃度変更装
置32に出力するようになっている。
【0048】従って、本実施例においては、従来の張力
制御で圧延荷重を調整することにより張力を一定に保持
すると共に、その際に生じた各スタンドの圧延荷重変動
を、圧延油と水の供給量をそれぞれ適切に調整すること
によって、抑制することができる。
【0049】図9は、前記図4の結果を得たと同一の圧
延条件の下で、本実施例を適用した制御結果の一例を示
した前記図4に相当する線図である。これは、圧延油の
流量を一定とし、張力制御に下記(2)式を用いて水の
流量を調整した場合の結果である。なお、(2)式で、
Q、Q1 及び(δQ/δT)は、前記(1)式と同じで
ある。
【0050】 Q=Q1 +(Pref −Pm )・(δQ/δT) ………(2) Pref :目標圧延荷重 Pm :現在の圧延荷重
【0051】上記図9より、本実施例によっても、スタ
ンド間張力と圧延荷重の双方を高精度に制御できること
がわかる。
【0052】なお、ここでは、具体例として圧延油の流
量を一定にして水の流量のみを変化させて制御した結果
のみを示したが、水の流量と共に圧延油の流量をも適切
に調整した場合にも、図9の場合と同様に高精度な制御
結果が得られた。
【0053】図10は、本発明方法を冷間タンデム圧延
機に適用した場合の板厚精度(加減速部)、板幅精度及
び平坦度(急峻度)を、同一のタンデム圧延機に従来方
法を適用した場合の結果と共に示した線図である。
【0054】この図10より、前述した如く、スタンド
間張力と圧延荷重とを適切に制御することにより、従来
方法に比較して板厚精度、板幅精度及び平坦度が共に著
しく改善され、品質の向上が達成されていることがわか
る。
【0055】以上詳述した如く、本発明によれば、タン
デム圧延機において、各スタンド間張力又は各スタンド
圧延荷重を制御する際に、これら張力又は圧延荷重の変
動量に応じて圧延油と水の流量を調整するようにしたの
で、圧下位置を変更することなく、圧延荷重及びスタン
ド間張力の双方を常時適切な値に維持できるようにな
る。
【0056】従って、各スタンドの出側におけるストリ
ップの平坦度が良好に保持されるようになり、加減速時
でも圧延荷重及びスタンド間張力を適切に制御できるた
め、1コイル全体に亘って板厚精度及び板幅精度を向上
でき、更に、過張力による板破断や低張力による絞り破
断の発生の防止を図ることができ、圧延操業の安定性を
向上することができる。
【0057】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0058】例えば、前記実施例では、本発明をスタン
ド間張力制御と圧延荷重制御とにそれぞれ独立して適用
する場合を示したが、これに限られるものでなく、これ
ら両者に同時に適用してもよい。
【0059】又、前記実施例では、冷間タンデム圧延機
に適用する場合を示したが、冷間に限らず、リバース圧
延機や熱間タンデム圧延機であってもよく、又、スタン
ド数も特に制限されない。
【0060】又、前記実施例では、全てのスタンド間に
図3、図4に示した圧延油供給システムを設置する場合
を示したが、これに限られるものでなく、少なくとも1
つのスタンド間に設置する場合であってもよく、又、必
要に応じて第1スタンドの前段に設置してもよい。
【0061】又、本発明に適用可能なスプレーヘッダ及
び圧延油供給システムとしては、圧延油濃度を迅速に変
更でき、しかもストリップの幅方向に均等な濃度でエマ
ルジョンを噴射できるスプレーヘッダ及び圧延油供給シ
ステムであれば任意に変更可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、圧
下装置を制御することなく、スタンド間張力を高応答で
且つ適切に制御することができると共に、圧延速度の加
減速時でも、スタンド間張力と共に圧延荷重をも適切に
制御し、板厚精度の悪化や平坦度の不良の発生を有効に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の根拠となった水の流量とプレートアウ
ト量の関係を示す線図
【図2】本発明にかかる第1実施例に適用される直接式
圧延機の要部構成を示す説明図
【図3】第1実施例の制御信号の流れを示すブロック図
【図4】第1実施例の効果を示す線図
【図5】同じく第1実施例の効果を示す線図
【図6】従来法による張力制御の結果を示す線図
【図7】圧延油の流量変更による張力制御の結果を示す
線図
【図8】本発明に係る第2実施例における制御信号の流
れを示すブロック図
【図9】第2実施例の効果を示す線図
【図10】第2実施例の効果を示す他の線図
【符号の説明】
10…ワークロール 12…バックアップロール 14…ノズルヘッダ 16…混合器 18…圧延油タンク 20…給油制御ポンプ 22…水タンク 24…給水制御ポンプ 20A、24A…モータ 26…張力センサ 28…荷重センサ 30…フィードバック回路 32…圧延油濃度変更装置 S…鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 正次 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 金子 智弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 斉藤 輝弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 山田 恭裕 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ独立に供給する圧延油と水とをノ
    ズルヘッダの直前又はその内部で混合してエマルジョン
    とし、それを該ノズルヘッダから噴射しながら被圧延材
    を圧延する直接式圧延機による圧延制御方法において、 水の流量又はエマルジョンの噴射圧を変更することによ
    り、スタンド間張力を制御することを特徴とする圧延制
    御方法。
  2. 【請求項2】それぞれ独立に供給する圧延油と水とをノ
    ズルヘッダの直前又はその内部で混合してエマルジョン
    とし、それを該ノズルヘッダから噴射しながら被圧延材
    を圧延する直接式圧延機による圧延制御方法において、 スタンド間張力及び圧延荷重の少なくとも一方の変動に
    応じて、水の流量又はエマルジョンの噴射圧を変更する
    ことにより、スタンド間張力及び圧延荷重を適正値に制
    御することを特徴とする圧延制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 圧延油が、凝集剤を含有していることを特徴とする圧延
    制御方法。
JP5150073A 1993-06-22 1993-06-22 圧延制御方法 Pending JPH0716630A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5150073A JPH0716630A (ja) 1993-06-22 1993-06-22 圧延制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5150073A JPH0716630A (ja) 1993-06-22 1993-06-22 圧延制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0716630A true JPH0716630A (ja) 1995-01-20

Family

ID=15488936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5150073A Pending JPH0716630A (ja) 1993-06-22 1993-06-22 圧延制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0716630A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009541713A (ja) * 2006-06-17 2009-11-26 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト 成形品上における補助物質の層を分析するための方法及び装置
CN106311754A (zh) * 2016-09-14 2017-01-11 燕山大学 适用于冷连轧机组的乳化液流量动态综合优化设定方法
CN110369517A (zh) * 2019-07-31 2019-10-25 日照宝华新材料有限公司 一种控制张力辊打滑出现划痕的方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009541713A (ja) * 2006-06-17 2009-11-26 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト 成形品上における補助物質の層を分析するための方法及び装置
US8141401B2 (en) 2006-06-17 2012-03-27 Sms Demag Aktiengesellschaft Method and apparatus for analyzing a layer of metal-working liquid
CN106311754A (zh) * 2016-09-14 2017-01-11 燕山大学 适用于冷连轧机组的乳化液流量动态综合优化设定方法
CN110369517A (zh) * 2019-07-31 2019-10-25 日照宝华新材料有限公司 一种控制张力辊打滑出现划痕的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4998427A (en) Method for rolling on-gauge head and tail ends of a workpiece
JP4773525B2 (ja) 連続熱間圧延設備の圧延油供給装置及びその方法
KR101109464B1 (ko) 금속 스트립의 평면성 및/또는 거칠기를 제어하기 위한 방법 및 그 윤활제 도포 장치
US20100326154A1 (en) Regulation method for a cold-rolling mill train with complete mass flow regulation
JPH0716630A (ja) 圧延制御方法
US5085066A (en) Method for suppressing fluctation of width in hot rolled strip
JP2000094024A (ja) 冷間タンデムミルの圧延方法
JP5637906B2 (ja) 冷間圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置
JPH0938709A (ja) 冷延鋼板の調質圧延方法
JP4924579B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP2686403B2 (ja) 圧延制御方法
JP4319431B2 (ja) タンデム圧延機の板厚制御方法および制御装置
JP3552681B2 (ja) 冷間圧延での先進率制御方法
JP2001334304A (ja) 熱間仕上圧延機の出側温度制御装置
JP2004001031A (ja) 金属板の冷間圧延方法
JPH0445243B2 (ja)
JP2871392B2 (ja) 鋼帯冷間圧延機のクーラント供給装置および供給方法
JP2536884B2 (ja) 圧延材の表裏面色調制御方法
JPH0824924A (ja) 金属帯の圧延板厚制御方法および装置
JP2000288602A (ja) 帯状材の圧延方法及び圧延装置
JPH08155509A (ja) 金属ストリップのスキンパス圧延機におけるスキンパス液の供給方法
US11161161B2 (en) Method for rolling a product to be rolled
JPH06210338A (ja) タンデム圧延機の板厚制御装置
JP2003136113A (ja) 熱延鋼板の製造方法
JPH0292411A (ja) 冷間タンデム圧延機の制御方法