JPH0789979B2 - 電子加熱調理用食品収納体 - Google Patents

電子加熱調理用食品収納体

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JPH0789979B2
JPH0789979B2 JP61018188A JP1818886A JPH0789979B2 JP H0789979 B2 JPH0789979 B2 JP H0789979B2 JP 61018188 A JP61018188 A JP 61018188A JP 1818886 A JP1818886 A JP 1818886A JP H0789979 B2 JPH0789979 B2 JP H0789979B2
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武治 的場
昌宏 森田
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株式会社グルメック研究所
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電子レンジにより調理する食品、特に常温流通
食品に好適な電子加熱調理用食品収納体及びその調理方
法に関する。
従来技術及びその問題点 電子レンジを用い冷凍食品を調理することは現在かなり
広く行われているが、その出来上りは、市販の冷凍品に
表示の通りの時間及び温度にセットしても、時間のかけ
すぎにより硬くなってしまったり、逆に充分解凍が行な
えていなかったりで、あまり良好なものでなかった。
このような調理方法の不都合は次のような複数の原因に
より生じるものと考えられる。即ち、 (1)電子レンジは各メーカーの各機種により射線の仕
組、角度部分の形状及び範囲が大幅に異なる。
(2)チルドコールド食品の温度が大型冷凍倉庫、冷凍
輸送車、使用場所の冷凍庫並びに使用前の放置状態によ
り−25℃から+10℃位の間の差がある(食品水分が氷状
と水状では誘電率の差が極端に大である)。
(3)収納食品も主として水分(油分その他構成成分)
が異なり、特に水分は氷状の場合は電子加熱は大幅に異
なる。
等があり、電子レンジの食品設置テーブルは均一に電子
加熱されるわけでなく、電子加熱されて温度が上がって
いる部分と、電子加熱されておらず温度があまり上がっ
ていない部分とがあって、食品を置く位置によって調理
に適した時間が全く異なっており、また機種によって照
射加熱部分の射面の形状および範囲が全く異なってい
る。又、それぞれの冷凍食品の種類によって解凍、調理
の時間が異なっている。さらに同じ種類の食品でも冷凍
食品の含有している成分、例えば水分や油分の量により
解凍、調理の適切な時間が異なっている。というような
条件の違いによってばらつきが生じるのである。このよ
うに電子レンジの調理装置の目安が判らないこと、十数
秒の時間の違いで食感、味覚(特にテクスチャー)が著
るしく変化することが、最大の簡便性を持つはずの電子
レンジでの各種食品の調理にそれが活用できない大きな
理由であり、又、本格的な調理済コールド食品普及の壁
となっているのが現状である。
一方、これまで電子加熱調理用食品はコールド食品が主
体であり、チルド食品といえども在庫・輸送の間は殆ん
どがコールド食品型体の流通路線で常温流通でないた
め、物流に費用がかかりマーケットにも制約があるの
で、流通上、常温流通ができ、かつそれらの食品が電子
加熱調理により充分に満足のいくものができることが期
待されている。
問題点を解決するための手段 本発明者等は電子レンジを用いて冷凍食品等の調理を行
う際の、上記電子レンジ本体による相違および冷凍食品
による相違に無関係に各種食品に応じて適切な調理がで
きる方法を提供すべく研究を重ねていたが、中に装入し
た食品の電子加熱時に内圧がかかった状態で水蒸気が出
る水蒸気調節穴を有する収納体に冷凍食品を入れ、蒸気
が吹き出して10秒以下、好ましくは3〜8秒で電子加熱
をストップさせることにより、前記の各種条件に左右さ
れることなく各種冷凍食品の適切な調理が可能であるこ
とを見出し、先に調理用食品の電子加熱時の水蒸気の内
圧によりふくれることができ、且つ一定の内圧をこえた
ときに水蒸気が吹き出る水蒸気調節穴(孔)を有する電
子レンジ調理用食品収納体を用い、水蒸気調節穴からの
水蒸気吹き出し時間を10秒〜1秒に設定、調理を行なう
ことを特徴とする食品の電子加熱調理方法、及び調理用
食品の電子加熱時の水蒸気の内圧によりふくれる事がで
き、且つ一定の内圧をこえたときに水蒸気が吹き出る水
蒸気調節穴を有する電子加熱調理用食品収納体を提案し
た。
本発明者らはさらに、電子加熱調理用コールド食品の冷
凍流通から常温流通機構の改善を図り、かつ電子加熱に
より満足のいく調理を可能とするものを追求し、鋭意検
討の結果、従来の例えば缶詰め型の金属容器及び金属プ
レートを合成樹脂容器、ガラス容器、陶器の容器或いは
表面を合成樹脂でコーティングした容器等及び合成樹脂
プレートとし、それに特定の機能を具えた合成樹脂の蓋
により、前記の流通機構及び電子レンジでの調理が一挙
に解決できることを見出し、本発明に到達したものであ
る。
即ち、本発明は容器本体、容器本体の上部開放部を覆う
圧着シート、及び該装着シートの上部を覆う調理用食品
の電子加熱時に発生する水蒸気の一定の内圧をこえた時
に水蒸気が吹き出る水蒸気調節穴を有する蓋からなるこ
とを特徴とする調理済み食品の電子加熱調理用食品収納
体に関するものである。
本発明の食品収納体の容器本体は合成樹脂、ガラス、陶
器等からなり、中でも耐熱性合成樹脂が好ましく、例え
ばポリエステル、ポリプロピレン、その他ポリアミド、
ポリイミド等である。
又、容器本体の上部開放部を覆う圧着シートは耐熱性合
成樹脂であれば何れのものも使用できるが、例えばポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の容器本体
と同じものが好ましく使用される。この圧着シートには
剥かすときに便利なように取手を付けることができる。
本発明の食品収納体の蓋は調理用食品の電子加熱時に発
生する水蒸圧の一定の内圧をこえた時に水蒸気が吹き出
る水蒸気調節穴(孔)を設けた構成からなるものであ
る。この材質は耐熱性合成樹脂が好ましく、前記容器本
体と同じものでよい。
電子加熱調理時には、この蓋は上記圧着シートが剥がし
た後、容器本体に密着結合し、収納体に水蒸気内圧がか
かっても剥がれないものとし、通常は内圧がかかっても
その形状が変化しないものとするが、内圧により調理の
目安となるふくらみができる構造のものでも構わない。
本発明の収納体を用いて電子加熱により食品を調理する
に当っては、内圧がかかり、水蒸気が吹き出すことが重
要である。又、この収納体の蓋からの吹き上げ時間も重
要であり、この吹き上げ時間を調理終了の目安とするこ
とができるのである。
何れの食品も調節穴より蒸気が吹き上げる時間を10秒以
下、好ましくは3〜8秒に設定することにより、味、
香、食感のすぐれた調理食品が得られる。この蒸気吹き
上げ時間を10秒以下、好ましくは3〜8秒で加熱停止す
るには、湿度センサーを電子レンジに取り付け、蒸気吹
き上げ時間を感知、自動的に加熱停止出来るようにする
等、その他いずれの方法も適用できるし、蓋がふくれる
ものを使用する場合は、目でふくらみを見ながら確認し
てもよい。
この収納体内の蒸気圧が1.00〜1.15気圧、温度として10
0℃〜105℃の範囲が好ましく、この範囲外では、即ち1.
00気圧未満の場合は蒸気の憤出がなく調理の目安がつき
難く好ましくない。
水蒸気調節穴の大きさ、型及び数は前記内圧を考慮し、
さらに収納体の大きさ(容積)、調理する食品により、
即ち主として食品に含まれる水分より大略計算して求め
ることができる。勿論、食品の成分、構成である炭水化
物、蛋白質、灰分、油分等によって食品毎の微調節は必
要であるが、通常は、収納体の全容積は約300ccでは、
この穴の口径は0.5mm〜2mmで穴の数は1〜6箇である。
調節穴の形状は普通は円形であるが、×印及びV印の切
込みを設け、憤射蒸気により×印、V印の切込みを押上
げ調製する方法も含まれる。
この穴のあけ方は上下運動の金属針又は金属加熱針によ
り、或いは同様な針のクランク運動であけることができ
る。
収納体の形状は円形、多角形等のいずれのものも採用で
きるものである。
本発明の圧着シートを設けた状態の収納体はこれをレト
ルトパウジ方式による殺菌処理を行なう。この殺菌処理
方式が可能なため、従来からある充填方式をすべて採用
することができ、例えばドライパック方式も可能とな
り、完全調理食品の味覚を損なわずに調理ができ、その
うえ、従来のコールド流通から常温流通へ転換できるの
である。
本発明で用いられる調理済み食品としては水分70%以下
の食品であり、例えば (1)食肉加工品(やきとり、ハンバーグ、ナゲット、
一口カツ等の沙めもの、フライもの各種) (2)水産加工品(魚類のやきもの、フライもの、蒸し
もの、包み焼、ポピエット風等各種) (3)野菜加工品(枝豆、そら豆の塩ゆで、野菜沙め、
ゆでもの等) (4)米麦加工品(赤飯、チャーハン、まぜ御飯、焼き
そば、スバゲティ、焼きうどん等、但し汁物うどん、そ
ば、ラーメン等水分の多いものは、誘電率の関係で好ま
しくない) (5)その他(ぬれ珍味、パンケーキ、蒸しもの、スナ
ック等)が挙げられる。
作用 本発明の容器本体、容器の上部開放部を覆う圧着シー
ト、及び調理済み食品の電子加熱時に発生する水蒸気の
一定の内圧をこえた時水蒸気が吹き出る水蒸気調節穴を
有する蓋からなる電子加熱調理食品収納体により、該食
品のレトルドパウジ方式の殺菌処理が可能となり、従来
のコールド食品を常温流通に転換できる。又、特定の調
節穴を有する蓋が採用されているので、電子レンジでの
加熱調理において、その電子レンジの機種、電子レンジ
庫内での食品設置場所、食品の種類、食品に含まれる水
分、油分の相違に関係なく、ほとんどの調理済み食品を
短時間に、しかも美味に調理ができる。
又、電子加熱の終了時間を蓋の調節穴からの水蒸気の吹
き上げ時間、場合によりそれとともにその蓋の内圧によ
りふくれ上がることにより識別、確認でき、調理の操作
が極めて簡単で容易なものとなる。
実施例 図面に基づいて、本発明をさらに説明するが、本発明は
これらのものに限定されるものでないことは言うまでも
ない。
第1図は本発明の食品収納体模式図であり、第1図
(a)は食品収納体の断面模式図、第1図(b)は円筒
型食品収納体模式図である。第2図は本発明の食品収納
体の使用態様を示す模式図であり、第2図(a)は食品
を収納して圧着シートで密閉した状態を示す収納体の断
面模式図、第2図(b)は加熱調理時の圧着シートを剥
がして蓋を密着した状態を示す食品収納体で蓋がふくれ
ないものの場合の断面模式図、第2図(c)は電子レン
ジで加熱調理後の食品収納体で蓋がふくれる場合の模式
図である。第3図は本発明の食品収納体の蓋の一例を示
す断面模式図である。第4図は本発明のトレイ型食品収
納体を示す模式図であり、第4図(a)はトレイ型の食
品収納体で加熱前の模式図であり、第4図(b)は加熱
調理後のトレイ型食品収納体であって蓋がふくれる場合
の模式図である。図中、1は容器本体、2は圧着シー
ト、3は蓋、4は水蒸気調節穴、5は調理済み食品、6
はリム、7は蓋の容器本体との嵌合部、8はキャップで
ある。
本発明では合成樹脂製(例えばポリエステル)容器本体
1中に調理済み食品5を収納し、圧着シート(例えばポ
リエステルシート)2で圧着密封する〔第2図
(a)〕。この状態で収納体をレトルトパウジ方式によ
って殺菌処理する。ついで蓋3を添付する〔第1図
(a)〕。以上の形態で流通に供する。本発明では調理
済み食品の殺菌或いは滅菌をレトルトパウジ方式で行な
うことができるので、従来のように調理済み食品を冷
凍、冷却する必要がなく、常温で流通が可能となるので
ある。
電子レンジでの加熱調理に際し、圧着シート2〔第2図
(a)〕を剥がし、蓋3を容器本体1と嵌合密着する
〔第2図(b)〕。蓋3は耐熱性合成樹脂例えばポリエ
ステルからなり、収納した調理済み食品から加熱時に発
生する水蒸気雰囲気が内圧1.00〜1.15気圧(温度100〜1
05℃)となるように水蒸気調節穴4が設けられる。具体
的には内容積350ccで2mm2円穴1個が中央にあけられて
いる。この蓋に密着された食品5入り収納体〔第2図
(b)及び第4図(a)〕を電子レンジ庫内に入れて加
熱する。電子加熱すると蒸気が調節穴4から噴出する。
その際蓋がふくれるように構成されたものではその蓋が
ふくれる〔第2図(c)及び第4図(b)〕。憤出時間
5〜10秒で電子加熱を切ると調理済み食品は食べごろと
なり、調理が完了するのである。
本発明の食品収納体において、その蓋3は容器本体と蓋
6の7の部分で密着嵌合するものであり、通常、蓋は内
圧がかかってもその形状に変化のないものが(密着嵌合
上)好ましいが、内圧により蓋がふくれるものも採用で
きる(この場合は調理の完了が目でわかる点で好まし
い)。そのためその外周の周辺にリム6を設けて、蓋の
ふくれをスムーズにしたり(第3図)、又蓋3のふくれ
る部分を該蓋の中央部に設けたりすることができる(第
4図)。
発明の効果 以上記載のとおり、本発明の容器本体、圧着シート及び
水蒸気調節穴を有する蓋からなる電子加熱調理食品収納
体を用いることにより、(1)ドライパック方式での殺
菌ができるため、調理済み食品の従来のコールド流通か
ら常温流通に変換でき、調理用食品の流通上操作及び輸
送が著しく簡便となり、極めて経済的なものとなる、
(2)本発明の収納体ではドライパック方式で殺菌がで
き、調理済み食品は液がないか或いは極く少ないため、
従来の缶詰めよりもはるかに本物の味に近ずけることが
でき、従来の缶詰食品に代って全く新しい型の保存流通
食品が期待できる。(3)収納体自体が極めて簡単な構
造組合わせからなり、その製造及び取扱いが容易であ
り、安価で経済的である。(4)調理にあたって、常温
調理済み食品であるため、冷凍調理済み食品と比較し、
水と氷の誘電率の大巾な差が調理完了までの時間を1/2
〜1/5に短縮でき、大半の調理済み食品の調理が1分内
外と極めて短時間で行なうことができる。(5)電子レ
ンジの種類、機能に左右されることなく、水分70%以下
の調理済み食品の満足のいく調理が可能となる。(6)
調理操作も熱シール部をとり(取り手付のものは取り手
を引き抜けば開放となる)特定の水蒸気調節穴を有する
蓋をして電子加熱するので簡便である。(7)収納体の
蓋に設けられた水蒸気調節穴からの水蒸気の憤出を湿度
センサーでとらえ電子レンジの加熱を停止する装置と組
合わせることができ、又ブザーやカラーランプ等と連動
させることも可能となり、電子レンジでの調理が自在且
つ容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の食品収納体模式図であり、第1図
(a)は食品収納体の断面模式図、第1図(b)は円筒
型食品収納体模式図、第2図は本発明の食品収納体の使
用態様を示す模式図であり、第2図(a)は食品を収納
して圧着シートで密閉した状態を示す収納体の断面模式
図、第2図(b)は加熱調理時の蓋を密着した状態を示
す食品収納体断面模式図、第2図(c)は蓋がふくれる
ものを使用した場合の加熱調理後の食品収納体の模式
図、第3図は本発明の食品収納体の蓋の一例を示す断面
模式図、第4図は本発明のトレイ型食品収納体の模式図
であり、第4図(a)は加熱前のトレイ型食品収納体模
式図、第4図(b)は加熱調理後の蓋がふくれる場合の
トレイ型食品収納体の模式図である。 図中、1は容器本体、2は圧着シート、3は蓋、4は水
蒸気調節穴、5は調理済み食品、6はリム、7は蓋の容
器本体との嵌合部、8はキャップである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−155938(JP,A) 特開 昭61−173028(JP,A) 実開 昭55−179613(JP,U) 実開 昭55−121082(JP,U)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器本体、容器本体の上部開放部を覆う圧
    着シート、及び該圧着シートの上部を覆う調理用食品の
    電子加熱時に発生する水蒸気の一定の内圧をこえた時に
    水蒸気が吹き出る水蒸気調節穴を有する蓋、からなるこ
    とを特徴とする調理済み食品の電子加熱調理用食品収納
    体。
  2. 【請求項2】容器本体が耐熱性合成樹脂からなり、円形
    或いは多角状の形状のものである特許請求の範囲第1項
    記載の電子加熱調理用食品収納体。
  3. 【請求項3】圧着シートが耐熱性合成樹脂からなるもの
    である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の電子加熱
    調理用食品収納体。
  4. 【請求項4】蓋が耐熱性合成樹からなる特許請求の範囲
    第1項、第2項又は第3項記載の電子加熱調理用食品収
    納体。
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