JP2779116B2 - 容器入り冷凍食品 - Google Patents

容器入り冷凍食品

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JP2779116B2
JP2779116B2 JP5199987A JP19998793A JP2779116B2 JP 2779116 B2 JP2779116 B2 JP 2779116B2 JP 5199987 A JP5199987 A JP 5199987A JP 19998793 A JP19998793 A JP 19998793A JP 2779116 B2 JP2779116 B2 JP 2779116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米飯などの固形食品
と、これと別体に収納した調味液及び必要により具材と
を組み合わせて収納してなる容器入り冷凍食品に関する
ものであり、さらに詳しくは、家庭内もしくは店頭など
において、電子レンジにより解凍すると共に、ごく簡単
な操作を施すだけで、格別の手間を要することなく別体
に収納した調味液及び必要により具材を米飯などの固形
食品の上に均一な状態に簡便、かつ確実に載置すること
ができると共に、かかる状態でこれをただちに食に供す
ることが可能な容器入り冷凍食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子レンジで解凍するだけでその
まま食に供することができるようにした冷凍食品が数多
く市場に出回るようになり、その中には、例えば、米飯
のような固形食品の上に具入り調味液をかけた状態で食
に供するようないわゆる丼物と云われる製品も見受けら
れるようになってきた。一般に、このような丼物タイプ
の冷凍食品は、概して、蓋付き容器の中に凍結した米飯
が入れられ、その上に、凍結した具入り調味液が載せら
れたような構造のものが中心となっていた。
【0003】このようなものとして、例えば、凍結調味
液の第1層と凍結卵液の第2層から少なくとも積層構成
され、凍結された具材が第1層、第2層及び第1層と第
2層とは別の第3層の内の少なくともいずれかに含ま
れ、解凍調理に際し、第1層の上部に第2層が載置され
た状態で加熱調理されるようにしたことを特徴とする冷
凍卵とじ類、などが提案されている(特開昭63−36
739号公報)。
【0004】ところで、上記のような丼物タイプの冷凍
食品を、例えば、家庭内の電子レンジで解凍すると、早
い段階で解凍された具入り調味液が、徐々に解凍されつ
つある米飯中にしみ込んで行くことになり、解凍が完了
した時点では米飯が完全に調味液を吸い取って全体とし
てふやけたような食感、あるいは煮込んだような食感と
なってしまい、また、具の方も乾燥して水分が不足して
コゲ付いたような状態を呈するようになり、店で注文し
た時に出てくるような本格的な丼物などからみると、質
的に見てもかなり見劣りしたものとなり、いかにも即席
食品的なイメージが強く、かつ実際に食味の点でも及ば
ないものがほとんどであった。
【0005】このような丼物タイプの冷凍食品に見られ
る問題点を解消するために、従来、米飯のような固形食
品と具入り調味液を別体に収容してなる容器入り即席食
品も種々開発されており、例えば、ご飯やめん類やうな
ぎなどの食材を収容するカップ状容器と、カレースープ
やめんつゆやたれなどの具材を収容する袋状容器と、こ
の袋状容器を内側に保持した上蓋とからなる電子レンジ
用の容器であって、この具材を収容する袋状容器を易貫
通性の熱収縮性樹脂フィルムで構成して、かつ袋状容器
を内側に保持した上蓋に樹脂ピンなどの半切れ状の貫通
孔を設けたことを特徴とする電子レンジ用の即席食品容
器、などが提案されている(特開平4−367476号
公報)。
【0006】しかしながら、当該即席食品容器は、上記
のように、具材を収容する袋状容器を易貫通性の熱収縮
性樹脂フィルムで構成して、かつ袋状容器を内側に保持
した上蓋に樹脂ピンなどの半切れ状の貫通孔を設けたこ
とを特徴とするものであり、マイクロ波の加熱作用によ
って、具材を収容した袋状容器が自動的に開封して、手
間をかけずに食材に具材を注ぐことをねらいとしている
ものであり、上記のようにかなり特殊な構成を採用した
ものであると同時に、貫通孔が一気に引裂かれて開封さ
れるために、具材を均一な状態で食材に載置することは
必ずしも容易ではないと云った面があった。
【0007】このように、従来、家庭内もしくは店頭な
どにおいて、電子レンジで解凍するだけでただちに食に
供することが可能な冷凍食品が数多く開発されているも
のの、例えば、丼物のように、米飯と具入り調味液のよ
うな性質の著しく異なる異質の食品を組み合わせたよう
な食品の場合には、解凍後の製品の仕上がり具合がきわ
めて不満足なものであり、いわゆる店で注文した時に出
て来るような本格的な丼物と比べてほとんど遜色のない
質的に高いレベルのものを得ることは技術的にきわめて
難しいと云う問題点があり、当業界において、その技術
的な改善が強く要請されている状況にあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
え、本発明者らは、米飯のような固形食品に、調味液及
び必要により具材を載せて食に供する丼物のような形態
の冷凍食品にみられる上記のような問題点を解消し、冷
凍食品であっても、店で出される本格的な丼物などと何
ら遜色のない仕上がり具合が得られる質的に優れた製品
を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結
果、冷凍した調味液及び必要により具材を収納すること
が可能な特定の形態の中蓋を使用すると共に、これを組
み合わせた特定の容器を使用することによって所期の目
的を達成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】本発明は、米飯、めん類、パスタ類などの
ような固形食品と、これと別体に収納した調味液及び必
要により具材を組み合わせて収納してなる容器入り冷凍
食品であって、家庭内もしくは店頭において、電子レン
ジで解凍し、食する直前に調味液及び必要により具材を
当該固形食品の上部に均一な状態で載せて、ただちに食
に供することが可能な新しいタイプの容器入り冷凍食品
を提供することを目的とするものである。
【0010】また、本発明は、電子レンジで解凍後、中
蓋に収納した調味液及び必要により具材を、きわめて簡
便な操作により米飯などのような固形食品の上部に均一
な状態に、簡便、かつ確実に載置することが可能な容器
入り冷凍食品を提供することを目的とするものである。
【0011】本発明は、米飯などの固形食品に、必要に
よりフライ、天ぷら、ハンバーグ、ミートボール、卵焼
きなどの具類のような副固形食品を載せて、当該固形食
品の上に、必要により具材を含む調味液を均一な状態に
かけて、そのまま温かい状態で食に供するような食品に
関し、電子レンジで解凍するだけで、店で注文した時に
出てくる本格的なものと何ら遜色のないような仕上がり
具合が得られる、質的に高いレベルの容器入り冷凍食品
を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器の底に入
れた凍結米飯などの固形食品と、その上にのせる凍結調
味液及び必要により具材との間に、特定の形態の中蓋、
すなわち周囲に該容器の開口部に係止させるための鍔を
備え必要により小孔を設けた略凹状の側壁と底部からな
る中蓋、で仕切りを入れると共に、該鍔の最内側の周囲
付近に、その全周のうちの一部を接続部として残して切
り離せるように形成した切り離し部を設けることによ
り、上記目的を確実に達成することができるという知見
に基づいてなされたものであり、かかる目的を達成する
本発明は、以下の(1)〜(6)の技術的手段から構成
されるものである。
【0013】(1)容器の底部に冷凍した固形食品及び
必要により副固形食品が入れられ、これらの上部に、周
囲に該容器の開口部に係止させるための鍔を備え必要に
より小孔を設けた略凹状の側壁と底部からなる中蓋が、
該中蓋の底部に冷凍した調味液及び必要により具材を入
れた状態で、上記容器の開口部を覆うように載置され、
さらに該鍔の最内側の周囲付近に、その全周のうちの一
部を接続部として残して切り離せるように形成した切り
離し部を設けてなることを特徴とする容器入り冷凍食
品。
【0014】(2)該中蓋の側壁のうち、切り離される
側の部分に、中蓋の略凹状の底部から開口部にかけて緩
やかに傾斜させた傾斜部を設けたことを特徴とする前記
(1)記載の容器入り冷凍食品。
【0015】(3)切り離し部の端部に、該切り離し部
を把持して切り離すための把持部を設けたことを特徴と
する前記(1)記載の容器入り冷凍食品。
【0016】(4)固形食品が、米飯、めん類、パスタ
類であることを特徴とする前記(1)記載の容器入り冷
凍食品。
【0017】(5)副固形食品が、フライ、天ぷら、ハ
ンバーグ、ミートボール、卵焼きなどの具類、あるい
は、焼豚、油揚などの麺用具類であることを特徴とする
前記(1)記載の容器入り冷凍食品。
【0018】(6)容器の形状が、カップ状、ドンブリ
状あるいはトレイ状であることを特徴とする前記(1)
記載の容器入り冷凍食品。
【0019】続いて、本発明の容器入り冷凍食品につい
て詳細に説明する。まず、本発明において、その対象と
なる食品としては、具体的には、例えば、牛丼、親子
丼、中華丼、天津丼、マーボ丼、カツ丼、天丼、カレー
ライス、カツカレー、ハンバーグカレー、ハヤシライ
ス、カレーうどん、きつねうどん、ラーメン、スパゲテ
ィ(ナポリタンソース、ミートソース、その他)、カル
ビクッパ、茶漬けなど、熱くした状態の調味液及び必要
により具材をかけて食に供するような食品が代表的なも
のとして挙げられるが、これらの食品に限定されるもの
ではなく、これらと同様の食品であれば適宜のものを対
象とすることができる。
【0020】以上、例示的に挙げた上記の食品からも明
らかなように、本発明における固形食品とは、上記各種
食品のベースとなる食材であり、とりわけ炭水化物を主
原料とするもので、具体的には、例えば、米飯、めん
類、パスタ類などが代表的なものとして挙げられるが、
その他、同じく炭水化物を主原料とするもので、冷凍及
び解凍による影響を受けにくいものであれば如何なる食
品であってもよく、特に限定されるものではない。
【0021】一方、本発明における副固形食品とは、必
要により上記固形食品の上に付加的に載せられるいわゆ
る具類に相当するものであり、具体的には、フライ、天
ぷら、ハンバーグ、ミートボール、卵焼きなどの具類、
あるいは、焼豚、油揚などの麺用具類などが代表的なも
のとして挙げられるが、これらに限定されるものではな
く、これらと同様のものであれば適宜のものを使用する
ことが可能である。
【0022】また、本発明における調味液とは、上記の
ような固形食品を調味するための調味液であり、食に供
する直前に、これを前記固形食品の上に、必要により具
材と共に、熱くした状態でかけることにより、前記固形
食品を最終的に調味することを目的として使用する、例
えば、カレースープ、めんツユ、タレ、ソース類などを
云い、当該調味液は、目的とする食品に合わせて適宜の
ものが使用可能であり、また、それらは、常法により調
製すればよい。
【0023】次に、本発明の容器入り冷凍食品について
図面に基づいて具体的に説明する。
【0024】本発明の容器入り冷凍食品の全体図を示す
図5において、1は、容器であり、その底部には米飯な
どの固形食品2が冷凍された状態で入れられている。こ
の場合、例えば、カツ丼などの丼物の場合には、さらに
米飯などの固形食品2の上にトンカツなどの副固形食品
8を冷凍させた状態で載せることも可能である。
【0025】それらの上部に、周囲に上記容器の開口部
に係止させるための鍔10を備えた略凹状の側壁と底部
からなる中蓋3が、該中蓋3の底部に調味液及び必要に
より具材5が冷凍された状態で、上記容器1の開口部を
覆うようにして載置され、さらに上記鍔10の最内側の
周囲付近に、その全周のうちの一部を接続部として残し
て切り離せるように形成した切り離し部9を設けると共
に、必要により中蓋3には解凍後の調味液5が接触しな
い部位に少なくとも1つ以上の小孔4が設けられてい
る。
【0026】次に、図1〜4は、容器の開口部に載置さ
れる中蓋3を示す。すなわち、図1は、中蓋3の平面
図、図2は、中蓋3の断面図、図3は、中蓋の切り離し
部9を切り離した状態を示す斜視図、図4は、切り離し
部9の別態様を示す中蓋3の平面図、を、それぞれ、示
す。
【0027】上記中蓋の側壁のうち、切り離される側
a′の部分に、中蓋の略凹状の底部bから開口部cにか
けて緩やかに傾斜させた傾斜部12を設けることも適宜
可能である。さらに、上記切り離し部9の端部d、d′
の少なくとも一方には、該切り離し部9を指で把持して
切り離すための例えば、リブなどの適宜形状の把持部1
1を設けることも適宜可能である。上記中蓋3におい
て、鍔部10は、上記容器1の開口部に係止し得る幅に
形成したものであれば、その形状、構造などは特に限定
されるものではない。
【0028】また、上記切り離し部9は、例えば、ミシ
ン目構造、チャック構造など切り離し可能な適宜の手段
を採用することが可能であり、図4のような切り取り部
分13を形成したものであっても良く、特に限定される
ものではない。また、上記接続部14の長さも、中蓋3
の底部bに位置する調味液及び必要により具材5が、切
り離し部9を切り離した際に、自重により容器1の上部
に自然落下するように、中蓋3の側壁a及び底部bが傾
斜し得るための支点として機能し得る程度のものであれ
ば良く、特に制限されるものではない。さらに、必要に
より、中蓋3の上に、蒸気抜き孔7が上面に設けられた
上蓋6が、容器1の開口部に開閉自在に嵌着されてい
る。
【0029】本発明における容器は、上記のような構成
を考慮して、ある程度の高さと適度の面積を備えたカッ
プ状、ドンブリ状あるいはトレイ状のものが好適なもの
として挙げられる。また、容器1及び中蓋3、必要によ
り使用する上蓋6の材質としては、製造時に冷凍された
り、解凍時に電子レンジにより加熱されたりするので、
少なくとも耐冷凍性及び耐熱性があることが必要であ
り、また容器及び中蓋については、さらに耐水性がある
ことが必要であるが、このような条件が満たされるもの
であれば如何なるものであってもよく、特に限定される
ものではない。具体的には、紙、PP(ポリプロピレ
ン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテ
レフタレート)などが代表的なものとして挙げられ、こ
れらを単独、もしくは適宜組み合わせて使用することが
できる。
【0030】次に、本発明の容器入り冷凍食品の製造法
について説明する。まず、米飯、めん類、パスタ類など
の固形食品2を容器1に適量入れてから−40℃程度の
冷凍庫などで常法により冷凍するか、あるいは、別途、
これらの固形食品2の適量を容器1の形に合わせて常法
により冷凍したものを容器1に収納する。この場合、必
要により、別途、冷凍した副固形食品8を固形食品2の
上に載せることも、あるいは、副固形食品を載せた後に
冷凍することも適宜可能である。
【0031】次に、調味液及び必要により具材5を適量
入れて冷凍した中蓋3を容器1の開口部を覆うようにし
て載置するか、あるいは、先に中蓋3を容器1の開口部
を覆うようにして載置した後、別途、調味液及び必要に
より具材5の適量を中蓋の形に合わせて冷凍したものを
収納する。最後に、上蓋6を容器1の開口部に嵌着する
などして載せ、必要により全体をシュリンク包装など適
宜の包装手段で包装して、本発明の容器入り冷凍食品が
完成する。また、他の製造法として、冷凍前の固形食品
2、副固形食品8、調味液及び必要により具材5をすべ
て容器1内にセットしてから一度に冷凍することも適宜
行うことができるが、この場合、冷凍が完了するまでに
ある程度の時間が必要とされる。
【0032】
【作用】次に、本発明の容器入り冷凍食品の電子レンジ
による解凍及び開封操作について説明する。電子レンジ
に本発明の容器入り冷凍食品を、必要によりシュリンク
包装を取り除き、上蓋を外してから、入れて、加熱、解
凍を開始してしばらくすると、冷凍の固形食品2、調味
液5、そして食品によっては副固形食品8が解凍し始
め、固形食品2から含有水分が蒸気となって中蓋3の底
との間にできた空間において対流を始め、この蒸気が固
形食品2自身と副固形食品8を加熱し、かつ中蓋3の底
を加熱するので、結果的に調味液5をも加熱することに
なる。
【0033】また、この蒸気は徐々に中蓋3に設けられ
た切り離し部9又は必要により設けられた小孔4から逃
げていくので、中蓋3は蒸気の圧力で外れるようなこと
はない。さらに、図5のような上蓋6を嵌着させた場合
には、この蒸気は調味液5と上蓋6との間にできた空間
においても、調味液5から発生した蒸気と一緒になって
対流を起こし、その後は調味液5を上部から加熱するこ
とになり、さらに、これらの蒸気は上蓋6の蒸気抜き孔
7から逃げていく。
【0034】電子レンジによる解凍が完了したら、ま
ず、容器ごと電子レンジから取り出して、必要により上
蓋6を外した後、中蓋3の切り離し部9の端部d、d′
に設けられた把持部11を指で把持して引っぱるように
して該切り離し部9を切り離して、中蓋3の鍔10を持
って引き上げると、中蓋3の底部bが傾き、しかして、
中に入っている調味液及び必要により具材5を自重によ
り固形食品2及び副固形食品8の上に自然落下させてか
けるようにすれば、そのままただちに食に供することが
可能な目的とする食品が完成する。この場合、中蓋3の
底部bが傾いた時に傾斜部12が設けてあると、中に入
っている調味液及び必要により具材5がスムーズに落下
するようになる。
【0035】以上のように、本発明によれば、電子レン
ジで解凍し、簡便な操作を施すだけで、店で注文した時
に出てくるような本格的な丼物などと何ら遜色のない丼
物、めん類、パスタ類などの食品が簡単に出来上がるだ
けでなく、従来の容器入り冷凍食品に比べて、加熱、解
凍効率、がきわめて優れたものであり、解凍時間が大幅
に短縮することができると云う効果が得られる。
【0036】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明は当該実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 まず、常法により炊飯した米飯100gをカップ状容器
(直径100mm×高さ100mm、材質/紙)に平ら
になるように入れ、−40℃の冷凍庫内で100分間の
冷凍処理をした。次に、別途、中蓋、すなわち周囲に上
記容器の開口部に係止させるための鍔を備えた略凹状の
側壁と底部からなり、該鍔の最内側の周囲付近に、その
全周のうちの一部を接続部として切り離せるようにミシ
ン目にて形成したリブ付き切り離し部を設けてなる中蓋
(高さ40mm、材質ポリプロピレン)に加熱調理した
牛丼用の調味液及び具材150gを充填し、−40℃の
冷凍庫内で100分間の冷凍処理をしたものを、上記容
器の開口部に載置してから、上蓋(厚紙)を上記容器の
開口部に嵌着し、容器入り冷凍食品を得た。
【0037】比較例 比較例として、中蓋を使わずに、冷凍した米飯の上に冷
凍した牛丼用の調味液及び具材を直接載せる以外は、実
施例1と同様に製造して、容器入り冷凍食品を得た。
【0038】実施例1と比較例の容器入り冷凍食品を、
それぞれ500Wの電子レンジで3分間加熱し、実施例
1については、その後、中蓋のリブ付き切り離し部をリ
ブを指で把持して切り離して中蓋に入れた調味液を米飯
の上にかけた後、両者について比較評価テステを実施し
た。その結果、実施例1のものは完全に解凍されてい
て、かつ調味液及び具材がほぼ均一に満遍なく米飯上に
行きわたった良好な仕上がり具合をみせており、食感も
きわめて良好なものであり、しかも見た目にも店で出さ
れる本格的なものと何ら遜色のないものであった。
【0039】一方、比較例のものは、米飯の中心部がま
だ未解凍の状態であり、また、解凍した部分は煮込んだ
ような食感となっており、さらに具材のネギなどが乾燥
し、水分不足によりコゲを生じて、見かけが悪く、食味
もきわめて劣っているものであった。このように、本発
明の容器入り冷凍食品の場合は、比較例の製品に比べ
て、特に、調味液及び具材が米飯上にほぼ均一に満遍な
く行きわたった良好な仕上がり具合をみせたことは、従
来製品にみられない特有の効果として位置づけられるも
のである。
【0040】実施例2 まず、常法により炊飯した米飯100gをカップ状容器
(直径100mm×高さ100mm、材質/紙)に平ら
になるように入れ、−40℃の冷凍庫内で100分間の
冷凍処理をした後、別途、冷凍処理したトンカツを米飯
の上に載せた。次いで、別途、中蓋、すなわち周囲に上
記容器の開口部に係止させるための鍔を備えた略凹状の
側壁と底部からなり、該鍔の最内側の周囲付近に、その
全周のうちの一部を接続部として切り離せるようチャッ
ク構造にて形成したリブ付き切り離し部を設けてなる中
蓋(高さ40mm、材質ポリプロピレン)に加熱調理し
たカツ丼用の調味液150gを充填し、−40℃の冷凍
庫内で100分間の冷凍処理をしたものを、上記容器の
開口部に載置してから、上蓋(厚紙)を上記容器の開口
部に嵌着し、容器入り冷凍食品を得た。実施例1の場合
と同様に、質的に高いレベルの良好な仕上がり具合の製
品が得られた。
【0041】実施例3 まず、常法により茹でたスパゲティ100gをトレイ状
容器(たて150×ヨコ100mm×高さ100mm、
材質/紙)に平らになるように入れ、−40℃の冷凍庫
内で100分間の冷凍処理をした。次に、別途、中蓋、
すなわち周囲に上記容器の開口部に係止させるための鍔
を備えた略凹状の側壁と底部からなり、該鍔の最内側の
周囲付近に、その全周のうちの一部を接続部として切り
離せるように切り取り部分を有する構造にて形成したリ
ブ付き切り離し部を設けてなる中蓋(高さ40mm、材
質ポリプロピレン)に加熱調理したナポリタンソース1
50gを充填し、−40℃の冷凍庫内で100分間の冷
凍処理をしたものを、上記容器の開口部に載置してか
ら、上蓋(厚紙)を上記容器の開口部に嵌着し、容器入
り冷凍食品を得た。得られた製品は、実施例1の場合と
同様に、優れた品質のものであった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
調味液が固形食品や副固形食品と直接接触していないの
で、電子レンジで解凍したときに、解凍された調味液が
固形食品や副固形食品にしみ込まず、従って、固形食品
がタレを吸ってふやけた食感、あるいは煮込んだ食感に
なったり、副固形食品の衣などが崩れたり、乾燥して水
分不足でコゲたりするようなことがない。
【0043】また、電子レンジで解凍した時に、固形食
品からでる蒸気が中蓋に遮断されて容器の外へ直接逃げ
ないので固形食品が乾燥しにくくなるとともに均一に加
熱されるようになるために早く解凍でき、さらに上記蒸
気が調味液を下側から温めるので全体として解凍時間が
短縮される。
【0044】また、容器の開口部を覆うように載置され
る中蓋は、その鍔の最内側の周囲付近に、その全周のう
ちの一部を接続部として残して切り離せるように形成し
た切り離し部が設けられているので、電子レンジで解凍
後、当該切り離し部を切り離して、中蓋の鍔を持って引
き上げると、中蓋の底部の部分が調味液及び必要により
具材の自重により傾いて、調味液及び必要により具材
を、その自重により自然落下させる形で、簡便、かつ確
実に固形食品の上に均一な状態で載置することができ、
その結果、作りたての丼物、めん類、パスタ類などの料
理を簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における容器の中蓋の平面図である。
【図2】本発明における容器の中蓋の断面図である。
【図3】本発明における容器の中蓋の切り離し部を切り
離した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明における容器の中蓋の別の態様を示した
平面図である。
【図5】本発明の容器入り冷凍食品の全体の構成を示し
た断面図である。
【符合の説明】 1 容器 2 冷凍固形食品 3 中蓋 4 小孔 5 冷凍調味液(及び具材) 6 上蓋 7 蒸気抜き孔 8 冷凍副固形食品 9 切り離し部 10 鍔 11 把持部(リブ) 12 傾斜部 13 切り取り部分 14 接続部 a 側壁 a′側壁(切り離される側) b 底部 c 開口部 d 切り離し部の端部 d′切り離し部の端部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 81/34 B65D 81/34 V (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/10 - 1/162 A23L 3/36 - 3/54 B65D 67/00 - 79/02 B65D 81/18 - 81/30,81/38

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の底部に冷凍した固形食品及び必要
    により副固形食品が入れられ、これらの上部に、周囲に
    該容器の開口部に係止させるための鍔を備え必要により
    小孔を設けた略凹状の側壁と底部からなる中蓋が、該中
    蓋の底部に冷凍した調味液及び必要により具材を入れた
    状態で、上記容器の開口部を覆うように載置され、さら
    に該鍔の最内側の周囲付近に、その全周のうちの一部を
    接続部として残して切り離せるように形成した切り離し
    部を設けてなることを特徴とする容器入り冷凍食品。
  2. 【請求項2】 該中蓋の側壁のうち、切り離される側の
    部分に、中蓋の略凹状の底部から開口部にかけて緩やか
    に傾斜させた傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の容器入り冷凍食品。
  3. 【請求項3】 切り離し部の端部に、該切り離し部を把
    持して切り離すための把持部を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の容器入り冷凍食品。
  4. 【請求項4】 固形食品が、米飯、めん類、パスタ類で
    あることを特徴とする請求項1記載の容器入り冷凍食
    品。
  5. 【請求項5】 副固形食品が、フライ、天ぷら、ハンバ
    ーグ、ミートボール、卵焼きなどの具類、あるいは、焼
    豚、油揚などの麺用具類であることを特徴とする請求項
    1記載の容器入り冷凍食品。
  6. 【請求項6】 容器の形状が、カップ状、ドンブリ状あ
    るいはトレイ状であることを特徴とする請求項1記載の
    容器入り冷凍食品。
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