JPH0789886B2 - 突然変異原不活化剤および突然変異原不活化方法 - Google Patents

突然変異原不活化剤および突然変異原不活化方法

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JPH0789886B2
JPH0789886B2 JP60028918A JP2891885A JPH0789886B2 JP H0789886 B2 JPH0789886 B2 JP H0789886B2 JP 60028918 A JP60028918 A JP 60028918A JP 2891885 A JP2891885 A JP 2891885A JP H0789886 B2 JPH0789886 B2 JP H0789886B2
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    • A61P39/02Antidotes

Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、ニトロアレーンや食品の焼焦げなどの突然変
異を誘発する物質を吸着して体外に排泄させることによ
り不活化する作用を有する突然変異原不活化剤およびそ
れを用いた突然変異不活化方法に関する。
「従来技術およびその問題点」 近年、突然変異原が発癌性と高い相関作用を有すること
が分り、種々の研究が試みられるようなってきた。突然
変異原は、DNAに作用して当然変異を誘発する作用を有
している。
我々の日常生活において、この突然変異原となる物質は
至るところに見出されている。例えばジニトロピレンに
代表されるニトロアレーン等の環境汚染物質、食品中に
含まれるアミノ酸の焼焦げ成分、食品の調理によって生
じる褐変物質、タバコのタールなどは、かなり強い突然
変異原となることが知られている。
特に、ニトロアレーンは、近年、ディーゼルエンジンの
排ガス等より見出され、その突然変異原性が高いことか
ら、ベンツピレンとともに環境汚染物質の中でも最も発
癌性の強いものの一つとして、その対応がせまられてい
る。ニトロアレーンは、極めて安定な物質で、動物実験
では80ng/kgで癌を発生させることが報告されている。
このような突然変異原を不活化することについては、こ
れまでにもいくつかの提案がなされている。例えば、
システィン、ソルビン酸と亜硫酸の反応生成物や、殺虫
剤キャプタンをブタミンCによって不活化すること、
トリプトファン燃焼物(Trp−P−1、焼焦げ成分の一
種)を野菜のパーオキシダーゼによって不活化するこ
と、化学発癌物質の代謝中間体が毒性を示す場合にそ
の中間体の生成を抑制することにより不活化すること、
トリプトファン燃焼物を野菜の繊維質に吸着させて排
泄させる、いわゆるスカベンジャー効果により不活化す
ること、環境中の変異原の検出のために、銅フタロシ
アニントリスルフォン酸を固着した特殊な綿にベンゾ
(α)ピレンを吸着させることなどが知られている。
上記のように、種々の突然変異原を不活化する方法が提
案されているが、例えば野菜のビタミンCやパーオキシ
ダーゼなどを利用しようとする場合には、加熱調理など
によってビタミンCが破壊され、あるいは酵素が失活し
て、不活化作用がなくなることが多い。また、ゴボウ、
キャベツ、ニンジンなどの野菜の繊維質を利用しようと
する場合には、食事の際、野菜を大量に摂取するか、あ
るいは度々摂取するなどの配慮が必要となり、充分な不
活化が達成されないことが多い。さらに、銅フタロシア
ニントリスルフォン酸などは人体に有害で摂取すること
ができない。なお、ニトロアレーンを食品成分によって
不活化する提案は未だなされていない。
「発明の目的」 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、人体
に無害な天然物であって、突然変異原を少量にて吸着さ
せて体外に排泄させることにより不活化することがで
き、加熱しても不活化が阻害されることがない突然変異
原不活化剤およびそれを用いた突然変異不活化方法を提
供することにある。
「発明の構成」 本発明の突然変異原不活化剤は、突然変異原を吸着する
性質を有し、それ自体が難消化性であって、突然変異原
を吸着し、体外に排泄させることにより、突然変異原不
活化作用をもたらすものであって、コーンファイバーよ
り澱粉質、蛋白質等を除去して得られるセルロース、ヘ
ミセルロースを主成分とする食物繊維質からなり、NDF
(Neutral Detergent Fiber)値が50%以上であり、か
つ、粒度が16メッシュより小さいことを特徴とする。
また、本発明の突然変異原不活化方法は、コーンファイ
バーより澱粉質、淡白質等を除去して得られるセルロー
ス、ヘミセルロースを主成分とする食物繊維質であっ
て、NDF(Neutral Detergent Fiber)値が50%以上であ
り、かつ、粒度が16メッシュより小さいものからなる突
然変異原不活化剤を、突然変異原を含有する組成物に添
加して、突然変異原を前記突然変異原不活化剤に吸着さ
せることを特徴とする。
本発明で出発原料として用いられるコーンファイバーと
は、とうもろこしの外皮部分を意味し、ウエットコーン
ミリング(とうもろこしの湿式亜硫酸浸漬処理)または
ドライミリング(とうもろこしの乾式処理)により分離
生産された外皮のいずれも使用できる。
本発明では、コーンファイバーを酵素処理、化学的処
理、物理的処理のいずれか、またはそれらの処理の組合
せで処理することにより、コーンファイバー中に含有さ
れている澱粉質、蛋白質等を除去する。
酵素処理としては、例えば澱粉分解酵素、蛋白分解酵
素、脂肪分解酵素、繊維素分解酵素の一種または数種を
pH約3〜9、温度約30〜100℃の条件下に添加させる方
法が採用される。澱粉分解酵素としてはα−アミラー
ゼ、グルコアミラーゼ、蛋白分解酵素としてはプロテア
ーゼ、脂肪分解酵素としてはリパーゼ、繊維素分解酵素
としてはセルラーゼ等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。また、本発明においてはパンクレア
チンの如く澱粉分解酵素、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素
を併せてもつ複合酵素を使用することもできる。
化学的処理としては、例えばコーンファイバーをアルカ
リ及び酸の水溶液で処理するか、あるいは界面活性剤を
添加して処理する方法が採用される。アルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ソー
ダ、水酸化カリウム等、酸としては塩酸、硫酸、リン酸
等の鉱酸のほか、酢酸、乳酸、クエン酸等の有機酸が使
用できる。界面活性剤としては、モノグリセライド、シ
ュガーエステル、ラウリル硫酸ソーダ及びその他等の界
面活性剤が使用できる。
物理的処理としては、例えばコーンファイバーをホモジ
ナイザー、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕し、これを篩
にかけて粉砕されやすい澱粉質、蛋白質等を篩分け除去
する処理が採用される。
こうして、コーンファイバーを酵素処理、化学的処理、
物理的処理のいずれか、またはそれらの処理の組合せで
処理することにより、澱粉質、蛋白質等が除去されたセ
ルロース、ヘミセルロース等の非消化性物質を主成分と
する食物繊維質が得られる。本発明の突然変異原不活化
剤は、この食物繊維からなっている。
突然変異原の不活化作用は、不活化剤の表面積が大きく
なるほど効果的である。このため、本発明の突然変異原
不活化剤は粒度が16メッシュより小さいことが必要であ
る。粒度が16メッシュより大きい場合は、表面積が減
り、不活化が不充分となると共に、摂取するときに食感
を害することになるので好ましくない。
また、体内で突然変異原作用を抑制するためには、突然
変異原を体外に排出するため、蛋白質、澱粉、脂肪分な
どの消化性成分は少ない方が好ましい。このため、本発
明の突然変異原不活化剤は、NDF(Neutral Detergent F
iber)値が無水物換算で50%以上の食物繊維質からなる
ことが必要である。
突然変異原の不活化には、コーンファイバー中に含まれ
ているセルロースの他、ヘミセルロースやリグニン、イ
ノシトールをはじめとしたリン化合物、金属類などが関
与しているものと考えられる。したがって、難消化性成
分が多く、微粉末になって表面積が大きいものほど微量
で不活化が達成されると考えられる。
こうして得られた本発明の突然変異原不活化剤は、例え
ば焼焦げ成分などの突然変異原を含有する食品を食べる
とき、それと並行して摂取することにより、体内にて突
然変異原を吸着し体外に排出させることにより不活化し
て発癌の予防を図ることが期待される。また、突然変異
原を含有する食品などの組成物に添加して突然変異を吸
着させて体外に排泄させやすくすることにより、食品な
どの安全性を高めることができる。したがって、本発明
の突然変異原不活化剤は、突然変異原を不活化するとい
う目的で、そのまま摂取することもでき、あるいは加工
食品、健康食品、薬品等に添加することもできる。
突然変異原不活化剤の突然変異原不活化作用は、例えば
「環境変異原実験法」(講談社発行、1980年)p56〜67
に記載のエームス法による突然変異テストで評価するこ
とができる。
その概略を説明すると、このテストは別名サルモネラテ
ストともいい、サルモネラ菌のヒスチジン要求性の菌株
を、ヒスチジンが極めて微量しか存在しない寒天培地上
にまき、生育してくるコロニー数を数えて突然変異の度
合を測定するものである。より具体的には、例えば突然
変異原としてジニトロピレンを使用する場合、ジニトロ
ピレン水溶液(例えば0.1μg/ml)1mlに、不活化物質5m
g〜200mgを添加し、1〜3時間室温に放置した後、遠心
分離して上澄部分を集め、その所定量、例えば20μを
3mlの軟寒天に加え、ヒスチジン要求性の菌株、例えば
サルモネラTA−98株を用いてエームス法による突然変異
テストを行なう。そして、ジニトロピレン水溶液をその
まま培地に添加した場合に出現する変異体コロニー数A
と、ジニトロピレン水溶液を不活化物質で処理した後に
培地に添加した場合に出現する変異体コロニー数Bとを
求め、(A−B)/A×100%によって不活化率とする。
なお、動物の生体内と同じ環境条件とするため、軟寒天
中にはラット、ウサギなどの肝臓から抽出して調製した
液、いわゆるS−9 Mixを添加してもよい。
「発明の実施例」 実施例1 トウモロコシをハンマーで打ち砕き、種皮の部分を集
め、水中で洗浄して12メッシュの金網で捕集し、水をき
った後、風乾した。風乾後、32メッシュ以下に粉砕し
て、NDF 60%の試料を得た。
この試料100mgを、0.1μg/mlのジニトロピレン水溶液1m
lに添加して3時間放置後、遠心分離して上澄部分を集
め、その20μを軟寒天に加え、ヒスチジン要求性のサ
ルモネラTA−98株を用いてエームス法による突然変異テ
ストを行なった。不活化率は89.1%であった。
実施例2 トウモロコシのウエットミリングから得られるコーンフ
ァイバー懸濁液を高速ホモジナイザーで処理し、32メッ
シュの篩にかけて回収し、新たに温水を加えて洗浄した
後、60℃で通風乾燥した。さらに、微粉砕機により200
メッシュ以下のものが90%以上となるまで微粉砕した。
この試料は、NDF 88%であった。
こうして得られた試料30mg、100mgを0.1μg/mlのジニト
ロピレン各1mlに添加して室温で2時間放置後、実施例
1と同様に上澄液を得て、エームス法により突然変異テ
ストを行なった。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、この試料は30mgという微量
でもジニトロピレンの突然変異性を85.6%不活化するこ
とがわかる。
実施例3 トウモロコシのドライミリングから得られるコーンハル
(トウモロコシの皮)を粗粉砕し、20メッシュの篩にか
けて種皮の部分を回収した。次いで、微粉砕機で100メ
ッシュ以下に粉砕した。
この試料5mg、10mg、20mgを、0.1μg/mlのGlu−p−1
(焼焦げ成分の一種)各1mlに添加し、室温で2時間放
置後、遠心分離して上澄液部分を集め、これをミリポア
フィルター(0.45ミクロン)で濾過して得た濾液0.1ml
を用いてエームス法により突然変異テストを行なった。
なお、この実施例では、軟寒天中にウサギの肝臓から抽
出して調製したS−9 Mix液を0.1ml添加した。テストの
結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、コーンファイバーから得ら
れた上記試料は、焼焦げ成分に対しても不活化作用があ
ることがわかる。したがって、焼き肉等の焼焦げ成分を
摂取する際に、同時に微量のコーンファイバーを摂取す
れば変異原を不活化でき、ガンを予防できると考えられ
る。
実施例4 ウエットミリングで得られるトウモロコシ種皮粉砕品を
スラリーとした後、90℃に加熱し、「クライスターゼT
−5」(商品名、大和化成工業株式会社製、澱粉分解酵
素)を加えて2時間反応させ、次いで60℃に冷却後、
「ビオプラーゼSP」(商品名、長瀬産業株式会社、蛋白
分解酵素)を加えて5時間反応させて、澱粉質、蛋白質
を除去した。残渣を水洗、回収し、通風乾燥した後、微
粉砕して60メッシュパスの粉末試料を得た。この試料は
NDF 87%であった。
こうして調製した試料5mg、10mg、20mgを、それぞれ1
μg/mlのTrp−p−1(焼焦げ成分の一種)各1mlに添加
し、室温で2.5時間放置した後、実施例1と同様に上澄
液を得て、その0.1mlをエームス法により突然変異テス
トを行なった。なお、この実施例でも、軟寒天中にウサ
ギの肝臓から抽出して調製したS−9 Mix液を0.1ml添加
した。テストの結果を第3表に示す。
第3表から明らかなように、この試料は焼焦げ成分の一
種であるTrp−p−1に対して、微量でも高い不活化作
用を示すことがわかる。
試験例1(粒度と突然変異原不活化作用との関係) ウェットミリングによって分離したとうもろこしの外皮
を水洗して乾燥し、乾燥後に16メッシュの篩上に残った
ものを試料1とした。次に、この試料1をハンマーミル
で粗粉砕し、16メッシュの篩を通過し、32メッシュの篩
を通過しないものを集めて試料2とした。また、32メッ
シュの篩を通過し、60メッシュの篩を通過しないものを
集めて試料3とした。
前記試料1をサイクロテック粉砕機にて粉砕し、60メッ
シュの篩を通過し、100メッシュの篩を通過しないもの
を集めて試料4とした。また、100メッシュの篩を通過
し、145メッシュの篩を通過しないものを集めて試料5
とした。更に、145メッシュの篩を通過したものを試料
6とした。また、前記実施例2で得られた、200メッシ
ュ以下のものが90%以上で、NDF 88%の試料を、試料7
とした。
以上のように調製した粒度の異なる試料1〜7を用い
て、突然変異原不活化作用についての試験を行なった。
すなわち、各試料20mgをそれぞれ試験管に採取し、0.01
μg/mlのジニトロピレン水溶液をそれぞれ1ml加えてよ
く混合した後、室温で3時間放置した。その後、3000rp
mで10分間遠心分離して、それぞれの上澄液を得た。得
られた各上澄液を試験液として、エームス法による突然
変異原性を調べた。
すなわち、サルモネラTA−98株のサスペンジョン0.1ml
と上記各試験液20μを3mlのソフトアガー(molton to
p agar)に混ぜて、最少グルコース寒天培地プレートに
流し込み、37℃で48時間培養して出現したコロニーの数
をカウント(2枚のシャーレ平均)した。また、比較の
ため、上記試験液の代りに0.01μg/mlのジニトロピレン
水溶液を20μを添加して、同様な試験を行なった。更
に、サルモネラTA−98株のサスペンジョン0.1mlだけを
添加して同様な試験を行ない、自然復帰により出現した
コロニー数を求めた。各試験液のコロニー数は、上記自
然復帰により出現したコロニー数を差し引いて計算し
た。不活化率は次式によって求めた。
不活化率(%)={A−B)/A}×100 ここで、Aは、0.01μg/mlのジニトロピレン水溶液だけ
を添加した場合のコロニー数であり、Bは、0.01μg/ml
のジニトロピレン水溶液を試料1〜7で処理した試験液
を添加した場合のコロニー数である。この結果を第4表
に示す。
第4表から粒度が小さくなるほど不活化率が高くなるこ
とがわかる。
試験例2(アルカリ処理と突然変異原不活化作用との関
係) 前記試験例1における試料7に、2%のNaOHを含むアル
カリ水溶液を添加し、室温で18時間、振とう処理した。
この懸濁液を遠心分離して、得られた沈殿を中和し、洗
浄、乾燥した。この沈澱を試料8とした。この試料8
は、アルカリ処理によりヘミセルロースを除去した残渣
であって、主としてセルロース及びリグニンからなるも
のである。
また、上記懸濁液を遠心分離して、得られた上澄液を中
和し、脱色、脱塩処理し、濃縮して、凍結乾燥した。こ
の乾燥物を試料9とした。この試料9は、アルカリ処理
により溶出したヘミセルロースを主成分とするものであ
る。
試料7、8、9について、試験例1と同様にして、ジニ
トロピレンによる突然変異原性の不活化率を求めた。こ
の結果を第5表に示す。
第5表からアルカリ処理を施すと不活化率が低下するこ
とがわかる。
試験例3(NDF値と突然変異原不活化作用との関係) とうもろこしの殻粒をそのまま粉砕して試料10とした。
この試料10は、NDF値が7.5%であった。
ドライミリングにより分離したとうもろこし外皮を、サ
イクロテック粉砕機にて粉砕し、これを試料11とした。
この試料11は、NDF値が57%であった。
試験例1における試料7を用意した。この試料7は、前
述したようにNDF値が88%であった。
とうもろこし外皮をサイクロテック粉砕機にて粉砕し、
中性洗浄溶液(Neutral Detergent Solution)で処理し
て、NDF標品(NDF値100%)を得た。これを試料12とし
た。
上記試料10、11、7、12について、試験例1と同様にし
て、ジニトロピレンによる突然変異原性の不活化率を求
めた。この結果を第6表に示す。
第6表からNDF値が高くなるほど不活化率が高くなるこ
とがわかる。
試験例4(各種物質の突然変異原不活化作用) 試験例1における試料7を用意した。また、市販の小麦
ふすまをサイクロテック粉砕機で粉砕し、これを試料13
とした。更に、市販のセルロースパウダーを用意し、こ
れを試料14とした。
これらの試料7、13、14について、試練例1と同様にし
て、ジニトロピレンによる突然変異原性の不活化率を求
めた。なお、0.01μg/mlのジニトロピレン水溶液1mlに
添加した試料の量は、それぞれ5mg、10mgとした。この
結果を第7表に示す。
第7表から、とうもろこし外皮から調製された本発明の
物質は、小麦ふすま、セルロースパウダーなどと比較し
て、より高い不活化率を示すことがわかる。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明の突然変異原不活化剤は、
ニトロアレーンや焼焦げ成分などの各種突然変異原に対
して微量でも極めて強い不活化作用を有している。ま
た、加熱しても突然変異原に対する不活化作用は阻害さ
れない。さらに、天然物であるので、人体に全く無害で
ある。そして、体内では難消化性であり、かつ、トラン
ジットタイムも短いことから、突然変異原の人体に対す
る有害な作用をブロックすることにより、癌の予防効果
を発揮するものと考えられる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−36947(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】突然変異原を吸着する性質を有し、それ自
    体が難消化性であって、突然変異原を吸着し、体外に排
    泄させることにより、突然変異原不活化作用をもたらす
    突然変異原不活化剤において、コーンファイバーより澱
    粉質、蛋白質等を除去して得られるセルロース、ヘミセ
    ルロースを主成分とする食物繊維質からなり、NDF(Neu
    tral Detergent Fiber)値が50%以上であり、かつ、粒
    度が16メッシュより小さいことを特徴とする突然変異原
    不活化剤。
  2. 【請求項2】コーンファイバーより澱粉質、蛋白質等を
    除去して得られるセルロース、ヘミセルロースを主成分
    とする食物繊維質であって、NDF(Neutral Detergent F
    iber)値が50%以上であり、かつ、粒度が16メッシュよ
    り小さいものからなる突然変異原不活化剤を、突然変異
    原を含有する組成物に添加して、突然変異原を前記突然
    変異原不活化剤に吸着させることを特徴とする突然変異
    原不活化方法。
JP60028918A 1985-02-16 1985-02-16 突然変異原不活化剤および突然変異原不活化方法 Expired - Lifetime JPH0789886B2 (ja)

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