JPH0789884A - 新規なオレフィン化合物、その製造方法及びその中間体 - Google Patents

新規なオレフィン化合物、その製造方法及びその中間体

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JPH0789884A
JPH0789884A JP1717591A JP1717591A JPH0789884A JP H0789884 A JPH0789884 A JP H0789884A JP 1717591 A JP1717591 A JP 1717591A JP 1717591 A JP1717591 A JP 1717591A JP H0789884 A JPH0789884 A JP H0789884A
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正臣 佐々木
Tomoyuki Shimada
知幸 島田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機電子材料として有用な新規なオレフィン
化合物、その工業的に有利な製造方法及びその中間体を
提供する。 【構成】 下記一般式化1で表わされる新規なオレフィ
ン化合物。 【化1】 (式中、Ar、R1、R2、n及びmはそれぞれ以下のも
のを表わす。 Ar:芳香族炭化水素基。 R1,R2:水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル
基。 n:0又は1。 m:1又は2。 但し、n=0、m=1の場合、ArとR1は共同で環を
形成してもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピレン環を含む新規なオ
レフィン化合物、その製造方法、及びその中間体に関
し、更に詳しくはピレン環によりπ共役が拡大された分
子構造を有する、有機電子材料として有用な、新規なオ
レフィン化合物その製造方法及びその中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン化合物の合成に関しては、
“K.B.Becker; SYNTHESIS 34
1 (1983)”に、「スチルベン類の合成」という
タイトルで数多くの方法が紹介されている。ピレン環を
含むオレフィン化合物に関しては、上記の文献に記載さ
れている(1)Grignard反応による方法、
(2)Anil 合成による方法、(3)Knoeve
nagel反応による方法、(4)Wittig反応に
よる方法、(5)Wittig−Horner反応によ
る方法等を用いた合成例が、下記文献に開示されてい
る。すなわち、(1)の例として“Rec. tra
v.chim.,74, 1119(1955)”で
は、ピレンアルデヒド、ベンジルマグネシウム塩化物及
び蟻酸とによりスチリルピレンを得ており、(2)の例
として“C.A.71,71927”には、1−(2−
ナフチル)−2−(3−ピレニル)エチレンが記載され
ている。また、(3)の例として西ドイツ特許公開明細
書第2,513,190号(1975)には、ピレン−
1−アルデヒドと2,4,6−トリニトロトルエンとの
反応により1−(2,4,6−トリニトロスチリル)ピ
レンを得る方法が記載されている。しかし、これら
(1)〜(3)の方法は、何れも脱水下で行なわれなけ
ればならないことや高温、長時間を要するなど、反応操
作性あるいは反応上の問題点と共に、電子吸引性の置換
基により活性化された化合物に制約される等の難点があ
る。
【0003】一方、前記(4)のリン化合物を用いるW
ittig反応は、温和な条件下でオレフィン合成を行
なう方法として大変優れたものであり、“Bull,
Chem.Soc. Jap. 44, 2231(1
971)”及び“同45,875(1972)”には、
ピレニルメチルトリフェニルホスホニウムブロマイドを
Wittig試薬として用いたオレフィンの合成が記載
されている。しかし、この反応は一般にシス−トランス
の混合物を与える、またある種のケトンとは反応性が低
い、オレフィンと等モル副生するホスフィンオキシドの
除去が困難であるなどといういくつかの欠点が指摘され
ていることも事実である。また、前記(5)のWitt
ig−Horner法、すなわちピレンアルデヒドと4
−ジフェニルアミノベンジルホスホン酸ジエチルとの反
応により、置換アミノスチリルピレンを得る方法が、特
開平1−252965号及び特開平1−253753号
各公報に開示されているが、ここに記載されているホス
ホン酸エステルの合成は、合成化学的見地からみて、極
めて実現困難なものと言わざるを得ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ピレン
環を含むオレフィン化合物の製造に関しては、従来の方
法は何れも何らかの問題点を有し、未だ満足される方法
は見出されていないし、且つ従来の製造方法には種々の
制約があって、合成され得る化合物の適用範囲が狭いと
いうのが現状である。従って、本発明の目的は、有機電
子材料として有用な、π共役が拡大された分子構造を有
する、新規なオレフィン化合物を提供すること及び前記
従来技術の有する問題点を克服したオレフィン化合物の
製造方法を提供すること更にはこれらオレフィン化合物
合成のための新規な中間体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、前記Wittig−Horner反応にお
いて、1−ピレニルメチルホスホン酸ジエチルを用いる
ことにより、多様なカルボニル化合物との反応で、ピレ
ン環を有する新規なオレフィン化合物の合成を、極めて
有効に実施できることを見出し、本発明を完成するに到
った。
【0006】すなわち、本発明によれば、下記一般式化
1で表わされる新規なオレフィン化合物が提供される。
【化1】 (式中、Ar、R1、R2、n及びmはそれぞれ以下のも
のを表わす。 Ar:芳香族炭化水素基。 R1,R2:水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル
基。 n:0又は1。 m:1又は2。 但し、n=0、m=1の場合、ArとR1は共同で環を
形成してもよい。)
【0007】また、本発明によれば、下記一般式化2で
表わされるホスホン酸エステル誘導体と下記一般式化3
で表わされるカルボニル化合物とを、塩基性化合物の存
在下に反応させることを特徴とする前記のオレフィン化
合物の製造方法が提供される。
【化2】 (式中、R3は低級アルキル基を表わす。)
【化3】 (式中、Ar、R1、R2、n及びmはそれぞれ以下のも
のを表わす。 Ar:芳香族炭化水素基。 R1,R2:水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル
基。 n:0又は1。 m:1又は2。 但し、n=0、m=1の場合、ArとR1は共同で環を
形成してもよい。)
【0008】また、本発明によれば、下記一般式化2で
示される新規なホスホン酸エステル誘導体が提供され
る。
【化2】 (式中、R3は低級アルキル基を表わす。)前記一般式
化1において、Arは芳香族炭化水素基の一価基又は二
価基を表わし、その一価基の具体例としてはフェニル
基、ビフェニリル基、ターフェニル基等の非縮合炭素環
式の芳香族基の他に、縮合多環式炭化水素基が挙げられ
る。この場合、縮合多環式炭化水素基としては、環を形
成する炭素数が18個以下のものが好ましく、例えばペ
ンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル
基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダ
セニル基、フルオレニル基、S−インダセニル基、アセ
ナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル
基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル
基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、
アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル
基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられ
る。また、芳香族炭化水素基は以下に示す置換基を有す
ることができる。 (1) ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基 (2) アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけ
1〜C8、更に好ましくはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素原
子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェ
ニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しく
はC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含
有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、
2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジ
ル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、
4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が
挙げられる。 (3) アルコキシ基(−OR4);R4は(2)で定義
したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−
ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブ
トキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエト
キシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ
基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。 (4) アリールオキシ基:アリール基としてフェニル
基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアル
コキシ基、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を置
換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ
基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4
−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4
−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキ
シ基等が挙げられる。 (5) アルキルメルカプト基(−SR4);R4
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的にはメチ
ルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチル
フェニルチオ基等が挙げられる。 たアルキル基、又はアリール基を表わし、アリール基と
しては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル
基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1
〜C4のアルキル基、又はハロゲン原子を置換基として
含有してもよい。R2とR3は共同で環を形成しても良
い。また、アリール基上の炭素原子と共同で環を形成し
てもよい。)具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ
基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフ
ェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリール)アミノ
基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ
基、ユロリジル基等が挙げられる。 (7) メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基、等が
挙げられる。また、前記一般式化1において、R1及び
2のアルキル基としては、C1〜C12、とりわけC1
8、更にはC1〜C4の直鎖又は分岐鎖状のものが好ま
しく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2
−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル
基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4
−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙
げられる。なお、これらのアルキル基は、フッ素原子、
水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル
基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基若しくはC
1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基等の置換
基を含有してもよい。
【0009】本発明に係る前記一般式化1で表わされる
オレフィン化合物は、新規物質であり、該化合物は、前
記一般式化2で表わされるホスホン酸エステル誘導体、
すなわち、1−ピレニルメチルホスホン酸エステルと前
記一般式化3で表わされるカルボニル化合物とを、塩基
性化合物の存在下に反応させることによって得られる。
この場合、塩基性化合物すなわち塩基性触媒としては、
苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアミド、水素化ナト
リウム及びナトリウムメチラート、カリウム−t−ブト
キサイドなどのアルコラートを挙げることができる。ま
た、反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トル
エン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができ
る。中でも極性溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムア
ミド及びジメチルスルホキシドが好適である。
【0010】反応温度は、1)使用する溶媒の塩基性触
媒に対する安定性、2)縮合成分[一般式化2及び化3
の化合物]の反応性、3)前記塩基性触媒の溶媒中にお
ける縮合剤としての反応性によって広範囲に選択するこ
とができる。例えば、極性溶媒を用いる場合は、実際に
は室温から100℃、好ましくは室温から80℃であ
る。しかし、反応時間の短縮又は活性の低い縮合剤を使
用する場合は、更に高い温度でもよい。
【0011】なお、本発明で使用する前記一般式化2で
表わされる1−ピレニルメチルホスホン酸エステルは、
文献未記載の新規物質である。該一般式化2におけるR
3の低級アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル
基、特にメチル基、エチル基が好ましい。該ホスホン酸
エステル誘導体は、対応するハロメチル化合物と亜リン
酸トリアルキルとを、直接あるいはトルエン、キシレン
等の溶媒中で加熱することにより、容易に製造される。
ここで亜リントリアルキルのトリアルキル基としては、
炭素数1〜4のアルキル基、特にメチル基、エチル基が
好ましい。ハロメチル化合物に対する亜リン酸トリアル
キルの使用割合は1〜10倍当量好ましくは、2〜4倍
当量である。反応温度は通常80〜160℃程度、好ま
しくは100〜140℃付近で行う。
【0012】また、前記一般式化3におけるAr、R1
及びR2は、前記一般式化1におけるAr、R1及びR2
とそれぞれ同一であり、一般式化3で表わされる化合物
のm=2の場合の代表例としては、フタルアルデヒド、
イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ナフタ
レンジカルバルデヒド、2,4−ヘキサジエン−1,6
−ジアール、2,5−ジメトキシテレフタルアルデヒド
等が挙げられる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0014】実施例1 〔1−(4−クロロスチリル)ピレンの製造〕1−ピレ
ニルメチルホスホン酸ジエチル2.47g(7mmo
l)及び4−クロロベンズアルデヒド0.99g(7m
mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)2
5mlに撹拌溶解し、ナトリウムメチラート(28重量
%含有メタノール溶液)1.62g(7×1.2mmo
l)を系の温度が30℃を越えないように徐々に添加す
る。その後室温にて1時間撹拌後、酢酸により中和し、
水約300mlで希釈したのち結晶を濾取する。得られ
た結晶を乾燥後、カラム精製を2回(1回目:担体;シ
リカゲル、溶離液;トルエン/n−ヘキサン=1/1、
2回目:担体;シリカゲル、溶離液;トルエン/n−ヘ
キサン=1/2)行ない、黄色粉末2.21g(収率9
3.5%)を得た。更に、得られた黄色粉末をトルエン
/n−ヘキサン混合溶媒にて再結晶を行ない、黄色針状
結晶の1−(4−クロロスチリル)ピレンを得た。 得
られた化合物の融点は157.5〜158.5℃であ
り、またその元素分析値は下記の通りであった。 この化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図1に示すが、9651/cmにトランスオレフィンに
基づく吸収が認められた。
【0015】実施例2〜21 実施例1において使用した4−クロロベンズアルデヒド
の代りに、表1〜表7に示すカルボニル化合物を用いた
以外は、実施例1と同様に操作してオレフィン化合物を
得た。それらの結果を表1〜表7に示す。
【0016】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】 なお、実施例6〜10,13,15及び16で得られた
各化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図
2〜図9に示す。
【0017】実施例22 〔1−メチル−1−(p−クロロフェニル)−2−(1
−ピレニル)エチレンの製造〕1−ピレニルメチルホス
ホン酸ジエチル2.47g(7mmol)及びp−クロ
ロアセトフェノン1.08g(7mmol)をDMF2
5mlに撹拌溶解し、カリウム−tert−ブトキシド
1.24g(7×1.5mmol)を2時間かけて徐々
に添加する。その後、室温にて9時間、更に60℃にて
9時間加熱撹拌する。酢酸により中和した後、トルエン
で抽出、水洗し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、更
に減圧濃縮する。得られた結晶を乾燥後、カラム精製
(担体;シリカゲル、溶離液;トルエン/n−ヘキサン
=1/1)を行ない、黄色粉末1.12g(44.8
%)を得た。更に、トルエン/n−ヘキサン混合溶媒で
再結晶を行ない、黄色結晶を得た。これをエタノール1
00mlで加熱洗浄して、黄色の結晶1−メチル−1−
(p−クロロフェニル)−2−(1−ピレニル)エチレ
ンの純品を得た。得られた化合物の融点は161.6〜
163.7℃であり、その元素分析値は下記の通りであ
った。 赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図10に示
す。
【0018】実施例23 〔β,β’−ビス(1−ピレニル)−1,4−ジビニル
ベンゼンの製造〕1−ピレニルメチルホスホン酸ジエチ
ル3.52g(10mmol)とテレフタルアルデヒド
0.67g(5mmol)とをDMF30mlに溶解
し、これにカリウム−tert−ブトキシド1.68g
(15mmol)を22〜29℃で添加した。添加後室
温で3時間撹拌したのち、メタノール30mlで希釈し
結晶を濾取した。水洗次いでメタノールで洗浄後、減圧
下加熱乾燥して黄色粉末2.46g(収率92.8%)
を得た。N,N−ジメチルアセトアミドから再結晶し
て、黄色葉状結晶の下記化4で表わされるβ,β’−ビ
ス(1−ピレニル)−1,4−ジビニルベンゼンを得
た。
【化4】 得られた化合物の融点は338℃(DTA吸熱ピーク温
度)であり、またその元素分析値は下記の通りであっ
た。 この化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図11に示すが、965 1/cmにトランスオレフィ
ンの吸収が認められた。
【0019】実施例24〜33 実施例23において使用したテレフタルアルデヒドの代
わりに、表8〜表10に示すカルボニル化合物を用いた
以外は、実施例23と同様に操作してオレフィン化合物
を得た。それらの結果を表8〜表10に示す。
【表8】
【表9】
【表10】
【0020】実施例34 〔1−ピレニルメチルホスホン酸ジエチルの製造〕1−
クロロメチルピレン120g(0.48モル)を亜リン
酸トリエチル500ccに溶解し、125〜140℃で
5時間加熱撹拌する。反応中、発生するエチルクロライ
ドは系外へ除く。冷却後、n−ヘキサン370ccを滴
下し、結晶を析出させて濾取後、さらにn−ヘキサン3
00ccで2回洗浄し、減圧下加熱乾燥して1−ピレニ
ルメチルホスホン酸ジエチルの粗製品151.4g(収
率89.7%)を得た。さらに、n−ヘキサン、酢酸エ
チル混合溶媒により再結晶を行い白色針状結晶の1−ピ
レニルメチルホスホン酸ジエチルの純品を得た。 融点:115.0〜116.0℃ この化合物の赤外吸収スペクトルを図12に示す。また
その元素分析値は下記の通りであった。
【0021】又、本発明のホスホン酸エステル誘導体を
中間体として用いて合成したピレン環含有オレフィン化
合物を電子写真用感光体の電荷輸送材料として使用した
例を以下に記す。 電荷発生物質として下記ビスアゾ化合物化5 7.5部
【化5】 及びポリエステル樹脂[(株)東洋紡績製バイロン20
0]の0.5%テトラヒドロフラン溶液500部をボー
ルミル中で粉砕混合し、得られた分散液をアルミニウム
蒸着ポリエステルフィルム上にドクターブレードで塗布
し、自然乾燥して約1μm厚の電荷発生層を形成した。
次にポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パンライトK
−1300]1部とテトラヒドロフラン8部の樹脂溶液
に、電荷輸送物質として実施例8の化合物1部を溶解
し、この溶液を前記電荷発生層上にドクターブレードで
塗布し、80℃で2分間、次いで120℃で5分間乾燥
して厚さ約20μmの電荷輸送層を形成して感光体を作
成した。
【0022】次にこうして得られた積層型電子写真感光
体の可視域での感度を調べるため、この感光体に静電複
写紙試験装置[(株)川口電機製作所製SP428型]
を用いて暗所で−6KVのコロナ放電を200秒間行っ
て帯電させた後、20秒間暗所に放置したときの、表面
電位V0(V)を測定した。次いでタングステンランプ
光を感光体表面での照度が4.5luxになるように照
射して、V0が1/2になるまでの露光量E 1/2(lux
・sec)を測定した。その結果V0は−1121
(V)、E 1/2は0.89(lux・sec)であっ
た。又、以上の感光体を市販の電子写真複写機を用いて
帯電せしめた後、原図を介して光照射を行って静電潜像
を形成せしめ、乾式現像剤を用いて現象し、得られた画
像(トナー画像)を普通紙上に静電転写し、定着したと
ころ、鮮明な転写画像が得られた。現像剤として湿式現
像剤を用いた場合も同様に鮮明な画像が得られた。
【0023】
【発明の効果】請求項(1)の前記一般式化1で表わされ
るピレン環を含む新規なオレフィン化合物は、ピレン環
によりπ共役が拡大された分子構造を有することから、
有機電子化材料として特に有用である。また、請求項
(2)の製造方法によると、極めて温和な条件下、短時間
でホスホン酸エステル誘導体と多様なカルボニル化合物
との縮合反応により、高収率でしかも高純度の前記オレ
フィン化合物を得ることができる。また、請求項(3)の
ホスホン酸誘導体はピレン環を含む前記一般式化1で示
されるオレフィン化合物の中間体として極めて有用なも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたオレフィン化合物の赤外線
吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図2】実施例6で得られたオレフィン化合物の赤外線
吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図3】実施例7で得られたオレフィン化合物の赤外線
吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図4】実施例8で得られたオレフィン化合物の赤外線
吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図5】実施例9で得られたオレフィン化合物の赤外線
吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図6】実施例10で得られたオレフィン化合物の赤外
線吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図7】実施例13で得られたオレフィン化合物の赤外
線吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図8】実施例15で得られたオレフィン化合物の赤外
線吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図9】実施例16で得られたオレフィン化合物の赤外
線吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図10】実施例22で得られたオレフィン化合物の赤
外線吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図11】実施例23で得られたオレフィン化合物の赤
外線吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
【図12】実施例34で得られたホスホン酸誘導体の赤
外線吸収スペクトル図(kBr錠剤法)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 211/45 211/54 211/58 217/92 319/20 321/28 7419−4H C07D 209/86 8217−4C C07F 9/40 Z 9155−4H G03G 5/06 314 Z 319 (72)発明者 安達 浩 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で表わされる新規なオレ
    フィン化合物。 【化1】 (式中、Ar、R1、R2、n及びmはそれぞれ以下のも
    のを表わす。 Ar:芳香族炭化水素基。 R1,R2:水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル
    基。 n:0又は1。 m:1又は2。 但し、n=0、m=1の場合、ArとR1は共同で環を
    形成してもよい。)
  2. 【請求項2】 下記一般式化2で表わされるホスホン酸
    エステル誘導体と下記一般式化3で表わされるカルボニ
    ル化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させること
    を特徴とする請求項1記載のオレフィン化合物の製造方
    法。 【化2】 (式中、R3は低級アルキル基を表わす。) 【化3】 (式中、Ar、R1、R2、n及びmはそれぞれ以下のも
    のを表わす。 Ar:芳香族炭化水素基。 R1,R2:水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル
    基。 n:0又は1。 m:1又は2。 但し、n=0、m=1の場合、ArとR1は共同で環を
    形成してもよい。)
  3. 【請求項3】 下記一般式化2で表わされるホスホン酸
    エステル誘導体。 【化2】 (式中、R3は低級アルキル基を表わす。)
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